仲買人ら新鮮なミンク入札 (太地町 )
太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の捕鯨船「第7勝丸」(32㌧、竹内隆士船長、乗組員5人)が今漁期の商業捕鯨で初漁獲したミンククジラの鯨肉の入札が26日、太地漁協地方卸売市場で行われた。地域の仲買人7業者が参加し、2業者が入札した。
今回、日本鯨類研究所が依頼した生態調査のために日本小型捕鯨協会(貝良文会長)に所属する同町の勝丸は先月9日に太地漁港を出港。今月3日から商業捕鯨が開始されたが、天候不良のためスムーズに操業が進まなかったという。
当初は青森県八戸沖での操業だったが、悪天候やクジラが小型のものばかりだったため、22日にむつ市沖に移動。翌23日午後2時5分ごろ、沖合50㌔付近で勝丸がミンククジラを発見。千葉県の純友丸と協働でミンククジラを捕獲した。
同町漁協によると、クジラはメスで全長7・9㍍、内臓などを取り除いた重量が約5・5㌧。鯨肉は同町以外では北海道から九州までの全国28カ所の市場へ運ばれたという。
太地漁協地方卸売市場では新鮮な赤身35㌔や畝須(うねす)17・5㌔が競りにかけられた。入札された肉は競り後すぐに町漁協スーパーに並んだほか、新宮市や那智勝浦町のスーパーなどにも並ぶ予定だ。
同町漁協の貝良文専務理事は入札については「クジラが好きな町民にとっては今回のミンクは好みの色ではなかったため、初漁の割には平均的な価格になった」。
勝丸の活躍や鯨肉につては「天候が悪い中、苦戦しながらも初漁で大きなクジラを捕ってくれてありがたい。今後も多くのクジラを捕ってくれることを期待している。近隣市町でも手に入るので新鮮なクジラをおいしく食べていただけたら」と語った。
(2021年4月29日付紙面より)
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国土交通省近畿地方整備局は27日、新宮市と三重県紀宝町をつなぐ「新宮紀宝道路」(2・4㌔)が2024(令和6)年秋に開通するという見通しを公表した。現在整備が進む「すさみ串本道路」(19・2㌔)は25(令和7)年春に開通する見通しだ。
和歌山県における「防災・減災、国土強靱(きょうじん)化に向けた道路の5か年対策プログラム」で明らかにした。国交省では同プログラムに位置付けられた災害に強い国土幹線道路ネットワークについて、高規格道路のミッシングリンク(未整備区間で途中で途切れている区間)解消および4車線化、高規格道路と直轄国道とのダブルネットワーク化などによる道路ネットワークの機能強化対策を推進している。
新宮紀宝道路(紀宝町神内―新宮市あけぼの間)は、国道42号の渋滞緩和による地域相互の振興と発展に寄与するほか、台風などによる土砂災害や南海トラフ地震などの地震災害時におけるネットワークの構築による救命活動や観光をはじめとした地域振興支援、救急医療活動の支援を主な目的とする道路。
災害時、一般国道42号現道のうち、紀宝町の大部分の区間が津波により浸水し通行不能になると予想されており、整備により東南海・南海地震時の津波などによる浸水時には、迂回路、避難および避難場所として機能すると予想される。また、熊野川渡河部で慢性的に発生する渋滞の緩和にも期待が持たれる。
公表を受け、田岡実千年・新宮市長は「長年の悲願が現実になった。心よりうれしく、みんなで祝いたい気持ち。熊野川河口大橋の開通により交通の便が良くなり、地域経済活性化の起爆剤になることを期待している。長年建設促進にご尽力いただいた関係機関の方々に感謝申し上げたい」と話している。
(2021年4月29日付紙面より)
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推進協がオンラインで総会 (南紀熊野ジオパーク )
南紀熊野ジオパーク推進協議会(会長=仁坂吉伸・和歌山県知事)が27日、オンライン形式で本年度通常総会に臨んだ。新任の東垣(あずま・わたる)・同パークセンター長が世界ジオパーク認定を見据えた今後の方向性を会員に示し、関連して一度打ち切った南紀熊野ジオパークガイド新規育成の再開を盛り込んだ事業計画案を承認するなどして初動を固めた。
