高速道路をつなぐ建設促進協 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の「高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会」(藤社和美会長)は27日、役場大会議室で総会を開いた。串本―太地間の早期事業化をはじめ、近畿自動車道紀勢線の未整備区間解消を求める関係機関への要望活動などの事業案を承認した。ボランティア活動にも参加していく。
同協議会は、みんなの高速道路建設促進女性100人の会や観光協会、区長連合会など町内の24団体で構成。すさみ串本道路の工事着手、串本―太地間の新規事業化などの要望活動を行っている。
昨年は熊本地震被災者への募金活動と寄付、国土交通省と地元選出議員への要望活動、まぐろ祭りに参加し収益金を活動費に充てるなどさまざまな活動に取り組んだ。東京への要望活動については、例年よりも回数を増やし計6回、18人で臨んだ。
藤社会長は「最も強く望んだ本年度事業化はかなわなかったが、次年度実現に向け熱意を持って進めていく」と決意を新たにし、寺本眞一町長は「ミッシングリンクの解消に向け活動を進める中、事業化における国の理由付けの一つに、用地買収の問題がある。開通までの時間の短縮については、引き続き皆さんと共に頑張らなければいけない」と今後の協力を呼び掛けた。
(2017年6月29日付紙面より)
五輪レスリング銅メダリスト・太田拓弥コーチらが訪問 (新宮高校 )
県立新宮高校に26日、新宮市熊野地出身で早稲田大学レスリング部監督も務めるラグビートップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロの太田拓弥コーチ(47)と同ラグビーチームの西内勇人選手(24)、清原祥選手(24)が訪れ、同高校と新翔高校のラグビー部員21人にレスリングを指導した。ラグビーでも用いるタックルやモール(両チーム3人以上が立ち姿勢で組み合った状態)を中心に教えた。
太田コーチは、1996年に開催したアトランタ五輪のレスリング・フリースタイル74キロ級銅メダリスト。新宮にも何度か里帰りし、子どもたちにレスリングを教えている。ラグビー部員にレスリングを教えるのは今回が初で、「ラグビーとレスリングには、タックルやモールなど共通するところが多い」と話す。
太田コーチは自身でも印象深かったというアトランタ五輪3位決定戦前の試合のビデオを見せ、タックルにはメンタル、ヒットスピード、スキルが重要だと説いた。ヤマハの武器であるモールのムービーも見せ、レスリングの技術を応用した練習方法や姿勢の崩し方などの技を教えた。
太田コーチは部員たちの練習を見て、「まだまだ体つきはできていないが、高校生は成長が早い。意欲を湧かせて、教えた練習をしっかり続ければ、強くなれると思う」と今後に期待した。
(2017年6月29日付紙面より)
児童館行事「七夕会」 (古座川町 )
古座川町民体育館で24日、児童館行事「七夕会」が開かれた。町内の子どもやその家族約110人がささ飾りづくりに取り組み、一足早く天上の織姫やひこ星に向け願い事をするなどした。
子ども同士の交流を深める中で自主性や社会性、創造性を高めるという児童館の趣旨に基づく、同町恒例の行事。現在は子ども教育15年プランを推進する同町教育委員会教育課の職員が一丸となって計画し、町内の子どもや家族に参加を呼び掛けている。
本年度は中央公民館が改修期間中で使えないため、町民体育館で実施。仲本耕士副町長が行事のあらましを先に紹介し、七夕にちなんだ絵本の読み聞かせでいっそう気分を高めた子どもらは、受け付け時に配られたカードに書いてある順番で▽ささ飾り制作▽おみやげ釣り▽ほしかざりづくり―の各体験に挑戦した。
