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2021年01月29日
1 樹齢約90年の木、倒れる
 「丹鶴姫のサクラ」保存を検討  (新宮市 )

 新宮市伊佐田町登坂(とさか)のポケットパークで27日早朝、登坂橋の架け替え工事に伴い現在地に移植された推定樹齢約90年のサクラ(ソメイヨシノ)の木が倒れているのが見つかった。同所とサクラの木を管理する市では今後、木の保存に向けた取り組みを検討していくという。

 サクラの木は、上本町磐盾線整備事業に伴う登坂拡幅工事(1999~2014年)の際に、元々あった登坂橋付近から移植されたもの。高さ約12㍍、推定樹齢約70年(2004年当時)のサクラの木は、地域住民から「丹鶴姫のサクラ」などと呼ばれ親しまれてきた。

 市は「サクラを残してほしい」といった地域住民の声に応える形で、11(平成23)年に約200㍍離れた現在地に木を移植。一般的にソメイヨシノの寿命は70~80年とされる中、移植後の木の状態を危惧する声もあったが、移してから約10年が経過し推定樹齢約90年となった現在でも春になると力強く花を咲かせ、地域住民や通行人の目を楽しませている。

 市は、このたびの倒木について一部の幹が腐っており、枝の重みなどに耐えられなかったのではと推測。同日には倒れた部分の撤去作業が終了しており、今後は腐食した部分の処理や支えを新しくするかなど木の保存に向けて専門家らと協議を進めていくという。

 市都市建設課では「地元の方々の愛着あるサクラ。できる限り残せる形で検討していきたい」と話している。

(2021年1月29日付紙面より)

倒れた登坂のシンボルツリー=27日、新宮市伊佐田町
2021年01月29日
2 キテンハタ標本など展示
 串本町二色で採取の個体  (県立自然博物館 )

 海南市にある県立自然博物館が27日、串本町二色で採取されたキテンハタ標本などの展示を始めた。期間は2月28日(日)まで。同館はこの機会にキテンハタを多くの皆さんに知っていただければとしている。

 同館の國島大河学芸員によると、キテンハタはインド洋~西大平洋に分布するハタの仲間。日本でも2015(平成27)年以降に発見の報告が相次いでいる。

 本州域では黒潮の流路にあたる相模湾~八重山諸島付近で写真などによる記録があるが標本に基づく記録は鹿児島以南で採取したものしかなく、今回展示している標本が本州初になるという。

 このキテンハタは昨年10月24日、県立向陽中学校=和歌山市=に通う脇本総志君(2年)が二色付近の堤防で釣りをしている時に採取。魚好きで新聞などでも名をはせている脇本君はキテンハタではないかと思って同館へ持ち込み、同館もその通りと確認した。体長約7㌢の幼魚で、國島学芸員は本州での標本に基づく初記録になるとし論文執筆を脇本君に推奨。論文は2人の連名で仕上げ、今月19日付で鹿児島大学総合研究博物館のウェブ学術誌「ICHTHY」に掲載された。

 展示はその液浸標本と論文、解説パネルなどをセットにし、目立つ同館玄関ホールで実施している。國島学芸員は「県内で確認しているのはこの一個体だけ。もっと調べないと分からないが、今のところは黒潮に流されてきたと見ている。あるいは分布域が広がっているのか。この個体はその手掛かりになると思う」と話し、展示後の標本は同館所蔵として保管し学術活用の依頼があれば対応するとしている。

 同館は期間中、月曜(祝日・振り替え休日の場合は次の平日)を除く毎日午前9時30分~午後5時(入館は4時30分まで)に開館。高校生以下と65歳以上は入館無料(高校生は学生証、65歳以上は運転免許証など年齢が分かるものの提示が適用条件)、その他一般は1人480円の入館料(障害者の無料化制度あり)が必要となる。3月まで実施中の第2水曜日入館料無料は2月も適用するという。問い合わせは同館(電話073・483・1777)まで。

(2021年1月29日付紙面より)

今回の展示対象魚・キテンハタ(県立自然博物館提供)
2021年01月29日
3 地区の平穏など願い
 浅里神社で例大祭  (紀宝町 )

 紀宝町浅里の浅里神社(宮地秀直宮司)で24日、例大祭が営まれた。大森晴雄・氏子総代、厄年の男女3人、区の役員らが参列し、地区の平穏や無病息災、家内安全、五穀豊穣(ほうじょう)などを祈願した。

 神事では、宮地宮司が神饌(しんせん)を供え、祝詞を奏上。区民らは感謝と願いを込めて玉串をささげた。どんど焼きでは各家のしめ飾りや古神札を持ち寄り、忌火(いみび)にくべた。

 宮地宮司は「新型コロナウイルスで大変な思いをしている中だが、一日も早い終息と、里人の健康を祈らせていただいた。神様から心を離さず、健康に過ごしてほしい」。大森総代は「浅里は災害の多い場所だが、一年間土砂災害や洪水などがなく、平穏に過ごせたら」と話していた。

 浅里神社の創始は不明だが、「紀伊続風土記」には「八幡宮 境内山周240間 村中にあり、境内飛雪瀧の側なれば末社に瀧御前といふを祭る、当村及相賀村の少名瀬原の産土神なり」とあり、江戸期から崇敬を集めていたことがうかがえる。

(2021年1月29日付紙面より)

宮地秀直宮司が神事を執り行った=24日、紀宝町の浅里神社
2021年01月29日
4 一足早い節分で終息願う
 補陀洛山寺で立春大護摩祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で27日、立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)があった。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から僧侶や職員のみが参加。コロナ終息を願い、髙木亮英副住職らが「鬼は外、福は内」と掛け声を発し、一足早い豆まきが行われた。

 同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳し、髙木住職らが法要を営んだ。

 続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたき上げ、家内安全、商売繁盛などを祈願。その後、僧侶3人が本堂の回廊から境内に向けて豆をまいた。

 例年は多くの参拝者が集まる中、髙木住職とかみしも姿の厄年の人たちが境内に設置したやぐらから豆まきや餅まきを実施している。

 髙木副住職は「コロナウイルスの撲滅退散や世界の平穏無事を願った。一日も早い終息と人々の幸せが来ることをお祈りしています。そして熊野地方にも早く春が訪れてくれたら」と語った。

 なお、毎年多くの人々が参拝に訪れる那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)の「節分会」はコロナの感染拡大防止のため、中止を発表している。

(2021年1月29日付紙面より)

商売繁盛や終息などを願い護摩木をたき上げた=27日、那智勝浦町の補陀洛山寺
僧侶のみで一足早い豆まきを行った
2021年01月29日
5 市職員を地公法違反で懲戒処分  新宮市  
2021年01月29日
6 英会話で親交深める  台湾女子高級中學とオンライン交流  (新宮高校 )
2021年01月29日
7 熊野地方の未来の気候学ぶ  近大新宮で出前講座  
2021年01月29日
8 健康な歯を保つために  太地中でブラッシング指導  
2021年01月29日
9 38事業所で仕事を体験  1年生がインターンシップ  (新翔高校 )
2021年01月29日
10 住民らでぶつぶつ川守る  維持や美化に尽くし感謝状  (那智勝浦町 )
2021年01月29日
11 医療、次いで町民一般へ  新型コロナワクチン接種  (串本町 )
2021年01月29日
12 5歳児の視機能の支障探る  機器用いてスクリーニング  (串本町 )
2021年01月29日
13 園児にイチゴをプレゼント  古川園芸が認定こども園に  (御浜町 )
2021年01月29日
14 スイセンの花、愛らしく  ふるさと資料館前で咲き誇る  (紀宝町 )
2021年01月29日
15 「いじめ反対」の意思表示  相野谷小でピンクシャツデー  (紀宝町 )
2021年01月29日
16 お悔やみ情報
  
2021年01月21日
17 幸福招く縁起物
 節分前に「吉兆」作り  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、縁起物の「吉兆(きっちょう)」作りが大詰めを迎えている。同大社職員や巫女(みこ)、敬神婦人会のメンバーらが先月10日ごろから制作に取り掛かっていた。大(約90㌢)約100本、小(約50㌢)約600本を20日から同社で販売しており、希望者には郵送する(送料別)。

