消防本部が夜間潜水訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)は16日夜、同町の那智漁港で夜間潜水訓練を実施した。参加した職員5人は暗闇の中で、捜索などのさまざまな訓練に取り組んだ。
この訓練は年に2回行われ、今年度は1回目となる。同本部によると、釣り人などが夜間、海に転落したと想定し、訓練は本部で準備や出動するところから開始されているという。
現場到着後は関谷好生(よしお)潜水隊長の指示の下、職員たちは迅速に装備を身に着け、それぞれの持ち場に就いた。訓練用の屋外用照明を点灯させ、一斉に海へ入水し、本番さながらの捜索活動に取り組んだ。
また、この日は新人2人が参加しており、その教養訓練も兼ねて行われた。暗闇の中で潜水し、ライトの有無による視界の違いなどを学んでいた。
関谷潜水隊長は「夜間の潜水作業はさまざまな事故の危険性もあるため、それらに注意しながら身をもって現場での体験をしてもらうことが目的」。
訓練を通して「実際に事案が発生した際は現場到着を早め、迅速な行動が行えるように取り組んでいる」と話した。
(2020年11月18日付紙面より)
串本町立西向中学校(山下哲治校長、生徒13人)で16日、中学生の税についての作文表彰があり、新宮税務署管内で最高位となる大阪国税局長賞に入賞した岡野明音さん(3年)ら生徒3人が賞状の伝達や贈呈を受けた。併せて新宮納税貯蓄組合連合会から同校へ感謝状が贈られた。
税を考える週間(11月11~17日)の記念行事として回を重ねる同表彰。例年は式典を開いてたたえているが、本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため式典を中止し、高校生の税の作文表彰と同様に入賞者を訪ねる形を取っている。
中学生の税についての作文表彰は本年度、全国で約31万4000編、同局管内で6万938編の応募があり、同局長賞は同局管内から16編が選ばれている。同署管内では那智勝浦町立下里中学校の生徒作品以来3年ぶりの入賞。岡野さんと共に雑賀和さん(3年)の作品が東牟婁郡町村会会長賞、潮﨑芽依さん(3年)の作品が新宮納税貯蓄組合連合会特選にそれぞれ選ばれている。
この日は新宮・東牟婁租税教育推進協議会会長でもある新宮税務署の石橋裕署長と新宮納税貯蓄組合連合会の森川起安会長ら一行が来校。生徒教職員一同で見守る中、石橋署長から同局長表彰、森川会長から他2賞と感謝状を生徒3人や山下校長に伝達、贈呈した。
岡野さんは今回、自身の経験から得た気付きと関心の高まりをつづった作品「繋(つな)がり」を応募。表彰を受け「書いている時はこんな大きな賞をもらえるとは思っていなかったので、すごくうれしいし、家族に助けてもらい自分も頑張って書いたことが伝わったのかなと思う。これからもっと税について考え、大人になると税を納める機会も多くなるのでしっかりとした大人になれるよう頑張ろうという気持ちになった」と喜びや気持ち改まるところを語った。
同校は21日(土)に開く文化祭の中で作品発表の場を設け、3人それぞれの思いを生徒教職員とその家族で分かち合うとしている。
(2020年11月18日付紙面より)
地域支え合いにかかる勉強会 (新宮市 )
新宮市と市社会福祉協議会は16日、市役所別館で「令和2年度地域支え合いにかかる勉強会」を開いた。市内の民生委員や福祉委員ら約50人が参加し、コロナ禍における地区の現状や今後の活動などを話し合った。
勉強会は10月18日に同館で開催された地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう!わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」を基に、新型コロナウイルスの影響により各地区が抱えている問題や、この先どのような支えや助け合いの活動ができるかなどの意見を出し合う機会の場を設けようと実施した。
同フォーラムは、地域に必要な支え合いについて理解を深めることを目的に行われ、市では「住み慣れた地域で生き生きと暮らしたい」という市民の思いを実現するため、地域包括システムの構築を目指している。
