認知症カフェの取り組み始まる (新宮市 )
焼きたてのパンの香りが漂う中、笑い声が店内に響く。新宮市でこのほど、認知症カフェの取り組みが始まった。同市伊佐田町にある「パンの健康堂」では、月2回、近隣住民らが集い、世間話などに花を咲かせている。
認知症カフェは、認知症の人やその家族、医療や介護の専門職、地域住民、など、誰もが集える場所。気軽にコミュニケーションが図れる場として、全国各地で運営されている。厚生労働省の2020年度実績調査によると、47都道府県の1500を超える市町村において、約7700カフェが運営されている。
新宮市社会福祉協議会が取り組みをスタートさせたのは今年2月。蓬莱地区の主に地域の1人暮らしの高齢者らに「コロナ禍でひきこもりがちになっていませんか」と呼びかけ。「ゆったりカフェ」として開始した。社協職員や市職員らも参加し、認知症予防の講話なども交えながら住民らと交流を深めている。
社協からの提案を受け、場所を提供するに至った同店を経営する西幸子さん(82)は、カフェの実施に当たり認知症サポーター養成講座を受講。来客や近隣住民に参加を呼びかけるとともに、カフェでは参加者らにお茶を振る舞ったり会話に参加したりするなど、全面的に取り組みに協力している。
3回目の開催となった13日には、80代の男女3人が参加した。この日の話題は気温の変化や旅行など。お茶を飲みながら、思い出話や趣味の話に花を咲かせた。社協職員らは参加者の話に耳を傾けながら、住民同士をつなぐ互助の重要性や、小まめな水分摂取の必要性などについて周知を図っていた。
同カフェの展開について「少子高齢化といった地域の問題解決の一つのきっかけになれば」と社協。取り組みの深化に期待を寄せ「社協、市、地域住民が連携して、誰でも気軽に集まれる、そんな場所を増やしていければ」と話している。
(2023年3月19日付紙面より)
伊丹昌一教授が虐待について講演 (新宮市 )
新宮市役所別館で17日、子育て支援講演会があった。梅花女子大学心理こども学部の伊丹昌一教授が「虐待を考える」をテーマに講話。地域住民や教育関係者など約50人が聴講した。
近年、児童虐待相談件数は全国的に増加傾向にあり、児童虐待が起きる背景には、さまざまな要因が複雑に絡み合っている。なお、2021年度中に全国225カ所の児童相談所が児童虐待相談として対応した件数は20万7660件で過去最多を更新した。
伊丹教授は、思春期を過ぎる頃の▽注意しても素直に聞かず反抗的▽他人の物を盗む▽暴力を振るう▽動物を虐待する―などの行為について「生まれながらにこういった行動をする子どもはいない」として予防の大切さを伝えた。
虐待としつけの違いについて「しつけは自立を促すものであるのに対し、虐待は自立を阻害するもの」と説明し、意識浸透を推進する取り組みの重要性を説いた。
▽親が子どもの頃に自分の親から愛情を受けることがなかった▽生活にストレスが積み重なって危機的な状況にある▽社会的に孤立化し援助者がいない▽DVなど、さらなる悪条件―などを虐待の要因として挙げ「親の方も愛着の問題を引きずっている。だからこそサポートが必要」。
虐待の早期発見や児童相談所などへの通告、虐待の予防・防止や関係機関への協力、虐待防止のための子どもなどへの協力は大人の役割とし、愛着に課題のある子どもの特徴を紹介。「子どもを愛せない親はいない。間違ったエネルギーの方向を正していかないといけない」と力を込めた。
虐待を受けた子どもに対する基本的なケアや「ありのままの状態を受け入れる」「求められたらできるだけ即時に応える」「気分やしぐさ、トーンを合わせる」「相手の言葉を繰り返す」などの関わり方について話し「かわいそうな子として関わるのではなくその子の幸せを思って、人として許されないことをした場合には毅然とした態度で臨んで。人格ではなく行為を叱ってあげて」などと呼びかけ。
困っている保護者に対しては「孤立は最大の敵。話し相手になるなど、できることはあるはず」。
「つらい過去の経験は変えることはできないが、今を幸せにすることで未来を変えることは可能。そのためにも、小さなポジティブ支援から始めましょう」と締めくくった。
