保津川下り事故を受け (熊野川川舟センター )
京都「保津川下り」での事故発生を受け、同じく「熊野川舟下り」などを行う新宮市熊野川町田長(たなご)の「熊野川川舟センター」でも29日、安全装備の再確認が行われた。乗客用のライフジャケット(救命胴衣)に異常がないか点検するなどして、安全運航に向けて気を引き締めた。
保津川下り事故は28日、京都府亀岡市を流れる保津川(通称)で、乗客など29人を乗せた川舟が転覆したもの。乗客は全員救助されたが、船頭1人が死亡、1人が行方不明となっている(30日午前10時現在)。船頭の操船ミスが原因と発表されている。
熊野川舟下りは、(一財)熊野川町ふれあい公社(下阪殖保代表理事)が運営。同センターがある道の駅瀞峡街道熊野川から、熊野速玉大社横の権現川原までの約16㌔を、川舟で下る。船頭1人と語り部1人も乗船。1回の乗客は9人ほどとしており、川の状況によってはさらに減らしている。
同センター職員の大濵考之さんによると、まず保津川と熊野川では、同じ川舟下りでもコースの状況が違うという。保津川は急流なのに対し、熊野川は穏やか。三重県紀宝町浅里の飛雪の滝前辺りに1カ所だけ、流れが急な場所があるが、当然そこは最大限の注意を払い通過しているとのこと。
ライフジャケットは、全乗客に乗船前からの着用を義務付け、確認もしている。船頭と語り部も着用。また水位に関しては、相賀に観測地点があり、そこの基準から1・5㍍を超えたら運航を中止することを、国土交通省に届け出ている。実際にはそれ以前に、危険を感じたら中止するようにしているという。
また、川舟は同センターより下流の桧杖に停泊しており、川舟下りを行う際にさかのぼって回送している。その際に、流れの速さや風の強さ、コースの異常などを、船頭が体感で確認。不安があると判断したら中止と決めている。大濵さんは「お客さんの安全を確保できるよう、ますます気を引き締めて、運航に取り組みたい」と話した。
なお、川舟下りの予約は3月、4月、5月と多く、まだ実数比較で確認はしていないものの、コロナ禍前と同じくらいではないかと感じているという。特に外国人の予約件数が多い傾向があるとのこと。
(2023年3月31日付紙面より)
小野道夫さんが記念講演 (太田地区老人クラブ連合会 )
那智勝浦町の太田地区老人クラブ連合会(石橋徹一会長)は27日、町立太田小学校体育館で、第1回記念講演「健康寿命を延ばす方法」を実施した。医学博士の小野道夫さんが講師を務め、平均寿命と健康寿命の違い、町の統計と現状分析、予防医学から終末期医療まで幸福な人生を目指すなどの内容で講演。来場した約80人は健康寿命について学びを深めた。
地域の課題である健康寿命について、会員の学びの場の創出を目的に、石橋会長が小野さんに依頼。今回の実施に至ったという。
来賓の堀順一郎町長が「貴重な講演になることを祈念しております」。
町老人クラブ連合会の峰武久会長が「培ってきた知識をどう地域に還元できるかが重要。講演が楽しみ」とあいさつ。
太田地区区長連合会の大江清一会長が「石橋会長を中心に、皆さまの協力で開催に至った。感謝している」と述べた。
小野さんは1976年に東京医科歯科大学卒業後、東京大学脳神経外科学教室へ入局し、博士号を取得。ブラジルやアルゼンチン、ザンビアで脳神経外科の診療や教育に取り組む。ボランティアで途上国医療支援にも尽力してきた。現在は、串本町の「からし種在宅クリニック」で認知症専門外来に従事している。
小野さんは▽私たちの人生はバラ色か?▽病気と治療の現状、そして私たちは?▽病気治療以外で健康寿命を延ばせるか?▽「健康寿命」と「幸福な人生」とは?▽「幸福な人生」を実現するには?―の五つをテーマに講演。
同町の65歳以上の人口が6100人を超え、要支援を含む要介護者数は1295人、生活自立者数は4886人と報告。全国的にも、自宅で最後まで生活できる人は少なく、病院で死亡している人が多いとした。
