東京大学と協定締結 (新宮市 )
新宮市と東京大学大学院人文社会系研究科・文学部は22日、連携協力に関する協定を締結した。市と同大学はウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」で中継をつなぎ、田岡実千年市長と大西克也研究科長・部長が協定書に調印と署名をした。協定の有効期間は2026年3月31日まで。
市と同大学の交流は2017年から。市は同大学人文社会系研究科の秋山聰教授からの依頼を受け、体験活動プログラムなどで当地方を訪れた学生や院生、留学生を受け入れてきた。18年には秋山教授が事務局となり「2018年度国際熊野学会大会」「第42回地中化学会大会」が市で開催された。
協定は、市と同大学文学部が相互に連携協力することにより次世代人文学の構築、市・熊野地方における学術の振興と地域活性化に資することを目的とするもの。締結式は1月11日、東京大学で実施する予定だったが、新型コロナウイルス感染症拡大による首都圏への緊急事態宣言の発出により延期となっていた。
目的達成のために、それぞれの機関に有する知識や経験、能力を生かし▽熊野研究の振興および「熊野文化」の国内外の発信、国際交流の促進など▽学生・留学生(および教員)の体験活動・研修▽市をはじめとする熊野地方の社会教育による地域活性化▽市をはじめとする熊野地方の文化財研究・保護・活用―などについて連携協力の上取り組んでいく。
市では協定により、次世代人文学の構築を担う研究者が市・熊野地方の歴史文化、自然、文化行政を実際に体験し研究活動の参考とすることで一層の学術的、文化的な振興が期待され、国際的にも研究が紹介・情報発信されることにより、将来的な地域活性化に資することができるものとしている。
締結式には、市からは田岡市長、速水盛康教育長、熊野学研究委員会の中瀬古友夫委員長、国際熊野学会の山本殖生代表委員が、同大学からは大西研究科長・部長や秋山教授らが出席。秋山教授が協定の趣旨や締結に至った経緯を説明し調印の運びとなった。
かつて起請文(きしょうもん)として使われた「熊野牛王(ごおう)符(宝印)」にあやかり、熊野三山の牛王符が印刷された用紙を協定書とした。田岡市長は協定締結に対する感謝を示し「市は豊かな自然と独自の熊野文化を誇りとし、熊野学として地域のために生かす取り組みを続けてきた。東京大学の皆さまとの連携、協力によって学術・文化の振興、教育の活性化のみならず、さまざまな波及効果があるものと期待している」とあいさつ。
山本代表委員は「熊野は時間と空間を超えた宗教文化が息づく聖なる場所。東京大学のご指導をいただきながら、調査・研究を進め、世界に向けて発信できれば」と話していた。
(2021年3月24日付紙面より)
公立小学校で卒業式 (東牟婁郡 )
東牟婁郡の那智勝浦町、串本町、古座川町の公立小学校で23日、卒業式が挙行された。児童計224人が卒業証書を手に、思い出の詰まった校舎を巣立っていった。
那智勝浦町立宇久井小学校では、芝﨑勝善校長が卒業生23人に証書を手渡し、「皆さんがつくり上げてくれた宇久井小学校は今、学年の垣根を越えて声を掛け合える学校になりつつある。あいさつは相手への思いやりの心。人の心を和ませる一番短い言葉。皆さんには、いつまでも笑顔であいさつができる人であってほしい」と式辞を述べた。
在校生を代表して川瀬ららさんが、コロナ禍中に縦割り班掃除や委員会活動などで最高学年としてのあるべき姿を示してくれた卒業生に、「託された宇久井小学校をより良くするため、みんなで力を合わせて頑張る」と決意を述べた。
卒業生を代表して清水漣君が保護者や来賓、教職員に感謝し、「小学校で学んだことを忘れずに成長していきたい」と答辞。式に出席した5年生から花束を受け取り、晴れやかな笑顔で校舎を後にした。
