江戸千家家元が菩提寺で (新宮市 )
茶道江戸千家10代家元、川上宗雪(そうせつ)さん(71)=東京都台東区=が22日、流祖の菩提(ぼだい)寺、新宮市の本廣寺を訪れ、江戸千家新宮同好会の設立を報告した。戦後途絶えていた新宮での流派復活に家元は「良い報告ができました」と喜んでいた。
家元は全国連合不白会役員会の一行約50人と21日から23日の3日間の日程で流祖の故郷を訪問。市内で役員会を開いたほか、熊野三山一寺を参拝し、本廣寺で法要と呈茶を行った。
法要の後、清水文雅(ぶんが)住職は、6年前の紀伊半島大水害後、会員らから送られたお見舞いに感謝し、「不白が見た風景がそのまま残っているところもあると思います。今後の活動に資することを祈ります」とあいさつした。
同好会の会員は現在10人。家元は「新宮の皆さんには、ぜひ江戸の茶を習いに集まってもらいたい」と呼び掛けた。
同寺には江戸千家の流祖、茶聖・川上不白(ふはく)=(1719~1807年)が1797年に先祖供養のために建立した法華経を一字ずつ書き写した6万9384個の小石を埋納しているという「書写妙法蓮華経印塔」(和歌山県指定文化財)がある。
(2017年5月24日付紙面より)
和歌山県漁業協同組合連合会(木下吉雄会長)は21日、創建1700年大祭に向けて準備が進む熊野那智大社(男成洋三宮司)の本殿第四殿に御簾(みす)を奉納した。奉納式では祝詞の奏上、みこによる神楽「那智の滝舞」があった。県漁連の片谷匡副会長、丸山一郎参事が参列し、玉串を納め、男成宮司から感謝状が手渡された。
第四殿は、同大社の主神である熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)を祭っており、本殿の6社殿の中では最も大きい造りだという。丸山参事は「百年に一度の光栄な機会に、大漁と海上安全を願い漁業者の代表として奉納させていただいた」と話していた。
7月14日(金)の例大祭「那智の扇祭り」は御創建1700年例大祭として営む。
(2017年5月24日付紙面より)
大峯奥駈道の行仙宿で (新宮市 )
ボランティア団体「新宮山彦ぐるーぷ」(川島功世話人代表)が管理する奈良県下北山村にある山小屋「行仙宿」の行者堂の仏像「役行者尊像」の修復が済み、安置された行者堂で17日、京都市左京区の本山修験総本山・聖護院の宮城泰年門主と同院5人の山伏が仏像の修復開眼供養を行った。同会員と関係者ら約50人は喜びを分かち合い、護摩だきで家内安全などを祈った。
修験道の開祖といわれる「役小角(えんのおづぬ)」の仏像で、行者堂の新築時、本尊として平成2年に聖護院から譲り受けた。この仏像の中から、作られた当時に書かれた「願文文書」が見つかった。標高約1000㍍の気温や湿度の厳しい環境下で傷みがひどくなったため、昨年7月に性根抜き供養を行った後、奈良市秋篠仏所の浅村朋伸仏師(41)に修復を依頼した。文書は浅村さんが修復作業中に仏像を解体した際、見つけたという。内容を調べた宮城門主によると、仏像は元禄15(1702)年に天下泰平や国土安全などを願い、理正院の鵜飼行家によって作られたもので、後西天皇第7皇子・聖護院第37代門主の道尊親王が開眼供養を行った由緒ある仏像だという。文書の原本は、聖護院資料室に保管する。
同グループ結成当時の世話人代表・玉岡憲明さん(93)は、大勢の参加を喜び「仏像はこれからも大切に祭り続けていく。きっと功徳をいただけると思うので、ここへおいでの時にはぜひお参りを」と呼び掛けた。供養を終えた宮城門主は「行仙宿までの険しい道が、どこもきれいに掃き清められていた。奉仕の精神に充ちあふれた皆さんの気持ちを大変ありがたく思った」と感謝した。
