城下町遺跡学ぶ会に40人 (新宮JC )
新宮青年会議所(新宮JC、前田雄理事長)は17日、新宮市の丹鶴体育館で「地域の魅力再発見~旧丹鶴小学校遺跡発掘を学ぼう!~」を開催した。会員や一般約40人が参加し、市教育委員会文化振興課の小林高太主任から現在までの発掘調査結果を聞いた後、グループに分かれて意見交換した。
小林主任は、江戸時代(第1遺構面)、鎌倉~室町時代(第2遺構面)、縄文時代中期(第3遺構面)に分けて説明。城下町跡は城と変わらないほどしっかりした石垣が積まれていて、高級な中国の中国製磁器などが多数出土しており、有力者が管理した川湊があったことが推測できるなどと話した。
「新宮市の魅力ある歴史の有効活用」をテーマにしたグループディスカッションでは、3班に分かれ、話し合った。「これだけの遺跡を壊してしまうのは将来の新宮の人に申し訳ない。中世の川湊は珍しく、近畿ではここだけ。中世の街並みを生かした観光を」「熊野の都新宮市の復活は歴史から。子どもや若い人らに広く知ってもらう努力が必要」などの意見があった。参加した新宮市観光協会の丹羽生会長は「遺跡を観光に生かせば、新宮の経済復活にもつながると思う」と話していた。
新宮JCは、発掘されている遺構を中心に地元の文化や歴史を知り、魅力を再認識し、多くの人に発信していくことを目的に今回のイベントを企画した。
(2017年6月18日付紙面より)
王子ヶ浜で今期初産卵確認 (新宮市 )
新宮市王子町の王子ヶ浜で17日早朝、アカウミガメの今季初産卵が確認された。14日に初上陸したカメと同じ個体とみられる。午前2時ごろ、釣り人が上陸を確認。約3時間かけて産卵し、海へと帰っていった。
産卵は同市あけぼの側の浜で波打ち際から50㍍ほど陸側の砂地。ウミガメの保護活動を続けている新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)会員の榎本晴光さん(62)が同日午前4時45分ごろ砂浜で卵を発見した。深さ約50㌢の穴からピンポン球ほどの大きさの卵が122個見つかり、うち3個は割れていた。一つ一つを丁寧に採取し、ふ化場へ移した。
16日には大浜体育館裏手あたりで別のカメの上陸も確認されていたが、砂利が多く産卵できなかった様子。榎本さんは「今日くらいに産んでいるのではないかという予感はありました。うまいこと産卵場所を見つけてくれた」。速水会長は「先日は場所が悪かった。産卵してくれ一安心です」と話していた。
釣りをしていた熊井昭信さん(50)=愛知県名古屋市=はカメの上陸、産卵を見ていた。「真っ暗な所から上がってきてびっくりしました。浜松では産卵の跡などを見たことはありますが、カメの姿や産卵を見るのは初めて。なかなか見られるものではありませんね」と驚きを語った。
アカウミガメは1回の産卵で平均120個の卵を産み、約60~80日でふ化する。5月中旬から8月半ばまで上陸シーズンが続き、王子ヶ浜では昨年8月11日までに上陸が20頭、うち11頭が1159個の卵を産んだ。
(2017年6月18日付紙面より)
市野々地区の「水田」復活 (那智勝浦町 )
2011年9月の紀伊半島大水害から6年。大きな被害を受けた那智勝浦町市野々で「水田」がようやく復活した。同町社会福祉協議会の会長を務める山田善清さん(77)の約4反(40㌃)の田では稲穂が風に揺れ、水面(みなも)をアメンボが滑る。山田さんは「昔ながらの田舎の風景、心の風景がようやく復活しました。水を張った田を眺めていると心が癒やされます」と語る。
山田さんは新宮高校卒業後、大阪で働いた。定年退職後、約10年前に市野々にUターン。18代目になる農家を継いで田畑を守ってきた。「田舎の風景に憧れて帰って来ました。ようやく理想に近づいてきたと思った時、あの大水害」。市野々地区は旧道沿いなどに水田が多くあったが、濁流が田の豊かな土を奪い、山の土砂が流れ込んだ。那智川からの水路も崩壊した。土砂が1㍍以上も積もり、雑草が生え、シカの遊び場と化してしまった。
