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2022年12月22日
1 清掃通して魅力を発信
 新宮城跡で高所作業訓練  (新宮市消防本部 )

 新宮市消防本部の職員らは21日、新宮城跡で石垣の清掃作業を実施した。作業は高所での活動を想定した訓練の一環として行われ、職員らは清掃活動を通して不測の事態に備える機会とした。

 新宮城は1633(寛永10)年、紀州藩付家老水野氏により完成。建造物は1873(明治6)年の廃城令を受け、75(明治8)年までに取り壊されている。

 市は1980(昭和55)年に新宮城跡を公有地化し都市公園として整備を開始した。2003(平成15)年には城郭跡が国史跡指定を受け、17(平成29)年には「続日本100名城」に選出されている。

 「亀甲積」や「算木(さんぎ)積」「打込接(はぎ)」「切込接」「面取化粧石積」など、石垣の美しさと当時の技術の高さをうかがい知ることのできる新宮城跡。大阪城にも見られる天守台下帯曲輪の四つ連続の横矢掛け(屏風折れ)は、その防御力の高さを現在に伝えている。

 新宮城跡での清掃を兼ねた訓練は今回が初で、高所における作業技術の確認や、高度な安全管理体制を構築することが目的。新宮城跡の魅力を、改めて広く発信する狙いもある。

 訓練は14、15日にも行われ、最終日となったこの日は17人の職員らが屏風折れの約9㍍の石垣を中心に、天守台と本丸の石垣の清掃を展開。鎌などを手に、ロープやはしごを使って約3時間にわたり除草作業などに汗を流した。

 訓練の様子を見守っていた堀切学署長は「消防本部では、あらゆる災害に対応するため、日々訓練を行い、不測の事態に備えている。今回、自身にとっても思い出深い新宮城跡で訓練を実施できる機会を頂いた。石垣の清掃作業を通して、観光などで新宮市を訪れてくれる人や、市民の皆さまへの新宮城跡の魅力発信につながれば幸いです」と話していた。

(2022年12月22日付紙面より)

清掃作業を兼ねて行われた高所作業訓練=21日、新宮城跡
はしごなどを使用し、除草作業などを展開
2022年12月22日
2 明るく開放的な新園舎完成
 鵜殿保育所、高台に移転  (紀宝町 )

 紀宝町鵜殿の海抜14㍍の高台に新たな鵜殿保育所が完成し、21日、竣工(しゅんこう)式が行われた。西田健町長、町議会の向井健雅議長、市川潔・教育民生常任委員会委員長、鵜殿保育所の上地悠太・保護者会長、樫山早起カモシカクラブリーダー、町区長会の辰巳尚会長、町民生委員・児童委員協議会の西村喜久男会長がテープカットし、4歳児21人が「小さな世界」を歌って完成を祝った。

 現園舎が津波浸水予測区域に位置することから高台に移転し、防災機能強化を図った。新園舎は、町生涯学習センターまなびの郷の西側に建設し、敷地面積は約4594平方㍍。建物は鉄骨造り平屋建てで延べ床面積は1211・51平方㍍。自力避難が困難な0歳児など乳幼児を含めた園児の安全を確保するため耐震構造とした。玄関などに3台の防犯カメラを配置、出入り口を1カ所にして施設をフェンスで囲うなど防犯面にも配慮した。

 施設内は床や天井などに木をふんだんに使い、明るく開放感のある間取りとし、中央部に中庭を配置。温もりのある構造として整備した。

 竣工式で西田町長が園児代表の西村侑翼君、濱浦来希ちゃんに記念品を贈呈。「多様化する保育ニーズに応えながら、児童が元気と笑顔にあふれ健やかに成長できる保育所として安全安心な子育て環境の充実に取り組んでいく。これまで以上に保護者や地域の方々にとって開かれた保育所として発展するよう努める」とあいさつ。設計・施工8業者に感謝状を贈った。

 鵜殿保育所の下地水香所長は「次世代を担う子どもたちの健全な育成と地域の皆さまに親しまれるよう、地域に根差した保育所を目指し、さらなる保育所の充実、子育て支援の拡充に努めます」と謝辞を述べた。

