休園前にお別れ会 (高田保育所 )
新年度より休園が決定している新宮市立高田保育所(坪井辰実所長)で24日、お別れ会があった。園児は、園舎である新高田会館(高田交流センター内)で過ごした楽しい日々に別れを告げた。
同保育所(市立高田へき地保育所)は1973(昭和48)年4月に旧高田会館に開所。当時は3歳児から就学前まで20人の園児がいたが、2007(平成19)年度末には2世帯2人となったため休園に。
その後、地区住民の尽力により10(平成22)年4月には7世帯9人となり、再開に向け市と協議を行った結果、同年5月10日に再開。園舎に子どもたちの笑い声が戻った。
19(令和元)年7月、建物の老朽化や耐震面の不安などの観点から現在地に移転。現在、1、2、4歳3人の園児が入所しているが、今月末には1世帯2人になること、来年度、再来年度においても園児数が2人であることが見込まれることなどから、惜しまれながらも休園の運びとなった。
この日のお別れ会では、歌や体操、運動会ごっこなどで園生活を振り返り、園児には手作りの証書が授与された。
昨年、未入所児を対象にした遊びの場「わんぱく広場」を開始し、保護者らの関心の高さに園児数増加への手応えを感じていた矢先の休園。同保育所教職員は「悔しい思い」と肩を落とす。
「高田村つくり推進事業」を立ち上げ、移住者促進に向けての取り組みを進める高田区。坪井所長は「休園は残念の一言に尽きる。保育所の再開に向け、移住定住の観点からも区で話し合いを進めていけたら」と話している。
(2021年3月25日付紙面より)
北越コーポレーション株式会社の大型木材チップ船「Southern Ace(サザンエース)」(船主・福神汽船㈱、運航・日本郵船㈱、総トン数4万9877㌧、全長約210㍍、全幅37㍍)が21日、新宮港に初入港した。23日のセレモニーでは、田岡実千年市長が「新宮港が地域産業の拠点として成長するため、共に新たな第一歩を踏み出すことにつながると確信している」と歓迎した。
同船は木材チップの海上輸送のため、今月2日に長崎県の造船所より就航。ベトナム南部のフーミー港で木材チップを積み、このたびの新宮港入港に至った。
スクラバー(IMO Sox規制対応設備)とバラスト水処理装置(バラスト水管理条約対応設備)を搭載し、国内最大船型ながら燃費は同船型比15%減と、チップ輸送におけるCO2排出量の削減に大きく寄与するエコシップとなっている。船名は同社の木材チップの海上輸送を担ってきた「HOKUETSU ACE Ⅱ」の船名を一部継承した。
同港佐野3号岸壁で行われた歓迎セレモニーには、田岡市長、久保智敬市議会議長、垣内宏新宮港振興会長、小池㬎二(けんじ)同会事務局長、東牟婁振興局の鈴木伸幸・新宮建設部長、和歌山県県土整備部の木村高秀・港湾空港振興課副課長、北越コーポレーション紀州工場の前田孝夫事務部長、本社チップ・パルプ部の三上山学・課長、福神汽船の瀬野直人・取締役執行役員、日本郵船の八島健一郎・製紙原料グループ第一チーム長が出席。
田岡市長は北越コーポレーションに対し「長きにわたり当地方において果たされた貢献や地域に根付いた取り組みは心強く、市も共に地域産業のさらなる活性化に向けて取り組んでいく決意を新たにした」。
前田事務部長は「皆さまのご尽力を賜りながら文字通り『エース』となり、紀州工場の救世主として継続的に発展していきたい」と協力を求めた。
久保議長、紀州工場の仲美保さん、垣内会長らが福神汽船、日本郵船に対し花束や記念品を贈呈。歓迎の意を示した。
同船は今後、主に同港や新潟港への寄港を計画している。26日(金)にはチリに向けて同港を出港する予定。
(2021年3月25日付紙面より)
早大地域連携WSの報告会 (串本町 )
串本町役場本庁で23日、早稲田大学の連携事業「地域連携ワークショップ(WS)」の最終報告会があった。学生11人が同町設定のテーマ「コロナ禍における観光イベントのあり方は?~イベントの復活策を考える~」について検証した成果を提案するなどした。