(2021年3月24日付紙面より)
役場や佐田区などの有志 (古座川町 )
古座川町佐田で22日、役場や佐田区などの有志によるちょうちんの飾り付け作業があった。設置期間は4月4日(日)までの2週間で、午後6時~9時には点灯もされる。
七川ダム湖畔はダムの完成以降、重ねてソメイヨシノなどの植樹がありその総数は約3000本とされる。中でも佐田一帯は花見の一大名所で、ちょうちんは訪れる人がより楽しめるようにと佐田区が軸となって飾るようになった。
近年は区内の過疎化や高齢化が進み、不足する人出を役場の若手を中心とした職員有志が公務の段取りをつけて応援する形が定着。イベント「桜まつり」と対の開花時期限定の趣向として続いている。
収束しないコロナ禍により、昨年に引き続き今年も密の状況を招きやすいイベントは中止。随時鑑賞となるちょうちんは諸事情で規模縮小となるが実施することとした。
役場地域振興課によると、今月22日は役場の若手職員と佐田区の区民有志15人が手分けして作業に当たった。設置区間は佐田駐在所~馬蹄(=桜の広場)間で、距離にして約350㍍。今年は今津橋から添野川(そいのがわ)方面への設置を取りやめ、追加したLED電球を足してそれまで飛ばし飛ばしだったちょうちんの明かりを夜半に全てともして往時の雰囲気を取り戻す形としている。
この日の佐田地内のソメイヨシノは株によって差があるがおおむね三、五分咲き。週末から月末までに見頃になりそうだという。
(2021年3月24日付紙面より)
吹奏楽部が2年ぶり定期演奏会 (近大新宮 )
近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長)の吹奏楽部(潮﨑敬祐部長)は21日、御浜町中央公民館アメニティホールで第10回定期演奏会を開催した。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止となり、2年ぶりに美しい演奏で観客を魅了した。
吹奏楽部は創部15年を数え、定期演奏会は毎年3月に開催し、高校3年生の「卒部式」を兼ねた一年間の集大成の場。本年度の卒業生7人と部員31人、OB・OG10人、顧問2人を含む50人が出演し、保護者や地域に感謝の気持ちを込めて演奏した。
来場制限、手指消毒、検温といった対策を講じ、第1部はこれまでの吹奏楽部の軌跡をたどり、思い出の曲「ARSENAL」「マードックからの最後の手紙」「イル・デ・パン~瑠璃の海~」を披露した。
第2部は例年、中学生と高校生が演奏で対決する「中高対決」だが、今年は紅白対決を繰り広げた。紅組は「ドラえもん」「星に願いを」など、白組は「RPG」「スーパーマリオブラザーズ」を演奏し、投票の結果、白組が勝った。集計中には有志バンド「K組」のパフォーマンスで観客を楽しませた。
今年ヒットした曲を奏でた第3部で卒業した高校3年生を紹介。終了後には、アンコールが起こり、近大新宮吹奏楽部の定番曲「Sing Sing Sing」を演奏し、幕を閉じた。
(2021年3月24日付紙面より)
新宮市長杯女子サッカー大会
王子サッカー教室が卒団式 (新宮市 )
全国高校空手道選抜大会へ
県立高校で合格発表 (和歌山県 )
和歌山県の県立高校で19日、一般入学試験の合格発表があった。新宮・東牟婁地方では新宮、新翔、串本古座高校で計394人が合格した。
発表は午前10時、一斉に各校内の掲示板などへ張り出されるとともに、新型コロナウイルス感染症拡大予防として、県ホームページにも掲載された。緊張した面持ちで待っていた受験生は自分の受験番号を確認すると、友人たちと笑顔を見せながら合格を喜んだ。
各校の合格者数は新宮高校全日制194(定員200)人、定時制3(同40)人、新翔高校111(同120)人、串本古座高校86(同105)人だった。