(2023年3月19日付紙面より)
狗子ノ川の西岡稔さん (那智勝浦町 )
「持ちつ持たれつが『人』。思いやりを持って頑張ってほしい。今日はみんなにエールを持ってきた。自分の気持ちを持ってきた。歌と詩吟を贈ります。卒業おめでとう」―。那智勝浦町狗子ノ川の西岡稔さん(82)は15日、町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長)を訪問し、卒業を控える6年生31人に菓子を手渡し、歌と詩吟と祝いの言葉を贈った。
新入学時期に交通量の多い場所で児童の見守りと声かけを毎年2カ月間実施している「ニュータウン熟年クラブ見守り隊」に所属する西岡さん。見守り隊の活動以外にも毎朝、通学する児童らの見守りを長きにわたって続け、10年を優に超えた。
昨年から、児童の卒業祝いと、児童のおかげで活動が継続できているとして、その感謝を伝えるために訪問を行っている。
西岡さんは児童の将来の夢を応援するとともに、軽快なトークで笑いを誘った。「あの頃はランドセルが大きく見えた。見守りが続けられたのはみんなのおかげ。みんなから元気を頂いた」と感謝を述べた。
西岡さんは演歌歌手の島津亜矢さんの「花として 人として」と詩吟「白虎隊」を披露し、児童から拍手が送られた。
過去に自身が会社を経営していた頃を振り返り、苦労が続いたことを告白。15年間、懸命に努力を続けたことで、2人で始まった会社が、多くの従業員を雇うまでに成長したと話した。
児童からは「思いやりを持って、努力することが大切だと知った」「長いこと見守ってくれてありがとう」と感想や感謝が述べられた。
西岡さんは「見守りをやっていることで、警察からも表彰していただいたが、それは名誉。一番うれしかったのは皆さんの笑顔を見て、会話することだった」。
児童の顔を見渡しながら「努力とは新しいものを生み出すこと。一生懸命やって失敗しても誰も怒らない。失敗があるからこそ、成功がある。そして、愛情や気持ちをしっかりと持って継続していくことが大切」とエールを送った。
芝﨑校長は「6年間、見守っていただいた。西岡さんの生きざまを子どもたちに向けて伝えてくれることはありがたい。卒業しても立派に育ってほしい」。
倉橋佐和さんは「一生懸命に努力することの大切さや、失敗しても誰も怒らないという言葉に勇気をもらった。私も努力を続けていきたい」と語った。
(2023年3月19日付紙面より)
新宮市会場に「紀伊山脈」地区大会 (和歌山俳句作家協会 )
和歌山俳句作家協会が主催する、第2回「紀伊山脈」地区大会「新宮地区俳句大会」が12日、新宮市野田の市福祉センターであった。地域の俳句愛好家ら約50人が参加。お互いの研さんをたたえながら親睦を図る機会とした。
同協会が刊行する「紀伊山脈」は、結社・会派を超えて県内の俳句愛好家が参加する、自選合同俳句集。1954年に和歌山県にゆかりのある俳句作家の呼びかけにより第1集が刊行されて以来、毎年刊行を続けており約70年近い歴史を数える。
同俳句大会は、地域内の俳句愛好家がそれぞれの結社を超えてお互いのレベルアップと親睦を図ることを目的に開催。「運河」紀南支部と「かつらぎ」新宮支部が協賛した。地区大会は橋本市での開催に続き2回目となる。
開催に当たり、「運河」主宰の谷口智行さんが「新宮市で同大会が開催されるのは大変喜ばしいこと。楽しい大会になることを祈念しています」とあいさつした。
同大会では事前に投句を募っており、地域の俳句愛好家ら112人から423句が寄せられた。参加者らが互選した句が読み上げられ、作者が名乗りの声を上げた。続いて、谷口さんや「かつらぎ」主宰の森田純一郎さんら含む選者が選者特選や入選句を披講し講評。秀逸賞や新宮市長賞、和歌山俳句作家協会賞を表彰した。
閉会に当たり、森田さんは「俳句は年を取ってもできる。今日は若い人も賞を取って力強く感じた。地元の言葉を大事にしていきたい。これからも元気に俳句を続けていただければ」とあいさつした。
□ □
受賞者は次の通り。敬称略。
■「新宮地区俳句大会」
【新宮市長賞】
磐座は人抱くかたち春の雨(石田幸子)
【熊野新聞社賞】
虎杖の束どさと着く行者宿(黒岩恵津子)