高齢で生活が変化することで、社会参加や外出などの機会が減少すると指摘。要介護の原因となる認知症や脳梗塞、心身が虚弱状態となるフレイルなどに触れ、食生活や運動などの生活習慣で予防できると訴えた。
認知症の種類や治療方法も解説。超高齢化や認知症治療の歴史が浅いため、医師教育も十分ではないことを明かした。
治療と介護の目標について「家族や周りが困っている症状を治す」「変化した人格を元に戻す」「居心地のいい家庭や町をつくる」を挙げた。
小野さんは「困り事を話し合い、解決することが大切。思いやりと笑顔のある家庭やご近所では、認知症は悪化しにくい」と締めくくった。
石橋会長は「講演を通して、健康寿命を延ばす糧にしてほしい。そうすることで、介護福祉の費用を、子育てやその支援に還元できると考えています」と話していた。
(2023年3月31日付紙面より)
認知症予防活動を初実施 (くしもと町立病院 )
くしもと町立病院地域連携室が24日、同病院の中庭で認知症予防活動を初実施し、まだ認知症ではない対象者10人が意識を高める第一歩を踏み出すきっかけとした。
この活動は、県MCI高齢者居場所づくり支援事業の一環として実施。MCIは加齢に伴って起こる軽度認知障害の略称で、この段階から予防に努めて認知症への進行を抑えるために同室は社会参加と交流を図ることを考え、▽体操▽花植え▽茶話会―を組み合わせた内容を計画して参加を呼びかけた。
対象者は60歳以上で介護保険の利用がなく自立生活を続けていて定期的にこの活動をする意欲がある人。初の実施に当たり医師でもある竹村司・病院事業管理者は「少しのもの忘れや分からない状況は長く生きたことの勲章。その年齢以降は五感で好きなことを感じ楽しむで良いと思う」と語りかけて緊張をほぐし、同室と対象者の第一歩に明るい弾みをつけた。
体操は同病院の理学療法士・岸尾俊尚さんが担当。花植えは同室職員と対象者が2組に分かれて取り組み、幅約180㌢、奥行き約70㌢、深さ約30㌢の足付き木製プランターいっぱいに花の苗を寄せ植えするなどして仕上げた。以降は茶菓を交えて談笑するひとときを過ごした。
仕上がったプランターは中庭に据えたままにし、歩行訓練などで利用する患者らに春の花盛りとして楽しんでもらうという。全体進行を担当した同病院の認知症看護認定看護師・寺島真由美さんは「この教室の狙いは認知症予防、ただ一点」とぶれのない気持ちをコメント。「県の事業としての実施は今回限りだが、(参加対象の条件としている)定期的に取り組む意欲に応えるため次年度以降は町の事業としてこの活動を継続したい」と意気込みを語った。
(2023年3月31日付紙面より)
令和4年度専修学校・各種学校優秀卒業生市長表彰式が29日、新宮市役所であった。2校の5人(うち2人は代理)が田岡実千年市長から表彰を受け、さらなる努力を誓った。
新宮市が毎年実施している。表彰されるのは、新宮市井の沢の萩原きもの総合学院(萩原真理学院長)の4人と、新宮市千穂の新宮料理学院(西嶋正彦学院長)の1人だった。萩原きもの総合学院の2人が代理出席だった。田岡市長が一人ずつ、表彰状を手渡した。
田岡市長はあいさつで、優秀卒業生を祝福。「習得した技能や資格は、これからの人生で必ず生かされ役立つことでしょう。これを契機にさらに研さんされ、素晴らしい人生を歩まれることを切望します」と語った。和歌山県専修学校・各種学校協会の坂本順一会長も祝辞を述べた。
これを受け、萩原きもの総合学院の前川まりいさんが謝辞。「表彰を賜ったことは身に余る光栄。認めていただけたのは、先生方や皆さんの指導と励ましのおかげ。受賞に恥じないよう、頑張る所存。皆さんのご指導をお願いします」と話した。
(2023年3月31日付紙面より)
第188回職場対抗ボウリング大会
王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式 (新宮市 )
