新宮市観光振興計画策定等委員会(委員10人)が26日に発足した。市役所であった第1回目の会合で、委員長に選ばれた森本祐司さん(市観光協会専務理事)は交流人口を増やし、経済を活性化させるには世界遺産に登録されている熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社の「三社巡り」が鍵を握ると述べ、委員たちに協力を呼び掛けた。
市は来年度から5年間の観光振興の方向性を示す計画を初めて策定する。委員会3回、市民ワークショップ3~4回を経て計画をまとめる。
第1回委員会では、コーディネーターを務める楽天トラベル事業地域振興部の高橋俊介さんが、8月に開かれた第1回ワークショップの参加者の意見を報告。▽新宮の観光の強みは多いが資源の状態であるのが多く「観光商品」として磨かれていない▽情報の打ち出し方が決まっていない▽情報の集積、発信拠点が強く望まれている―などとまとめた。
尾畑洋一副委員長(新宮商工会議所事務局長)は「新宮には日々観光客が来ているが、お金を落としてもらう仕組みができていない。人口が減り、少子高齢化が進む中、地域内だけで経済循環していくのは難しい」と指摘。西浦康代委員(市観光ガイドの会)は「滞在時間を延ばしてもらうために2泊、3泊と安くできないか。新宮のビジネスホテルに宿泊したら雲取温泉を使えるようできないか」などと提案した。
向井雅男委員(市企画政策部長)はクルーズ客船の入港を例に挙げ、「新宮市だけをセールすると頭打ちになる。広域でセールスしていかねばならない。情報を一つにまとめないと相手に伝わらない」。畑尻賢三委員(市商工観光課長)は「広域化の受け皿づくりが必要」。尾畑副委員長も「新宮だけで完結することは難しい」と述べた。
山本將人委員(新宮信用金庫地域サービス部課長代理)は「全国どこの自治体も観光客を誘致している。これまでのようでは、なかなか来てくれない」と指摘。
原洋三委員(熊野交通営業部長)は「新宮城跡のサクラが素晴らしい。ツアー企画を提案できないか」。日比野雅子委員(仲之町商店街・土佐屋)は「地元の人でも新宮の良さが分かっていないと思う。門前町をもう少しどうにかしてほしいという意見が多い」。西浦委員は「那智は『あげいん熊野詣』、本宮は『八咫(やた)の火祭り』と全国から観光客が来るイベントがある。新宮でも新宮城跡でタイムスリップできるようなイベントはできないか」と提案した。
森本委員長は「新宮市は圧倒的に本宮への通過点になっている。本宮が熊野神社と感じている人も多い。通過型から宿泊してもらい、三山へ行ってもらうようにしないといけない。宿泊施設など課題は多いが、詰めて考えたい」と述べた。
中村晃委員(駅前本通り商店街・ナカムラ電気)と上野潤委員(熊野速玉大社権宮司)はこの日、欠席した。第2回の委員会は11月に開かれる予定。
(2017年9月28日付紙面より)
那智中吹奏楽が定期演奏会
那智勝浦町立那智中学校の吹奏楽部は24日、町立勝浦小学校で第52回定期演奏会を催した。多くの町民が来場し、部員29人が織りなす演奏に聴き入った。
この演奏会は3年生部員が部活動の集大成を発表する場として設けられており、今年は3年部員7人がこの日をもって引退した。例年、那智中の体育館で開かれていたが、中学の体育館が工事中のため、勝浦小に会場を移した。
プログラムは3部構成で、那智中の校歌をはじめ、「風になりたい」や「アフリカン・シンフォニー」、「花は咲く」などを合奏した。一部楽曲は本番前日に世界的指揮者の佐渡裕さんから指導を受けた。
パーカッションを担当した本舘愛果部長(3年)は「『フェリスタス』は夏に3年生が中心となってコンクールで演奏した楽曲なので、思い出深いです。最後の部活動なので、悔いの残らないよう頑張りました。緊張しましたけど、楽しく演奏できました」と話した。
(2017年9月28日付紙面より)
10月から赤い羽根運動 (新宮市 )
10月1日(日)から全国一斉にスタートする「赤い羽根共同募金運動」を前に、新宮市共同募金委員会(会長・田岡実千年市長)は26日、市福祉センターで協力委員会を開いた。約50人が出席し、本年度共同募金目標額を450万円にすることなどを決めた。1日は市内のスーパーで街頭募金を予定している。
榎本義清副会長が議長を務め議事を進行した。事務局から昨年度実績額が目標額を11万8555円上回る462万3555円だったことなどが報告された。内訳は▽戸別募金200万218円▽法人(大口)募金137万9000円▽街頭募金39万6906円▽職域募金6万6135円▽募金箱19万4629円▽その他58万6667円。
平成29年度の配分の内訳は広域福祉事業(県内の福祉施設など)へ171万4000円。地域福祉事業(3つの活動募金)へ290万9555円。市では赤い羽根共同募金を「ささえ愛募金」「MACHI(まち)サポート募金」「新宮いのちの募金」の「3つの活動募金」として呼び掛けている。
畑尻英雄・市民福祉部長は「赤い羽根共同募金の活動は町の人たちの優しい気持ちを集める活動。皆さまの優しさ、声掛け、行動が町を変えていく一歩となる。皆さま方から寄せられた募金は私たちの町のさまざまな福祉活動、その支援に役立てられており、災害時の被災地支援にも役立てられている」と田岡市長のあいさつを代読。和歌山県共同募金会の大谷和也副主査が来賓として出席した。
(2017年9月28日付紙面より)
家庭料理教室始まる (串本町トルコ文化協会 )
串本町トルコ文化協会(丸石恵子代表)主催の「トルコの家庭料理教室」が24日、同町文化センターで始まった。月1回の頻度で12月まで全4回開く予定。この日は定員いっぱいの16人が参加し、トルコのパンの作り方を教わり実践するなどした。
トルコ語講座と並行する形で本年度から取り組み始めた新規事業。『語学には抵抗があるが、日頃から慣れ親しんでいる料理なら』という人向けに考えたそうで、講師には地域おこし協力隊着任当時から語学と共に食文化を伝える機会も模索してきたトルコ人女性アイシェギュル・アルカンさんを起用している。
この日のテーマはパン『アイシェのアチュマ』。アチュマは移動式屋台で売られている身近なパン『シミット』の一種で、生地にヨーグルトを含んでいるのが特色だという。参加者は4組に分かれて、生地作りから焼き上げまで一連の調理工程をアルカンさんや会員と一緒に体験。併せてトルコの紅茶「チャイ」の本来の入れ方も教わり、焼き上がったアチュマ一個と一緒に試食した。
アルカンさんは各工程のほか、ヨーグルトはトルコ共和国が発祥地でマヨネーズやケチャップと同格で料理に多用しているなどトルコの食文化の特色も紹介。参加者はオリーブ入りとカマンベールチーズ入りの各アチュマ計5個を焼き上げ、試食後の残り4個をお土産として持ち帰った。
この教室は回ごとに先着16人で受講希望を受け付ける。地元の食文化の一端としてトルコ食の裾野拡大を図るという重要な目的があり、各回の告知は同町が発行する広報誌「広報くしもと」などで行うとしている。
初の教室開講を迎え、丸石代表は「トルコ料理には、同じ料理なのに地域や家庭によって味わいが異なるという特色がある。まずはアイシェが育った地域の食文化に親しみ、そこからほかの地域はどうかと興味を広げてもらえたら」とコメント。
今後について「特別な料理ではなく日々のメニューの一つとして取り入れられる料理を紹介する。トルコの方が来た時に『こんな料理知っているよ』とか『この料理を作って食べているよ』と町民から話題を持ち掛け、自然と交流が広がる状況を目指したい」と語った。
