職員ら消火栓操作など学ぶ (新宮市 )
新宮市は24日、10月3日(日)のオープンに向けて工事が進む「丹鶴ホール」の開館準備作業の一環として、同市消防本部駐車場でホールに関わる市職員らを対象に、消火器や屋内消火栓の使用訓練を実施した。訓練はこの日と28日(月)の2回に分けて行われ、初日は文化振興課5人、市立図書館職員6人の計11人が参加し、初期消火の重要性などを学んだ。
訓練は施設の来館者が安心安全に利用できるように、勤務する職員全員が消火設備の使用方法を習熟し、初期消火を適切に行うことが目的。
参加者ははじめにDVDで消火器や屋内消火栓の使用方法を確認。その後、二手に分かれて水消火器の使用訓練と屋内消火栓を実際に操作しての放水訓練に取り組んだ。
同消防本部予防課の温井太郎さんはホールに設置されている屋内消火栓について、広範囲型2号消火栓でホース長さは30㍍、有効放射は約7㍍と説明した。
「消火器で消せない火災は屋内消火栓で対応し、初期消火に努めていただけたら。ホールが使用可能になれば実際の設備で確認してもらいたい」と話した。
訓練に参加した図書館勤務の薮田喜子さんは「自分自身が火災を発見した際、しっかりと対応できるように日頃からの訓練が必要だと思う。今日学んだことの復習もやっていきたい」。
文化振興課の宮上圭巨(みやがみ・よしなお)課長補佐は「初期消火の重要性を改めて実感した。開館までに設備の習熟度を上げ、来館者の皆さまの安心につなげていきたい」と語った。
(2021年6月26日付紙面より)
「社明運動」メッセージを伝達 (那智勝浦町 )
7月1日(木)から始まる第71回「社会を明るくする運動」強調月間を前に24日、那智勝浦町役場町長室で菅義偉内閣総理大臣と仁坂吉伸和歌山県知事からのメッセージ伝達式があった。
牟婁保護司会那智勝浦町分会の山東寛分会長、理事の引地一夫さん、石井康夫さんが訪問し、山東分会長がそれぞれのメッセージを堀順一郎町長に伝えた。
社明運動は「犯罪や非行を防止し、立ち直りを支える地域のチカラ」をスローガンに犯罪や非行の防止、罪を犯した人たちの更生への理解を深め、力を合わせ明るい社会を築こうとする全国的な活動。
菅内閣総理大臣からは新型コロナウイルス感染症によるさまざまな困難克服には支え合う人の絆やコミュニティーの存在が大切とし、「犯罪のない明るい地域社会づくりに取り組む決意のしるしである「幸福(しあわせ)の黄色い羽根」の下、さまざまな分野から、若い世代を含め多くの方々が本運動にご参加いただきますようにご協力をお願いいたします」。
仁坂知事からは「運動の趣旨を十分ご理解いただき、人々が抱える『生きづらさ』を地域の皆で共有し、そして『生きづらさ』を和らげるコミュニティーの輪を大きく広げる運動となるよう一層のご協力をお願いいたします」とメッセージが送られた。
伝達を受けた堀町長は「県の刑法犯認知件数は減少しているが、再犯率が高いこともあり、町としてもさまざまな対策が必要だと感じた。町民の皆さまの安全が確保できる町にしたい。私も先頭に立って進めていきたい」と述べた。
山東分会長は「那智勝浦町さまに運動を知っていただけたことで町での啓発につながる。堀町長からも意見を頂き、今後の観察などに生かしていきたい」と話した。
例年は強調月間中に町内のJR各駅などで街頭啓発を行うが、コロナ感染防止の観点から昨年同様、中止となった。しかし、青少年の健全育成のために新宮警察署や保護司会、町青少年センターと共に町内のコンビニ8店を訪問し、啓発活動を行うという。
(2021年6月26日付紙面より)
星空案内人資格認定講座 (和歌山県熊野南紀連盟 )
一般社団法人和歌山県熊野南紀連盟(吉田俊久理事長)主催の星空案内人資格認定講座が24日、串本町サンゴ台にあるホテル&リゾーツ和歌山串本を初日の会場として始まった。4日間をかけて学び同資格認定制度運営機構の準案内人認定を目指す内容。主に県南部の観光関係者30人が受講登録し、知識の習得に励んでいる。
同連盟は、県域のリゾート化を見据え努力を惜しまず進む人材の連合体として昨年、旧・和歌山宙ツーリズム推進協議会からの発展団体として発足。実動の第一歩として県南部の「宙(そら)」を観光資源として活用する星空案内人の育成を位置づけていて、その具体化策がこの日始まった同講座となる。
実施に先だって3月26日に串本町と白浜町で事前説明会「星空案内人・中島修氏(株式会社日本旅行宇宙事業推進チーム)を迎える会」を開き、目指す実動への理解を県南部へ広げた。その上で18歳以上を対象に同講座への参加を呼び掛け、30人の受講登録を得て開講するに至った。
感染症予防対策を講じての実施で、開講日は同日と25日、28日(月)と29日(火)の4日間。会場は串本町(24、25日)、白浜町(28日)、すさみ町(29日)でそれぞれ得る形とし、30人は会場を巡りながら受講実績と認定に要する知識の習得に臨む流れとなっている。
講師陣は和歌山大学講師の佐藤祐介さんと富田晃彦さん、みさと天文台台長の山内千里さん、同社星空案内人の木原美智子さんと中島さん。中島さんは地域独自講座「宇宙開発の歴史と世界情勢」「ロケット・人工衛星の基礎知識」を担当し、スペースポート紀伊が打ち上げる小型ロケット「カイロス」への対応力を培うという。
受講生の一人、古座川町商工会の佃奈津代会長は同連盟の趣旨に感心し日頃の星空好きもあって受講登録したそうで、講義内容について「面白い」と興味津々のコメント。佃会長に受講を推奨した同連盟の北尾浩士事務局長は「このメンバーと一緒に同連盟の第一歩を踏み出してイベントを試み、今までに無い連携を構築できたら」と後の展開に意気込んでいる。