新宮市消防本部で24日、令和4年度「王子ヶ浜少年消防クラブ卒団式」があった。クラブ員第10期となる市立王子ヶ浜小学校6年生14人が、市幼少年婦人防火委員会会長(垣内一男消防長)代理の古根川喜一・市消防本部予防課長から表彰状や記念品を受け取った。
同クラブは、地域や家庭における防火防災を図るため、同小6年の少年少女により組織。火災予防など防火について学習し、正しい防火・防災知識を身に付けるとともに、活動を通して規則正しい明るく元気な少年少女に育つことを目的に結成された。
本年度、同クラブには14人が入部した。はしご車乗車体験や消火器取り扱い、心肺蘇生法、人権学習など、10回にわたり防火防災に関する知識の習得に取り組んできた。
卒団する子どもたちを前に、古根川課長は「中学生になっても地震や火事などについて勉強すると思いますが積極的に取り組んでほしい。大人になった時、まちの防災リーダーになってくれることを願っています」とこれまでの活動をねぎらった。
「先生」として子どもたちの指導に当たった、予防課の亀井剣太さんは「皆さん、元気に頑張ってくれた。学んだことを忘れずに今後に生かしてほしい。皆さんが将来、地域防災の担い手になってくれることを期待しています」と言葉をかけた。
(2023年3月26日付紙面より)
和高教講演会で岩出雅之さん (新宮市 )
和歌山県高等学校教職員組合(和高教)第5支部は21日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で教育文化のつどい講演会を開いた。県立新宮高校出身で、帝京大学ラグビー部前監督の岩出雅之さんが「平成生まれの子育て論~教えすぎない~」を演題に講話。約200人が聴講した。
和高教は、高等学校の教職員による労働組合。労働条件向上のほか、子どもたちが幸せに生きるための教育を目指し活動している。「教育文化のつどい」は生徒や地域住民を対象に35年以上前から展開。これまで元プロ野球選手や政治家、歌手など多彩なゲストを迎え、コンサートや講演会を開催してきた。
郷土が生んだラグビー界の名将・岩出さん。1958年、新宮市に生まれ、監督として帝京大学を大学選手権10回の優勝に導いた。現在は同大学スポーツ局長やスポーツ医科学センター教授を務める。著書に「負けない作法」「逆境を楽しむ力」などがある。
岩出さんは「幸せの定義を持っているといい結果が生まれてくる」と述べ「青年期の若者との向き合い方」「自律型人材が育つ組織づくり」を柱に、自ら学び成長する心を導くマネジメント論を展開した。
「発言」や「行動」は「思考」がつくると定義し「自分とは何者か、どう生きるか。自分との向き合い方を考えることが大事」。Z世代の若者への関わり方について▽自律▽目的▽可能性―を若者が納得する基本ポイントとし、「分かる」「好奇心」「自律心」「やる気」が「考える力」を養うための基本要因であるとした。
自己効力感、前向きな肯定感を高めていく関わり方が重要と述べ「思う存分力を出し切れる人の集まりにいかにしていくかが必要」。「理解できているつもり」は実は「理解できていない」ことであるとし、内省のステップを紹介。「振り返り、行動や結果に加えて前提に気付かせる。思い込みに気付くことが新しい考え方や取り組みにつながる」と話した。
自律型人材をつくる組織づくりについて「経験学習により考える力が高まる。精神的余裕のある組織づくり、幸せを感じる組織づくりも大事」と話し、脱体育会構造・環境改革は多様な価値観からのイノベーションや思いやりの文化づくりに好影響を及ぼしたと説明。
何でも言い合える関係性のためには誠実さと対話が重要とし「応答・対話をやめないことが責任を果たすということ」。同大学の教え子らに対し「苦しさや悔しさなどを財産にして、次のステージに向かってくれると思う」とエールを送った。
(2023年3月26日付紙面より)
熊野大花火大会に向け試し打ち (熊野市 )