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■次回は10月22日実施
次回の同教室は10月22日(日)午前11時~午後2時ごろ、同センターで開く。テーマは「赤レンズ豆のスープとギョズレメ」。参加費は1500円。同月2日(月)~13日(金)に先着16人まで受け付けるという。申し込みや問い合わせは役場総務課のアルカンさん(電話0735・62・0555)まで。
(2017年9月28日付紙面より)
秋季近畿地区高校野球県二次予選
県の産業・文化を学ぶ (太地町 )
太地町立くじらの博物館に25日、「ABEイニシアティブ」でアフリカからきた留学生6人が訪れた。館内の展示やショーを見学し、捕鯨文化について学んだ。
「ABEイニシアティブ」とは2013年6月に開かれた第5回アフリカ開発会議(TICADV)で安倍晋三首相が打ち出した「アフリカの若者のための産業人材育成イニシアティブ」の略称。アフリカの若者に日本の大学教育や産業でのインターンシップの機会を提供し、日本の技術や産業の認知を深化させ、アフリカ大陸の開発に資する人脈形成などを目的としている。
和歌山県では、株式会社紀陽銀行が主導し、県と協力して受け入れた。留学生6人はウガンダ、エリトリア、ナイジェリア、ニジェール、南アフリカ出身。
博物館では、町歴史資料室の櫻井敬人学芸員が案内した。
国立京都工芸繊維大学の工芸科学研究科で学ぶ南アフリカ出身のマリレット・ファン・ヤルスフェルドゥさんは「捕鯨がいかに地域に貢献してきたか、クジラ肉をとることがいかに必要で世界的なことかを学べた。鯨類のショーを見て、触れたのも楽しかった。南アフリカでも陸上生物の保護が進められている。海の動物の保護を陸にも応用できそう」と語った。
(2017年9月27日付紙面より)
熊野那智大社で献湯祭 (南紀勝浦温泉旅館組合 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で24日、南紀勝浦温泉旅館組合(中定俊会長、組合員10社)が献湯祭を営んだ。各旅館の16源泉から一番湯が納められ、町の発展を願った。
同例祭は、秋の行楽シーズンを迎えるにあたって朝一番で源泉からくみ上げた温泉水を奉納し、気持ちの一新を図るとともに自然の恵みに感謝をささげ、業界の発展を祈る。40回目を迎える。
例年11月に催されているが、熊野那智大社創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年のイベントで予定が埋まっており、9月に前倒しとなった。
神事では、裃(かみしも)姿の組合員と各旅館の代表者らが参列し、神前に一番湯を納めた。中組合長が祭文を読み上げて自然の恵みへの感謝と業界繁栄を祈願し、神事後には温泉水でつきあげた「温泉もち」とお菓子を居合わせた参拝者らにまいた。
中組合長は「旅館、民宿ともに頑張っている」とコメント。男成宮司は「長い年月が南紀の自然を作っている。祖先が大切にしてきた自然の恵みと神々への畏敬の念を大切にしていかなければならない」と熊野の歴史と自然の重みを改めてかみしめた。
(2017年9月27日付紙面より)
田並天満神社の御祭礼 (串本町 )
串本町田並にある天満神社(坂成正人宮司)の御祭礼が23日に宵宮、24日に本祭を迎えた。本祭日は主祭神・菅原道真公の神輿渡御(みこしとぎょ)があり、行く手を阻む5本の大幟(のぼり)との駆け引きなどが多くの拝観を集めた。
田並の坂成家鎮守として祭祀(さいし)されたのが始まりとされる同神社。江戸期に田並二カ村の氏神社、明治期に旧田並村の村社となり、周辺諸神社を合祀(ごうし)した形で現在に伝わる。
例大祭にあたる御祭礼は今日、上地、下地、前地、灰地、向地の5区と宮総代が結成する祭礼委員会(松原彰祭礼委員長)により9月25日に近い日曜日を本祭日として営んでいる。主祭神・菅原道真の大宰府流刑を阻む民の心意気を再現して当代の信仰とする神輿渡御や獅子舞奉納が受け継がれていて、今年は23日を宵宮、24日を本祭として諸奉仕を重ねた。
本祭日は式典後、5区の大幟と幟衆、神輿と旅装束の神輿衆、坂成宮司、獅子屋台と獅子連中が御旅所のある田並海岸を目指して順次出御。先頭を行く大幟は道中ところどころで立ちはだかり、神輿の進行を阻止した。同町公民館田並支館そばでは2時間にわたって阻止が続き、その間に獅子舞の余興や子ども向けの菓子まき、大幟を揺さぶり突いたりよじ登って勇を示す祭員も注目を集めた。
田並海岸へ到着した神輿は旅装束の神輿衆と共に海に入って潮垢離(しおごり)し、幟衆は最後の抵抗として神輿を荒々しく海へと押し返し、神輿が振り切って御旅所に入ったところで神事や獅子舞奉納を営み、餅まきやパンまきで民の活気もささげられた。
大幟の大きさは約10㍍。松下家の虎幟を加えた6本が伝わっているが、幟差し衆の人員不足で今年も虎幟は境内に残された。他方では若い奉仕者が中心になり、初めて御旅所周辺にちょうちんを飾り付け祭りを盛り上げた。今年就任した松原祭礼委員長(47)は「地元はもちろん、よその人も集まる祭りにしたい。そのような思いで今年は、若い者が特に頑張ってくれた。新たに飾り付けたちょうちんは、その挑戦の第一歩でもある。すでに引退された先輩方にももう一頑張りの参加をお願いし、地域を挙げて支える御祭礼にしていきたい」と意気込みを交えて今年の御祭礼を語った。
(2017年9月27日付紙面より)
落ちアユ狙い赤木川で
新宮市熊野川町の赤木川など熊野地方各地で落ちアユを狙ったセギ漁が始まっている。ササなどでせき止めた川で、地域住民たちが朝から夕方まで、アユの群れを目掛けて網を投げている。
水温が下がりアユが河口近くまで下り産卵する習性を利用した漁。漁期は9月1日から12月25日(月)まで。川の浅瀬に等間隔に木や竹でくいを打ち、そこにササなどを置いてアユの下降を一時的に止め、小鷹(こだか)と呼ばれる網を投げて捕まえる。網の投げ方はもちろん、網にかかったアユを取り外すのも技術がいる。
熊野川町能城山本の赤木川下流では25日午前8時から午後5時ごろまで、男性二人が出漁していた。一人は「今年はけっこう数はあるけど、まだ小さいのが多いね」と話していた。
(2017年9月27日付紙面より)
記録会兼県小学生秋季陸上競技選手権
近畿地区都市軟式野球大会(一部)県予選
マクドナルド杯サッカー2017
文化複合施設建設で提言 (遺跡保存願う会 )
熊野新宮遺跡群の保存と活用を願う会(西村忠之会長、会員15人)は22日、文化複合施設建設に関する提言書を田岡実千年市長に提出した。建設予定地の丹鶴小学校跡地からは今後も貴重な遺跡が出土し完成が遅れる可能性があると、図書館か文化ホールを別の土地に建設することを検討するよう求めた。田岡市長は今のところ他に建設可能な土地がないとし、「申し訳ございません。難しいです」と断言した。
同会の西村会長と中瀬古友夫、長谷徳蔵の両副会長が市役所を訪れ提言した。田岡市長は、これ以上市民の文化活動に支障をきたすことができない、50%の補助がある有利な国の交付金期限が迫っている、などを理由に交付金期限の平成33年3月末までに予定地に建設する方針を変更する考えはないと述べた。