同社によると、県内での同講座実施は和歌山大学に続き2例目。同連盟は今回の受講登録を観光関係者に制限する一方で一般受講の問い合わせもあったそうで、北尾事務局長は「潜在的な盛り上がりを感じる」と手応えを語り、この取り組みを足掛かりにした今までに無い広域連携の構築にも思いを巡らせている。
(2021年6月26日付紙面より)
光洋中学校の前期生徒会 (新宮市 )
新宮市立光洋中学校の前期生徒会(貝岐優会長)によるJR紀伊佐野駅の清掃活動が25日朝、スタートした。生徒会メンバー4人とボランティア7人が参加し、駅周辺のたばこの吸い殻などのごみを拾った。
本年度から企画した取り組みで「市から全部のごみをなくす」ことが目標。生徒会メンバー以外の生徒や教職員にも校内放送で参加を呼び掛けて実施した。
生徒たちは午前7時20分に集合し、新翔高校や近畿大学附属新宮高校に通学する生徒たちとあいさつを交わしながら、火ばさみとバケツを持ってごみを拾った。一番多かったごみはたばこの吸い殻で、菓子の包装紙やおもちゃなどもあった。
貝岐会長は「みんなきれいに駅を使っているので、思ったよりもごみが少なかった」と振り返り、参加した生徒に「今日はありがとうございました。少しでも町をきれいにできるよう、頑張っていきましょう」と話した。
生徒会は今後も毎月最終金曜日に清掃活動を続けていく。
(2021年6月26日付紙面より)
【第36回】食育の目的を決めよう①
6月は食育月間。ということで先日クックパッドが、食育に関する調査を行いました。すると、95%以上の人が食育に関心があるのに、実際は60%の人ができていないと答えています。私は、これはあくまでできていないと思っている人の数だと認識しています。できていない!と感じる理由は、1位が知識がない、2位が時間がない、3位がそもそものやり方が分からない、でした。「食育には関心があるけど、私にはできないな…」と考えている方が多いようです。
実は食育には知識も時間も必要ないのですが、そのやり方は、目的によって少し違ってきます。お子さんに食育を行いたいと思っている方は、何を目的にするかを、決めたほうがいいと思います。
「健康的な食生活を送ってほしい」「安全安心なものを食べさせたい」「健やかに育てたい」「食の知識を付けてほしい」「マナーを教えたい」「一流の味覚を育てたい」食育と一言に言っても、その考えは家庭の数だけあると思います。今回はその目的別の方法を簡単にお伝えしようと思います。
例えば、「健康的な食生活」を目標とする場合、日頃の食卓で「野菜もたくさん食べてね」「これは旬だから栄養があるよ」「今日は野菜が少なめだから、明日は野菜をたくさん取ろうね」こんな会話で十分養えます。知識をあれこれ話すより、何気ない日常の会話で伝えるだけで十分なのです。献立を考えたプロセスを教えてあげるのでもいいし、一緒に考えるのもいいと思います。こういった意識してほしいところを、日常的に伝えることで、子どもたちも将来気を付けるようになります。
「安心安全なものを」と考える方には、あまり神経質になりすぎないことをお勧めします。今市販に出回っているものは、添加物も厳重に管理されているので口にしても健康に害はありません。大切なのは、どんなものも取りすぎないようにすることです。それは添加物に限ったことではありません。脂質や糖分、塩分もそうです。その点だけを気を付けてあげれば、食育はできているんです! 揚げ物が続かないようにする。塩や砂糖を控えめにする。ジャンクフードばかり食べない。これだって、立派な食育です。
こういった食育をするとき、ただ、一点気を付けてほしいのは、そうして意識していることを、お子さんに伝えるということです。見えないキッチンで、親が勝手に配慮して実践するのではなく「昨日は揚げ物だったから、今日は煮物」「最近甘い味付けが多かったから、今日はあっさり味」などと、口にして説明してあげてほしいのです。そうすることで、子どもたちの中にその意識が育まれます。さらに、これらの食育には、食知識や食意識とは違う作用も生まれます。
今回は二つの目的に沿った食育法をご紹介しました。次回は、残り四つの目的についてお伝えしようと思います。
(2021年6月26日付紙面より)
新宮LCが「丹鶴ホール」に寄贈 (新宮市 )
新宮ライオンズクラブ(新宮LC、村尾久彦会長)はこのたび、市文化複合施設「丹鶴ホール」に電子案内表示板4台を寄贈した。22日には村尾会長ら6人が市役所を訪れ、田岡実千年市長に目録を贈呈した。
10月3日の開館を目指し、工事が進む丹鶴ホール。今月中に建物が、7月中には外構が完成する予定となっている。
電子案内板は、同施設の予約システムと連動しており、当日開催するイベント内容や施設の予約状況、各種お知らせを表示することができるもの。市文化振興課によると、災害時における防災情報や避難情報の表示も今後可能になるという。
設置場所は北側出入り口、ホール出入り口付近(1階)、熊野ロビー付近(2階)、図書館出入り口付近(4階)を予定しており、施設利用者の利便性向上を図ることができる。
寄贈物は▽液晶テレビ(4K、55型)▽ディスプレイスタンド▽専用メディアプレーヤー―各4台と付属機器。完成とオープンに向け同施設への寄贈を考えていた村尾会長が、速水盛康教育長との話し合いの中で寄贈内容を決定した。
寄贈式に出席した速水教育長は「利便性が高く、皆さんに施設をご利用いただく中で必要」。田岡市長は「予約状況や開催イベントをリアルに案内できる電子案内板は有効。ありがたい」とそれぞれ感謝を示した。