【紀南新聞社賞】
煮こごりや女の愚痴を閉ぢこめて(尾崎と代子)
【和歌山俳句作家協会賞】
新宮にいとどこいとど春の月(たなかしらほ)
【秀逸賞】
備長を誇りて紀伊に炭を焼く(小林恕水)
この山に父の生涯梛を植う(吉浦 増)
水底に光るものあり大逆忌(中森常夫)
熊野灘春満月を押し上げぬ(松山睦子)
道の辺の野菊手向けむ一揆の碑(松下 弘)
補陀落の海生業に鮑海士(中村敏之)
台風の目の中にゐる健次の忌(上野山明子)
(2023年3月14日付紙面より)
国皇神社例祭〈遥拝神事〉 (古座川町 )
古座川町池野山地内にある国皇(こくおう)神社の例祭〈遥拝神事〉が12日に麓の町津波避難総合センターであり、関係7区の区長らが参列して信仰を今後につないだ。
南朝最後の天皇となった後亀山天皇の5代目子孫・朝里重太夫が系統の祖霊をまつるため1616年、月野瀬の牛蒡(ごぼう)谷に建立したのが始まりとされる同神社。1828年に13代目子孫・朝里利平が国王山の山腹へうつして麓の村々(現在の直見〈ぬくみ〉、月野瀬、宇津木、池野山、高池上部、高池下部、串本町の古田の7区)と共に護持し、1991年に国王山が望める林道武者屋敷線沿いの池野山区有地へうつして現在に至る。
現在の例祭は7区が輪番制で奉仕していて、今年は高池下部区(森武志区長)が当番を務めた。本来なら区民もじかに参拝して式典、餅まき、直会を営み活気をささげるが、現在は林道が土砂崩れで通行できない状況。出仕する古座神社の石田保宮司と相談して同センターで遥拝神事を執り行う段取りを進め、他6区の区役員に代表参列を求めた。
当日は7区の区役員ら18人が参列。石田宮司に続いて当番の下部区を筆頭とし区それぞれに礼を尽くした。餅まきや直会はなく、区それぞれに献上した神酒を持ち帰って例祭を締めくくった。
新型コロナウイルスの影響もあり、4年続きで本来の形が営めていない状況。森区長(47)は「こういう形でいろんな区がつながるのは珍しいことで、今後もそうして生まれたご縁やつながりでやれることもあると思う。これから盛り上がり、来年はぜひ餅まきもして区民もたくさん参加していただけるようにしたい」と思うところを語った。
(2023年3月14日付紙面より)
卒業記念にクマノザクラ植樹 (鵜殿小 )
紀宝町立鵜殿小学校(前田幸利校長)の6年生40人が8日、卒業記念として校門前の駐車場近くにクマノザクラの苗1本を植樹した。早咲きのクマノザクラは3月中旬からが見頃で、3~4年後の卒業式シーズンには咲き始めるという。
この場所には、小学校が建設された1981年以前から1本のソメイヨシノがあった。これまで40年以上、児童たちの成長を見守ってきたが、直径1㍍の幹がシロアリの被害を受けた上、枝落ちが増えるなど倒木の危険があったことから、2年前に伐採した。
「校門前に新しいサクラを」との思いから、昨年度の6年生が紀伊半島南部に自生するクマノザクラを初めて植樹した。
この日は、苗を提供した日本クマノザクラの会に所属する田尾友児さんが訪れ「クマノザクラは5年前、新種のサクラとして103年ぶりに登録された。花がすごくきれい。数年後に咲き始めたら見に来てください」と話した。
児童代表の山野滉君、大黒莉奈さん、東丈太郎君、上野龍希君が穴を掘り、苗木を丁寧に植えた。大黒さんは「初めて植樹した。花が咲くのを楽しみに待ちます。咲いたら見に来たい」と語っていた。6年生は17日(金)に卒業式を迎える。
(2023年3月14日付紙面より)
少年少女発明クラブ閉講式 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は11日、市福祉センターで3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」と閉講式を開いた。市内の小学生会員28人のうち、22人が参加し、発泡スチロール板を使用した「飛行機」を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
