わかやま夏の交通安全運動 (新宮市 )
和歌山県、交通事故をなくする県民運動推進協議会など主催の「わかやま夏の交通安全運動」が11日から始まった。20日(火)まで▽子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保▽自転車の安全利用の推進▽歩行者などの保護をはじめとする安全運転意識の向上▽飲酒運転の根絶―を重点とし、県民に注意を呼び掛ける。
夏季の行楽などによる交通量の増加、暑さからくる疲れや気の緩みなどによる夏特有の交通事故が多発する時期を捉え、交通ルールの遵守(じゅんしゅ)と正しい交通マナーの実践を習慣づけることにより交通事故の防止を図ることを目的に、県内各地で啓発活動などが展開される。
期間中の12日、新宮市橋本のイオン新宮店で行われた決起集会では、市交通事故をなくする市民運動推進協議会、市交通指導員会協議会、新宮警察署、市交通安全母の会などの関係団体から約50人が参加。新型コロナウイルス感染症対策のため手袋着用の上、買い物客らに物資を配布。交通安全を呼び掛けた。
市交通事故をなくする市民運動推進協議会副会長の清岡幸子・市交通指導員協議会長は「誰もが安全に安心して暮らせる交通事故のない社会を目指し、今後もあらゆる機会を通じて交通ルールとマナーの遵守を訴えていきたい」とあいさつ。
楠間慎也交通課長は「管内では交通事故件数は減少しているが死亡事故が1件発生している。飲酒運転が絡む事故も3件発生しており厳しい状況にある」と説明し、横断歩行者優先の意識付けの推進と、飲酒運転をさせない環境づくりへの協力を呼び掛けた。
管内では今年に入って26件の人身事故が発生しており(前年比10件減)、うち死者1人、傷者31人。また6、7月で計4件の飲酒運転を検挙した(いずれも11日現在)。
(2021年7月13日付紙面より)
補陀洛山寺で土用護摩祈とう (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(故・髙木亮享住職)で10日、土用護摩祈とうがあった。例年、多くの参拝者が集まるが、昨年と同様に新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から規模を縮小し僧侶のみで営んだ。髙木亮英副住職らが護摩をたき上げ、人々の幸せや無病息災、コロナ終息を祈った。
世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳され、髙木副住職らが読経し、護摩壇で祈とうが行われた。
開帳法要はこの日も含め、1月27日の立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)、5月17日の渡海上人供養の春まつりの年3回営まれている。
髙木副住職は「今日お参りするとご本尊の御利益を頂き、4万6000日参ったことになる功徳の高いありがたい日。皆さまの幸せと安寧、コロナ終息、世の中の平穏無事を祈りました」と語った。
(2021年7月13日付紙面より)
先月17日時点の町民対象に (串本町 )
串本町が9日、町民1万5326人を対象にして生活支援商品券の交付を始めた。1人につき7000円分(100円券70枚)を託す内容で、担当の役場産業課は積極活用を呼び掛けている。
この商品券は、コロナ禍の影響を受ける住民生活と地域経済をともに支援する目的で交付。国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を原資にして計画し、町議会第2回定例会で予算承認を得て準備を進めてきた。
対象者にはあらかじめ引き替えはがきを送って通知し、同日から8月9日(月・振休)までの間に最寄りの郵便局(初日のみ江田、田子、樫野の各集会所と旧養春小で臨時交付窓口を開設)で同商品券と引き換えるよう求めている。引き替え方法は同はがきを参照。
同商品券の有効期限は11月30日(火)で、取扱参加店舗約280店舗で利用でき内訳は交付時に一覧表を併せて配る形で伝えている。店舗まで赴きやすいよう、前回同様にコミュニティバスの運賃としても使える仕組みとしている。
同商品券の交付は3回目で、今回の対象となる町民決定の基準日は6月17日。交付総額は1億728万2000円相当で、同課はこの規模で目的を達成できるよう、過去2回(約99%利用)同様の協力を求めている。問い合わせは同課(電話0735・62・0558)まで。
