徐福万燈祭運営委が協議 (新宮市 )
熊野徐福万燈祭(第57回新宮花火大会)第1回運営委員会が27日、新宮市役所であり、今年も例年通り熊野川河川敷で花火大会を開催することを確認した。事務局の市商工観光課から、昨年初めて開催し好評を博した「ミュージックスターマイン」を、今年も引き続き実施することが伝えられた。
昨年度の賛助金は1643万2352円で、前年度より50万3872円の増だった。内訳は▽企業賛助金1393万9000円(615件)▽募金箱10万4000円▽初盆供養100万1000円(66件)▽町内会128万2000円(107件)▽流し燈籠10万6000円(84件)。
運営委員長の田岡実千年市長は「徐福さんの供養から始まった花火大会も今年で57回目。これまで皆さまにご苦労いただいた重みある歴史がある。この花火大会を楽しみにしている多くの方々のご期待に応えるべく、皆さまのより一層のご指導、ご協力を賜りたい」と呼び掛けた。
委員からは、昨年仮設トイレを10基から20基に増やしたことによってトイレの混雑が改善されたことや、花火の高さを低くしたことに対するクレームの有無についての質問などがあった。事務局は「花火の高さについては、迫力があって良かったという声を頂いた。賛助金に関しては市外在住の出身者に呼び掛けていくとともに、徐福公園を訪れる台湾観光客に募金箱を介して寄付を募ることができれば」などと報告した。
音楽に合わせて花火を打ち上げる「ミュージックスターマイン」については、今年は前半と後半の2回実施すると説明。委員からは「せっかく好評だったのに、PRしないと伝わらないのでは」との意見があった。田岡市長は協賛金集めについて「例年以上に厳しくなると予想される。良い知恵があればご教示いただきたい」と求めた。
本年度予算は2004万3000円(前年度比82万6000円増)。支出の内訳は、煙火費945万円、音響など設備関係委託料122万円、会場整備委託料365万円など。収入は市補助金が200万円で、賛助金は昨年と同額の1619万5000円を目標にしている。
新宮花火大会の日程は8月13日(火)午後7時30分からの予定。当日雨天の場合は8月20日(火)に延期する。前日の12日(月)午後2時からは、徐福公園内で徐福供養式典が営まれる。
(2019年5月29日付紙面より)
和歌山県無形民俗文化財に (熊野本宮大社 )
和歌山県教育委員会は24日、田辺市本宮町の熊野本宮大社の神事「御田祭(おんださい)」を同じ大社の「湯登(ゆのぼり)神事」と一体に捉え、「熊野本宮の湯登神事・御田祭」として県無形民俗文化財に追加指定した。
1966(昭和41)年4月12日に無形民俗文化財に指定された「湯登神事」は、毎年4月15日に行われる熊野本宮大社例祭に先立ち、13日に行われる精進潔斎の儀礼。神事当日は、例大祭に参加する神職・役人が湯峰温泉で「湯垢離(ゆごり)」を行い、湯峯王子を参拝後、徒歩で大日越の古道を登り、山越えをして本宮の旧社地大斎原(おおゆのはら)へ至る。
今回追加指定された「御田祭」は4月15日に執り行われ、地域の安泰と当年の豊作を祈る祭礼として重視され、田辺市本宮地域最大の祭礼として地元の人々に親しまれてきた。
大斎原の斎庭で行われる「御田植神事」は、神田(しんでん)に見立てた約3㍍四方の空間をつくり、その周囲を古風な田歌が歌われる中、鋤(すき)持ち・朳(えぶり)持ち・苗持ちの男子と晴れ着に花がさを被った早乙女の女子たちが、時計回りに3周して豊作を祈るなど、熊野三山の農作に関する神事の典型を示している。
県教委では「湯登神事と共に御田祭を一体の祭事として捉えることで、文化財としての価値がさらに高められる。このため文化財の名称を『熊野本宮の湯登神事・御田祭』と改称し、県指定文化財の民俗文化財(無形民俗文化財)の湯登神事に追加指定して保護を図っていく」としている。
(2019年5月29日付紙面より)
古座川町内で本年度総会 (県退職公務員連盟 )