ささ飾りづくりは長さ約50㌢のプラスチック製のささ枝に折り紙飾りや短冊を飾り付ける内容でペーパードレスを着た織姫役、ほしかざりづくりは恒例の大ざさ(=タケ)に代わるオブジェ「天の川」にみんなで願い事を飾る内容で同ドレスを着たひこ星役、がそれぞれ挑戦を後押し。「天の川」にはドッジボール大会での勝利や泳ぎ、走りの上達といった願いや、ケーキ屋やキャラクターなどなりたい自分を書いた短冊が鈴なりに飾り付けられた。高池在住の上村廣美さんが飛び入りでハーモニカ演奏「たなばたさま」を披露し、雰囲気を盛り上げた。
各体験を一足早く終えた子ども向けに織姫やひこ星の顔出しパネルも準備され、記念撮影した写真をすぐに印刷してプレゼント。終盤では同町のマスコットキャラクター「瀧之拝太郎」が「天の川」の出来栄えを確かめ、参加者、織姫役、ひこ星役の全員と一緒に記念撮影に臨んだ。
おみやげのお菓子と併せてジュースも配られて行事は終了。和田充旦教育長は同プランを軸にこれからもさまざまな楽しい行事を開くとし、引き続きの参加を子どもや家族に呼びかけて締めくくった。
この日仕上がった「天の川」は7月31日(月)まで南紀月の瀬温泉ぼたん荘温泉館内に飾るという。
(2017年6月29日付紙面より)
王子ヶ浜を守る会が国と協定
新宮市の王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)と協力企業が27日、国土交通省と「ボランティア・サポート・プログラム」協定を結んだ。国交省や新宮市と協力して、同市高森の国道42号沿いの美化や景観の改善などに取り組んでいく。
「ボランティア・サポート・プログラム」は地域や企業の人々に道路の美化活動に参加してもらうことで快適な道づくりを進めていく制度。道路管理者と市町村が実施団体の活動をサポートし、団体は実施区域と活動内容を決め三者間で協定を結ぶ。
王子ヶ浜を守る会は、上陸したウミガメが産卵しやすい環境を目指して海岸部の清掃活動などを続けている団体。今回の協定では、高森地先の歩道部で道路清掃などを行い、地域にふさわしい道づくりを進める。
市の玄関口である国道42号広角地区の国有地約170㍍の区間に、水道設備が整い次第花壇を建設する予定で、速水会長は「管理は責任を持って行う。花壇には季節の花を植えていきたい。最善を尽くしてやるので協力をお願いしたい」と話していた。
同会は、熊野地方は国立公園や世界遺産が多く、日本だけでなく世界中から多くの人が訪れる大切な文化遺産の土地とし、来訪者だけでなく、地域の人にも安らぎと感動を持ってもらえるよう、道路の美化や景観改善に取り組んでいきたいと話している。
(2017年6月29日付紙面より)
県中学校春季卓球大会
モルテンカップ小学生バレー地方予選
熊野川本来の清流の恵みと活力を次世代に残すことを目的とする「美しき熊野川100年会議」の設立総会が11日、新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターであった。基本理念や本年度活動計画などを決め、会長には麻野吉男さんを選んだ。
総会には田辺市、新宮市、紀宝町、太地町などから約20人が出席。基本理念を「世代と地域を越えて英知を集め、長期的な視点に立ってさまざまな課題解決に取り組んでいく息の長い活動を目指す」などとした。本年度の活動計画は▽葦船製作と乗船体験・熊野川下り▽大日山植樹▽川の清掃&芋煮会▽川の生き物観察会▽熊野川経済研究会。
麻野会長は、熊野川上流にダム建設の話が出た昭和20年代、当時の知事は建設に大反対していたが、国の大きな流れに屈し、現在に至っていると説明。会長就任にあたっては「最後の奉公ができればと思っています」と述べ、さまざまな人や団体との同じところを探していく本当の文化運動をやりましょう、と協力を呼び掛けた。
城和生・副会長は「熊野川が清流であることが熊野の神々のご意志ではないかと思っている」。安原克彦・事務局長・会計は「100年続く会議の基礎をつくるためには井の中のカワズにならないようにしなければならない」。高栖浩史・会計監査は「本当にダムがなくなれば、清流に戻るのかなど、勉強するきっかけになれば」とあいさつした。