 「吉兆」は「良いことの兆し」の意味があり、古い信仰では、「お正月様(年神)」が「今年は豊年、凶事・疫病の起こらぬ良い年」と祝福したことから、この福神を迎えた木のことを「吉兆」という。

 大社境内の山林で採ったヤナギの枝を上野宮司が剪定(せんてい)して束ね、大福帳、小判、お守り、タイなどの小物をくくり付け、仕上げに直径約2~3㌢の赤、白、青、紫などの「もち花」を付けた縁起物。

 ヤナギはその生命力の強さ、力強さなどから福神が宿るとされている。節分に飾ると商売繁盛、家内安全などの幸福が訪れると信じられている。

 今年の節分は立春が2月3日(水)になるため、1897(明治30)年以来124年ぶりに2日(火)となる。吉兆は同日の節分祭でも販売するが、人気があり午前中で売り切れてしまうことも。値段は大が3000円、小が1800円。郵送希望者は同大社に電話(0735・22・2533)で問い合わせを。

 同大社では「本年も家内安全、商売繁盛、福徳招来の御祈願を込めて奉製いたしております。皆さまにとって実り多き年となりますようお祈り申し上げます」と話している。

 今年の節分祭は、新型コロナウイルス感染予防の観点から「お焚(た)き上げ」を午前10時から開始。時間を短縮し午後8時までとする。午後7時からは「追儺(ついな)式」が営まれるが、鬼の登場はなし。福豆やお菓子まきも実施しない。厄よけ祈とうは午前9時から午後8時まで。同大社では各所に消毒液を設置し感染防止に努めるとともに、参拝者に対してマスクの着用などを呼び掛けている。

(2021年1月21日付紙面より)

大詰めを迎える「吉兆」作りの様子=20日、熊野速玉大社

2021年01月21日
18 各業務で生かし住みよいまちに
 漁協職員らが認知症学ぶ  (太地町 )

 太地町社会福祉協議会(岡本研会長)と同町地域包括支援センターは19日、同町漁業協同組合横の漁村環境改善総合センターで同漁協関係者を対象とした認知症サポーター養成講座を初開催した。那智勝浦町下里の株式会社下里福祉グループホームつつじ園の看護師で和歌山県の認知症介護指導者である川口利恵さんが講師を務め、参加者は認知症患者との接し方などを学んだ。

 1日現在で43・3%と高齢化率が高い同町。講座は町漁協が経営する漁協スーパーや道の駅たいじなどの従業員が町民と接する機会が多いことから、認知症への理解を深め、各業務で生かすことで町の課題解決につなげることが目的だという。

 新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からこの日は7人が参加。残りの職員らは来月に数回に分けて講座を実施する予定。

 岡本会長は同漁協からの情報提供や対応、見守り活動への参加について感謝を述べ、今後の協力を呼び掛けた。

 川口さんは自身が勤務する施設の認知症利用者の生活の様子を紹介し、「認知症になっても人生は終わりではない。今日は認知症の方が私たちと何も変わらない生活をしていることを伝えたい」と話した。

 加齢による物忘れと認知症の違いや認知症の一番の症状が記憶障害であると説明。認知症を患っていない人にとっての生活は「時間の連続性」の中にあるが、認知症患者にとってはあいまいなイメージのみが残り、不安を抱えていると述べた。

 認知症患者の気持ちと接し方について、内面で起きている世界(本人の気持ち)を見ることが重要とし、急がせないことやシンプルに伝えることを例に挙げ、不安のない安心できる人間関係が一番大切だと主張した。

 川口さんは「無関心にならず、『いずれはわが(自分)こと』と考えてほしい。認知症で困っている方にお会いした際は少しの気遣いや関心を寄せてほしい。安心に暮らせる町づくりに生かしてもらえたら」。

 同漁協の〆谷(しめたに)和豊参事は「皆さんが自分のことと捉えてくれたら対応も変わってくるはず。講座を通して従業員の皆さんの気づきや行動のきっかけになればうれしい」と語った。

(2021年1月21日付紙面より)

認知症について学びを深めた=19日、太地町の漁村環境改善総合センター
岡本研会長
川口利恵さん
2021年01月21日
19 リサイクル本コーナー設置
 まなびの郷、ふるさと資料館に  (鵜殿図書館 )

 紀宝町立鵜殿図書館は、町生涯学習センターまなびの郷ふれあいゾーンと、田代公園内のふるさと資料館「みどりの里」にリサイクル本コーナーを設置した。気に入った本があれば持ち帰りできる。

 同図書館では現在、移転準備のため本などの整理を行っており、役目を終えた本を有効活用するため、2施設にリサイクルコーナーを設けた。期間は2月末ごろまでを予定しているという。

 現在、両施設に並ぶリサイクル本は料理本、雑誌、文庫本などで今後さまざまなジャンルの本を追加するという。

 利用対象は紀宝町内在住、在勤の人に限る。来館の際は本を入れる袋などを持参し、マスク着用、検温、手指消毒などに協力すること。

 開館時間は、まなびの郷が平日の午前9時から午後5時まで、ふるさと資料館は水曜日から日曜日までの午前9時30分から午後2時30分まで。

 問い合わせは、同図書館(電話0735・32・4646)まで。

(2021年1月21日付紙面より)

リサイクル本が並ぶまなびの郷ふれあいゾーン
2021年01月21日
20 図書館や消防本部へ
 わかば保が「まちたんけん」  (那智勝浦町 )

那智勝浦町のわかば保育園(山田眞理子園長、園児81人)の5歳児17人が19日、「まちたんけん」で町立図書館や町消防本部を訪れた。

 地元を探検することを通じて、園児たちに町の自然や人々、社会、公共物などに興味を持ってもらうことが目的。

 町立図書館では絵本の会「よむよむ」による読み聞かせがあり、園児たちは節分にちなんだ「だいくとおにろく」や「のりまき」を楽しんだ。自分で選んだ絵本を読む時間もあり、夢中で絵や文字を追った。

 町消防本部では、消防士による引揚救助訓練を見学。園児は大喜びで拍手を送った。消防士たちは「どうやって消防士になるの?」という質問に、「今からいっぱい食べて、運動して体力をつくり、勉強して試験に合格したら消防士になれる」と答えた。

 橋本ちひろちゃんは「図書館には面白い本がいっぱい。救急車にはベッドなどいろんな物があった。消防士さんたちの訓練はかっこよかった」と話した。

 晴天の下、園児と保育士たちは役場近くの公園でお弁当を広げ、町を満喫していた。

(2021年1月21日付紙面より)

憧れの消防士の訓練を見学=19日、那智勝浦町消防本部
自分で選んだ絵本を読む=同日、那智勝浦町立図書館
2021年01月21日
21 後席でも着用徹底を  シートベルト着用状況  (JAF和歌山支部 )
2021年01月21日
22 学びを通じ授業の創造を  城南中で委託研究発表会  (新宮市 )
2021年01月21日
23 北山小でプログラミング教室  三重大学との連携事業  (北山村 )
2021年01月21日
24 「平松小いとゞ全集」出版  御浜町の谷口智行さん  
2021年01月21日
25 地域防災の尽力たたえ  各消防団に表彰状伝達  (新宮市消防本部 )
2021年01月21日
26 支援が必要な人のために  ヘルプマーク・カードを配布  
2021年01月21日
27 ウミガメに及ぼす環境問題学ぶ  6年生はマイヤーレモン収穫  (井田小 )
2021年01月21日
28 西向地区河川愛護会に知事の感謝状  和歌山県  
2021年01月21日
29 2月にモニターツアー実施  熊野ジビエレストランバス  (古座川町・那智勝浦町 )
2021年01月21日
30 お悔やみ情報
  
2021年01月17日
31 住民サービス向上目指し
 日本郵便と包括連携協定締結  (太地町 )

 太地町は15日、同町役場で日本郵便株式会社との「包括的連携に関する協定」を締結した。協定によって町と同社が人的・物的資源を有効活用し、住民サービス向上と地域の活性化を目指す。

 締結式には同社から吉田仁久紀南地区統括局長(椿郵便局長)、坂本雄哉那智部会長(太田郵便局長)、小河則行太地郵便局長、奥田隆昭紀伊勝浦郵便局長が、町からは三軒一高町長と漁野洋伸副町長、森尾伸総務課長が出席した。