この事業は、同大学教育連携課が地域活性化への貢献を目的とし自治体と連携して展開。同町とは2018年度から連携していて、本年度はコロナ禍を考慮しオンライン形式で実施する内容を計画し、学部問わず学生の参加を募った。
応募した11人はA班とB班に分かれ、1月から検証を始めた。本来であれば現地フィールドワークを実施するところをオンライン通信による現地キーマンへのインタビューに置き換えて情報を収集。現地に還元する提案内容を含む成果をまとめたという。
最終報告会はウェブ会議システムを用い、同大学教育連携課の羽深浩二さんがコーディネーター役を務めて実施。串本町からは役場産業課の阪本祥さん、南紀串本観光協会の宇井晋介さん、ゲストハウス木―BOKU―の吉田剛さんが出席し、阪本さんと同大学の井上文人理事でこの報告会に期待するところを示し合い発表へと移った。
5人組のA班は持ち得る観光要素を起爆剤にした新規イベントの展開という視点からアプローチし、成果として▽世代別釣り企画▽AR企画▽アフターコロナ時代の大学生向けツアー企画―といったアイデアを提案。6人組のB班は町外に串本を知ってもらう上で町民が楽しんでいる状況が重要という視点から検証を深め、すでに実績がある既存イベントの復活策や日ト友好マスコットキャラクター「まぐトル」を活用した探検隊実施といったアイデアを提案した。
提案後は質疑応答もあり、内容のさらなる掘り下げに加え現役の大学生に情報を効果的に伝える会員制交流サイト(SNS)、活用の工夫などもこの機に探るなどした。阪本さんは「全てとはいかないが、提案していただいた内容を今後に生かしていきたい」と応えて提案に感謝するなどした。
発表後は早大指導陣からの全体講評があり、参加した11人がそれぞれに取り組んだ感想を述べて締めくくったという。
(2021年3月25日付紙面より)
下里とも子ガーデンで満開 (那智勝浦町 )
那智勝浦町下里の「下里とも子ガーデン」(岩本カナエ代表、会員7人)で、チューリップやピンクパンサー(シレネ)など色とりどりの花が見頃を迎えている。花の配列や整備によって、より際立った春の花たちが住民や見物人の目を楽しませている。
同ガーデンは花壇の所有者であった故・笠松朝子さんの遺志を受け継いだ会員や住民らがボランティアで管理している。
花壇には前述の花のほか、キンギョソウ、クリサンセマム、パンジー、ヤグルマソウ、ムラサキハナナ、ハナビシソウなどが満開となっており、ルピナスやゴテチャも開花を控えている。
ガーデン内にはテーブル2台とベンチ2基を設置しており、花を見物しながら休憩や昼食ができる。
また、岩本代表が大阪府堺市に住む知人から譲り受けた赤色のチューリップの球根約300個も植えたことから、4月ごろにはさらなる彩りが加わるという。
岩本代表は「今年は昨年と違い、テーブルもベンチも用意しています。下里地域を散策がてら立ち寄って花を楽しんでいただけたら」と話していた。
(2021年3月25日付紙面より)
ファミリーフットサルフェスティバル (新宮市 )
記憶紡いだ冊子が完成 (那智勝浦町 )
住民や関係者らが記憶を紡ぎ合い作成した那智勝浦町天満地区(以後、天満)の地図が掲載された冊子「懐かしいまち 那智勝浦町 天満」が12日、完成した。14日には同町湯川の喫茶きよもんで関係者らに冊子が配布された。冊子は町立図書館にも寄贈される。
数々の店が並び、多くの人が行き交い栄えていたとされる天満。しかし、当時の様子などを含めた天満に関する文献や資料が少なかったという。
それを受け、「なちかつ古道を守る会」(太田耕二代表)や天満在住者、当時の天満を知る人々が集まり、後世に残す昭和中頃の地図を手作りすべく昨年11月から作成に取り掛かった(熊野新聞1月1日付新年号掲載)。