県退職公務員連盟の本年度総会が26日に古座川町中央公民館であり、事業関連諸議案の審議に加えて式典や研修にも取り組んで活動の活発化に弾みをつけた。
この連盟は、県内に住む元公務員が退職後の生活安定を目指して結成する団体で、本年度期首時点の会員規模は約4600人。総会の会場は会下の各支部が持ち回りで用立てていて、本年度は新宮支部(速水力三支部長)と東牟婁支部(桑原暁一支部長)が両輪で準備し会員の出席を歓迎した。新宮・東牟婁地方では8年前に新宮市域で開いて以来の実施になるという。
式典では、会場地を代表して桑原支部長が開会を宣言。国歌斉唱や黙とう、信条朗読に続き会長の代理で金田芳州副会長が1948(昭和23)年の発足時から現在までの方向性と取り巻く現状を振り返りながら「今後も社会保障充実を目指して働き掛けないといけない」と訴え、その要になるのが組織力であり令和の前進機運に呼応する展開を今後に求めつつあいさつした。
来賓を代表して同町の西前啓市町長と谷洋一県議会議員が同連盟の存在意義発揮を期待しつつ祝辞を述べ、濱口太史県議会議員、佐藤武治県議会議員、国会議員秘書2人も列席して祝意を示した。
組織表彰で、会員増強で秀でた実績を上げた橋本、伊都、日高の3支部と功労者23人の取り組みをたたえ、東牟婁支部の谷口せつ子さんが謝辞を述べて表彰に感謝した。
昼食休憩を経て研修に臨み、那智勝浦町立温泉病院内科嘱託医の安江満悟さんによる講演「私の田舎暮らし健康法」を聴講。過去に出演したテレビ番組企画「78歳医師自然とともに生きる第二の人生」も試聴して人生観を深める一助にした。
総会では事業関係諸議案を審議し承認。前会長の任期半ばでの退任に伴い残任期間を担う新会長の選出もあり、中村協二副会長が昇格就任指揮役に基づいて新理事を指名し承認を受けるなどした。総会後は日公連のうた『誇り新たに』を斉唱し万歳三唱で弾みをつけて締めくくった。
(2019年5月29日付紙面より)
防災情報共有システム説明会 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の町防災拠点施設で26日、タイムライン防災情報共有システム操作説明会があった。28団体36人が参加し、タブレット端末での操作方法を学んだ。
タイムラインは台風や大雨などの災害発生を前提に防災関係機関が連携してあらかじめ状況を想定、共有した上で防災行動を時系列で整理した計画。紀伊半島大水害を受けて町では2014年度から開始しており、現在は町全体と浅里、大里、鮒田の3地区で運用している。
情報共有システムは町内の水位計や雨量計のデータ、気象情報、町内河川監視カメラの画像、避難所の開設状況などの確認と写真などの情報共有をリアルタイムで行える。町と地区ごとの行動計画や進捗(しんちょく)状況などを共有でき、タイムラインの効率的な運用が期待される。
町は17台のタブレットを主要避難所に設置し、避難状況や避難者数、現場で撮影した写真や地域の状況などを共有できるよう進めている。説明会は出水期に備え習熟を目的に開いた。
総務課防災対策室の松尾竜哉係長はシステムでタイムラインの進捗状況などを把握できることや、Jアラート、注意報、警報など意思決定に関わる情報収集が行えると説明。タブレットを使うことで各地区の人や町職員などみんなで状況を共有できると話した。
参加者らは実際にタブレットを操作し、扱い方を練習した。大里地区から参加した50代の男性は「初めて使用したので慣れるまで少し時間がかかりそう。常に使っていなければ忘れてしまいそうです。これまで使っていたものと混同してしまう部分もあるものの、慣れれば良い情報共有ができると思います」と話していた。
(2019年5月29日付紙面より)
全国の学校でミニレター常設始まる
法務省は、学校におけるいじめや体罰、家庭内での虐待など、子どもたちが抱える問題に応える活動として、全国の小、中学校に「子どもの人権SOSミニレター」の常設に向けた取り組みを進めている。新宮・東牟婁郡では小学校は6月中旬ごろから、中学校では7月以降に法務省職員が各学校を訪問し、学校側の許可を得た上でミニレターを設置する予定になっている。
