倒木で通行止め「大雲取越」 (台風21号で )
台風21号の豪雨で発生した倒木や土砂崩れで世界遺産の熊野古道「大雲取越」が通行止めになっている。復旧のめどはたっておらず、担当者らは現在、迂回(うかい)路の設置を検討している。
被災場所は那智勝浦町内の石倉峠―地蔵茶屋跡間。町と新宮市は両入口などに日本語と英語の看板を設置して通行止めを知らせている。周囲は私有林で、町は今後の対応を検討している。
熊野古道の「大雲取越」と「小雲取越」の中継点に位置する宿泊施設「小口自然の家」(新宮市熊野川町上長井)によると、熊野那智大社方面へ行き来する観光客は現在、バスを使用している。通行止め区間手前にある「円座石(わろうだいし)」まで歩き、引き返している観光客もいるという。
自然の家の昨年度の宿泊者数は3298人(前年度比46人増)で、そのうち外国人は1721人(同393人増)だった。管理人の小河二見博さん(66)は「宿泊の予約は、1年前は当たり前で、早い人で2年前から入っています。復旧もそうですが、早く迂回路を設置してほしい」と話していた。
「大雲取越」は那智勝浦町那智山の熊野那智大社―新宮市熊野川町上長井間の約14・5㌔。雲に手が届くほど高いという意味から名付けられた。古道の中でも難所の一つで、熊野三山の神々が談笑したという伝説があり、三つの梵字(ぼんじ)が刻まれた「円座石」や舟見峠、地蔵茶屋跡がある。
(2017年10月28日付紙面より)
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太地小1年生がふるさと学習
太地町立太地小学校(前田欣克校長)の1年生6人が26日、町立くじらの博物館でくじら学習を行った。全校規模で取り組んでいる、ふるさと学習の一環で、1年生の児童らにとっては今年度2回目。6月の前回はクジラやイルカの種類を、今回は大きさを学んだ。
数字ではなく実感で知るため、同館に設置されているシロナガスクジラの骨格標本のレプリカを棒やひもを使って計測。中江環学芸員の指導の下、ひもを標本に当て、色分けしながら体長、体幅、頭、胸ビレの長さと同じに切って学校に持ち帰った。
児童らは教室の黒板や体育館、自分たちの背丈と比べ、「クジラの体の幅は、体育館の入り口にギリギリ入るくらい」、「体の長さは、みんなの17人分」と口に出して大きさを確かめた。
計測前の説明では、中江学芸員の「シロナガスクジラを知っていますか」という問い掛けに、すかさず「世界で一番大きいクジラ」と答えた児童もいた。前回の学習の際に標本に興味を持って質問し、教わったことを覚えていたそうだ。
児童らは「こんなに大きいと思わなかった」「すごい」と感想を言い、中江学芸員は「お家の人にも、クジラの大きさを教えてあげてくださいね」と呼び掛けて学習を締めくくった。
(2017年10月28日付紙面より)
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西向小中校区で避難所巡り (串本町 )
西向小・中コミュニティースクール(大芝英智会長)主催の一時避難場所巡りが26日に西向小中校区内であり、児童生徒合わせて82人と区民(保護者含む)73人が一緒に住んでいる区の高台や危険な場所を確かめるなどした。
将来の発生が予想される地震や津波に備える地域共育活動として年次実施していて、本年度で5年目。児童生徒は知識を増やして日ごろの防災意識を高めるとともに、地域の一員としての自覚を持ちできることを考えることを目当てにして取り組んだ。
校区内にある9区に案内の協力を求め、児童生徒は引率の教員と共に住んでいる区の住民と合流。区長らをリーダーにして一時避難場所巡りに臨んだ。岩渕区(山本進区長)では児童4人と区民12人が合流し、▽成就寺裏▽護国神社跡▽カジヤ谷―の各高台に上がり他2本の津波緊急避難路の位置と状況を確かめた。児童最年長の下村奏斗君(5年)は「知っている避難路は多い方がいい。いざという時は近くの避難路を知っておくことが大事だなと思った」と感想を述べ、山本区長は「岩渕区にとって子どもは宝。大人になってもずっと住んでいてほしいし、そのために知っておかないといけないのが今日紹介した津波から逃げるための避難路。児童を含めた区民の皆さんにしっかりと覚えておいてほしい」と願った。