冒頭、同協議会生活支援コーディネーターの福島圭さんがフォーラムのプログラムを振り返り、参加者らから収集したアンケート結果を紹介。コロナウイルス感染拡大に配慮した地域福祉活動の展開として九つのポイント▽担い手同士で話し合う▽感染防止などについて担い手自身が正しい知識を身に付ける▽福祉活動の再開方法などを検討する▽活動に使える補助金・助成金などを活用する▽利用者が安心して参加できるように適宜情報を提供する▽福祉活動などの再開に向けて地域の理解を得る▽市区町村社協によるバックアップ・支援体制などを確立する▽ボランティア活動保険の加入▽全国取り組み事例を参考に新たな地域住民などによる福祉活動を創設する―を挙げた。
意見交換では、参加者が8グループに分かれてコロナ禍でも可能な活動やできないこと、対策などを協議。「児童の下校時の見守りの実施」「ふれあいサロンは再開のめどが立っていない」「3密が避けられない状況が多い」など、さまざまな現状を発表していた。
(2020年11月18日付紙面より)
田辺市本宮町、熊野本宮大社の九鬼家隆宮司が17日、新宮市徐福のJR新宮駅を訪れ、来年のえと「丑(うし)」の絵馬を渡した。熊野三山の絵馬がそろい次第、改札付近の駅ホームに飾られる。
スギで作った絵馬の大きさは縦98㌢、横157㌢。新型コロナ終息と「困難な中にあっても新たな目標を掲げ、自分の歩幅で進んでほしい」との願い、そして国内外の医療関係者への感謝を表し、青い丑を描いた。
背中の新宮市をイメージした緑色のくらには、市のキャッチフレーズ「海・山・川が輝く 世界遺産のまち」から抜粋した「山海川」の文字を揮毫(きごう)した。
九鬼宮司は「新型コロナが一日でも早く終息し、各駅に再びにぎわいが戻ってくれば。多くの人にとって明るい一年であってほしい」と述べ、運行の安全を願った。
同駅では、11月単月で約50%、年度ベースでは60%以上、収入が落ち込んでいるという。小谷典史駅長は「6月に新宮駅に赴任してきたので、初めてのことで感激している。一日でも早く終息し、熊野の地に多くのお客さまが来ていただける日が来ることを心から願っています」と話していた。
この日は、同市徐福の熊野御坊南海バス株式会社と新宮警察署を交通安全慰問した。毎年実施しており、九鬼宮司が肌守り、ステッカーを授けた。
(2020年11月18日付紙面より)
尾﨑酒造株式会社(新宮市船町)代表取締役の尾﨑征朗(いくろう)さん(76)がこのほど、大阪国税局長納税表彰を受賞した。12日に同社で贈呈式があり、石橋裕・新宮税務署長が尾﨑さんに、長年にわたる申告納税制度の普及発展に対する感謝を伝え、表彰状を手渡した。
毎年11月11~17日は「税を考える週間」。国税庁では期間中にさまざまな広報広聴施策を実施するとともに、財務行政に対する意見や要望を聞く機会としている。今年は「くらしを支える税」をテーマに、日常生活と税の関わりを理解してもらい、納税意識の向上を図る取り組みを展開している。
納税表彰(および租税教育推進校等表彰)は、税への理解を深めてもらおうと、同週間に合わせて国税庁が毎年行っているもの。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から「納税表彰並びに感謝状贈呈式」は行わず、各地方の国税局長や各管轄の税務署長が個別に表彰状を贈呈する形を取った。
この日の贈呈式には石橋税務署長ほか、公益社団法人新宮納税協会の横手章郎会長、新宮納税貯蓄組合連合会の森川起安会長が出席した。
尾﨑さんは2004(平成16)年に新宮納税協会の副会長に就任。以降、会社経営の傍ら、多年にわたりe-Tax、ダイレクト納付の普及・拡大、納税道義の高揚に寄与してきた。今年、大阪国税局長納税表彰を受賞したのは、尾﨑さんを含め県内で2人。
表彰状を受け取った尾﨑さんは「酒造業は国税と大きく関係している。税務署には昔からお世話になっており、親しみを感じている。受賞をうれしく思います。今後も他の業界の人と連携し勉強させていただきたい」と笑顔。
石橋税務署長は「今後も引き続き、税務知識の高揚を図っていただければ」と話していた。
本年度の新宮税務署管内の受賞者は次の皆さん。
■大阪国税局長納税表彰
▽尾﨑征朗(公益社団法人新宮納税協会副会長)=新宮市
■新宮税務署長納税表彰
▽久司博嗣(同協会理事)=那智勝浦町
▽田邉毅一(同協会理事)=横浜市
■租税教育推進校等表彰・新宮税務署長表彰
▽串本町立橋杭小学校(溝内聡子校長)=串本町
(2020年11月14日付紙面より)