ミニレターは法務省と地方法務局、人権擁護委員で組織する全国人権擁護委員連合会が、子どもの悩みや困りごとの相談に応える活動として2006年から実施している。これまでは10~11月と、12月の人権週間などに配布されていたが、1月に千葉県で起きた女児虐待事件をきっかけに全国的に常設する運びとなった。
便せんと封筒が一体になっており、相談内容を書き切手を貼らずにポストに投函(とうかん)すると最寄りの法務局などに届く仕組み。送られてきたミニレターは法務局職員や人権擁護委員が読み、手紙か電話の希望する方法で返事をする。事案によっては子どもと面談を行ったり、学校など関係機関と連携を図ったりしながら問題解決に向けて取り組んでいる。
昨年度、県内で寄せられたミニレターを介しての相談件数は▽和歌山市30▽橋本市3▽田辺市14▽御坊市6▽新宮市4―の計57件だった。和歌山地方法務局新宮支局によれば、ミニレターの相談を通して重大な事件が発覚したケースは現在のところないが、全国的にはいじめや虐待、学校の教員による不適切指導など、調査を必要とする事案も相談されている。ミニレターの常設によって、子どもの人権問題の発掘と解消に向けた効果が期待される。
(2019年5月17日付紙面より)
那智勝浦町議会が開会
那智勝浦町議会(中岩和子議長、12人)定例会が15日、開会した。専決処分などの報告11、補正予算2、条例の制定と一部改正5、賠償額の決定1、人事16、発議1の計36件が上程された。会期は22日(水)までの8日間。一般質問は20日(月)、21日(火)を予定している。
任期満了を迎える同町議会議員選挙が6月18日(火)告示、同月23日(日)に投開票されるため、5月の開会となった。
諸報告で堀順一郎町長はゴールデンウイーク中の入込状況が好調だったとし、職員が1人態勢のため、混雑が懸念されていたJR紀伊勝浦駅も駅員の増員対策により、混乱混雑はなかったと話した。3月議会で予算が承認された消防・防災センター建設では基本設計と実施設計の事業者が決定したことを報告。「過去から得た知見を教訓とし、災害に強いまちづくりを進め、令和の時代の那智勝浦町を築くべく、決意を新たに取り組んでまいる所存であります」と語った。
提出された議案は▽那智勝浦町税条例等の一部を改正する条例▽平成30年度一般会計補正予算▽令和元年度一般会計補正予算▽損害賠償の額決定について▽農業委員会委員の任命―など。
当局は平成30年度一般会計補正予算について、事業費の確定などから減額補正となり、歳入歳出それぞれ5億835万7000円減の91億9440万5000円と説明。令和元年度の一般会計補正予算では、10月に新路線(宇久井線、勝浦線)の運行開始が予定される町営バス関連予算やプレミアム付き商品券給付事業などを盛り込み、歳入歳出それぞれ1億5793万3000円を追加し、予算総額81億8973万3000円とした。
議員発議の那智勝浦町議会委員会条例の一部を改正する条例では「総務常任」、「厚生常任」、「経済常任」「建設常任」の四つの委員会を「総務経済常任委員会」と「教育厚生常任委員会」に合併、縮小し、町議員選挙後の7月から開始とするもの。この日、全ての議案は承認、可決された。
(2019年5月17日付紙面より)
天満保育園で竣工式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の日本基督教団紀南教会の天満保育園(小宮一文園長)の新園舎で16日、竣工(しゅんこう)式が営まれた。堀順一郎町長や県、町の関係者、工事業者、保護者や紀南教会員ら約30人が新しい園舎の完成を祝った。
同園は1935年、当時の町長の要請を受け、教会伝道所に開設。現在で83年となる。
