大洋捕鯨の第三文丸 (太地町 )
「昭和弐拾五年 大洋捕鯨 南氷洋ニ決死ノ出漁記念 第三文丸 上家幸男」と記された額の中には氷が浮かぶ海とクジラが描かれており、捕鯨船の模型が一体となっている。捕鯨の歴史を回顧できる「模型絵図」を所有するのは太地町森浦にある㈲紀南水産代表取締役の漁野親行さん。漁野さんは「懐かしい。久しぶりに見たが、細かく作られていて立派」と笑顔で話した。
この模型絵図の元の所有者は漁野さんのおじで、大洋捕鯨株式会社(現・マルハニチロ)が操業していた第三文丸で機関長を務めていた故・上家幸男さんだ。
この模型絵図がいつ作られ、どのような形で幸男さんの手に渡ったかは不明で、親族でさえも当時の詳細を知る人はいないという。
漁野さんによると、模型絵図は幸男さんの父、故・金一さんが同町で経営していた理容店に飾っていたもので、金一さんの死後は自宅で保管されていた。そして先日、模型絵図を見つけた幸男さんの息子がいとこである漁野さんに譲渡した。
模型が理容店に飾られていたことなどを記憶しているという同社工場長の松岡妙子さんは「初めて見ると集中して見てしまうのでは。ぜひ、お買い物やお立ち寄りいただいた際は模型を見ていただけたら」。
また、保護の観点から模型絵図を覆う額を同町で工務店を営む坂下行平さんが好意で作成した。
漁野さんは「友人が額を作ってくれた。さらには店に飾れるようにしてくれるのでありがたい」と感謝。
模型絵図については「おじさんは40年ほど南極海で船に乗っていたのでその記念にもらったものだと思う。精巧に作られているので当時の情景が浮かんでくるよう」と語った。
(2021年3月30日付紙面より)
1回無失点で初ホールド
新宮市出身でプロ野球広島の新人、森浦大輔投手(22)が27日、マツダスタジアム(広島市)で行われた開幕2戦目の対中日2回戦でプロ初登板を果たし、1回無失点に抑えた。試合は広島が4―1で勝利し、初のホールドも記録した。
森浦は最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブが武器の左腕。天理大からドラフト2位で入団し、キャンプ中から実戦6試合連続無失点の成績を収めて開幕1軍をつかみ取った。
試合では、広島が3点リードの七回表に2番手として登板し、公式戦初球はストレートで勝負した。スライダー、カーブも織り交ぜながら打者6人と対戦し、先頭の5番・平田を右飛、6番・京田を投ゴロで抑えた後、3四死球を与えて2死満塁のピンチを迎えたが、1番・大島をストレートで二ゴロに打ち取り、無失点で切り抜けた。
この日、森浦は最速144㌔をマーク。ホールドも記録し、チームの勝利に貢献した。共同通信によると「何とか踏ん張れてよかった」とコメントした。
初登板をテレビで観戦した父の孝二さん(52)は「いつものように丁寧に投げてほしいと思っていた。マウンドで緊張しているように見えましたが、広島ファンの皆さんの応援がうれしかった。三つ目のアウトを取ったときはうれしくて、ほっとしました」と笑顔を見せた。
報告を受けた田岡実千年市長は「早くも開幕2試合目の登板に驚きました。大変な緊張だったでしょうが、大きな自信になったと思います。これからは広島カープの試合から目が離せません」。
伯父の孝征さん(55)は「ピンチの場面でも、しっかり抑えたことに『よく頑張った!』と言いたい。映像で目にしたベンチに戻ったときの安心した表情が印象的でした。この日はプロとしての第一歩。けがをしないように気を配り、息の長い選手に成長してほしい」と目を細めていた。
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森浦は翌28日の対中日3回戦(マツダスタジアム)でも登板し、1回無失点で2試合連続のホールドを挙げた。
七回表、0―0の緊迫した場面で森浦が2番手としてマウンドに上がった。先頭の6番・京田に初めて安打を許すと、7番・木下拓の犠打で1死二塁に。8番・根尾から初の三振を奪った。9番の代打・福留には暴投と四球で2死一、三塁とピンチを広げたが、1番・大島を一ゴロに打ち取って無失点に抑えた。
この日の森浦は1回20球を投げて被安打1、奪三振1、与四球1、失点0だった。
試合は0―0で九回規定により引き分けとなった。
(2021年3月30日付紙面より)
規模縮小し稲荷社大祭 (那智勝浦町 )
天満稲荷講(久司博嗣講長)は28日、那智勝浦町天満の圓心寺(大橋正道住職)境内にある若宮稲荷大明神で春季大祭を営んだ。今年は新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から規模を縮小して式典のみを執り行った。
祭りは例年餅まきが盛大に行われ、多くの住民でにぎわっている。今年は役員や関係者11人が参列し、はじめに金比羅大権現と秋葉山大権現で参拝した。
その後、一同は裏山にある若宮稲荷大明神に手を合わせてコロナ終息や区民の健康家内安全、商売繁盛を祈った。
久司講長は「厄払いや家内安全はもちろんだが、今は多くの方々がコロナで困っている。第4波が来ないことや、早期の終息、元の生活に戻れることを一生懸命祈願しました」と語った。
(2021年3月30日付紙面より)
熊野川第2・3分団に新車両配備 (新宮市 )