9区ともそれぞれに一時避難場所巡りを行い、区民は現地解散、児童生徒は帰校。大芝会長は「9区の皆さんには子どもたちが高台に上がるということで事前の草刈りや当日も避難先だけでなく地震で崩れやすい場所や本当に危ない時は最短ルートで畑を突っ切っても構わないなど、地域ならではの知恵もいろいろと教えていただけて大変ありがたかった。児童生徒の皆さんには家にいる時に被災するとは限らないので、みんなで情報交換をして違う区の場所にも関心を持ち、校区内の率先避難者になってほしい」と参加した児童生徒や区民らの今後を期待した。
(2017年10月28日付紙面より)
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台風21号で桑ノ木の滝
新宮市相賀にある日本の滝百選の「桑ノ木の滝」へ続く山道のつり橋が台風21号の影響で崩れ落ちている=写真。橋を管理する市都市建設課は、生活で頻繁に使用する市道の修復を優先的に行うため、復旧時期は未定と話している。
熊野川支流の高田川の上流にある滝で、高さ約21㍍、幅約8㍍。手軽に行けるハイキングコースとして人気があり、毎年大勢のアマチュアカメラマンが訪れている。
滝へ続く道はつり橋が落ちているほか、崩れ落ちたり、倒木でふさがれたりしていて危険な状態となっている。市商工観光課は入口に通行止めの看板を設置した。つり橋は6年前の紀伊半島大水害でも流された。
同市熊野川町田長の「鼻白の滝」へ続く林道も土砂でふさがれている。市農林水産課によると、次の台風が接近しているため復旧は週明けになる見込み。
(2017年10月28日付紙面より)
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田岡実千年さん3選果たす (新宮市長選 )
任期満了に伴う新宮市長選の投開票が22日にあり、無所属で現職の田岡実千年さん(56)=自民・公明推薦=が前市議会議員との一騎打ちを制し、新宮市では約46年ぶりの3選を果たした。田岡さんは、勝利を祝うため選挙事務所に集まった大勢の支持者たちを前に「市民の声を裏切ることなく、渾身の力で新宮市政を頑張っていきます」と固く誓った。
超大型の台風21号の影響で、熊野川町内の国道168号で冠水や土砂崩れが発生。同町からの投票箱が開票作業場の市立総合体育館に届かず、午後8時20分から予定していた開票作業は約3時間遅れの午後11時30分から始まった。
投票日当日は台風の影響を受けることが予想されたことから田岡さんの陣営は、JR新宮駅前に設置していた選挙事務所をアーケード内にある仲之町サンタウンホールに移し、勝利の一報を待った。当確の情報が翌23日午前1時30分に事務所に入ると集まっていた支持者たちから「よかった」との喜ぶ声と拍手がわき起こった。
市役所に設置された災害対策本部から選挙事務所に車で駆け付けた田岡さんは、集まった支持者たちと抱き合い、がっちりと握手。勝利の万歳は市内で被害があったため自粛し、しらばく仲間たちと当選の喜びを分かち合った後、すぐに災害対策本部へ戻った。
田岡さんは集まった大勢の支持者を前に「深夜にもかかわらず、このように多くの支援者の方々にお集まりいただき、ありがとうございます。今回の7日間の選挙戦は雨ばかりで運動員の皆さんに苦労をおかけしました。そんな中、皆さん一人一人が自分のこと以上に『田岡を頼む』『田岡をよろしく』と真剣に訴えていただいたおかげで、この勝利があると思います。本当にありがとうございます」
「皆さんからいただいた『田岡頑張れ』という本当の真心をどうやって返していくかと考えましたが、新宮市をしっかりと魅力的なまち、誰もが『新宮市に住んで良かった』と新宮市を自慢できるようなまちづくりをしていくことが皆さんに対する恩返しだと思います。4年間一生懸命頑張りたいと思います。『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』が私のまちづくりの青写真ですが、これを本物にしていくため、しっかりと渾身の力で仕事をしてまいります。引き続き、皆さまには田岡にご支援をいただくこと、あらためてお願いしたいと思います。田岡実千年、一生懸命頑張りますので、よろしくお願いします」と深く頭を下げた。