村尾会長は「施設の建設にはさまざまな意見があった。しかし施設がない中、いろいろな団体が他自治体の施設を借りて会議やイベントを実施している。個人的には当地域の中心である新宮市に施設ができてほしいという思いがあった」。
新宮LCのロゴが入った寄贈品は同クラブの活動PRにもつながると期待を込め「(実物を見たら)想像していたよりも大きい。施設を利用する人のためになれば」と話していた。
(2021年6月23日付紙面より)
2年ぶりにプール授業始まる (紀宝町 )
紀宝町立成川小学校(大藤伸之校長、児童47人)で21日、プール授業が始まり、児童たちが初泳ぎを楽しんだ。昨年は新型コロナウイルス対策のため水泳授業が行われなかったが、今年は今月中に町内の各小学校で開始し、感染対策を講じながら7月中旬まで続くという。
成川小では1、2年生計16人が初めての水泳に挑んだ。水泳授業のルールを学んだ後、水着に着替えた児童たちは準備運動を済ませてプールへ。2人一組で手をつないで水の中を歩き回った。
梅雨晴れとなったこの日は気温25度を超え、早くも夏本番のような歓声に包まれた。児童たちは水しぶきを上げながら「楽しい」「気持ち良い」と笑顔を見せていた。
大藤校長は「例年より期間は短いが、児童の命を守る授業として開始した。今日は全学年で開始し、今後は水泳も取り入れていく」と話していた。
各校では週に3回程度、水泳授業に取り組むが、夏休みのプール開放は行わないという。
(2021年6月23日付紙面より)
CGS部調理班がレシピ開発 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(左近晴久校長)のCGS部調理班(森陽翔班長、班員8人)が21日、目下開発中のレシピ「ロケットラーメン(仮称)」の試作と試食に取り組んだ。
長引くコロナ禍の情勢で同部本来の活動(高校生による地域包括的支援)がし難い中、将来につながる何かをしようと考えパンや焼きそばなど複数の挑戦案の中からラーメン作りを選んで動き始めた同班。1年生の班員4人が加わった本年度から本格的にレシピ開発を始め、週2回の活動で試作や意見聴取も重ねながら取り組んできた。
序盤は味が決まらず苦労の連続だったが、めげずに家族やインターネットから知恵を仕入れ、顧問の一人で家庭科担当の岡本淳子教諭らの助言も得ながら前進。その過程に同部全体の関心事となっている小型ロケットの要素反映や調理班がこだわる地元食材活用が加わり、独自レシピ「ロケットラーメン(仮称)」の方向性が定まったという。
スープには鶏がらと串本町特産のトビウオにちなんであごだし(味を調えるためにぼしを若干ブレンド)を使用。コストを抑えるため自分たちで麺を打ち、具材には古座川町産ジビエのチャーシュー(猪(いのしし)肉)と黒ニンニク・ユズ入りソーセージ(鹿肉)、煮卵とネギを選んでいる。
ソーセージは長ネギの白い部分の芯を抜いて皮の代用にし、一方を縛り他方は縛らない工夫で小型ロケットを模した形にしている。チャーシューは橋杭岩、煮卵は半分に切って満月として飾り付け、前述した要素を反映した一杯を仕上げた。
進路選択を控える3年生の班員4人にとって、この日が最後の試作の機会。この内容を基に現時点でのレシピを完成させ、1年生4人に託して活動を締めくくるという。
今後の動きは同日現在未定で、岡本教諭は何らかの形で販売へこぎ着けて地域包括的支援を達成する筋道を思い描く。同部の部長でもある森班長(3年)は「自分の中では一番の味に仕上がった。完成したレシピを活用してほしいが、このまま販売を目指すか縛られずさらに改良するかは1年生に任せる。自分たちらしく頑張るためのベースをこの2カ月余りで作れた」とこの挑戦を振り返り、道半ばの地域包括的支援の思いを1年生の班員に引き継いだ。
(2021年6月23日付紙面より)
未成年の喫煙防止に尽力 (那智勝浦町 )
和歌山県たばこ商業協同組合紀南支部(塩崎伸一支部長)は17日、那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場やにぎわい市場周辺で清掃活動に取り組んだ。会員17人が参加し、新型コロナウイルス感染症予防を行いながら景観美化に汗を流した。
同組合は和歌山本部、紀北支部、紀中支部、紀南支部から構成され、各支部でさまざまな活動を展開している。本紙エリアでは紀南支部の女性部(大谷敏子部長)を中心に、たばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼び掛けを目的に活動。1997年度から清掃が行われており、今年で24年目を迎え、年間約20回のペースで取り組んでいる。
会員たちがそろいのベストを身に着け、のぼりを掲げながらたばこの吸い殻や紙くず、ペットボトルなどのごみを拾い集めていた。
大谷部長は「『たばこ組合はこういった活動もしているんだ』と知っていただけたらありがたい。これからも会員の皆さんで町をきれいにしていきたい」。
7月1日(木)から毎年実施している未成年者の喫煙防止を呼び掛ける「未成年者喫煙防止強化月間」については、「未成年者がたばこを買いに来ることは少なくなったが、今後も店頭での年齢確認などには力を入れていく」と話した。
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■たばこ税について
たばこの価格には、国たばこ税、地方たばこ税、たばこ特別税、消費税の税金が含まれている。一般的な紙巻きたばこでは、税負担率が6割に達するなど最も税負担率の重い商品の一つ。
たばこ税は年間約2兆円の貴重な財源となっており、地方財政においても年間約1兆円の一般財源としてさまざまな場面で活用されている。