新宮市消防本部で28日、消防団消防ポンプ自動車と小型ポンプ積載車の引渡式があった。ポンプ自動車は熊野川第3分団(音川消防コミュニティーセンター)に、小型ポンプ積載車は熊野川第2分団(小口消防コミュニティーセンター)に配備される。
新車両の導入は老朽化に伴う更新整備で、整備事業費は2台合わせて2450万円。前回の整備以降、小口ポンプ車は22年、音川ポンプ車は19年が経過していた。
第2分団に配備された車両は、軽自動車でありながら、水利部署から消火活動に必要な資機材を全て積載。コンパクトなサイズを生かし、狭い道路や消火栓の乏しい地区で迅速な消火活動を実施することができる。小型ポンプは毎分約500㍑の放水性能を有している。
第3分団の消防ポンプ自動車には「e―モニタ」を搭載し、危険なポンプの操作に対応した安全機能が充実。自動化を取り入れることにより機関員の負担を軽減。簡単で安全・確実・迅速な操作が可能となっている。後方確認用バックモニター、ドライブレコーダーも配備されている。
引渡式では、越水薫消防長が「今後も訓練に励んでいただき、消防職・団員一丸となって地域住民の安心と安全を守るためによろしくお願いします」と協力を呼び掛けた。
竹内由定消防団長は「いざ火災が発生したときには、車を有効に活用いただき早期の火災鎮圧・鎮火に努め、熊野川地域の住民の安心と安全に寄与していただきたい」とあいさつ。各分団長にレプリカキーを渡した。
第2分団の佐野健一分団長は「狭い所や谷沿い、山の中でも機敏に動ける。有効的に使える」。第3分団の中瀨好分団長は「気持ち新たにさまざまな災害に対応できるように頑張りたい」と話していた。
熊野川町では昨年1件の建物火災が発生した。
(2021年3月30日付紙面より)
紀南十高校春季野球リーグ戦
新宮弓友会主催の月例射会
山本君、吾妻君が関西支部対抗戦出場 (和歌山南紀ボーイズ )
レシピ本作り町民に配布 (太地町特産品開発研究会 )
太地町特産品開発研究会(小出勝彦会長)はこのたび、クジラ料理の普及や啓発を目的にレシピ本「あなたが作る太地くじらレシピ」を作成した。本は11日に納品、15日に各区から町民に無料で配布された。
研究会は同町や町婦人会、町民有志、南紀くろしお商工会などのメンバーで構成。これまで町の活性化のために地域資源の調査や特産品の開発活動に尽力してきた。
商業捕鯨の再開を受け、世間では鯨肉の健康効果などが注目されている。しかし、クジラ料理を知る人々の減少でレシピが失われることに危機感を抱いた研究会がクジラ食文化の発展のためにもレシピの作成や保存に動き出した。
過去のレシピ収集を進めるとともに道の駅たいじで昨年12月にあった朝市においてクジラ料理の試食を行い、アンケート調査を実施した。
刺し身やハリハリ鍋など昔ながらの食べ方に加え、クジラが苦手な人や食べたことがない人でもおいしく味わえるものや時代に合わせたレシピ作りに奮闘。種類を増やすことや手軽に調理できる家庭向け料理を心掛け、試作と試食を繰り返して40レシピが完成した。
本にはクジラの基礎知識などが掲載されているほか▽ローストホエール▽くじら赤肉のたたき▽くじらの皮の中華風酢漬け▽くじらハンバーグサンドイッチ―などさまざまなレシピが盛りだくさん。
作成に当たっての財源は研究会の持ち出し分と和歌山県の「令和2年度地域・ひと・まちづくり補助事業補助金」を活用。町民にいつまでも手に取ってもらえるようにと、永久保存版となるハードカバーの豪華なレシピ本に仕上がった。
小出会長は「クジラは元々料理の数が少ない。クジラらしさを生かし、臭みをなくすことは大変だった。婦人会の皆さんや有志のメンバーの協力がなければ作ることができなかった。感謝しています」。
レシピ本については「町民の皆さまにはクジラを身近に感じてほしい。簡単でおいしく食べられるレシピなので活用を」と語った。
同町によると、レシピは今後、町ホームページでも掲載する予定だという。
(2021年3月26日付紙面より)
公立小中学校で修了式 (新宮・東牟婁 )
新宮市・東牟婁郡の公立小中学校、県立高校で24日、一斉に修了式が開かれた。新型コロナウイルス感染拡大による長期の臨時休校を乗り越え、一年間の学習を終えた児童・生徒が修了証を手に、約2週間の春休みに入った。新年度の始業式は4月8日(木)を予定している。
新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長)では、放送集会の形で式を実施した。嶋田校長は、一人も感染者を出すことなく一年を終えた努力をねぎらい「できる限りの感染対策をこれまで通り続け、安全で楽しい、すてきな春休みを」と呼び掛けた。生徒指導部からは春休み中、消防車、救急車、パトカー、不審車両の四つに世話にならないよう諸注意があった。
5年1組の教室では算数ドリルやプリントなどを配った後、担任教諭が一人一人に成績表と修了証を手渡した。児童たちは「せーの」の合図で一斉に開き、じっくりと自分の成績やコメントに目を通した。
泉愛惟さん(11)は「友達とけんかをすることもあったけれど、一緒に遊んで、おしゃべりができて楽しかった。一番の思い出は、みんなで潮岬青少年の家にキャンプに行ったこと。来年は休校もなく、毎日友達と遊びたい」と話していた。
(2021年3月26日付紙面より)
警察署等再編案が明らかに (県警察本部 )