熊野市は24日夜、「熊野大花火大会」に向けて、木本町の鬼ヶ城などから花火の試し打ちをした。新型コロナウイルスの影響で、市の一大イベント熊野大花火が3年連続で中止となっていたが、今年は8月17日の開催に向けて準備を進めており、4月上旬に決定する予定だという。
市観光協会の中平孝之会長は「3年連続で熊野大花火が開催できていない。大花火の原点は精霊供養。これまで規模を縮小して供養花火は続けてきたが、本格的に御霊(みたま)をしっかり供養したい」と話していた。
試し打ちには、地元熊野市の和田煙火店をはじめ、伊藤煙火工業(亀山市)、紀州煙火(和歌山県有田川町)が参加。3~7号玉の160発の花火を打ち上げ、漆黒の夜空を鮮やかに染めた。
浜辺には一目見ようと、多くの見物客が詰めかけ、熊野大花火大会の4年ぶりの復活を心待ちにしていた。
(2023年3月26日付紙面より)
2羽が休耕田で羽休める (那智勝浦町 )
那智勝浦町中里の休耕田付近に22日、2羽のコウノトリが飛来した。2羽のコウノトリは場所を少しずつ移動し、餌をついばんでいた。
コウノトリは、日本の代表的な大型水鳥で、国の特別天然記念物。国際自然保護連合(IUCN)によって、絶滅危惧種に指定される国際的にも希少な鳥だ。
体長は約110㌢で、翼を開くと200㌢にも及ぶという。河川や湿地、水田などで、魚類やカエルなどの小動物を補食する。近年、同町では毎年のように、目撃されている。
コウノトリを保護増殖し、科学の理論に基づき野生復帰を実践している兵庫県のコウノトリの郷に、2羽の足環の特徴を伝えたところ、2歳の雌と3歳の雄であることが判明した。どちらも徳島県で足環を装着した個体だという。
担当者は「休耕田などは敵も少なく、安心して食事ができるのだと思う。2羽でいるからといって、必ずしもつがいではない」と話していた。
偶然、コウノトリを発見したという町内在住の男性は「見るのは2度目。羽を休める姿がかわいらしい」と笑顔で語った。
(2023年3月26日付紙面より)
6社招き、FAMツアー (新宮市 )
新宮市は14、15の両日、市内各所でインバウンドFAM(ファム)ツアーを実施した。東京や大阪の旅行会社6社から6人が参加。ガイドらと共に名所を巡りアクティビティーを体験。観光資源やその魅力を発見する機会とした。
FAMツアー(トリップ)はモニターツアーの一種。国や自治体などが観光誘致を目的に、旅行会社やメディアなどに現地視察してもらい、観光客目線で実際に体験したツアーやサービスを発信してもらう狙いがある。
入国制限の緩和や、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を見据え、インバウンドの誘客に力を入れる同市ではこのたび、今後の旅行商品造成のきっかけづくりや、新たな観光コンテンツを体験してもらおうと、訪日外国人を取り扱う旅行会社を招待するに至った。
ツアーに参加したのは▽㈱リベルタ▽G Adventures▽INTO Japan▽ジャパンリンクストラベル▽㈱JTBグローバルマーケティング&トラベル▽㈱HIS―の6社。
1日目14日は、ガイドの福辻京子さんらの案内を受けながら、一行はEバイク(電動アシスト自転車)で熊野速玉大社や神倉神社、阿須賀神社へ。このほどリニューアルした熊野速玉大社神宝館見学や絵解きを通して、同市の文化的魅力に触れた。
15日は大雲取越や高野坂のトレッキング、熊野川川舟下り、スイーツ巡りなどを通して、自然や歴史などを楽しんだ。
ツアーに参加した「INTO Japan」のツアーコンサルタントで英国人のダニエル・リッチーズさんは「神話や伝説、祭りなどローカルでユニークなカルチャーを通して日本の文化や自然に触れられて素晴らしいと感じた。和歌山県も新宮市も、海外の人にはあまり知られていないのでこの機会を利用して広めていきたい」と笑顔で語った。