新園舎は、鉄骨造り一部2階建てと、災害時に園児や近隣住民が避難できるシリンダーシェルターの2棟。シリンダーシェルターは海抜13㍍で、屋上までは園児や高齢者に配慮したスロープが設置されている。今年の3月に完成した。
竣工式は教会の式に従い、祈祷や賛美歌の斉唱などの礼拝も営まれた。小宮園長は「多くの方々の祈りと努力が実を結んだ。安全な建物の完成に全てが動員されたこと、皆さまの働きに心から感謝いたします」とあいさつ。堀町長が祝辞を述べ、松隈智子副園長は完成までの経緯に感謝し、「戦争、台風や津波、紀伊半島大水害での被害を乗り越えたが安全な園舎を切望していました。未来に向けより一層の保育内容の充実に励みます」と力を込めた。
出席した越水良子さん(81)は「主人はここの2期生で、子ども3人に孫が2人、今は4歳のひ孫がお世話になっています。立派な園舎ができて本当に安心しています」と喜んでいた。
(2019年5月17日付紙面より)
紀宝町ボランティア・市民活動センター「きぼらんせ」(神園敏昭運営委員長)は14日、町福祉センターで本年度総会を開催。所属する3団体を表彰し、事業計画などを決めた。
同センターは2007(平成19)年5月に設立。当初は54団体1360人が所属したが、本年度は89団体と個人合わせて3854人に増加した。
総会には登録団体の代表や来賓ら110人が出席。神園委員長が「今後もきぼらんせの活動を盛んにしたい」とあいさつした。
10年以上同センターに登録し、地域福祉の進展に貢献した町災害ボランティアコーディネーター連絡会(久原章作代表)、傾聴ボランティア「クローバーの会」(森新一代表)、神内生き活き協議会(矢熊敏男代表)に感謝状を贈呈した。
来賓の西田健町長が祝辞を述べた後、昨年度の事業を報告、本年度の事業計画案などを承認し、役員を選任した。
本年度は▽個人ボランティア登録の啓発と運営▽若い世代、シニア世代、男性がボランティア活動に参加できる環境づくり―を重点項目に定め、交流会や研修会などを実施する。
総会終了後は、新規登録団体の「かわりない会」(牧戸光彦代表)を紹介し、井上高志さんがギターの弾き語りを披露した。同会は毎週月曜日、鵜殿老人憩いの家「讃寿荘(さんじゅそう)」で住民が中心となった通所サービスに取り組んでいる。
(2019年5月17日付紙面より)
令和元年に創立143年祝う (宇久井小 )
那智勝浦町立宇久井小学校(山本健策校長、児童161人)は13日、同校創立143年を祝う式典を開いた。宇久井区の高齢者で組織する「子ども見守り隊」の協力会員10人が出席した。
見守り隊は、里地区老人会「里えびす会」が2006(平成18)年に、ニュータウン勝浦地区の「ニュータウン熟年クラブ」が08(同20)年に活動を開始した。登下校中の児童を日々見守りながら声を掛け、安全確保と交流の促進に努めている。
この日は、全児童と見守り隊の対面式もあり、両地区の会員一人一人が立ち上がって自己紹介。児童たちは、全員で「よろしくお願いします」と声をそろえた。
里えびす会の玉置之一会長は「毎朝、皆さんに会うのを楽しみにしています。大事な宇久井の子どもたち、宇久井の皆で育てようと頑張っています」とあいさつ。山本校長は長年の活動に感謝の言葉を述べた後、「1876(明治9)年に延命寺の一室で宇久井の子どもたちの勉強が始まりました。安全に大勢が学校に集まれるのは素晴らしいことです。令和元年を記念し、見守り隊の皆さんと一緒に創立を祝ったことを学校の日誌に記したいと思います」と結んだ。
(2019年5月15日付紙面より)
新宮市食肉処理場の現状
新宮市新宮の市食肉処理場が今年で供用開始45年を迎え、施設の老朽化対応策が喫緊の課題となっている。先月16日、田岡実千年市長や濱口太史県議らが和歌山県庁を訪問し、「新宮市食肉処理場の支援」など10項目の要望活動を実施した。国からHACCP(ハサップ=※)の導入が求められる中、老朽化対策や品質、衛生管理の向上に向け、市には利用業者らから施設の大規模改修の要望が相次いでいる。市生活環境課に同施設の現状を聞いた。