一同はそれぞれの記憶を出し合いながら地図に過去の町並みなどを書き足した。地図完成後は人々のエピソードや当時の写真を盛り込み、修正や加筆を繰り返してこのたび冊子が完成した。
冊子には▽天満が描かれた那智参詣曼荼羅(まんだら)図▽歴史ある天神社について▽昭和35年ごろの町立那智中学校周辺の写真▽明治35年に創設され、南方熊楠の日記にも記されていたという南海寮病院▽手書きの上天満・下天満の地図―などが掲載されている。
冊子の表紙を飾る汐竜金物店の店主、汐﨑裕さんは「先祖や天満の由来を調べるうちに多くのことが分かった。皆さんのおかげで楽しい時間を過ごせた上、立派な冊子が完成した。ありがとうございました」と感謝を述べた。
同会のメンバーらは「さまざまな資料や情報がたくさん集まった。本当に楽しい時間でした」と語った。
冊子のあとがきより、一部抜粋し紹介させていただきたい。「~記憶をたどりながらの作業でしたので、間違いや時代のズレがある所、又、天満が古い歴史のある町であったことを深くお伝え出来なかった事など、お許しください。この冊子をご覧になりながら懐かしい昭和の中頃に思いを馳せていただければ幸いです(原文ママ)」。
冊子の問い合わせは喫茶きよもん(電話0735・52・0881)まで。
(2021年3月16日付紙面より)
はじめての手話講座 (和歌山県 )
新宮市緑ヶ丘の東牟婁振興局で13日、講座「はじめての手話」が開催された。10人が参加し、同振興局健康福祉部の厚生労働大臣認定手話通訳士・角満子さんがろう者(音声言語を獲得する前に耳が聞こえなくなった人)との対応時の留意点やコミュニケーション方法などについて講話した。
耳が聞こえる人、聞こえない人が共生することのできる地域社会の実現を目指し、手話の普及や啓発を図ることを目的に2018(平成30)年度から実施。例年は新宮、串本の両会場で行われているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から新宮会場のみの開催となった。
冒頭で杉本善和健康福祉部長が「県では17年に『和歌山県手話言語条例』が定められました。ろう者の方々への理解が広がりつつあるが、まだ問題もある。心を通わせ、助け合う社会づくりの一助になることを期待しています」と手話を交えてあいさつした。
講座で角さんは「聴覚に障害のある人の中には、言葉や周囲の音が全く聞こえない、聞こえにくい、途中で聞こえなくなったなど、程度はさまざま。外見からは分かりません。それに伴い、生活に必要な音が聞こえないことや自分の思いを正確に伝えられないといった困る状況がある」と説明。聞こえない人とのコミュニケーション方法として▽筆談▽口話▽空書▽手話▽身ぶり▽指文字―を挙げた。
接するときの注意点としては▽相手の顔を見て、表情と口の動きが分かるようにする▽早口にならないよう、はっきり、ゆっくり単語で区切って話す▽大切な用件は要旨だけを簡単にまとめて書いて伝える―などを意識することが大事と述べた。
後半には、参加者が角さんに教わりながらあいさつや自己紹介を手話で表現する体験に取り組んだ。
市内神倉から参加した櫻井勇太さん(31)は「いろんな場面で困っている人が多いことを改めて実感した。頭で考えながら手を動かすことは難しいですが、表現方法の多さを学びました。今後も積極的に勉強し、少しでも人の役に立てるようになれれば」と話していた。
(2021年3月16日付紙面より)
古座川町相瀬にある国指定天然記念物・一枚岩一帯で13日、オンライン配信イベント「大地を見上げる映画祭Vol.0~つなぐ~」があった。壁面に映像を投影する準備が整ったことを伝える企画で、中核メンバーの田堀穰也さん(34)らが数多くの縁がつながり実現へ前進している状況に感謝しつつ経緯や実施に込めた思いを発信した。
3年ほど前に「一枚岩の壁面をスクリーンにできないか」と思い立った田堀さんは意気投合した知人の資機材で一度試した経験があるが、この時は光量不足により断念。本年度から所属するグループ「HYGGE」が道の駅一枚岩物産販売棟の運営委託を受け事業「camp&food monolith」の展開を始めた機に思いが再燃し、本腰を入れて動き出した。