後援会の前田徳男会長(73)は「皆さんの支えがあってはじめて田岡が、3期目というものに風穴をあけました。この期待に応えるよう田岡もしっかり頑張るつもりでございますので、今後ともよろしくお願いします」
後援会の泉巌幹事長(58)は「この勝利は市長を応援してくれた人たちの新宮人としての誇りとプライドの結果だと思います。投票日までの残り2日間は一段と雨が厳しい中、一段と多くの人に集まっていただき、約50年ぶりの3選を果たすことができました。本当にありがとうございました。自分たちの後援会の『当選させれば市役所に預けるだけ』という基本に基づいて、後は田岡市長に、市職員の皆さんと一緒に、みんなが喜ぶ新宮市をつくってもらいたい」
娘の里野さん(27)と美季さん(24)は「お父さん、おめでとう」と花束を贈呈。妻・さゆりさん(55)は「3選の壁は怖かったです。ハラハラドキドキでした。本当に心から応援してくれた方々のおかげです」と涙を流した。
今月16日から21日までの6日間実施された期日前投票の投票者数は1万490人(男4393人、女6097人)だった。前回の市長選(2013年10月)より3727人多かった。
投票日当日は台風が接近するとの情報があり、期日前投票は大幅に増えたものの投票日の投票者は6404人と伸びず、投票率は過去最低の68・62%だった。
(2017年10月24日付紙面より)
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台風21号、熊野川で土砂崩れ (開票作業3時間遅れる )
台風21号は22日午後11時ごろ、紀伊半島に最接近し、熊野地方では暴風が吹き荒れ、激しい雨が降った。21日の降り始めからの雨量が新宮市で900㍉を超えるなど記録的な大雨となった。
選挙にも影響が出た。新宮市では熊野川地域の道路冠水のため、市長選、衆院選などの投票箱が届かず、開票が約3時間10分と大幅に遅れた。熊野川地域で山間部からの増水により道路が冠水。8カ所の投票所の投票箱が開票予定の午後8時20分までに市内の市立総合体育館まで届かなかった。午後9時ごろ同市熊野川町田長地区の国道168号で土砂崩れが発生したため、三重県内の国道311号を経由して、投票箱を運んだ。同11時30分に開票作業が始まり、終了は23日午前2時50分になった。
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■新宮市
新宮市の高田地区では23日午前6時時点の累積雨量が960㍉、三輪崎地区で919㍉を観測した。22日午後7時49分に市田川の氾濫が憂慮されたため、旧市内に避難指示が出された。市防災対策課で現在被害状況を調査中。市田川沿線の王子、熊野地地区で多数の浸水が確認され、他の地区など市内の広い範囲で被害が出ている。三佐木蜂伏地区では断水があった。23日午前11時現在、人的被害は体調不良による救急搬送が1件。
熊野川町日足、熊城、志古、宮井、相須地区では22日午後11時2分に熊野川の水位が上昇し、氾濫の恐れが出たため、避難指示が出された。熊野川町田長、行政局周辺で崩土、相賀で路面決壊が確認されている。
市が設けた29カ所の避難所には午後11時時点で440人が避難し、不安な夜を過ごした。
市総務課の防災担当職員は「被害数が多く、時間がかかると思う。今回は降り始めから短時間でかなりの雨量が続いた。あけぼのの市田川の排水ポンプをフル稼働し、氾濫には至らなかったが、ギリギリまで水が上がってきた。50年に1度の大雨と言われたように、これまでに無かったような雨。今後も訓練を充実しながら対応できるよう研さんを積みたい」と話していた。
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■那智勝浦町
