3高校で読書のススメ講座 (新宮・東牟婁 )
帝京大学の学生ボランティアグループ「共読サポーターズ」による「本って面白い!読書のススメ講座」が2日、オンラインで開かれた。新宮・東牟婁地域の県立新宮高校、新翔高校、串本古座高校の図書委員ら12人が参加し、本を読み合い、薦め合い、評し合う「共読」の楽しさに触れた。
和歌山県教育委員会による「読書を楽しむ習慣づくり事業」と、県立高校で図書委員を務める生徒たちによる「生徒図書充実委員会」の交流行事を兼ねて開催した。
「共読」とは、読書で得た情報を共有・交換し合うことで、その価値と効果を相互に高める発展的循環型の読書を指す造語。共読サポーターズは、同大学の読書推進プロジェクト「共読ライブラリー」の一環として2012年から公募で組織され、本と読書の魅力を伝える活動を展開している。
共読サポーターズからは大学3、4年生の5人が出席。月例の活動である企画展示づくりやビブリオバトル、ブックレビュー執筆のやりがいを語り、一人一人が活動を通じて出会った本「ヒーローズ㈱」や「最後は会ってさよならをしよう」などの魅力を紹介した。
大学生の悩みに著名人が本を紹介する形で答える企画「S―MONDO」にも触れ、実際に参加した高校生の悩みに大学生が回答。「自分に自信を付けるには、どうしたらいい?」という問いには「私に、魔法をかけてDisney Princess Rule」を薦め、「自分が思う理想の人に一歩ずつ近づく行動を取ることが大事。ディズニープリンセスの映画の中の行動に、理想の人に近づくエッセンスが詰まっている」と答えた。
新宮高校の谷口日和さん(1年)は「大学生の話を実際に聞けるのは、とても貴重な経験だった。今まで名前は知っていたけれど読んでいなかった『西の魔女が死んだ』を読んでみようと思う。小説が好きで、友達にも本の魅力を伝えたいと思った」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
サクセムがパンとマスク寄贈 (太地町 )
和歌山県紀の川市に工場を置く菓子製造会社のサクセム株式会社(中里輝茂代表取締役社長、本社=大阪府熊取町)は1日、太地町役場に備蓄保存パン「ライフブレッド」(形状規格外品)300本とマスク1800枚を寄贈した。三軒一高町長は「アルファ米など、毎日同じ非常食を食べるのも難しい。試食したが、味も好評だった。高齢者の方にも喜んでいただけると思う。町の備蓄に加えたいと考えている。本当にありがたい」と感謝を述べた。
2008年に大阪府堺市で青果販売業として創業された同社は14年から洋菓子の製造を開始した。世界中の飢餓に苦しんでいる子どもたちに無償で配布し、救済することを目標に10年の歳月をかけて備蓄保存パン「ライフブレッド」を開発した。その実現を目指して、国連や非政府組織(NGO)との交渉などにも日々、奮闘しているという。
さらに同社は国産カットネギ市場を構築すべく、16年に自社農場で青ネギの栽培を開始。雇用創出も視野に入れ、和歌山県全域で地元農家、JAなどの協力の下、青ネギの委託栽培とカット用青ネギの出荷も行っている。
ライフブレッドはバリアー性の高いアルミ包材を使用し、微生物や水分活性を徹底して管理することで、常温で5年6カ月の保存期間を保証している。
昨年は新宮市に、今年1月に紀の川市と北山村にも寄贈を行っている。この日は中里社長をはじめ、和﨑優子取締役と須﨑重博取締役も同行した。
中里社長は「弊社のパンがどのようなものかを知っていただきたい。機会があれば、大量に配布したいので、各地域でも役立てていただければ」と語った。
町担当職員は「数を見ながら、各避難所などに振り分けたい。太地町は台風の影響を受けやすいため、避難所を頻繁に開設する。その際に皆さまに提供したい」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
東仙寺で節分星祭 (新宮市 )
新宮市新宮の丹鶴山東仙寺(鶴田隆寛住職)で3日、「節分星祭」が営まれた。厄年の男女が訪れる中、鶴田住職がご本尊・弘法大師の前で護摩供養を行い、信者たちの身体健康や家内安全などを祈った。
同寺は「東海白寿三十三観音霊場」の一番札所。星祭は、人がそれぞれ生まれた年によって持っている「本命星」の巡りが悪い人たちの災いが少しでも和らぐようにと祈る祭りで「星供養」とも呼ばれている。午後5時からは地域住民らが境内に掘られた穴で正月のしめ縄や松飾りなどを焼く「どんど焼き」が行われる。
参列した60代女性=同市蜂伏=は「毎年、足を運んでいます。健康と商売繁盛、当地方でも発生している新型コロナウイルスの一日も早い収束を願いました」。
鶴田住職は「感染対策には日常生活はもちろん、心の中にしっかりとした思いを持つのも大切な予防。どうすれば感染拡大を抑えることができるのか、まずは一人一人、自らの行動を律することから始めるのが重要だと思います」と話していた。
(2022年2月4日付紙面より)
町内7カ所に救援金箱設置 (古座川町 )
古座川町が1日、役場本庁など町内7カ所でトンガ国海底火山噴火災害救援金の受け付けを始めた。期間は3月15日(火)までで、今月2日に防災行政無線などで町内周知を図り協力を求めている。
この災害は、日本時間の先月15日午後1時すぎにあったトンガ沖の海底火山「フンガトンガ・フンガハアパイ火山」の大規模噴火に伴い発災。翌16日午前0時15分、太平洋沿岸に津波警報などが発令されたことで遠く離れた日本でも広く知られるところとなった。
同町にとって被災したトンガ王国は出身者の縁がある国。歴代の農政大臣に名を連ねるシヨタメ・ツトム・ナカオ(中尾勉)さんの父・中尾重平さんは大柳の出身で、船大工としてオーストラリアへ移民後、トンガへと渡り事業家として大成した。生涯望郷の念を抱くも帰郷はかなわず他界。亡き父の思いを継いでツトムさんが1973年11月22日、白浜町で公演をしていた母国の舞踊団を引き連れて来町し、大柳に眠る先祖代々を墓参した後に明神小運動場で町主催の歓迎式へ出席し返礼として舞踊団によるトンガ舞踊を披露して町民約300人が見届けた。
当時児童だった町民は今還暦前後の年齢。今も多くの町民の記憶に残るところで、そのいきさつは国際交流事例の一つとして父・重平さんの生涯と共に町史に刻まれるところともなっている。そのような接点がある国の窮状を受け、町は住民生活課を軸にし町民からの救援金受け付けに動いている。
投票箱を汎用(はんよう)した救援金箱を▽役場本庁▽中央公民館▽保健福祉センター▽役場七川出張所▽役場三尾川(みとがわ)出張所▽役場小川出張所▽七川診療所―に据え、開庁・開館中に随時寄せてもらえればとしている。問い合わせは町住民生活課(電話0735・72・0180)まで。
(2022年2月4日付紙面より)