和歌山県文化表彰 (表彰式は16日 )
和歌山県はこのほど、令和2年度和歌山県文化表彰の受賞者を発表した。本紙エリアでは、熊野速玉大社祭事保存会(会長・上野顯宮司)が「民俗芸能の伝承」分野で奨励賞を受賞した。表彰式は16日(月)、県庁本館で開催される。
同表彰は、文化の発展向上に顕著な功績のある個人、団体に贈る賞。昭和39年に始まり本年度で57回目を迎える。文化奨励賞はすぐれた文化の創造と普及活動を続け、将来一層の活躍ができる人や団体に贈られる。
発表を受け、同保存会では「このたびは栄えある賞を賜り、誠にありがとうございました。祭事にはその土地に暮らす人々の考え、文化、習俗といったものが集約され、いわば日本の精神文化の結晶であります。全国的に過疎化が進み、熊野でも多くの人手を要する祭事はなおさら伝承が危惧されるところですが、祭に込められた祖先たちの想(おも)いを、未来に繋(つな)ぐ日本の祈りとして後の世までも伝えていくために、今回の受賞は大きな励みとなります。また、伝統神事に携わることによって若者たちが育ってゆく姿は実に頼もしく、ここにも文化奨励の大きな意義があると存じ、今後とも会員一同一層努力してまいります」とコメントを寄せている。
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「新宮の速玉祭(はやたまさい)・御燈祭(おとうまつ)り」は、和歌山県新宮市に鎮座する熊野速玉大社を中心とする大規模な祭礼である。
速玉祭は、10月15日に、神霊を神馬に戴き、速玉大社や御旅所(おたびしょ)などを巡る、神馬(しんめ)の渡御(とぎょ)が行われる。翌16日には神輿(みこし)の渡御と御船祭(みふねまつり)が行われる。「一つもの」と呼ぶ人形を載せた神馬を先頭に、神輿が町内を巡った後、神霊は朱塗り神幸用船に遷され川を遡上し、御船島へと向かう。御船島では九隻の早船が御船島を3回廻って先着を競う。島廻りが終わると、神霊は御旅所に入り、浄闇の中で御旅所神事が厳かに行われ、還御(かんぎょ)となる。
御燈祭りは、2月6日に行われる。神倉山の山上に「上がり子」と称する参拝者が集う中、御神火が起こされ、大松明に遷される。大松明から上がり子たちの松明に火が分かたれると、やがてあたり一面は火の海となり山門から上がり子たちが一気に山を駆け下りるその様は、さながら火の滝のようで、この勇壮な祭りに参加しようと、全国から大勢の参拝者が集う。翌日は、御礼参りの日で、神倉山の麓で祈祷や、餅撒きなどが行われる。
これらの祭りは昭和39年3月に和歌山県指定無形民俗文化財となり、平成28年3月には「新宮の速玉祭・御燈祭り」の名称で国の重要無形民俗文化財に指定された。
保持団体である熊野速玉大社祭事保存会は、昭和39年に組織化され、熊野速玉大社を中核として周辺地域の氏子や関係団体と協力して長年にわたり祭礼の執行及び運営を行っている。その功績は、伝統文化の継承のみならず、熊野の世界遺産を活かした魅力発信など、地域の活性化・振興に重要な役割を果たしており、本県の伝統文化の保護および文化振興に対する貢献は誠に多大である。保存会の末永い活動が今後も期待される。
(2020年11月14日付紙面より)
キャラバン一行首長表敬 (県木材利用推進協議会 )
県木材利用推進協議会(榎本長治会長)のキャラバン活動の一行が12日、太地町の三軒一高町長、古座川町の西前啓市町長、串本町の田嶋勝正町長を順次表敬訪問し、要望書を手渡して公共事業における紀州材活用への理解と高配を願うなどした。
同協議会が県内30市町村を対象に例年実施している直接要望の取り組み。各市町村に関係する会員が表敬し、同協議会名の要望書と思いを託して意識喚起に努めている。
古座川町や串本町へは、南紀森林組合の勝山高嘉組合長と県木材協同組合連合会の澤野誠専務理事、池田製材所の久保太嘉志さん〈古座川町の表敬に同席〉、山形材木店の山形五六(いつむ)さん〈串本町の表敬に同席〉が、東牟婁振興局農林水産振興部の山本貴司部長ら職員と共に表敬。代表して勝山組合長が実直に「紀州材を使ってほしい」という思いを告げて両町長に要望書を手渡し、両町内における活用の道を話し合って探った。
大きなところで古座川町は集会所の更新整備、串本町が認定こども園園舎の新設整備といった公共事業の見通しがあり、一行はそれぞれの事業に向けて紀州材の積極導入を願うなどした。