 園児たちは、来年1月4日(水)から新園舎に通うという。

(2022年12月22日付紙面より)

高台に完成した鵜殿保育所の新園舎=21日、紀宝町鵜殿
西田健町長らがテープカットで竣工を祝う
「小さな世界」を歌う4歳児
2022年12月22日
3 楽しく花の寄せ植え
 王子地区でクリスマス会  (新宮市 )

 新宮市の王子地区福祉委員会(野尻和則委員長)は20日、同市王子町の王子会館でクリスマス会を開いた。福祉委員や地域住民らが参加し、クリスマスに向けた花の寄せ植えを楽しんだ。

 クリスマス会は赤い羽根共同募金による「歳末たすけあい運動配分金助成事業」の助成金を活用。新型コロナウイルス感染防止として手指消毒や検温、換気に加え、3密を避けるため18、19日にも行われた。

 冒頭で野尻委員長が「短い時間ではありますが、和気あいあいと過ごしてください」と呼びかけた後、参加者たちは寄せ植えに挑戦。

 古川美穂副委員長のアドバイスを得ながら▽ウィルマ▽シロタエギク▽ビオラ▽アリッサム▽ジュリアン―の計5種類を手に取り、底石を敷いたプランターに花々をバランスよく配置してリボンなどの飾り付けをして完成させた。

 参加した仲富美子さんは「近況報告などをしながら楽しい時間だった。クリスマスに合ったきれいな花を寄せ植えできて心が癒やされました」。

 野尻委員長は「皆さんの笑顔が見られてよかったです。コロナ禍で外出が少なくなる中、交流ができるのは貴重なこと。今後も感染対策を施しながら、できる限り催しを開いていければ」と話していた。

(2022年12月22日付紙面より)

寄せ植えを楽しむ参加者=20日、新宮市王子町の王子会館
クリスマスらしい作品が並んだ
2022年12月22日
4 パートナーシップ制度など求め
 1万1798筆の署名届ける  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町で性の多様性を祝福し、分かち合う催し「レインボーフェスタ」を開催しているレインボーフェスタ那智勝浦実行委員会の代表を務める丸山都さんら7人は20日、同町役場を訪問。自治体が性的少数者のカップルを公的に認めるパートナーシップ制度とファミリーシップ制度導入を求める署名を堀順一郎町長に届けた。思いが込められた署名は直筆1706筆、オンラインが1万92筆の計1万1798筆に上った。同町は来年年明けから導入したいと見解を示した。

 パートナーシップ制度は、婚姻や親族関係の形成、相続、税金の控除などの法律上の効果は生じないが、各種行政サービスの適用拡大が行われるもの。

 性的少数者のカップルが届け出た際に受理証明書などが交付され、ファミリーシップ制度では、二人のほかに子どもがいる場合も証明書が発行される。

 和歌山県では橋本市が今年10月にパートナーシップ制度を導入。同町では加えて、ファミリーシップ制度導入も検討している。制定されれば県内初。また、制定には議会の議決は必要としない。

 自身がトランスジェンダー(性自認と身体的な性が一致していない当事者)である丸山さんは幼い頃から自身の性に違和感があり、「男女の別」に苦悩してきた。

 カミングアウト後、性の多様性を啓発するために地域や小中学校などでの講演や前述のレインボーフェスタを開催している。

 署名は多くのメンバーの協力の下、対面型の直筆やインターネットの署名サイトによるオンラインによって集められた。町民による署名は合わせて866筆となった。

 署名提出を受け、堀町長は「導入はお約束する。コロナ禍で少し遅れたが、たたき台も出来上がった。法的な効力はないが、導入する自治体が増えれば、法改正への後押しにもなる。今後も互いを尊重し合えるまちづくりを進めていきたい」。

 丸山さんは「予想以上に多くの皆さまが賛同してくれた。制度がないために、制度のある都市部へ移住した方もいる。導入への希望の光が見えた。もっと勝浦が好きになりました」と語った。