県警察本部が来年4月実施予定の警察署等再編案を明らかにした。本紙関係では串本警察署管内を分割し白浜署と新宮署へ統合する内容が示されていて、管内3町はすでに議会や管内防犯協議会などを通して情報共有を広め存続に向け動き出している状況にある。
この再編案は、県警察機能強化推進計画に基づく取り組みの一端で示された。▽マンパワーの集中運用▽大規模災害時の警察機能喪失の防止▽人口負担率等の平準化―を目的として組織再編をし、事件や事故、災害への対処能力強化を目指すとしている。
再編の動向には大きく警察署管内の統合と本部機能強化の2系統があり、統合の対象は有田署管内(湯浅署管内へ統合)と串本署管内(白浜署管内と新宮署管内へ分割統合)となっている。
串本署管内はすさみ町域と串本町・古座川町域に分割し、前者を白浜署、後者を新宮署へ統合する。伴って白浜署と新宮署を増員し、串本署庁舎を新宮警察署串本分庁舎として生活安全関係や交通関係は基本的に現状通りとし、他に遺失物や拾得物の取り扱いや警察安全相談などの行政サービスを継続する。
串本署管内にある交番や駐在所は存続するが、津波被害が想定されるところは安全を確保しつつ機動的かつ実行ある活動ができるよう運用する。分庁舎用にパトカー1台を増強配備し、発災時の初動対応に当たる災害対策要員2人を同分庁舎に隣接する代替指揮所へ配置するといった再編内容となっている。
事前の説明を受けた管内3町は、統合により署長など幹部級職員の常駐がなくなることによる町域内の警察官数減を強く不安視。将来的な発生が予測されている南海トラフを震源域とする大地震発生時や小型ロケットの打ち上げや近畿自動車道紀勢線の延伸に伴う流動人口増時の警察対応力の低下、町域における警察の疎遠化などを懸念し、地域を挙げて受け止めるべき課題として同案を先んじて町域内で情報共有し将来を見据えた存続を求める機運を強めている。
追って県警本部がこの再編案を明らかにしたことで、警察と地域は表立って話し合う状況が整った。白浜署はすさみ町に加え田辺署管内の上富田町域の統合も受けて西牟婁郡3町が管内となる内容。県警本部の機能強化は▽人身安全対策課〈仮称〉▽警備企画課〈仮称〉―の新設。再編の事実上の決断者は県知事となる。
(2021年3月26日付紙面より)
熊野那智大社の内庭で (那智勝浦町 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の内庭で現在、県天然記念物のシダレザクラ(枝垂桜)が八分咲きを迎えている=写真(24日撮影)。高さ約8㍍の大木から垂れた枝に無数の花が開き、朱塗りの社殿を背景に優美な姿を見せている。
同大社によれば、サクラは平安時代末期に後白河法皇が手植えしたものと伝えられ、室町時代の絵図「那智山宮曼荼羅(まんだら)」にも描かれている。小さく上品な花の姿は「上臈(じょうろう=女官)」の雰囲気を醸し出すとたたえられている。
神職の花薗龍人さんは「サクラらしく、ぱっと咲いてすぐに散ってしまう。毎年遠くから見に来られる参拝者の方もおられます」と話す。
内庭は普段一般公開しておらず、特別拝観でおはらいを受け、白玉石を奉納すると神職の案内で入ることができる。拝観を希望する人は、同大社の社務所へ申し出る。
(2021年3月26日付紙面より)
「よむよむ」がん早期検診啓発 (那智勝浦町 )
「自分のために少し時間をつくってみてください。そして検診を受けてください。自分は大丈夫と、私みたいにならないでください」―。那智勝浦町絵本の会「よむよむ」では現在、「『負けないで! 乳ガンと闘うおかあちゃん』~今、伝えたくて~」を題目に、がんの早期検診を呼び掛ける取り組みを展開中。那智勝浦町立図書館において、会員の丸亀聡美さん(51)の闘病体験を基にしたリーフレットをがん関係書籍のリストと共に、手作りのエコバッグに入れて配布している。
同会は本年度、読み聞かせの他に▽SDGs(エスディージーズ=持続可能な開発目標)を絵本からとらえて紹介▽地域の産業を伝える―などの事業を展開。おはなし会と併せたエコバッグ工作などを通してSDGsの考えを広く周知するための活動も行った。
このたびの企画は、コロナ禍において「できるかぎり」可能な形で「今、何ができるか」を模索し、同図書館と話し合いを重ねて計画。「令和2年度花王ハートポケット倶楽部地域助成事業」の支援を得ている。
丸亀さんは現在、夫、長女、次男との4人で同町市野々に在住している。初めて乳がん検診を受けたのが40歳の時。多忙な日々を送る中で生来の病院嫌いも手伝って、それ以降検診を受けることはなかった。
胸にしこりを感じたのが48歳の頃。長女の後押しもあり、病院でマンモグラフィー検査を受けた。結果、ステージ3の乳がんが発覚。摘出手術、抗がん剤治療を経て現在は検診のために2カ月に1度病院を訪れ、ホルモン治療を行っているという。
「頭が真っ白になって泣きたくないのに涙があふれた」。がんが判明した時の心境をそう振り返りながらも「がん=死というイメージ。家族も泣いていた。でも奮い立たせました。『私は絶対に死なない』と」。
抗がん剤治療では、受けた人しか分からない苦しみを味わった。「髪の毛が抜けたことはあまり気にならなかった。手間が掛からず、似合っていましたから」と笑顔を見せる。