(2017年6月13日付紙面より)
男の人の料理教室 (太地町 )
太地町住民福祉課と町地域包括支援センターは9日、町公民館で男の人の料理教室を開いた。8人が参加し、「海の幸」をテーマに4品を作った。
5年ほど前から始められた恒例行事で、簡単料理で健康的な食生活ができる「技」を磨いてもらい、今後の食生活に役立ててもらおうと年4回催している。男性は地域イベントへの参加が少ないことから、男性限定にすることで気軽に参加してもらい、地域交流を深めてもらう狙いもある。
メニューは作りやすさを重視しており、今回はアジのロール焼き、アカイカの煮つけ、豚バラ肉の野菜巻き、みそ汁を作った。アジはDHAが豊富に含まれ、ブタはビタミンを豊富に含む。海鮮食材は漁協スーパーで仕入れた。
講師は栄養士の中山恵さんをはじめ同センターと住民福祉課の職員3人が務めた。参加者は、認知症予防の講座を受けた後3班に分かれ、協力して調理を進めた。試食は参加者全員で卓を囲み、出来たて料理に舌鼓を打った。
2回目の参加だという寺西敏次さん(61)は「普段は奥さんに作ってもらっています。出来上がった料理もおいしかったので、また家でも作れたら」と話した。
(2017年6月13日付紙面より)
古座観光協会(室宣行会長、会員75人)の定期総会が9日、串本町中湊にある神保館で開かれた。役員改選があり、理事の互選で室会長を選出した。その他事項で役場産業課から町域の観光振興を包括する共同体立ち上げの提案があり、協議を進めることを承認した。
開会にあたり室会長は、カヌーレンタル事業が外国人のツアーメニューとして注目されるチャンスを迎えていて、自然を生かし流域の企画とも連携したイベントやカヌーによる語り部ツアーなどいっそうの振興策を模索していることを報告しつつあいさつ。来賓の田嶋勝正町長は、すさみ串本道路の工事が本年度末から着工の見込みにあることを報告し、「今から何を売り出すかを固めるべきだ」として同協会と共に方策を考えたいとし、総会実施を祝った。
議事では前年度と本年度の事業関係諸議案を審議し承認。本年度事業計画関係では外国人観光客対応の強化策について質問があり、計画外の取り組み事項として意識し、例年並みの内容(新規に通年でクルーズ船誘致活動と古座道の駅推進活動を始める)で取り組むこととした。カヌーレンタル事業の28年度実績は3211人。対27年度比で1・5%の微増だった。
共同体の立ち上げは同席した濵地弘貴産業課長の提案で、CM撮影や旅番組ロケ(番組名「遠くへいきたい」7月2日(日)午前7時放送)など昨今撮影が多い背景には、3カ年計画で能動する同課課員の積極的な売り込みがあるとし、動けば反応が得られる事例として例示。高速の延伸や世界遺産追加登録など串本には今いい風が吹いている時にバラバラで頑張るのは惜しいとし、今後の同協会や串本町観光協会のステップアップとして新たな枠組みの協議を申し出た。串本町観光協会は総会時に間に合わず以降の役員会で提案したそうで、協議の準備が進んでいるという。
(2017年6月13日付紙面より)
熊野川町で「さつまいも体験農園」 (みつの地域活性化協議会 )
新宮市熊野川町の営農団体、農産加工組合などから成る「みつの地域活性化協議会」(下阪殖保会長)は10日、同町神丸の休耕田で「さつまいも体験農園」を開催した。10組が参加し、サツマイモの苗の植え付けとおやつの試食をした。
同会は地域資源を生かした魅力ある地域づくり活動に取り組んでいる。「体験農園」は休耕田を活用し、自然豊かな熊野川の魅力を感じながらサツマイモ栽培や加工を体験してもらおうと開いた。全4回で、苗の植え付けやシェフに習うサツマイモ料理、収穫祭、加工を予定している。
参加者らは東牟婁振興局の村畑恵一さんから栽培の説明などを聞き、畑の表面をシートで覆い雑草を生えにくくする「マルチング」を協力して実施。その後、指導を受けながら1組当たり長さ6㍍の2畝に約40本の苗を植え付けていった。畑にはこの他、協議会メンバーらが植えた苗約1500本もある。