この協議会は、南紀熊野ジオパーク振興の中核組織として県や関係9市町村と関係諸機関・団体で結成。本年度の通常総会はコロナ禍の情勢を鑑み、串本町潮岬にある同センター内に感染症予防を考慮したサテライト拠点を置き遠方の会員をウェブ会議システムでつないで審議の場を整えた。
当日は会員42人中31人が出席し11人が議長委任を提出。会長の仁坂知事はコロナ禍にあって同センターの教育活用が活発な状況や取り組みの高まりを期して3月に和歌山大学と連携協定を締結したことを報告し、「世界ジオパークとするためにはさらに実力を高めなければならない」と思いを掲げてあいさつ。和大を代表してアドバイザーに加わった伊東千尋学長が大学の持ち味を生かして盛り上げに協力したいという思いを掲げて会員との歩み寄りを深めた。
東センター長は海洋研究開発機構特任技術統括を務め、同協議会のアドバイザーも務める人材。非常勤待遇での起用で、「地元が楽しんで豊かになる状況を世界に知らしめることに頑張りたい」と将来ビジョンを掲げ、前任から引き継いだ世界ジオパーク認定を目指す上での課題に対する見解、世界ジオパークや日本ジオパークの最近の傾向を踏まえて南紀熊野ジオパークや同パークセンターが果たすべき役割を論じて「できるのかではなく、話し合い汗をかきたいと思う」と同調を求めた。
議事では前年度と本年度の事業関連諸議案を審議し承認。前述した同ガイド新規育成の再開により数と活動領域を国際的に通用する域まで増強し、世界認定に向けた弾みをつける方向性を新たに宿すことになった。その他、環境省近畿地方環境事務所が吉野熊野国立公園内におけるジオ事業の前年度実績と本年度の予定を報告し、それらの情報共有を図って終了した。
(2021年4月29日付紙面より)
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千鳥会が会員に支援金配布 (新宮市 )
新宮市の町内会・千鳥会(濱優治会長)は、20日から数日かけて、新型コロナウイルス感染症の支援策として町内会67世帯に対し支援金5000円を配布した。
長期化し、先の見えない不安に多くの人がストレスを抱えている新型コロナウイルス感染症。25日からは3回目となる緊急事態宣言が東京都・大阪府・京都府・兵庫県に発出されるなど、終息のめどはいまだ立ちそうにない。
同町内会では、最初の緊急事態宣言が発令されていた昨年5月、「会員のために何かできないか」と一足早く独自の支援を決定。町内会員に対し現金1万円を支給した。
このたびの支援については「コロナの時代をいかに乗り越えるか。コロナ終息に向け、町内会の存続を考えた」と濱会長。コロナ禍で役員が集まることも困難な中において、電話などで協議を重ねたという。
支援金には町内会の予備費を充当。「少しでも安堵(あんど)感や喜びを与えられたら」との思いを込め、役員らが会員宅を一軒一軒訪ねて支援金を手渡した。なお、同町内会では昨年、災害対策として古くなった街路灯を撤去し電柱に新たに電灯を取り付ける工事を実施。工事は維持管理費の低減にも一役買っているという。
支援金を受け取った町内会員の佐藤輝子さん(71)は「新しい電灯も支援金もありがたく、町内会のみんなが喜んでいる。心強く感じています」と笑顔。
濱会長は「有事の時にどう気遣えるかが大事。共助の気持ちこそ町内会の在り方では。町内会の皆さんには健康で笑顔でいてくれたら」と話していた。
(2021年4月29日付紙面より)
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第165回職場対抗ボウリング大会
防災マップ制作から6年 (新宮市中央児童館 )
「きっかけは東日本大震災でした」―。新宮市野田の中央児童館に展示されている防災マップを見つめながら、同館の職員はそうつぶやく。防災マップは2015年、当時の小学3年生以上の児童らが児童館行事の一つ「町たんけん」で町中を歩き、調査して制作したものだ。
同館が取り組んでいた「町たんけん」。子どもたちに自分の住む町を実際に歩いてもらい「自分たちが暮らしているまちには何があるのか」を知ってもらうことを目的に実施していた。
「これは何?」。町たんけんに参加した児童が指さしたのは海抜を示す表示だった。児童の疑問から、職員らがふるさとの地形や高低差が気になりだした矢先、東日本大震災が発生した。
