世界平和など願い祈願祭と奉納奉告祭 (熊野速玉大社 )
「アースデー(地球の日)」(4月22日)を前にした21日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で地球温暖化抑制と世界平和の祈りを込めて祈願祭が執り行われた。併せて、熊野地方を拠点に創作活動を行うアーティスト・平野薫禮(ぐれ)さんが八咫烏(やたがらす)をモチーフに製作した鏝絵(こてえ)作品「導き」の奉納奉告祭も斎行された。
4月22日は「アースデー(地球の日)」。1969年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)により提唱され、アメリカ・サンフランシスコ市のジョセフ・アリオト市長(当時)が翌年3月21日にその概念を採用。同年4月22日にアメリカで行われた環境保護運動を記念し、ゲイロード・ネルソン上院議員が同日を「アースデー」と宣言した。全米各地で活動が開始され、現在の環境保護運動の先駆けともされている。
地球環境について考える日「アースデー」には▽気候変動に対応する▽保存修復▽食品と環境▽プラスチック汚染を終わらせる―などの課題に対して、国際的な取り組みが行われている。日本においても、限りある地球の資源や環境について考える機会を設ける目的で、各地でイベントや会議などが展開されている。
平野さんは、同大社が展開する地球環境保護運動の取り組みに賛同し、作品を製作。着手したのは1年半ほど前だが、何度も作り直すうちにしっくいの魅力に取りつかれ、このほど横75㌢、奥行き65㌢、高さ72㌢、重さ18㌔の八咫烏を完成させた。
「本来、日本人は持続可能に生きてきた。神道の教え、上野宮司のお話に共感し、自分にできることは何かを考えながら製作しました」。
地球が危機的な状況であるにもかかわらず戦争が起こっている現状を憂い「自然が壊されていることに心を痛めている。(作品が)多くの人のインスピレーションのもとになれば」と話す。
上野宮司は作品に対し「地球・自然・社会などの環境を良い方向に導いてほしいといった願いを込めて製作いただいた」と感謝。「人類は自分たちの幸せのために地球を作り替えてきた。また、幸せを願いながらも自分たちの手によって戦いを起こしている。地球のため、世の中の平和のためには意識して生きることが大事では」と話していた。
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同大社ではこのたび、地球環境保護活動の一環として、同メッセージステッカー「地球のために 全ての祈りを」を製作した。初穂料(400円)は環境保全活動の支援金として全額寄付される。上野宮司は「多くの人に活動にご賛同いただければと願っています」と話している。問い合わせは同大社(電話0735・22・2533)まで。
(2022年4月22日付紙面より)
千穂第一地区福祉委員会 (新宮市 )
新宮市の千穂第一地区福祉委員会(玉置裕委員長)は20日、市立神倉小学校(藪中秀樹校長、児童425人)に雑巾200枚を寄贈した。
新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点からサロンなど同委員会の活動が制限される中、会員たちが各家庭で昨年夏ごろから雑巾を制作。寄贈は9年前から毎年行われている。
サロンは寝たきりや引きこもり防止、住民同士の交流を目的に2011年から始まり、同市の神倉老人憩の家で季節感のある折り紙の壁飾りやお茶会など、さまざまな行事を企画して開いている。今後も引き続き感染状況を注視しながら活動していく方向だという。
この日は玉置委員長と堀川敏子副委員長、二河真理副委員長が来校。藪中校長に手縫いの雑巾を手渡した。玉置委員長は「新型コロナの影響によりタオルの入手が困難ではありましたが、自分たちが暮らす地域の学校と子どもたちに少しでも何かできないかと、みんなで協力して作りました。いろんなことに役立ててもらえれば」。
藪中校長は「毎年、皆さんに心を込めて作っていただいていることをありがたく思います。雑巾を通じて地域の方々とのつながりも生まれている。清掃時や消毒など、使用する機会が多いため有効に活用させていただきます」と感謝していた。
(2022年4月22日付紙面より)
菰野町議会の「新政みらい」 (紀宝町 )
紀宝町に19日、菰野(こもの)町議会の最大会派「新政みらい」の議員4人が視察に訪れ、紀宝町のタイムライン、子ども議会の取り組みを研修した。
視察は2年ほど前に計画していたが、新型コロナウイルスが拡大する中で延期となっていた。紀宝町からは町議会の榎本健治・議会運営委員長、萩野進也・総務産業常任委員長、市川潔・教育民生常任委員長と担当職員が出席した。
