年内に市内全域へ (新宮市 )
新宮市と新宮郵便局は現在、QRコードおよび海抜表示付き郵便ポストの更新作業を実施している。28日には同市伊佐田町の新宮郵便局前ポストで竹田和之・防災対策課長と間嶋義則・新宮郵便局長がQRコードシートを貼り替えた。年内をめどに市内99カ所の全ポストへの更新作業を行っていく。
郵便ポストへのQRコード貼付は、昨年3月から共同実施している「災害・観光・郵便局のPR」を兼ねた取り組み。
このたびの貼り替えは防災情報を最新版である「Web(ウェブ)版新宮市ハザードマップ」にリンクするためのQRコード更新に伴うもの。更新前は市内避難所・避難場所の一覧表示だったが、貼り替え後は位置情報を利用し、現在地の危険性を瞬時に確認することができる。
郵便ポストにQRコードと海抜情報を貼付することで市民はもちろん、土地に不慣れな観光客もいざというときはスマートフォンなどでQRコードを読み込むことによってハザードマップに接続が可能。ポストの位置から現在地の津波の浸水深、最寄りの避難場所などを確認することができる(位置情報を取得するためにはブラウザの位置情報をオンにしておく必要がある)。
間嶋新宮郵便局長は「新型コロナウイルスが終息したら多くの観光客が新宮市を訪れると思う。歩いて観光する人も多く、その際は防災・観光情報などの取得に活用いただければ」と話している。
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■Web版新宮市ハザードマップ
新宮市では、昨年5月から「Web版新宮市ハザードマップ」のサービスを開始している。洪水浸水想定区域や浸水被害実績、津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域、避難所の位置などを選択して確認できるほか、洪水時や津波時の「逃げどき判定」ができる機能も備えられている。
多言語(日本語、英語、中国語、韓国語)にも対応。パソコンやスマートフォン、タブレット端末で閲覧ができる。市では「Web版新宮市ハザードマップを事前にお使いいただき、避難の際に役立てて」と活用を呼び掛けている。
(2021年9月30日付紙面より)
「社会奉仕の日」に合わせて (紀宝町 )
全国老人クラブ連合会が定めた全国一斉「社会奉仕の日」の取り組みとして、紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」(牧戸光彦会長)は28日、同地区の中曽公園で清掃活動を実施した。
社会奉仕の日(9月20日)は、地域社会に対する感謝と地域の担い手としての活力を示すことが目的。「きれいな地球を子どもたちへ」をスローガンに、全国各地で「花のあるまち、ゴミのないまち」を目指した美化活動、環境活動が展開されている。
同会では30年ほど前から「社会奉仕の日」と3月、7月の年3回、ボランティアで清掃に取り組んでいる。
今回は約30人が参加し、午前7時から作業を進めた。草刈り機で公園内の雑草を刈り取り、雑草を集めてビニール袋に回収するなどして約2時間で清掃を終えた。
牧戸会長は「前日から作業してくれた有志会員や参加してくれた会員のおかげでスムーズに作業を終えることができた」と話していた。
(2021年9月30日付紙面より)
すさみ串本道路田並中ノ谷地区進入路工事を請け負う木下建設株式会社が27日、串本町立串本西中学校(平原良一校長、生徒29人)を招いて現場見学会を開いた。
同社が住民に身近な工事を知ってほしいという思いで現場最寄りの同校に提案し、同校は校外の職場に触れキャリア教育を進める良い機会として招待を希望。双方、時節柄の新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で現場見学会実施へとこぎ着けた。
先んじて25日に同町の12~15歳対象新型コロナワクチン集団接種〈2回目〉があった影響で参加できた生徒は18人。スクールバスで国道42号沿いの出入り口から作業用道路経由で同社田並中ノ谷作業所(得能晃所長)を訪ね、得能所長ら社員の歓迎を受けて現場見学会に臨んだ。
得能所長による現場や見学の概要説明を経て、序盤は国土交通省紀南河川国道事務所の田中富博建設監督官がすさみ串本道路の概要を紹介。中盤は同社が準備した▽ICT建機操縦▽調査用ドローン操縦▽鉄筋組み―の各体験提供で、生徒は学年別に分かれローテーションして一通り挑戦した。終盤は工事中に心掛けていることややりがい、すさみ串本道路事業の全体像や予算規模など同校が事前に寄せた質問事項に答えて生徒の理解を後押しした。