なお、コロナ禍前の2018年には、9112人の訪日外国人が同市(熊野川町含む)を訪れた。22年は新型コロナウイルスの影響で1406人にまで落ち込んだが、入国制限の緩和に伴い、訪日外国人数は徐々に増加しているという。
(2023年3月16日付紙面より)
下小防災伝え隊が発表 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で14日、6年生9人による発表「下小防災伝え隊~みんなが助かるために、わたしたちにできることって?~」があった。全校児童や地域住民が参加し、防災について学んだ。
6年生は本年度、役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話や修学旅行での「人と防災未来センター」(神戸市)訪問などを通じ、防災について学んできた。
発表では、児童や保護者を対象にしたアンケート結果を基に「ほとんどの人が地震発生時の避難場所を知っていたが、逃げる準備をしている人はあまりいない。南海トラフ地震が何年周期で起きているか知らない人が多かった」と問題提起。
海洋プレートの沈み込みによって起こる海溝型地震の仕組みを解説し「今後40年以内に90%の確率で南海トラフ地震が起こる。那智勝浦町では、東海・東南海・南海の3連動地震で死者5200人、家屋の全半壊6100棟、南海トラフ巨大地震で死者1万1700人、家屋の全半壊7800棟の被害がでると予想されている」と警鐘を鳴らした。
非常時に備える3ステップとして▽バッグやポケットに常に携帯しておくもの(0次)▽被災の1日を乗り切るコンパクトな非常持ち出し袋(1次)▽何日か自給自足してしのげる物品の備蓄(2次)―をそれぞれ用意しておくとの考え方を示した。
サイコロトークでは、地域住民と混合の3グループに分かれ、さまざまなテーマで話し合った。「家の中で危険だと思う場所」では「刃物や陶器があるキッチン」「大きなタンスや冷蔵庫の近く」、「下里校区内で安全な場所」では「津波のことを考えると、どこも安全とは言い難いのでは」との意見が聞かれていた。
(2023年3月16日付紙面より)
城南中学校で食育講座 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)は14日、新宮市立神倉小学校の栄養教諭の大西勇也さんを講師に招き、食育講座「栄養のはなし」を開いた。1年生58人が受講、成長のためにカルシウムの摂取が重要であることを学んだ。
大西さんは、ある日の学校給食の栄養素のグラフと、メニューから牛乳を除いた場合のグラフを提示。あらゆる栄養素が大きく減少することを示し「牛乳は栄養バランスの良い食材です」と話した。
カルシウムは骨や歯に99%、血液や細胞に1%が含まれることを説明。「骨はカルシウムを貯蔵し、血液中のカルシウム濃度を調節、骨格を形成する」「血液や細胞では、神経伝導や筋肉収縮を調節し、血液を固める機能を活性化させる」などと述べた。
骨はカルシウムとコラーゲンで作られていることを解説。「カルシウムが少ないと折れる。10代から20代は一番骨に蓄えやすい」と語った。カルシウムが多い食材として▽牛乳・乳製品▽大豆製品▽小松菜などの野菜▽ワカサギなどの魚介類▽ひじきや昆布などの海藻―などを挙げた。カルシウムの多い給食のメニューも紹介した。
体内のカルシウムを増やすためには、規則正しい生活をして日光を浴びることも大切と強調。「カルシウムをたくさん取って、骨を豊かにしてください」とまとめた。
(2023年3月16日付紙面より)
太地中生徒会が義援金届ける (太地町 )
太地町立太地中学校生徒会(山下創太郎会長)の5人は14日、同町役場を訪問し、自身らで集めたトルコ南東部地震災害義援金を宇佐川彰男教育長に手渡した。義援金は和歌山県を通じて、訪日トルコ大使館に届けられるという。