菰野町議会議長を務める中山文夫さんが「山に囲まれた菰野町で津波の被害はないと思うが、どんな災害が起こるか分からない。避難所の設置などを含め、紀宝町の事業などを参考にしたい」とあいさつした。
担当職員がタイムラインを含む紀宝町の防災対策を紹介。簡単で分かりやすく迅速に情報共有できるようになった「町新防災情報システム」について、「雨量、水位、ダム情報、カメラ画像など必要な情報を収集、集約して一元管理が可能となった。防災行政無線やホームページ、ツイッター、登録制メールとも連携しており、情報配信も容易に行うことができる」と説明した。
議員4人は、タイムライン状況が確認できるタブレットを操作し「高齢の方でも使いやすいと感じた」などと話していた。
(2022年4月22日付紙面より)
高1、中1にiPad配布 (近大新宮 )
近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)は19日、高校1年生および中学1年生の計154人に最新型のタブレット端末「iPad(アイパッド)」を配布した。
「情報通信技術(ICT)教育を推進する上で必要不可欠な電子文房具」との位置付けで、学校所有の機器を貸し出す方式ではなく、生徒所有の文房具として学校や家庭での学習に活用する。
同校ICT教育部(小西統部長)が中心となり、操作性やセキュリティー面を考慮して機種を選定。ゲームアプリのダウンロードやネット閲覧には制限をかけており、校内にはシステム・端末トラブルに対応する窓口を設置してサポートに当たる。
iPadを受け取った生徒たちは「画面が大きい」「ピカピカ」と喜び、家庭に持ち帰って初期設定を行った。翌20日には早速、中高一貫コースの高校1年A組で総合学習に活用。高校1年生の学年行事で行うプレゼンテーションに向け、Keynote(キーノート)アプリでスライドの編集やリハーサルに励んだ。
中村悠寿君(高1)は「普段からiPhone(アイフォーン)を使っているので、操作性はそれほど変わらないが、画面が大きくて細かい編集作業がしやすい。ノートパソコンよりも気軽に使える」。
教職員からも「昨年10月ごろに教職員用のiPadが配布され、プロジェクターにiPad画面を表示させるミラーリングや、端末同士でデータのやりとりをするエアドロップ機能を活用してきた。非常に効率が良くなる」と評判は上々だった。
(2022年4月22日付紙面より)
ホップリーグ3部東牟婁ブロック大会が開幕
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭「本宮祭」が13日、始まった。神を宿すとされる稚児が主人公の神事「湯登(ゆのぼり)神事」(県無形民俗文化財)では、地元の稚児の神聖な体が地面に着かないよう父親が肩車をして練り歩き、温泉で身を清めるなどして子どもの健やかな成長を願った。
熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭。主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣(ほうじょう)を願う祭り。毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩る。
今年は昨年同様、人数制限などの対策を講じ規模を縮小しつつも緩やかに従来の規模に戻して執り行う運びとなった。
湯登神事に参加した子どもは2~4歳の5人。斎行に当たり九鬼宮司は「今年も新型コロナウイルスの影響で厳しい状況ではあるが、本宮祭は春を告げる祭り。いろいろな思いの中、ご参加いただいたことに感謝。子どもたちの健やかな若竹のような成長を願いたい」とあいさつ。榎本隆文・総代会長は「万全な新型コロナ対策で臨みたい。ご協力を」と呼びかけた。
好天の下、親子は大社本殿前で拝礼を受けた後、九鬼宮司らを先頭に参道を下り国道168号を歩いた。
湯の峯温泉では温泉に漬かり身を清めた後、温泉粥(かゆ)などを食べた。狩衣(かりぎぬ)や烏帽子(えぼし)で正装し、稚児の額に神の証しとして朱色の口紅で大の字を書き入れて準備を整えた。
2歳の樹丞(きすけ)君と参加した同町の植野元樹さん(26)は「自身も2歳の時に稚児として父親と参加した。子どもの健やかな成長と健康を祈っています」と話していた。
祭りは15日(金)の渡御祭(とぎょさい)、斎庭(さいてい)神事まで続く。祭りの様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」にて配信される。
(2022年4月14日付紙面より)
