市議会総務建設委で質問 (新宮市 )
新宮市議会の総務建設委員会(松本光生委員長、7人)が14日、市役所であり、大西強委員が昨年10月の台風21号でのり面が崩落した同市熊野川町日足の避難路について報告を求めた。当局は工事で地下水脈を遮断したことが崩れた原因の可能性が高いとし、水はけに配慮した復旧工事を進めていると説明した。
市立熊野川小学校から新宮市さつき公園へ続く水害用の避難路の一部。市道坪井猿掛線から日足避難路にかけて延長51㍍、高さ最大9・7㍍崩れた。もともとあった同線は、日足避難路につなげるため山斜面を削り、道幅を3㍍から5㍍に拡幅した。台風後、道路を覆っていた土砂は取り除いていて通行に支障はない。
大西委員は、紀伊半島大水害で避難所にいた人が亡くなり、逃げ遅れた知人が助かった例を紹介し「避難場所が崩れると不安で逃げられない。台風21号の雨量がすごかったというが、そういう時のために避難路を造ったのではないのか。何のために造ったのか分からない」と指摘。福田讓委員は「あの山は軟らかく、水を含んでいる。市民が不安にならないようにしてもらいたい」と訴えた。
熊野川小学校―神丸団地間の避難路は昨年9月3日に完成。延長800㍍、幅5㍍。事業費は約4億1300万円。
海抜約60㍍の山の上にある公園も同日完成。紀伊半島大水害での浸水被害を教訓に水害時の一時避難場所や災害時の仮設住宅建設地としても活用できるよう整備した。
当局は工場の敷地を5年間無償で貸していることなどを理由に新宮港で養殖ブリの加工・冷凍や販売を手掛けている民間企業「食縁」の経営状況について報告した。平成28年度決算がマイナス収支だった理由について、販路拡大に時間がかかっていることや魚の仕入れ価格の高騰などが原因だったと説明。現在の収益は改善に向かっていると述べた。
大西委員は市内在住の社員は何人かと質問。当局は、全社員47人中、社員18人、パート9人計27人で、残りは那智勝浦町、田辺市本宮町などと説明した。
大西委員の「在庫が多いとの噂を聞く」との質問に当局は「現在は健全な在庫になっていることを確認している」と述べた。大西委員は、増加している大型客船の乗客に売り込むことや、ふるさと納税の返納品として商品を使うことを提案。田岡実千年市長は「学校給食にも使えないかと考えています」と述べた。
屋敷満雄委員は、世界遺産の熊野古道「高野坂」を歩く人が増えていることから広角側入口だけでなく三輪崎側入口にもトイレを設置すべきと指摘。当局は「土地所有者を調べ、現場を見てみたい」と回答した。
(2018年2月16日付紙面より)
市野々小で県警音楽隊 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(西田好孝校長)で14日、和歌山県警察音楽隊による演奏会があった。同校の児童、井関保育所の園児や保護者ら約100人が生の演奏に触れ、楽しい時間を過ごした。
音楽隊は、演奏会を通して県民と交流することで警察官に親しんでもらい、理解と協力を広げようと活動している。同校では初の演奏会で『デイ・ドリーム・ビリーバー』に始まり、人気アニメソングのメドレーなど親しみやすい曲を披露した。市野々小学校校歌の演奏もあり、同校児童らが斉唱した。
演奏の合間にはフルートやクラリネット、トロンボーンなど、吹奏楽で使われる楽器を音とともに紹介した。カラーガード隊のフラッグパフォーマンスなど、楽器を演奏しながらさまざまな隊形を作るドリル演奏に盛大な拍手が送られた。井関駐在所警察官の東明洋さんから、登下校中の安全確保についての呼び掛けがあり、児童生徒らは元気よく返事をしていた。
音楽隊の森敏三楽長は「紀伊半島大水害で災害活動に来た隊員もおり、復興支援としても演奏した。音楽を聞いてもらうと子どもたちの純粋な喜びが伝わってくる。大変やりがいがあります」と話していた。
(2018年2月16日付紙面より)
高校生対象に企業説明会 (新宮市 )
ふるさとUターンフェア実行委員会は14日、新宮市立総合体育館で「地元企業知っとこガイダンス2018」を開催した。銀行業、地方公共団体、運輸業など19社が会社の概要を説明し、新宮東牟婁地域の高校生約120人が参加した。
高校生たちに地元で働くことの良さを知ってもらい、若年層の都市部への流出を抑止しようと新宮市、那智勝浦町、新宮商工会議所、南紀くろしお商工会、新宮地区職業安定協会で組織する同委員会が昨年初めて開催。昨年は高校1、2年生を対象としていたが、今回は3年生も加えた。
生徒たちは事前に希望していた3社のブースを回り各企業の担当者から説明を受けた後、気になったことについて質問した。県立新翔高校2年の宇津木涼大君(17)は「仕事の体制や人出が不足していることなど、いろいろと参考になりました」と話していた。
(2018年2月16日付紙面より)
応援寄付前年度の10倍に (串本町 )
串本町ふるさとのまちづくり応援寄付の本年度寄付総額が1月末現在で、前年度総額の10倍規模、約3億1575万円に達した。同町は平成28年10月に仕組みを大幅にリニューアル。謝礼品の充実と年次的な見直し、ポイント制の採用、専門サイトへの登録など時代相応の形にし、その効果が絶大に現れている状況だ。