西村会長は歴史、文化、学術、観光上価値の高い遺跡を100%残し、遺跡の保存活用方法が決まるまで、埋め戻し、芝を張って市民の憩いの場として利用することを提案。楠本秀一教育長は、遺跡の保存については市民から賛否両論あり、施設の早期完成を求める声も上がっていると説明。「市民の声が調和できる道を探っている」と遺跡の一部は記録保存、移設もあり得ると理解を求めた。
田岡市長と楠本教育長は、会員たちが別の建設候補地として挙げた▽王子製紙跡地は、譲渡された際に建物を建設しない契約を結んでいる▽蓬莱小学校跡地は、スポーツ少年団らが使う貴重なグラウンドですでに築山を造成している▽城南と緑丘中学校を統合して一方の跡地を使う案は、学校統合に相当な時間がかかる▽新宮警察署跡地は、県の所有地で場所が交付金対象外になる―などと説明した。
(2017年9月24日付紙面より)
盛大に「舞込芸能大会」 (三輪崎郷土芸能保存会 )
三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)は22日夜、新宮市の三輪崎会館で「舞込芸能大会」を開いた。地域住民ら多くの人が、日本遺産にも登録されている県無形民俗文化財の鯨踊りや獅子神楽、舞踊や演奏を楽しんだ。
保存会による剣の舞や天狗(てんぐ)の舞など7種類の獅子神楽と鯨踊り、三輪崎婦人会、台楽保存会の踊りと三輪崎老人クラブ連合会の歌謡などがあった。三輪崎老ク連の女性部員が特別出演し、三輪崎の女性たちが踊っていた手踊りによる鯨踊りが50年ぶりに復活し、披露されたほか、その当時の様子を振り返るスライドショーもあった。
濱口会長は「台風の影響で予定をしていた町内奉納がほとんどできませんでした。皆さんにご迷惑をお掛けしました」と謝罪し、「延期して行った18日には台風一過で晴天に恵まれ、御旅所での獅子舞、鯨踊り、各種団体にご協力いただきまして手踊りの披露ができたことを本当に良かったと思っております。今年は大変暑い中での練習でしたが、大勢の皆さまに見ていただけたことで頑張ったかいがありました。本当にありがとうございました」とあいさつ。濱口会長は、毎年全国から選ばれた4団体が参加し開催される11月の「全国民俗芸能大会」という歴史ある大会に、同保存会の鯨踊りが選ばれたことも報告。「日頃から地域の皆さまに支えていただいて活動してきた結果と思います。精いっぱい頑張ってきます」と意気込んだ。
(2017年9月24日付紙面より)
南紀くろしお商工会女性部
南紀くろしお商工会女性部(大林幸子部長、部員112人)は23日、太地町のホテル「花いろどりの宿花游」でテーブルマナー教室を開いた。27人が参加し、料理を味わいながら食事の作法を学んだ。
同教室は、部員が披露宴や集会などさまざまな場所に呼ばれるため、役立つマナーを身に付けてもらおうと実施した。大林部長は「部員の皆さんには普段頑張っている分、優雅な時間を持っていただきたい」とあいさつした。
この日は、「きのこクリームスープ」や「牛ヘレのポアレ・マデラソース」など七つの料理で構成されたフレンチフルコースを味わった。
講師は花游のソムリエ、井上歩さん。「テーブルマナーは、もてなす相手や周囲の席の人、レストランのスタッフなどその場にいる人を不快にさせないための所作」と話し、席の着き方からナプキンの用法、食器の扱い方、メニューごとの食べ方などを、実演を交えて教えた。参加者は歓談しながら優雅な雰囲気の中で料理に舌鼓を打った。
(2017年9月24日付紙面より)
秋の全国交通安全運動で決起集会 (新宮市 )
正しい交通ルールの順守とマナーの実践を呼び掛ける「秋の全国交通安全運動」が21日、始まった。30日(土)までの10日間、▽子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止▽夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底▽飲酒運転の根絶―を重点に全国で活動が行われる。
新宮市では、市交通指導員協議会、市交通事故をなくする市民運動推進協議会(会長・田岡実千年新宮市長)、交通事故をなくする県民運動東牟婁地区推進協議会(会長・児玉征也東牟婁振興局長)など関係者ら約70人が同市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で決起集会と街頭啓発をした。
田岡市長は「皆さんの地道な活動のおかげで年々交通事故の件数は減少しているが、まだまだ予断を許さない状況。私たちの共通の願いである、交通事故のない安心安全な町づくりという思いが多くの皆さんに伝わるよう啓発したい」。児玉局長は活動重点に触れ「行楽シーズンを迎え交通量が増える。夕暮れ時や高齢者の事故も増える。運転時、歩行時、自転車運転時のスマートフォンの利用は注意していきたい」などと語り「啓発を通じ交通事故ゼロを目指したい」とあいさつ。
谷本克也・新宮警察署長は10月から12月までの夕刻に事故が増加していると話し、シートベルトの着用や飲酒運転の根絶、駐車場内での物損事故に触れた。管内の情勢を説明し「警察も取り締まりや指導を行っているが、警察だけでは事故をなくすことができない。皆さまをはじめ関係機関と協力していきたい」と呼び掛けた。
新宮警察署管内では今年20日現在で人身事故は60件発生し、昨年より16件減少している。死者は2人で1人増。物損事故は855件で81件の増加となっている。
(2017年9月22日付紙面より)
下里小で不審者対応訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(岡史博校長)は20日、不審者対応避難訓練を実施した。全校児童96人の避難を完了させた後、防犯講話や教員の刺股訓練で対策意識を高めた。
2001(平成13)年6月に大阪教育大学附属池田小学校で起きた児童殺傷事件を機に、町内の学校で不審者対応訓練が始まった。下里小では年1回訓練を行っており、各教室に刺股を備える。
今回は、1階の2年生教室への不審者侵入を想定。1階の1・2年と特別支援学級が体育館へ、2階の3年生以上が廊下の防火扉を閉めながら6年生教室へ避難した。男性教員が刺股で不審者を威嚇または取り押さえるなどして時間を稼ぎ、女性教員が児童らを誘導した。
午後の授業中に不審者役が窓から侵入すると、児童らは走って指定の場所へ避難した。侵入を知らせる校内放送が流れると、男性教員1人が刺股を持って駆けつけて応戦。続々と教員が集まり、5人で不審者役を取り押さえた。
新宮警察署生活安全刑事課の大井敬悟警部補ら署員3人が子どもたちに「いか」ない、「の」らないなど不審者への対応方法を覚える「いかのおすし1人前」の意味を説明し、遭遇した場合はきしゅう君の家に逃げるよう呼びかけた。教員には刺股の扱い方を教えた。
岡校長は「子どもたちはまだこういう訓練に慣れていないので、危機感を持って訓練できたら。職員も即座に対応できるようにしたい」と対応力の向上を誓った。
(2017年9月22日付紙面より)
JR紀伊佐野駅でキャンペーン (新宮市 )
通学中の列車内や駅構内など、公共の場でのモラルとマナーの向上を呼び掛ける「きのくに・さわやかマナーアップキャンペーン」が21日朝、新宮市のJR紀伊佐野駅で実施された。高校生や駅、警察関係者ら約40人が駅利用者らに啓発グッズを配布した。
同キャンペーンは学生が駅など公共の場所で座り込みや大声で騒ぐなどのマナー違反行為が横行し、社会問題となった平成15年から、年に2回実施している。この日は自転車マナーアップ推進リーダーの新翔高校生徒、新宮警察署、少年補導員、少年相談センター、JR新宮駅社員などが参加。電車を利用する人たちに声を掛け、物資を配布した。この日は秋の交通安全運動初日でもあり、併せて啓発した。