2020年度の府県たばこ税では和歌山県が10億2528万2000円で、田辺市5億3830万円、新宮市2億1382万8000円、那智勝浦町1億1900万9000円、太地町396万8000円、古座川町440万8000円、北山村117万8000円、串本町1億1553万9000円だった。
同組合では各店舗に税額を記入したステッカーを自動販売機やスタンド灰皿に貼り付け、周知している。
(2021年6月23日付紙面より)
紹介兼ね、使い方指導 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の町体育文化会館にこのほど、津波避難タワー(階段)が完成した。20日には施設の紹介を兼ねた開錠指導などがあり、勝浦サッカースポーツ少年団の団員や保護者らが参加。避難方法を学びつつ施設の竣功を祝った。
和歌山県が示す津波浸水想定において、東海・東南海・南海3連動地震で約1・7㍍、南海トラフ巨大地震で約7㍍の浸水深が想定される同地域。
避難タワーは、同会館や併設の木戸浦グラウンドの津波避難対策として整備。鉄骨造で高さ8・5㍍、階段部分除く面積は400平方㍍(同会館屋上部分)で、約800人を収容できる。会館2階部分に階段につながるドアが設置されているため、屋内からの避難も可能だ。
昨年11月10日から着工し今年3月末に完成。事業費は約5450万円で国の緊急防災減災事業債を活用している。
新型コロナウイルスの感染状況を見定めつつ施設紹介の機会を得たこの日、堀順一郎町長は日頃から木戸浦グラウンドで練習をしている同少年団員らを前に「近い将来、大きい地震や津波が発生する恐れがあります。指導者の指示の下、高い所に逃げてください。遊んでいるときでもどこに逃げたらいいのかを考え、普段から家族の人とも話し合っておいてほしい」と呼び掛けた。
その後、町職員が参加者らに避難タワーの開門方法を指導。子どもらがそれに倣い、実践をもって開錠方法を学んだ。
嶋田太洋君(勝浦小4)は「カバーが少し固かったけど簡単に開けることができた。練習中に地震が起こってもすぐに逃げられそう」。
同少年団監督の藤社祐樹さんは「グラウンドは海に近く、これまでは那智中が避難場所だった。子どもたちを避難させるために少しでも近い場所にできたので安心」と話していた。
(2021年6月22日付紙面より)
合同で避難所設営訓練 (相野谷中 )
本年度最初の土曜授業があった19日、紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長、生徒25人)は学校体育館で「人権・防災学習」を実施。全校生徒が相野谷小学校の5、6年生22人、地区自主防災会、地域住民、保護者らと避難所設営訓練に取り組んだ。
相野谷中は地域とのつながりや命の大切さを実感することを目的に、本年度は「災害と人権」をテーマに防災学習を推進。この日は、地域の一員としての自覚を持ってもらおうと合同で訓練した。
佐藤校長が「この地域にとって若い皆さんの行動は大きな役割を果たす。災害が発生した際、皆さんは地域の一員として活動してほしい」と呼び掛けた後、児童生徒らは5グループに分かれて訓練を開始した。
新型コロナウイルスの影響で、避難所では密を避ける、間仕切り板を設置するなど感染対策を講じる必要があるため、町が用意した簡易パーティションと木製ベッド、テントを組み立てた。
児童生徒が協力して組み立て手順を覚え、同中生徒会長の田中楓君(3年)は「最初は難しかったけど、慣れたら簡単にできた。災害が起こったら役に立てるよう、これからも努力したい」と話していた。
10年前の紀伊半島大水害では体育館が避難所になり約180人が避難。設営から運営まで地元の自主防災組織が協力した。災害を経験した地域だからこそ、今回の訓練を通して、地域の将来を担う児童生徒の心に「自分たちの地域は自分たちで守る」といった意識が芽生えたことだろう。
(2021年6月22日付紙面より)
教員など対象に優先接種 (古座川町 )
古座川町が18日、同町川口にある明神診療所を会場にして町内の教員や保育士などを対象にした新型コロナウイルスワクチンの優先接種を始めた。
この接種は保育所職員、学校教職員、学童保育所職員、スクールバス運転手、子育て支援センター職員を対象とし、同日現在で約90人が希望。教育委員会教育課からその数の報告を受けた健康福祉課は18日組、25日(金)組、7月2日(金)組に各30人程度を割り振って順次進め、3週間後の2回目接種を7月26日(月)で完了する計画で日時を伝えているという。
18日組は午後3時30分から同町保健福祉センター2階で受け付けと予診をし、同診療所で岡地英紀医師による問診を受け承諾を得てその場で1回目の接種に臨んだ。以降15分程度の経過観察をして終了。三尾川(みとがわ)小学校の前田知香教諭(36)は「自分が子どもにうつしてしまい親や家族にまで広めてしまわないか、ずっと心配しながら今まで過ごしてきた。優先接種していただけて本当にありがたく、ほっとしています」と安堵(あんど)して語った。
この接種は、西前啓市町長が高齢者や子どもを守るためにかねて「優先」と思いを巡らせてきたそう。同課の巽寿久課長は「一般集団接種(12~64歳対象)のめどもつき、その前にと教育委員会に希望者の報告をいただき、保健所にも相談に乗ってもらいながら場を整えた」と話し、高齢者集団接種の第3組(今月23~25日に1回目接種)も残る多忙な中でも惜しまず協力を了解してくれた岡地医師に感謝した。
(2021年6月22日付紙面より)
自然探訪スクール開講 (新宮市 )