「何とか元の姿に戻したい」。那智川からポンプアップを町へ依頼し続けながら、山田さんは水田の復活に取り組んだ。流れ込んだ小石やガラス片などを一つ一つ手作業で取り除いた。家の庭には拾った小石がうずたかく置かれている。
今年5月、ようやく願いがかないポンプアップが実現した。農機具など経費の面から考えると稲作りは経済的に難しいという。遊び場を覚えたシカが夜、稲の先を食べにやって来る。雑草を抜く作業も大変だ。しかし、心の風景の復活が何よりうれしいと笑顔を見せる。「夕方帰宅したら周囲から流れる水の音が聞こえ、カエルの泣き声が響いてきます。本来の田舎の風景にほっとします。先日は井関保育所から園児たちも田を見に来てくれました。うれしいですね」。稲の収穫はお盆すぎになるそうだ。
(2017年6月18日付紙面より)
第15回グラウンドゴルフ交歓大会 (県GG協会紀南東ブロック )
静岡県シニアサッカーフェスティバル
新宮市6月議会が開会
新宮市議会(榎本鉄也議長、17人)の6月定例会が13日、市役所6階の議場で開会した。新庁舎での初の本会議。会期は29日(木)までの17日間、一般質問は20日(火)から23日(金)までの4日間を予定している。傍聴可能。
地元のスギをふんだんに使用した新議場は、本会議の様子をモニター中継したり、市のホームページからインターネットで生中継したりするなど、市民が気軽に傍聴できる仕組みを構築している。傍聴席は報道関係者席を含め42席ある。
田岡実千年市長は冒頭のあいさつで「多くの皆さんにまちづくりの議論を見ていただくことで、市政に理解を深め、関心を持っていただけることとうれしく思っています」と述べた。
今議会で審議するのは9議案。一般会計補正予算案は歳入歳出の予算総額にそれぞれ282万円を追加し、補正後の総額を159億7153万2000円とするもの。内訳は仲之町町内会が実施するLED街路灯整備への120万円助成(一般財団法人自治総合センターコミュニティー助成事業)、4月の落雷に伴う高田小水力発電施設の修繕費162万円。
熊野川町日足で9月上旬に完成する予定の紀伊半島大水害復興祈念公園(広さ約4500平方㍍)の名称を市花「カワサツキ」にちなみ「新宮市さつき公園」とする条例案も審議する。
(2017年6月14日付紙面より)
華道・着付け親子教室 (新宮市 )
新宮市の蜂伏会館で11日、文化庁の平成29年度伝統文化親子教室事業として「いけばな きもの着装・マナーこども教室」が開かれた。今年度第1回目。和の心「珠蒼(しゅそう)の会」の代表・苅屋企世子さんが講師を務め、18組の親子が参加した。
苅屋さんは「いけばなは仏様にお花を供える心から始まった。着付けではなく着装というのは相手に対する思いやりなど内面の美しさも表す」と考え、日本文化の根底にある精神性を子どもにも分かるように指導している。知識や技能だけではなく、思いやりや感謝の心、命の重み、環境保護の意識などを教え、池坊のインターネット花展など実践し成果を発表する機会を設けることで子どもたちの心豊かな成長を目的としている。
子どもたちは座ってあいさつをする礼儀作法を学んだ後、苅屋さんが用意した浴衣を使って「装道礼法きもの学院」の作法で着付けを学んだ。子どもたちは洋服とは全く違う着物を着る喜びを感じているようだった。
着付けの後は、ガーベラ、シスカンサス、ステルンファンタジー、シネンシス、トルコキキョウを使ったいけばなを学んだ。苅屋さんは、生けた花のデッサンを子どもたちに描かせ、自分がどういう思いで生けたのかを忘れないよう指導していた。
この教室はいけばなと着装・マナーの2テーマで、年10回ずつ行われ、第10回目は発表会を予定している。
(2017年6月14日付紙面より)
事故を想定して水難救助訓練 (串本町消防本部 )
串本町消防本部(北地稔消防長)の本年度水難救助訓練が12日、同町くじ野川にある橋杭海水浴場で行われた。今回は技術習得と隊員連携の両面を見据え、隊員35人がそれぞれの役割を実践して救助体制を構築。ドクターヘリとの連携も想定し、処置拡大認定救急救命士による高度な救急救命措置にも取り組んだ。
