仁坂知事が行政報告会 (那智勝浦町 )
和歌山県行政報告会が25日、那智勝浦町の体育文化会館2階の大集会室であり、仁坂吉伸和歌山県知事が長期総合計画を基にした県の「人口ビジョン」や新たな施策などについて説明した。会場には約270人が訪れ、満席の状態。仁坂知事の話に熱心に耳を傾けていた。
来賓の寺本眞一町長は、新病院建設やJR紀伊勝浦駅のエレベーター整備など多方面にわたる知事の協力に感謝し「就任以来、清潔な県政で和歌山のために走り回っておられる。今後も県とともに本町もしっかりと頑張っていきたい」とあいさつ。
仁坂知事は県が目指す将来像の早期実現と時代の流れに迅速に対応するため2008年から10年間で策定した長期総合計画の最終年度を待たずに17年から新たな計画を策定したと述べ、人口減から今後消滅する可能性のある自治体などの危機感、国の地方創生への取り組みなどを紹介した。
和歌山県のあるべき将来人口としては60年に人口70万人の確保を掲げた。県外転出による人口減少の抑制、出生率を高め「自然減を減らす」ことを長期ビジョンとして描いている。
総合計画に盛り込まれた新たな政策も説明した。「子育て支援・女性の活躍推進」では、社員の結婚と子育てを応援する企業の認定制度「結婚・子育て応援企業同盟」の創設などを挙げた。
「医療・高齢者・福祉の充実」では、不足している診療科を専攻した医師への研修資金貸与、在宅医療に従事する看護職員の育成支援などの施策を示した。「産業振興」では事業継承サポート、ICT技術者の滞在を促進する「和歌山ワーケーションプロジェクト」、農産物の安定した供給体制の確立、漁業者グループによる複合経営の推進などを掲げた。「観光・地域づくり」では、誘客の取り組み「水の国、わかやま。」に続き、「わかやま歴史物語」「サイクリング王国わかやま」などを展開し、移住者の継業支援などを行っていく。「防災対策」では災害時の燃料や水の確保などに取り組んでいく。
(2017年7月29日付紙面より)
新宮市暴力追放協議会(榎本義清会長)は27日、同市井の沢の新宮商工会議所で総会を開き、本年度事業など3議案を承認した。役員改選で再任となった榎本会長は、暴力団だけでなく、家庭内や交際相手など暴力にもさまざまあると述べ、「力を合わせて、安全で安心して暮らせる新宮市に向けてさらなる協力を」と呼び掛けた。
同協議会は市内71団体・機関で構成。暴力追放のための広報啓発、相談事業などを推進している。本年度事業は暴力団追放・銃器犯罪根絶キャンペーンの実施、第26回暴力団追放県民大会への参加など。予算は118万8000円(前年度比31万8000円減)。
顧問の田岡実千年市長は「市内では暴力団が関わる凶悪犯罪は発生していませんが、つけいる隙があると認めざるを得ません。暴力団の追放はもとより、より一層の活動に努めていただきたい」。
顧問の谷本克也新宮警察署長は、県内の暴力団員は減少しているが、資金獲得活動は闇金融、特殊詐欺、公共事業への介入など手口が悪質化、潜在化していると述べ、「利用しない」「恐れない」「金を出さない」「交際しない」を官民一体となって展開していかねばならない、と協力を呼び掛けた。
1992(平成4)年3月に暴力団対策法が施行された時点での県内の暴力団は55団体約650人だったが、現在は8団体約150人に減少。市内では壊滅している。総会後に「暴力団情勢と対策について」をテーマに講演した和歌山県警察本部組対課の南出徳仁警部は、暴力団は相手の弱みを握り、どう喝と沈黙を繰り返し、金銭を要求すると説明。身を守るための録音・録画、毅然(きぜん)とした態度、相談などをアドバイスした。
(2017年7月29日付紙面より)
町長を表敬し樫野崎を巡る (串本町 )
串本町の国際姉妹都市、トルコ共和国メルシン市出身の歌手(声楽家)ハティチェ・アクソイさん(30)が27日、田嶋勝正町長を表敬訪問し日本とトルコの友好発祥地とされる樫野崎を訪ねた。
アクソイさんは30日(日)に岡山県倉敷市で開かれるコンサート「第2回国際交流コンサート 歌の架け橋~トルコの歌姫を迎えて~」出演のため来日。メルシン市にクシモト通りがあることで串本町の存在を知っていて、日本トルコ合作映画「海難1890」を通して両国友好の経緯に感銘を受け、初来日の機に串本町を訪ねることを決めた。