昨秋、ふるさと納税型クラウドファンディングで思いを掲げて応援を募り、169人の協力を得て達成した。その資金で必要な資機材をそろえたが、他方でコロナ禍の情勢があり目標として掲げた同映画祭実施のタイミングが得られず。まずは実施できる状況が整ったことだけでも感謝とともに伝えようと考え、地元近隣の仲間との縁を結集しこのイベントを計画したという。
当日は夕闇深まる中、一枚岩全面とはいかないものの長辺推定約40㍍、横縦比16対9の映像をイベントの冒頭と終盤で壁面へと投影。内容は「未来へ繋(つな)ぐ」をテーマにして自主制作した動画で、冒頭は約30年前にあった同様の試みを回顧して今へとつなぎ、終盤では未来へ向けた住民のメッセージとともに同ファンディングの協力者を町内の自然景観も織り交ぜながら伝えた。
その半ばではこの映画祭の会場の様子や運営するメンバーを紹介し、トークショーで実施への思いを談話。田堀さんは挑戦の経緯を振り返り、「人と人とのつながりでここまでやってこられた。これから『大地を見上げる映画祭』が古座川町を盛り上げるため、良いものに育っていけばと思う」とあいさつし、協力への感謝を示した。
終盤の映像では、今年の秋に初の映画祭実施を目指していることも告知。投影の様子は口コミで集まった人々が河原一帯から見届け、メンバーに期待を寄せるなどした。
(2021年3月16日付紙面より)
平嶋於俊稲荷神社で例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町狗子ノ川の平嶋於俊(おしゅん)稲荷神社で14日、春の例大祭が営まれた。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から規模を縮小し、区役員ら10人が参加して神事が行われた。
平嶋於俊稲荷はいつ勧請(かんじょう)されたのかは不明だが、社の山の斜面には「狐(きつね)の穴」と呼ばれる小さい穴が三つあり、信心深い人々が、油揚げや餅を供えて祈願し、節分には豆と餅を供えているという。
例大祭は海上安全や大漁、商売繁盛などを祈願し毎年、町内や太地町から大勢の人々が参列している。餅まきも盛大に行われ、親子連れなどでにぎわう。
石田守区長によると、昨年12月の役員会で餅まきをやめ、昨年と同様に神事のみの斎行を決定したという。
神事は熊野那智大社(男成洋三宮司)から神職が出仕し、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。
石田区長は「これまで通り実施したかったがコロナのため、昨年と同じく縮小となって残念。終息後は地元や漁協関係者の皆さまにご協力していただき、従来の祭りができればありがたい」。
宮総代の塩﨑一男さんは「コロナ前は盛大に祭りをしていたのでさみしい。終息を祈っています」と語った。
(2021年3月16日付紙面より)
王子サッカー教室 (進め!!青春 )
那智勝浦町体育協会
新宮グラウンドゴルフ同好会 (新宮市 )
来週から、医療従事者に接種開始 (新宮市 )
都道府県が実施する、新型コロナウイルスワクチンの医療従事者への接種が全国で始まっている。新宮・東牟婁地方では12日午前、195バイアル(1箱、975人分)が新宮市立医療センターに到着。ワクチンは今後、那智勝浦町立温泉病院、くしもと町立病院に配分される。
ファイザー製ワクチンは、先月12日に輸入第1便として、最大38万6100回(19万3050人)分が到着。21日の第2便では最大45万2790回(22万6395人)分、今月1日の第3便で最大52万6500回(26万3250人)分が国内に届いた。