作業後は「熊野川ふるさとキッチン」のメンバーらがサツマイモを使って作ったまんじゅうと蒸しパンの2種類のおやつを味わった。
夫の卓也さん(40)、息子の蒼真君(3)と参加した今井結花さん(33)は「畑仕事をする機会もなく、体験してみたいと思いました。ちょっと暑かったですが、楽しかったです。たくさんなってくれれば」。
下阪会長は「楽しみながらやってください」とあいさつ。「おいしさを一緒に味わえればと思います」と話していた。
(2017年6月13日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部5月度月例杯
卓球部女子が県予選会学校対抗で3位入賞
県高校総体バドミントン
県高校陸上競技対校選手権大会
プレイベント企画考える (市民ワークショップ )
新宮市教育委員会文化振興課は4日、新宮商工会議所で文化複合施設周知活動プレイベント実行委員会の第1回市民ワークショップ「プレイベントをしよう!」を開いた。17人が参加し、アイデアを出しあった。
平成33(2021)年度開館を目指して文化複合施設の建設が進められている。これに先駆け、市教委は株式会社シアターワークショップ(伊東正示代表取締役)支援のもと12月までにワークショップ4回と講座3回を開き、プレイベント実行委員会を立ち上げる予定だ。今回はイベントの草案としてアイデアを出し合い、内容を絞り込んだ。7月23日(日)の第2回から具体化していく。
参加者は3班に分かれて、開館前から開館後も継続して情報発信できることを条件に企画を考案した。各班は広報隊の結成や人材発掘コンテスト、オリジナルヒーローショーなどを企画し発表した。結果は3班のアイデアを混ぜ合わせることになった。
伊東さんは「どれも大変面白いアイデア。力を合わせて活動していこうという機運が高まるのはいいこと。これから盛り上がっていくと思う」と話した。
(2017年6月7日付紙面より)
市野々と八反田で避難訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の市野々区と八反田区で4日、土砂災害に備えた避難訓練があった。市野々区の自主防災組織(太田博久会長)をはじめ、町や消防、警察関係者ら59人が参加し、両地区の住民65人が町立市野々小学校体育館に避難した。
平成23年に起きた紀伊半島大水害で地域が大きな被害を受け、平成26年から避難訓練を始めた。当初は市野々単独で行っていたが、27年は井関と八反田が加わり、28年から市野々と八反田で訓練に取り組んでいる。
訓練は、24時間雨量で200㍉以上の降雨を想定して行われた。午前9時に避難準備の放送が流れ、その30分後に避難勧告が発令された。住民らは市野々小学校に避難した。関係者は避難者を誘導し、避難困難者を車で迎えに行くなどの支援も行った。体育館内では、町職員が簡易トイレ作りや非常食の調理を実演した。
市野々から避難してきた山田英子さん(44)と息子の翔太君(8)は「5分ほどで避難できました。自分たちの力で逃げられるようにと訓練に参加しました。早めに逃げることと、事前の準備が大切。家庭でも、水の用意や懐中電灯や携帯電話のバッテリー充電などを心掛けています」と話した。
市野々区長でもある太田会長は今回の訓練に「想像していたよりもお年寄りの参加が多い。毎年実施して防災意識を高めていき、今後の課題を見つけたい。自主防災組織から意見も出るので、行政や消防と相談して今後の展開を検討したい」と話した。
(2017年6月7日付紙面より)
シイラなどの釣果を競う釣り大会「第22回潮岬オフショアトーナメント」が4日、串本町の有田港を拠点にして開かれた。今回も主に近畿~中京圏の中学生以上80人がチャーターボートで沖合に出て挑戦。シイラの部は釣果がなく、他魚の部は奈良県上牧町から参加した國分武士さんが5・10㌔のブリを釣り上げて優勝した。