新宮警察署の大井敬悟さんは「乗車マナーアップと交通事故の防止をお願いします」とあいさつ。新翔高校の大居結唯さん(2年)は「笑顔で渡すようにしました。ルールを守る人が増えてくれればいいなと思います。自分も電車を利用する際は降りる人を優先するなど気を付けています」と話していた。
林正樹・新宮駅長は「警察が主体となってやっていただいています。学生のマナーがよくなれば、大人になってもマナーを守っていただけると思います」と感謝していた。
(2017年9月22日付紙面より)
丸石輝正さんが職業講話 (太地中学校 )
太地町立太地中学校(城谷真司校長)に15日、新宮市熊野川町出身のシンガーソングライター丸石輝正さんが来校した。職業講話で3年生18人に夢や働くことの意味を説き、ライブで全校生徒67人に歌を届けた。
19日の職場体験を控えて、仕事への姿勢を学んでもらいたいと同授業を実施した。田舎からでも全国で活躍できることを知ってほしいと、かつて山崎豊美教頭の教え子であった丸石さんに講師を依頼した。
講話で丸石さんは「文化祭のライブでの評判が歌手を目指したきっかけ。歌うことで自分を解放できた」と語り、路上ライブやオーディションでの体験談、SMAPの曲などを手掛けた作曲家との出会い、デビューに向けた苦悩などを話した。
「将来やりたい仕事がなくても大丈夫。自分も中学生までなかった。ある子は、それを目掛けて一直線に頑張って」と励ました。
ライブでは国道42号を歌った「ルート42」や知人のバンドから託された曲「だから」など数曲を熱唱した。
(2017年9月22日付紙面より)
佐渡裕さん指揮、復興祈念演奏 (那智勝浦町 )
那智勝浦町と同町教委は18日、兵庫県立芸術文化センター芸術監督で世界的指揮者の佐渡裕さんと同センターのスーパーキッズ・オーケストラを招いて「佐渡裕&スーパーキッズ・オーケストラ2017 紀伊半島大水害復興祈念演奏活動 こころのビタミンプロジェクト in なちかつうら」を開催した。
佐渡さんは午後の演奏会に先だち、同町市野々の県土砂災害啓発センター敷地内で鎮魂演奏会を催した。佐渡さんは新宮高校の生徒から「音楽で地元を元気づけたい」と手紙を受け取ったことを来町のきっかけと話し「手紙に感動しました。大水害から6年が経過してしまい、いつか来なければと思っていました」とあいさつ。コンサートマスターの前田妃奈さん(中3)がバッハの「バイオリンソナタ」よりソロを演奏後、会場の全員で黙とうをささげた。高い演奏技術と美しい響きに、約150人の鑑賞者は大きな拍手を送った。
佐渡さんは同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊碑に献花し、手を合わせ、「たくさんの命が自然災害で奪われるというのは本当に心が痛みます。自然豊かな所で生まれ育った私たちは、これからますますそうした災害に工夫しながら向き合っていかなければならない。手を合わせるということは、未来のことを決意するということだと思います。励まし合い手を取り合い生きていけるのは日本の素晴らしいところ。われわれには音楽を通してこころのビタミンを届けることしかできませんが、この美しい町がますます魅力的な町になっていくことを願っています」と話した。
(2017年9月20日付紙面より)
知的障害者の雇用など例に学ぶ (新宮市 )
新宮市婦人団体連絡協議会(仲富美子会長)は16日、新宮市福祉センターで、講師に新宮市人権尊重委員会の和田勝さんを迎え人権学習会を開催した。
和田さんは認知症の祖母と孫が題材の絵本「ばあばは、だいじょうぶ」を紹介し、神奈川県相模原市の知的障害者施設津久井やまゆり園で起こった「相模原障害者施設殺傷事件」も取り上げた。社員の7割が知的障害者のチョーク工場が日本で一番大切にしたい会社と呼ばれる理由が描かれた「虹色のチョーク」という本を題材にし、知的障害者との関係などについて講話した。
日本国憲法第14条第一項を読み上げ、「人権というのは、人間が人間らしく幸せに生きていくための権利。人間は生まれた場所、住んでいる場所によって値打ちが決まるものではない。差別はされる側ではなく、する側に問題がある。する人がいるから差別が起こる。いじめも同じ。差別などは人間がつくり出したものですから、人間の力でなくしていかなければならない」と話した。
和田さんの講話の前には、赤十字奉仕団和歌山県支部の講習に参加してきた川嶋みどりさんが、講習時に教わってきた、緊急時に役立つ牛乳パックを使った一人用非常食セットを紹介した。
(2017年9月20日付紙面より)
三輪崎八幡神社例大祭の奉納行事 (新宮市 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁港周辺で営まれた。奉納行事では晴天の下、三輪崎郷土芸能保存会が獅子神楽と日本遺産に登録された鯨踊りを披露。踊りや演奏があり大勢の来場者らでにぎわった。
三輪崎漁協前の御旅所では三輪崎郷土芸能保存会が七つの獅子神楽を奉納。『鯨踊り』では扇子を持って鯨を追い込む様子を表した『殿中踊り』と竹製で銛(もり)を模した「綾棒」で鯨を突く様子を表した『綾踊り』を勇壮に披露し「ヨイハ」の掛け声を響かせた。
三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の女性たちが2曲ずつ踊り、熊野曼荼羅太鼓の演奏に合わせて『黒潮囃子』と『新宮節』も踊った。
三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長は「台風の影響で予定を変更しましたが、晴天に恵まれてよかった。懸命に練習した踊りをめいっぱい披露できうれしいです。満足のいく御旅所での披露になりました」。三輪崎八幡神社氏子総代会の中村武会長は「天気も良く無事にでき、ほっとしています。祝日で子どももたくさん出てきてくれた」。
夫が保存会のメンバーの吉村まき子さんは「体力勝負で大変だと思いますが、頑張っていると感じます」。葛平愛子さんは「今年は神輿を担ぐ人が少なく、にぎやかさが例年と違っているように思います。いろんな世代の人が参加しておりいい祭りですね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
勝浦八幡例大祭
那智勝浦町の勝浦八幡神社(髙橋正樹宮司)例大祭式典が18日、営まれた。17日の予定だったが、台風による荒天が予想されたため延期。内容を縮小して、境内で神事と奉納行事を執り行った。
式典は正午に始まり、祭典委員や氏子らが参列した。櫂(かい)伝馬のこぎ手が「餅つきうた」を歌い、山伏勝浦会(山路昇会長)は歌舞伎の演目「勧進帳」を演じ、勝浦獅子神楽保存会(沖和也会長)が獅子舞を奉納した。
神輿(みこし)の渡御は中止となったが、午後3時からは櫂伝馬行事が営まれた。櫂伝馬愛友会(濱口泰至会長)、那智中学校の男子生徒が乗り込んだ3隻、南紀くろしお商工会の1隻の計5隻が勝浦湾内をこぎ回った。櫂伝馬を応援するギタリストの濱口祐自さんの演奏もあった。大阪府吹田市の浜田純さん(60)は、「毎年お祭りを楽しみにしています。台風で海中神事が見られず残念でしたが、櫂伝馬は見ごたえがありますね」と話していた。
(2017年9月20日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート②