熊野学研究委員会自然部会(瀧野秀二部会長)と新宮市教育委員会主催の第38回自然探訪スクールが20日、開講した。20人が参加し、熊野川総合開発センターでの開校式の後、近くの「田んぼ水族館」でトンボの観察会を楽しんだ。
美しいふるさとの自然に触れ親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で毎年開催している。
瀧野部会長は「今年で38年目を迎える取り組み。今年もできるだけ野外で、いろんな生き物や自然、星空に触れ、観察や体験を楽しんでほしい」とあいさつした。
田んぼ水族館では、参加者たちが盛んに飛び回って縄張り争いをするトンボを捕まえ、講師の南敏行さんらが種類や雄雌を同定。ハラビロトンボやシオカラトンボが多数捕獲された他、和歌山県レッドデータリストで準絶滅危惧種になっているモートンイトトンボやオオイトトンボ、成虫の姿で越冬するホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボなど貴重な種が発見された。
南さんは「和歌山県には約90種のトンボがおり、田んぼ水族館では1992年~2020年に45種が見つかっている。今回発見されたのは13種類でしたが、季節が変われば別のトンボも現れてくる」と語った。
次回は7月25日(日)午前9時30分~正午、「高田川のいきもの」をテーマに生物観察をする。参加費は1講座500円。申し込み、問い合わせは市教育委員会文化振興課(電話0735・23・3368)まで。締め切りは7月21日(水)。
(2021年6月22日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
全国高校野球選手権和歌山大会
近畿高校レスリング選手権大会 (新宮高校 )
消防署が水難救助訓練 (新宮市 )
海水浴など水辺でのレジャーシーズンに向けて新宮消防署(垣内一男署長)は15日、新宮市三輪崎の三輪崎漁港で水難救助訓練を実施した。同署警防隊20人が溺者救出方法などを再確認した。
訓練は毎年この時季に行われている。今年は釣り人が誤って海中に転落し、「意識なし、呼吸あり」「意識あり、けがなし」の2人を想定し救助訓練を行った。
署員らははしごや滑車、クレーン、水難救助用担架などを使用し、指揮者の指示を受けて安全管理を徹底した上で救助に当たった。
堀切学副署長は「しっかりと声を出して動きが良く、連携も取れていた。しっかりと意識を深め、いい訓練でした」と評価。レジャーシーズンの到来に対して「コロナ禍で、例年よりは少ないですが、一年を通して当地方を訪れる方たちもおり度々、水難事故が発生しています。私たちとしては訓練を通して任務分担の明確化や情報収集、迅速な救助活動など、各部隊との連携をより深めて任務に努めていきたい」と述べた。
また、海だけでなく川においての事故にも注意を促し、熊野川には多くの支流があることから、ダムの放水状況の確認や気象状況にも注意することが大事とし「せっかくのレジャーシーズン。事故のないよう、楽しんでいただければ」と呼び掛けた。
昨年度中に市内で発生した水難事故は1件。昨年に続き、新型コロナウイルス感染症拡大予防の観点から三輪崎海水浴場、高田自然プールともに、開設については現在未定となっている。
(2021年6月16日付紙面より)
太田小で「命の授業」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立太田小学校(上地巳奈子校長、児童20人)で11日、「命の授業」があった。全校児童が2グループに分かれて、同町でかづこ助産院を営む本舘千子(もとだて・かづこ)院長から、赤ちゃんが生まれるまでの過程や命の大切さを学んだ。
本舘院長は串本町から紀宝町までのさまざまな教育現場で、命の大切さや心と体のケア、科学的根拠に基づいた多角的な知識を学ぶ「包括的性教育」の必要性を伝えている。
5、6年生9人の授業では、本舘院長が子どもたちに小さな穴の開いたハートの折り紙を手渡し「これは命が始まった瞬間の大きさです。数字にすると0・12㍉あります」と説明。生まれるまでに約10カ月かかり、母親の胎内で成長して身長約50㌢、体重約3㌔になる過程を教えた。
赤ちゃんが生まれてくる方法については「自然分娩(ぶんべん)」と「帝王切開」の2種類があると述べ「母子の命が危険な場合には、無事を願いながら帝王切開でおなかを切ることもある」と伝えた。
本舘院長は、器のような女性の骨盤から赤ちゃんが自力で回りながら出ようとする動きを模型で解説。「赤ちゃんは自分の力で考えて生まれる。出産予定日なども赤ちゃんが決めます。『生まれる』は素晴らしくてすごいこと。全員が経験しています」と語った。
約3㌔の人形で赤ちゃんの重さを体験する時間もあり、児童たちは「結構重たい」「かわいい」などと声を上げながら順番に抱っこしていった。最後に本舘院長は、これから訪れる思春期について「大きくなるまでの道のりは、つり橋を渡るようなもの。滑り落ちそうになっている友達がいれば、手を差し伸べて助けてあげてくださいね」と呼び掛けた。
仲地主琉(しゅり)君(6年)は「0・12㍉から命が始まって大きくなる段階に改めて驚きました。人同士が助け合いながら成長していくことが大事だと思った」と話していた。
(2021年6月16日付紙面より)
警防班単位で水難救助訓練 (串本町消防本部 )
串本町消防本部(寺島正彦消防長)の本年度水難救助訓練が14日から始まった。この訓練は警防班単位で計画し実践することとしていて、この日は串本消防署第2警防班(森下貴司班長)が同町くじ野川にある橋杭ビーチで溺者2人を想定し取り組むなどした。