(2021年7月13日付紙面より)
「那智の扇祭り」前に氏子が奉仕 (熊野那智大社 )
熊野那智大社(男成洋三宮司)の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が13日に宵宮(よいみや)、14日(水)に本祭を迎える。祭りを目前に控えた11日、同大社で扇神輿(みこし)2体と馬扇の張り替え作業が行われ、氏子ら16人が奉仕した。
熊野十二所権現の神霊をうつす扇神輿は高さ約6㍍、幅約1㍍の細長い形で「那智の大滝」を表しており、例年祭り前に張り替えられる。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から扇神輿は取りやめとなったが、今年は2体のみ出されることとなった。
当日は本殿で奉告祭を営んだ後、口伝で残された伝統の製法で張り替え作業に取り掛かった。扇神輿は細長い木の枠に赤い緞子(どんす)を365本の竹くぎで止め、32本の日の丸が描かれた扇や8面の白銅鏡などを飾り付ける。
8面の白銅鏡は「神威八弦絃(あまねく広く輝かすの意)」といわれている。扇神輿は1カ月を意味し、12体で1年を、32本の扇は1カ月の30日と残る2本は月の満ち欠けを、365本の竹くぎは1年の日数を表しているという。
氏子らは声を掛け合いながら協力して扇神輿や馬扇を仕上げていった。
男成宮司は「2年ぶりに2体だけだが、扇神輿を出すことができ、良かった。意義を感じる」。
来年の例大祭については「本来は12体全て出して斎行したい。来年はこれまで通りのお祭りができれば」と語った。
(2021年7月13日付紙面より)
熊野川地域フラワーツーリズム協議会 (新宮市 )
熊野川地域フラワーツーリズム協議会(下阪殖保会長)のメンバーら約10人は7日、新宮市熊野川町日足のバイパス近くの休耕田約0・5㌶にヒマワリの種約15㌔を植えた。
同協議会は、2011年9月の紀伊半島大水害で被災した町を花の名所として活性化し町民らを元気づけようと、休耕田や耕作放棄地にヒマワリやコスモス、菜の花などの種をまいている。今年で9回目の取り組みとなる。
他にもこいのぼりの設置やさまざまなイベントを企画・実施し、復興を祈念するとともに水害当時に思いを寄せる機会としている。
市制施行10周年記念として15年から開催されている「ひまわりまつり」では一帯を大輪のヒマワリが彩るが、今年は新型コロナウイルスの感染状況を考慮し、昨年に引き続きまつりは中止に。
そんな状況下でも協議会メンバーらは「町の活性化につながれば」と思いを込め、一つ一つ丁寧に大輪花で耐倒伏性が強いヒマワリの品種「ハイブリッドサンフラワー」の種を植えていった。
先月30日には約1・5㌶の休耕田に約20㌔のコスモスの種をまいた協議会メンバー。種をまいた後は発芽しやすいように土をかけ、肥料の散布も実施した。今年のコスモスは約3カ月で開花する早咲き種で花径約7、8㌢の大輪になるものもあるという。
「秋には花畑があふれ、町を訪れる人たちに楽しんでもらうとともに、復興を祈念できれば」。大水害以降も幾多の風水害を乗り越えてきた熊野川町。町を彩るヒマワリとコスモスの開花は9月ごろを予定している。
(2021年7月8日付紙面より)
図書館が引き継いで所蔵へ (串本町 )
串本町教育委員会(潮﨑伸彦教育長)がこのほど、ケンケン漁ゆかりの漁具・工具や研究資料一式の寄贈を受けた。串本町図書館(池田三明館長)へ引き継ぐ方向で段取りを進めていて、池田館長は閲覧できる状態にある研究資料は7月中旬をめどに郷土資料として蔵書登録し閲覧公開、漁具は年末をめどに展示公開を目指すとしている。
町教委によると、一式は田並の故・雑賀徹也さんが生前の研究でそろえたもの。遺品整理をする中で「貴重では」と感じた家族が知り合いの役場職員の仲介で町教委に相談し、寄贈するに至ったという。
内訳は漁具が▽潜行板7個▽飛行機6個〈大2、小4〉▽爆弾3個▽ウキ1個▽手釣り用木枠〈釣り糸つき〉1個▽疑似餌複数個―、工具は木製の潜行板、飛行機、爆弾を作る道具など11個。研究資料がファイル4冊(写真や新聞記事の切り抜き、独自考察など)と未整理の文書・図面・写真で数量不詳となっている。