寺本千紗さん、潮﨑梨緒さん選出
サ市訪問の中学生が報告会 (新宮市 )
新宮市国際理解教育海外研修事業の帰国報告会が14日、同市役所で開かれた。市の姉妹都市であるアメリカ・サンタクルーズ市(サ市)を訪問した生徒らが体験を発表。生徒代表の福田蓮君(光洋中3年)は「研修はかけがえのない人生の宝物になった。感謝を忘れず、新宮とサンタクルーズ市の懸け橋になれるよう頑張りたい」とあいさつした。
新宮市とサ市は1974年に姉妹都市縁組を締結。研修事業は市の将来を担う心豊かな人材を育てようと始まり、訪問は11回目。交流活動を通じ、地元の生徒との親睦を深めることや文化の違い、歴史を学び、自国文化への理解を深めるなどの内容で、ホームステイによって現地の生活様式を体験し外国語学習の意欲を高める狙いがある。
生徒らは8月17日から25日まで、サ市の歴史公園やレッドウッドの森、遊園地、水族館、スケートボード会社などさまざまな場所を訪れ、ホストファミリー、現地の人たちとの交流、ダウンタウンでのショッピングや体験などを通して思い出をつくった。
生徒らは印象に残ったことや感想を日本語や英語で発表。「最高の思い出になった」「歴史の授業より学べて勉強になった」「アメリカの広さを感じた」「サンタクルーズにまたいつか必ず行きたい」「自分が親切にされたように、受け入れたり体験させたりしたいと思った」「とても幸せな時間だった」「失敗を恐れず何事にも挑戦する大切さと積極的なコミュニケーションを取る大切さを学んだ」などと報告した。
福田君は「行く前は希望と不安でいっぱいだったが、一人一人が貴重な体験をし、生活や文化を学び、たくさんのことが得られた」と話した。
鈴森早有美団長は「継続することが大事と感じることができた。今後も積み重ねていければ」とあいさつ。引率の山本佳人・高田中学校教頭は「生徒たちはしっかり時間を取り、いろんなものを見て、体験し、知識が得られたと思う。生徒、私自身も記憶に残る体験だった」。
市教育委員会の雜賀まどかさんは「研修を通し、たくさんの人とのつながり、成長を感じた。体験や学んだことを生かせるリアルな教育プログラムだと思う。人との交流が実を結ぶ過程が分かる学習ができた」と話した。
田岡実千年市長は「研修で本場の英語に触れる機会は大きかったと思うが、心のつながりが勉強になったと発表を見て感じる。今後この縁、経験を大切にしてくれれば」。屋敷満雄・市議会議長は「現地に行き、何事も見るのが一番の勉強」と述べた。
姉妹都市親善協会の岩澤卓会長はサ市の歴史を語り「新宮の町でみんなが大きくなって出て行ったとしても、サンタクルーズ市が努力して町をつくったことを思い、新宮を自分たちが育てていくことをしてもらえれば大きな成果になる。経験したことを分かち合うだけでなく、今回経験したことを将来に生かし、新宮を今後自分たちのふるさとであるよう、自分たちが頑張ることがためになる」と呼び掛けた。
(2017年9月17日付紙面より)
みテますキープ制度1号にウミガメ公園 (紀宝町 )
紀宝警察署(島田満署長)と管内の事業所で組織する「テロ対策紀宝地区パートナーシップ」はテロ防止対策を進めるモデル事業所に道の駅紀宝町ウミガメ公園(石本慶紀駅長)=紀宝町井田=を指定した。13日に同所で伝達式があり、島田署長から石本駅長にクリスタル像とのぼり旗を伝達した。
パートナーシップは、参加の民間事業所が半年ごとの持ち回りでテロ防止に取り組む制度で「みテますキープ制度」。ウミガメ公園は第1号に選ばれた。期間中はシンボルのクリスタル像を設置し、のぼり旗を掲げるほか、マグネットシートの貼り付けと缶バッジの着装で従業員の危機意識高揚を図りながら、テロをうかがわせる不審な動きに注意を払う。島田署長は「テロは許さない、の感覚で」と協力を呼び掛け、石本駅長は「海外からの客も増えている。地元が連携を深めて連絡システムをきちんとし、みんなの目で見守ることが大切」と述べた。
(2017年9月17日付紙面より)
本宮(17日)は台風影響で渡御のみ (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(宮司・男成洋三熊野那智大社宮司)例大祭の宵宮が15日、本殿で営まれた。熊野那智大社の井戸大輔神職が出仕し、神楽奉納、婦人会の踊りの後、神餅投げがあった。
台風18号が接近する中、井戸神職は「どのような天候であろうと例大祭の日は良いものであると思います。神事が無事に営まれるよう、ご奉仕を」と話した。
式典後、本宮開催について祭典委員会(亀井二三男委員長)が会議を開いた。本宮当日の17日午後に、同町が暴風圏内に入るとの予報から海上渡御などは中止とし、神輿(みこし)は出さずに「大旗」を先頭とした渡御のみ行うことに決めた。亀井委員長は「ここまで準備した。非常に残念だが、苦渋の選択をご理解いただきたい」と呼び掛けた。
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■大旗
渡御行列の先頭で頭(当)家の人たちが持つ「大旗」。これはご神体をうつす神のより代とされている。海が荒れたり、雨天の場合には神輿が海を渡御できなくても、大旗だけ一定のコースを渡れば祭りを終えることができるという昔からの言い伝えがある。
(2017年9月17日付紙面より)
21日にはクラス発表やバザーなど (新宮市 )
近畿大学附属新宮高校・中学校(川合廣征校長)の「2017近大新宮祭」が16日、同校体育館で開幕した。今年のテーマは「群星謳歌(ぐんせいおうか)」。台風接近の影響で2日目は21日(木)午前9時から行う。中学2、3年生の劇発表、吹奏楽部演奏、食物バザー、水産養殖魚や米の販売などを予定している。
表彰式では、近大新宮祭のテーマ、詩、原画を担当した生徒らが賞状を受け取った。オープニングセレモニーでは生徒や教職員がダンスを披露し、にぎやかにスタート。ITサークルの映像上映やなぎなた部、空手道部、書道部の発表、高校音楽選択生の合唱、中学1年生の劇があり、それぞれが練習の成果を発揮した。
近大新宮祭実行委員長の山本ふう子さんは「今年のテーマは『群星謳歌』です。一人一人が個性を込めたパワフルな文化祭にしていきましょう。高校3年生にとっては最後の文化祭。いつまでたっても『楽しかったね』と話し合ってもらえる文化祭にしたいです。みんなで盛り上げていきましょう」と呼び掛けた。
川合校長は「成功には一人一人の積極性と協力が不可欠。来客、保護者、生徒全員が満足感と感動が得られる近大新宮祭にしてほしい」とあいさつを寄せた。体育行事は20日(水)午前9時から同校グラウンドで行われる。
(2017年9月17日付紙面より)
神輿渡御は18日に催行 (三輪崎八幡神社 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)で15日、同社例大祭の本殿大前ノ儀が営まれた。中村武・氏子総代会長ら祭り関係者約30人が参列。神様をたたえて地域の平穏無事を願った。
例大祭は、漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に一度里帰りする祭り。
大前ノ儀では、厳かな雰囲気の中、中村総代会長らが金弊を納めた。金弊は神様の神徳をいただくより代で▽総代会▽三輪崎区▽漁業協同組合▽農業実行組合▽大黒講―の各団体が保管していたもの。上野宮司が祝詞、湊川大介区長が祭詞を奏上し、参列者らが玉串を供えた。