那智勝浦町では22日午後6時に那智山、市野々、井関、川関、天満中村の那智川流域5地区と天満地区薬師谷、太田地区全域に避難勧告を発令。対象は2027世帯4037人に上った。
午後8時35分には下里、八尺鏡野、高芝の673世帯、1424人、太田地区の564世帯、1059人に避難指示が出された。
午後8時ごろに朝日の町道が陥没した。原因は不明で現在復旧作業に取りかかっている。23日午前1時ごろに川関で土砂崩れが確認された。いざかた通り一帯やゆかし潟前、甫子(ほこ)浦など町内の多くで冠水の被害が出た。
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■太地町
太地町では落石により片側通行の箇所がある。水ノ浦地区、新屋敷地区で冠水。町内で床上浸水1軒、床下浸水1軒の被害が出ている。町役場では調査を続けている。
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■串本町、古座川町
古座川町では高瀬地区で住宅浸水が4軒、月の瀬地区で1軒となっており、その他の地域は現在調査中。串本町では有田上で床上浸水が確認された。22日午後11時10分に潮岬で最大瞬間風速33・7㍍を記録した。
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■通行規制
国道168号線、新宮市磐盾~同市熊野川町宮井大橋間は22日午後8時30分から冠水、崩土のため全面通行止めとなっている。迂回(うかい)路はない。
北山村大沼地内の国道169号では23日午前1時10分から路側決壊により通行止め。迂回路はなし。
那智勝浦町川関地内の県道那智山勝浦線では23日午前1時30分から、崩土、落石により通行止めとなっていた。同日午前7時40分から片側通行を開始している。
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■きのくに線で運転取りやめ
JRきのくに線では23日、始発列車から夕方まで運転を取りやめている。新宮駅~串本駅間は線路設備不具合のため、終日運転を見合わせる。被害状況により運転取りやめが継続する場合がある。
(2017年10月24日付紙面より)
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出雲地区と合同で防災訓練 (出雲小 )
串本町立出雲小学校(山路和彦校長、児童20人)と出雲地区(濵口智道代表区長)の合同防災訓練「防災ウオークラリー」が20日、出雲集会所を拠点にしてあり、全校児童と区民約20人が、地区内の低地から高台につながる道を確かめた。
津波避難を前提とした訓練に同校はかねて取り組み、大地震後に高台へ避難する意識を高めてきたが、その内容は区民にとっても同じく大切。共育コミュニティー活動の活発化に伴い、半田瑠美子共育コーディネーターを仲介として学校と地区が結びつき、前年度から合同実施するようになった。
前回は起震車による大きな揺れの体験、津波緊急避難路の確認、避難所設営の3項目を体験し、発災から避難所生活までのイメージを考えた。今回は津波から逃げ切る点に重点を置いて「防災ウオークラリー」を計画。児童と区民がチームを組んで、低地と高台を結ぶルートを舞台に競い合う内容で区民に参加を呼び掛けたという。
当日は区民約20人が参加。濵口代表区長に続いてあいさつした山路校長は児童が▽避難場所を知る▽非常食を知る▽区民とのふれあいを広げる―といった目当てを持って臨むことを伝えて協力を求め、森博司地域共育統括コーディネーターのルール説明を経て同ラリーを開始した。
区民のラリー参加は任意。希望者は5チームのいずれかに加わり、「コマ図」を頼りにして設定されたコース(集会所~県営前~旧小学校前~墓所前~渡船前~集会所)を予測して歩いた。途中には五つのチェックポイントがあり、海抜43㍍の旧小学校前のポイントでは「現在の場所に移ったのは何年前?」という課題に挑戦。他にコース沿いの植物5種類の葉の採集など、児童と区民が話題にできる出題をこなしながらゴールを目指した。