和歌山県では今月6日、3900回分が県内11病院に到着し、8日に接種が始まった。市立医療センターでは17日(水)から19日(金)にかけて、医師・看護師・技術スタッフなど同センター職員に接種を行っていく予定だ。
12日、河野太郎行政改革担当相は会見で、6月までに計約1億回分(約5千万人分)のワクチンを調達できるとの見通しを表明した。欧州連合(EU)の承認が得られれば、5月に毎週9188箱、最大約1千万回分が日本に到着し、全ての高齢者約3600万人分を6月末までに市区町村に届けるなどの方針を示した。
今後のスケジュールによると、15日(月)に360箱が日本に到着。医療従事者分のワクチンについて、5月10日の週に対象者全てが2回接種できる量の配送が完了するという。
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4月中旬から高齢者への接種が始まる新型コロナワクチン。和歌山県では、16日(火)に相談窓口を開設し、ワクチンの効果や副反応に係る相談などに対応していく。相談は電話(073・441・2593)もしくはFAX(073・431・1800)で応じる。受付時間は土・日・祝日含む午前9時~午後6時。接種券、接種場所、接種時期などについては各市町村に問い合わせる。
(2021年3月14日付紙面より)
ICOCAもエリア拡大 (JR西日本 )
春のダイヤ改正に伴い13日、JRきのくに線・紀伊田辺―新宮駅間に新型車両227系が導入された=写真。同車両には車載型IC改札機が搭載。これにより、県内全域でICOCA(イコカ)が使用できるようになった。
同車両は、アーバンネットワーク共通のインテリアデザインを採用。客室には間接光を組み合わせたLED照明を用いるなど落ち着いた車内空間となっている。2019年春のダイヤ改正により近畿圏に初投入。和歌山線・桜井線、きのくに線の一部に導入された。和歌山県と奈良県では、文化・歴史・自然の奥深さを表現した緑色が配されている。
同日午前6時53分、第1便が新宮駅を出発。駅のホームには新型車両を写真に収めようとスマートフォンや一眼レフを手にした鉄道ファンの姿が見られた。
ICOCAが新たに使えるようになるのは同区間で21駅。ICOCA、ICOCA定期券が利用できる。また、ICOCA以外の全国相互利用対象ICカード乗車券も使うことができる。
(2021年3月14日付紙面より)
フラット7紀宝バイパス店で2人展 (紀宝町 )
アフリカを代表する現代アートでタンザニア発祥の「ティンガティンガ」。現地でその芸術を学んだ2人のアーティストによる作品展が14日まで、紀宝町神内の紀宝バイパス沿いにある「フラット7紀宝バイパス店」で開かれている。入場無料で、時間は午前10時30分から午後5時まで。14日午後1時30分からはピアノに作品を描くという。
出品したアーティストは、SHOGEN(上田祥玄)さん(34)と御浜町立阿田和小学校6年のHARUKA(細川悠花)さん(12)。赤、青、黄、緑、白、黒の6色の外壁用油性ペンキを用いて描いた35点を展示した。
ティンガティンガは、1960年代末に生まれた絵画スタイル。サバンナの動物や豊かな自然、人々の暮らしを6色のペンキを使って、色鮮やかに描き出す。
SHOGENさんは京都の雑貨店で出会ったティンガティンガに魅了され、その日のうちにタンザニア行きのチケットを購入。2014年7月から約1年間、現地で生活しながら修行を積んだ。現地で、タンザニア政府にパトカーを寄贈したHARUKAさんの父と知り合い、帰国した翌年、小学1年のHARUKAさんと出会った。
「ティンガティンガは人の背中を押してくれるアート。コロナ禍だからこそ見てほしい。タンザニアの人たちと同じ生活をしたHARUKAさんにも会いに来てほしい」。
HARUKAさんもティンガティンガに心を引かれ、小学4年の夏休みに2週間ほどタンザニアで学んだ。帰国後、初めて描いた「草原の中の夢」や、未来を意味するスワヒリ語の「baadaye」と題してヒマワリを描いた作品など27点を出品。「ヒマワリは太陽に向いて咲くので、前を向くイメージで描いた。ティンガティンガは自分が思ったときに好きな動物などを描けるので好き」と話していた。
