太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で21日、大掃除が行われた。参加した職員はセミクジラ実物大模型などのほこりを落とすとともに、海洋水族館(マリナリュウム)の潜水掃除などにも取り組み、新年を迎える準備を整えた。
大掃除の公開は5年ぶり。数年前から本館大ホールで実施されていた企画展や工事などの関係から公開されていなかった。今回は展示が汚れないようにシートを掛けるなどして清掃した。
実物から型取りし造られたという全国的にも珍しい全長15・2㍍のセミクジラの模型。職員は模型に上ってモップで汚れをふき、周辺通路から長い柄付きのはたきでほこりを落とした。その他の骨格標本や室内の清掃にも汗を流した。
人気の水族館は、大水槽の漏水や復旧工事のため、約半年間、動物の展示が行われていなかったという。今月5日に工事が終了。
その後、アルビノのバンドウイルカ、カズハゴンドウなど、4種7頭を搬入し展示を再開した。この日はイルカたちが優雅に泳ぐ中、ダイバーが大水槽に潜って内側から磨き掃除をした。
学芸員の中江環さんは「2年間、コロナ禍で暗い年だった。来年は良い年になるように職員一同、頑張りたい」。
稲森大樹副館長は「本館も水族館もきれいになったので安心して楽しんでいただけたら」と語った。
同館は年末、年始も休まずに営業しており、年始にはさまざまなイベントも計画しているという。
(2021年12月22日付紙面より)
学生ら駅周辺を清掃 (那智勝浦町 )
和歌山大学の学生自主プロジェクト「きのくに線活性化プロジェクト」は18日、景観改善やJRきのくに線の魅力発信などを目的に那智勝浦町湯川のJR湯川駅の海側周辺の草刈りや清掃に取り組んだ。学生やJR西日本の各社員、土地を所有する協栄機械土地株式会社、同町職員など約20人が作業に汗を流した。
和歌山県の地域をつなぐJRきのくに線を通じて、県の地域活性化を目指す同大の学生らで組織される自主プロジェクト。旅行者向けの情報発信なども行っている。
「海の見える駅」を観光資源として来訪者に景色を楽しんでもらうために、景観を損ねている生い茂った木や草を整備すべく今年5月に同駅で初実施。今回で2回目。
同町出身でプロジェクトメンバーの宮井凜晴(りんせい)さん(観光学部2年)は「この活動がきのくに線沿線のPRにもつながる。異なる所属での交流の場にもなってほしい」とあいさつした。
各参加者は協力して、草刈り機やチェーンソーなどを用いて、生い茂った草木や竹に似たダンチクなどを伐採し清掃にも取り組んだ。一同は作業や昼食休憩を通して、交流を深めていた。
JR西日本和歌山営業部の上段貴司部長は「JRとしても地域の皆さまと共に周辺清掃に取り組めることは重要であり、ありがたい。また、『WEST EXPRESS 銀河』のラストランを学生や地域の方々と盛り上げていきたい。一連の活動は次につながる良い効果を生み出すと思います」と話した。
同プロジェクトの代表を務める岸本瑞生(みずき)さん(観光学部2年)は「景観を維持し、沿線の魅力を発信したい。観光客だけでなく、地元の皆さまにも楽しんでいただき、交流してもらいたい」。
今後については「ラストランを迎える銀河のおもてなしイベントにもつなげるために今日は頑張りたい。今後も活動を継続し、皆さまと共同し取り組んでいきたい」と話した。
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運行最終日の22日(水)にはJR新宮、紀伊勝浦、太地、古座、串本、周参見の各駅でお出迎えや、振る舞いが実施される。
また、新宮市の王子ヶ浜、同町のブルービーチ那智バス停付近、湯川海水浴場付近、玉之浦海水浴場、紀伊田原駅、串本町の古座川(右岸・鉄橋の海側)、見老津漁港において、通過する銀河に手を振っておもてなしを行う「999人とあなたの『WEST EXPRESS 銀河』おもてなしウェーブ」が行われる。
(2021年12月22日付紙面より)
文化センターで一般公演 (串本古座高校演劇部 )
県立串本古座高校演劇部(谷口克朗顧問、青木心優嘉部長、部員9人)が19日、串本町文化センターで創作作品「桜の花の咲くころに」の一般公演に臨み観客約80人が鑑賞した。
この作品は青木部長が考えた筋書きを原作にし同部一丸で磨き上げて仕上げた劇で、夢などの思いを持って東京へ出た18歳4人の上京と出会いから1年後までの成長を描き出す内容。10月実施の県高校総合文化祭演劇部門(以下県大会とする)で最優秀賞に選ばれ、県代表として11月実施の近畿高校総合文化祭演劇部門(以下近畿大会とする)に出演して優秀賞の評価を得た。