この旅路には妹のエリフ・アクソイさん(28)やコンサート企画者で同じく同映画を鑑賞して感銘を受けた奥村泰憲さん(39)も同行。3人の表敬を受けて田嶋町長は「587人が127年前に亡くなられたことは残念なことだが、それから日本とトルコはいい友好を持てている。私たちは友好を築いた串本と言ってもらえることを誇りに思っている。これからも(御霊を)守り続けるので安心してほしい」と述べて来町を歓迎し、ハティチェ・アクソイさんは「歴史の土地に降り立った時、改めて感謝の気持ちが湧き上がり不思議な気分だった。串本町のことは知っていたがとても遠く、自分が行くことは夢に思い描くのも難しいぐらいだったので、来られてうれしい」と喜びを語った。
アクソイさんは日本人の優しさを帆の黄色(=難航する船を太陽のように力強く照らす温かい輝き)で表現するなどした自筆のトルコ軍艦エルトゥールル号油彩画(50㌢×40㌢)やテスピ(=数珠)、トルコ旗を交流の品として託し、歌「ウスクダラ」をその場で披露。田嶋町長はオリジナルのフォトスタンドや殉難将士のレリーフをかたどったピンバッジを贈って応えた。
その後はトルコ軍艦エルトゥールル号が遭難し友好発祥地とされている樫野崎を訪問。殉難将士慰霊碑に献花して先人の御霊に礼を尽くし、トルコ記念館で史実などへの見識を深めるなどした。
(2017年7月29日付紙面より)
高田小中が親子学習会 (新宮市 )
親子の触れ合いと保護者、先生たちとの懇親をより深めようと新宮市立高田小、中学校(林眞一校長)と育友会(溝口亮会長)は23日、同市相賀で恒例の親子学習会を開いた。小中学生と家族、職員約40人がカヌーや川遊び、バーベキューを楽しんだ。
カヌーでは中学校が所有する10艇が用意された。参加者らは熊野カヌークラブの引本孝之さんらから指導を受け、早速川へ。パドルを自在に動かし、楽しそうに水の上を移動していた。
低学年の子どもたちや兄弟は浅瀬で川遊びを楽しみ、たくさん運動した後はバーベキューで夏のひとときを満喫していた。
カヌーは初めての西村梛君(10)は「こつをつかんだらうまくいった。いつもは普通に泳いでいるけれど、カヌーは深い所の上に行くので、いつもとは違って見える」。母の真希子さん(40)は「高田でカヌーは初めて。いい体験をさせてもらってありがたいです。初めは怖がっていた様子でしたが楽しそうで何事も経験かなと思います。視野が広がっていいですね」と笑顔を見せた。
林校長は「自然を生かしてみんなで遊べる水のスポーツをと、カヌーをしました。安全面を考え、今年は場所を変更し幅が広く流れが緩やかな所を選びました。インストラクターの人にも来ていただき、安心感があります。なかなかこのようなことをする機会もなく、いいと思います」と話していた。
(2017年7月29日付紙面より)
ボランティアスクール開講 (みくまの支援学校 )
新宮市蜂伏の県立みくまの支援学校(稲田進彦校長)で22日、同校主催のボランティアスクールの開講式があった。障害のある子どもたちが地域で豊かに育っていくため、理解をより深めてもらおうと毎年夏に開いている。8月22日(火)まで、5回にわたり講座や児童生徒との交流を予定している。
今年は高校生16人の申し込みがあった。稲田校長は「障害のある子どもたちとの出会いを楽しんでもらい、共に地域で生きる仲間として接してほしい。必要なときは支援を」などとあいさつ。自己紹介ではそれぞれが「みくまの支援学校をもっと知りたいと思った」「将来目指す職業のために学びたいと思った」などと参加したきっかけを話した。
第1回の講座では、福山喜一郎教諭が「みくまの支援学校と障害のある子どもの理解」をテーマに話した。障害のある人が人と関わる中で困ることと手助けの方法を紹介し「みんなが理解し、手助けをすることで生活しやすく、感じないようにすることもできる」と語り、その人が求めている支援をしてほしいと呼び掛けた。
(2017年7月23日付紙面より)
東海大の杉本洋文教授が講演 (新宮市 )
林業や製材業の新たな可能性を地域の発展に生かそうと新宮市あけぼのの新宮木材協同組合で15日、「木づかいのまちおこし」をテーマにした講演と地元有志によるパネルディスカッションがあった。紀南木材新緑会(速水洋平会長)が主催し、田岡実千年市長をはじめ、木材関連事業者や一般参加者ら87人が集まり、会場は満席となった。
基調講演で東海大学工学部建築学科の杉本洋文教授は、全国各地で手掛けた木を生かした町づくりや災害時の仮設住宅などの事例を紹介。国内利用の70%を占める輸入材により、衰退し手付かずとなっている人工林の有益な利用法を示した。
