高速道路をつなぐ建設促進協 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の「高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会」(藤社和美会長)は27日、役場大会議室で総会を開いた。串本―太地間の早期事業化をはじめ、近畿自動車道紀勢線の未整備区間解消を求める関係機関への要望活動などの事業案を承認した。ボランティア活動にも参加していく。
同協議会は、みんなの高速道路建設促進女性100人の会や観光協会、区長連合会など町内の24団体で構成。すさみ串本道路の工事着手、串本―太地間の新規事業化などの要望活動を行っている。
昨年は熊本地震被災者への募金活動と寄付、国土交通省と地元選出議員への要望活動、まぐろ祭りに参加し収益金を活動費に充てるなどさまざまな活動に取り組んだ。東京への要望活動については、例年よりも回数を増やし計6回、18人で臨んだ。
藤社会長は「最も強く望んだ本年度事業化はかなわなかったが、次年度実現に向け熱意を持って進めていく」と決意を新たにし、寺本眞一町長は「ミッシングリンクの解消に向け活動を進める中、事業化における国の理由付けの一つに、用地買収の問題がある。開通までの時間の短縮については、引き続き皆さんと共に頑張らなければいけない」と今後の協力を呼び掛けた。
(2017年6月29日付紙面より)
五輪レスリング銅メダリスト・太田拓弥コーチらが訪問 (新宮高校 )
県立新宮高校に26日、新宮市熊野地出身で早稲田大学レスリング部監督も務めるラグビートップリーグ・ヤマハ発動機ジュビロの太田拓弥コーチ(47)と同ラグビーチームの西内勇人選手(24)、清原祥選手(24)が訪れ、同高校と新翔高校のラグビー部員21人にレスリングを指導した。ラグビーでも用いるタックルやモール(両チーム3人以上が立ち姿勢で組み合った状態)を中心に教えた。
太田コーチは、1996年に開催したアトランタ五輪のレスリング・フリースタイル74キロ級銅メダリスト。新宮にも何度か里帰りし、子どもたちにレスリングを教えている。ラグビー部員にレスリングを教えるのは今回が初で、「ラグビーとレスリングには、タックルやモールなど共通するところが多い」と話す。
太田コーチは自身でも印象深かったというアトランタ五輪3位決定戦前の試合のビデオを見せ、タックルにはメンタル、ヒットスピード、スキルが重要だと説いた。ヤマハの武器であるモールのムービーも見せ、レスリングの技術を応用した練習方法や姿勢の崩し方などの技を教えた。
太田コーチは部員たちの練習を見て、「まだまだ体つきはできていないが、高校生は成長が早い。意欲を湧かせて、教えた練習をしっかり続ければ、強くなれると思う」と今後に期待した。
(2017年6月29日付紙面より)
児童館行事「七夕会」 (古座川町 )
古座川町民体育館で24日、児童館行事「七夕会」が開かれた。町内の子どもやその家族約110人がささ飾りづくりに取り組み、一足早く天上の織姫やひこ星に向け願い事をするなどした。
子ども同士の交流を深める中で自主性や社会性、創造性を高めるという児童館の趣旨に基づく、同町恒例の行事。現在は子ども教育15年プランを推進する同町教育委員会教育課の職員が一丸となって計画し、町内の子どもや家族に参加を呼び掛けている。
本年度は中央公民館が改修期間中で使えないため、町民体育館で実施。仲本耕士副町長が行事のあらましを先に紹介し、七夕にちなんだ絵本の読み聞かせでいっそう気分を高めた子どもらは、受け付け時に配られたカードに書いてある順番で▽ささ飾り制作▽おみやげ釣り▽ほしかざりづくり―の各体験に挑戦した。
ささ飾りづくりは長さ約50㌢のプラスチック製のささ枝に折り紙飾りや短冊を飾り付ける内容でペーパードレスを着た織姫役、ほしかざりづくりは恒例の大ざさ(=タケ)に代わるオブジェ「天の川」にみんなで願い事を飾る内容で同ドレスを着たひこ星役、がそれぞれ挑戦を後押し。「天の川」にはドッジボール大会での勝利や泳ぎ、走りの上達といった願いや、ケーキ屋やキャラクターなどなりたい自分を書いた短冊が鈴なりに飾り付けられた。高池在住の上村廣美さんが飛び入りでハーモニカ演奏「たなばたさま」を披露し、雰囲気を盛り上げた。