県大会以降、原作の流れを保ちつつ小道具の充実やせりふの間の取り方、暗転を減らすなど講評いただいた点を重点的に改善して近畿大会に臨んだという。
この挑戦の間に同校文化祭内でも上演したが、生徒教職員限定実施だったため、一般公演は今回が最初で最後。青木部長は「この作品の公演も今回が最後になる。一番いい舞台にしたい」と一般講演に込める思いを語り、約60分の上演に臨んだ。
終演後はキャスト4人が改めて舞台へ上がり鑑賞に感謝。同センター1階ロビーに感想ボードを設けて意見をもらいながら観客を送り出し、公演を締めくくった。
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創作作品「桜の花の咲くころに」のキャストとスタッフは次の皆さん。
■キャスト
青木心優嘉 森 風香
田中歩実 廣瀬みりか
■スタッフ
久保文乃 船井早来
坂井美優 浦木利菜
海野 藍
谷口克朗〈顧問〉
(2021年12月22日付紙面より)
市内21団体が多彩なステージ (新宮市 )
丹鶴ホールプロモーションチーム「ICOLE(いこれ)」(文化複合施設自主事業実行委員会、髙由香委員長)は19日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で自主事業「こんにちは。丹鶴ホール! みんなでいこれ~」を開催した。市内で活動する21団体が真新しいステージで和太鼓や書道、カラオケ、舞踊などを披露し、大勢の来場者を楽しませた。
「ICOLE」は市の公募により立ち上がった市民主体の組織。市民自らの手でイベントを企画・運営し、同施設の基本理念の一つである「一人ひとりがまちづくりの担い手」の実現を目指す。今回のイベントは貸し館事業のPRを含め、施設に親しみ、楽しく利用してもらうためのきっかけづくりにと開催した。
開演に当たり、速水盛康教育長が「ようやくこの丹鶴ホールで、皆さまの力でイベントを開催することができた。手作りならではの、バラエティーに富んだ内容となっている。感染予防のため拍手や手拍子を送って、今日という日を楽しんでください」とあいさつ。
県立みくまの支援学校の生徒や社会人からなる和太鼓サークル「はやぶさ」による太鼓演奏で開幕し、新宮観光協会登録ガイドによる熊野曼荼羅(まんだら)絵解きや松原恵苑書院による「新宮の宝」をテーマにした書など、新宮らしさあふれるステージが繰り広げられた。
熊野市から友人5人と訪れた90代女性は「23年フラダンスをしており、先生が出演されると聞いて見に来た。前のホールで踊ったこともあるが、近代的で木のぬくもりが感じられるホールになったと思う。己書(おのれしょ)など初めて見るステージもあって面白かった」と話していた。
(2021年12月22日付紙面より)
たまたまトルベリーノカップ
硬式野球体験練習会 (南紀ボーイズ )
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で2日、神門の大しめ縄と大絵馬の掛け替え、大しめ縄の奉告祭があった。新しいしめ縄を前に九鬼宮司は「シャープで力強く、すっきりとしたしめ縄。気が引き締まる思い」と話した。
大しめ縄は紀宝町成川の榎本政子さん(88)が家族や友人、親族らと毎年編んでいる。1983年に政子さんの夫の故・剛吉さんが先代宮司から「熊野の伝統と歴史を守ってほしい」としめ縄づくりの依頼を受けて以降、38年にわたり奉納を続けている。
今年は約10人がかりで10月末から11月末にかけて制作。稲わら約2000束を使用し、長さ約4・5㍍、重さ約250㌔に及ぶしめ縄を完成させた。今年は天候の影響で稲わらが少なく、わらを選定する作業に苦労したという。
政子さんは、掛け替えられた大しめ縄を前に「病気も戦争もいや。新型コロナウイルスが収まって、平和が続くように祈りながら制作しました」と述べ「苦労はあったが立派にできたと思う」と笑顔を見せた。
えと「壬寅(みずのえとら)」の大絵馬(横232㌢、縦117㌢)は九鬼宮司が制作したもの。太陽を背にした白虎が、先を清眼として見据える構図。全体を包み込む形で虹を描き、「人々が未来に向かって進み、皆にとって光差す一年であるように」と思いを込め、「一筋の道」と「光」の文字を揮毫(きごう)した。
九鬼宮司は「現在、新型コロナが収まりつつあるが、いまだ厳しい状況。新しい大しめ縄をくぐって、多くの人が光り輝く年であってほしい」と思いを語った。
(2021年12月3日付紙面より)