職員は「自然災害が恐ろしいものであると理解しつつもどこか非現実なものだと思っていた。でも報道で衝撃的な光景を目の当たりにし、私たち職員はもちろん、子どもたちも災害が身近なものであると感じたようです」。
以降、「町たんけん」という遊びの要素を取り入れながら、災害発生時の避難場所の把握や自分の身を守る意識を養って子ども目線で調べることを目的に防災マップの制作に着手した。
子どもたちは館内で地図帳を広げると地理や高い建物、海抜、危険と思われる場所をチェック。数グループに分かれてカメラを手にしながら職員たちと一緒に計3回、市内を調べたという。集めたデータは地図に海や川、主要道路などを色付けして分かりやすくし、シールや写真で表示した。
巡回バスを利用して遠方にも足を向けた。映像や新聞で震災の様子を見聞きし、災害時に海抜の低い所にいた場合にどうすればいいかなども話し合った。職員の「自分の身は自分で守ることが大事」の言い聞かせに、参加した子どもたちは熱心に耳を傾けていたという。
当時、小学5年生だった参加者の一人・下古谷律武君(近大新宮高2年)は「あの体験を機に視点や意識が変わったと思う。海抜や危険な所を意識して歩くようになった」と振り返る。
「みんなで協力してマップを作った。完成した時はうれしかったし楽しく新鮮な気持ちだった。自分の足で歩いて防災意識を高めるのはとてもいいこと。小さい子たちにも経験してほしい」。
東日本大震災、そして紀伊半島大水害から10年。防災マップの制作から6年が経過した今、児童らが自らの命を守るため、そして防災意識向上のために、地図の更新やさらなる情報が期待される。
しかし、時はコロナ禍。職員は防災マップの更新について具体的な計画は未定であるとしながらも「個人的には機会を見つけていつか再び実施することができれば」と話している。
(2021年4月22日付紙面より)
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地域活性化起業人が初業務 (那智勝浦町 )
那智勝浦町地域子育て支援センター「にこにこキッズ」(戸塚ゆう子センター長)が同町福祉健康センターで実施している「すくすくワークショップ」に20日、先日赴任した地域活性化起業人の島田匡平さんが訪れ、親子で楽しめる体操を指導した。ワークショップに参加した7組17人の親子は笑顔で体操を楽しんだ。
このワークショップは毎月、未就園児とその保護者を対象に実施しており、毎回、同町の民生委員が協力している。
工作後に体操などを行う内容で、これまでにクリスマスリースや雪だるまなどを作成。この日はこいのぼりを作った。
総務省が推進する地域活性化起業人は三大都市圏にある民間企業などの社員が知見を生かして一定期間、地方自治体で地域独自の魅力や価値の向上につながることを目的に活動するもの。
株式会社ルネサンス=東京都=の社員である島田さんは同町福祉課に所属し、世代間の交流による子どもから大人までの体力増進や高齢者の健康づくりなどを行うという。
今回が初の業務となった島田さんは、これまでのキャリアで培った知識や技術を生かし、自身が考案した体操を紹介。足裏などを刺激する「ふれあい」や、子どもを太ももに乗せて両者がバランスを取る「お膝の上でバランス」などの方法を参加者に教え、親子間で触れ合いの時間を過ごした。
戸塚センター長は「専門家の方に教えていただけるのはありがたい。せっかくの機会なのでいろいろ教えていただき、皆さまには親子で健康に過ごしていただけたら」。
島田さんは「お母さまもお子さまも楽しんでいただけて良かった。機会があれば今後もいろんな種目をやっていきたい。今後も皆さまとコミュニケーションを取り、お子さまの体の悩みなども聞いて成長のお手伝いをさせていただきたい」と語った。
来月のワークショップは5月18日(火)、19日(水)の午前10時から「おさんぽカタツムリ」を実施する。
(2021年4月22日付紙面より)
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古座街道青空マルシェ (古座川町 )