今回託した要望書は、建築基準法の一部改正により地上4階以下かつ高さ16㍍以下の建物について木造化が可能になったこととその根底にある発想、公共建築物の木材の利用の促進に関する基本方針の変更に伴う地方公共団体の努力事項、木材の積極利用がもたらす社会貢献を振り返りつつ、市町村が定める木材利用方針に配慮し公共工事による地方創生や環境保全の観点から紀州材利用への高配を願う内容。同協議会と市町村を仲介する同局によると、17日(火)に北山村と那智勝浦町と新宮市の各首長を表敬するという。
(2020年11月14日付紙面より)
那智勝浦RCが清掃活動
那智勝浦ロータリークラブ(那智勝浦RC、山田善清会長)は12日、那智勝浦町の熊野古道・大門坂の石碑周辺で清掃活動を実施した。会員約10人が参加し、草刈り機やはさみ、ほうきなどを手に草刈りやごみ拾いに取り組んだ。
活動は同クラブ恒例の社会奉仕活動の一環で、毎年取り組んでいる。「大門坂」の石碑は高さ約2・5㍍で地元の自然石(火成岩)で作られており、同クラブの創立50周年と世界遺産登録を記念して2004(平成16)年に寄贈された。現在では古道を歩く観光客らにとって人気の撮影ポイントになっている。
山田会長は「大門坂の玄関として観光客の皆さんが写真を撮影するスポットに定着しています。新型コロナウイルスの影響で例年に比べて人は少ないですが、訪れてくれる皆さんのためにも景観を損なわずに世界遺産を守るため、今後も取り組んでいきたい」と話していた。
(2020年11月14日付紙面より)
県高校空手道新人大会兼近畿大会予選
新熊野少年野球大会などが開幕
【第24回】10代こそ食育を!
子どもの食事について、親が悩むのは幼少期が多いですよね。偏食や遊び食べも、気になるのは小学校低学年くらいまでではないでしょうか? でも、実は大人になってからの食意識には、小学校高学年くらいからの食生活が大きく関係しているんです。厚生労働省の対象特性別健康づくりのための食生活指針では、学童期は食習慣の完成期、思春期は食習慣の自立期とされています。つまり学童期に身に付いた食習慣が思春期の食意識を決定するということですよね。小学校高学年から中学生は、この移行期間に当たるのではないでしょうか?
この時期の食生活が大切だと思う理由の一つは、「記憶に残りやすい」という点です。「子どもの頃の食卓」として思い出すのは、おそらくこの10歳から15歳くらいの頃ではないでしょうか? 食卓がどんな雰囲気だったか、どんな会話をしていたか、といった記憶も大人になるまで残るかもしれません。そしてその記憶こそが食育だと私は考えています。小学校高学年になると、食材の味や料理の知識も、ある程度持ち合わせています。学校で栄養のことなども学びますし、調理実習も経験しているかもしれません。では家庭では何が必要なのでしょうか?
この頃の食卓で、将来に大きく影響するのが「自発的コミュニケーション」だとする研究があります。「自発的」つまり子どもが自ら話すことをきっかけとした会話ということですね。年齢が上がるにつれ、子どもの自発的コミュニケーションが少なくなるのは、とても自然なことです。でも、だからこそこの時期、この「自発的コミュニケーション」が大切になるようです。そのためにできることが、二つあります。まず一つ目は、「自発的コミュニケーションを促すこと」。大人の話を聞かせたり、説教をするのではなく、子どもの話を聞こうと心掛けてみてください。質問に答える形から始めても大丈夫。それを習慣的に続けていくことで、食卓が会話の場という習慣ができて、自発的に会話をしてくれるようになります。そして、もう一つが食事の前後の「いただきます」と「ごちそうさま」のあいさつです。前出の研究論文にはこんな記述があります。「小学5年生の夕食共食頻度が週4日以上でかつ食事中の自発的コミュニケーションが多かったA群は、共食頻度が週3日以下で自発的コミュニケーションが少なかったD群に比べて、共食の重要性の認知が高く、食事前後の挨拶の実践頻度が高かった」(栄養学雑誌「家族との夕食共食頻度及び食事中の自発的コミュニケーションと食態度、食行動、QOLとの関連」、2014年)。食事のあいさつは、食卓におけるコミュニケーションの栓抜きだと私は思っています。黙って食べ始めるよりも、一言あいさつをすることで、会話への準備が整うのではないでしょうか?