5チームが到着後は表彰もあり、上位チームには景品、全員に参加賞が贈られた。ラリー非参加の区民は地区と防災懇談会を実施。表彰後は役場総務課防災防犯グループ提供の災害時用備蓄食(アルファ米)や懇談会参加者らが炊き出したみそ汁を試食。同グループは併せてパーティーションや簡易トイレ、簡易ベッドの設営や映像教材上映といった諸体験も行った。
6年生の浦地葵さんは「今日のコースは今まで歩いたことがなく、先にはいろいろな場所があって自然もいっぱいあるのが分かった。いざという時に逃げ切る自信が増した」とコメント。
濵口区長は「いつもの低地は見て分かるように目の前が海。大きな地震があったらとにかく高い所へ逃げるしかない。そのことだけをとにかく考えてほしい」と期待した。同地区は29日(日)実施の町内一斉津波避難訓練に参加予定。今回の成果発揮を参加した区民に呼び掛けていた。
(2017年10月24日付紙面より)
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LC杯東牟婁地方少女バレーボール大会
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)は14日、創建1700年式年大祭を斎行した。男成宮司、神職たちが本社拝殿で祝詞奏上など、厳かな神事を営んだ。神社本庁など神社関係者、和歌山県庁、町内から300人以上の参列があった。
神職らが参進し、祓(はらい)所で修祓(しゅばつ)の後、男成宮司が本殿御扉を開いた。
神饌(しんせん)を供し、神楽「浦安の舞」を奉納。参列者全員で国家を斉唱した。仁坂吉伸和歌山県知事、九鬼家隆熊野本宮大社宮司、上野顯熊野速玉大社宮司、寺本眞一那智勝浦町長らが代表して玉串をささげ、関係者らが一同に拝した。
午後からもさまざまな奉納行事があったが、雨天のため記念事業の一部が中止となった。
(2017年10月15日付紙面より)
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サンタクルーズ市長らが来新
新宮市の姉妹都市アメリカ・カリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)のシンシア・チェース市長らをはじめとする12人の訪問団が13日、来新した。1週間ほど滞在し、熊野速玉大社例大祭の見学や茶道、座禅の体験などを行う予定。新宮市役所で開かれた歓迎式典では友好メッセージへの署名交換などが行われた。
両市の交流は新宮市内の合気道熊野塾で修行していたサ市出身のメリー・ハイニーさんら4人の提唱で始まった。1974(昭和49)年に姉妹都市関係を結んでいる。今回は日本の文化体験、市民や関係者との触れ合いなどを通し、さらなる友好関係を築く目的で訪れた。
市役所では一行が乗ったバスを市職員らが拍手で出迎えた。式典で田岡実千年市長は「両市民の温かく強い結び付きが培われ、43年にも及ぶ交流のあゆみへとつながり、国際交流が深まったことを大変うれしく思う。今回の皆さまの訪問で、私たちの絆がさらに深まり、両市の友好交流が末永く続いてくれれば」。
屋敷満雄・市議会議長はサ市と新宮市は人的交流だけでなく文化や価値の交流を重ね、絆がますます深まっていると述べ、姉妹都市委員会、姉妹都市親善協会に感謝。「今後もこの良好な関係が継続し、ますます交流が深まってほしい」と歓迎した。
チェース市長は「姉妹都市関係が世界のさまざまな問題を解決する一つの手段だと思う。歓迎していただきありがたい。皆さんとこれからも強く深い絆を保っていきたい」。サ市姉妹都市委員会のエイドリアン・ハレル会長は「サ市は五つの姉妹都市があるが、新宮市との交流が最も活発で古い。地球規模での関係を構築するには、近しい関係をそれぞれが持つことが大切。私たちを一つの家族として温かくお迎えしてくれてありがとう。皆さんが家族としてサ市に来てくれること希望している」とあいさつした。
贈り物を交換し、新宮市姉妹都市親善協会の岩澤卓会長が閉会あいさつ。全員で記念撮影をするなど和やかな雰囲気で式は終了した。
(2017年10月15日付紙面より)