新宮高校に合格した男子生徒は「自分の受験番号を確認して安心しました。クラブ活動は入学後にしっかりと考えて決めようと思います。文武両道を目指して勉強、運動に頑張りたい」と喜びを語っていた。
定員に満たなかった高校の追加募集は24日(水)に出願受け付け、26日(金)に学力検査、30日(火)に合格発表を行う予定となっている。
(2021年3月20日付紙面より)
冷凍施設が供用開始 (太地町 )
太地町森浦の「太地町冷凍施設」がこのほど完成。15日に竣工(しゅんこう)検査を終え19日、同所で竣工式が営まれた。約30人の関係者が出席する中、三軒一高町長、塩崎伸一議長、南紀くろしお商工会の森川起安会長、町漁業協同組合の脊古輝人代表理事組合長、㈱小森組の小森正剛代表取締役がテープカットを行い、施設の完成と供用開始を祝った。
同施設は鉄骨造2階建てで延べ床面積は673・5平方㍍。管理温度マイナス25度冷凍室とマイナス55度超低温冷凍室に加え事務室や荷捌場も完備した、水産物の保管を目的とした冷凍施設。公称トン数は計636㌧で、これまで町外で保管していた鯨肉や水産加工原料などが収容可能となる。
建設事業費は約4億654万円。設計・監理を㈱清水設計事務所が、施工を㈱小森組が請け負った。
竣工式開式に当たり、三軒町長は「完成までに二階俊博・自由民主党幹事長や下宏・県副知事に大変な尽力を、町漁業協同組合には大きな支援を頂いた」と感謝。
「皆の強い思いで完成した施設が、未来永劫(えいごう)関係者の皆さんの仕事に大きく寄与できることを願いたい」と式辞を述べた。
指定管理者の町漁業協同組合・貝良文専務理事はおととし、近隣の冷凍施設より「保管している品物が入れられないから外に出してほしい」といった旨の連絡が文書で来たといった、着工・完成に至るまでの経緯を振り返り「喜びとともに一安心している」。
「三軒町長に相談に行って以降、こんなに早く、こんなに立派な施設が完成したのも町長をはじめ、漁野洋伸副町長、町議会議員の皆さま方の支援と協力のたまもの」と感謝を示し「今後は施設を活用し、町の水産行政がもっと発展するように組合員一同、頑張っていきたい」と思いを語った。
(2021年3月20日付紙面より)
高池小6年生が卒業記念で (古座川町 )
古座川町立高池小学校(大畑眞校長)の6年生11人が18日、池野山公園でクマノザクラの卒業記念植樹に取り組んだ。
同町観光協会のクマノザクラ振興を活用してふるさと学習に取り組む同校。本年度の6年生はクマノザクラ子どもガイドに挑戦し、池野山地内にあるタイプ標本木の花盛りに合わせて訪れる人々にクマノザクラや同町の魅力を伝えるなどした。
この日はそのような親しみがあるタイプ標本木から得た苗木を植樹した。この学習の外部講師を務める樹木医・矢倉寛之さんは2018年発芽の実生苗2株を準備。11人は樹木医の道具「鋼棒」を使って苗木を植えるときに必要な土壌環境などについて教わった後、2組に分かれ同公園道の駅側ゲートから入ってすぐ右手へ植え込んだ。
準備した実生苗の地上部の高さは70~80㌢。約60㌢掘り下げて培養土に入れ替えた場所へ苗木を移し、卒業記念植樹であることを伝える看板を立て苗木にたっぷりと水を与えて作業を終えた。
以降の育苗管理は同協会が担当するそう。久保嘉由都君は「池野山公園を彩るシンボルになってほしい」と苗木の成長を願い、その状態を将来見届けるのが楽しみだと期待した。
(2021年3月20日付紙面より)
公立小学校で卒業式 (新宮市・太地町 )
新宮市と太地町の公立小学校で19日、卒業式が開かれた。新宮市では計205人、太地町では7人が、涙を浮かべながらも笑顔で学びやを巣立っていった。
新宮市立王子ヶ浜小学校では、在校生の自画像が飾られた体育館で、山本眞也校長が卒業生59人に一人一人卒業証書を手渡した。