子どもたちが食の自立を果たし、健やかな食生活を選び取れる大人になるように、今できることから始めてみてください。
(2020年11月14日付紙面より)
みんなで防災意識高める (丹鶴幼で地震津波避難訓練 )
「世界津波の日」(11月5日)前日の4日と5日、県内全域で地震・津波避難訓練が実施された。国や県、市町村、教育機関、自治会などが取り組み、適切な避難の定着を図った。
「世界津波の日」は2015(平成27)年12月に国連総会で制定。1854(安政元)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵(ごりょう)が稲むらに火をつけ、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った「稲むらの火」の故事にちなんでいる。
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新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長、園児56人)は5日、地震、津波の避難訓練を行った。園児たちは経路をたどり、落ち着いて避難した。
同園では子どもたちに防災や防犯意識を高めてもらおうと火災、地震、津波、不審者を想定した各訓練を定期的に実施している。この日は午前10時に地震発生を知らせるアナウンスが流れた。園庭で遊んでいた子どもたちはその場に座り、手で頭を覆って身を守った後、職員の指示に従って近隣にある市保健センター隣の花壇・タウンガーデンへと逃げた。
下岡園長は「今日は上手に逃げることができました」と講評。「部屋にいるときには丈夫な物の下にもぐり、外で遊んでいる場合は『ダンゴムシのポーズ』で体を守ってくださいね」と呼び掛けた。
「真剣に取り組むことが大切。そのために、しっかりと避難できるように訓練しています」と語り、「押さない」「走らない」「しゃべらない」「戻らない」「泣かない」の「お・は・し・も・な」を守るよう伝えた。
訓練後にはみんなで園に戻り、遊戯室で災害にまつわる紙芝居「稲むらの火」を見た。
(2020年11月6日付紙面より)
中央公民館で防災講演会 (古座川町 )
古座川町が3日、中央公民館で津波避難総合センター完成記念防災講演会を開いた。和歌山大学災害科学・レジリエンス共創センターの客員教授・後誠介さんを講師として迎え、約50人が聴講して防災意識を高めるなどした。
津波避難総合センターは下部区内で5月に完成したが、コロナ禍に伴い落成式を営めず。「何かをしたい」という思いは持ち続け、できることとしてこの講演会を思いついた。同日午後にあった同センターの内覧会と対の行事に位置づけ、町民対象で定員60人程度とするなど感染症予防対策を講じつつ参加を呼び掛けたという。
落成式だけでなく防災行事の機会もコロナ禍で減っている同町にとっては、久しぶりの意識喚起の機会。開会に当たり西前啓市町長は同センター設置の経緯を伝えつつ「(今後も町内の)防災力向上を図り、町民の皆さまが安全に安心してもらうためまい進していきたい」と意気込みを示して講師の登壇と聴講を歓迎した。
演題は「地震・津波災害に備える」。後さんは昭和19年東南海地震、昭和21年南海地震を振り返って地震や津波のイメージを組み立て、本質は地下で大きなずれが起こる点にある、と視点を誘導。紀伊半島付近の地下にある二つのプレートの固着域(破壊域)を震源とし、両プレートのずれが東に広がれば東南海、西に広がれば南海、それ以上に広がった先に国が想定する南海トラフ巨大地震があると印象づけた。
来る地震は単発か連動か巨大地震のいずれかで、マグニチュードが大きくなるほど被災地が広がり救援の手が遅れて長期(持久)戦が強いられる。その時は体力を温存しながら復興に臨む姿勢も必要になるなど規模相応に対処する発想の柔軟さを促しつつ、現在の予測状況を同町に当てはめて紹介した。
地震・津波対策の盲点として県内の耐震化や家具転倒防止の普及の鈍さを懸念し、これらは続く津波避難時に自身や助けてくれる周りの人に負担を掛けない点で大切だと推奨。まとめとして▽来る地震は3種類▽防災意識が高い地域は犠牲者が少ない▽耐震化の大切さ―を振り返って話を締めくくり、質問に答えるなどした。