水域でのレジャーが活発化する時季を前に日頃培っている技術を確かめ、水難事故発生時における迅速かつ的確な発揮を目指す同訓練。長大な海岸線や河川流域を有し、相応に水難が起こりやすく対処力が求められる管内環境への意識を高く保つ狙いも含めて例年実施している。
この日は森下班長ら班員13人が同訓練に臨んだ。橋杭海水浴場の中ほどで2人が溺れ、うち1人が海底に沈んでいるという想定で始め、潜水隊員が急行して要救助者を確保、救助隊員が救命索発射銃で沈んでいない1人を浜へ引き寄せ、潜水隊員が引き揚げた1人を救難艇(エンジン付きゴムボート)へ乗せて最寄りの浜まで運んで救急隊員が引き継いだ。各隊員には想定のみが伝えられ、以降は現場の状況を見て必要な活動を判断する本番同様の状況で目的の達成を目指した。
想定訓練のほか、潜水隊が捜索時に用いるロープ等の資材準備やエンジンが使えない場所での救難艇の操船(オールを使用)などの訓練項目も実施。森下班長は「救難艇の操船訓練は月1回取り組んでいるが、今回のような訓練は普段はなかなかない機会。隊員にとって身になる活動になったと思う」と総括した。
同訓練の様子を見守った井本茂署長は、隊員がもろもろの訓練の成果を生かして活動する状況を今後に期待。他の警防班の訓練日時は同日現在未定で、それぞれに内容を決めて臨むという。
(2021年6月16日付紙面より)
浮島の森で大規模作業 (新宮市 )
新宮市浮島の国指定天然記念物「新宮藺沢(いのそ)浮島植物群落」(浮島の森)で14、15の両日、スゲ属の植物「カサスゲ」の除去作業が行われた。業者が参加しての大規模除去作業は今回が初めてという。
カサスゲは湿地や池の浅い所に生育し、1㍍もの高さに成長する大型スゲの代表的なもの。かつてはすげがさやみのなど、さまざまな民具に利用された。
除去作業には、2011年の紀伊半島大水害以降に同所で繁殖している外来種の水草「アマゾントチカガミ」の存在も大きく影響している。
カサスゲが増えることによって水の流れが停滞し、アマゾントチカガミの生育を助長。カサスゲ、アマゾントチカガミ共に腐食することにより水質の悪化や水温の上昇に影響を与える場合があるという。
作業に立ち会った市文化振興課の小林高太主任によると、これまでも職員やボランティア有志によって除去作業を行っていたが、植物の生育スピードに追い付かなかったことから、夏を前に大規模除去作業に踏み切った。
14日の作業には業者8人が同所の池で鎌などを手にカサスゲを除去し重機を使って搬出。約5時間の作業で約6㌧を除去した。カサスゲの除去後は、随時アマゾントチカガミの除去作業も実施していく予定だ。
多種多様な生き物が観測される浮島の森では、外来種のブラックバスやミシシッピアカミミガメの存在も確認されている。昨年8月には、水温の高さが原因として考えられている「アカマクミドリムシ」が大発生。池の水面を赤く染めた。
(2021年6月16日付紙面より)
県高校総体団体、個人で (弓道競技 )
県高校総体で好成績 (新宮高校レスリング部 )
県内行進、新宮市で最終日 (国民平和大行進 )
原水爆禁止和歌山県平和行進実行委員会は、核兵器廃絶を訴えながら被爆地広島・長崎を目指す「国民平和大行進2021」を実施している。5月7日に橋本市から始まった県内の日程は2日をもって終了。今後は三重県に引き継がれ、8月4日(水)に広島県の広島平和記念公園に、6日(金)に長崎県の平和公園に到着する。
広島と長崎に原爆が投下されて76年目。2017年7月、国連総会で賛成122、反対1の大差で核兵器禁止条約が採択され今年1月22日、50カ国を超える国々の参加で国際法となった。
平和大行進は1958年6月、たった1人の行動から始まった。現在では全都道府県および8割以上の自治体を通過し、毎年10万人の人々が参加する国民的行動となった。
条約発効後初となった今年の平和行進。新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、昨年に引き続き従来通りの集会と行進を中止。核兵器のない平和な世界への願いを署名とペナントに託し、各自治体を宣伝カーでつないだ。ペナントは8月9日(月・振休)の原水爆禁止世界大会終了後に、長崎平和公園・爆心地に奉納される予定。
2日に那智勝浦町役場前で行われた見送り式では、地元の実行委員を代表して玉石晃久さんが「皆さまの熱意で核兵器廃止条約に参加していただきたい」。堀順一郎町長は「世界ではさまざまなところで紛争が起きている。地球上の人間全てが平和で豊かに過ごせるようになっていかなくてはいけない」。
和歌山県最終日の2日、新宮市では、市役所駐車場で田岡実千年市長が「世界の各地では武力による紛争がいまだ絶えず、今なお地球上には人類を絶滅させるほどの大量の核兵器が蓄積・配備されている。唯一の被爆国であるわが国の果たすべき役割は極めて重要」。
原水爆禁止世界大会の成功を目指す平和行進参加者の行動を支持するとし「ともに力を合わせ、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向かって前進したい」と激励。宣伝カーを見送った。
日本は核兵器禁止条約に対し参加も批准もしていない。原水爆禁止国民平和大行進中央実行委員会では「世界の平和、アジアでも非核平和のためにリードできるよう条約に参加すべき」と呼び掛けている。
(2021年6月4日付紙面より)
土砂災害啓発センターで特別展 (那智勝浦町 )