式辞では▽感謝の心を忘れない▽自信と誇りを持つ▽夢を持ち、失敗を恐れずさまざまなことに挑戦する―の三つを願い、「4月からいよいよ中学生。新しい生活、クラブ活動に期待が膨らんでいると思う。人が笑うには、いつも仲間が要る。友達を大切に、一日一日を有意義に過ごしてほしい」と呼び掛けた。
在校生はビデオメッセージで送る歌「鳥になる」を歌い、「ご卒業おめでとうございます。中学校へ行っても頑張ってください」。卒業生たちは別れの歌「旅立ちの日に」を歌い、学校生活を支えた教職員や保護者、地域住民、友達全てに「皆さん、ありがとうございました」と感謝を伝えた。
那智勝浦町、串本町、古座川町、北山村の公立小学校の卒業式は23日(火)を予定している。
(2021年3月20日付紙面より)
鵜殿港に1600本水揚げ (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の鵜殿港に12日、ブリ約1600本が水揚げされた。今季初の1000本超えで、市場は漁業者や仲買人で活気にあふれた。
例年、3月上旬に1000本ほど、下旬には2000~3000本揚がるというが、今季は遅めのスタートとなった。それでも、平均10㌔のブリを中心に水揚げされ、前日揚がった800本の中には約17㌔の丸々としたブリもあったという。
阿田和大敷漁業生産組合が御浜町阿田和沖に仕掛けた定置網で取れたもので、第一三浜(みはま)丸、第八三濱(みはま)丸が水揚げした。第一三浜丸の鈴木準一船長は「1000本以上揚がってよかった。2月下旬に1000本以上揚がる年もある。今年は少し遅かったが、今の時季にしてはサイズが大きい」と話していた。今季の漁は4月中旬まで続くという。
地元の仲買人は「競り落としたブリは良い形をしている。地元や県内、東京などに届ける」と語った。
(2021年3月13日付紙面より)
たばこ組合紀南支部が清掃活動 (太地町 )
和歌山県たばこ商業組合紀南支部(塩崎伸一支部長)は11日、太地町の町立くじらの博物館周辺で清掃活動を実施した。会員13人が参加し、新型コロナウイルス感染症予防に努めながらごみ拾いに汗を流した。
同組合女性部(大谷敏子部長)を中心に、たばこのポイ捨て禁止や、未成年者の喫煙防止などの呼びかけを目的に活動。1997(平成9)年度から清掃が行われており、今年で24年目を迎え、年間約20回のペースで取り組んでいる。今年は先月25日に古座川町相瀬の国指定天然記念物・一枚岩周辺で1回目の清掃を行った。
会員たちはそろいのチョッキを身に着け、のぼりを掲げながら紙くずや空き缶などのごみを拾っていった。
大谷部長は「年々、ごみの量も減少傾向にあり、うれしく思います。吸い殻も、たばこを吸う人が少なくなったせいか、過去に比べるとほとんど目に付かない。この活動を知ってもらい、今後も改めて皆さんの町をきれいに保つという意識を高めてもらえれば」と話していた。
次回は18日(木)に那智の滝周辺で活動を予定している。
(2021年3月13日付紙面より)
「まんぷくMAP」を発行 (南紀串本観光協会 )
南紀串本観光協会(島野利之会長)が10日、飲食関係の会員店舗を紹介する冊子「まんぷくMAP」を発行した。
A5判カラー12㌻。前身の串本町観光協会が同様の趣旨で作成した「食べ歩きマップ」を強化刷新した冊子で、掲載している店舗数は35軒から55軒に増え、併せて同協会が提供する▽フィッシング釣り具レンタル▽釣って×触れて×学ぶ珍魚釣り体験▽街中チョイのりレンタルサイクル▽初心者でも安心!古座川カヌー体験―の各アクティビティー情報も盛り込んでいる。
携行性を高めるために従来のA4判からA5判にサイズ変更し、通信端末による情報入手が主流化する時代変化にも対応し表紙に冊子のPDFデータが閲覧できるQRコードを印刷。手元に冊子がなくても使い慣れた通信端末に保存して活用するなど利便性向上の工夫も刷新を機に図った。