(2021年3月14日付紙面より)
全国一斉放水に「はくりゅう」参加 (那智勝浦町 )
新型コロナウイルス感染症と闘う全ての人にエールを送ろうと、消防艇による全国一斉放水が7日午後2時から、全国23消防本部の各地域で行われた。那智勝浦町の勝浦漁港内では、県内で唯一消防艇を有する町消防本部(湯川辰也消防長)と町消防団(下地将仁団長)が消防艇「はくりゅう」で放水を実施。約10分間の放水に、コロナ収束と応援の思いを込めた。
初となった全国一斉放水は神戸市の提案によるもので、「コロナ禍において、ともにコロナを乗り越える勇気と希望を全国に発信する」ことが目的で消防艇のある各消防本部に呼び掛けたという。
賛同した同町消防本部らはコロナ感染拡大防止の観点から参加者を必要最少人数6人にとどめるとともに、多くの人々が集まらないように放水の実施も広報しなかった。
湯川消防長は「無事終了して感慨深いものがある。本来なら多くの方々に見ていただきたかったが今回は感染防止のため仕方なかった」。
町民に対しては「火災予防はもちろん、感染予防にも注意を払っていただけましたら幸いです」と語った。
(2021年3月9日付紙面より)
「さくら山」で80人が作業 (熊野さくらの会 )
NPO法人熊野さくらの会(田尾友児代表)は7日、紀宝町鮒田の林道浅里北桧杖線沿い標高500㍍の山林で19回目となる植樹祭を開催。三重、和歌山両県から参加した約80人がクマノザクラの苗木300本を植えた。
サクラの植樹を通じて、誰もが癒やされる「さくら山」作りに取り組んでおり、これまでヤマザクラやカンヒザクラなど約50種5080本を植樹。2月下旬にはカワヅザクラ、3月以降にダイカンザクラ、コヒガンザクラ、エドヒガン、ヤマザクラなどが咲く。
クマノザクラは紀伊半島南部に自生し、2018(平成30)年には約100年ぶりに新種と確認された。会では3年前からクマノザクラのみを植樹しており、今回で計630本となった。
参加者は20㌶の広大な山林で1・5㍍前後に育った苗木を約8㍍間隔で植え、鹿による食害を防ぐために保護用ネットも取り付けた。友達と参加した森隆喜君(相野谷小5年)は「初めて参加して、午前中で7本植えた。咲いたら見に来たい」と話し、元気いっぱい作業した。
今回はクマノザクラの看板も設置し、田尾代表は「クマノザクラを植樹するようになって参加者が増えた。活動を通してさくら山とクマノザクラを知ってもらえれば」と語っていた。
(2021年3月9日付紙面より)
潮岬で第8回フェスタ (南紀熊野ジオパーク )
第8回南紀熊野ジオパークフェスタが6日、串本町潮岬にある同パークセンターであった。今回はコロナ禍の情勢を鑑み、オンライン配信を交えた形での実施。記念講演や各種展示などで同パークを軸とした地質振興などに取り組んだ。
同パーク推進協議会と環境省近畿地方環境事務所主催。吉野熊野国立公園とその中にある同パークの関係諸活動への理解を促し、持続可能な地域づくりに資する目的で年1回開いている。通常は関係諸団体も参加し幅広い交流の機会を設けるが、今回は両主催の行事のみとし代替として様子をオンライン配信する内容で実施の準備を進めてきた。
同協議会関係行事は午後1時から開始。主催者を代表して県環境生活部の田中一寿部長があいさつをし、本年度同パークフォトコンテスト最優秀賞表彰式の上映を経てオンラインによる記念講演やジオパークガイドの交流を実施した。
記念講演の講師は早稲田大学教授の高木秀雄さん、演題は「南紀熊野ジオパークで体験する日本列島のジオの特徴―付加体、火山、そして地震―」。高木さんは同パークや日本の国土の地質学的な特徴を振り返り、プレート運動に伴う付加体の成因や火山活動(熊野カルデラ)の経緯の解説を受け、同パークエリアの大地の成り立ちの実感を伝えた。