夏の水浴シーズンにおける水難事故に備え、初動から救急搬送までの流れを現場指揮隊、潜水隊、救助隊、救急隊の円滑な連携により速やかに展開することを目標にした同訓練。
串本消防署(山﨑茂生署長)、古座消防署(中瀬勝典署長)、七川分駐所(中西崇所長)の警防第1、2班が参加し、北地消防長は潜水隊を軸に各隊員が連携し一人でも多く必ず助けられる命を助ける成果を期待して、隊員それぞれの役割の鋭意実践を促した。
今回は「橋杭海水浴場で2人が溺れて行方不明」という水難事故を想定して同訓練を実施した。通報を受理し隊員が現場に到着した段階から実践を始め、部署を超え同本部として現場指揮隊を編成して状況の把握と全体指揮に努め、救助隊による救助方法の確立と要救助者の海上搬送、潜水隊による水中捜索と要救助者の引き揚げ、救命隊による救急活動を一連の流れとして形作った。
処置拡大認定救急救命士は、国家資格の救急救命士に認められている特定行為を医師の指示を条件に行うことができる隊員。今回はドクターヘリ搭乗医師が現場まで駆け付けた想定でじかに同医師の指示を仰ぎながら、特定行為の資格を持つ隊員が中心になって現場での救急救命を実践した。
潜水隊の隊員は上記一連の実践とは別に、基本泳法など技術の習得や錬磨にも取り組んだ。同訓練の全体指揮に当たった山﨑署長によると部署間連携は過去にもさまざまな形で取り組んでいるが、若い隊員にとっては未経験の領域でもあり、経験がある先輩隊員との足並みをそろえるため今回は同本部所属隊員の約半数が参加する規模になった。今回の訓練について「連携の面では特に課題が見当たらず、各隊員ともよく役割をこなせていた。安全確保をしっかりと意識し、技術面の向上を今後も目指してほしい」と総括した。
同本部管内では数年来水難事故が発生していて、同本部は26年度に6件、27年度に5件、28年度に2件出動している。
(2017年6月14日付紙面より)
太田小で救急講習会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立太田小学校(尾﨑卓子校長)は8日、体育館で救急講習会を開いた。児童の保護者と教員15人が参加し、心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)使用の手順を学んだ。
同講習会は、有事に子どもの命を守れるように年1回実施している。授業参観で集まった保護者に参加を呼び掛け、教員も交えて取り組んでいる。この日の講師は、町消防本部の救急救命士2人と応急手当普及員の資格を持つ町消防団第6、第8分団員3人が務めた。
普及員は参加者に「胸骨圧迫は1分間に100~120回で、5㌢以上6㌢未満の深さで圧迫する」などコツを話し、AEDは音声指示に従って用いるよう教えた。その後、参加者は人形を用いて周囲への救助協力の要請から胸骨圧迫、AED使用までを実践した。
(2017年6月14日付紙面より)
全小ABCバドミントン大会県予選
11月19日、第6回天空ハーフマラソン
第6回新宮・那智勝浦天空ハーフマラソン大会(同実行委員会主催)が11月19日(日)、一般国道42号那智勝浦新宮道路で開催される。同実行委員会は8日、新宮市役所で記者発表し、スタート順(時間)やコースなどの変更・改善、レース終了後にマグロ解体ショーや餅ほりを実施することなどを報告した。
大会長の田岡実千年新宮市長は「多くの関係団体の尽力、また多くのボランティアの協力のおかげで第6回目を迎えることとなりました。今大会も官民一体となり、おもてなしの心でランナーをお迎えしたいと思っております。今回も全国から多くの参加者に世界遺産熊野の街の魅力を体感いただき、地域の活性化につなげていきたい」とあいさつ。今大会のゲストランナーが、昨年に続き森脇健児さんに決まったことを発表した。