那智勝浦町市野々の和歌山県土砂災害啓発センターでは、国土交通省が定める土砂災害防止月間である1日から30日(水)まで特別企画展を実施しており、命を守るためにいち早い避難の啓発や危険区域把握の周知を図っている。
土砂災害防止月間は住民が自分の命を守るべく、「みんなで防ごう土砂災害」をスローガンに、防災知識の普及や避難訓練などの催しを実施し、土砂災害による人命、財産を守ることを目的とした月間。1982(昭和57)年7月に長崎県長崎市を中心に大きな被害を発生させた「昭和57年7月豪雨」(長崎大水害)が契機だという。また、1~7日(月)まではがけ崩れ防災週間になっている。
センターによる特別展は昨年から始まった。今年は2011年9月に発生した紀伊半島大水害から10年の節目の年でもあるため、水害に関連するパネルが並んでいる。
そのほか、土砂災害の実例や解説をしたものや、先月から避難勧告が廃止となり、避難指示に一本化されるなど変更があった「避難情報」の詳細が分かるパネル、新宮・東牟婁の各市町村が作成するハザードマップなどの展示もある。
新宮市が提供した「紀伊半島大水害豪雨~平成23年台風12号、新宮市映像の記録~」などの動画も公開されている。
坂口隆紀所長は「雨の多い時季になり、土砂災害の発生が懸念されることを知ってもらえれば。パネルや町のハザードマップで自分の住む町の特徴などを理解し災害時に役立ててほしい。早めの避難を心掛けていただきたい」と話した。
問い合わせは同センター(電話0735・29・7531)まで。
(2021年6月4日付紙面より)
地域おこし協力隊着任 (古座川町 )
古座川町が1日、片岡紗梨さん(32)に地域おこし協力隊隊員を委嘱した。七川ふるさとづくり協議会(下山隆正会長)で活動することになっていて、片岡さんは「住民の困り事と向かい合い、そしてまちのすてきなものを発信していろいろな方が訪れるよう、微力ながら頑張りたい」と意気込んでいる。
片岡さんは東京都品川区出身で、販売職としての経験を持つ。林業従事を志す夫と共に夫の祖父母が暮らす同町へ移住することを決め、その折に同町が隊員募集をしていることを知って志願した。
着任に先駆けて町内へ移住し、同協議会の下見も経験済み。佐田の桜が今までに見たことがないほどきれいで驚いたことや、すでに何度か足を運んだ同協議会事務所(旧夏目商店)に集まって和気あいあいと過ごす住民の姿を印象的に感じながら、着任の日を目指してきたという。
委嘱した西前啓市町長は七川地区の人口規模や高齢化の状況、地区の同協議会への期待などを伝え、地域になじみ任期後に住み続けることも含めて取り組むことを希望。片岡さんは「笑顔と元気で頑張ります」と応えて、隊員としての第一歩を踏み出した。
同協議会への隊員配置は現在、昨年10月着任の横溝秀文さん、谷井麻美さんと片岡さんの3人体制。下山会長は「プロジェクトに基づいて活動した前年度までの3年間で、憩いの場所となる事務所など今後の振興の基礎をつくった。若者や観光客を引き込む上で事務所は極力開けておきたいが、隊員2人では難しいので町に3人目の募集をお願いした」と増員の経緯を語り、「片岡さんには接客の得意を生かして力を入れてもらい、3人がそれぞれ個性を生かしたチームワークで頑張ってもらいたい」と念願だった3人体制の今後を期待した。
片岡さんの任期は同日から令和3年度末まで。同隊制度は町と人材双方の合意により最長2回契約更新できる。同日現在の町内の隊員数は片岡さんを含め計7人(同協議会3人、観光協会3人、古座川ジビエ山の光工房1人)となっている。
(2021年6月4日付紙面より)
駅舎竣工式でお披露目 (太地町 )
太地町は5月31日、太地駅の駅舎防災複合施設の竣工(しゅんこう)式を開き、駅敷地内に設置したセミクジラをモチーフにした青色のご当地ポストのお披露目を行った。町の玄関口に設置した町内3基目となるポストで、「クジラの町 太地町」をPRしていく方針だ。
地域の特色を示したご当地ポストは全国にも多数存在し、本紙エリア内ではJR那智駅に黄色のポスト、熊野本宮大社に「八咫(やた)ポスト」がある。
同町ではこれまでに、町立くじらの博物館(林克紀館長)前と道の駅「たいじ」(〆谷(しめたに)和豊駅長)敷地内にポストを設置。観光客などに人気の撮影スポットとなっているという。
地域振興や観光資源化などを目的に、日本郵便と連携して町が寄付する形で設置に至っている。
ポストは2基と同様、地元で活動するクジラの造形愛好家らで組織される「ホエール・アート・ミュージアム」の山門基秀さん、前芝真人さん、石田一勝さんらが製作した。
山門さんは「町の玄関口にふさわしいものを作らせていただいた。暗い話題でなく、ポストを通じて太地では面白いことをやっていると思っていただけたらうれしい。今後も町内にポストを増やしていけたら」と話した。
太地郵便局の小河則行局長は「ブルーは『クジラの町太地の海』をイメージしている。これまでの2基も撮影スポットやSNS(会員制交流サイト)で好評だった。観光資源の一つとして、一人でも多くの方々にPRして太地町を訪れていただけたらありがたいです」と語った。
駅近くに設置されていた壁掛け型のポストは新ポストのお披露目に合わせ撤去された。
式典後には、駅前の国道を車で走行していたドライバーがポストの存在に気付き、スマートフォンで撮影する姿が見られた。
(2021年6月4日付紙面より)
高田川などに太公望
熊野地方の熊野川や古座川流域などで1日、アユ漁が解禁された。この日を待ちわびていた太公望が夜明けとともに釣り糸を垂らした。昨年に続き、新型コロナウイルスの影響で解禁日の延期や中止が心配されたが、例年通り実施された。