神輿渡御(みこしとぎょ)は台風の影響で18日(月・祝)に行うと決定した。当日は正午ごろに神社を出発し、続いて、恵比寿、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の3台の山車がJR三輪崎駅前や東海岸沿いの道路を通って三輪崎漁港まで練り歩く。午後2時ごろから三輪崎郷土芸能保存会の「鯨踊り」と「獅子神楽」、三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会の踊りなどが披露される。
中村総代会長は「区民の安全を考えると神事であっても延期にしなければならない。協力的にやっていただき、無事に執り行われるよう祈っています」と話していた。
(2017年9月16日付紙面より)
瀬古伸一郎さんのコンテナ苗 (新宮市 )
新宮市新町、株式会社山一本店代表取締役の瀬古伸一郎さん(43)は15日、同市緑ヶ丘の東牟婁振興局を訪れ、児玉征也振興局長らに全国山林苗畑品評会で銀賞に当たる林野庁長官賞受賞を報告した。同品評会のコンテナ苗部門では和歌山県初の受賞。
コンテナ苗は、根の形状が保たれて植栽しやすく、時期を問わずに植えられるメリットがある。苗木の活着率もよいという。瀬古さんは同市あけぼのにある苗畑約0・5㌶で創意工夫を重ね、優良苗木を効率的で堅実に生産していることが評価された。瀬古さんは3年前から取り組み、積極的に先進地視察や研修会などに参加、試行錯誤を繰り返しながら現在の生産体制を確立。これまでに5万本を生産した。
児玉局長は「県代表としての受賞はわれわれの誇り。東牟婁地方の林業が盛んになってほしい」と喜んだ。瀬古さんは「工夫を重ね、広めていきたい。次は金賞の農林水産大臣賞を目指す」と意気込んでいた。
品評会は全国山林種苗協同組合連合会が全国の民営苗畑の育苗技術と経営の改善意欲の高揚などを目的に毎年開催している。都道府県単位の審査で選ばれた後、地区単位と全国単位の審査を経て各賞が選考される。瀬古さんのコンテナ苗は昨年11月に開かれた県の審査で知事賞を受け、今月7日福岡県福岡市で開催された全国品評会へ出品された。
(2017年9月16日付紙面より)
串本・勝浦・新宮の合同例会 (ライオンズクラブ )
大阪府と和歌山県全域が所属するライオンズクラブ(LC)335―B地区ガバナー柿原勝彦さん(高槻LC)を迎え13日、那智勝浦町の休暇村南紀勝浦レストラン「はまゆう」で串本・勝浦・新宮の合同例会が開かれた。
ホストを務める勝浦LC須川晴夫会長の開会宣言で始まり、新宮LC宮本昌幸会長が地区ガバナー、地区役員・委員を紹介。須川会長が「有意義で実りのある会を」とあいさつした。
柿原さんが国際会長方針と地区ガバナー運営方針を説明。「故郷を大事に、町づくりは人づくり、人づくりは町づくりを大きなスローガンにしている。100周年を過ぎたライオンズクラブを新しくしていく。昨年クラブ会員は260人減ってしまった。今後は会員1000人の増強をめざしPRしてもらいたい」と述べた。
勝浦LCは55周年にあたり、初の女性会員・樋口眞奈美さん(ホテルなぎさや・おかみ)を迎えた。勝浦LCの新会員は樋口さんを含め2人だった。新会員には地区ガバナーからバッジが手渡された。各クラブが報告を行った後、須川会長が閉会宣言をした。
(2017年9月16日付紙面より)
迅速適切な救助をたたえる (串本海上保安署 )
串本海上保安署(東浦博昭署長)は14日、串本町古座にある藤田渡船代表・藤田栄造さんに感謝状を贈り迅速かつ適切な人命救助行為をたたえた。
藤田さんは8月16日午後2時40分ごろ、箱島へ渡していた磯釣り客から「船が流れているので引っ張りに来てほしい」と連絡を受け渡船「第二静保丸」で急行。2時50分ごろ、瀬島の西約100㍍で転覆したダイビングボート「K」を見つけ、ボート上で助けを求めるダイバー10人を自船で保護した。
同ボートは箱島沖のダイビングポイントを目指して出港したが、台風7号のうねりと風が強く危険と判断し陸そばのポイントへと目的地を変更。移動中に船尾からうねりや風を受けて転覆し、船長とダイバーは船底にはい上がって約1時間漂流した。
転覆場所から岸までは最短距離で1500㍍。最大風速約12㍍の東風でボートは幸いにして陸方向に流され、箱島付近に達した時点で船長が磯釣り客のところまで泳いで助けを求めた。藤田さんは強風の中、箱島と九龍島の中間に流されたボートへ慎重に渡船を寄せてダイバーを乗り移らせ、ボートをえい航して動鳴気漁港へと運んだ。
船﨑輝康次長によると、連絡後わずか10分という迅速な対処開始と巧みな操船でダイバー客10人をけがなく救助した点が感謝状贈呈の理由だという。
(2017年9月16日付紙面より)
秋季紀南卓球大会
322人に銀杯など伝達 (和歌山県 )
和歌山県東牟婁振興局は13日、本年度中に100歳を迎える管内の高齢者18人を訪問し、安倍晋三・内閣総理大臣からの祝状と銀杯を伝達した。「百歳高齢者表彰」の対象者は8月8日現在、県内で322人。
国は社会の発展に寄与してきた100歳を迎える高齢者に感謝するとともに、広く国民に高齢者福祉に対する理解を深めてもらおうと1963年から記念品を贈っている。管内対象者の内訳は新宮市12人、那智勝浦町5人、太地町1人となっている。
新宮市仲之町で娘の泰子さん(76)らと暮らす廣田千代子さん(99)を訪問した児玉征也・東牟婁振興局長は「おめでとうございます」と祝状を手渡した。喜の国いきいき長寿月間(1~30日)に合わせ和歌山県が贈呈している仁坂吉伸県知事からの記念品も一緒に渡した。
千代子さんは1918(大正7年)年2月3日生まれ。戦後は自身の店「マカランヤ」を切り盛りしながら4人の子どもたちを育てた。「子どもは宝」と語り、伝達を受けると「こんな賞を頂くなんて夢のよう。ありがたいことです」と笑顔を見せた。
長寿の秘訣(ひけつ)は規則正しい生活。早寝早起きで好き嫌いはなく何でも食べる。日頃心掛けていることとして「身の丈に 生きて曾孫(ひまご)の 毛糸編む」と、40年以上続けている趣味の俳句に詠んだ。
「無理をせず、気付いたことは自分からさっさとすることを心掛けるといつの間にか年をとっている。争い事を起こさないよう、時に聞き流すことも大事。でも、自分自身の芯、気持ちを譲らずに生活していくことも大事」とほほ笑む。
受賞に際し「ありがとう 頂上の春 穏やかに」と書いた色紙を児玉局長に贈った。感謝の気持ち、100歳という「頂上」を迎えた自身の気持ちを表した句で「俳句はいいですね。全身の汗をぬぐいながら頂上(100歳)にたどり着いた感じです。俳句を作ることも一つの力になっています」。
児玉局長は「穏やかに 頂上の上 実る秋」と返歌を詠み、「100歳を迎え、今後ますますの実りを祈ります」と呼び掛けた。
県は養護老人ホーム寿楽荘(新宮市)と養護老人ホーム南紀園(太地町)へ祝品としてタオルセットを贈った。
(2017年9月15日付紙面より)
第37回卒業生同窓会が寄付 (新宮市 )
和歌山県立新宮高校(畑伸憲校長)の第37回卒業生は13日、今年1月2日に開催した同窓会の会費の一部を寄付金として同校へ贈った。同窓会の西哉素史さんが来校し、畑校長へ金一封を手渡した。
1984年度卒業生の学年単位の同窓会は今回が初めて。50歳の節目に開いており、準備では毎回約20人が集まり所在確認や参加の呼び掛けなどをした。同窓会は那智勝浦町のホテル浦島で開かれた。卒業生約500人中207人と恩師4人が参加。亡くなった友人や恩師への黙とうの後、校歌斉唱、恩師のスピーチ、歓談があり、旧交を温めた。次回は還暦の年に開催する予定。