実行委員長の浦木睦雄・新宮信用金庫理事長が昨年までの参加者らの意見を参考に行われたコース改善に伴うスタート位置や折り返し地点の変更、マグロ解体ショーや餅ほりの実施に至った経緯などについて説明し、「地方の活性化のため、何とぞご協力よろしくお願いします」と呼び掛けた。
大会は紀伊半島大水害の復興イベントとして大水害翌年の2012年にスタートし、今年で6回目。自動車専用道路を使用した珍しいコースで、アップダウンは激しいが、道路から見える太平洋や熊野の山が参加者たちに感動を与えている。
スタート時間はハーフマラソンが午前9時50分、10㌔が午前10時20分、3㌔が午前10時40分。各種目総合1位から8位まで(男女別)、年代別上位3人を表彰するほか、ゴールでは平安衣裳を着た高校生が参加賞のタオルを手渡す。熊野の食材をふんだんに使用した弁当なども予定されている。
参加費はハーフ(高校生以上)4500円、10㌔(中学生以上)4000円、3㌔(小学生以上)3500円、3㌔小学生2000円。例年通り、全国のマラソン大会や県内を中心に関西地区のスポーツショップと関連施設で募集パンフレットを配布し、ウェブサイトや専門誌(ランナーズ)8月号にも掲載予定。今年からウェブサイト「スポナビDo」でも申し込みを受け付ける。
申込期間は7月1日(土)から9月30日(土)まで。昨年は29都道府県から2384人が参加している。問い合わせは、市生涯学習課(電話0735・23・3366)まで。
(2017年6月9日付紙面より)
後輩らがPVで加藤先輩に声援送る
サッカー日本代表が7日、東京スタジアムでイラク代表とのロシアワールドカップのアジア最終予選(13日、テヘラン)に向けた、国際親善試合のキリンチャレンジカップ2017でシリア代表と対戦し、1―1の引き分けに終わった。
その代表メンバーに新宮市出身でPFCベロエ・スタラ・ザゴラ(ブルガリア)所属の加藤恒平選手が入っていることを受け、加藤選手の出身チーム「新宮サッカースポーツ少年団」(新宮SSS)の選手や保護者ら約50人が、新宮市内のDAYZYLAWCAFEで、パブリックビューイング(PV)を行い、加藤選手の出場と日本代表の勝利を願い声援を送った。
試合は後半3分にコーナーキックからシリアに先制点を許すも、同13分に今野選手の同点ゴールで追い付き、その後も勝ち越しを目指して途中出場の乾選手らが積極的にゴールを狙うも追加点を奪うことができず、同点のまま試合を終えた。
観戦者は日本代表が攻撃を仕掛けるたびに声援を送った。先制を許した直後には「日本が勝つには恒平君が出ないと」、「早く恒平君を出してよ」、相手のファウルで日本選手が倒されたりすると「恒平君なら倒されないのに」などと加藤選手の出場を願いながら、日本代表の勝利のために声援を送り続けた。加藤選手の出場がないまま終了のホイッスルがなると、ため息が漏れた。
観戦した加藤選手の兄で新宮SSSのコーチの力也さん(30)は「選ばれるだけでも奇跡だっただけに、その場で試合に出るにはもっともっと努力が必要であったのではと思う。後半から出てきた井手口選手も20歳と若くしてすごく戦っていましたし、そうなってしまうと恒平の出る場面がより少なくなっていくのかと思いました。地元で応援してくれている人がたくさんいるので、出てもらいたいという気持ちはあった」と話し、「イラク戦はアウェーであるけども、恒平にとってはホームというか、ピッチ状態も悪いですし、球際の強さ、体を張るなどの本人らしいプレーを期待しています。地元のためにも、こんな田舎町から日の丸を背負って試合に出る姿を見せて、子どもたちにも夢を与えられたら」とエール。
新宮SSSの居軒龍成主将は「引き分けだったので悔しいし、恒平選手には出てほしかった。イラク戦では恒平選手が出場し、日本代表が勝ってほしい」と話した。
(2017年6月9日付紙面より)
「第52回南紀会書作展」の授賞式が4日、新宮市の旧丹鶴小学校体育館であった。約900点の作品の中から文化協会長賞、理事長賞などに選ばれた137人に賞状と記念品が渡された。