色川地域振興推進委員会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町色川地域の住民らで組織される「色川地域振興推進委員会地域循環共生圏班」は10日、同町の口色川付近で小水力発電機と太陽光発電によるオフグリッドシステム(※)のお披露目会を開いた。(特非)地域再生機構が実施する自然エネルギー(小水力発電)を学んで実践する「自然エネルギー学校」の事業を2020年から取り組んできた共生圏班。メンバーらはワークショップで完成させた設備の仕組みや取り組みについて、住民や町内外から参加した見学者に対して説明を行った。
共生圏班は同町が19年度に策定した地域循環共生圏構想の実現に向け、住民有志が自主的取り組みを行うべく組織された。同地域で地域循環共生圏づくりの活動に取り組んでいる。
活動の一つである脱炭素では、地球環境基金の助成を受けて、事業を実施。25年度以降には再生可能エネルギーで稼ぎ、地域循環共生圏づくりに投資する事業体「(仮称)色川シュタットベルケ」の設立を目指すとしている。
見学者は21年度に設置した小水力発電の実機とソーラーパネルなどを見て回った。小水力発電の設備では取水枡に川の水を流入させて、パイプを通った水の落差を利用。それにより、水車装置が作動して発電する仕組みだ。また、太陽光発電は渇水期の水力発電の電力を補う対策としても使用されるという。
充電池などの機材は水源から最も近い位置に住むメンバーの東条雅之さん宅に設置。発電した電気を使い、室内のイルミネーションを点灯させ、動画の上映も行った。
東条さんは「共生圏班としていろんなことに取り組んでおり、電力自給もその一つ。電力自体は少ないので全ての家電は使えないが、エコな生活なら賄っていける。町が地域循環共生圏を掲げてくれてうれしい」。
事務局を務める(一社)南紀自然エネルギーの仁木佳男さんは、「今後は売電などの事業化を目指し、調査やさまざまな試行を進めていく計画。また、色川だけでなく、新宮市や古座川町でも脱炭素と持続可能な地域づくりの実践を進めていきます」と話した。
メンバーの外山哲也さんは「立地や川の管轄、水量などの点からも、色川で小水力発電の普及などは難しいかもしれない。しかし、今回の取り組みで、電気がぜいたく品であることや一般家庭よりも電気を使わなくても幸せに暮らしていけることに改めて気づくことができた」と語った。
その後は見学者と住民が触れ合う、交流の場が設けられた。
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※オフグリッドシステム=電力会社の送電網につながらず、独立して電気を自給自足する状態のこと。
(2022年4月14日付紙面より)
三輪崎でささやかな花火大会 (新宮市 )
新宮市三輪崎の孔島付近で12日夜、ささやかな花火大会が行われた。三輪崎漁港には近隣の住民らが訪れ、つかの間の花火大会に心を躍らせた。
三輪崎・佐野・木ノ川地区の1980年度生まれの同級生などで組織する「三佐木55年度会」が主催。三佐木地区への愛情を示すとともに、これからも見守り続けたいとの思いをサプライズ花火に託した。
花火は、打ち上げ位置から近い三輪崎地区住民に対して事前に回覧で周知。約3分間にわたり55発の花火が夜空を彩り、三輪崎漁港周辺に集まった住民からは歓声と拍手が起こっていた。
事業実行代表責任者の海野紘史さんは「回覧を回した際、住民の皆さんの中には非日常を味わえると、楽しみにしてくれている人もいた。この打ち上げ花火で愛する三佐木地区が少しでも元気になってくれたら」と思いを語った。
(2022年4月14日付紙面より)
熊野那智大社の「秀衡桜」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)にある県天然記念物の「秀衡桜(ひでひらざくら)」が現在、見頃を迎えている。純白の花は参拝者の目を楽しませており、写真を撮影する人の姿も多く見られた。
高さ約15㍍、幹の周囲2㍍の巨木。今から約800年前、武士の熊野詣でが盛んな時代に奥州藤原氏の第3代当主・藤原秀衡が夫人と共に参詣した際、奥州から持ち込んだ苗を植えたと伝わる。花の姿が雲かかすみに見まがうほど真っ白く咲くため「白山桜」とも呼ばれる。
同大社によると、10日ごろに開花し、連日暖かい日が続いた頃から、一気に花が咲いたという。12日時点で八分咲き、13日には満開間近となったことから、14日に営まれる「桜花祭」に花を添える形となった。
大谷知也権禰宜(ごんねぎ)は「今週末が見頃だと思う。季節のものですので、目で楽しんでいただけたら」と話していた。
(2022年4月14日付紙面より)
第42回学童軟式野球大会マクドナルド・トーナメント