日本の人工林は「少子高齢化」となっており多くの木が伐採期を迎えているという。平成22年に施行された「公共建築木材利用促進法」で、国の目標は「低層の公共建築物については原則として全て木造化を図る」としている。杉本教授は公共建築の総量(=木材需要)は低層で600万平方㍍に及ぶと解説し、木構造技術の向上により中・高層の木造建築も不可能ではないとして、地域の木を使って利益を生むための「追い風が吹いている」と話した。
国の補助利用についても具体的に解説し「公共の建物は工事費などの予算が見えないと話が進まない。モデルをつくればコストが分かる。単独ではなく、チームを組んで全体をマネジメントすることが必要。熊野特有のストーリー性を」と何度も呼び掛けていた。
パネルディスカッションでは太地町の熊野くらし工房一級建築士事務所の森岡茂夫さんがモデレーターを務め、山の管理や、公共木材に必要なJAS認定、県下に木造の構造計算のできる建築士が不在などの問題点を話し合った。閉会の後、田岡市長は「新宮市は木の産地。大切な産業だと改めて感じた。公共施設に木材を利用しなければと思っている」と感想を述べた。
(2017年7月23日付紙面より)
8月11日、道の駅「たいじ」オープン
太地町森浦に建設中の道の駅「たいじ」が県内31番目の道の駅として8月11日(金・祝)正午にオープンする。特産品などを紹介する地域振興施設をはじめ、コンシェルジュと呼ばれる地域情報を提供する係員を配置した情報発信施設も設ける。クジラの町の観光レジャー、歴史、文化を発信する拠点が誕生する。
地域振興施設とレストランなどを太地町が建設し、情報提供施設、トイレ、駐車場の一部は国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所が整備した。施設面積は5168平方㍍。駐車場は57台(大型車5、小型車50、身障者用2)。トイレは「日本一きれいなトイレ」をコンセプトに落ち着いた色調を採用し、ゆとりのある共用スペースを設けている。特に女性用は「パウダーコーナー」などを設け、快適な空間を提供している。子ども用、多目的トレイもある。公衆無線LANや電気自動車(EV)充電器も設置している。町内循環バスの停留所も駅内に設けている。
同町の「森浦湾くじらの海計画」と連携した体験型の環境学習などにも利用していく。
11日はオープンセレモニーを開催する。午前10時に「くじら太鼓」の演奏、テープカットの後、餅まきも予定している。利用は正午から。
同町議会(山下雅久議長、10人)は21日、臨時議会を開き、道の駅たいじ地域振興施設整備工事請負契約を2億3328万円から2億4300万円に増額する議案を賛成多数で可決した。契約先は株式会社夏山組。
内訳は地中深くにある障害物の撤去、トイレ棟への連絡通路の整備、施設前広場の舗装材変更、景観を考慮した配電設備の埋設および変更など。
(2017年7月23日付紙面より)
太地町こども園安全祈願祭
太地町が同町平見地区に建設するこども園新園舎の安全祈願祭が12日、同地区の建設予定地で開かれた。宇佐川彰男教育長はじめ町職員や議会議員、建築関係者ら約20人が出席し、工事の安全を願った。
同町の飛鳥神社の高橋正樹宮司が神事を執り行った。地鎮の儀では園舎設計のチャイルド社関西営業所=大阪市鶴見区=の阪本行庸副課長、宇佐川教育長、建設の株式会社夏山組=新宮市=の夏山晃一代表取締役社長が刈初め、穿(うがち)初め、土均(なら)しを行って安全を祈った。
式典を終えて宇佐川教育長は「将来を担う子どもたちの安全と成長を願って平見に建設を決めた。町議会議員をはじめ、ひとえに支援してくださった皆さまのおかげ。これより建設が始まるので、近隣住民の皆さまにはなにとぞご理解をいただきたい」と述べた。夏山社長は「施工者として法令順守、安全第一、工期重視で建設を全うしたい」と話した。
新園舎は敷地面積1万723・88平方㍍、延べ床面積1312・72平方㍍の鉄骨平屋建て。南向きの保育室やランチルーム、室内プールを設け、屋外には林の中を通る遊歩道や自然を活用した遊具が備えられる。0歳から5歳児約100人を受け入れられる。工期は6月27日から来年2月26日まで。契約額は5億2704万円。
園児数の増加を見込んで10月に職員募集を、3月には内覧会を計画している。移転は4月1日に完了予定。
(2017年7月14日付紙面より)
那智勝浦町で「喜寿の集い」