各体験を一足早く終えた子ども向けに織姫やひこ星の顔出しパネルも準備され、記念撮影した写真をすぐに印刷してプレゼント。終盤では同町のマスコットキャラクター「瀧之拝太郎」が「天の川」の出来栄えを確かめ、参加者、織姫役、ひこ星役の全員と一緒に記念撮影に臨んだ。
おみやげのお菓子と併せてジュースも配られて行事は終了。和田充旦教育長は同プランを軸にこれからもさまざまな楽しい行事を開くとし、引き続きの参加を子どもや家族に呼びかけて締めくくった。
この日仕上がった「天の川」は7月31日(月)まで南紀月の瀬温泉ぼたん荘温泉館内に飾るという。
(2017年6月29日付紙面より)
王子ヶ浜を守る会が国と協定
新宮市の王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)と協力企業が27日、国土交通省と「ボランティア・サポート・プログラム」協定を結んだ。国交省や新宮市と協力して、同市高森の国道42号沿いの美化や景観の改善などに取り組んでいく。
「ボランティア・サポート・プログラム」は地域や企業の人々に道路の美化活動に参加してもらうことで快適な道づくりを進めていく制度。道路管理者と市町村が実施団体の活動をサポートし、団体は実施区域と活動内容を決め三者間で協定を結ぶ。
王子ヶ浜を守る会は、上陸したウミガメが産卵しやすい環境を目指して海岸部の清掃活動などを続けている団体。今回の協定では、高森地先の歩道部で道路清掃などを行い、地域にふさわしい道づくりを進める。
市の玄関口である国道42号広角地区の国有地約170㍍の区間に、水道設備が整い次第花壇を建設する予定で、速水会長は「管理は責任を持って行う。花壇には季節の花を植えていきたい。最善を尽くしてやるので協力をお願いしたい」と話していた。
同会は、熊野地方は国立公園や世界遺産が多く、日本だけでなく世界中から多くの人が訪れる大切な文化遺産の土地とし、来訪者だけでなく、地域の人にも安らぎと感動を持ってもらえるよう、道路の美化や景観改善に取り組んでいきたいと話している。
(2017年6月29日付紙面より)
県中学校春季卓球大会
モルテンカップ小学生バレー地方予選
土砂崩れで168号通行止め
熊野地方は21日、梅雨前線を伴う低気圧の影響で未明から大雨となった。気象庁によると古座川町西川の降り始めから同日正午までの雨量は6月の24時間の観測史上最大の429㍉、新宮で366㍉を記録した。全域に大雨洪水波浪警報が発令され、午前9時5分には新宮市、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町に土砂災害警戒情報が出された。
新宮市高田の相賀交差点先の国道168号で同日午前9時すぎに土砂崩れがあり、大きな岩が道路をふさいだ。新宮建設部によると国道を全面通行止めとし、復旧の見込みはたっていない。
同市は土砂災害警戒情報に伴い、同日午前10時50分に避難準備・高齢者避難開始を発令し、市内21カ所に避難所を開設。災害本部を立ち上げた。市内では井の沢地区や橋本のイオン新宮店前、三輪崎の国道42号などで道路が冠水した。
那智勝浦町では太田川が氾濫危険水位を超えたため、太田地区全域に避難勧告が出された。太田小学校へは5人が避難。同町消防団婦人部の杉浦満紀さん(44)は「紀伊半島大水害以来、ここまでの水は初めて。収穫前のナスやトウモロコシが台無し」と話していた。市野々小学校には14人が避難した。
交通網にも乱れが出た。JRきのくに線は午前10時35分現在、新宮駅から白浜駅間の運転を見合わせている。
議会にも影響が出た。新宮市と古座川町では6月定例町議会の一般質問が開かれていたが、警報の発令により、日程を翌日に延期した。
(2017年6月22日付紙面より)
岩渕区、構造など確かめる (串本町 )
串本町の岩渕区(山本進区長)は20日、JR西日本田辺保線区古座管理室横に設けられた津波避難場所の見学会を開き、区民16人が構造や利用方法を確かめるなどした。