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城南中でオレンジリボン制作 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(速水盛康校長、生徒181人)育友会人権部会(東原伸也部長)は13日、11月の児童虐待防止月間に合わせて生徒らに身に着けてもらうオレンジリボンを作った。保護者や教職員約10人が、一つ一つ思いを込めて丁寧に作業した。
同部が主催し、3年目になる取り組み。子どもたちを保護者の温かい気持ちで包み、子どもたちが守ってあげられる側の人間に成長してほしいという願いから続けている。生徒たちにはオレンジリボンを通じて保護者からの気持ちを受け取り、児童虐待防止などに関して学ぶ機会となっている。
保護者や社協が協力し、学校と地域をつなぎ、みんなが温かな気持ちになれるように進めている。11月には各学年に授業を実施し、学びを深めていく予定。生徒らは月間中、制服にオレンジリボンを着けて登校する。
この日は森浦展行教諭が社会運動に対して支援や賛同を表す「アウェアネス・リボン」の色と意味を説明してから制作を始めた。東原部長(52)は「人権というと、遠く感じるもの。児童虐待では自分たちの年齢に近い子どもたちもいる。リボンを通じ活動を知ってもらうことで人権を身近に感じ、広がっていってくれれば」と話していた。
(2017年10月15日付紙面より)
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福祉委員が研修会 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は12日、市福祉センターで福祉委員研修会を開いた。約40人が「サロンを通して行う見守りについて」をテーマに講話を聞き、「ワールドカフェ」形式で、グループで話し合った。
福祉委員は高齢者や障害者など福祉問題を抱えている人たちに福祉情報を提供し、問題の解決を図っていくボランティア。福祉問題の発見や情報の伝達、ネットワークづくりなどを行い、気軽に楽しく福祉のまちづくりを推進するなどの活動を行う。
この日は同協議会の生活支援コーディネーター・西典久さんが、現在は介護予防や高齢者の社会参加の促進で支え合える地域づくりが求められていると説明。組織的な見守り体制の重要性と福祉委員の役割、サロン活動も見守りの一つであると見守りの在り方について紹介した。
ワールドカフェは参加者が各テーブルに分かれて数人で話し合い、時間交代で代表者以外がテーブルを移動する。移動した人たちはその場の代表者から前の議論の要点を聞いて議論を深めることを繰り返し、最後に各代表者が全員にまとめの報告をするという討論の方法。参加者らは「サロンを通してより良い見守りをするには?」のテーマに沿って自分たちの地域での活動を交えながら話し合った。
「人とのつながりを広げ、隣近所を誘い合わせて楽しい瞬間を作る」「他地区サロンと交流」「サロンを開く場所がほしい」「イベント後に茶話会を開く」などアイデアや課題、声掛けの大切さや新しい参加者を呼び込む方法も挙がり、飲み物やお菓子を口にしながら和やかな雰囲気で意見を出し合っていた。
(2017年10月14日付紙面より)
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90匹を王子幼稚園児らが放流 (王子ヶ浜を守る会 )
新宮市王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)は13日、同市の王子ヶ浜でウミガメ放流会を開いた。市立王子幼稚園の園児ら30人が子ガメ90匹を放流し「カメさん元気でね」と見送った。
守る会は今年6月14日の初上陸、初産卵から8月10日までに10頭の上陸、7頭の産卵を確認し、860個の卵を保護した。この日は7月20日に採取した卵からかえったウミガメを放流。現時点で623個の卵から308匹がふ化しており、237個の卵が残っている。