那智勝浦町と町社会福祉協議会は12日、同町のホテル浦島で第23回喜寿の集いを催した。町内で77歳を迎えた対象者287人のうち99人が出席し、これまでの歩みを祝い、今後の健康を願った。
開会のあいさつで寺本眞一町長は「町が発展してきたのは、激動の時代を生き抜いた皆さまの並々ならぬ努力と血のにじむような思いのおかげ。築きあげられた繁栄を後世に引き継ぎ、維持発展させるのが私たちの務め。今後も私たち後輩を指導してください」とねぎらった。
町議会の中岩和子議長は「現代の平和と経済発展は皆さまのおかげ。皆さまの顔を見ると、高齢化社会を吹き飛ばすような力を感じます。私たちも、保健福祉医療サービスなど施策の充実に一層努力を続けていきます」と祝辞を述べた。
出席者を代表して、勝浦地区在住の大林賢二さんが「私たちは昭和16年から17年に生まれ育ち、戦中戦後の混乱期を乗り越えてきました。微力ながら世の中の役に立てたと自負しています。今後も健康に気を付けて、少しでも地域社会のために努力したい」と謝辞を述べた。
町社協の岡本美智子副会長が音頭で乾杯。各席では、知人や旧友と思い出話に花を咲かせる姿があった。アトラクションも用意され、天満保育園5歳児13人が歌とダンスを披露した。日本舞踊の藤紀流と西川流友華会、グリーンコーラスも出演し、舞や合唱で出席者を楽しませた。最後には餅投げもあり、にぎわいのうちに会を終えた。
(2017年7月14日付紙面より)
上部区、夏季祭典に向け (古座川町 )
古座川町高池にある上部集会所で、池野山八坂神社夏季祭典(15日宵宮、16日本祭)の準備が大詰めを迎えている。取り組んでいるのは上部区(南克明区長)で、11日夜半は獅子舞の稽古に加えて当屋のしめ縄作りも実施。南区長(66)は「例年通りきちんとやれたら」と意気込んで全体のまとめ役に努めている。
同神社は現在、上部区と池野山区(垣秀志区長)の氏神社として護持され夏と秋に祭典が営まれている。夏は両区の奉幣神事を軸にした祭典で、主に上部区が奉仕奉賛を担っている。
上部区は近年、旧青年団「同心社」が受け継いでいた獅子舞の再興に努めていて幣の舞、神明賛、乱獅子の3種類を奉納している。今年も6月20日から稽古を始め、6月中は週2回、7月は週5回に頻度を上げて舞に磨きをかけている。
舞わし手として新たに鈴木貴裕さん(30)が加わり、『現役の総合格闘家が獅子を舞わす』と話題になっている。鈴木さんは「職場の先輩に誘われ、地域に積極的に関わりたいという思いもあって参加した。出身地に獅子舞がなかったので、とても迫力があり笛や太鼓の祭りばやしも新鮮に感じられる」と稽古の印象を語る。
担当は幣の舞。公式戦の都合で本祭に参加できないため宵宮夜半に奉納するそうで、「舞の特徴を出して楽しんでもらえるような奉納にしたい」と意気込んで、練習に励んでいる。
今年の当屋は村上裕司さんが務めるそうで、この日は池野山区から譲り受けた稲わらでしめ縄を仕立てた。南区長は「8月の盆踊りも多くの区民が集まるが、毎晩のように和気あいあいと頑張る姿を見られるのはこの時期だけ。今では少なくなった機会なので、これからも大事に続けていきたい」と述べ、にぎやかな準備を喜んでいた。
宵宮は午後7時すぎ、本祭は午前8時30分に営まれる奉幣神事後に獅子舞を奉納する。以降は池野山区の酒宴の座、高池金毘羅神社遥拝奉納、区内各班の座を回り、正午ごろに同集会所で総神楽を披露し座払いを迎えるという。
(2017年7月14日付紙面より)
全国高校野球選手権和歌山大会が開幕
夏の甲子園を目指す「第99回全国高校野球選手権和歌山大会」が13日、39校が参加して和歌山市の紀三井寺公園野球場で開幕した。県高野連などが主催。
青空の下で始まった開会式では、和歌山県警カラーガード隊、和歌山商業体操部バトントワラーらが選手たちを先導。前年度優勝の市和歌山を先頭に北から順に入場行進。
県高野連・花本明会長らのあいさつの後、選手を代表し田辺工業の楠本迅一朗主将が「選手権大会は今年で99回目を迎えました。この長い歴史の中で、多くの先輩方が甲子園を目指し、夢や感動を与えてくれました。今年は私たち39校の高校球児が多くの方に夢や感動を与える番です。先輩たちが築き上げてきてくれたこの伝統ある大会の舞台に立てていることを誇りに思い、今まで支えてきてくれた人に感謝し、夢の舞台甲子園を目指し、高校生らしく全身全霊でプレーすることを誓います」と宣誓し、14日間にわたる熱戦の火ぶたが切られた。
(2017年7月14日付紙面より)