この大会は同トーナメント実行委員会(宇井晋介実行委員長)主催。船上からのルアーキャスティングやジギングによる釣果を競う内容で年1回、6月第1日曜日を基準にして開かれている。関西では特に歴史のある釣り大会の一つとして愛好者に認知され、根強い挑戦を集めている。
今回もシイラの部と他魚の部(各1~5位入賞)を設け、他魚の部は総合順位に加えて珍魚賞やレディース賞(各上限3人)も取り入れて入賞の幅を広げた。参加者は実行委が手配したチャーターボートに分乗して出港し、同港沖合で午前6時~正午の6時間にわたって競技に臨んだ。
競技終了後の検量でシイラの釣果報告はなく、宇井実行委員長は「天候には恵まれたが今季は黒潮が遠く離れていて、かなり沖まで出たボートもあったようだがそれでもシイラには当たらない結果になった」と状況を分析した。他魚の部の入賞魚はブリ、マダイ、マハタ。21人が検量に臨み、珍魚関係ではニザダイ、エビスダイ、ホウキハタが入賞魚となった。
検量後は串本海中公園センターレストラン「アクロポーラ」で表彰式を開いて各入賞者の健闘をたたえた。シイラの部のトロフィーは同実行委員会預かりとし、賞品はお楽しみ企画のじゃんけん大会の景品に加えて参加者に贈り、大いに盛り上がったという。
(2017年6月7日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社で6日、「梅の日記念式典」が営まれた。梅産地の各団体でつくる「紀州梅の会」(会長・真砂充敏田辺市長)の会員ら約80人が参列し、豊作と業界の発展を祈った。
1969年に設立された同会は、県内の産地の首長や生産者組合らで組織。2006年に毎年6月6日を「梅の日」と定め、みなべ町の須賀神社、京都の上賀茂神社と下鴨神社にも梅を奉納している。東京などでもさまざまなキャンペーンを催し、PRしている。
本宮大社の式典では、祝詞奏上の後、九鬼家隆宮司と参列者たちが神前のたるに約30㌔の南高梅や塩を入れる梅漬けの儀を行い、みこが神楽を奉納した。この日漬けられた梅は、紀州梅の会がいったん持ち帰り、梅干しとして完成させた後、10月10日(火)にあらためて同社に奉納する。
九鬼宮司は「しっかりと雨が降り、梅の木の根に染み渡って木が育ち、すばらしい梅の実が収穫できることを祈念します。全国津々浦々に南高梅の素晴らしさを知っていただければ」。
紀州田辺梅干協同組合の中田吉昭理事長は「今年は5月の雨不足で成長が遅れています。梅が全国のお客さまの健康のお役に立つことを祈っています」と話していた。
梅の日は1545年6月6日、雨が降らず人々が困っていたことを知った後奈良天皇が賀茂神社の例祭に梅を奉納して祈ったところ、大雨が降りだし、五穀豊穣(ほうじょう)をもたらしたとの故事にちなむ。
(2017年6月7日付紙面より)
紀宝空手スポーツ少年団
高田川などで太公望
熊野地方の熊野川や古座川、太田川流域で1日、アユ漁が解禁された。この日を待ちわびていた太公望たちが、夜明けとともに釣り糸を垂らした。
熊野川漁業協同組合は今年、熊野川各支流に稚魚を約4・1㌧放流している。内訳は▽高田川700㌔▽赤木川1200㌔▽大塔川850㌔▽四村川800㌔―など。組合は「今年は例年より天然遡上(そじょう)が多い。四村川と赤木川で良い形のアユが見られると聞きました」。
新宮市高田の高田川では初日、約20人の釣り人が川に入った。午前5時から8時30分までに15~18㌢のアユを13匹釣り上げていた瀬田貴文さん(37)は「アユはたくさんいますが、今日は水量が少ないですね」。
高田川は2011年9月の紀伊半島大水害で川底が激変し、稚アユの遡上が減ったことから、組合は対応策として昨年10月、川内に初めてアユの産卵場を設置。卵を持ったメスとオスの成魚合わせて約4000匹を放流した。高田川監視員の稲生達雄さん(57)は「アユの数は去年より確実に多い。今後もっと良くなっていくと思います」と話していた。