(2020年11月6日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(久保敏晴校長、生徒73人)では4日、南海トラフ巨大地震を想定した防災学習と裏山への避難訓練があった。
毎年実施している取り組みで、本年度は家庭での防災意識向上にも役立ててもらおうと、プリントや無料の連絡網サービス「マチコミ」を使った情報発信にも力を入れている。
生徒たちは防災学習で「想定にとらわれるな」「最善を尽くせ」「率先避難者たれ」の津波避難3原則を学習。家族分も含めた「避難カード」が配られ、分かる範囲で地震・津波時の避難場所や緊急連絡先を記入した。
1年生のクラスでは南隼太教諭が「皆さんが率先して避難することが、家族や友人など周囲の人の命を助けることにつながる。緊急時に家族の安否が確認できるよう、具体的な避難先や連絡先を家族と話し合い、一緒に『避難カード』を作成して」と呼び掛けていた。
(2020年11月6日付紙面より)
宇久井小・中・保が避難訓練
那智勝浦町立宇久井小学校(芝﨑勝善校長、児童155人)、中学校(坊信次校長、生徒62人)、保育所(山田有美所長、園児83人)は5日、合同避難訓練を実施した。
午前9時50分に地震を知らせる校内放送がかかると、児童、生徒、園児は机の下に避難。地震がやんだ後、児童・園児は救命胴衣を身に着け、生徒はヘルメットを着用して一次避難場所の中学校グラウンド(海抜約26・6㍍)に集合した。
芝﨑校長は「2011年の東日本大震災では多くの人が津波の被害に遭い、命を失った。その教訓を生かそうと今日の避難訓練がある。宇久井は海の近くなので、津波が来れば大きな被害が出る可能性がある。いざというときのため、今後もしっかりと訓練に取り組んで」と呼び掛けた。
なお、本年度は3密防止のため、二次避難場所である中学校校舎屋上への避難は実施しなかった。
(2020年11月6日付紙面より)
第七勝丸が無事戻る (太地町 )
再開2年目の商業捕鯨を終えた太地町漁業協同組合(脊古輝人組合長)の第七勝丸(竹内隆士船長、乗組員5人、32㌧)が2日早朝、太地漁港に無事帰港した。今季はミンククジラ29頭を捕獲した。〆谷(しめたに)和豊参事は乗組員に対し「事故やけが、病気もなく無事に戻ってきてくれてありがたい。来季に向けてゆっくりと英気を養ってほしい」とねぎらった。
勝丸は4月3日夜に同港を出港し、宮城県や千葉県の捕鯨船と協力し、宮城県や青森県、北海道でミンククジラ漁の操業を行った。
水産庁が定めるミンククジラの漁獲枠100頭に対し、船団で95頭を捕獲。うち29頭は勝丸が捕獲した。千葉県では国際捕鯨委員会(IWC)の規制対象外のツチクジラを4頭捕獲している。
同漁協によると、今季は天候不良が続いたため、各漁場でも影響を受けたという。漁獲枠残り5頭だったが、天候の問題などを考慮して、先月27日に漁を切り上げた。
今季の漁について〆谷参事は「昨年は調査も含まれていたが、今年からは本格的な商業捕鯨となった。全体的に天候が安定しない中、よく捕ってくれたと思う」。
来季に向けては「場所や船の数などの課題をクリアし捕獲頭数を広げていきたい。そして多くの皆さまにクジラの肉を幅広く食べていただけたら」と語った。
(2020年11月3日付紙面より)
第4回自動二輪車運転講習 (串本LC )
串本ライオンズクラブ(串本LC、大江規彦会長)が1日、串本町古座にある国保古座川病院跡地で第4回自動二輪車安全運転講習会を開いた。会員を含む愛好者24人が県警交通機動隊(泉政勝隊長)による指導の下、日頃の安全運転意識を高めるための講習に取り組んだ。
安全運転の知識や技能の向上を図り事故抑止を目指す狙いで年次実施。今回も串本警察署の協力を得て同隊の指導を求め、会員制交流サイト(SNS)などを使った口コミで参加者を募ったという。
穏やかな秋晴れの下で開会を迎え、主催者を代表して大江会長、警察を代表して泉隊長と同署交通課の楠間慎也課長がそれぞれあいさつをして無理をしすぎず安全な練習を促した。