 同社によると、協定は両者が業務に支障のない範囲で取り組むもので、他市町村との連携も進めているという。

 連携事項としては▽防災・災害対策▽安心・安全な暮らしの実現▽未来を担う子どもの育成▽女性の活躍推進▽物流・金融事業を活用した地域の活性化▽地方創生―に関することなどで、太地郵便局と紀伊勝浦郵便局が実施する。

 同社と町はこれまでにもご当地ポストの設置やオリジナル切手の作製、各イベントへの参加などで連携しているほか、福祉面では同町社会福祉協議会が実施する小地域ネットワーク活動「ふれあいネット」事業のメンバーとして、住民の見守り活動などにも尽力している。

 協定について小河局長は「町民の皆さまに対するサービスや利便性向上が第一。臨機応変に対応できるように、今後はより強固な関係を築いていけたら」と話した。

 三軒町長は同町の高齢化率(1日現在で43・3%)に触れ「高齢者が多いため協定はありがたい。配達員の方々は町や住民のことを詳しく知っている。郵便物がたまっているなど、少しの変化にも気付いていただけると思う。ご当地ポストも人気。これを機会に今後も郵便局と手を組んで町の活性化に発展していけたら」と語った。

 締結後は同社のオリジナルキャラクター「ぽすくま」と同町のマスコットキャラクター「ゴン太くん」を交えて記念撮影が行われた。

(2021年1月17日付紙面より)

「包括的連携に関する協定」が締結された=15日、太地町役場
2021年01月17日
32 終息や平穏無事を願う
 海翁禅寺で秋葉山大権現祈祷  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町勝浦の臨済宗海翁禅寺(武内宗隆住職)で15日、一年の間、町内で火災や盗難がないよう祈願する「火盗守護秋葉山大権現御祈祷(きとう)」が営まれた。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から町消防団の参加はなく、寺族のみで執り行った。

 同寺によると、今回は前夜の同団有志による餅つきや団幹部らの祈祷参列、餅まきは中止となったがどんど焼きは規模を縮小して行ったという。

 祈祷前には境内の鐘が鳴らされ、一行は山頂の祠(ほこら)へ向かった。武内住職と武内洪淵(こうえん)副住職が読経を行い、火伏せの神として知られる「火盗守護秋葉山大権現」に今年の平穏無事を祈願した。

 洪淵副住職は「昨年は皆さまにとって我慢の一年だったと思う。コロナの終息と皆さまの心が晴れる日を願っています」。

 武内住職は「今年こそ、コロナが終息して皆さまが普通の生活に戻れるようにご祈とういたしました」と語った。

 なお、同寺の「火盗守護秋葉山大権現」は町消防団が願主となって建立され、1969(昭和44)年に同寺総檀家が再建したという。

(2021年1月17日付紙面より)

町の平穏無事と新型コロナウイルスの終息を願い祈とうした=15日、那智勝浦町勝浦
祈とう前に武内洪淵副住職が鐘を突いた
2021年01月17日
33 新町誕生15周年迎える
 将来を見据えた挑戦へ  (紀宝町 )

 旧紀宝町と旧鵜殿村が2006(平成18)年1月10日に合併し、新・紀宝町が誕生して今年で15周年を迎えた。今月10日には「紀宝町制施行15周年記念式典」を予定していたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、やむなく中止となった。

 旧鵜殿村は1894(明治27)年、旧紀宝町は御船村と相野谷村が合併して1954(昭和29)年に誕生した。

 新町が発足した1月10日には、役場本庁舎で開庁式が開かれた。玉置俶己職務執行者、旧両町村議会議員、新町職員ら150人が出席し、新たな船出を祝った。当時の人口は1万2648人。将来像「海・山・川の恵みに抱かれ、ともに輝き創造するまち」の形成に向け、新たな一歩を踏み出した。新町の初代町長選は2月5日にあり、旧鵜殿村長だった西田健・現町長が当選した。

 11(平成23)年に発生した紀伊半島大水害では、河川の氾濫や土砂崩れなどが多数発生し、1000棟を超える家屋が浸水するなど、過去に例を見ない未曽有の被害をもたらし、町民の心にも大きな爪痕を残した。

 水害を教訓に、15(平成27)年には全国で初めて事前防災行動計画「タイムライン」を導入し、昨年から地震津波タイムラインの運用を開始した。

 昨年度は新宮道路、紀宝熊野道路が新規事業化され、一般国道42号新宮紀宝道路の熊野川河口大橋建設工事が進むなど、紀伊半島一周高速道路がいよいよ実現しようとしている。

 合併を経て15年目を迎えた今年。これまでの歩みを礎に、将来を見据えた新しい挑戦が求められている。式典で西田町長が読む予定だった式辞の一文を紹介する。

 「これからも未来への夢を託し、手を携えて、対話を大切にしながら、紀宝町のさらなる発展に向けて、全力を尽くしてまいる所存であります。本日の式典が、今後も紀宝町が輝かしい歴史を刻み続けるため、豊かな自然と歴史文化、人と人の信頼の絆に磨きをかけ、新たな魅力を創造し、町民が誇りを持てる機会となりますことを強く願うものであります」。

(2021年1月17日付紙面より)

現在の鵜殿の町並み(写真㊤)と昭和初期の鵜殿の町並み(同㊦)=紀宝町提供
現在の旧熊野大橋(写真㊤)と昭和35年の旧熊野大橋(同㊦)=紀宝町提供
2021年01月17日
34 獅子が頭にガブリ
 丹鶴幼で新春お楽しみ会  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長)で15日、新春お楽しみ会が開かれ、全園児56人が楽しいひとときを過ごした。

 正月の飾り付けをした室内で、園児たちの元に教職員が扮(ふん)する唐草模様の獅子が登場。軽快な音楽に合わせて頭にかみつき、一年間病気にかからず、頭が良くなるよう厄払いをした。

 「あけましておめでとう、今年もどうぞよろしくね」の歌詞に合わせて園児が他クラスの友達とペアを作ると、続いてビンゴ大会を開催。教職員が次々と数字を読み上げる中、園児たちは協力して数字を探し、「リーチ」「ビンゴ」と声を上げていた。

(2021年1月17日付紙面より)

獅子の登場に歓声=15日、新宮市立丹鶴幼稚園
2021年01月17日
35 熊野市で初の感染者確認  河上市長がメッセージ  
2021年01月17日
36 児童46人が受験  近大新宮中で前期入試  (新宮市 )
2021年01月17日
37 離れていても一つの作品  サロンで折り鶴プロジェクト  (新宮市熊野川町 )
2021年01月17日
38 林業通し減災の山づくりを  那智勝浦町出身の奥川季花さん  
2021年01月17日
39 カーン、コーン羽根突きの音  くろしお児で正月遊び  (新宮市 )
2021年01月17日
40 正月ならではの遊び知る  はまゆう・こども園がたこ揚げ  (新宮市 )
2021年01月17日
41 お悔やみ情報
  
2021年01月15日
42 ゲームで新たな防災学習 市野々小で県内初の実施 (和歌山県)

 和歌山県土砂災害啓発センター(坂口隆紀所長)は13日、那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で「防災RPG(ロールプレイングゲーム)土砂災害が発生したとき」を用いた県内初の防災学習を実施した。オンラインで参加した開発者である和歌山工業高等専門学校専攻科エコシステム工学専攻(辻原研究室)1年の西萩一喜さん(21)=串本町出身=のアドバイスの下、5・6年生9人はゲームという新たな形で防災への学びを深めた。

 同センターによると、地震の避難に関する防災RPGを制作・研究していた辻原研究室の辻原治教授に同センターが土砂災害用ゲームについて提案したところ、防災に興味を持っていた西萩さんの紹介を受けたという。

 西萩さんはゲーム開発のためにオンラインでの会議を実施し、同センターを数度訪れるなどして内容を精査。同センターも土砂災害に関する資料や情報を提供し、昨年12月に完成した。

 ゲームは大雨警報や避難勧告が発令された中、主人公が自宅から避難所までたどり着けばゴール。さまざまな場面で災害に関する知識や正しい行動についての選択が問われる内容となっている。正解に応じて点数が獲得でき、実際の土砂災害の動画なども映し出される。

 児童は2人一組でパソコンに向かい、相談しながらゲームを進めた。参加した中村幸幹くん(6年)は「いつもやっているゲームは学ぶことが少ない。このゲームは分かりやすくて楽しく学ぶことができた」。