(2017年6月2日付紙面より)
歯と口の健康週間を前に (太地町 )
太地町の町立くじらの博物館で1日、飼育するクジラの歯磨きが始まった。「歯と口の健康週間」(4~10日)にちなんで毎年行われているイベントで、11日(日)まで。
コビレゴンドウ、オキゴンドウ、ハナゴンドウの3頭が口を開けて並び、飼育員がブラシで歯を磨いた。
クジラの歯は食性によって違い、コビレゴンドウは上下のあごに約30本、ハナゴンドウは下あごのみに約10本、オキゴンドウは上下で約40本あるという。かみ砕く臼歯はなく、餌を捕まえて飲み込む。学芸員の稲森大樹さん(32)は「クジラ、イルカの歯は面白い。近くで見ることでクジラへの興味を持ってもらい、歯磨きの大切さも学んでもらえればうれしい」と語った。
歯磨きを体験した同町の大石遥斐君(5)は「楽しかった。うまく磨けたと思います。自分でも歯磨きを続けます」と話していた。
1日3回実施する。問い合わせは同博物館(電話0735・59・2400)まで。
(2017年6月2日付紙面より)
町民生児童委員総会 (那智勝浦町 )
那智勝浦町民生児童委員協議会(岡本美智子会長、委員56人)は5月31日、町福祉健康センターで平成29年度総会を開いた。昨年度の事業報告と今年度の計画が上程され、出席した委員36人から承認を受けた。
開会のあいさつで岡本会長は「住民から寄せられる相談も複雑かつ多様化している。横の連携を密に、共に活動し育つことが力量を深める。私たちは行政の協力者であり、住民の代弁者。安全で安心できる福祉と守られた人権の町づくりのために、住民の心のよりどころになれるよう支え合っていきたい」と協力を求めた。
寺本眞一町長は「全国で児童の虐待や放置、少年犯罪の多発など社会や家庭の子育て機能が低下し、子どもとその家族を巡る問題が深刻化している。福祉の向上と子どもたちのために、さらなる協力をお願いします」と話し、新温泉病院やクリーンセンターなど今後の町の取り組みにも触れた。
今年度は、民生委員制度創設100年記念全国大会が7月に東京で、和歌山大会が10月に和歌山市で催される。
(2017年6月2日付紙面より)
串本ロイヤルで総会開く (串本町観光協会 )
串本町観光協会(島野利之会長、会員156人)が5月31日、串本ロイヤルホテルで平成29年度通常総会を開いた。高速道路延伸に伴う観光客の増加を見据え、地域資源の磨き上げと魅力発信の強化を今後の挑戦課題として強く意識しつつ本年度の事業計画を固めた。
前年度は従来の諸事業に加え、橋杭海水浴場のアウトドアレジャー拠点化による3シーズン活用の素地構築や各種体験メニューをアピールする企画「自然体験まつり」の実施など、今後に向けた取り組みにも力を入れた同協会。
その成果を持って本年度の方向性を決める通常総会を迎え、島野会長は「体験型、滞在型の観光にもっと力を入れる必要がある。串本町が持ち得るもの全てを磨き上げ、魅力をお届けしてたくさんの方に来ていただけるよう頑張らなければならない」と思いを掲げ、古座観光協会や商工会青年部、町や県、会員や町民らが一体となって取り組むことや今後の新たな試みへの協力を求めるなどした。
来賓を代表して田嶋勝正町長は、高速延伸の見通しを伝えて開通後に増える旅客をいかに地域経済につなげるかが重要だと提言。前芝雅嗣県議会議員も串本町の特徴を生かした誘致に励んでほしいと期待を寄せ、両者とも力を合わせて頑張りたいと歩み寄った。児玉征也東牟婁振興局局長や濵地弘貴産業課長も列席した。
続く議事では事業関係の諸議案を審議し承認した。役員改選はなし。本年度事業計画では各地域資源に応じた具体的な集客活動を重視し、関係イベントについては▽串本まつりの開始を告げるイベント「海水浴まつり」の名称を「橋杭ビーチサマーフェスタ」に改め内容も一新する▽イベント「ラブ太平洋串本エギング大会」の予算を他の釣り大会にも振り分ける―などの点を確かめた。
(2017年6月2日付紙面より)