授賞式で主催の書道研究南紀会の鈴木江邨(こうそん)理事長は「展示されているものは非常に上手であり、賞に値する。年々少しずつ子どもが少なくなっており、多いときに比べて約半数になっている。身に付いたものは誰にも取られない。これからも身に付けたものをしっかりと持っておいてほしい」とあいさつした。
(2017年6月9日付紙面より)
宮本学さん迎えて学習会 (田原小 )
串本町立田原小学校(沖洋校長、児童12人)で2日、田原の自然や歴史などに詳しい宮本学さんを迎えて学習会が開かれた。同校や近隣に宿る自然の息吹を映像で観察する内容で、児童や教職員に加え、保護者ら地域住民も一緒に鑑賞した。
現在92歳の宮本さんは同校で天体観察会も開くなど田原きっての博識者として慕われ、地域の先生として田原で暮らす楽しみを多々伝えている。
今回の学習会は「自然観察は楽しい」と題し、自ら撮影、編集した映像3種類を上映。校庭や道沿いなど身近な所で息づいている野草の花々や初夏の山をひときわ彩るスダジイの花、海岸で見られる植物や古座川流域の野鳥や岩などの名前やエピソードを解説しながら紹介した。
映像以外に童謡「すかんぽ(=イタドリ)の咲くころ」の歌詞とメロディーも紹介し、自然と子どもは歌になるほど身近で楽しい間柄だと説明。「身近な自然を学習するといつか地球を救える人になれるかもしれない。そんな大人になってほしい」と期待を寄せて話を締めくくった。
この日は学習会後に救急救命法講習会もあり、保護者ら住民や教職員に加え、高学年の児童も参加して自動体外式除細動器の使い方を含めた心肺蘇生法(一次救命)の手順を古座消防署署員から教わった。
(2017年6月9日付紙面より)
住み慣れた場所で自分らしく (新宮市 )
新宮市健康長寿課は6日、市福祉センターで市民向け講演会「訪問看護ってなぁに?~住み慣れた場所で、自分らしく生きること支えます~」を開催し、約110人が聴講した。訪問看護師の鈴木初美さん(訪問看護ステーションのぞみ)が「家に帰りたい」と退院を希望している人や、容体の急変が不安な人がいたら相談してほしいと呼び掛けた。
医師を通じて自宅に看護師が派遣される訪問看護。医師の指示のもと、体調によっては点滴や注射、服薬管理を含めた痛みへのケア、下剤の調整などもかかりつけ医やかかりつけ薬局の薬剤師と相談しながら支援する。
乳幼児から高齢者まで年齢に関係なく利用可能で、最近では認知症の高齢者、末期のがん患者、人工呼吸器などの高度な医療が必要な人などの利用が増えている。訪問回数は相談して決める。
市内、那智勝浦町、紀宝の一部で活躍している鈴木さんは、訪問看護の三つの原則として▽日常生活の継続(慣れ親しんだ生活スタイルを可能な限り変えることなく親しい人々との交流を保ちながら療養生活ができる)▽自己決定(提供されるケアおよび生活環境の変化は可能な限り本人が納得して選択し決定できるように情報の機会や場を提供する)▽能力活用(残された能力や可能性を積極的に見いだし、可能な限り自立して安全にいきいきとした日常生活を送れるように配慮すること)―を紹介。
「訪問看護師として一番大切なことは患者さんの痛み、訴えを信じること。痛みは患者さんにしか分からないということを理解すること」などと話した。
(2017年6月8日付紙面より)
新宮市の正明保育園(山田みつの園長、園児47人)で5日、虫歯予防と食育の教室があった。
虫歯予防教室は6月4日の虫歯予防デーにちなんで、食育教室は6月の食育月間にちなんで開かれた。
辻本幸子主任教諭が、食事の後の歯磨きで虫歯菌を退治する様子と歯磨きの基本を、カバと虫歯菌の紙人形や紙芝居を使って説明した。歯ブラシの持ち方、口の開け方、大人に仕上げ磨きをしてもらうこと、最後にうがいをして虫歯菌にさよならすることをおもしろおかしく説明すると、園児らは笑いながら話を聞いていた。辻本教諭が「みんなもちゃんと歯磨きしてる?」と尋ねると、園児らは「してる!」と元気よく返事をした。