2カ月に1度、新宮市立医療センターで開催されている、がん患者と経験者、がん患者の家族を対象にした集い「ひまわりの会」に参加し、思いや心境を共有できたことも貴重な体験だと話す。同会を立ち上げたのは丸亀さんの同級生。長い闘病の末亡くなったという。現在は丸亀さんが遺志を引き継ぎ、代表を務めている。
小学生に対する読み聞かせの他、2018年12月にはミニサロンを開催。丸亀さんは「初めて読んだ時衝撃を受けた。思いがよみがえり、涙が出た」という絵本「はなちゃんのみそ汁」(作者:安武信吾・千恵・はな)の読み聞かせを行った。「がんが見つかったのは長女のおかげ。読み聞かせや啓発を通して、子どもたちから『お母さん、検診に行こうね』と言ってあげてほしい。早めの検診が命を助け、家族を守ることにつながる。誰にも同じ思いはしてほしくない。リーフレットを通して何かを感じていただけたら」。19歳の長女は現在、医療従事者を目指し看護学校で学びを深めているという。
リーフレットやエコバッグは「会員みんなのあふれる思いが多くの人に届けば」との気持ちを込め、会員らが30セットを手作りした。同図書館で配布されるほか、5セットが町福祉課健康対策係に託されている。「はなちゃんのみそ汁」を含めた、がん関係書籍の展示は今月31日(水)まで。「サンキュー(ありがとう)」の思いを託し、39冊を展示している。
(2021年3月18日付紙面より)
県立串本古座高校の吹奏楽部(仁木愛里部長、部員5人)が14日、第一体育館で第10回定期演奏会を実施した。コロナ禍の情勢を踏まえて今回は一般公開を控え、生徒や教職員、保護者など同部が感染症予防対策を講じて許容した40人が見守る中で活動の集大成を披露した。
前年度は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う臨時休校で実施できなかった定演。本年度も実施の有無で悩んだが、対策をしてでも活動したいという思いに至り実施を決めた。
部員は12月下旬の県アンサンブルコンテスト紀南地区大会を経て、1月から定演に向けた練習に集中。引退した3年生部員も時間が許す範囲で練習をし、賛助出演のOBOGらは月1、2回の交流と自主練習で同部と息を合わせたという。
第10回のテーマは「高山流水~Good Bye COVID―19~」で、3部構成でアンコール曲を含め18曲を披露。各部とも冒頭を合同演奏とし、以降第1部は本年度一緒に活動した1~3年生7人と漁崎祐顧問の計8人で流行歌5曲、第2部は現役部員5人で県アンサンブルコンテストでの発表曲・打楽器五重奏「Lost Crystal」を含む4曲を奏でた。第3部は全7曲とも合同演奏で、体を揺さぶりながらの演奏やソロ演奏などの演出を織り交ぜて場を盛り上げた。
本年度は夏の大会や紀南吹奏楽の集いなどが中止となり、唯一大規模に取り組めたのは紀の国わかやま総合文化祭2021プレ大会の7校合同演奏のみ。この日の定演は17人の賛助出演により、漁崎顧問を指揮者とする24人組で演奏する機会を得た。
仁木部長(2年)は「練習の方が上手にできたなと思ったところもあったけど、この人数で互いに補い合って自分の中では最高の演奏ができたと思う。これから部員が増えるのか減るのか分からないけれど、新しいメンバーになっても力を合わせて頑張っていきたい」とコメント。「1年前はコロナで定期演奏会を断念せざるを得なかったけど、今年は皆さんのおかげで開催できて良かったです」と周囲の支えに感謝した。
(2021年3月18日付紙面より)
宇久井中1年が校外学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長、生徒62人)の1年生27人は16日、校外学習で同町市野々にある和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)を訪れ、土砂災害から命を守る取り組みについて学んだ。
土砂災害について知り、防災意識の向上や非常時の行動について考えてもらうことが目的。昨年12月に同校で行われた防災学習プログラムで同センターが講話したことがきっかけとなり、さらに詳しく学習してもらおうと実施した。
同センターの筒井和男さんは、県内で行われているソフト・ハード両面の土砂災害対策について解説。地滑りを防止するために地下水を排出する横ボーリング工や地面にくいを打ち込むアンカー工などの方法が取られていると話した。模型を使った実験では、流木や巨石を含む大量の土砂を2段構えの砂防堰堤が受け止める様子を見せた。
高さ14・5㍍、長さ125㍍の鳴子谷川1号堰堤の見学もあり、紀伊半島大水害発生当時の那智川周辺の写真を見ながら土石流の恐ろしさを体感した。
亀井星空(きらら)さんは「みなさんが教えてくださったことを参考に、災害から避難できるように事前に情報を集め、行動することが大切だと分かった」と述べ、センター職員に感謝を伝えた。
(2021年3月18日付紙面より)
高齢者見守り隊が啓発活動 (紀宝町 )
紀宝町の高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)は、同町鵜殿の主婦の店で15日、紀宝警察署と合同の啓発活動を実施。参加者15人が来店者に新型コロナウイルスワクチンに便乗した詐欺の手口や対策などを掲載したチラシやウエットティッシュを配布した。