 中西校長は「受け身の教育ではなく、ゲームを通して主体的に学ぶことができたため、新たな可能性が広がっていくと感じた」と話した。

 西萩さんは「今後はゲームをきっかけに家族と土砂災害について話し合い、知識を共有してほしい」と述べ、坂口所長は「楽しく学んでくれて良かった。児童や先生にもアンケートを行い、課題解決につなげていく。今後は県内各地でゲームを活用していきたい」と今後の展望を語った。

 なお、ゲームは同センターでもプレーすることができる。問い合わせは和歌山県土砂災害啓発センター(電話0735・29・7531)まで。

(2021年1月15日付紙面より)

ゲームで防災を学ぶ児童=13日、那智勝浦町立市野々小学校
開発された防災RPG
2021年01月15日
43 守られ平等であるべき
 人権擁護委員委嘱状伝達式  (和歌山地方法務局 )

 新宮市緑ヶ丘の和歌山地方法務局新宮支局(山田勝久支局長)で13日、人権擁護委員の委嘱状伝達式が行われ、山田支局長が村田美織さん(64)=那智勝浦町下里=に委嘱状を手渡した。任期は今月1日から3年間となる。

 人権擁護委員は、地域住民の中から人権問題に理解や熱意のある人が市町村長の推薦を受けて法務大臣から委嘱される。さまざまな分野の人が地域の中で人権思想を広め、住民の人権が侵害されないよう配慮する活動を続けている。1日現在で同市では9人、那智勝浦町は6人、全国で約1万4000人が委嘱されている。

 委嘱状を受け取った村田さんは「人権は、全ての人が守られ、平等であるべきもの。コロナの収束を迎えれば保育士として勤めていた経験を生かし、絵本などを通じて子どもたちに人権の大切さを少しでも伝えていければとも思っています。初めての活動で分からないことも多いですが、先輩委員の方々から学び任期を全うしていきたい」と決意を述べていた。

 全国人権擁護委員連合会では昨年、新型コロナウイルス感染症が全国的に拡大し緊急事態宣言が発令される中、5月に「差別をなくして新型コロナウイルス感染症のまん延を乗り越えよう」と緊急宣言。「このような時期だからこそ、個々の自覚した行動が求められている。一人一人は弱い人間でもみんなで助け合って支え合えば、この危機を乗り越えることができるのでは」と提唱した。

(2021年1月15日付紙面より)

山田勝久支局長(左)から委嘱状を受け取る村田美織さん=13日、新宮市緑ヶ丘の和歌山地方法務局新宮支局
2021年01月15日
44 交流の印象伝え締めくくる
 飯田高校と最終の遠隔授業  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校普通科グローカルコース3年生が13日、石川県立飯田高校総合学科3年生と最終の遠隔交流授業に取り組んだ。

 飯田高校は石川県の能登半島の先端に位置する学校。他地域に関わることで取り組む地域学への刺激が得たいという思いで紀伊半島の先端にある串本古座高校に交流を申し入れ、同校も生徒の取り組みに対する客観評価を得て学びを深められると意義を見いだして承諾し、実交流としてウェブ会議システムを使ったこの授業に取り組み始めた。

 昨年6月に初実施し、以降も回を重ねて互いが取り組んでいる地域学の内容を伝え合い、時には相手の地域学を深めることに協力し合うなどしてきた。最終となったこの日は前後半の2部構成で実施。前半は同席した外部講師のために互いの地域の特色と地域学の経緯や学んだ事柄などを発表し、後半は飯田高校側の外部講師・圓山晃歩(えんやま・あきほ)さんと串本古座高校側の外部講師・宇井晋介さんが最終講義をしこの交流を締めくくる生徒に期待する事柄を託すなどした。

 圓山さんは副業として半島同盟を運営するメンバーの一人。その活動内容や取り組む意味を紹介し、両校生徒がこの授業で追い求めたように半島同盟も他地域との違いを知って自分の価値を知り、それが今後の可能性につながるから取り組んでいるとして両校生徒の取り組みに共感した。

 宇井さんは元・串本海中公園センター水族館館長で現・南紀串本観光協会事務局長。串本の海の特色と生物多様性を生かす観光業の成り立ちを体験型観光の主流化という時代変遷も踏まえながら説明し、その領域の一先駆者として▽「何もないところ」はない▽物事をいろんな方向から見てみる▽考えるだけでは考えていないのと同じで例え小さくても形にすることが大事▽継続が最も大切―などの発想を生徒に託した。

 最後に両校代表を1人立ててこの交流の印象を発表。飯田高校側は「自分から進んで調べようとしなかったことをこの交流で知ることができ、それによって自分たちの地域をより深く知ることができて良かった」、串本古座高校側は「(交流を通じて)串本ではしていないまちづくりなどを勉強でき、今後自分たちの地元を盛り上げていくために活用できたらいいなと思った」と伝え合って交流を締めくくった。

(2021年1月15日付紙面より)

両校生徒の発表を経て最終講義に臨む=13日、県立串本古座高校
2021年01月15日
45 終息や商売繁盛など祈願
 大泰寺で大般若祈祷会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町下和田の古刹(こさつ)、定光山大泰寺(西山十海住職)で13日、西山住職ほか、同町や太地町の9人の住職が出仕して「大般若祈祷会」を営んだ。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から恒例の餅まきは中止となったが、境内や本堂には約130人が訪れ参拝した。

 法要ではマスク着用やアルコール消毒、換気など新型コロナウイルス対策を徹底し、住職の出仕も2町にとどめた。

 住職らは全600巻の大般若経典を左右に波打たせながら一気に読む転読を行い、厄払いや家内安全、商売繁盛などを祈願した。

 西山住職は「早期のコロナ終息と多くの方々が元通りの生活に戻れるように心に念じながらご祈とうさせていただいた。今年は皆さまが幸せをかみしめることのできる一年になることを願っています」と語った。

 なお、昨年末から無料で授与されていた疫病封じの床浦大明神のお札を持ち帰る参拝者の姿も多く見られた。

 同寺は伝教大師により1200年前の平安初期に創建された桓武天皇勅願道場と伝わる。薬師堂は関南薬師の第一霊場として昔から近隣の人々の信仰を集めてきた。

 この日もご開帳された本尊の薬師如来像(国重要文化財)は1156(保元元)年の作。その優美な姿に引かれ、例年のご開帳の際は大阪や東京などからも参拝者が訪れている。

(2021年1月15日付紙面より)

大般若経典を転読し商売繁盛などを祈願した=13日、那智勝浦町の定光山大泰寺
2021年01月15日
46 串本JFCが県大会へ
 チビリンピック東牟婁予選  
2021年01月15日
47 大規模災害に備えるため  災害備蓄保存用パンを販売  
2021年01月15日
48 山頂からの絶景を堪能  山歩き部会で「鮒田富士」へ  (紀宝町 )
2021年01月15日
49 野外焼却行為などに注意  消防本部が呼び掛け  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
50 報告数、昨年の千分の1以下  インフルエンザ発生状況  (厚生労働省 )
2021年01月15日
51 入会者にオリジナルマスク配布  日本ヤタガラス協会  
2021年01月15日
52 紀州まぐろ節で町を元気に  歌手の南順子さんが披露  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
53 税の使い道はどう決める?  勝浦小学校で租税教室  (那智勝浦町 )
2021年01月15日
54 グラウンドゴルフ愛好者170人競い合う 潮岬で新年初打ち大会 (串本町)
2021年01月15日
55 お悔やみ情報
  
2021年01月14日
56 授業開始に向け教職員研修
 GIGAスクール構想  (新宮・東牟婁 )

 黒板と教科書、ノート、鉛筆。そんな子どもたちの学習風景が大きく変ろうとしている。新型コロナウイルス感染拡大が追い風となる形で政府が推進する「GIGAスクール構想」では、義務教育段階の児童生徒に1人1台の学習用パソコン(PC)端末と高速大容量ネットワーク環境(校内LAN)を整備し、個人に最適化された教育環境の実現を目指す。

 新宮・東牟婁地方の各自治体や教育現場でも本年度、タブレットPC導入や校内LAN整備工事、教職員研修、オンライン授業研究などが進んでいる。早ければ年度内にも、児童生徒が学習用端末に触れる授業が開始される。