潜行板、飛行機、爆弾は漁業従事者が漁具の形状や用途を見て用いていた呼称。研究資料は故・雑賀さんが生前に和歌山東漁業協同組合へ寄稿したケンケン漁推察の出典元となるさまざまな文書資料や独自考察、写真などで「天馬船」の設計図面〈実物〉も含まれている。
一式全体として整理が追いついていない状態にあり、その作業を進めてできる限り所蔵していくという。池田館長は「本館は農業関係に比べて漁業関係の民具が少ない。(同町の代表的な漁業の一つである)田並発祥のケンケン漁にまつわる内容ともあってとてもありがたい寄贈だ」と喜び、今後の公開に意気込んでいる。
ケンケン漁は、田並からハワイへ渡った移民者が現地の漁法を洗練して持ち帰り全国へと広めたとされるカツオ漁法。現在は長さおを漁船の両舷へ羽のように伸ばして仕掛けを引く形へと発展し、代表的なカツオ漁法の一つとして浸透している。
(2021年7月8日付紙面より)
宇久井中で海洋教育 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立宇久井中学校(坊信次校長)で6日、地元漁師の東信義さんによる漁業学習があった。2年生29人が地元の漁業について学び、理解を深めた。
同校で20年以上続く海洋教育の一環で、ふるさとの漁業の歴史や取り組みを学ぶとともに、将来的な漁業後継者を育てることも目的の一つとしている。
東さんは宇久井漁業協同組合に所属し、引き縄(ケンケン)漁とイセエビの刺し網漁を営む傍ら、ホエールウオッチング業にも従事している。
授業では東さんの経験を基に、地元の主な漁法としてマグロやカツオを取る「はえ縄」「引き縄」「一本釣り」、アジやサバ、サンマなどの「棒受け網」、ブリを中心に季節の魚を取る「定置網」、「養殖」などの仕組み、クジラの種類や生態についても解説した。
生徒からは「クジラが見える確率は」「宇久井漁協はどういった組織なのか」「難しい漁法は」「漁に出ないときは何をしているのか」などの質問があった。
東さんは「ウオッチングは5月のシーズンなら90%以上見ることができる」「組合がないと僕らは魚を持って行くことができない。漁師のまとめ役」「どの漁法も慣れるまで難しいが、棒受け網は難しい」「漁以外では網の修理などをしている」と答えた。
この日の朝に定置網で取れたイワシやイカ、サバ、カツオ、シイラ、タチウオなどを直接見せながら特徴や種類を説明した。
学級委員の田原まなさんは「漁法の説明や実際に魚を見せていただき、ありがとうございました。宇久井の漁業について学ぶことができました」と感謝を述べた。
坊校長は「発展した漁業がこの地域を支えてきた。その歴史などを学んでほしい」と述べた。
同校によると、2年生は3学期、船に乗って定置網の見学を実施するほか、3年生は漁協女性部の協力の下、魚食体験を行うという。
(2021年7月8日付紙面より)
区長会で各種事業を報告 (紀宝町 )
町内14地区と町で組織する紀宝町区長会(会長・辰巳尚鵜殿区長)は6日、同町役場大会議室で定例会を開催。役員改選に伴い、会長に辰巳区長、副会長に鮒田区の東口高士区長を再任した。
各区の区長、役場職員が出席し、西田健町長は「町内でこれまで新型コロナウイルスの感染者がないものの、地域経済にとっても厳しい状況にあり、町としてもできる限り支援をしたい。全国学力テストで、小中学校5教科中3教科で全国平均を超えた。子どもたちは学力やスポーツも頑張ってくれている」とあいさつ。各課の担当職員が町の関連事業などを説明した。
65歳以上の新型コロナウイルスワクチン接種は1日現在、1回目が2701人、2回目は1769人が済ませた。3、4日に720人が集団接種し、1回目接種率は約85%だという。
担当課長は「8月も土、日曜日に集団接種を計画しているが、ワクチン供給量によって設定できないかもしれない」と報告。「接種した人は新型コロナの発症を予防できるとされているが、接種を受けた人から他の人への感染をどの程度予防できるか分からない。接種後も引き続き、手洗い・マスク着用・3密回避などの対策徹底を」と呼び掛けた。
新型コロナウイルス感染症支援事業や第15回紀宝町花火大会の打ち上げ花火中止、町空き家バンク事業、第2次町総合計画、鵜殿保育所建設工事、矢渕中学校大規模改修工事の概要なども伝えた。
(2021年7月8日付紙面より)