特殊詐欺から高齢者を守ろうと毎月1回、啓発活動を展開。奇数月は紀宝警察署と合同で取り組んでいる。同署によると、昨年は三重県内で122件(前年度比30件増)の特殊詐欺が発生し、被害総額が4億2820万円(同2億8590万円増)で架空請求が68%を占めている。今年2月末現在では17件発生し、被害総額が2540万円(同2110万円減)。還付金、架空請求、キャッシュカードの各種詐欺の傾向が見られるという。
見守り隊が配布したチラシは「新型コロナワクチンが接種できる。後日全額返金されるので10万円を振り込むように」との不審な電話がかかってきた、といった事例を記し「接種を受ける際の費用は全額公費です」などと紹介した。
小田原代表は「最近は全国でさまざまな特殊詐欺が発生しているので注意していただきたい。一人で悩まずに周りの方々に相談してほしい」と語った。
新型コロナワクチン詐欺に関する相談は、独立行政法人国民生活センターの消費者ホットライン(電話0120・797・188)で受け付けている。
(2021年3月18日付紙面より)
第35回勝浦バドミントン大会
グラウンドゴルフ「春季大会」 (ニュータウン友愛クラブ )
来週から、医療従事者に接種開始 (新宮市 )
都道府県が実施する、新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が全国で始まっている。新宮・東牟婁地方では12日午前、195バイアル(1箱、975人分)が新宮市立医療センターに到着。ワクチンは今後、那智勝浦町立温泉病院、くしもと町立病院に配分される。
ファイザー製ワクチンは、先月12日に輸入第1便として、最大38万6100回(19万3050人)分が到着。21日の第2便では最大45万2790回(22万6395人)分、今月1日の第3便で最大52万6500回(26万3250人)分が国内に届いた。
和歌山県では今月6日、3900回分が県内11病院に到着し、8日に接種が始まった。市立医療センターでは17日(水)から19日(金)にかけて、医師・看護師・技術スタッフなど同センター職員に接種を行っていく予定だ。
12日、河野太郎行政改革担当相は会見で、6月までに計約1億回分(約5千万人分)のワクチンを調達できるとの見通しを表明した。欧州連合(EU)の承認が得られれば、5月に毎週9188箱、最大約1千万回分が日本に到着し、全ての高齢者約3600万人分を6月末までに市区町村に届けるなどの方針を示した。
今後のスケジュールによると、15日(月)に360箱が日本に到着。医療従事者分のワクチンについて、5月10日の週に対象者全てが2回接種できる量の配送が完了するという。
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4月中旬から高齢者への接種が始まる新型コロナワクチン。和歌山県では、16日(火)に相談窓口を開設し、ワクチンの効果や副反応に係る相談などに対応していく。相談は電話(073・441・2593)もしくはFAX(073・431・1800)で応じる。受付時間は土・日・祝日含む午前9時~午後6時。接種券、接種場所、接種時期などについては各市町村に問い合わせる。
(2021年3月14日付紙面より)
ICOCAもエリア拡大 (JR西日本 )
春のダイヤ改正に伴い13日、JRきのくに線・紀伊田辺―新宮駅間に新型車両227系が導入された=写真。同車両には車載型IC改札機が搭載。これにより、県内全域でICOCA(イコカ)が使用できるようになった。
同車両は、アーバンネットワーク共通のインテリアデザインを採用。客室には間接光を組み合わせたLED照明を用いるなど落ち着いた車内空間となっている。2019年春のダイヤ改正により近畿圏に初投入。和歌山線・桜井線、きのくに線の一部に導入された。和歌山県と奈良県では、文化・歴史・自然の奥深さを表現した緑色が配されている。
同日午前6時53分、第1便が新宮駅を出発。駅のホームには新型車両を写真に収めようとスマートフォンや一眼レフを手にした鉄道ファンの姿が見られた。
ICOCAが新たに使えるようになるのは同区間で21駅。ICOCA、ICOCA定期券が利用できる。また、ICOCA以外の全国相互利用対象ICカード乗車券も使うことができる。
(2021年3月14日付紙面より)
フラット7紀宝バイパス店で2人展 (紀宝町 )
アフリカを代表する現代アートでタンザニア発祥の「ティンガティンガ」。現地でその芸術を学んだ2人のアーティストによる作品展が14日まで、紀宝町神内の紀宝バイパス沿いにある「フラット7紀宝バイパス店」で開かれている。入場無料で、時間は午前10時30分から午後5時まで。14日午後1時30分からはピアノに作品を描くという。
出品したアーティストは、SHOGEN(上田祥玄)さん(34)と御浜町立阿田和小学校6年のHARUKA(細川悠花)さん(12)。赤、青、黄、緑、白、黒の6色の外壁用油性ペンキを用いて描いた35点を展示した。
ティンガティンガは、1960年代末に生まれた絵画スタイル。サバンナの動物や豊かな自然、人々の暮らしを6色のペンキを使って、色鮮やかに描き出す。