2月にトルコ南東部で発生した大地震やその被害を受け、生徒会で義援金を集めることを決定。同校玄関で実施するあいさつ運動の際に、義援金箱を持って、生徒らに寄付を呼びかけたという。
今月6日から10日の間で合計1万300円が集まった。14日は引率の教諭と共に、山下会長、宇佐川昊副会長、脊古陸駆副会長、由谷蓮太郎さん、竹田成さんが訪れた。
山下会長は「多くの方々が呼びかけに応えてくれて良かった。トルコとシリアの復興のために使ってください」と話した。
宇佐川教育長は「太地町や町教育委員会では、太地の子どもは賢く、思いやりのある子に育ってほしいという思いで、多くの施策に取り組んできた。生徒会の皆さんで集めていただき、本当にありがたい。義援金は、町から県を通してしっかりとトルコに届けていただきます」と語った。
(2023年3月16日付紙面より)
新宮GG同好会「早春大会」
春季社会人学生卓球大会
グラウンドゴルフかつうら大会 (県年金受給者協会 )
宮戸伸之会長が剣道八段優勝大会に (新宮剣友会 )
新宮市会場に「紀伊山脈」地区大会 (和歌山俳句作家協会 )
和歌山俳句作家協会が主催する、第2回「紀伊山脈」地区大会「新宮地区俳句大会」が12日、新宮市野田の市福祉センターであった。地域の俳句愛好家ら約50人が参加。お互いの研さんをたたえながら親睦を図る機会とした。
同協会が刊行する「紀伊山脈」は、結社・会派を超えて県内の俳句愛好家が参加する、自選合同俳句集。1954年に和歌山県にゆかりのある俳句作家の呼びかけにより第1集が刊行されて以来、毎年刊行を続けており約70年近い歴史を数える。
同俳句大会は、地域内の俳句愛好家がそれぞれの結社を超えてお互いのレベルアップと親睦を図ることを目的に開催。「運河」紀南支部と「かつらぎ」新宮支部が協賛した。地区大会は橋本市での開催に続き2回目となる。
開催に当たり、「運河」主宰の谷口智行さんが「新宮市で同大会が開催されるのは大変喜ばしいこと。楽しい大会になることを祈念しています」とあいさつした。
同大会では事前に投句を募っており、地域の俳句愛好家ら112人から423句が寄せられた。参加者らが互選した句が読み上げられ、作者が名乗りの声を上げた。続いて、谷口さんや「かつらぎ」主宰の森田純一郎さんら含む選者が選者特選や入選句を披講し講評。秀逸賞や新宮市長賞、和歌山俳句作家協会賞を表彰した。
閉会に当たり、森田さんは「俳句は年を取ってもできる。今日は若い人も賞を取って力強く感じた。地元の言葉を大事にしていきたい。これからも元気に俳句を続けていただければ」とあいさつした。
□ □
受賞者は次の通り。敬称略。
■「新宮地区俳句大会」
【新宮市長賞】
磐座は人抱くかたち春の雨(石田幸子)
【熊野新聞社賞】
虎杖の束どさと着く行者宿(黒岩恵津子)
【紀南新聞社賞】
煮こごりや女の愚痴を閉ぢこめて(尾崎と代子)
【和歌山俳句作家協会賞】
新宮にいとどこいとど春の月(たなかしらほ)
【秀逸賞】
備長を誇りて紀伊に炭を焼く(小林恕水)
この山に父の生涯梛を植う(吉浦 増)
水底に光るものあり大逆忌(中森常夫)
熊野灘春満月を押し上げぬ(松山睦子)
道の辺の野菊手向けむ一揆の碑(松下 弘)
補陀落の海生業に鮑海士(中村敏之)
台風の目の中にゐる健次の忌(上野山明子)
(2023年3月14日付紙面より)
国皇神社例祭〈遥拝神事〉 (古座川町 )
古座川町池野山地内にある国皇(こくおう)神社の例祭〈遥拝神事〉が12日に麓の町津波避難総合センターであり、関係7区の区長らが参列して信仰を今後につないだ。
南朝最後の天皇となった後亀山天皇の5代目子孫・朝里重太夫が系統の祖霊をまつるため1616年、月野瀬の牛蒡(ごぼう)谷に建立したのが始まりとされる同神社。1828年に13代目子孫・朝里利平が国王山の山腹へうつして麓の村々(現在の直見〈ぬくみ〉、月野瀬、宇津木、池野山、高池上部、高池下部、串本町の古田の7区)と共に護持し、1991年に国王山が望める林道武者屋敷線沿いの池野山区有地へうつして現在に至る。