 太地町立太地中学校では12日、「1人1台パソコンの導入に係る操作研修」が行われた。町内小中学校の教職員25人が参加し、実際にタブレットPCを使いながら操作方法を学んだ。

 講師の赤井俊哉さんは、共有ドライブに保存した作文の添削やコメント、協働編集によるスライド作りの手順などを教えた。教職員からは「使いこなすにはもっと実践が必要だが、端末の立ち上がりも早く、授業で使えそうな便利な機能もたくさんあった。特にグループでのスライド作りは操作も簡単で、資料作りと発表が一つの端末でできる」との声があった。

 新型コロナ第3波により首都圏1都3県に緊急事態宣言が発出され、関西や東海など7府県の追加も見込まれる中、遠隔授業の環境整備を含む情報通信技術(ICT)活用は喫緊の課題だ。それに加え、山間部のへき地学校や複式学級を多く抱える当地方では、ICTが子どもたちの学習を支え、人々との交流の輪を広げる手段となる可能性を秘めている。今後の各自治体の取り組みに注視が必要だ。

(2021年1月14日付紙面より)

学習用端末の使用方法を学ぶ教職員=12日、太地町立太地中学校
2021年01月14日
57 新年の事業に意欲
 三役が市長ら表敬  (新宮青年会議所 )

 一般社団法人新宮青年会議所(新宮JC)の梅村英義理事長、和田祐幸副理事長、竹内知恵利専務理事の三役は12日、新宮市役所を訪れ、田岡実千年市長と速水盛康教育長を表敬訪問した。新年のスタートに当たっての意欲を伝えるとともに事業への協力などを呼び掛け、新年のあいさつとした。

 「温故知新~変化のとき~」をテーマに掲げる今年の新宮JC。梅村理事長は「去年は新型コロナウイルスの影響でほとんど事業ができなかった。今年は『コロナだからできない』のではなく『コロナでもできる』ように事業を模索していきたい」と、会員拡大に向けた取り組みや青少年育成事業、新宮JC杯中学新人サッカー大会の開催などへの意欲を示した。行政や学校ができない役割を担っていきたいと抱負を語り「自分たちだけでできないことも多いと思う。そのときは行政とタッグを組ませていただければ」と協力を求めた。

 新宮JC第32代理事長を務めた経緯のある田岡市長は「地域と学校の関係が希薄となる中、JC会員が小中学校を訪問し自分の仕事について講話した事業は楽しかった」などと当時を振り返り会員らにアドバイス。

 また、新宮JCで7年間取り組んだこと、理事長を務めた経験は自身の人生のターニングポイントだったと語り「一生懸命頑張るということは多くを学べるということ。仕事と活動の両立は大変だと思うが頑張りは自分の成長につながる。(JCの活動は)短い期間だが一生のうちでも貴重な時間になると思う」と激励した。

(2021年1月14日付紙面より)

新宮JCの竹内知恵利専務理事(左)、梅村英義理事長(右から2人目)、和田祐幸副理事長(右)が田岡実千年市長を表敬訪問=12日、新宮市役所
2021年01月14日
58 来年こそ活気ある祭りに
 塩竃神社で「脊美祭り」神事斎行  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浦神の塩竃(しおがま)神社(井谷正守宮司)で10日、伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。祭り関係者約10人が参列し、商売繁盛や船の安全などを願った。

 脊美まつり保存会(会長=並川廣・浦神西区長)が祭りや歴史を継承しており、古来捕鯨の歴史を持つ同区でセミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いる祭り。過去には成人の儀式として行われていたとされている。長年、捕鯨文化を継承していることから2016(平成28)年に日本遺産「鯨とともに生きる」に認定された。

 例年は井谷宮司が「鬼」と書かれた的を矢で射抜くと同時に、3人の脊美子が取り付けられた脊美を一斉につかみ取って西区区民会館まで全力で駆け抜ける儀式や東区の勇義社(鈴木伸社長)による勇壮な獅子舞奉納、脊美音頭などが披露され、にぎわいを見せているが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から大幅に規模を縮小し神事のみの斎行となった。

 厳かな雰囲気の中、井谷宮司が神事を執り行い、祝詞を奏上。参列者が順番に玉串をささげていき、一日も早いコロナウイルスの終息を祈念した。脊美祭り前には豊漁などを祈願する弁天祭りも行われた。

 並川区長は「昨年秋の例大祭に続き、獅子舞などができずつらくて寂しい。終息を願い、平常通りの行事ができることを祈っています」。神事を終えた井谷宮司は規模縮小について残念の一言と述べ「脊美祭りは地域の伝統ある特別の祭り。若い人たちも継承しようと頑張ってくれています。来年こそは活気ある通常の祭りができれば」と話していた。

(2021年1月14日付紙面より)

さまざまな思いを祈願し神事を執り行う井谷正守宮司=10日、那智勝浦町浦神の塩竃神社
祭り関係者が玉串をささげた
2021年01月14日
59 全患者対象に機器貸し出しも
 オンライン面会環境整う  (くしもと町立病院 )

 くしもと町立病院がこのほど全病室にWi―Fi(ワイファイ)環境を整え、今月4日から全患者を対象にオンライン面会のための通信機器貸し出しも始めた。

 入院患者にとって面会に訪れる家族の存在は加療の励みとなるところ。他方、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う面会制限は少なからずその機会を奪っている。この状況下でどうすれば入院患者が相応の励みを得られるかを考えた竹村司病院事業管理者は、オンライン面会の手法を導入できないかを昨夏に着想。以降同病院を挙げて実現を目指してきた。

 院内は旧来、1階待合室と3、4階のデイルーム限定でWi―Fi環境があり、持ち込みの通信機器で独自にオンライン面会をする患者もいた。しかし病室から動けない患者や通信機器の操作が苦手な患者、通信機器を持っていない患者にとっては縁遠い利便。そこで通信機器が患者に与える影響を確かめた上で▽Wi―Fi環境を全病室へ拡大▽貸し出し用通信機器(タブレット)を確保▽医療スタッフによる通信支援―の3項目を県の新型コロナウイルス関係補助金を活用して整え、全患者が家族とオンライン面会できる状況を形にした。

 同病院が貸し出す通信機器の利用対象は患者の家族で、オンライン面会できるのは祝日を除く月~金曜日の午後2時~4時。▽面会時間は最大5分▽1週間につき1回まで―といった条件をつけ、数に限りがある通信機器を多くの患者で活用できる状況を目指している。

 LINE(ライン)通話を使った面会となるため、家族側の通信機器にも相応の設定が必要。患者側の通話にはスタッフが対応する(病院側から家族側へ通話を発信する)ため利用は事前予約制とし、前述した曜日時間帯中に同病院(初回のみ電話0735・62・7111、2回目以降はLINEトークを使用)へ希望する日時の前日までに家族側から申し出てほしいという。以降は担当するスタッフとの調整となる。

 同病院は今月7日に新宮保健所管内で陽性患者が出たという発表を受け、翌8日から患者の付き添い人と病院が来院を求めた人以外は面会禁止とする対応を取っている。名田倍也事務長は「今は患者と直接面会できないが、代わりにオンライン面会で入院する家族を支えてほしい」とし、それが可能となったことの周知と活用の促進に努めている。問い合わせは同病院まで。

(2021年1月14日付紙面より)

入院患者にオンライン面会可能となったことを伝えるスタッフ=12日、くしもと町立病院
2021年01月14日
60 スポーツウエルネス吹矢大会
 那智勝浦町体育協会  
2021年01月14日
61 礼儀礼節の大切さ知って
 軟式野球体験練習会  (新宮黒潮ベースボールクラブ )
2021年01月14日
62 チーム一体で力を合わす
 ジュニア駅伝チームが本番に向け練習  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
63 販売終了まで1カ月切る  新宮市プレミアム付共通商品券  
2021年01月14日
64 地域の防災活動に尽力  消防関係者表彰  (新宮市消防本部 )
2021年01月14日
65 区民の安全と健康願い  青彦神社で春の例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
66 規模縮小し神事のみ斎行  市野々王子神社例大祭  (那智勝浦町 )
2021年01月14日
67 小雨降る中参拝集める  峯の薬師堂で厨子開帳  (古座川町 )
2021年01月14日
68 初動や連携の練度を高める  代替指揮所で災害警備訓練  (串本警察署 )
2021年01月14日
69 手作りたこを大空に  元気いっぱい走り回る  (鵜殿保育所 )
2021年01月14日
70 新年会で笑顔あふれる  ふれあいサロン牡丹  (紀宝町 )
2021年01月14日
71 初入賞目指して練習に励む  美し国三重市町対抗駅伝  (紀宝町チーム )
2021年01月14日
72 お悔やみ情報
  