「ブーメラン飛行機」は投げるとブーメランのように自分の所へと戻ってくるというもの。この日は、瀧野会長が講師を務めた。児童は用意された主翼と機体、尾翼などのパーツを貼り合わせて飛行機を完成させた。その後はうまく戻るかを確認。成功すると「やったー! 成功した」「おかしいな」などと声を上げ、笑顔を見せた。
講座後には、閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「11回の講座を通して、皆さんはさまざまな経験ができたと思います。機会を見つけて勉強していくことが大事。みんなの中から将来、名誉ある賞をもらえるような人が出てくることを期待しています」とあいさつした。
岸本青空君(王子ヶ浜小6年)は「約1年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。他の学校に通う子とも交流を持てたのでよかった。次からは参加はできないけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。
(2023年3月14日付紙面より)
新宮・新翔高校で卒業式
新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)と新翔高校(藤田勝範校長)で1日、卒業式が開かれた。両校とも保護者や教職員、在校生、来賓出席の下、ほぼコロナ禍前の形で式を挙行。新宮高校では170人、新翔高校では91人が卒業証書を受け取り、それぞれの道へと歩み始めた。
□ □
新宮高校では、各クラスを代表して岸諒祐さん、山下愛民さん、永野太一さん、板谷観来さん、谷口琉綺さんが、東校長より卒業証書を受け取った。
東校長は、「大望を成し遂げるためならどこにでも行き活躍すべき」を意味する幕末の僧・月性の言葉を紹介。「正解のない課題に取り組み最適解を導き出そうとする」ことの重要性を説き「皆さんには国内・国外、どこへでも出向いて活躍する気概を持ってほしい。課題が立ちはだかったときは、最適解を見いだし進んで」と呼びかけた。
卒業生代表の細見苑子さんは答辞で、周囲の人々の支えに感謝を伝えた他、ロシアのウクライナ侵攻を非難。英文学者の吉田健一氏のエッセーの一節にある「戦争に反対する唯一の手段は、各自の生活を美しくして、それに執着すること」を引き「私たちは『美しい新高生』として、いま巣立ちます」と力を込めた。
□ □
新翔高校では卒業証書授与に続き、藤田校長が式辞。3年に及ぶ新型コロナウイルス感染拡大に翻弄(ほんろう)された本学年の卒業生たちに「而今(じこん)」「一期一会」の言葉を贈り「皆さんは限りない可能性を持っている。『今、この一瞬』の言葉を胸に、今できることを精いっぱい頑張って」とエールを送った。
卒業生を代表して朝日楓花さんが答辞。「3年間当たり前のように学校に来て一緒に勉強したり、しゃべったり、お昼ご飯を一緒に食べたりしたことが、当たり前ではなかったのだと、今実感している。今日という日を迎えられたことを誇りに思う」と述べ、保護者や教職員らへ感謝を伝えた。
閉式後には、3年間の思い出の写真や学校生活に関わった人々からのメッセージを収めた記念映像の上映もあった。校内で在校生と写真撮影をするなど、別れを惜しむ様子も見られていた。
(2023年3月2日付紙面より)
新宮署が表彰状を伝達 (株式会社夏山組 )
新宮市三輪崎の株式会社夏山組(夏山晃一代表取締役社長)が、第3期優秀安全運転事業所表彰の銀賞に選ばれ、その表彰状の伝達式が2月28日、新宮警察署であった。田原正士署長が夏山社長に、表彰状を手渡した。
警察と自動車安全運転センターが、職場ぐるみで安全運転や交通事故防止に努め、一定の成果を上げた事業所を表彰するもの。度合いに応じてプラチナ賞、金賞、銀賞、銅賞がある。今回は第3期で、昨年の9月から12月に申請した事業者の、過去一年間の成果を基準に各賞が選ばれた。
和歌山県では「県警察交通部長」と「自動車安全運転センター和歌山県事務所長」の連名表彰となる。和歌山県での今回の表彰は、全部で7事業所だった。
夏山組は事業所として、13年前から別のコンテストにも参加して無事故無違反を目指すなど、従業員の交通安全意識の高揚に力を入れている。同社が交通安全の関係で表彰を受けるのは、今回が初とのこと。