速水会長、来賓の田岡実千年市長、紀南河川国道事務所新宮川出張所の横山孝吉所長、熊野自然保護官事務所自然保護官の金子郎さんのあいさつの後、園児らは子ガメを手に乗せてもらい「かわいい」とにっこり。優しく地面に下ろすと、子ガメはゆっくりと海に向かって歩き出した。
浅山來羽心(くうみ)さん(6)は「子ガメは泳いで入るみたいにばたばたしていて面白かった。何年後かにまた戻ってきてほしい」と笑顔を見せた。
速水会長は「毎年の事ですが、協力を頂き放流会ができた。天気が心配でしたが、滞りなく、無事に放流できうれしく思っています。これから子どもたちが成長したときに、王子ヶ浜にアカウミガメの産卵地があるというふるさとを思い出してもらえれば」と話していた。守る会は昨年、王子ヶ浜で20頭の上陸と11頭の産卵を確認。1159個の卵を保護し、約785匹がふ化した。
(2017年10月14日付紙面より)
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那智勝浦町の勝浦港にある櫂(かい)伝馬保存会集会所前で7日、ギタリストの濱口祐自さんによる船上ステージライブがあった。熊野、関東、九州地方などの国内だけでなく、オランダ、アメリカ、オーストラリアから約100人のファンが集まり、情緒あふれる港町の景色とギター演奏を楽しんだ。
昨年に続く2回目のコンサートで、勝浦八幡神社例大祭の後、10月に開催。地元では恒例となった友人の林宣行さんのあいさつでスタートした。中盤には弟の濱口起年さん(櫂伝馬保存会会長)も登場し、歌を披露した。
この日は、「妙法の夕暮れ」など、30代の頃に作曲した数曲を演奏する場面もあった。近年の濱口さんのライブでは珍しい選曲で、長年のファンから歓声が上がっていた。
新宮市の松村貴代さんは「CDで何度も聞いていますが、ライブでのアレンジが毎回新鮮。音楽に対する真摯(しんし)な姿勢が感じられます」と話していた。
イギリス出身で選曲家として国内で活躍中のピーター・バラカン氏が監修する音楽祭「LIVE MAGIC!」(=21、22日・東京恵比寿ガーデンプレイス)に出演が決まっている濱口さん。新作を待つファンも多いという。当日の会場では、未発表曲のアナログEP盤を発売する。
次回地元での活動は29日(日)、同町下和田の大泰寺内で開催する野外コンサート「紀伊半島FUNKY SUMMIT」への出演を予定している。問い合わせは(電話090・3055・8734)まで。
(2017年10月14日付紙面より)
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町内小学校連合運動会 (古座川町 )
古座川町一雨にある明神小学校運動場で11日、町内小学校連合運動会があり5、6年生34人が陸上各種目で自己記録に挑戦した。
この運動会は、同町教育会(濵地久夫会長)と同町教育委員会(和田充旦教育長)が主催。児童の体位、体力の向上と児童相互の親交を目的として年1回開いている陸上競技記録会で、本年度は5、6年生を対象にし3校から34人が参加した。
開会にあたり和田教育長はそれぞれの学校で練習した成果を発揮し『より早く、より高く、より遠くへ』を目指して全力を尽くすよう呼び掛けた。児童を代表して高池小6年の後口幸弘君が宣誓し、明神小6年の松林水濡君のリードでラジオ体操をこなして各種目の記録計測に移った。
児童は全員参加の100㍍走を経て、走り幅跳びや走り高跳び、ソフトボール投げや800㍍走に挑戦。終盤では34人が3校混合の4組に分かれてリレーに挑んだ。この日は家族や地域住民も観戦に詰めかけ、注目や声援で児童の挑戦を後押しした。
閉会式では各種目上位成績者の記録をみんなでたたえ合い、濵地会長は「あきらめず競技に臨む姿勢がよかった。その頑張りを明日からの学校生活にも生かしてほしい」と期待のあいさつを寄せて締めくくった。
(2017年10月14日付紙面より)
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19組が参加し熱戦繰り広げる
中体連新人大会バドミントン競技
新宮・東牟婁勢の選手も大いに貢献
東牟婁地方中学校新人卓球大会