岩渕区はほぼ全域が県公表の津波浸水想定区域に含まれ、有事に備えて旧護国神社跡(海抜21㍍超)を津波緊急避難場所に位置付けている。線路(=軌道敷)は立ち入りができないため、線路より北側の区民は岩渕踏切や火伏橋(=陸橋)を経由して目指す形になるが、特にJR古座駅周辺は迂回(うかい)を強いられるため同区は約3年前に同管理室へ陳情し一次避難場所提供の協力を得ている。
この日見学した新しい建物は耐震性が確保された鉄骨造りの2階建て施設で、屋上が津波緊急避難場所になっている。立地の海抜は4㍍強で屋上は地面から約7㍍の高さ。県が南海トラフ巨大地震を想定して公表している津波災害警戒区域指定における立地の基準水位(=津波がかぶる高さ)は1・2㍍(南側)~2・1㍍(北側)で、この想定を着実にクリアする条件が整っている。
従来は同管理室と田辺電気区古座電気管理室の事務所が収まる建物を一次避難場所とする内容で申し合わせていたが、職員がいる日中のみという時間的制約もあった。新しい建物の階段入口に扉はなく、見学会に参加した区民には構造の紹介と併せて屋上に出る扉の開錠方法も伝えられた。
有事に限り昼夜を問わず利用できる点が従来と比べた時の進展で、山本区長(75)は「今まで日中だけだったところを24時間使わせていただけるようになり、とてもありがたい」と喜び、見学会に立ち会った上屋敷良広・古座管理室長に感謝していた。
(2017年6月22日付紙面より)
2017年進学相談会 (新宮市 )
新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで20日、「2017年進学相談会」(栄美通信主催)が開催された。三重県立木本高校から串本古座高校までの高校3年生を中心に、1~2年生や保護者が大勢来場し和歌山や大阪、名古屋などから参加した70校のブースで担当者から話を聞いた。
体験入学などの機会が少ない熊野地方の学生らに学校と自由に対話し、進学への視野を広げる機会として開いている。直接の参加以外にもパンフレットでの参加が40校あった。来場者らは自分が進学を希望する学校や興味のある学校のブースを回り、担当者の話に真剣に耳を傾けていた。
栄美通信大阪支社営業部の上村和也課長は「大学と接触して話を聞いてほしいと、各大学でオープンキャンパスが数多く開催されています。しかし、この地方からはなかなか行くことができないので、このような機会を設けています。学校も増えているので聞き比べて、進学する学校選びに役立ててほしいです」と話していた。
次回は9月19日(火)午後3時30分~6時、新宮ユーアイホテルで進学相談会を開く。
(2017年6月22日付紙面より)
健人大学6月講座 (新宮市 )
新宮市教育委員会は20日、市福祉センターで健人大学6月講座を開いた。海の熊野地名研究会の若林春次副会長が「新宮市街の消えゆく地名」と題し、来場者約150人に地名の歴史を語った。
「新宮には古くから伝統的な由緒ある地名が多くあった」と若林さん。市民がよく口にする地名には公式的に存在しないものがたくさんあり、行政地名ではなく通称地名として日常生活で使われている。新宮の地名は、平成期に施行された住居表示法によって消えたものが多いという。
新宮の地名は、1619(元和5)年にこの地に着任した水野重仲が行った町割りが基盤になっている。明治には廃城令が発令されて新宮城下の町名も影が薄まり、1886(明治19)年に23町村を合わせて新宮町となった。
昭和には政府が行政事務の効率化のため合併を推進し、1957(昭和32)年に市内の区画整理で元町、大王地、分新道などの町名を廃止し、新たに大橋通り、新町が生まれた。平成になって政府は「合併特例法」の優遇措置を打ち出した。新宮市もこれを機に、2005(平成17)年10月に熊野川町と合併した。
若林さんは消えた地名の由来をいくつか紹介し、「新宮市でも多くの地名が消えたが、比較的伝統ある地名が大切にされてきたのはせめてもの救い。地名の研究者も増えた。特に災害を警告する地名は子孫に伝えていくことが大切だ」と話した。
(2017年6月22日付紙面より)
新高弓道部OB会「第5回百射会」
もみじ会6月ゴルフコンペ