同町の日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」によるアピール要素も取り入れ親近感を誘う仕上がり。作成数は5000部で、当面は同協会の串本事業所(JR串本駅併設)と古座事業所(JR古座駅舎内)、ホテル&リゾーツ和歌山串本や4月14日(水)に開業するホテル「フェアフィールド・バイ・マリオット・和歌山串本」で取り扱い、必要とする観光客や工事関係で町内滞在する人に配って活用してもらうという。
同協会の宇井晋介事務局長は「昨年から企画を進めていたが、新型コロナの影響でマップの需要が低迷し刷新も延び延びになっていた。関西の緊急事態宣言も解け、観光客の増加が見込めるようになったので発行に踏み切った。会員皆さまのプラスになるようしっかり活用していきたい」と意気込んでいる。
(2021年3月13日付紙面より)
議会中に黙とうささげる (新宮市議会 )
新宮市議会(久保智敬議長、15人)3月定例会期中の11日、議員や市職員ら出席者は議場において約1分間の黙とうをささげ、東日本大震災の犠牲者を追悼した。
一般質問を中断した上、午後2時46分に久保議長の呼び掛けで黙とうを行った。新宮市は震災で甚大な被害を受け多大な犠牲者が出た宮城県名取市と姉妹都市提携を、気仙沼市と交流都市協定を締結している。両市とも震災に伴う津波や火災などで壊滅的な被害を受けた。
先の大震災では、宮城県北部の栗原市で最大震度7が観測されたほか、宮城県、福島県、茨城県、栃木県などで震度6強を観測。災害関連死を含めた死者は1万9000人を超え、現在も2500人以上が行方不明となっている。
(2021年3月13日付紙面より)
【第31回】フィンランドの食育は?
野菜が嫌いという悩みは、子育てをしていると尽きません。なんとか、野菜を食べさせたい! これは多くの方が感じていることではないでしょうか?子どもが野菜を嫌がる理由は、一番はやっぱり味です。特に、ピーマンやセロリなど苦みや香りがきついものは、嫌われる可能性が高いですね。あとは、歯触りや舌触り。トマトやナスなど独特の食感のものは、その食感が嫌いということが多いです。
野菜嫌いの克服法として、よく言われるのは調理の工夫ですよね。細かくカットしたり、カレーやハンバーグに混ぜる。味付けを工夫するなど、お母さんたちは、あの手この手を使って野菜を食べられるように日々試行錯誤していると思います。これは、とっても有効な手段です。
小学生の野菜摂取について調べた論文によるとこんな記述があります。「緑黄色野菜の摂取頻度の低い児童ほど野菜嫌いが多く、その原因は主に味であるが、嫌いな野菜でも各々に応じた調理法を工夫すれば食べられるようになると答えた」(栄養学雑誌「小学生の野菜摂取に関係する食習慣と親の食意識について」、1996年)。確かに調理を工夫することで、食べられるようになるということですね。
でも今、これまでとは全く違うアプローチが、注目されています。フィンランドで実施されている食育法なんですが、その名も「サペーレ」。このサペーレは収穫体験や調理体験ではない、これまでに全くなかった野菜克服のアプローチです。
ポイントは、五感で野菜と触れ合うということ! フィンランドの幼稚園などでは、目隠しをして野菜を触ったり、匂いを嗅いだり。虫眼鏡を使って、野菜の断面を観察したり、手触りを楽しんだり。野菜そのものを、体感するという授業が行われているんです。
食べ物で遊んじゃダメ!と昔はよく言いましたが、サペーレではそれも食育! 野菜をお人形に見立てて遊んだり、おもちゃにしたり。創造力を使って、野菜と触れ合うことが大切とされているわけです。そして実際に、野菜と存分に戯れた子どもたちはその遊んだ後の野菜を嫌がらずに食べるそうです!!