古座川町高池地内で17日、イベント「古座街道青空マルシェ」があった。当日は雨天に見舞われ、最寄りの屋内へ会場を移して実施。17店舗が並び、密を避けるなど各自対策をして訪れる人々の注目と利用を集めた。
やまさき屋旅館のおかみ、山﨑美知子さんが過去の物産市世話役経験を生かし、心機一転で取り組み始めた交流企画。地元や近隣で扱う品物にこだわりを持つ人に出店を呼び掛け、実現を目指してきた。
初の実施となるこの日はイベント名に掲げた青空に恵まれなかったが、山﨑さんは経験を生かして館内と道向かいにある芳流館互盟社を屋内会場に設定して雨天ながらも実施へとこぎ着けた。
車両販売など一部屋外となったが、移せる出店は全て屋内へ許容した。手狭になることへの対応として手指消毒などの状況を整え、来場者もマスク着用に加え密の回避に協力をしながら場を楽しんだ。
弦楽器を弾きこなすシンガー・ソングライター藍田真一さんのミニライブが呼び水となり、来場の波は序盤に集中。山﨑さんは「若い子がのぼりを立てたり雨の中で交通整理をしてくれたりと快く手伝ってくれ、出店を希望した皆さんも雨やコロナと言いつつほぼ集まってくれた。このつながりがとてもありがたく、盛況になってよかったと思う」と状況を喜び、「この日を選んだのは私。雨になってしまったところは申し訳なかったと思う。次は晴れの日にしたい」と今後の継続実施に意欲を示していた。
(2021年4月22日付紙面より)
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妙法山阿弥陀寺で御影供 (那智勝浦町 )
那智勝浦町南平野にある妙法山阿弥陀(あみだ)寺(谷宏之住職)で20、21の両日、弘法大師御尊像を前に、大師の命日をしのぶ法要「御影供(みえく)」が静かに営まれた。
御影供は例年、多くの参拝者でにぎわう法要。今年は昨年と同様、前夜のお逮夜(たいや)とともに、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から参拝者へは事前に書面などで自粛を呼び掛けた。
そのため、20日は総代のみが参列。僧侶4人が読経し、谷住職が護摩木をたきあげた。
同寺によると、御尊像は檜(ひのき)材寄木造(よせぎづくり)。このほどの修理で1451(宝徳3)年に完成したことが分かり、京都高辻に住む大仏師・大進法橋が彫ったものだという。
創建当初からの姿を残す弘法大師堂は、国の重要文化財指定に向けて現在、第一期の補修工事が完了。今後も工事を進めていくとしている。
弘法大師は真言宗の開祖・空海(774~835年)の別称で、同寺は空海が開山した寺院の一つに数えられている。
女人禁制のない仏域として、女性の信心を広く集めたことから「女人高野」とも呼ばれ、「御影供」と生誕日の法要「青葉祭」が年中行事とされている。
谷住職は「世の中の平和と幸せをご祈とうしました。今年も寂しい形となったが、来年は多くの皆さまにお集まりいただけるようになれば」と語った。
(2021年4月22日付紙面より)
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県レスリング新人大会で活躍 (新宮高校 )
第41回マクドナルド・トーナメント
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の例大祭が13日、始まった。神を宿すとされる稚児が主人公の神事「湯登(ゆのぼり)神事」(県無形民俗文化財)では、地元の稚児の神聖な体が地面に着かないよう父親が肩車をして練り歩き、温泉につかり身を清めるなどして子どもの健やかな成長を願った。
熊野の春の訪れを告げる同大社の例大祭。主祭神の家津美御子大神(けつみみこのおおかみ=スサノオノミコト)の故事に倣う祭典とされる一年の豊穣を願う祭り。毎年、地元住民や多くの観光客が参加・参列し、春の同町を盛大に彩る。
昨年は新型コロナの全国的な拡大状況を考慮し、神事を一部中止。規模を縮小して実施。今年は人数制限などの対策を講じつつ、緩やかに従来の規模に戻して斎行するとしている。
湯登神事に参加した子どもは2~4歳の5人。斎行に当たり九鬼宮司は「一瞬でも祭りで笑顔に前を向いていただければ。新型コロナの一日も早い終息を願って執り行いたい」とあいさつ。小雨が降る中、親子は大社本殿前で拝礼を受けた後、九鬼宮司らを先頭に参道を下り国道168号を歩いた。