講習内容は運転前の安全点検とスラローム走行とオーバル走行の3種類で、同課の課員や串本LC会員が会場周辺の安全を確保。参加者は同点検の説明後、2組に分かれ前後半で入れ替わる形で各走行メニューに取り組んだ。
公道では実施する機会が少ない急な加減速や急旋回を実践して自身の運転の限界を感じ、万が一限界に迫ったときの対処力を高めつつその領域に踏み込まない安全意識を経験で培うのが約2時間にわたって行われたこの講習の目指す成果。
自らも愛好者の一人として、愛車持参で参加した大江会長は「事故を少しでもなくしていきたいという思いで同じバイク乗りの小森(正剛)さんらと一緒に警察と話し合い、交通機動隊のご協力を頂いて毎年この講習会を開いている。参加いただいた皆さんには講習を受けて技術が高まったからスピードを出すのではなく、いざというときの回避能力を高める機会にしてもらえれば」と実施に込めた思いを語った。
(2020年11月3日付紙面より)
古道を守る会が清掃活動 (那智勝浦町 )
「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)は10月29日、那智勝浦町北浜地区の海岸で清掃活動を実施した。10人が参加し、10月に発生した台風の影響で打ち上げられた多くの流木やごみを片付けた。
会員によると、同所は台風が発生するたびにさまざまなごみが漂着しやすく、そのごみが再び漂流しないように近隣住民もごみ拾いを行っているという。
ごみは流木をはじめ、ペットボトルなどのプラスチックごみや工事で使用する巨大なポリエチレン管や土のうなど。
会員は、長い流木はのこぎりやチェーンソーで短く切るなどして一カ所に集め、崩れてこないように固定。そのほかの燃えるごみやプラスチックごみは町指定のごみ袋に詰めた。
また、土のうなどは大量に砂が付着していることから、クリーンセンターに配慮し、洗い流してからごみとしてまとめた。
太田代表は「これだけの人数で取り掛かるからこそなんとか片付いている。1人や2人では無理。浜は和歌山県の管理となるので集めた流木については振興局に申し入れをしようと思う」と話していた。
(2020年11月3日付紙面より)
丹鶴公民分館が防災訓練 (新宮市 )
新宮市の丹鶴公民分館(西孝分館長)は1日、丹鶴体育館で令和2年度防災訓練「ハザードマップを使って自宅の災害リスクを知ろう」を開催した。市防災対策課職員がコロナ禍における避難行動について講話したほか、市社会福祉協議会による福祉相談、福祉用具の展示などもあり、約60人の地域住民が防災意識を高めた。
市、市社協が協力し、地域住民の防災意識の向上を目的に行っている恒例の取り組み。先月11日の開催を予定していたが台風14号の接近に伴い、日を改めての実施に至った。参加者らはペンライトやネックライトなど、災害時に役立つグッズを土産として持ち帰った。
開催に当たり、西分館長は「丹鶴地区は避難場所が少なく、どこに逃げたらいいのか不安に感じている人もいる。自分が住んでいる所の安全性や避難場所の確認を行う機会としてもらえれば」と呼び掛けた。
防災対策課の櫻井勇太さんが「今、考えたい! 新型コロナ×災害」をテーマに講話。災害発生前に、市役所や気象庁の発表やハザードマップを基に安全性を確認することが大切とし「危険な場所にいる人は避難が原則です」と話した。
ウェブ版新宮市ハザードマップの使い方についても解説。▽洪水・津波・土砂災害の危険箇所▽過去の浸水被害実績▽自宅の情報―の確認ができるとし「事前に確認し家族で共有を」。現在、冊子版ハザードマップの作成も予定していると述べた。
避難所における新型コロナ感染リスク軽減のための「分散避難」に触れ、避難のために宿泊した市民の宿泊料金を割引する「市旅館等宿泊避難支援事業」の活用を推進した。
櫻井さんは災害時における人権尊重や、避難所に避難する際のコロナ対策への協力などを求め「皆さんで過ごしやすい避難所にしましょう」と呼び掛けた。
(2020年11月3日付紙面より)
全国高校サッカー和歌山大会
那智勝浦少年野球クラブが優勝 (新宮警察署防犯学童軟式野球大会 )