収穫体験や家庭菜園はすぐ実行することはできませんが、これはすぐにでも家でできそうですよね。大切なのは、野菜に対するネガティブなイメージを払拭(ふっしょく)することではないかと思います。「野菜=まずい・苦い」といった、先入観を一度フラットにするために野菜と触れ合うんです。子どもたちは好奇心にあふれ、きっと野菜との触れ合いを楽しんでくれるはずです。せっかく野菜と触れ合うなら、縦にカットしたときと、横にカットしたときの断面の違いやタネがどんなふうになっているかなども見てみてください。
子どもの体験は学習の宝庫! ぜひ親子で楽しみながらフィンランドの食育にトライしてみてください。
(2021年3月13日付紙面より)
全国一斉放水に「はくりゅう」参加 (那智勝浦町 )
新型コロナウイルス感染症と闘う全ての人にエールを送ろうと、消防艇による全国一斉放水が7日午後2時から、全国23消防本部の各地域で行われた。那智勝浦町の勝浦漁港内では、県内で唯一消防艇を有する町消防本部(湯川辰也消防長)と町消防団(下地将仁団長)が消防艇「はくりゅう」で放水を実施。約10分間の放水に、コロナ収束と応援の思いを込めた。
初となった全国一斉放水は神戸市の提案によるもので、「コロナ禍において、ともにコロナを乗り越える勇気と希望を全国に発信する」ことが目的で消防艇のある各消防本部に呼び掛けたという。
賛同した同町消防本部らはコロナ感染拡大防止の観点から参加者を必要最少人数6人にとどめるとともに、多くの人々が集まらないように放水の実施も広報しなかった。
湯川消防長は「無事終了して感慨深いものがある。本来なら多くの方々に見ていただきたかったが今回は感染防止のため仕方なかった」。
町民に対しては「火災予防はもちろん、感染予防にも注意を払っていただけましたら幸いです」と語った。
(2021年3月9日付紙面より)
「さくら山」で80人が作業 (熊野さくらの会 )
NPO法人熊野さくらの会(田尾友児代表)は7日、紀宝町鮒田の林道浅里北桧杖線沿い標高500㍍の山林で19回目となる植樹祭を開催。三重、和歌山両県から参加した約80人がクマノザクラの苗木300本を植えた。
サクラの植樹を通じて、誰もが癒やされる「さくら山」作りに取り組んでおり、これまでヤマザクラやカンヒザクラなど約50種5080本を植樹。2月下旬にはカワヅザクラ、3月以降にダイカンザクラ、コヒガンザクラ、エドヒガン、ヤマザクラなどが咲く。
クマノザクラは紀伊半島南部に自生し、2018(平成30)年には約100年ぶりに新種と確認された。会では3年前からクマノザクラのみを植樹しており、今回で計630本となった。
参加者は20㌶の広大な山林で1・5㍍前後に育った苗木を約8㍍間隔で植え、鹿による食害を防ぐために保護用ネットも取り付けた。友達と参加した森隆喜君(相野谷小5年)は「初めて参加して、午前中で7本植えた。咲いたら見に来たい」と話し、元気いっぱい作業した。
今回はクマノザクラの看板も設置し、田尾代表は「クマノザクラを植樹するようになって参加者が増えた。活動を通してさくら山とクマノザクラを知ってもらえれば」と語っていた。
(2021年3月9日付紙面より)
潮岬で第8回フェスタ (南紀熊野ジオパーク )
第8回南紀熊野ジオパークフェスタが6日、串本町潮岬にある同パークセンターであった。今回はコロナ禍の情勢を鑑み、オンライン配信を交えた形での実施。記念講演や各種展示などで同パークを軸とした地質振興などに取り組んだ。
同パーク推進協議会と環境省近畿地方環境事務所主催。吉野熊野国立公園とその中にある同パークの関係諸活動への理解を促し、持続可能な地域づくりに資する目的で年1回開いている。通常は関係諸団体も参加し幅広い交流の機会を設けるが、今回は両主催の行事のみとし代替として様子をオンライン配信する内容で実施の準備を進めてきた。