湯の峯温泉では温泉につかり身を清めた後、温泉粥(かゆ)などを食べた。狩衣(かりぎぬ)や烏帽子(えぼし)で正装し、稚児の額に神の証しとして朱色の口紅で大の字を書き入れて準備を整えた。
4歳の紅埜(くれの)君と参加した同町の宮本翔伍さん(33)は「昨年は中止となって残念だった。子どもの健やかな成長と、コロナの一日も早い終息を願って参加します」と話していた。
祭りは15日(木)の渡御祭、斎庭(さいてい)神事まで続く。なお、祭りの様子は動画投稿サイト「ユーチューブ」にて配信される。
(2021年4月14日付紙面より)
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紀陽興産が新宮市に
新宮市は12日、企業版ふるさと納税の寄付に対し、和歌山市に本社を置く紀陽興産㈱(爲岡(ためおか)英喜代表取締役社長)へ感謝状を贈った。田岡実千年市長は爲岡社長の代理として市役所を訪れた問芝(といしば)陽一・新宮支社長に感謝状を手渡し「市の観光行政に寄与いただけてありがたい」と感謝を述べた。
「日頃からお世話になっている当地に少しでも貢献できれば」との思いから企業版ふるさと納税を通した寄付を実施。県内で11の自治体に対し同様の寄付を行った。寄付金額は各自治体100万円。
企業版ふるさと納税は、企業が自治体が行う地方創生の取り組みに対して寄付をすると税負担が軽減される制度。企業が寄付しやすいように損金算入による軽減効果に税額控除による軽減効果が上乗せされ、寄付額の下限は10万円と設定されている。経済的な見返りは禁止されており、寄付額は事業費の範囲内であることが必要。
このたびの寄付金は、令和2年度の地方創生拠点整備交付金活用事業「新宮市小口自然の家・新宮市小口生産施設改修計画」(令和2年5月13日~令和3年1月13日、工事費約1300万円)に充当されている。
同計画は、今後の新型コロナウイルス感染症の収束を見据え、大部屋を2部屋に分割するとともに、敷地内にある市小口生産施設を2部屋の宿泊施設として改修することで宿泊室を3部屋増やすもの。改修工事によりこれまで11だった部屋数が15部屋となった。
現在は新型コロナの影響で利用者が激減しているものの、熊野古道中辺路、大雲取越、小雲取越の中間地点に立地する同施設の利用者数は、外国人観光客を中心に年々増加しており、部屋数が不足している状況にあった。なお、令和元年度には4700人が同施設に宿泊し、うち3500人が外国人観光客だった。
感謝状を受け、問芝支社長は「いつまでもこのような状況は続かない。コロナの収束を見据えた準備のために使っていただけるのはありがたいこと。(寄付は)頑張って今後も続けていきたい」。
田岡市長は「市でもふるさと納税に力を入れて、多くの寄付を頂けるよう体制を整えようと思っていた。そんな中、多額の寄付を頂けたことで弾みがつく」と話していた。
(2021年4月14日付紙面より)
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定光山大泰寺で花祭り (那智勝浦町 )
那智勝浦町下和田の定光山大泰寺(西山十海住職)で8、10、11日の3日間、花祭りが営まれた。
花祭りは、旧暦4月8日の釈迦(しゃか)の誕生を祝う法会。本堂にしつらえた花御堂(はなみどう)の中央に釈迦立像を安置し、誕生の際に甘露が降った故事に倣って立像に甘茶をかける。
町内外から訪れた多くの参拝者らが小さな釈迦像に甘茶をかけて手を合わせた。本堂で甘茶の振る舞いもあった。
8の付く日は薬師如来の縁日であることから、同寺の花祭りでは毎年薬師堂を開放し、国の重要文化財である阿弥陀如来坐像(伝薬師如来坐像)を開帳している。
西山住職は「昨年は新型コロナウイルスの影響で配信のみの花祭りだった。今年は感染防止対策を行い、参拝していただけるようにした。皆さんがお寺に足を運ぶ機会になっていただけたら」。
今後については「来年は終息して食べ物の屋台などを出してにぎやかな花祭りにしたいと思います」と語った。
本尊の如来像の開帳は、年3回と決まっており、花祭りのほかには1月8日、13日のみとなっている。
(2021年4月14日付紙面より)