熊野川本来の清流の恵みと活力を次世代に残すことを目的とする「美しき熊野川100年会議」の設立総会が11日、新宮市熊野川町の熊野川総合開発センターであった。基本理念や本年度活動計画などを決め、会長には麻野吉男さんを選んだ。
総会には田辺市、新宮市、紀宝町、太地町などから約20人が出席。基本理念を「世代と地域を越えて英知を集め、長期的な視点に立ってさまざまな課題解決に取り組んでいく息の長い活動を目指す」などとした。本年度の活動計画は▽葦船製作と乗船体験・熊野川下り▽大日山植樹▽川の清掃&芋煮会▽川の生き物観察会▽熊野川経済研究会。
麻野会長は、熊野川上流にダム建設の話が出た昭和20年代、当時の知事は建設に大反対していたが、国の大きな流れに屈し、現在に至っていると説明。会長就任にあたっては「最後の奉公ができればと思っています」と述べ、さまざまな人や団体との同じところを探していく本当の文化運動をやりましょう、と協力を呼び掛けた。
城和生・副会長は「熊野川が清流であることが熊野の神々のご意志ではないかと思っている」。安原克彦・事務局長・会計は「100年続く会議の基礎をつくるためには井の中のカワズにならないようにしなければならない」。高栖浩史・会計監査は「本当にダムがなくなれば、清流に戻るのかなど、勉強するきっかけになれば」とあいさつした。
(2017年6月13日付紙面より)
男の人の料理教室 (太地町 )
太地町住民福祉課と町地域包括支援センターは9日、町公民館で男の人の料理教室を開いた。8人が参加し、「海の幸」をテーマに4品を作った。
5年ほど前から始められた恒例行事で、簡単料理で健康的な食生活ができる「技」を磨いてもらい、今後の食生活に役立ててもらおうと年4回催している。男性は地域イベントへの参加が少ないことから、男性限定にすることで気軽に参加してもらい、地域交流を深めてもらう狙いもある。
メニューは作りやすさを重視しており、今回はアジのロール焼き、アカイカの煮つけ、豚バラ肉の野菜巻き、みそ汁を作った。アジはDHAが豊富に含まれ、ブタはビタミンを豊富に含む。海鮮食材は漁協スーパーで仕入れた。
講師は栄養士の中山恵さんをはじめ同センターと住民福祉課の職員3人が務めた。参加者は、認知症予防の講座を受けた後3班に分かれ、協力して調理を進めた。試食は参加者全員で卓を囲み、出来たて料理に舌鼓を打った。
2回目の参加だという寺西敏次さん(61)は「普段は奥さんに作ってもらっています。出来上がった料理もおいしかったので、また家でも作れたら」と話した。
(2017年6月13日付紙面より)
古座観光協会(室宣行会長、会員75人)の定期総会が9日、串本町中湊にある神保館で開かれた。役員改選があり、理事の互選で室会長を選出した。その他事項で役場産業課から町域の観光振興を包括する共同体立ち上げの提案があり、協議を進めることを承認した。
開会にあたり室会長は、カヌーレンタル事業が外国人のツアーメニューとして注目されるチャンスを迎えていて、自然を生かし流域の企画とも連携したイベントやカヌーによる語り部ツアーなどいっそうの振興策を模索していることを報告しつつあいさつ。来賓の田嶋勝正町長は、すさみ串本道路の工事が本年度末から着工の見込みにあることを報告し、「今から何を売り出すかを固めるべきだ」として同協会と共に方策を考えたいとし、総会実施を祝った。
議事では前年度と本年度の事業関係諸議案を審議し承認。本年度事業計画関係では外国人観光客対応の強化策について質問があり、計画外の取り組み事項として意識し、例年並みの内容(新規に通年でクルーズ船誘致活動と古座道の駅推進活動を始める)で取り組むこととした。カヌーレンタル事業の28年度実績は3211人。対27年度比で1・5%の微増だった。
共同体の立ち上げは同席した濵地弘貴産業課長の提案で、CM撮影や旅番組ロケ(番組名「遠くへいきたい」7月2日(日)午前7時放送)など昨今撮影が多い背景には、3カ年計画で能動する同課課員の積極的な売り込みがあるとし、動けば反応が得られる事例として例示。高速の延伸や世界遺産追加登録など串本には今いい風が吹いている時にバラバラで頑張るのは惜しいとし、今後の同協会や串本町観光協会のステップアップとして新たな枠組みの協議を申し出た。串本町観光協会は総会時に間に合わず以降の役員会で提案したそうで、協議の準備が進んでいるという。