SHOGENさんは京都の雑貨店で出会ったティンガティンガに魅了され、その日のうちにタンザニア行きのチケットを購入。2014年7月から約1年間、現地で生活しながら修行を積んだ。現地で、タンザニア政府にパトカーを寄贈したHARUKAさんの父と知り合い、帰国した翌年、小学1年のHARUKAさんと出会った。
「ティンガティンガは人の背中を押してくれるアート。コロナ禍だからこそ見てほしい。タンザニアの人たちと同じ生活をしたHARUKAさんにも会いに来てほしい」。
HARUKAさんもティンガティンガに心を引かれ、小学4年の夏休みに2週間ほどタンザニアで学んだ。帰国後、初めて描いた「草原の中の夢」や、未来を意味するスワヒリ語の「baadaye」と題してヒマワリを描いた作品など27点を出品。「ヒマワリは太陽に向いて咲くので、前を向くイメージで描いた。ティンガティンガは自分が思ったときに好きな動物などを描けるので好き」と話していた。
(2021年3月14日付紙面より)
全国一斉放水に「はくりゅう」参加 (那智勝浦町 )
新型コロナウイルス感染症と闘う全ての人にエールを送ろうと、消防艇による全国一斉放水が7日午後2時から、全国23消防本部の各地域で行われた。那智勝浦町の勝浦漁港内では、県内で唯一消防艇を有する町消防本部(湯川辰也消防長)と町消防団(下地将仁団長)が消防艇「はくりゅう」で放水を実施。約10分間の放水に、コロナ収束と応援の思いを込めた。
初となった全国一斉放水は神戸市の提案によるもので、「コロナ禍において、ともにコロナを乗り越える勇気と希望を全国に発信する」ことが目的で消防艇のある各消防本部に呼び掛けたという。
賛同した同町消防本部らはコロナ感染拡大防止の観点から参加者を必要最少人数6人にとどめるとともに、多くの人々が集まらないように放水の実施も広報しなかった。
湯川消防長は「無事終了して感慨深いものがある。本来なら多くの方々に見ていただきたかったが今回は感染防止のため仕方なかった」。
町民に対しては「火災予防はもちろん、感染予防にも注意を払っていただけましたら幸いです」と語った。
(2021年3月9日付紙面より)
「さくら山」で80人が作業 (熊野さくらの会 )
NPO法人熊野さくらの会(田尾友児代表)は7日、紀宝町鮒田の林道浅里北桧杖線沿い標高500㍍の山林で19回目となる植樹祭を開催。三重、和歌山両県から参加した約80人がクマノザクラの苗木300本を植えた。
サクラの植樹を通じて、誰もが癒やされる「さくら山」作りに取り組んでおり、これまでヤマザクラやカンヒザクラなど約50種5080本を植樹。2月下旬にはカワヅザクラ、3月以降にダイカンザクラ、コヒガンザクラ、エドヒガン、ヤマザクラなどが咲く。
クマノザクラは紀伊半島南部に自生し、2018(平成30)年には約100年ぶりに新種と確認された。会では3年前からクマノザクラのみを植樹しており、今回で計630本となった。
参加者は20㌶の広大な山林で1・5㍍前後に育った苗木を約8㍍間隔で植え、鹿による食害を防ぐために保護用ネットも取り付けた。友達と参加した森隆喜君(相野谷小5年)は「初めて参加して、午前中で7本植えた。咲いたら見に来たい」と話し、元気いっぱい作業した。
今回はクマノザクラの看板も設置し、田尾代表は「クマノザクラを植樹するようになって参加者が増えた。活動を通してさくら山とクマノザクラを知ってもらえれば」と語っていた。
(2021年3月9日付紙面より)
潮岬で第8回フェスタ (南紀熊野ジオパーク )
第8回南紀熊野ジオパークフェスタが6日、串本町潮岬にある同パークセンターであった。今回はコロナ禍の情勢を鑑み、オンライン配信を交えた形での実施。記念講演や各種展示などで同パークを軸とした地質振興などに取り組んだ。
同パーク推進協議会と環境省近畿地方環境事務所主催。吉野熊野国立公園とその中にある同パークの関係諸活動への理解を促し、持続可能な地域づくりに資する目的で年1回開いている。通常は関係諸団体も参加し幅広い交流の機会を設けるが、今回は両主催の行事のみとし代替として様子をオンライン配信する内容で実施の準備を進めてきた。
同協議会関係行事は午後1時から開始。主催者を代表して県環境生活部の田中一寿部長があいさつをし、本年度同パークフォトコンテスト最優秀賞表彰式の上映を経てオンラインによる記念講演やジオパークガイドの交流を実施した。
記念講演の講師は早稲田大学教授の高木秀雄さん、演題は「南紀熊野ジオパークで体験する日本列島のジオの特徴―付加体、火山、そして地震―」。高木さんは同パークや日本の国土の地質学的な特徴を振り返り、プレート運動に伴う付加体の成因や火山活動(熊野カルデラ)の経緯の解説を受け、同パークエリアの大地の成り立ちの実感を伝えた。
高木さんは同運動には地震が伴うことにも注目し、南海~東海を震源とする地震の発生史が物語るように同運動の長大な時間の流れの中で繰り返し起こる状況を示唆。被災した先人が残した記録を後世へ受け継ぐ大切さを掲げるなどして、来る地震への意識を喚起した。
ガイドの交流は黒潮でつながる各地のジオパークガイドとオンラインで語らう内容で、南紀熊野ジオパークガイドの会会長の上野一夫さんがコロナ禍における活動状況を報告し、以降類する内容などで情報交換を重ねた。