西さんは「子どもたちのために有効に使ってほしい」。畑校長は「大変ありがたい。子どもたちのため、教育充実のために使わせてもらう」と感謝していた。
(2017年9月15日付紙面より)
宇久井神社例大祭の御船
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭で神輿(みこし)海上渡御を先導する御船の練習が13日、宇久井港で始まった。
軽快な太鼓と「よーえんやー」「えーらんえー、えんやさのさ」の掛け声とともに、1そうの船が港外にこぎ出した。主役は宇久井中学校(田中信幸校長、生徒91人)の生徒有志たち20人。船先に立って踊る「櫂(かい)踊り」、両手に扇を持ち船尾に立つ「扇舞い」、太鼓、こぎ手という分担で乗り込んだ。12日から始まるはずだったが天候の都合で1日延期され、この日が今年最初の練習日となった。本番前日まで4日間練習する。
1年生で初めて扇舞いに挑戦する西村悠羽君は「扇を振る動作が難しかった。本番までにもっとできるようになりたい」と少し緊張した表情。一方、太鼓役で3年生の畑下真輝君は今年で3年目。「リズムを間違えないように、いつも通りにやりたい」と余裕がある。櫂踊り役の亀井拓海君は「3年生でもう最後なので、できるだけ楽しみたい。かっこいい踊りなので、そこを見てほしい」と意気込みも充分だ。
指導の東信義さん(65)は「3年生はじめ経験者が多く、見ていて安心できる。本番ではうまくやってくれるはずだ」と期待を込め、ベテランの坂本明夫さん(81)も「中学生たちは一生懸命頑張ってくれている。祭りが楽しみ」と話していた。
練習行程を終えて戻ってきた船は、本番でも歌われる「御舟キヤリ」の歌とともに引き上げられた。周囲には様子を見に来た近隣住民や中学生の家族の姿もあった。
本番の17日(日)は湊蛭子神社地から午後1時30分ごろ、神輿を乗せた船を宇久井漁協広場まで先導する。
(2017年9月15日付紙面より)
町教研の夏期総合作品展 (串本町 )
串本町教育研究会(山本隆介会長)主催の夏期総合作品展が9、10の両日、橋杭小学校体育館であり、選抜217点が児童生徒やその家族、教育関係者らの鑑賞を集めた。
町立14小中学校の児童生徒が夏休みの課題の一環で取り組んだ自由研究作品の中から校内選抜された作品が一挙披露される同展。児童生徒の創作意欲をいっそう高める目的で毎年9月第2土、日曜日に開いている。
本年度は初日午後と2日目の日中に開場した。小学校低、中学年は各種工作が大半で、高学年以上になってくると工作以外に画用紙大のレポートにまとめた自由研究作品もちらほら。本年度は創作度の高さで親しまれる紙粘土造形やアートキャンドル、シーグラスクラフトが数多く、自動販売機や公衆電話、獅子屋台など実物を模した作品も目立った。
中学生ではラジオやFMトランスミッターといった電子工作やボトルに入れた切り絵など緻密さを増し、サッカーボール台や浴衣など実用志向の大作も関心を集めていた。
近年にないジャンルではストップモーション動画や本格的な変形菌標本もあり、作品によっては触れてよいものもあり出来栄えを試す子どもらの姿も目立った。
(2017年9月15日付紙面より)
大水害記念公園で慰霊祭 (那智勝浦町 )
2011年9月の紀伊半島大水害から6年を迎えて那智勝浦町は4日、同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。遺族や住民、町関係者ら130人が参列し、死者・行方不明者29人をしのんで慰霊碑前で献花した。
午後1時30分に町内全域にサイレンを鳴らし、出席者らは黙とうをささげた後に一人ずつ白いカーネーションを献花した。寺本眞一町長は「犠牲となられた皆さまの気持ちを思うと今でも胸が張り裂けそうになる。ふるさと『那智勝浦』が安全で安心して暮らせる笑顔いっぱいの町になるよう、全身全霊で復旧復興し、防災に取り組んでいきたい」と記念碑の前で固く誓った。
中岩和子議長は「未曽有の被害から6年たつが、昨日のことのように思い出される。町と協力し、防災に取り組んでいきたい」と語った。那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表は「何年過ぎようと、当時の悲惨な光景を思い出し、いまだに心の傷は癒えない。灯籠供養で29個の灯籠に火をともし、その数の多さに改めて被害の大きさと尊い命の犠牲を痛感した。諸霊には安らかにお眠りいただき、住民が安心して住める那智谷になるよう見守ってください」と冥福を祈った。
水害で父母と妹2人弟1人を亡くした新宮市王子町に住む会社員・中平史都さん(29)は「笑顔が絶えない理想の家族だった。当時は東京に住んでいて帰ってくるのがつらかったが、祖父母らを守らなければという思いで戻った。地域のため何かしたいので消防団に入るつもり」と話した。
(2017年9月6日付紙面より)
福祉センターで避難訓練 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は4日、同市福祉センターで火災を想定した避難訓練を実施した。同協議会職員とセンター利用者、児童館で遊んでいた子どもたちが参加し、屋内から玄関前に逃げた。
福祉センターでは年に2回、津波と火災を想定した避難訓練を各1回ずつ実施している。この日は1階の湯沸室からの出火を想定し、火災を発見した職員が大声で周りに知らせ、消火班が近くにある消火器を使って初期消火を試みた。
通報連絡班が消防署への通報と館内放送で火災発生を知らせるなど役割に沿って行動した。利用者らは職員の指示と誘導に従い、鼻や口をハンカチや手、服の袖などで覆い、速やかに避難した。
市消防本部職員は「火災を発見した際に初期消火をしてもらうが、煙などが充満するのを防ぎ、避難誘導をしやすくするため成功しても失敗しても扉を閉めてほしい」と話した。
消火器の使用訓練では、特徴や使い方の説明を受けた職員らが2人ずつ交代で練習した。消防職員は逃げ道を確保して消火器を使うことや天井まで燃えている場合は初期消火よりも避難誘導を優先するよう呼び掛けた。
大谷康央事務局長は「児童館の子どもたちがいるので慎重に素早く行動する必要がある。毎年訓練を実施しなければならないと感じます。火事になった場合、手順を踏んでできるか分からないので毎年していかなければならないと思います」と話していた。
(2017年9月6日付紙面より)
橋杭海水浴場遊泳期間終了 (串本町 )
串本町くじ野川の橋杭海水浴場で4日、遊泳期間(7月1日~8月31日)終了に伴う海上遊具など資材の撤収作業があった。役場産業課調べによる期間中の利用者数は8525人で、台風など天候不順で昨年に比べ約1割減。他方、駐車場やビーチハウス・ラパンの収益は向上していて、利用の勢いは増したという見方をしている。
同浴場は環境省「快水浴場百選」の一つに数えられ、橋杭岩や紀伊大島などに囲まれたロケーションの良さときめ細やかな砂浜などを特色とする。今季は春~秋3シーズン活用の本格化により各種マリンアクティビティーレンタル事業や海上遊具(滑り台)の増設など、魅力を増した状況で海開きを迎えてひと夏の利用を集めた。