2021年01月09日
73 コロナ退散祈り板打ち鳴らす
 飛瀧神社で牛王神璽祭  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮飛瀧(ひろう)神社で8日、牛王神璽(ごおうしんじ)祭が営まれた。「牛王杖(ごおうづえ)」と呼ばれるヤナギの枝でカシの板を打ち鳴らし魔をはらい、霊験を高めて「牛王神符」を仕上げた。

 牛王神符は熊野三山に伝わる特有の神札で魔よけ、災難よけのお守り。熊野の神の使いとされる八咫烏(やたがらす)の絵文字が描かれており、同大社では72羽のカラスで「那智瀧宝印」と記されている。

 元日早朝に那智の滝からくみ上げた若水で墨を溶き、翌2日からの初刷りから毎日、本殿で祈とうが続けられてきた。満願を迎えたこの日は滝が凍るという神秘的な光景の中で、神事が執り行われた。

 男成宮司らが無病息災などを祈り、仕上がった100枚の神札をヤナギの枝に巻いて参列者に授与した。

 男成宮司は「今日は滝も凍り、より霊力を感じる中で清らかな心を持って神事を営むことができた。先日、緊急事態宣言が出されるなど新型コロナウイルスの感染が広がっている。一日も早いコロナの退散をお祈りしている」と語った。

(2021年1月9日付紙面より)

牛王杖で板を打ち鳴らし魔をはらって霊験を高めた=8日、那智勝浦町那智山の飛瀧神社
2021年01月09日
74 白く凍る那智の滝
 2年ぶりの幻想的な景観  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の世界遺産「那智の滝」で8日朝、2年ぶりに滝つぼが凍った。滝の水しぶきが氷となって岩肌に張り付き、滝が白い雪化粧をしたような幻想的な景観を生み出した。

 熊野那智大社(男成洋三宮司)によると、滝元の別宮・飛瀧(ひろう)神社の社務所にある温度計が午前7時の時点で氷点下2度を記録したという。

 8時ごろには、朝日を浴びた岩肌の氷がバリバリと大きな音を立てて滝つぼに落下する光景が何度も見られた。

 小賀真樹禰宜(ねぎ)は「急激な冷え込みと前日に強く吹いた風の影響でしぶきが岩肌に付き凍ったと思う。今日は正月から行っているお祭りが満願を迎える日。この日に凍ることがなかったため、大変ありがたいと思う」と話した。

 凍った滝の様子を撮影していた寺嶋孝さん(63)と敦子さん(49)夫妻。敦子さんは「初めて見ることができた。すごくきれい」と笑顔。孝さんは「新型コロナウイルスの終息と、われわれの健康や商売繁盛をお願いしました」と語った。

(2021年1月9日付紙面より)

幻想的な景観となった那智の滝=8日午前8時50分
2021年01月09日
75 打楽器三重奏、混成八重奏で金賞 県アンサンブルコンテスト南地区大会 (矢渕中吹奏楽部)

 第53回三重県アンサンブルコンテスト中学校の部南地区大会が昨年12月26日に県文化会館であり、紀宝町立矢渕中学校吹奏楽部(岡本怜奈部長)の打楽器三重奏と混成八重奏の2チームが金賞を獲得。今月17日(日)の県アンサンブルコンテストへの出場を決めた。

 南地区大会は県内18市町の中学校から70チームが参加。矢渕中は2年生7人、1年生4人の11人全部員が2チームでエントリーした。

 打楽器三重奏は3人で「雅~3人のマリンバ奏者のための」を演奏した。混成八重奏のメンバーはフルート、クラリネット、サックス、トランペット、ホルン、チューバで「『舞曲集』よりアルマンド、パヴァーヌ・パッサメッツォ、バスダンス」を奏でた。

 部員たちは県アンサンブルコンテストに向け、5日から練習を再開。岡本部長は「最初はみんなばらばらで地区大会に出られるか不安だったが、地区代表の目標を掲げて練習を続けた結果、目標が達成できた」と振り返り、「県では悔いのないよう演奏したい」と語った。

(2021年1月9日付紙面より)

打楽器三重奏のメンバー
混成八重奏のメンバー
2021年01月09日
76 感染対策施し「白玉宝印」 厳かに八咫烏神事 (熊野本宮大社)

 田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で7日、和歌山県指定民俗文化財の「八咫烏(やたがらす)神事」が営まれた。厄よけの「白玉宝印(しらたまほういん)」を入手しようと、事前に申し込みをしていた参列者が訪れた。

 正月三が日の間、神門前に飾られた門松で「熊野牛王(ごおう)宝印」を調製し、たいまつの火と水ではらい清め、祭神の魂を吹き込む宝印押し初めの神事。今年は新型コロナウイルス感染防止のため、7日、16日(土)、23日(土)、30日(土)、31日(日)の5回に分け、1回の参列者を上限50人に限定し行われる。

 この日は拝殿の照明を落とした暗闇の中、神職が「えーい」の掛け声とともに拝殿の柱へと宝印を押して奉納した。神事後、参拝者は、神職が白紙に押した宝印を順番に授かっていった。

 九鬼宮司は「コロナ禍でいろんなことを模索している日々だと思いますが、必ず事態が収束すると信じています。この状況に惑わされず、前を向いて未来や夢、希望を持っていれば道は開ける。今年の干支(えと)『丑(うし)』のように粘り強く自分の歩幅で過ごしていただきたい」とあいさつした。

 宝印を頂くのは10年ぶりという鈴木純二さん(51)は「コロナウイルスの影響もあり、訪れようか迷いましたが、対策を万全にした上で足を運びました。一日も早い収束を願った。自宅で大切に取っておきたいと思います」と話していた。

(2021年1月9日付紙面より)

宝印を押していく神職=7日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2021年01月09日
77 観光×教育の新しい旅の形  「ホテルシーモア」でモニターツアー  
2021年01月09日
78 IR実現に向け実施方針を公表  和歌山県  
2021年01月09日
79 暖かい春を待つ  オオキンカメムシ寄り添う  (宇久井半島 )
2021年01月09日
80 目標見つけ果敢に挑戦  新翔高で3学期始業式  (新宮市 )
2021年01月09日
81 雪が舞う中、初登校  小中学校で始業式  (新宮・東牟婁 )
2021年01月09日
82 レ号仮泊から230周年の節目  記念事業等いまだ動きなく  (串本町 )
2021年01月09日
83 一日一日を大切にしよう  小中学校で3学期始業式  (熊野市・南牟婁郡 )
2021年01月09日
84 手作りかるたで白熱  放課後児童クラブ「きほっこ」  (紀宝町 )
2021年01月09日
85 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第28回】コロナ禍の今こそ食卓が大事  

 コロナ禍が続いています。自宅で食事をする機会が多くて毎日の食事作りもうんざりというお母さんも多いのではないでしょうか? でも、今こそ家の食事が、とっても重要なんです。今、子どもたちは学校で、感染予防のため、給食中の会話を禁じられています。この給食の時間は子どもたちの食意識に影響しています。

 子どもの頃の給食の思い出が将来の食意識にどんな影響を与えているかを研究した論文があります。「給食が楽しい時間であること、楽しい会話ができる場であることが、大人になってからの食に関する意識や食生活行動に好ましい影響を及ぼしていることが考えられ、給食の時間が楽しい場であることが重要だと示唆された」(大妻女子大学家政系研究紀要「子ども時代の孤食が大人になっての食への意識にどのように影響するのか」、2017年)。ここでいう大人になってからの食意識とは「温かい食事は家族にとって大事か」「家族そろった食事を心掛けたい」「食事はなるべく手作りしたい」「栄養バランスを考えた食事をしたい」などです。