同事務所関係行事は午前10時から午後4時まで実施。内容は同公園と北山村筏(いかだ)流しの資料展示による啓発で、後者は実物の観光筏を同センター駐車場へ展示し筏師らスタッフ自ら利用推進を願ってアピールに努めた。
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■配信した内容は約1週間視聴可
同センターでの実施は当日限りだが、オンライン配信した内容などは同センター公式ホームページで13日(土)ごろまで視聴できる状態にするという。
(2021年3月9日付紙面より)
少年少女発明クラブ閉講式 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は6日、新宮市役所別館で3月講座「プログラミング的思考について学ぼう」と閉講式を開いた。市内の小学生会員14人が近畿大学附属新宮高校・中学校で非常勤講師を務める廣里恵梨香さんからプログラミングの仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
この日は同中スーパーサイエンス部の生徒3人がサポート役で参加した。講座で廣里さんは「脳で命令を出して体を動かす人間とは違い、決められたことを指令通り動作を行うのがプログラミングです」と説明。使用する教材の解説を受けた後、子どもたちは部品を組み合わせ▽部屋が明るいときだけ、LEDモジュールが光る▽拍手をするとモーターが動く―などの課題に取り組んだ。
後半には応用で思い思いの装置を作り、テーブルごとに発表した。最後に廣里さんは「周囲には電化製品やパソコンなど、プログラミングされた機械がたくさんある。講座を通じて指示を受けると動く設定があることを改めて理解し、楽しさを知ってください」と呼び掛けた。
講座後には閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「今年は、予定していた講座がコロナ禍でできなくなってしまい非常に残念でしたが、何とか閉講を迎えることができた。来年度も、ぜひ参加してください」とあいさつした。
村上空君(神倉小6年)は「2年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。次からは参加できなくて寂しいけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。
(2021年3月9日付紙面より)
新宮ラグビーフットボールクラブ (進め!!青春 )
沖縄琉球空手オンライン国際大会 (松林流和歌山教室 )
太地町は4日、町公民館で三軒一高町長や幹部職員らが会見を開き、令和3年度当初予算案を発表した。新年度の一般会計は36億3352万9000円で前年度より9億899万5000円(33・4%)増となった。
予算案では昨年度に引き続き新型コロナウイルス感染拡大防止対策事業を実施しながら、地域振興に取り組み、まちづくりを進めていく方針だ。
本年度は(仮称)国際鯨類施設(以後、同施設)の本工事に着手。同施設は鉄骨造一部木造(一部2階建)で、敷地面積が2万3854平方㍍、延べ床面積が1895・46平方㍍。令和3年5月に工事発注し、翌4年3月に完成予定。同年10月から業務を開始する見込み。
町では同施設を拠点として、鯨類研究の先進地を目指すとともにクジラ文化を継承し、新たなクジラとの関わり方を示していくという。
三軒町長は同施設について、町が目指す30年計画の中核となる施設と主張。完成後は国際会議開催も視野に入れているとし、「住民も入ることのできる環境に配慮した施設にしたい」と語った。
そのほか▽ごみ処理を外部委託し運営方法が変わる清掃センター改修整備事業▽駅前広場整備事業▽町営じゅんかんバスとフリー乗降バスの車両購入▽コロナワクチン接種などの予防接種事業―などを盛り込んでいる。
予算案は10日(水)開会の町議会に上程する。
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大型事業の財源として県支出金、町債が大幅に増額。県補助金は同施設建設に係る補助金5億円の計上などで、前年度比558・4%増の5億9713万1000円となった。町債は同施設や清掃センターの整備に係る大型事業により、4億6290万円(前年度比75・4%)増の10億7650万円。
町税は前年度並みの2億781万3000円で、国庫支出金は1億3700万2000円(同44・3%)減の1億7199万8000円となった。これは前年度の冷凍施設建設に係る事業補助金の計上が要因。町税などの自主財源は18・68%(6億7875万円)、地方交付税などの依存財源は81・32%(29億5477万9000円)。
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歳出全体を占める投資的経費の割合が43・8%と最も多く、前年度と比較して7億9516万7000円(同99・6%)増の15億9337万6000円となった。主な事業として総務関連で同施設整備事業、森浦湾周辺整備事業、駅前広場整備工事などで、町内の移動手段確保のためのじゅんかんバスの車両購入事業を計上。
衛生関連では清掃センター整備事業、水道事業会計では配水管敷設工事の一般会計負担分の出資金、農林水産関連では太地漁港機能保全事業や向嶋船揚場改修工事。商工関係では夏山園地整備事業を行う。さらに、インフラ整備などの事業も実施する。