同施設は1974(昭和49)年7月に供用を開始。施設の運営は市の特別会計で賄われており、本年度は1525万3000円。市単独での維持、管理運営が厳しい状況となっている。担当者によると、市だけではなんとか施設を継続していけるだけの修繕を繰り返すのみだという。県内には同様の施設がなく、同施設では現在、北は御坊市から南は三重県紀宝町まで、月平均8社ほどが利用している。県外で最も近い食肉処理場は大阪か三重県四日市市となっており、今後やむなく施設閉鎖となった場合には畜産農家や食肉業社に費用面などで大きな負担を強いる恐れもある。
昨年6月に公布された食品衛生法等の一部を改正する法律では、原則として全ての食品等事業者にHACCPに沿った衛生管理に取り組むことが盛り込まれている。担当者は老朽化した施設の現状から鑑みて「見合うだけの衛生基準をクリアしていきたいがハードルは高い」と頭を悩ませる。
同課では、新宮保健所の助言のもと、新宮食肉共同組合と協議していく必要があるとし「今後の施設のあり方についてしっかりと県に計画を示していく必要がある」と話している。
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※HACCP=Hazard Analysis and Critical Control Pointの略。食中毒汚染や異物混入などの危害要因(ハザード)を把握し、原材料の入荷から製品の出荷に至る全工程の中で、危害要因の除去および低減のため、重要な工程を管理し安全性を確保する衛生管理の手法。
(2019年5月15日付紙面より)
ボラセン設置・運営訓練 (串本町社協 )
串本町社会福祉協議会(堀登世会長)が12日、サンゴ台にある福祉総合センターで災害ボランティアセンター(以下ボラセン)設置・運営訓練に取り組み、職員が有事対応の練度向上に励んだ。
町社協は2012(平成24)年、町当局とボラセンの設置と運営に関する協定を締結。有事に同町災害対策本部から要請があった場合にボラセンを立ち上げ、町内外から訪れる復興支援ボランティアの受け入れと効果的誘導を担うことになっている。
締結後しばらくは手法の検討を重ね、その成果をもって福祉総合センター完成後の17(平成29)年3月に初の同訓練を実施。2回目は昨年5月に行い、今回は3回目となる。
有事は職員全員が集まれるわけではない点を前提にし、ボラセン内に複数ある役割を職員全員が一通り経験し、実際にどの役割を担うことになっても円滑にこなす状況に達することが同訓練の目下の主目的。今回も▽受け付け▽オリエンテーション▽マッチング▽炊き出し―などの各役割を前回と重ならないよう分担し、ボランティア役約30人の協力を得て対応を実践した。
マッチング担当の職員は有事でないと需要が生じない復興支援事項に代わり、今回は段ボールベッドの組み立てや車いす利用の体験を準備してボランティア役に提供。同訓練後は、全体研修として地震体験車「ごりょう君」の運用委託を受ける株式会社貴志の「出張!減災教室」を全員で受講。同車で大地震の揺れも疑似体験し、堀会長の全体講評後は大人数への給仕を前提にして炊き出した豚汁やおにぎりを試食しアンケート調査で今後の課題を探りつつ終了した。
同訓練と並行して町社協事務局職員は、防災行政無線で町当局(有事は町災害対策本部)と通信し、段取りや設備に不備がないかを確かめた。
同訓練の実施に先立って、同本部で副本部長を務める清野武志副町長は、11(平成23)年の紀伊半島大水害時に他市町はボラセンの設置と運営を経験しノウハウを共有しているが、串本町は設置を要しなかった分こういった訓練でノウハウを培うことが肝要だと全参加者に呼び掛けて意識づけた。
同訓練を経て堀会長は「政府の発表でもかなり高い確率で起こるとされている。3回目となる今回は段ボールベッドや地震体験車などを体験していただいたが、普段からいろいろな備えを考える意識を今後とも高めていきたいと思う」と語った。
(2019年5月15日付紙面より)
熊野川町で米作り体験 (新宮市 )