 町の制度導入への前向きな答えを聞き、メンバーからは祝福の拍手が起きた。制定後、宣誓証明書などの手続きは、役場住民課で対応するとしている。

(2022年12月22日付紙面より)

多くの人々から集まった署名が届けられた=20日、那智勝浦町役場
堀順一郎町長と話す丸山都さん(右端)
2022年12月22日
5 児童も出演、芸術に触れる  神内小で演劇鑑賞会  (紀宝町 )
2022年12月22日
6 現職10人、新人1人が立候補か  紀宝町議選事前説明会  
2022年12月22日
7 各競技で爽やかな汗  クラスマッチを開催  (新翔高校 )
2022年12月22日
8 当局の見解を問う  太地町議会一般質問①  
2022年12月22日
9 空気砲を楽しみ学ぶ  少年少女発明クラブ  (新宮市 )
2022年12月22日
10 希望の光で地域を照らせ  大泰寺に10㍍の竹あかり  (那智勝浦町 )
2022年12月22日
11 第4回定例会一般質問②  串本町議会  
2022年12月22日
12 全校や学年別で成果発揮  家族対象にし学習発表会  (大島小 )
2022年12月22日
13 お悔やみ情報
  
2022年12月14日
14 万が一の落水に備え
 船頭や語り部が救助訓練  (熊野川川舟センター )

 川舟下りや瀞峡めぐりを実施している、新宮市熊野川町田長(たなご)の熊野川川舟センターは13日、新宮市消防署熊野川消防出張所の協力のもと、センター下の熊野川河川敷などで、川舟救助訓練を実施した。センター職員や船頭、語り部の11人が参加、水難事故発生時の対応法を学んだ。

 川舟下りと瀞峡めぐりは、3月初めから11月末までをシーズンとしている。現在はシーズンオフであることに加え、4月に北海道の知床遊覧船沈没事故が起こったこともあり、訓練実施となった。消防を招いての訓練は2007年以来となる。

 訓練実施に先立ち、山口博巳・市消防署副署長兼消防出張所長があいさつ。「今日の訓練は不測の事態に備え、初動や救助の方法を確認するもの。通報しても川の中まで消防が到着するのに時間がかかる。救助には初動が大事となる。一番良い方法を、意見を聞きながらつくりあげたい」と話した。

 センターの待合室で、消防職員による講義があった。増水予測や天気予報確認、安全装備の点検の重要性などを語った。新型コロナウイルス感染予防対策についても言及。携帯電話を使った緊急通報の際の注意点も指摘した。実際に参加者と消防で、携帯電話の使用を想定した通報訓練も実施した。

 この後、河川敷での訓練を実施。消防の説明を受け、参加者が救命ロープを投げたり、落水者に見立てた人形を船上に引き上げたりした。参加者はいずれも、懸命に取り組んでいた。

 センター職員の向井地一成さん(69)は「これを機会に、さらなる安全運航に努めたい。実際にやってみると違う。語り部さんが救命ロープを投げたりする機会もなかなかないので良かった。運航シーズン前にもまたやってみたいと思う」と話した。

(2022年12月14日付紙面より)

救命ロープを投げる参加者=13日、新宮市熊野川町田長の熊野川河川敷
携帯電話での通報も訓練した
2022年12月14日
15 高台へ逃げる意識高める
 潮岬で合同津波避難訓練  (串本町 )

 串本町の潮岬地区で12日、合同津波避難訓練があった。社会情勢を考慮し今回も規模縮小でこども園、小学校、中学校の高台避難のみ実施。自主防災会が避難路となる道路の交通安全を確保する中、園児、児童、生徒と教職員約300人が一斉に最寄りの高台へ駆け上がり、逃げる意識を高めるなどした。

 この訓練は、日頃高台で過ごしていることでとりわけ将来を担う子どもたちの津波緊急避難意識が薄れないよう、自主防災会がこども園、小学校、中学校に働きかけ基本年2回の頻度で前半に津波避難訓練、後半に防災学習の2部構成で合同実施している。