高速道建設協が要望 (那智勝浦町 )
高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会(小阪三喜子会長)はこのほど、近畿自動車道紀勢線すさみ・那智勝浦間(串本太地道路)の早期整備やその工事に伴う年内の起工式開催について、国土交通省や地元選出の国会議員などの元を訪問し要望活動に取り組んだ。
11月の要望では小阪会長や大江清一副会長、漆畑繁生副会長らと共に、堀順一郎那智勝浦町長も同行。
国交省道路局の村山一弥局長や長谷川朋弘国道・技術課長、加藤鮎子国土交通大臣政務官、泉田裕彦国土交通大臣政務官らと面会。さらに自由民主党の二階俊博衆院議員や鶴保庸介参院議員、林幹雄衆院議員、鈴木英敬衆院議員などの元を訪ねた。
要望書には全国的に、近年の大型台風や局地的豪雨、地震などによる自然災害の多発、発生が懸念される南海トラフ巨大地震による津波で紀南地方は甚大な浸水被害が想定されるとし、唯一の幹線道路である国道42号の分断で、多くの「孤立地域」が発生すると記した。「防災」「減災」「国土強靱(きょうじん)化」の加速化、深化を図るため、令和3年から7年の5カ年間の事業費15兆円確保は平成31年度事業化された紀伊半島一周高速道路の完成を加速するとし、感謝を示した。
さらに「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」にのっとり、「串本太地道路」の一日も早い多数箇所着工に向けた配慮を求める内容となっている。
小阪会長は「2025年の大阪万博までに完成し、国内外からのお客さまを安心安全に那智勝浦へお越しいただけるよう、ご配慮賜りますよう、強く要望いたします。25年には道路の景色が変わる。人々の幸せにつながる道路。道路が変われば街も変わる。私たちはこのことを望んでいます」と話した。
(2021年12月3日付紙面より)
わかやま冬交安街頭啓発 (串本町 )
串本町くじ野川にある橋杭園地駐車場で1日、わかやま冬の交通安全運動(12月1~10日)にかかる街頭啓発があり国道42号を走行するドライバーに安全運転が呼び掛けられた。
この啓発は、県・交通事故をなくする県民運動推進協議会串本地区連合会(会長=久保浩也・東牟婁振興局串本建設部部長)が主催。事務局の東牟婁振興局串本建設部と▽串本警察署▽町▽町交通指導員協議会▽串本地区交通安全母の会▽県交通安全協会串本支部―の各関係者計16人が啓発員として参加し、同署署員が国道42号を田辺市方面に向け走行する車両を同駐車場へ誘導して停車を求め啓発員が手分けしてドライバーに啓発物資を配る形で今期運動の趣旨を託した。
同協議会が掲げる今期運動の重点事項は▽飲酒運転の根絶▽高齢運転者等の安全運転意識の向上▽歩行者の安全確保と自転車の安全利用の推進―の3点で、啓発物資の一品として組み込んだ周知チラシでは佐川急便株式会社とヤマト運輸株式会社の各車両がキャラクター「きいちゃん」をモデルにした交通安全啓発ステッカーを貼って安全運転を促していることや、各重点事項に関係するトピックスなどを紹介している。
同署によると管内ではこの日のほか、6日(月)にオークワ串本店前と同古座川店前、7日(火)に同すさみ店前でも街頭啓発がある予定という。
(2021年12月3日付紙面より)
「光の祭典in紀宝」始まる (紀宝町 )
紀宝町の冬の夜空をイルミネーションで彩る「光の祭典in紀宝」が1日、同町大里のふるさと資料館で始まった。点灯期間は来年1月5日(水)までで、時間は午後6時から10時まで。12月31日(金)と1月1日(土・祝)はオールナイト点灯する。
今年も新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、密にならないよう飾り付けに工夫した。初日はカウントダウンで一斉に点灯し、かわいいキャラクターのオブジェや20㍍ツリーなどが暗闇に浮かび上がると、来場者がきらびやかな光のショーを見入っていた。2人同時にスイッチを踏むとハートが点灯するイルミネーションでは、カップルや友達同士で楽しむ姿が見受けられた。
町ににぎわいを創出しようと、光の祭典in紀宝実行委員会(西村喜久男会長)が毎年点灯。西村会長は「魅力ある明るい町づくりを願ってイルミネーションを点灯した。今年は昨年同様、医療関係者への感謝の気持ちを込めた」と話し、来場時のマスク着用を呼び掛けている。
イルミネーションをバックに演奏や踊りを繰り広げる「キラフェス」は昨年に続き中止となった。
(2021年12月3日付紙面より)