熊野川行政局は12日、新宮市熊野川町日足の田んぼで「米作り体験」を開催した。地元農家でつくる「田子の会」(大谷強会長)が協力。家族連れら32人が参加し、約0・6㌃の田に手作業でコシヒカリを植えた。秋には収穫体験も予定している。
同町の振興策の一つで体験交流を通じて、豊かな自然の恵みを感じ、地域を知ってもらおうと合併以降から続いている。
大谷会長から説明を受けた参加者らは腰に付けた籠に苗を入れ、あらかじめ目印の線が入った水田に苗を植えた。泥だらけになる子どもたちの姿もあった。昼食には地元の人たちが作った豚汁とおにぎり弁当を味わった。
市内から訪れた榎本彩里(あいり)さん(6)は「田植えをしたのは初めてだけど、思っていたより簡単で楽しかった」。母親の仁美さんは「土の中に足を入れたときの感覚が新鮮でした。天気に恵まれて子どもと一緒に田植えを経験し、普段とは違った触れ合いを持つことができてよかった。しっかり苗が育って、また子どもと収穫するのが楽しみです」。
自身も体験した田岡実千年市長は「日本人にとって米は主食であり、大切な物。自然の恵みと日頃作業をしてくれている農家の方々に感謝し、体験を通じて米が作られるまでの過程を知ってもらえれば」。大谷会長は「毎年来てくれる人もいて、植える時間も早くなっている。回を重ねるごとに子どもが多くなっていることに感謝しています」。
久保欽作・行政局長は「田植えから稲刈りまでを体験するため、子どもたちにとっていい経験になると思います。米作りを肌で感じてもらい、改めて食の大切さを忘れないでもらえれば」と話していた。
(2019年5月15日付紙面より)
8月に有田支部での県大会出場へ (第37回学童軟式野球支部大会 )
一般社団法人茶道裏千家淡交会南紀支部(支部長・九鬼家隆本宮大社宮司、関宗重幹事長、会員168人)は12日、那智勝浦町勝浦のホテル浦島で「茶道裏千家淡交会南紀支部・茶道裏千家淡交会南紀青年部創立五十周年記念大会」を開催した。
茶道裏千家家元・千宗室さんの次男で茶人の敬史(たかふみ)さんが来勝したほか、記念式典では田岡実千年新宮市長、堀順一郎那智勝浦町長、宇佐川彰男太地町教育長などが来賓として出席。功労者表彰や祝賀会も行われ、出席者200人が50周年を祝い、交流を深めた。同会南紀支部は近畿第二地区(大阪東・西・南・北、堺、和歌山で構成)に所属していて、この日は各支部の関係者らも祝いに駆け付けた。
式典では九鬼支部長が「昨年は台風のため、記念大会を実施できなかったが、令和の年に50周年を迎えることができた。お茶を通し、人々の心を豊かにしてほしい。日本の伝統や文化の素晴らしさを感じながら発信いただければと思う」とあいさつ。谷口尚子青年部長が「これからも支部、青年部の発展のために皆さまのご指導を賜りたいと思います」と話した。
敬史さんは「50周年おめでとうございます。歴史を感じるとともに歴代支部長や青年部長などの先人の方々をはじめ、皆さまのご努力のおかげです」と述べ、「他人を理解しようとする姿勢は人間関係の良い緩衝材になる。年齢も仕事も違う組織で衝突することはあるだろうが、その姿勢を持って淡交会の活動をしていただきたい。60年、70年の歴史につながっていくことを期待しております」。来賓を代表して堀町長が祝辞を述べた。
(2019年5月14日付紙面より)
まなびの学級開講講座 (紀宝町 )
紀宝町教育委員会は11日、令和元年度まなびの学級開講講座を同町まなびの郷で開いた。第1回講座は「医笑同源 笑う門には健康が来る」と題し、NPO法人健康笑い塾を主宰する中井宏次さんが講演した。学級生や近隣住民約100人が来場し、生活における笑いの重要性を学んだ。
同教委が実施する春秋学級とチャレンジ学級が昨年度合併し、まなびの学級となった。本年度は講座や健康ストレッチ体操、視察研修、制作講座など年7回を予定ており、75人が学級生として参加している。