高木さんは同運動には地震が伴うことにも注目し、南海~東海を震源とする地震の発生史が物語るように同運動の長大な時間の流れの中で繰り返し起こる状況を示唆。被災した先人が残した記録を後世へ受け継ぐ大切さを掲げるなどして、来る地震への意識を喚起した。
ガイドの交流は黒潮でつながる各地のジオパークガイドとオンラインで語らう内容で、南紀熊野ジオパークガイドの会会長の上野一夫さんがコロナ禍における活動状況を報告し、以降類する内容などで情報交換を重ねた。
同事務所関係行事は午前10時から午後4時まで実施。内容は同公園と北山村筏(いかだ)流しの資料展示による啓発で、後者は実物の観光筏を同センター駐車場へ展示し筏師らスタッフ自ら利用推進を願ってアピールに努めた。
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■配信した内容は約1週間視聴可
同センターでの実施は当日限りだが、オンライン配信した内容などは同センター公式ホームページで13日(土)ごろまで視聴できる状態にするという。
(2021年3月9日付紙面より)
少年少女発明クラブ閉講式 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は6日、新宮市役所別館で3月講座「プログラミング的思考について学ぼう」と閉講式を開いた。市内の小学生会員14人が近畿大学附属新宮高校・中学校で非常勤講師を務める廣里恵梨香さんからプログラミングの仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
この日は同中スーパーサイエンス部の生徒3人がサポート役で参加した。講座で廣里さんは「脳で命令を出して体を動かす人間とは違い、決められたことを指令通り動作を行うのがプログラミングです」と説明。使用する教材の解説を受けた後、子どもたちは部品を組み合わせ▽部屋が明るいときだけ、LEDモジュールが光る▽拍手をするとモーターが動く―などの課題に取り組んだ。
後半には応用で思い思いの装置を作り、テーブルごとに発表した。最後に廣里さんは「周囲には電化製品やパソコンなど、プログラミングされた機械がたくさんある。講座を通じて指示を受けると動く設定があることを改めて理解し、楽しさを知ってください」と呼び掛けた。
講座後には閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「今年は、予定していた講座がコロナ禍でできなくなってしまい非常に残念でしたが、何とか閉講を迎えることができた。来年度も、ぜひ参加してください」とあいさつした。
村上空君(神倉小6年)は「2年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。次からは参加できなくて寂しいけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。
(2021年3月9日付紙面より)
新宮ラグビーフットボールクラブ (進め!!青春 )
沖縄琉球空手オンライン国際大会 (松林流和歌山教室 )
120年ぶりの現象か (新宮市 )
新宮市の橋本児童館裏の坂を上った周辺(通称・砂羅=じゃら)の竹林や、市立佐野体育館へ向かう坂の周辺で現在、ハチクが花を咲かせている。イネ科マダケ属の竹の一種で、北海道以南で広く植栽されている。開花周期は120年といわれており、図鑑でもイラストで紹介されていることが多いため、直接花を観察できる機会は非常にまれだ。
タケ類はいずれも地中を走行する太い地下茎を通じて栄養繁殖するが、数十年に1度、広域で一斉に開花することがある。花が咲くと地上部は枯れてしまうため、古くは「開花病」「十年枯病」と呼ばれ、天変地異の前触れとされていた。