(2017年6月13日付紙面より)
熊野川町で「さつまいも体験農園」 (みつの地域活性化協議会 )
新宮市熊野川町の営農団体、農産加工組合などから成る「みつの地域活性化協議会」(下阪殖保会長)は10日、同町神丸の休耕田で「さつまいも体験農園」を開催した。10組が参加し、サツマイモの苗の植え付けとおやつの試食をした。
同会は地域資源を生かした魅力ある地域づくり活動に取り組んでいる。「体験農園」は休耕田を活用し、自然豊かな熊野川の魅力を感じながらサツマイモ栽培や加工を体験してもらおうと開いた。全4回で、苗の植え付けやシェフに習うサツマイモ料理、収穫祭、加工を予定している。
参加者らは東牟婁振興局の村畑恵一さんから栽培の説明などを聞き、畑の表面をシートで覆い雑草を生えにくくする「マルチング」を協力して実施。その後、指導を受けながら1組当たり長さ6㍍の2畝に約40本の苗を植え付けていった。畑にはこの他、協議会メンバーらが植えた苗約1500本もある。
作業後は「熊野川ふるさとキッチン」のメンバーらがサツマイモを使って作ったまんじゅうと蒸しパンの2種類のおやつを味わった。
夫の卓也さん(40)、息子の蒼真君(3)と参加した今井結花さん(33)は「畑仕事をする機会もなく、体験してみたいと思いました。ちょっと暑かったですが、楽しかったです。たくさんなってくれれば」。
下阪会長は「楽しみながらやってください」とあいさつ。「おいしさを一緒に味わえればと思います」と話していた。
(2017年6月13日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部5月度月例杯
卓球部女子が県予選会学校対抗で3位入賞
県高校総体バドミントン
県高校陸上競技対校選手権大会
サッカー日本代表に選出されたことがあり、現在、ドイツ1部リーグ(ブンデスリーガ)で活躍する武藤嘉紀選手(24)が1日、両親ら3人と田辺市本宮町の熊野本宮大社を訪れ、正式参拝した。武藤選手は「すごいパワーをいただけていると感じました。来年のワールドカップに向け、最高の年にしたい」と話した。
武藤選手は東京都出身で、大学在学中にJリーグデビュー。その後活躍が認められ、2014年に日本代表に初選出。15年にはドイツ1部リーグの「マインツ」へ移籍した。昨年は2度の大きなけがに苦しんだが、先日のリーグ戦では、途中出場からチームの1部残留を引き寄せる貴重な得点を決めた。先日発表された日本代表からは惜しくも漏れたものの、今後の活躍が期待されている選手の一人。
祖父の中野成章さん(82)が何度か同大社を訪れた縁もあって来訪が実現。中野さんと、父の武藤真人さん(55)、母のけいさん(54)と訪れ、武藤選手は、居合わせたファンらに対し、気さくに握手や写真撮影、サインなどに応じていた。
ヤタガラスが描かれた勝守と牛王神符を武藤選手に手渡した九鬼家隆宮司は「日本代表クラスの現役男子選手が来るのは初めて。謙虚で優しそうな素晴らしい青年だと感じました。これを機に日本代表に再び選ばれるよう、熊野よりお祈りしたいと思います」と話した。
武藤選手は「昨シーズンはけがに泣かされましたが、終盤に調子を上げて終わることができたことは良かった。(日本代表の)ハリルホジッチ監督からは『継続して結果を出してほしい』ということを言われています。代表入りを目指し、今シーズンはとにかく所属クラブでゲームに出て点を取り続けたいと思います」と抱負を語った。先日代表に選ばれた加藤恒平選手とは面識はないというが、加藤選手が新宮市出身と聞くと驚いた様子で「そうだったんですか。僕が代表に入ることができたら一緒に頑張りたいですね」と話した。武藤選手の名前、嘉紀の「紀」は、曽祖父が串本町出身だったことから名付けられたという。
(2017年6月4日付紙面より)
新宮警察、入管が合同啓発 (新宮市 )
新宮警察署、大阪入国管理局神戸支局は1日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で外国人の不法就労、滞在の防止などを呼び掛ける啓発活動を実施した。