 最近は新型コロナウイルスの情勢により昭和東南海地震(1944年12月7日午後1時36分ごろ発生)や昭和南海地震(1946年12月21日午前4時19分ごろ発生)の期日に近い日程で年1回、前半の高台避難のみと頻度や内容が縮小しているが、肝心の同意識だけはつなぎ託さなければという思いで子どもたちの実践機会を保っている。

 今回は午後1時30分にマグニチュード9、震度7の大揺れを伴う地震が発生した想定で同訓練を開始。園児、児童、生徒と教職員は津波浸水が予想される低地にいると前提して揺れから身を守る行動をし、以降担任の指示を受けて最寄りの高台(=旧測候所横駐車場)へと駆け上がった。

 こども園、小学校、中学校から高台までの避難路は終盤が一本道となっていて、その入り口で殺到。足の速い生徒は園児と児童を誘導して先に行かせ、その後を一丸で追従した。高台に着いたらすぐに人数を数えて全員の避難完了を確認して行動を終了した。

 今回は新宮警察署串本分庁舎警備係から実際に起こったときには自分で考えて命を守らなければならないと意識付けを受け、園児、児童、生徒を代表して潮岬中生徒会の西悠斗会長(2年)は「訓練を通じて実際に災害が起こったときにどのような行動を取らなければいけないかが実感できた。常に平静を保ち、自分たちの命を守るような行動を心がけられたらいいなと思った」と述べて締めくくった。

(2022年12月14日付紙面より)

最寄りの高台へ一斉に駆け上がる園児、児童や教職員=12日、串本町潮岬
訓練を通して思ったことを述べて締めくくる潮岬中生徒会の西悠斗会長(右)
2022年12月14日
16 3年ぶり通常点検、放水に向け
 紀宝町消防団が礼式訓練  

 紀宝町消防団(逢野統一団長)は11日、町深田運動場で礼式訓練を実施。団長、副団長と1~4分団の団員71人が来年1月3日(火)の消防出初め式に向けて服装点検や機械器具点検、行進などに取り組んだ。

 出初め式は毎年、町生涯学習センターで式典を開催し、各表彰の後、鵜殿運動場で通常点検を行っている。昨年と今年は新型コロナウイルスの影響で式典だったが、来年は3年ぶりに通常点検を実施する。

 訓練には各分団の車両も出動。人員報告の後、逢野団長が「出初め式に向けて小隊編成、服装点検、機械訓練など一連の流れで進めていく。1月3日には訓練の成果を発揮できることを期待している。訓練を通して消防団員としての士気を高めてもらいたい」とあいさつした。

 訓練は熊野市消防署紀宝分署の署員から指導を受け、号令に合わせて整列や敬礼などを繰り返し、団員行動を確認した。小型ポンプ操法、旗手訓練などにも取り組み、出初め式に備えた。

 西田健町長も参加し「町、消防団などが一体となって安全・安心の確保に向けて、皆さんと一緒に住みよい町づくりを進めていきたい」と激励した。

(2022年12月14日付紙面より)

西田健町長を交えて礼式訓練に取り組む=11日、紀宝町深田運動場
3年ぶりの放水に向けて小型ポンプ操法訓練を行う
2022年12月14日
17 周知や機運醸成を目指し
 ロケットの懸垂幕を設置  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町は12日、役場庁舎2階(駐車場側)にロケットのイラストが描かれた同町オリジナルの懸垂幕を設置した。

 懸垂幕は串本町田原にある民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の来年2月の初号機打ち上げに対しての応援や町民への広い周知、興味を持ってもらうことなどを目的としている。

 本来は懸垂幕だが、縦向きでの庁舎への設置が難しいことから、横断幕仕様で設置した。

 那智勝浦町と串本町は、ロケット打ち上げに対しての機運醸成を図るために、展示やワークショップなどの催しからなる合同企画の「宇宙ウィーク2022」を10月に開催している。