熊野川漁業協同組合は4月に大塔川450㌔、四村川450㌔、赤木川上流200㌔、高田川150㌔、三越川100㌔など、熊野川の各支流にアユの稚魚計1350㌔放流した。組合は「今年の天然遡上(そじょう)は平均並みのようです」と話している。
新宮市の高田川に釣り仲間3人と訪れた大石光二さん(35)=同市三輪崎=は「この日が来るのを楽しみにしていました。午前5時半ごろから2時間で17~18㌢のアユが約20匹釣れた。予想以上に釣果が良く、驚いています。しっかり新型コロナの対策を取った上で、アユ釣りを満喫したいと思います」と話していた。
(2021年6月2日付紙面より)
ボランティア有志が清掃活動 (環境ファースト連合会 )
環境ファースト連合会(椋野玲史会長)は5月30日、新宮市の王子ヶ浜海岸で清掃活動を実施した。連合会に所属する「紀伊半島の海亀を守る会」(榎本晴光会長)を中心に、会員ら約30人が海岸約2㌔の範囲にわたって、流木やプラスチックごみなどの撤去作業に汗を流した。
5月30日は「ご(5)み(3)ゼロ(0)の日」。1982年に関東地方知事会関東地方環境対策推進本部空き缶等問題推進委員会が提唱した「関東地方環境美化運動の日」に由来する。93年には、厚生省(当時)が制定した「ごみ減量化推進週間」の初日に設定され、近年でもこの日に合わせ、全国的に清掃活動が展開されている。
数あるごみ問題の中でも「海洋ごみ」は深刻化する問題であり世界的な課題だ。絶滅危惧種・アカウミガメが上陸する数少ない海岸の一つである王子ヶ浜においても、降雨後には膨大な数の流木やプラスチックなどが海岸に流れ着き、ウミガメの上陸や産卵に大きな影響を与えている。
アカウミガメと卵を保護し、海に帰すボランティア活動を展開する同守る会は、本格的なアカウミガメの出産シーズンを前に、毎年この時季に大規模清掃を実施している。
清掃には連合会(新宮市王子ヶ浜を守る会、紀伊半島環境保護推進協議会、鮒田の環境を守る会、さかさ川をきれいにする会、相野谷川水辺の環境を守る会、山地地区と六部海岸の環境を守る会)の有志らが参加。重機4台も出動し、約3時間の撤去作業を実施した。
今季、同浜では20日にアカウミガメの初上陸と98個の産卵を確認。以降も上陸はあったものの、産卵には至らなかったという。
榎本会長は「ごみゼロの日でお日柄もよく、天候にも恵まれた」を汗を拭いつつ「ごみが多いとウミガメの上陸・産卵に影響が出る。大きな流木などは人間にとっても危ない。清掃は必要で大事なこと。行政にも協力してもらえれば」と話していた。
(2021年6月2日付紙面より)
串本町や古座川町を進行 (国民平和大行進 )
串本町や古座川町で5月31日、原水爆禁止国民平和大行進2021の宣伝カーが進行した。感染症予防のため昨年に続き今年も集会や行進は休止。自治体懇談と宣伝カーによるアピールがあり、串本町では町職員や原水爆禁止串本町協議会(藤田勝彦会長)の会員らが集まり同カーを送り出した。
核兵器廃絶を訴えながら原水爆禁止世界大会が開かれる広島県や長崎県を目指して進行する同行進。11幹線コースのうち、和歌山―広島コースは同月7日に橋本市を出発し31日に東牟婁入りした状況となっている。
この日は直前に自治体懇談をして両町長から署名入りの賛同ペナントを預かり午後3時に古座川町役場前、午後5時に串本町役場本庁前を出発した。串本町では宣伝カー前面に掲げたコース横断幕とともに進行する原水爆禁止和歌山県協議会の里﨑正事務局長があいさつし、同町は第五福竜丸建造の地であり県内で先駆けて核兵器に関する意見書を町議会が提出するなど平和への関心が高い地域とたたえつつ、送り出しに感謝した。
同カーは行進を先導しないことで得た機動力を生かして例年より広範にアピールを届けるなどした。以降は太地町・那智勝浦町方面へ進行。コース横断幕を三重県へ引き継ぎ、8日から紀宝町を起点にして県内進行が始まるという。
(2021年6月2日付紙面より)
コロナ対策講じ、10日まで (太地町立くじらの博物館 )
太地町の町立くじらの博物館は、飼育するクジラの歯磨きを1日から一般公開した。「歯と口の健康週間」にちなんだイベントで10日(木)まで実施している。
催しはクジラの歯磨きによって歯と口の衛生の普及啓発を行うことと、食性の違いから種類によって数や大きさなどクジラの歯の特徴が異なることを知ってもらうことが目的。
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から町立太地こども園の園児の招待を中止したが、今年は対策を万全に行い招待した。
クジラショー後にオキゴンドウとハナゴンドウ、コビレゴンドウの3頭の歯磨きを行った。職員のサポートを受ける中、代表園児がクジラの歯磨きに取り組んだ。
同園くじら組の小出勝太君は「クジラの口は大きかったし、歯が白かった。僕は一日3回歯磨きしています。これからも歯磨き頑張ります」と元気いっぱいコメントした。
稲森大樹副館長(36)は「歯と口の健康を考えていただき、毎日の歯磨きを呼び掛けるとともに、同じクジラでも食性によって歯の生え方が違うなどの特徴も知っていただけたら」。
来場者に対しては「これまでと同様に感染症対策を講じながらお客さまには安全にご利用いただけるように運営に取り組んでいきたい」と語った。
同館は先日、新型コロナウイルス感染予防対策を行う施設などに対し、和歌山県が認証マークを交付する「感染症予防対策認証施設」に認められたという。
歯磨きはクジラショー後の午前10時30分、午後0時30分、午後2時30分の1日3回、10分程度を予定。問い合わせは同館(電話0735・59・2400)まで。
(2021年6月2日付紙面より)