新宮市で昭和49年に結成された同ぐるーぷは、明治維新後の神仏分離・修験道廃止令により、放置され荒廃していた南奥駈道を刈り開き、路面を再生。休憩や避難所となる山小屋の新築や改築、整備を行った。ほぼ毎週、南奥駈道と山小屋の点検、清掃、周辺の植生保護にも取り組んでいる。
(2017年5月24日付紙面より)
古座川クリーンアップ大作戦 (古座川町 )
カヌーツーリングを楽しみながら環境保全に貢献するイベント「第17回古座川クリーンアップ大作戦」が21日、古座川町相瀬~月野瀬の古座川流域であり、一般参加者69人が軽トラック2台分相当のごみ回収に貢献した。
このイベントは、串本アウトドアフェスティバル実行委員会(宇井晋介会長)が主催。南紀熊野体験博(1999年)時に体験と貢献、二重の達成感を得られるイベントとして実施され、以降はカヌーレンタル事業を展開する古座観光協会が軸になって継承する形で今日まで回を重ねている。
今回は道の駅一枚岩前~南紀月の瀬温泉ぼたん荘前の流域(全長約13㌔)をコース設定して参加を呼び掛けた。開会式は道の駅一枚岩前で行われ、宇井会長は「クリーンアップということで掃除もしていただくが、皆さんが何より先に楽しみ、安全にお帰りいただくのがこちら側の願い。ぜひお気を付けてトライしてほしい」とあいさつ。同町を代表して仲本耕士副町長が「古座川ファンが集まり環境美化に協力いただくことに心から御礼申し上げたい。晴天の下で事故なく楽しんでほしい」と期待し、参加を歓迎した。
南紀熊野ジオパーク推進協議会後援の関係で、同パークガイドの会南エリアの芝﨑浩子代表が流域の特色ある地質や地形を紹介。初心者講習を経て午前9時30分、古座川街道やどやの会の室實生会長によるほら貝の吹鳴を合図にして出発した。スタッフ艇を含めた数十艇が分散しないようゆっくりとまとまって川を下り、参加者は自主的に目に触ったごみを預かった網袋に入れコースのところどころで待機するスタッフに引き渡した。
コース半ばの鶴川橋そばの河原で休憩を取り、スタッフから炭火焼きにした干物や平天、サザエやナガレコ(=トコブシ)とおにぎりなどを昼食として差し入れた。
数十艇規模での移動はカヌーが盛んな古座川でもまれな状況。古座観光協会のカヌーレンタルも多数利用され、色とりどりのカヌーで川面に彩りを添える様子を狙うアマチュアカメラマンらも多く川沿いに詰め掛け、イベントの光景を撮影するなどしながら見守った。
(2017年5月24日付紙面より)
U-12ホップリーグ
県高校総体サッカー
不二流体術新宮道場が熊野速玉大社で
ブックマーマに文部科学大臣賞 (太地町 )
絵本の読み聞かせや影絵などの活動を長年続けている太地町のボランティアグループ「ブックマーマおはなしの会」(和田千明代表)はこのほど、子どもの読書を推進する活動が顕著な学校や図書館、読み聞かせ団体などに贈られる文部科学大臣表彰を受けた。同会のメンバー4人は12日、同町役場を訪れ、三軒一高町長、山下雅久議長、山本真一郎副議長、宇佐川彰男教育長らに受賞を報告した。
「子どもの読書の日」(4月23日)にちなみ、東京都渋谷区にある国立オリンピック記念青少年総合センターで開催された「子どもの読書活動推進フォーラム」で表彰を受けた。
ブックマーマは2003年10月に発足。04年から小学生、05年から園児対象に読み聞かせを始めた。小学校では月2回全学年の児童対象に、太地こども園では月1回活動している。太地中学校では生徒が行う読み聞かせの指導もしている。同会が調べたところ、現在の中学2年生は小学校の6年間で158冊もの本の読み聞かせを受けたことが分かったという。影絵では、大阪市東淀川区の瑞光寺にあるクジラの骨で作られた「雪鯨(せつげい)橋」(鯨橋)の物語を手作りし、太地小が修学旅行で同寺を訪れるきっかけともなった。現在は和田代表、坂野真佐子さん、清水文さん、由谷節さんと那智勝浦町の濱口櫻さんが中心となって活動している。