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幼児教育の新たな取り組み (紀宝町 )
幼児教育の新たな取り組みとして、紀宝町は本年度から保育所での英語活動を導入した。園児が遊びを通して楽しみながら英語を経験することにより、外国の言葉や文化に興味を持とうとする気持ちを育む環境の充実を図っていく。
「英語で遊ぼう」と題し、毎月1回、町内全保育所で英語塾講師の新田慶子さん(同町井田)が教える。13日には井田保育所(小田幸美所長)で最初の活動があり、5歳児25人が取り組んだ。
新田さんは「Good morning. My name is Keiko(おはようございます。私の名前は慶子です)」とあいさつ。
「名前を紹介するときはMy name is(マイネームイズ)から始めます。聞きたいときは What's your name?(ワッツユアネーム)」と聞きます」と教え、全員が輪になって手をつなぎ、自己紹介した。
「walk(歩く)」「jump(ジャンプ)」「run(走る)」など英語のカード5枚を用いて、それぞれのカードを体で表現した。英語の歌に合わせたゲームや絵本の披露などもあり、園児たちは楽しく英語に触れ「楽しかった」と笑顔を見せていた。
(2021年4月14日付紙面より)
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町歌と春夫の歌詞が体文へ (那智勝浦町 )
那智勝浦町は6日、ヒノキ製の町歌ボードと新宮市輩出の文豪・佐藤春夫の「秋刀魚(さんま)の歌」直筆原稿を体育文化会館に移設した。町歌ボードはアリーナの壁面に、原稿はアリーナ前のロビー壁に設置された。
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町歌は那智勝浦町制30周年を記念し、1985年4月に制定されたもので、ボードは40周年を迎えた95年に姉妹都市である長野県上松町から寄贈され、町長室に飾られていた。
今月より午後5時のチャイムが町歌に変更となったことから、町民に広く知ってもらいたいという堀順一郎町長の思いもあり、多くの人々が利用する同館への移設に至った。
□ □
新宮市出身の春夫は同町にもゆかりのある人物で、同町八尺鏡野(やたがの)には父の豊太郎の生家である下里懸泉堂(けんせんどう)もある。
直筆の歌詞原稿は、59年に紀勢本線が全通した際に記念してJR紀伊勝浦駅前に建立された歌碑の元となったもの。
原稿は91年2月に町指定文化財に登録され、長きにわたって町長応接室に設置されていた。町歌ボードと同様、多くの人に知ってもらおうと同館に移設した。
堀町長は「これまで町歌は町民の皆さまに歌っていただける機会がなかった。町のことがしっかりと盛り込まれた分かりやすい歌詞となっている。これを機会に親しんでいただき、歌っていただけたら」。
原稿については「春夫の直筆が見られることも少ないと思う。町民だけでなく、多くの方々に見てもらいたい」と語った。
(2021年4月8日付紙面より)
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新型コロナワクチン (新宮市 )
新宮市は5日、65歳以上の市民に対して、新型コロナウイルスワクチン接種券を送付した=写真。封筒にはワクチン接種までの流れや予約方法・接種会場などの説明や、ファイザー社製ワクチンの説明などが同封されている。
接種は「集団接種」「個別接種」のいずれかを選択可能。集団接種に関しては25日(日)、市役所別館での接種を皮切りに、佐野体育館(5月9日)、熊野川総合開発センター(23日)、市役所別館(6月6日)を予定している(いずれも1回目の接種日)。
25日の集団接種については、12日(月)から予約受付を開始する。25日の市役所別館と、5月5日の佐野体育館での集団接種については、定員を超えた場合は重症化リスクの高い「高年齢順」で受付を確定する。
接種会場への移動について、市はタクシーの初乗り料金(580円分)を補助。タクシー利用券も同封されている。また、集団接種会場への無料シャトルバスの支援も予定しているという。
個別接種については5月上旬からかかりつけ医(直接予約)などで接種開始予定としている。