(2021年3月6日付紙面より)
事業者有志らが田岡市長に提出 (新宮市 )
新宮市の事業者有志らは4日、新宮市役所を訪れ、新型コロナウイルス感染症拡大で影響を受けた困窮事業者に対して支援を要望する嘆願書を提出した。集まった嘆願書は305件。運転代行南紀の山縣真二代表と山崎酒店の山﨑聡光代表取締役から嘆願書を受け取った田岡実千年市長は「厳しい現状を改めて理解した。現実を重く受け止めたい」と述べた。
新型コロナウイルス感染症収束のめどが立たない現状において、国や県、各自治体は給付金や補助制度などの対策を講じているものの、長引くコロナ禍で多くの事業者が売上減や遠のく客足に悲鳴を上げている。
また、「第3波」の襲来や緊急事態宣言の再発出、新宮保健所管内や近隣自治体の感染者確認などの影響で、県民・市民に対する不要不急の往来や宿泊、集団での飲食などの自粛が継続して喚起されている。
市では消費の拡大を図ることを目的に、昨年から今年2月にかけて「新型コロナウイルス感染症対策プレミアム付共通商品券」を発行したが、購入者数は市民の約62%にとどまっている。
嘆願書は、苦境にあえぐ飲食業界や観光関連事業者、その関連事業者をはじめとした各業種の小売店事業者などに対し、事業継続と従業員の雇用を守るために市独自の支援金の給付による支援の早期実施を求めるもの。
この日、嘆願書を届けた有志4人は、持続化給付金の要件である「前年同月比で事業収入が50%以上減少した月があること」に該当しない事業者が多い現状を報告。「30、40%の売上減少は深刻な水準。コロナの情勢が落ち着くまでの間、しのげるかに関わってくる」と訴えた。
また、プレミアム付共通商品券について「本当に困窮している人は購入も困難」「使用期限最終日には駆け込み消費による市内の活性化が見られた。使用期間を短縮しては」などと意見。「今は真綿で首を絞められている状態。長引けばもたない人は多くいる。市の財政も厳しいと思うが、早急な支援を」と求めた。
田岡市長は「多くの人の悩みの声を頂いた。嘆願書の一人一人の名前に目を通し、どこまでできるか分からないが施策を検討していきたい」と伝えた。
(2021年3月6日付紙面より)
オンライン授業で3校児童 (古座川町 )
古座川町立の3小学校で1日、同時参加のオンライン授業があり2012年ロンドンオリンピック男子400㍍ハードル出場選手・舘野哲也さんからじかに体育指導を受ける機会を得た。
同町観光協会が教育支援として、昨年12月実施の中学生対象授業「JALによるキャリア教育」と対で同町教育委員会へ提案した小学生対象授業を活用した取り組み。
当初は舘野さんに来町してもらう方向で調整を進めてきたが、新型コロナウイルス感染症拡大の第3波や、それに伴う緊急事態宣言の発令で実現の機会が得られず。他方、コロナ対策の一環で整備急進中のオンライン教育環境を活用すれば対面に近い形で授業ができるのではと考え、その方向で調整を詰め直した。
導入して間もない最新鋭の電子黒板をモニターとして使い、ウェブ会議システムで高池小の4年生と5年生、明神小と三尾川(みとがわ)小の全校児童がそれぞれの学校から同授業に参加。モニター越しで舘野さんとじかにコミュニケーションを取りながら45分間、運動をするときに意識すると良い事柄を実際に運動して実感しながら教わるなどした。
中学校対象授業もオンライン授業の形を取ったが、この時は同時参加ではなく学校ごとの実施で、パソコンを液晶テレビにつないで画面を拡大。今回はさらに大画面で見やすい電子黒板を用い、同システムで複数校が同時参加できる状況とするなど、オンライン授業環境を駆使するノウハウを積み上げつつトップアスリートとじかに接する経験を児童へ届ける形となった。
(2021年3月6日付紙面より)
役場1階に窓口を設置 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は5日、役場1階会議室(期日前投票時に使用する場所)に町民を対象とした「新型コロナウイルスワクチン接種相談窓口」を開設した。ワクチン接種について電話または直接、相談ができる。月~金曜日の平日午前9時から午後5時まで。祝日は除く。
同町は1月18日に福祉課、総務課、町立温泉病院、町消防本部で構成される「新型コロナウイルスワクチン接種対策室」を組織。これまでに3回会議を開き、各課の情報共有やワクチン接種に関する検討や確認を行ってきた。
今回設置した相談窓口では▽町民が抱えるワクチンについての疑問や不安の解消▽予約の受付について▽開始時期―などワクチンに関する全般の相談を、直接または電話で応じる。
同町によると、現時点での接種時期は未確定だが、4月下旬からの実施を予定しているという。接種方法は体育文化会館での集団接種や各医院(町立温泉病院含む)での個別接種が検討されており、準備が整い次第、町民に広報していくとしている。
榎本直子福祉課長は「ワクチン接種について不安や疑問があれば電話やご来庁の際にお気軽にご相談ください。接種のスケジュールが決まり次第、順次お知らせいたします」と話している。
ワクチン接種に関する問い合わせは相談窓口(電話0735・29・6137)まで。
(2021年3月6日付紙面より)