毎年この時期に実施している。この日は警察職員10人、入管職員4人が参加し、チラシやポケットティッシュなどの啓発物資約350セットを買い物客らに手渡した。白バイや和歌山県警のマスコットキャラクターきしゅう君も登場し、子どもたちを喜ばせた。
磯博文警備課長は「不法滞在者が増えており、その中には資格外活動をしている場合がある。情報があれば警察まで連絡してほしい」。大阪入国管理局神戸支局の山口隆・統括入国警備官は「市民の方も、発見した際は最寄りの警察や入管に連絡をしてほしい」と話していた。
法務省では今年1月1日現在の全国の不法残留者数を6万5270人としており、3年連続増加している。中には他の犯罪に手を染める人もいるため、警察では関係機関と連携しながら不法滞在者の摘発や不法滞在者を雇用する悪質な事業主などの取り締まりを強化している。「不法滞在者を知っている」「あの店、工場で働いている」など、不法就労や不法滞在の疑いがある場合はどんな情報でもよいので警察へ連絡するよう呼び掛けている。
(2017年6月4日付紙面より)
論文発表のためクマノザクラの標本採取 (熊野市紀和町 )
森林総合研究所多摩森林科学園の勝木俊雄研究員と日本樹木医会三重県支部の奥田清貴支部長は5月29日、熊野市紀和町赤木地内の田平子峠でクマノザクラ(仮称)の現地調査を実施した。クマノザクラは紀伊半島南部で自生し、新種の可能性が高い。勝木研究員が学会誌に論文を発表するための標本採取が目的。6月中に投稿し、学術機関の審査を経て来年初めには結果が発表される見通しで、新種と認められれば約100年ぶりの発見となる。2人は「認められる可能性が高い」と期待を示した。
勝木研究員は2016年、ヤマザクラの遺伝的変異調査中に紀伊半島南部で採取された標本中に、ヤマザクラと異なる標本を発見したという。その後、奥田支部長たちの協力で調査を開始した結果、ヤマザクラやカスミザクラら類似種とは、「葉身が短くて葉縁が粗い」「花弁は白~淡紅色」「葉の裏が無毛で光沢のある淡緑」など形態的に複数の違いが見られ、勝木研究員は変異種ではなく、新種と判断して2017年3月10日の日本植物分類学会=京都市=で発表している。
樹木は田辺市本宮地区を中心に南北80㌔、東西60㌔の範囲で多く見られるが、海岸側では見つかっていない。三重、和歌山、奈良3県ではヤマザクラと混同されるようだが、他種と比較して開花期が2月下旬から4月中旬と早い。奥田支部長によれば、熊野市内でも数百本を確認しているそうで、「市内より那智地域の方が多いのでは」と推測している。挿し木や種での増殖も検討中で、勝木研究員は「うまくいけば、来年秋には多くの苗が期待できるのでは」と見通しを語った。
(2017年6月4日付紙面より)
入部正太朗選手、赤木川清流コース (ツール・ド・熊野 )
第19回ツール・ド・熊野の第1ステージ「赤木川清流コース」(114・1㌔/16・3㌔×7周)が2日、新宮市熊野川町で行われ、入部正太朗(シマノレーシング)がゴール前でのスプリント勝負を制し、2時間33分30秒のタイムで優勝した。2位には阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)、3位にはホセ・ヴィセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ)が入った。
JR新宮駅前から市内をパレード走行(18㌔)しながらスタート地点へと移動。隊列を組み直した後に、大会長の仁坂吉伸和歌山県知事の合図で、レースがスタート。
レース中盤から終盤にかけて、ホストチームの「キナンサイクリングチーム」の山本元喜らが先頭集団のトップに立つ場面もあったが、最終周の終盤に後続集団が先頭集団を吸収。
勝負がゴール前のスプリントにもつれ込む中、入部がわずかな差で第1ステージを制した。表彰式で「相当きつい展開で足がパンパンになったけど、うまく番手がはまって何とか差せたという感じです。明日からも、頑張って走ります」と喜びを語った。
(2017年6月4日付紙面より)