現在の例祭は7区が輪番制で奉仕していて、今年は高池下部区(森武志区長)が当番を務めた。本来なら区民もじかに参拝して式典、餅まき、直会を営み活気をささげるが、現在は林道が土砂崩れで通行できない状況。出仕する古座神社の石田保宮司と相談して同センターで遥拝神事を執り行う段取りを進め、他6区の区役員に代表参列を求めた。
当日は7区の区役員ら18人が参列。石田宮司に続いて当番の下部区を筆頭とし区それぞれに礼を尽くした。餅まきや直会はなく、区それぞれに献上した神酒を持ち帰って例祭を締めくくった。
新型コロナウイルスの影響もあり、4年続きで本来の形が営めていない状況。森区長(47)は「こういう形でいろんな区がつながるのは珍しいことで、今後もそうして生まれたご縁やつながりでやれることもあると思う。これから盛り上がり、来年はぜひ餅まきもして区民もたくさん参加していただけるようにしたい」と思うところを語った。
(2023年3月14日付紙面より)
卒業記念にクマノザクラ植樹 (鵜殿小 )
紀宝町立鵜殿小学校(前田幸利校長)の6年生40人が8日、卒業記念として校門前の駐車場近くにクマノザクラの苗1本を植樹した。早咲きのクマノザクラは3月中旬からが見頃で、3~4年後の卒業式シーズンには咲き始めるという。
この場所には、小学校が建設された1981年以前から1本のソメイヨシノがあった。これまで40年以上、児童たちの成長を見守ってきたが、直径1㍍の幹がシロアリの被害を受けた上、枝落ちが増えるなど倒木の危険があったことから、2年前に伐採した。
「校門前に新しいサクラを」との思いから、昨年度の6年生が紀伊半島南部に自生するクマノザクラを初めて植樹した。
この日は、苗を提供した日本クマノザクラの会に所属する田尾友児さんが訪れ「クマノザクラは5年前、新種のサクラとして103年ぶりに登録された。花がすごくきれい。数年後に咲き始めたら見に来てください」と話した。
児童代表の山野滉君、大黒莉奈さん、東丈太郎君、上野龍希君が穴を掘り、苗木を丁寧に植えた。大黒さんは「初めて植樹した。花が咲くのを楽しみに待ちます。咲いたら見に来たい」と語っていた。6年生は17日(金)に卒業式を迎える。
(2023年3月14日付紙面より)
少年少女発明クラブ閉講式 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は11日、市福祉センターで3月講座「ブーメラン飛行機を飛ばそう!」と閉講式を開いた。市内の小学生会員28人のうち、22人が参加し、発泡スチロール板を使用した「飛行機」を作って飛ばし、仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
「ブーメラン飛行機」は投げるとブーメランのように自分の所へと戻ってくるというもの。この日は、瀧野会長が講師を務めた。児童は用意された主翼と機体、尾翼などのパーツを貼り合わせて飛行機を完成させた。その後はうまく戻るかを確認。成功すると「やったー! 成功した」「おかしいな」などと声を上げ、笑顔を見せた。
講座後には、閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「11回の講座を通して、皆さんはさまざまな経験ができたと思います。機会を見つけて勉強していくことが大事。みんなの中から将来、名誉ある賞をもらえるような人が出てくることを期待しています」とあいさつした。
岸本青空君(王子ヶ浜小6年)は「約1年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。他の学校に通う子とも交流を持てたのでよかった。次からは参加はできないけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。
(2023年3月14日付紙面より)