正確な周期やメカニズムは解明されていないものの、ハチクは直近で1908年に日本全国で開花した記録があり、今後2028年をピークに各地で開花が観測されると推定されている。
タケの花はイネに類似し、風で花粉を飛ばして受粉する「風媒花」。色鮮やかな花弁はなく、一つ一つの小花を茶色の穎(えい)が覆った穂が形成され、外部に8㍉ほどの黄緑色の葯(やく)がついたおしべが垂れ下がる。めしべが受粉して成熟するとイネの米にあたる「穎果(えいか)」が実るが、同属のマダケなどは多くが発芽しない粃(しいな)であり、充実種子の発芽率も低い。
ハチクの稈(かん=茎)は細かく割りやすい性質があることから、茶せんやちょうちん、すだれといった竹ひご細工に用いられる。枝が多いため竹ぼうきにも加工される他、紙質の皮は竹皮笠(たけのかわがさ)に、甘く柔らかいタケノコは食用に、茎の内側にある竹紙(ちくし)は漢方薬になって人々の生活を支えてきた。
開花に遭遇したときには、120年に1度の機会を逃さず、じっくり観察してみてはいかがだろうか。
(2021年3月7日付紙面より)
86人が思い出を胸に卒業 (矢渕中 )
紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長)で6日、第73回卒業式が行われた。新型コロナウイルス対策のため規模を縮小したものの、マスク姿の卒業生86人が在校生や保護者、教職員に見守られながら思い出が詰まった学びやを後にした。
感染拡大防止対策に伴う臨時休校や学校行事、部活動の制限といった困難な状況を仲間たちと共に乗り越えてきた3年生。全員の思いを答辞に込め、小山仁汰君、山副真緒さん、荘司大喜君が読み上げた。
部活動を振り返り「練習や試合の中では協力することの大切さや、責任感なども培われました。3年間の活動で私たちは多くのことを学びました」。
学校生活を支えてくれた家族、教職員に感謝の気持ちを伝え、後輩には今後の活躍を期待した。同級生には「一人一人の夢に向かって高校でも頑張っていきましょう」と励まし合った。
3年間の思いを込めて「今、この瞬間を出発地点として進み、たくさんの新しい出会いを大切に過ごしていきたいと思います」と決意を伝えた。この日合唱できなかったものの、録音した式歌が流れ、3年生の歌声が会場を包んだ。
竹原校長は「人を思いやる気持ちや冷静に判断する姿勢は、これからのステージで良い意味での変化をもたらす力だと考えています。全ての人に優しい社会の担い手になってくれることを期待し、今後も応援し続けたいと思います」とはなむけの言葉を贈った。卒業証書を受け取った卒業生は、それぞれの志を胸に新たな一歩を踏み出した。
(2021年3月7日付紙面より)
紀南地域の郵便局長で組織される紀南地区郵便局長会(会長=吉田仁久・椿郵便局長)は6日、那智勝浦町勝浦のお蛇浦(じゃうら)周辺で初の清掃活動を実施した。15人の局長が参加し、ごみ拾いに汗を流した。
同会では年に2回の献血活動や北山村の「じゃばらの里の収穫祭」への参加、若手中堅専門委員会が各所で草刈りを行うなど、積極的に地域貢献に取り組んでいる。
清掃活動はごみゼロを目指した条例の制定やさまざまな取り組みを展開する和歌山県に協力するとともに、郵便局が所在する各地域を美しくすることを目的に行われた。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、今回は参加者を少数に絞り込んだという。局長たちはペットボトルや流木、ビニール袋などのごみを懸命に拾っていた。
地元、太田郵便局長の坂本雄哉那智部会長は「各地域から集まっていただいた皆さまに国立公園であるこの地域をきれいにしていただけるのはうれしい。本当にありがたい」。
南方慎一朗副会長(新宮中央通郵便局長)は「ふるさと和歌山をきれいにするために今後も協力を継続していく。コロナ禍が収まれば多くの観光客の皆さまに和歌山を訪れていただきたい」と語った。
(2021年3月7日付紙面より)