 同日午後、新宮市の新宮看板広告が懸垂幕を設置。町によると、よほどの強風でない限りは常時設置しているという。

 堀順一郎町長は「打ち上げ自体は来年2月に延期となったが、ロケット発射は地域の活性化につながる。町民の皆さまにロケット『カイロス』の存在や、発射が迫っていることを知っていただきたいと思い設置した。機運を高めていければ」と話していた。

(2022年12月14日付紙面より)

町オリジナルのロケット懸垂幕が設置された=12日、那智勝浦町役場
2022年12月14日
18 全部員で優勝目指す
 近大和歌山サッカー部・畑下葵主将  (那智勝浦町出身 )
2022年12月14日
19 中辺路、串本が優勝
 熊野三山小学生バレーボールフェスタ  
2022年12月14日
20 万葉集の熊野を読み解く  坂本信幸さんが講話  (新宮市 )
2022年12月14日
21 熊野で最先端の学びを  普通科改革支援事業の指定校に  (新宮高校 )
2022年12月14日
22 咲き誇るサザンカ  那智勝浦町狗子ノ川  
2022年12月14日
23 3年半ぶりに力作展示  熊野模型クラブ  (那智勝浦町 )
2022年12月14日
24 安全安心な運航を  繁忙期前に客船点検  (勝浦海事事務所 )
2022年12月14日
25 全国大会で上位入賞  新宮市の下古谷律武さん、快挙  (日本クラシック音楽コンクール )
2022年12月14日
26 一般8人が活動に触れる  食生活改善推進協見学会  (串本町 )
2022年12月14日
27 クラス一丸で歌声響かせる  第40回校内合唱コンクール  (串本中 )
2022年12月14日
28 元気いっぱいに表現  紀宝町4保育所で発表会  
2022年12月14日
29 「児童文学の魅力伝えて」  絵本よみきかせボラ養成講座  (紀宝町 )
2022年12月14日
30 地域の協力得てスイセン植栽  ゲームやリレーで交流深める  (相野谷小・中 )
2022年12月14日
31 感染拡大防止対策などを継続  令和4年第4回定例会が開会  (紀宝町議会 )
2022年12月09日
32 網代笠姿で師走の風物詩
 新宮仏教会が歳末助け合い托鉢  

 新宮仏教会(会長=清水文雅・本廣寺住職)は8日、新宮市大橋通の淨泉寺で成道会(じょうどうえ)の法要と「歳末助け合い托鉢(たくはつ)」を実施した。同会加盟寺院の僧侶11人が網代笠(あじろがさ)姿で市内を回り募金を呼びかけた。

 成道会は釈迦(しゃか)が菩提(ぼだい)樹の下で悟りを開いたとされている12月8日を記念して行う法会。2月15日の涅槃会(ねはんえ)や4月8日の降誕会(ごうたんえ)(花まつり)と並んで三大法会の一つとなっている。

 托鉢は1922(大正11)年ごろから行っている行事で、僧侶一行がまちを歩きながら募金の協力を求めるもの。集まった寄金は市社会福祉協議会に寄付されている。

 法要後、僧侶たちは同寺を出発。看板袋(ずだ袋)を掛けて「恵まれない子どもたちに温かなお正月を」などと呼びかけながら国道42号沿いやJR新宮駅前、仲之町商店街などを回った。住民らは「ご苦労さまです」と伝えながら浄財を入れていった。

 清水住職は「お釈迦様が悟りを自分だけのものとせず、多くの人にお説きになられたのは、幸せや平穏をご自身だけのものとしないため。自分も他人も幸せで平穏であることで初めて真の幸せ、平穏はかなう。成道会と托鉢を通して、自他ともの幸せと平穏を祈る慈悲の心を忘れず、皆さまにもお伝えしていきたい」と話していた。

 新宮仏教会加盟寺院は▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽長徳寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺―の12寺院。

(2022年12月9日付紙面より)

協力を呼びかけながら市内を回る僧侶たち=8日、新宮市大橋通
歳末助け合い托鉢に参加した新宮仏教会の皆さん
2022年12月09日
33 田楽復興100周年記念し
 関係者ら集まり祝賀会  (那智勝浦町 )