同協議会関係行事は午後1時から開始。主催者を代表して県環境生活部の田中一寿部長があいさつをし、本年度同パークフォトコンテスト最優秀賞表彰式の上映を経てオンラインによる記念講演やジオパークガイドの交流を実施した。
記念講演の講師は早稲田大学教授の高木秀雄さん、演題は「南紀熊野ジオパークで体験する日本列島のジオの特徴―付加体、火山、そして地震―」。高木さんは同パークや日本の国土の地質学的な特徴を振り返り、プレート運動に伴う付加体の成因や火山活動(熊野カルデラ)の経緯の解説を受け、同パークエリアの大地の成り立ちの実感を伝えた。
高木さんは同運動には地震が伴うことにも注目し、南海~東海を震源とする地震の発生史が物語るように同運動の長大な時間の流れの中で繰り返し起こる状況を示唆。被災した先人が残した記録を後世へ受け継ぐ大切さを掲げるなどして、来る地震への意識を喚起した。
ガイドの交流は黒潮でつながる各地のジオパークガイドとオンラインで語らう内容で、南紀熊野ジオパークガイドの会会長の上野一夫さんがコロナ禍における活動状況を報告し、以降類する内容などで情報交換を重ねた。
同事務所関係行事は午前10時から午後4時まで実施。内容は同公園と北山村筏(いかだ)流しの資料展示による啓発で、後者は実物の観光筏を同センター駐車場へ展示し筏師らスタッフ自ら利用推進を願ってアピールに努めた。
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■配信した内容は約1週間視聴可
同センターでの実施は当日限りだが、オンライン配信した内容などは同センター公式ホームページで13日(土)ごろまで視聴できる状態にするという。
(2021年3月9日付紙面より)
少年少女発明クラブ閉講式 (新宮市 )
新宮市少年少女発明クラブ(瀧野秀二会長)は6日、新宮市役所別館で3月講座「プログラミング的思考について学ぼう」と閉講式を開いた。市内の小学生会員14人が近畿大学附属新宮高校・中学校で非常勤講師を務める廣里恵梨香さんからプログラミングの仕組みなどを学んだ。
発明クラブは全国各地で活動しており、県内でも10市町で行われている。市では、市内小学校4~6年生の児童を対象に年間を通して講座を開催。子どもたちに理科や科学、ものづくりに関心を持ってもらえるよう、さまざまな制作・野外活動に取り組んでいる。
この日は同中スーパーサイエンス部の生徒3人がサポート役で参加した。講座で廣里さんは「脳で命令を出して体を動かす人間とは違い、決められたことを指令通り動作を行うのがプログラミングです」と説明。使用する教材の解説を受けた後、子どもたちは部品を組み合わせ▽部屋が明るいときだけ、LEDモジュールが光る▽拍手をするとモーターが動く―などの課題に取り組んだ。
後半には応用で思い思いの装置を作り、テーブルごとに発表した。最後に廣里さんは「周囲には電化製品やパソコンなど、プログラミングされた機械がたくさんある。講座を通じて指示を受けると動く設定があることを改めて理解し、楽しさを知ってください」と呼び掛けた。
講座後には閉講式が行われ、瀧野会長が一人一人に証書を手渡し「今年は、予定していた講座がコロナ禍でできなくなってしまい非常に残念でしたが、何とか閉講を迎えることができた。来年度も、ぜひ参加してください」とあいさつした。
村上空君(神倉小6年)は「2年間でしたが、いろんな実験ができて楽しかったです。次からは参加できなくて寂しいけど、これからの勉強に生かしていきたい」と話していた。
(2021年3月9日付紙面より)
新宮ラグビーフットボールクラブ (進め!!青春 )
沖縄琉球空手オンライン国際大会 (松林流和歌山教室 )