和田代表は「フォーラムの事例発表会を聞いて、子どもたちの成長を願って地道に活動をしている人たちが全国にいることが分かりました。すごく刺激されました」と話し、「太地町では4カ月児健診のブックスタートで2冊の本が贈られ、3歳半の健診時にも1冊プレゼントしてくれます。活動の中で一人一人の子どもに関わった思い出があります」と語った。三軒町長らとの懇談の中で会員からは司書の配置の要望などもあった。
宇佐川教育長は「今までの苦労が実った。とても喜ばしい。太地では、ブックマーマといさな文庫が活動してくれている。これからも支援していきたい」と述べ、三軒町長は「子どもは町の宝物。次の世代を担う子どもたちのため、ボランティアで活動されてきたことが認められた。喜びでいっぱいであり、敬意を表したい」と活動をたたえた。
(2017年5月14日付紙面より)
7月14・15日、勝浦湾で打ち上げ (那智勝浦町 )
熊野那智大社創建1700年、那智山青岸渡寺西国三十三所草創1300年を迎え、那智勝浦町では記念行事が始まっている。南紀くろしお商工会で12日、那智山奉祝記念事業実行委員会主催の「記念メッセージ花火」について第1回会議があり、関係者らが運営内容や当日の警備態勢について話し合った。
打ち上げ場所は勝浦湾内の渡ノ島埠頭(わたのしまふとう)で、7月14日(金)と15日(土)の2回。午後8時から約20分間。小雨決行。荒天の場合14日は翌日に延期、15日は中止する。両日ともに名前とメッセージを読み上げて花火15発を一発ずつ打ち上げ、スターマイン491発も用意する。
メッセージ花火は一口1万円(税込み)。文字数は80字以内。創建草創への祝い、誕生日、応援、プロポーズなど内容は自由となっている。希望者は申込書を那智勝浦観光協会ホームページからダウンロードして、必要事項を記入の上、同委員会事務局へFAXまたは持参するとよい。受付期間は今月22日(月)から6月30日(金)までで、抽選により1日15発まで。他府県からの応募も受け付ける。
問い合わせは那智山奉祝記念事業実行委員会(那智勝浦観光協会内、電話0735・52・5311、FAX0735・52・0131、ホームページhttp://www.nachikan.jp)まで。
(2017年5月14日付紙面より)
三輪崎小5年が鯨踊り練習 (新宮市 )
新宮市立三輪崎小学校の5年生76人は12日、同校体育館で地区の伝統舞踊「鯨踊り」を学んだ。三輪崎郷土芸能保存会の濱口仁史会長指導のもと、「ヨイハ」の掛け声で元気よく練習に励んだ。
5年生は毎年、運動会で鯨踊りを披露する。5月の初めには同保存会から踊りの歴史などを学び、6年生や教員の振り付け指導も受けた。運動会当日のおはやしは、保存会が奏でる。同校では濱口会長が小学生だった50年近く前から、鯨踊りが踊られているという。
子どもたちは濱口会長から「周りの人と動きを合わせて、ヨイハの掛け声を元気に」とこつを教わり、綾棒(あやぼう)の持ち方から手の動きまでをじっくり練習した。
学級委員の山﨑昴明君は「足が疲れた。だいぶ覚えたので、本番には間に合いそう」。
同じく学級委員の宮本彩音さんは「6年生に教わったときより、よく理解できた。本番はしっかり踊れそう」と話した。
子どもたちの練習を見た濱口会長は「ほぼ初めての練習でこれだけ仕上がれば大丈夫。運動会当日が楽しみ」と上達の早さに驚いていた。
鯨踊りは、県の無形民俗文化財に指定されている。扇子を持って鯨を追い込む場面を表した「殿中踊り」と銛(もり)に見立てた綾棒で鯨を突く動きを再現する「綾踊り」の2種類がある。児童たちは綾踊りを舞う。
(2017年5月14日付紙面より)
第28回夏季ソフトバレーボール大会
第5回トルベリーノカップキッズ大会