 熊野那智大社(男成洋三宮司)は5日夜、那智勝浦町のホテル浦島で「那智の田楽復興100周年記念祝賀会」を開催した。昨年、一度途絶えた田楽が復興してから100周年を迎えたことを受け、那智田楽保存会の会員や那智山青岸渡寺の髙木亮英住職、塩﨑巍朗(たかお)神社責任役員、堀順一郎町長、岡田秀洋町教育長など約30人が出席し、100周年を祝った。

 那智の田楽は五穀豊穣(ほうじょう)を祈り、笛と太鼓に合わせて踊る伝統芸能で、室町時代の田楽踊りを伝える貴重な文化遺産。1921年に再興され、現在は「那智田楽保存会」が古来の姿を伝えている。

 田楽は76年に国の重要無形民俗文化財、2012年にユネスコの無形文化遺産に登録された。

 同保存会は今年11月、東京都新宿区にある日本青年館ホールで「日本青年館財団設立100周年ならび日本青年団協議会結成70周年記念式典」に招待された。秋篠宮ご夫妻が臨席する中、「那智の田楽」を披露したという。

  □     □

■祝賀会では



 コロナ禍の影響から、祝賀会はこの日まで延期となっていた。

 男成宮司は1963年に記された「那智叢書(そうしょ)」第4巻の那智田楽の解説や大正年度の再興について解説し、実施した復興100年記念事業も紹介。

 今後について「那智の田楽は復興後100年も続いている。和歌山を、日本を代表する民俗芸能。これからも末永く、継承していかなくてはならない」と語った。

 来賓の堀町長が「田楽が復興され、現在に至るまで、ご労苦があったはず。未来永劫(えいごう)、田楽が継承されていくことを祈念しております」と祝辞を述べた。

 その後、来賓が鏡開きを行い、塩﨑神社責任役員が乾杯の音頭を取った。

 同保存会の小川一義副会長は祝賀会の開催や先人たちに感謝を述べ「秋篠宮殿下、紀子さまのご来賓の中、田楽を上演させていただきました。今後も会員一同、精進し、末永く扇祭りと那智の田楽をお守りし、次の世代に受け継いでいけるように取り組んでまいります」と話した。

 その後、出席者は食事や歓談を楽しんでいた。

(2022年12月9日付紙面より)

復興100周年を祝し鏡開きが行われた=5日夜、那智勝浦町のホテル浦島
食事や歓談を楽しんだ
2022年12月09日
34 停電対応や豪雨災害学ぶ
 日赤奉仕団らが防災研修  (古座川町 )

 古座川町日赤奉仕団(佃奈津代委員長)が5日、中央公民館で停電や豪雨災害をテーマにした防災研修に取り組んだ。

 この研修は、団員の防災意識を高めて活動に生かす機会として計画。当日は佃委員長をはじめとして団員26人が出席し、日本赤十字社和歌山県支部東牟婁地区古座川町分区の分区長を務める西前啓市町長も事務局職員と共に参加した。

 同団事務局によると、西前町長と佃委員長のあいさつ後、序盤は関西電力送配電株式会社和歌山支社の村上健吾さん、民部大智さん、安藤大輝さんを講師に迎え、停電を早期復旧するために社員がどのように停電時対応をしているかなどで説明を受けたという。

 中~終盤は和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの客員教授の後誠介さんを講師に迎えて豪雨災害への備えを学習。後さんは高齢者が明るいうちに行動できるよう早めの避難情報発令をする同町の姿勢をたたえつつ、台風の進路予想と過去の似た進路の対比でこれから起こる状況を予想することを勧めた。

 以降、▽河川水位の変化に加え変化をもたらす谷筋や上流部など流域全般の状況にも目を向けて判断する▽水上げ小屋(上がり屋含む)の重要性と設置支援策としての届出避難所制度創設▽大規模崩壊や土石流が森林保全で抑えられるレベルの現象ではないことへの理解の必要性▽大規模崩壊や土石流の危険を示唆する県発祥の目安「土壌雨量指数」の十分な理解と防災対策への応用―などで提案と根拠の解説を重ね、理解を促した。