期間中は台風5号が迷走した8月上旬や天候不順の盆以降で利用が伸び悩み、全体実績を下げる要因となった。昨年の利用者数は9436人で、今年は911人減。その状況下で利用増となった有料駐車場、ビーチハウス・ラパンや同レンタル事業は、数字以上に利用の勢いが増しているとの見方もしている。来年は旧浦島ハーバーホテル施設が大江戸温泉物語グループの一つとして営業再開している見込みで、その動線をいかに利用に結び付けるかが関心事となっている。
撤収作業は同町観光協会(島野利之会長)が観光関係者に呼び掛けて実施。16人が参加し、中村洋介副会長から安全留意の呼び掛けを受け海上遊具や遊泳区域指定ブイを陸へ引き揚げ、有料駐車場資材を片付けるなどした。
同課調べによる串本町田原にある田原海水浴場の遊泳期間(7月1日~8月31日)の利用者数は2229人で、昨年に比べ25・55%(765人)減。天候不順に加え、相次ぎ打ち上がった流木の処理が追い付かなかった点も要因と見ている。
(2017年9月6日付紙面より)
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭=10月15日(日)、16日(月)=に向けた事故防止協議会が4日、同大社双鶴殿で開かれた。関係者らが集まり、けがや事故なく安全に例大祭が執り行われるようにと注意事項の確認や当日までの準備の日程などを話し合った。早船競漕(そう)の審判委員の交代があり、審判委員長を下地昌宏さん、副審判委員長を野尻政典さんが務めることになった。
例大祭は同大社の主神、速玉大神(はやたまのおおかみ)のご神霊が神馬で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)のお旅所へ渡る「神馬渡御式」と、夫須美大神(ふすみのおおかみ)のご神霊が神輿(みこし)で街を練り、神幸船で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
会議では各渡御式のコースや行列順序を確認。事故防止のために供奉員による自主警備を行うことや、飲酒厳禁、交通法規の厳守などを話し合った。早船の上り競漕スタート後に下札場から上札場を目指し自家用車で移動する人たちのマナーの悪さを問題視する声も上がり、事故が起きる前に対策が必要との意見が出た。
御船祭に関しては当日までの日程を話し合い、本番船の蔵出し・点検は10月5日(木)午前6時、御船島清掃、市内のぼり立てを8日(日)、各地区への早船引き渡しは8日と9日(月・祝)に、旗番抽選と来年度以降の本番船の抽選を11日(水)に行うことが決まった。
上野宮司は「国の重要無形民俗文化財に指定されて2年目を迎えます。皆さんにも伝統神事を担っておられることをさらに再認識していただきながら、事故なく、けがなく、にぎにぎしく喜びの祭りとしてご奉仕いただけるようにお願いしたい」とあいさつ。昨年審判委員長に就任後に急逝した山塚公晴さんを紹介し、「心の痛いこともございますけども、それを心に船をこいでほしい」と呼び掛けた。上り競漕の優勝区が優勝旗を持って御船島を周回する前に、山塚さんの功績をたたえ、特例で丹鶴区が遺影を掲げて御船島を1周することが満場一致で快諾された。
(2017年9月6日付紙面より)
那智勝浦町総体陸上兼陸協記録会
スパセン南紀・熊野防災イベント (新宮市 )
「スパセン南紀・熊野防災イベント」が2日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店を会場に始まった。同店テナント会主催。来場者や買い物客らが訪れ、ダンスステージや展示されている車両を見学し、起震車や煙の体験などをした。
同会では5年前にも防災イベントを開き、集まった義援金を市などに寄付している。オープニングで下向栄一会長は「全国、いつどこで起こってもおかしくない災害。私たち南紀店内のテナント会で何かしていこうとイベントを開いた。防災のいろんな体験とフラのショー、明日はプロ歌手のライブもあり楽しんでもらいたい」とあいさつ。
来賓の田岡実千年市長は「今日は災害などに活躍する車両の展示、体験、イベントがあると聞いている。多くの方々に体験してもらいたい」。県議会の濱口太史議員は「防災イベントを民間で立ち上げて行っていただくことは大変有意義。民間、一般の皆さまに防災意識を高めていただくことが一人の犠牲者も出さない方向に向かっていくことだと思う」。泉正徳議員は「防災意識を高めてくれるイベントを開いてくれた各位に感謝したい。6年前の大変な災害から、いつ来るか分からないものに備え、気を引き締めていかなければならない」と述べた。
会場では国土交通省紀南河川国道事務所の排水ポンプ車、照明車、対策本部車をはじめ、自衛隊の軽装甲機動車などの車両展示があり、来場者らが実際に乗り込み記念撮影するなどした。起震車や煙の体験では子ども連れの家族らの姿もあった。店内では家具固定の講習会防災グッズ展示、アドバイスコーナーなどがあり、屋外ステージでは5組のフラチームが青空の下で踊りを披露した。
3日は午前11時から小芝陽子さん、午後3時から丸石輝正さんのライブを予定している。車両展示は午前9時30分~午後4時。
(2017年9月3日付紙面より)
丹鶴幼稚園で地震津波避難訓練 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児67人)は1日、地震と津波を想定した避難訓練をした。園児らは防災頭巾をかぶり、市保健センター横のタウンガーデンまで逃げた。
同園では年に6、7回ほど避難訓練を行い、防災意識を高めている。この日は午前10時に地震発生を知らせる放送が流れ、園児らは職員の指示に従って机などの下に身を隠した。揺れが収まると、園児らは防災頭巾をかぶって園庭へ。そこから歩いてタウンガーデンに避難した。
下岡園長は「地震で揺れたときには丈夫なものの下にもぐらなければいけません。今日は上手に避難できました」と話し、逃げる際にはしゃべらないよう呼び掛けた。
「おうちでいるときは家の人が守ってくれます。幼稚園では先生が守ってくれますが、自分の体、命は自分で守らなければいけません。そのためにちゃんと逃げられるように訓練をしています」と述べ、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」の「お・は・し・も」を守るよう伝えた。
園に戻った園児らは遊戯室で「防災の日」の話を聞き『稲むらの火』の紙芝居を見た。
(2017年9月3日付紙面より)
熊野那智大社が義援金 (那智勝浦町 )
九州北部で7月にあった豪雨災害の被災者を支援するため那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は、今年の「那智の扇祭り」前後に同大社と飛龍神社に募金箱を設置した。男成宮司が8月31日、集まった募金と同大社からの義援金を合わせた50万円を日本赤十字社へ送ろうと、同社和歌山県支部那智勝浦町分区長である寺本眞一町長に届けた。
義援金の名称は「平成29年7月5日からの大雨災害義援金」で、町でも12月20日(水)まで募集している。
男成宮司は「ご参拝の方が多く、日数の割に思ったよりも多く集まった。人的なボランティアはなかなか難しいが、少しでも役立ててもらえれば」と述べ、寺本町長は「募金を預かるたびに23年の災害を思い返す。こうした形で恩返しできることはありがたい」と振り返り感謝した。
2人は紀伊半島大水害当時の町の様子や、災害についても話し合い、那智の原生林と滝の水量保全についても熱心に意見を交わしていた。
(2017年9月3日付紙面より)