夏山社長は「一年を通して安全運転を心がけることが大事。従業員に意識が根付いてきたのかもしれない。引き続き、意識の高揚に努めたい」と話した。田原署長は「従業員の一人一人が交通違反をしなくなれば、地域の交通安全につながる。模範的な事業所が増えれば、地域の安全が保たれることになるため、ありがたい」と語った。
(2023年3月2日付紙面より)
学校規模検討委が教委に答申 (古座川町 )
古座川町学校規模検討委員会(上浦一剛委員長、委員12人)が2月28日、同町教育委員会(中道悟教育長)の小学校および中学校の適正規模・適正配置についての諮問に対する答申を行った。同町教委は翌日より、同町公式ホームページ上でその内容を公開。同検討委員会は「現状で学校の再編成を早急に実施する状況ではない」との方針を示している。
県や国が公立小・中学校適正配置などを促す中、同町教委は昨年1月に明神中校区の園児~中学生の保護者を対象にして行ったアンケート調査の結果を受け良好な教育環境を考える上で適正配置などの検討は喫緊の課題と判断。8月に教育委員と学校関係者、保護者代表、地域代表を人選して同検討委員会を立ち上げ、この諮問を行った。
以降、同委員会はこの日を含め計5回の会合を開き、同調査の結果分析も踏まえて検討し前述した方針を掲げるに至った。
同委員会はこの日、中央公民館で5回目の会合を開いて答申する内容を固め、代表して上浦委員長から中道教育長へ答申書を提出した。その中で方針を示すに当たり、町立の5小中学校は小規模校、過小規模校とされる中でそのデメリットを克服し質の高い教育の実践に努めているが、一般的な課題もあり将来の展望を持つことは必要だと意見。子どもたちの教育環境を最も大切にする中で学校が児童生徒だけでなく保護者や教職員、卒業生や地域住民が深いつながりと愛情を持って育んできた経緯にも考慮し、それら全体の理解や協力、意見を得て適正規模や適正配置の検討に努めること、同委員会の成果を生かして町立学校の教育を一層充実することを強く期待している。
中道教育長は「この答申を踏まえ、今以上に現状の3小学校、2中学校での取り組みを一層充実させ、保護者皆さまの期待に応えていかなければならないと思いを新たにした」と述べ、現行の保小、小小、小中、中中の各連携に加え情報通信技術(ICT)活用や地域協力の下で令和の日本型教育として掲げられる個別最適な学びや協働的な学びの実現に向けた力添えを今後に求めつつ検討に感謝した。
(2023年3月2日付紙面より)
春の火災予防運動初日に (新宮市 )
春の全国火災予防運動(1~7日)に伴い、各地の消防は1日、防火広報を実施した。新宮市消防本部(垣内一男消防長)では、市消防本部、三輪崎消防派出所、高田コミュニティ消防センター、熊野川消防出張所に分かれて住民らに防火意識の高揚を呼びかけた。全国統一防火標語は「お出かけは マスク戸締り 火の用心」。
市消防本部で行われた出発式には、丹鶴、千穂、蓬莱、警備の4分団から15人が参加した。中谷健兒団長は、団員らの日頃の活動に感謝を伝え「市民の皆さんに、防火意識をしっかりもっていただけるように、消防車両による広報活動をよろしくお願いします。交通事故には十分気を付けて」と呼びかけ。団員らは各分団の消防車両に乗り込み、各地域で広報活動を行った。
期間中の全国重点目標は▽住宅防火対策の推進▽乾燥時および強風時の火災発生防止対策の推進▽木造飲食店などが密集する地域に対する防火指導の推進▽放火火災防止対策の推進▽特定防火対象物などにおける防火安全対策の徹底▽製品火災の発生防止に向けた取り組みの推進▽多数の者が集合する催しに対する火災予防指導などの徹底▽林野火災予防対策の推進―の八つ。
市消防本部管内では昨年(1~12月)、12件の火災が発生し、うち5件が建物火災だった。今年に入ってからは1件の火災が発生している。
市消防本部では、住宅火災から命を守るために▽寝たばこは絶対にしない、させない▽ストーブの周りに燃えやすい物を置かない▽こんろを使うときは火のそばを離れない▽コンセントはほこりを清掃し不必要なプラグは抜く―の四つを習慣付けるよう呼びかけている。
(2023年3月2日付紙面より)