 団員からは大規模崩壊目安となる前兆はないかとの質問があり、「裏山から濁り水が出たら逃げよ、という教訓が正解だと思う」と応答。音やにおいがあったとしても雨が降っていたらそれらは分かりにくいのでは、として過信を抑えるなどした。

(2022年12月9日付紙面より)

停電時対応や豪雨災害への備えを説く講師陣=5日、古座川町中央公民館
真摯(しんし)に聴講し理解を深める古座川町日赤奉仕団の団員ら
2022年12月09日
35 災害のとき何ができる?
 宇久井中で防災プログラム  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)で7日、防災学習プログラムがあった。全校生徒66人が津波からの避難について学び、被災時に役立つ知識と技術を身に付けた。

 津波災害、洪水・土砂災害発生時に地域の中核避難場所となる同校で、生徒たちに「災害が起こったらどう行動するか、何ができるか」を考え、役立つ知識や行動力を身に付けてもらうことを目的に毎年実施している。町教委、町消防本部、学校運営協議会、PTAなども協力した。

 生徒たちは最初に「きいちゃんの災害避難ゲーム」の「津波から逃げきろう編」をプレー。雨が降る冬の日に南海トラフ巨大地震(M8・7)が発生し、津波が来るまで30分以内に安全な場所へ逃げなければならない状況を想定し、非常時の判断や有効な事前準備を疑似体験した。「避難行動要支援者に出会ったときに、助ける余裕があるのか」など難しい判断を迫られる場面もあり、それぞれ真剣に意見を出し合っていた。

 その後、各学年に分かれて防災訓練を開始。1年生は町消防本部の職員からロープワークや止血法を学び、3年生は煙体験や消火器訓練をした。2年生はまきで湯を沸かし、参加者100人分の昼食を温めた。

 横山蘭さん(3年)は「煙体験では周りが全然見えず、経験していなかったら火災時にパニックになっていたかも。防災バッグの中身は、非常食や毛布など避難所生活で使う物だけでなく、ヘルメットや雨具なども入れておく必要があると分かった」。坊校長は「炊き出し体験や応急手当ての経験を日々の生活にも生かし、非常時にも行動できるようになってほしい」と話していた。

(2022年12月9日付紙面より)

津波避難について考える生徒ら=7日、那智勝浦町立宇久井中学校
2022年12月09日
36 串本、神倉が制す
 東牟婁地方スポ少交流野球大会  
2022年12月09日
37 野球をもっと好きに Start Up Me硬式野球 (新宮高校硬式部OB会)
2022年12月09日
38 防災・減災につなげて  新宮市役所1階に防災コーナー  
2022年12月09日
39 児童が書いた人権作文  発表を聞き意識高める  (熊野川小 )
2022年12月09日
40 本を読むってどういうこと? 下里中で増田喜昭さん講話 (那智勝浦町)
2022年12月09日
41 密輸撲滅に協力を  街頭啓発で呼びかけ  (税関新宮出張所 )
2022年12月09日
42 防火意識高め消防に興味を  3年ぶりの「消防のつどい」  (那智勝浦町 )
2022年12月09日
43 需要増前に技術高める  トップマスターズモード講習会  (県美容業生活衛生同業組合新宮支部 )
2022年12月09日
44 交流会で寄せ植え教室  千穂第二地区福祉委員会  (新宮市 )
2022年12月09日
45 高台への避難経路確認  地震津波想定し訓練  (相野谷中 )
2022年12月09日
46 ボール投げなどで盛り上がる いきいきサロン子安 (紀宝町)
2022年12月09日
47 電子黒板活用した授業を視察  矢渕中学校で総合教育会議  (紀宝町 )
2022年12月09日
48 年の瀬の強化策に向け激励  串本地区警察官友の会役員  (新宮警察署串本分庁舎 )
2022年12月09日
49 ロケットが飛ぶ原理実感  串本町で制作と打上体験  (県宇宙教育研究会 )