開講式で西章教育長は「皆さまにはいろんな講座に参加していただき、さまざまなことを一緒に楽しむことで人としての豊かさを生涯にわたって培っていってもらいたい。進化し続けるAIを搭載したロボットにもそれはできない。今後もその学びを大事に伸ばしてほしい」とあいさつした。
講師の中井さんは2007年に同法人を設立し、笑い(ユーモア)で心豊かな歓(よろこ)びのある生活をテーマに「笑配師(しょうばいし)」として、全国で活動している。
講演で中井さんは健康長寿の道しるべとして、「好奇心」「ユーモア」「協調性」が重要だと説いた。
多くの病の原因とされるストレスやがん細胞を攻撃するリンパ球の一種であるナチュラルキラー(NK)細胞を挙げ、「ストレスには神様が人間にだけ与えてくれた能力の『笑い』が必要になる。笑いは健康長寿につながる」と述べ、「皆さんは毎日、がんになっている。発症しないのはNK細胞が戦ってくれているから。笑うことで免疫力が上がり、健康になることは科学的にも証明されている。泣くことも大事で、人間関係も重要になってくる」と話した。
来場者は2人一組となり、中井さんの指示の下、互いを褒めながら笑い合った。中井さんは「脳が楽しいと思う笑いが必要。楽しい、うれしいと考える回路になれば行動にもつながる」と伝えた。講演会は最後まで笑い声が絶えず、盛り上がった。
同教委は学級生を随時募集している。問い合わせはまなびの郷(電話0735・32・0241)まで。
(2019年5月14日付紙面より)
滝の拝でアユの滝越え (古座川町 )
古座川町小川にある渓流瀑(けいりゅうばく)「滝の拝」(県指定名勝・天然記念物)で今年も、アユの滝越えが始まった。下流から見て本流の右側にある多段の魚道を一段ずつ跳ねて登る様子が観察できる。
今年は5月初旬から滝越えが始まったと地元でささやかれているが、天然の稚アユの遡上(そじょう)が例年になく鈍く数はまだまだ少なめ。流域を管轄する古座川漁業協同組合が8日に海産稚アユ900㌔を放流し、その遡上に注目が集まる状況にある。
魚道は、落差約8㍍ある滝の拝を越えてさらに上流に行けるよう人為的に作っている流れ。落差30㌢前後の小さな滝とその淵が幾重にも連なる構造になっていて、アユは一段ずつ跳ね上がって滝越えに挑んでいる。
流れに負けて押し戻されるアユも多い中、滝越えに成功したアユは上流の豊かな餌場に恵まれ滝の拝から下流域よりも大きく育つ。11日は頻繁とはいかないが、1匹また1匹と魚道を跳ね上がる様子が観察できた。
同漁協管内のアユ漁「友釣り」の解禁は6月1日(土)。滝の拝一帯で組合員が行う土着の釣法「トントン釣り」は同月16日(日)が解禁日となっていて、以降しばらくは起伏の激しい熱変成岩でできた河原に陣取って「トントン釣り」に挑戦する様子も見学できるようになる。
(2019年5月14日付紙面より)
1年通し熊野の自然に親しむ (新宮市 )
熊野学研究委員会自然部会と新宮市教育委員会、一般財団法人新熊野体験研修協会主催の第36回自然探訪スクールが12日、開講した。和歌山県立新宮高校駐車場での開講式後、参加者ら約20人が千穂ヶ峰で植物などの自然観察を楽しんだ。
開講式で速水盛康教育長は「熊野の自然の豊かさ、その価値を味わってください」とあいさつ。「足元に気を付けて『つれもて行こら』の気持ちでお願いします」と呼び掛けた。千穂ヶ峰では熊野学研究委員の高塚建さんが植物などの解説をし、参加者らは緑豊かな山中を散策した。
同スクールは美しいふるさとの自然に触れ、親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で開いており、年間を通じ7講座を予定している。次回は6月16日(日)午前9時30分から、新高田会館で「顕微鏡で見るミクロの世界」をテーマに行う。1講座500円。申し込み、問い合わせは市教育委員会文化振興課(電話0735・23・3368)まで。締め切りは6月12日(水)。
(2019年5月14日付紙面より)
県年金受給者協会グラウンドゴルフかつうら大会
全小バレー県東牟婁地方大会