 子どもたちにとって、友達と楽しく食事をする給食はメンタルにも影響するという論文もあります。「『給食の時間は楽しいですか』という問いに対して、『とても楽しい』と回答した群は、『それ以外の回答』の群と比較し、男女ともにQOL総得点が高く男子の家族得点をのぞいて有意な差が認められた」(栄養学雑誌「小学5年生児童における給食の食べ残しおよび給食の楽しさとQOLの関連性」、2015年)。ここでいうQOLとは、身体的な健康・精神的な健康・自尊感情・家族友達との関係・学校生活の印象などを得点化したものです。つまり給食が楽しいという気持ちはたくさんの感情とつながり、子どもたちのメンタルも健やかにしているのです。

 その給食の時間で会話を禁止されるということは、楽しい時間を制限されるということなんです! 会話なく、黙々と食事を取るのは大人だって楽しくないですよね? 子どものメンタルを健やかに保つためには、楽しい食事が最も大切なんです。そして、給食が楽しい時間ではなくなった今それをカバーできるのは家庭での食卓だけです。

 だから今こそ、家族で取る食事を会話であふれた楽しい食事にしてあげてください。クタクタなときは作らなくてもオッケー! 買ってきたものでも、外食でも、デリバリーでも、会話をしながら楽しく食べればオッケーです! 「おいしいね」と言いながら、今日あったことを話してください。きっと子どもたちは、いつもと違う環境への不安やコロナ禍の不穏な空気を払拭できると思います。

 大人にとっても、子どもにとっても今は誰も経験したことのない未知の環境です。でも、そんなときだからこそ子どもたちに食卓で安心感を与えて心を健やかにしてあげたいと私は思っています。

(2021年1月9日付紙面より)

2021年01月07日
86 熱こもる最終プレゼン
 紀の松島観光船プラン作り  (武者修行(R)プログラム )

 大学生向けグローバル研修を展開する株式会社旅武者(遠藤まさみ代表取締役)=東京都=は、昨年12月24日から始まった「地方創生イノベーション武者修行(R)プログラム」の最終プレゼンテーションを4日、那智勝浦町役場で実施した。

 同町の体験型観光の代表である「紀の松島観光船」のプランについて、3チームが熱のこもったプレゼンを行い投票の結果、澤田龍輝さん(産業能率大学4年)と松下昇大朗・ウィリアムさん(名古屋大学2年)のチーム「マイアミホテイソン」による「びん玉×映え=びん映えプロジェクト」が条件付き採用となった。

 武者修行(R)プログラムとは、同社のベトナム法人が運営する店舗で大学生がチームとなり、新商品・サービス開発やプロモーション企画を考え、形にして顧客に届けるビジネス体験学習プログラム。自身の成長課題に向き合い、自己変革(変態)することで、人生を切り開く力「自走式エンジン(R)」を積むことが目的・ゴールだという。昨年からは国内でも実施されている。

 参加した学生7人はチームに分かれ、同観光船の満足度向上や集客増を目指して町内を巡り、町民らと交流しながら情報収集などを行い、企画を進めていった。

 12月27日の中間プレゼンを経て、課題解決に向け自身らのプランを磨き直し、2日と3日に効果検証を行い、最終プレゼンを迎えた。

(2021年1月7日付紙面より)

最終プレゼンテーションを実施=4日、那智勝浦町役場
2021年01月07日
87 河内祭保存会に大臣表彰
 文化財保護分野で高評価  (串本町 )

 本年度地域文化功労者表彰(文部科学大臣表彰)の被表彰者がこのほど発表され、本紙関係では串本町の古座川河内祭(こうちまつり)保存会(杉本喜秋会長)が表彰を受ける事が決まった。

 この表彰は、芸術文化振興や文化財保護などを通して地域文化の振興に功績があった個人や団体をたたえる目的で年次実施。本年度は芸術文化分野で46件(個人41、団体5)、文化財保護分野で45件(個人33、団体12)がそれぞれ選ばれている。

 同保存会は文化財保護分野の被表彰者。現・国指定重要無形民俗文化財「河内祭の御舟行事」を50余年にわたって保護し続け、河内神社例祭「河内祭」の主軸となる奉仕を担う団体として例祭に関係する5カ区(古座・古田・下部・宇津木・月野瀬の各区)や他の奉仕継承諸団体のまとめ役も果たして祭礼の継承に努めている。

 そのような活動の成果として同文化財は1965(昭和40)年に県指定、99(平成11)年には国指定へと昇格。日本遺産「鯨とともに生きる」にあっては、鯨船に屋形を組んで装飾した御舟が往事の文化を物語る点で認定時に大きな役割を果たした経緯もある。同保存会が積み重ねてきた地域文化振興への貢献は多大と評価され、今回の表彰を受けるに至った。

 表彰式は24日(日)、京都府立府民ホールで実施。杉本会長は同町教育委員会教育課職員とともに出席するそうで、「このような賞を頂けることになり、ますます祭りをやめられないという気持ちになった。(会員が)だんだん年を取ってきて御舟の飾り付けなどいろいろと大変になってくる中、どうすれば維持していけるかをみんなで話し合いながらこれからも続けていけるよう頑張りたい」と気持ちを新たにしながら喜んでいる。

(2021年1月7日付紙面より)

国指定重要無形民俗文化財「河内祭の御舟行事」(2019年の奉仕より)
2021年01月07日
88 牛の絵本など展示
 新宮市立図書館  

 新宮市井の沢の市立図書館では、1階に特設コーナーを設け、今年のえと・牛に関する絵本や、2021年に関する本を展示している=写真。30日(土)まで。

 児童閲覧コーナーでは、「希望の牧場」「めうしのジャスミン」などの牛に関係した絵本を展示。

 一般向けには、今年没後50年を迎える山下清とファッションデザイナーのココ・シャネル、連載が始まって70周年を迎えた、スヌーピーでおなじみの漫画「ピーナッツ」関連本、今年の大河ドラマ「青天を衝け」の主人公・渋沢栄一の関連本、その他今年に映画化・ドラマ化される原作本などを紹介している。

 また、一般向け新刊コーナー横には、「赤毛証明」(光丘真理)「なぜ僕らは働くのか 君が幸せになるために考えてほしい大切なこと」(池上彰)など、成人式、卒業式の時期に合わせて読書推進運動協議会が発行する冊子に掲載された24冊を展示・貸し出ししている。展示は2月27日(土)まで。

 また、今月のおはなし会「ぷちぷち」(先着5組、要事前申し込み)は22日(金)午前10時30分からの約15分、「にこにこ」(先着10人、申し込み不要)は23日(土)午後2時30分からの約15分を予定している。申し込み・問い合わせは同図書館(電話0735・22・2284、FAX0735・22・2312)まで。

(2021年1月7日付紙面より)


2021年01月07日
89 定置網にミンククジラ
 追い出し作業が困難  (太地町 )

 和歌山県資源管理課は5日、太地町沖に設置されている大型定置網に昨年12月24日から体長4~5㍍(推定)のミンククジラ1頭が入り込み、追い出し作業が困難となっていることを報告した。

 同課によると、定置網の全長は約400㍍。現場の潮流が早く危険が伴うため、逃がすことが難しいとし現在も網内にとどまっている状況だという。

 ミンククジラが網内で長期間遊泳することで漁具の破損被害も想定され、定置網内の魚の水揚げができないことから網を設置する太地水産共同組合の経営にも大きな打撃が生じることが懸念されている。

 県と同組合は追い出すための努力を続けているが、長期に至る場合は捕獲も視野に入れているという。

 同課担当職員は「クジラが定置網に掛かる事例は全国でも100頭前後確認されており、和歌山県内では3例目になる。それらの情報やノウハウを元に関係法令に基づき、適切な対処ができるよう必要に応じて助言などをしていきたい」と話している。

(2021年1月7日付紙面より)

太地町沖の大型定置網=6日、太地町燈明崎
2021年01月07日
90 古人と祈りの札  熊野三山「熊野牛王符」  
2021年01月07日
91 セカンドアルバムをリリース  ご当地アイドル「Fun×Fam」  
2021年01月07日
92 一年の目標決めて努力を  町内小中学校で始業式  (那智勝浦町 )
2021年01月07日
93 年末年始の交通事故6件  紀宝警察署  
2021年01月07日
94 コロナと共存の生活に  河上市長が年頭会見で現状語る  (熊野市 )
2021年01月07日
95 消防使命達成に全力  御浜町消防出初め式  
2021年01月07日
96 指文字で名前を覚える  やさしい初級手話教室  (紀宝町 )
2021年01月07日
97 お悔やみ情報
  