この寄付制度は、ふるさと納税の一種として平成20年度に創設。日本トルコ友好125周年の機運の高まりに加え、全国的なふるさと納税ブームも追い風となり、25年度に件数が対前年比10倍以上に跳ね上がり26年度は2240件のピークに達した。しかし27年度は1222件で総額も減少。仕組みが時代に乗り切れていない感もあり、リニューアルに踏み切ったという経緯がある。
リニューアル後の半年を含む28年度は件数こそ1276件だが、総額は26年度を上回る過去最高3197万円となった。そして29年度は1月末現在で3772件、総額は3億1574万7260円。2カ月を残すタイミングで件数は約3倍、総額は約10倍となっていて、本年度末時点でどこまで伸びるかが注目されているところだ。
同町議会の平成30年第1回臨時会が15日にあり、当局は本年度の同応援基金への積立額を5000万円から4億円に変更し、同時に謝礼費用など約2億5574万円を同基金から一般会計に繰り入れる補正予算案を上程し承認を受けた。謝礼費用は半額を基準にして計算しているが、ポイント制の導入により年度を繰り越してポイントを利用するケースがあるため、謝礼費用は半額以上の幅を持たせて計上し、余った額を再度同基金に戻す形をとっている。
積立額と切り崩し額の差額が本年度の実質的な積立額で、同町企画課によると予算上における上記の承認直後の同基金総額は約1億8297万円。この寄付は目的別に寄せられているが、各項目とも同基金増により活用幅が広がっていて、同課は各項目に関係する各課に有効活用の検討を促し、頂くばかりでなく寄付者の期待にもしっかりと応えていきたいと話している。
(2018年2月16日付紙面より)
5部門に分かれて熱戦を展開
第22回黒潮親善卓球大会
新宮弓友会主催の月例射会
和歌山県高校サッカー新人大会 (新宮市やたがらすサッカー場 )
県警音楽隊招き鑑賞会 (県立みくまの支援学校 )
新宮市蜂伏の県立みくまの支援学校(稲田進彦校長)で13日、和歌山県警察音楽隊を招いた音楽鑑賞会があった。全校児童生徒80人が生の演奏に触れ、楽しい時間を過ごした。
音楽隊は「県民に愛され親しまれる音楽隊」をモットーに県民と警察を結ぶ「音のかけ橋」として活動している。同校では初の演奏会で『デイ・ドリーム・ビリーバー』に始まり、人気アニメ映画やテレビCMでなじみのある曲などを奏でた。
カラーガード隊のフラッグパフォーマンスなど、迫力のドリル演奏が披露され、子どもたちは時折一緒に口ずさんだり体を揺らしたりしながら音楽に親しんだ。合間には新宮警察署の警察官から交通事故への注意やお巡りさんの装備品についての話があり、児童生徒らは興味深げに耳を傾けていた。
稲田校長は「本物に触れる機会が少なく、音の大きさに驚いたり楽器を見たりすることが貴重な体験。子どもたちもだんだんと聴き方が分かってきたようで、そういう部分での勉強にもなったと思います」。
音楽隊の森敏三楽長は「音楽を聴き、反応してくれる子どもさんたちの素直な気持ちが伝わってくる演奏会になりました。音楽は世界共通の言葉ですね」と話していた。
(2018年2月15日付紙面より)
川関の飛烏神社で例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町川関区の飛烏(あすか)神社例大祭の本宮が11日に営まれた。式典や厄よけ祈とうに続き、共心会(田原禎久会長)が獅子舞を奉納。多くの住民らが集まり、伝統の演目に見入った。
同神社は事解男命(コトサカノオノミコト)を祭神とする本殿と秋葉神社の二殿を祭り、川関区や共心会の奉仕で毎年2月11日に例大祭を営んでいる。午前11時ごろから境内で式典を営み、厄よけ祈とうなどが行われた。午後は子どもみこしと獅子屋台が区内を練り歩き、午後2時ごろから獅子舞が披露された。
境内では獅子が二殿それぞれに「弊立て」をし、「八車」と「剣の舞」を奉納。その後は境内横の公園で「乱獅子」「八車(二頭立て)」「玉獅子」なども合わせて披露された。子どもの天狗(てんぐ)役を務めたのは勝浦小学校2年生の速水優吾君(8)。先月の16日から練習した。初めてで「緊張している」と話していたが、落ち着いた様子で踊り終え、大きな拍手を受けた。最後は大天狗が司会とユーモラスなやり取りをする「花の舞」で締めくくられ、終了後には餅まきなどもあった。
同区長の田原光英さん(65)は「代々受け継いできた祭りを、区民のみんなで今年もできる。大変うれしいことです」と話し、祭りに協力した人々に感謝した。
(2018年2月15日付紙面より)
宇久井ビジターで利用呼び掛け (那智勝浦町 )
吉野熊野国立公園を全国に発信する宇久井ビジターセンター=那智勝浦町宇久井=にこのほどイスノキのいすが登場し、その語呂もあって話題となっている。
イスノキは暖地に自生する高木でマンサク科に属する。固い木質が特徴で、ビジターに届けられたのは5脚。太地町の夏山(なっさ)の工事現場で見つかった切り株で直径50㌢、高さ40㌢の小さいものから、大きいもので直径60㌢から高さ50㌢までさまざま。すぐに腰をかけて休息できるが、同センターでは来月中頃までに座面を磨き、きれいないすとして利用してもらいたいそうだ。
この地方の自然を保護する活動を続ける有志グループの熊野自然保護連絡協議会の瀧野秀二副会長によれば「100年以上経過しているのでは。イスノキはこの地方では時々見かけるが、これだけ大きいのは珍しいのでは」と感想を述べた。センター横駐車場側に3脚、駐輪場側に2脚を配置いて、利用者の休息を呼び掛けている。
(2018年2月15日付紙面より)