市新型コロナワクチン接種推進室では「当初は、ワクチンの数に限りがありますので接種いただけるまでしばらくお待ちいただくこともありますが、国から順次供給される見込みで、必ず全員の方が接種できますのでご安心を。これまでの感染症対策を継続しながら、接種の時期までお待ちください」と呼び掛けている。
(2021年4月8日付紙面より)
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オンラインで姉妹都市交流 (新宮市、サンタクルーズ市 )
新宮市は7日、市の姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)とオンラインをつなぎ「オンライン生徒交流会」を実施した。市内の中学校に通う4人が参加。「バーチャルホスト生徒」としてサ市の生徒9人に市の魅力などを発信。交流を深める機会とした。
両市は1974年12月25日に姉妹都市関係を結んでおり、文化交流や訪問団の派遣などを通して友好関係を築いてきた。
本来なら春の生徒訪問団が来新する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため昨年に引き続き相互訪問が困難な状況に。隔年で実施していた国際理解教育海外研修も、本年度は市内中学生の派遣の中止が決定している。
そういった状況の中、両市は姉妹都市間の往来と本来の交流活動の再開を願いつつ、友好関係継続のための交流方法を模索。本年度の交流事業として、市内中学校に在籍する生徒にサ市の生徒や市民との交流を持つためにオンライン交流会を実施するに至った。
交流会は10日(土)にも開催予定で、この日は小西汰知君(緑丘中2)、宮本彩音さん(近大中2)、吉良和子さん(同)、吉良佳子さん(同)が参加。
市教育委員会の雜賀まどかさんが生徒らに対し「サ市の生徒たちは新宮市に来たかったのに来られなかった人たち。今日はバーチャルホストとして新宮の魅力を伝え、顔の見えるつながりを」と呼び掛け。市姉妹都市親善協会の須崎恵美会長や外国語指導助手(ALT)らが交流会の様子を見守った。
生徒らは英語で自己紹介を行った後、ミニゲームや、折り紙を使って日本文化を紹介するなどして交流。最後にカードとプレゼントを交換し、コロナ終息後の再会を誓い合った。
吉良佳子さんは「コロナの影響でオンラインという形になったが、英語力を生かして交流できて良かった。これからも勉強してもっと交流を図れるようになれたら」と話していた。
(2021年4月8日付紙面より)
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新型コロナウイルスの影響で (熊野市 )
熊野市の七里御浜海岸で8月17日に開催を予定していた「熊野大花火大会」の中止が決まった。全国で新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、昨年に続き2年連続の中止となった。
6日に実施した熊野大花火大会実行委員会で協議し、新型コロナの影響がいまだ継続している中で観覧者や大会関係者、ボランティアなどの感染防止対策を講じての安全安心な大会運営が難しいと判断した。例年、地元や各企業からの協賛によって運営しており今年は協賛募集も中止とした。
大会本部長の河上敢二市長と大会実行委員長の中平孝之市観光協会長は連名で「毎年、熊野大花火大会を楽しみにしていただいている皆さまのためにも、開催に向けて協議を重ねてまいりましたが開催中止に至りました。新型コロナウイルス感染症が一日も早く終息し、来年は多くの方に楽しんでいただけるような熊野大花火大会が開催できるよう、実行委員一同力を合わせていく所存です」などとコメントを公表した。
熊野大花火は初盆供養として江戸時代から始まり、300年以上の歴史と伝統を誇る。全国屈指の花火大会として知られ、海上に直径600㍍の半円を描く「三尺玉海上自爆」、フィナーレの鬼ヶ城大仕掛けなど色とりどりに夜空を覆う花火が観衆を魅了している。例年、17万~18万人が訪れているが、昨年は戦後初の中止となった。
(2021年4月8日付紙面より)
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