食育教室では栄養士の山下睦子さんが旬について話した。野菜、果物、魚には旬があることを説明し、旬の食材の良いところは、おいしいこと、栄養が多いこと、値段が安いことと話した。「家に帰ってお母さんにも教えてあげてね」と呼び掛けると、園児らは「はーい」と明るく答えていた。
正明保育園では、5歳児が土作り、苗選び、毎日の世話などを行う野菜栽培やその野菜を使ったカレークッキングなどを食育の一環として行っている。
(2017年6月8日付紙面より)
王子地区福祉委員がゆる体操と講話 (新宮市 )
新宮市の王子地区福祉委員会(古川美穂委員長)は6日、同市の王子会館で毎月恒例の「ゆる体操&おしゃべりタイム」を開いた。体操で体をほぐした参加者らは市防災対策課の廣井和樹さんらから地震に対する備えを学んだ。
「ゆる体操」は固まった体を緩めることで凝りや冷えが解消でき、疲労回復や健康増進、介護予防や美容などの効果が得られるという。種類や方法が豊富なので組み合わせて行え、さまざまな体操法の長所を含む。
古川委員長が、地域住民の引きこもり防止のため提案し、7年目。参加者らは指導員の資格を持つ松岡文子さんから教わり「気持ちよく」や「ゆったり」など快適な気持ちを表す言葉や「くるくる」など擬態語を声に出して取り組んだ。
地震の講話では、廣井さんが過去の地震の被害状況などから家屋倒壊や火災での焼失の危険性を訴え、備えることで命を守ることにつながると述べた。「日本各地で地震は発生しており、日本に住んでいる限りは地震と向き合わなければならない」と話した。
地震が発生したら揺れが収まるまでは何もできないとし「命を守るために必要な手段は家具転倒の防止。市では65歳以上の世帯に家具転倒防止金具の無料取り付けを実施している」と紹介した。
王子地区付近の状況として、「東海・東南海・南海3連動地震」では浸水域となっていないが、想定外を想定した「南海トラフ巨大地震」では全域が浸水域となっていること、到達時間や指定の津波一時避難場所は王子ヶ浜小学校とオーシャンハイツだと説明。
耐震診断や非常用持ち出し袋、ウエットティッシュや水、マスクなど災害時に役立ったものの紹介もあり、参加者らは真剣な表情で耳を傾けていた。古川委員長は「まず逃げること、持ち出すと役に立つものなど参考になりました。皆さんの参考になれば」と話していた。
(2017年6月8日付紙面より)
通夜島自然観察クルーズ (串本町 )
串本町須江にある白野漁港を拠点にして4日、ウオークイベント「熱帯植物の無人島・通夜島自然観察クルーズ」があり42人が島内を散策した。
このイベントは、串本アウトドアフェスティバル実行委員会が主催する2017春~初夏ウオークの第5弾。通夜島は同町大島にある水門神社の主祭神・誉田別命(ほんだわけのみこと、応仁天皇)が一夜を過ごしたと伝えられる島で、上部の平見は一時耕作地として開墾され戦後に観葉植物栽培地として民間に貸し出された経緯もある。2003(平成15)年以降は町有(元大島村有)の無人島となり、活用されることなく自然回帰が進んでいる。
かつて栽培されていた熱帯植物の一部も野生化し、島内はスダジイとヤシ類が並び立つ独特の森林景観を宿している。人々の営みの名残として神社なども現存し、北岸区域13・7㌶(海域含む)は2005年にラムサール条約登録湿地として認定されている。5月18日には南紀熊野ジオパークガイドの会・南エリアが地質地形面から調査をしジオサイト候補としての話題性も高まっている。
ウオークコースは、12日に大辺路刈り開き隊(上野一夫隊長)らが刈り開いた旧道など。42人はガイド役の上野隊長から現在に至るまでの歴史や地質的には火砕流の痕跡がうかがえる点で解説を受け、以降は2組に分かれ渡船で旧野猿台付近へ上陸した。
標高約40㍍の海岸段丘構造を持つ島上部の旧道沿いに移動し、海岸段丘の成り立ちが視覚的に感じられる浜や同町域に数多くある海岸段丘(通称・平見)を一望できる展望場所、通夜島独特の森林植生などを見届けた。
(2017年6月8日付紙面より)
GG「我がらの会」春季大会
第54回和歌山県空手道選手権大会