2021年01月06日
98 子どもたちに夢と希望を
 森浦大輔投手が表敬訪問  (新宮市 )

 プロ野球ドラフト会議で広島東洋カープから2位指名を受け入団が決まった新宮市出身の森浦大輔投手(22)が4日、市役所を訪れ田岡実千年市長を表敬訪問した。田岡市長は「地元の子どもたちに夢と希望を与えてくれた。心よりありがとうとおめでとうを言いたい」と歓迎した。

 森浦投手は最速148㌔のストレートとスライダー、チェンジアップ、カーブを武器とする左腕。緑丘中学校では野球部に所属し3年生の時に和歌山県大会で優勝。近畿大会に出場した。

 名門・天理高校に進み1年の夏からベンチ入り。2年で「春の選抜」に出場し、甲子園のマウンドに立った。甲子園には春夏の連続出場を果たした。天理大では1年の春からリーグ戦に出場し、5戦3勝、防御率0・92でMVPを獲得。秋には最多の5勝をマークし、MVPと最優秀投手を受賞している。

 森浦投手が同市に帰省したのは昨年12月28日。秋のリーグ戦が終わってから自主トレを開始した。年末年始は家族とゆっくり過ごし、2月から沖縄県と宮崎県で始まるキャンプに向け英気を養ったという。

 横浜DeNAベイスターズの東克樹投手を目標に掲げ「まずは1軍の舞台で投げるのが目標」。

 「カープはファンの人が熱い。たくさんの応援を力に変えたい。キャンプでは、ストレート、スライダー、チェンジアップのキレを出していきたい」と目下の課題を語り、地域や子どもらに対し「たくさんの応援に応えられるように頑張りたい。(子どもたちには)しっかり練習して頑張ってほしい」とコメントを寄せた。

 田岡市長は「野球ができる環境をつくってくれたご両親に感謝と敬意を表するとともに、森浦投手にはけがをせずに息の長い選手になってほしい。一日でも早く1軍で活躍し、テレビで投げる姿を楽しみにしています」と背番号13を激励した。

(2021年1月6日付紙面より)

森浦大輔投手(左)が田岡実千年市長を表敬訪問した=4日、新宮市役所
「夢と希望をありがとう」談笑する森浦投手と田岡市長
2021年01月06日
99 大漁や操業の安全を祈願
 熊野那智大社にマグロ奉納  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で初市が開かれた4日、和歌山県漁業協同組合連合会の片谷匡副会長ら6人が同町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)を参拝した。この日揚がったマグロを1本奉納し、大漁と漁業者の安全な操業を祈願した。

 約15㌔のメバチマグロが神前に供えられ、神事では神職が祝詞を奏上。巫女(みこ)が神楽「那智の滝舞」を舞い、金幣(きんぺい)の儀が行われた。一同を代表し片谷副会長が玉串をささげた。

 男成宮司は奉納に感謝を述べ、「昨年は新型コロナウイルスに始まりコロナに終わった。一日も早い終息と勝浦市場や県漁連の発展をお祈りしています」と語った。

 参列した県漁連の額田浩事務局長は「コロナ禍の中、和歌山県の漁業者の安全と大漁をお祈りした。漁獲量も増え、価格も上がってほしい。そして皆さまにおいしく食べていただきたい」と話した。

(2021年1月6日付紙面より)

初市のマグロを奉納した片谷匡副会長(前列左から2人目)らと男成洋三宮司=4日、那智勝浦町の熊野那智大社
2021年01月06日
100 拠点化目指して挑戦中
 南紀串本観光協会古座  (串本町 )

 アウトドア拠点化を目指して昨秋にリニューアルした南紀串本観光協会古座事業所(通称・同協会古座)―。同町と株式会社モンベルの包括連携協定を追い風にして挑戦を重ねている。

 串本町とアウトドアメーカーのモンベルは2018年1月末、過去の寄贈や商材採用の縁をさらに発展させるため同協定を締結。以降町域では同社のフレンドエリア化が進み、モンベル会員対象サービスの導入など具体化策を取り入れて誘客を図る事業所が増えている。

 同事業所は対象に縛られない形で同協定の追い風を受けつつ、地域密着型アウトドアショップをコンセプトにしてリニューアル。モンベルショップの一店舗に加わり、コロナ禍の影響で若干出足が遅れたが物販事業の中でモンベル商材の取り扱いを始めた。アウトドアメーカーならではの多彩な構成で、各種ウエアやアウトドアを楽しくするグッズがそろい、昨年のクリスマス前には冬物を入荷するなど季節展開も交えて弾みをつける状況となっている。

 カタログ販売にも対応していて、注文して取り寄せてからの販売となるが送料がかからない点はこの仕組みの強みと自負している。アウトドア関係ではモンベル以外にストリートトレイルなどの商材もあり、他方ではウツボやユズ、姫ひじきや観光カレンダーなどの地元産品はもちろん、リニューアル前のイメージを強化継承してアートやハンドメイドの各商材も取りそろえている。

 リニューアル後の同事業所内は木製棚と暖色系の照明で温かみのある内装に。同事業所は「店頭で取り扱うモンベルのウエアは家族の需要にも応える取りそろえ。住民、観光客を問わず、まずは気軽に立ち寄っていただければ」という。

 同事業所はJR古座駅の駅舎内に位置。物販と双翼で提供するカヌーレンタルやカヌー体験との兼ね合いで一時的に閉める場合があるが、基本無休で午前8時30分~午後5時30分に開いている。両事業の問い合わせは同事業所(電話0735・72・0645)まで。

(2021年1月6日付紙面より)

アウトドア拠点化を目指して挑戦する南紀串本観光協会古座事業所=4日、JR古座駅駅舎
2021年01月06日
101 地域経済循環の一端を担う
 新宮公設市場で初市  

 新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で5日、同市場協力会(小田三郎会長)主催の「令和3年初市」があった。午前7時過ぎから初競りが始まり、威勢のいい掛け声が市場内に響く中、ダイコン、イチゴ、白菜などが次々と競り落とされた。

 生鮮食料品の円滑な流通と安定供給を図り、周辺広域住民の食生活の安定に貢献することを目的に、1985年5月に県内の公設市場第1号として設置された市場。

 初競り前の式典で小田会長は、新型コロナウイルス感染症が及ぼす経済的な影響に言及し「ワクチンの接種開始が間もなくとの報道もあり、一刻も早くこのコロナ禍の状況が収束し、元の普通の日常が戻ってくることを願うばかり」とあいさつ。

 市場を取り巻く現状について、人口減少や高齢化、小売店の後継者難、ネット通販など流通の多様化などによるマーケットの縮小で厳しい状況にあるとしながらも「このような時こそ地域との密着性、距離感の近さという強みをこれまで以上に生かしてきめ細やかなご商売を続けることで、この地域の経済の循環の一端を担っていただくことが地元の活性化にもつながっていくのでは」。

 「公設市場も地元小売業者の皆さまのご商売を下支えし、生鮮食料品の安定供給という使命を果たすことで地域の活性化に貢献したい」と誓いを新たにした。

 市場管理者の田岡実千年市長は関係者たちの日頃の協力や新型コロナ感染症予防対策の実施などに感謝を述べ「コロナ禍中ではあるが、今後とも関係各位のなお一層のご協力を賜り、市場機能の充実・活性化のために努めていく」と呼び掛けた。

(2021年1月6日付紙面より)

威勢のいい掛け声が響いた=5日、新宮広域圏公設地方卸売市場
小田三郎会長
2021年01月06日
102 身体健全、武芸上達を願い  毎年恒例の安全祈願祭  (紀宝剣道 )
2021年01月06日
103 OB会で現役選手にエール  勇退した小西監督に感謝  (成川ソフトテニス )
2021年01月06日
104 大水害から10年、防災意識誓う 感染症対策講じて消防出初め式 (紀宝町)
2021年01月06日
105 目標を胸に刻み前へ  新宮高校で始業式  
2021年01月06日
106 日本はこうしてつくられた  安部龍太郎氏、新著を出版  
2021年01月06日
107 大人の自覚と郷土愛を  飛鳥神社で「新成人のご祈祷」  (太地町 )
2021年01月06日
108 最高賞目指し207人挑戦  認定コースチャレンジ大会  (潮岬青少年の家 )