一連の体験を経て河田栞奈さん(3年)は「ドローンで遠くまで見渡せるのが楽しかった。来る途中でいろいろな現場を見てきたけれど、難しい作業も多そうで大変だろうなと感じた。そのような仕事に頑張ってくれている皆さんと接してとてもかっこいいと思った」と印象をコメント。得能所長は「まずは学校に身近な所でしている工事や働く人々に関心を持ってもらえれば」と生徒の今後を期待し、平原校長は「校内では伝えることしかできない校外の職場をじかに見させていただけたことは、生徒の将来に対する視野を広め目標にバリエーションをもたらす。生徒の目指す将来はそれぞれなので土木分野に就くかどうかは別として、頂いた経験は今後の進路選択の中で必ず生きてくると思う」と同社の招待に感謝しつつ生徒の体験を後押ししていた。
(2021年9月30日付紙面より)
新クリーンセンター建設地 (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河に建設される新クリーンセンターの敷地造成工事がこのほど、終了した。当初は今年5月に終了予定だったが、資材調達などに時間を要したため約3カ月の延長となっていた。令和7年度の稼働開始に向け、一歩進んだ形となった。
同町によると、工事では排水溝を設置し、谷を埋め立てて平地を造成。敷地面積は約8800平方㍍で、本年度中に工事業者の入札を実施するという。
施設本体工事は業者選定後、来年12月ごろから開始する予定。6年度(7年3月)中に工事を終え、7年度の稼働を目指すとしている。
担当職員は、新クリーンセンターは将来の人口減少やごみ量も予測して建設するとし、「1日当たりのごみ処理量は旧クリーンセンターが約50㌧だったが、新クリーンセンターは約23㌧の能力となる。人口に合わせて施設の規模も小さくなる」と話していた。
(2021年9月30日付紙面より)
紀伊風土記の丘で特別展 (三輪崎小 )
和歌山市の県立紀伊風土記の丘で開館50周年を記念した令和3年度秋期特別展「海に挑み、海をひらく―きのくに七千年の文化交流史―」が10月2日(土)から12月5日(日)まで開催される。新宮市立三輪崎小学校でこのほど、展示品として同校所蔵のモリを貸し出し提供すべく、梱包(こんぽう)作業が行われた。
同展は紀伊半島の沿岸に暮らした先人たちや海の歴史を考古学と民俗学の観点から紹介することがテーマ。和歌山県発祥の漁業にもスポットを当て、改良を重ねた技術が全国各地に伝わったことや、新宮・東牟婁含む県内各地の漁具や資料などが展示される。
同校のモリ2本は寄贈されたもので、捕鯨を行っていた三輪崎組の紋「三つの輪」が刻まれている。このモリに加え、クジラのひげや疑似餌などが貸し出しされる。
三輪崎区や三輪崎郷土芸能保存会、三輪崎漁業協同組合も協力。「鯨踊りの衣装」や「捕鯨に関する写真」「一本釣りに使用した竹の釣り竿」なども展示されるという。
紀伊風土記の丘の主査学芸員・蘇理(そり)剛志さんは「県内では江戸時代から明治半ばまで捕鯨をやってきたのが、太地や古座、三輪崎。紆余(うよ)曲折を経て、約300年にわたり、行ってきた文化が残っている。三輪崎の捕鯨はなくなったが、鯨踊りなど、さまざまな形で伝統が引き継がれ、地域の誇りになっている」。
モリについては「古式捕鯨時代のもの。形も古く、数も残っていない。古くからある三輪崎鍛冶にもつながる。鉄を加工する技術あってこその捕鯨。このモリは重要なものだと思う」と話した。
嶋田雅昭校長は「当校は三輪崎郷土芸能保存会の皆さまから鯨踊りや捕鯨について教えていただいているため、児童も三輪崎の捕鯨文化に触れることができている。価値のあるモリなどを多くの方々に見ていただけるのはうれしい」。
児童に対しては「博物館に展示されるほどの貴重な物が学校にあるということを児童にも伝えたい。県内での修学旅行になるため、行き先の一つとして展示を見に行くことも検討している」と語った。
なお、太地町の鯨舟の模型や鯨絵巻、串本町の河内祭の道具なども展示される予定。
(2021年9月19日付紙面より)
相須地区でいきいきサロン (新宮市熊野川町 )
新宮市熊野川町の相須集会所で16日、「ふれあいいきいきサロン」があった。地域住民5人が参加し、防災クイズを交えてコロナ禍の避難について考えた。
サロンは地域のコミュニティーづくりや介護・寝たきり防止、1人暮らしの人への見守りなどを目的に、区と市社会福祉協議会が協力して開いている。新宮市の施設利用再開を受け、手指消毒や参加者全員の検温、マスク着用などの感染対策を取りながら実施した。
この日は市社協熊野川ステーションの大江真季さんが、コロナ禍中に災害が発生して避難所生活を送ることになったときの備えについて講話。「災害時は危険な場所から避難するのが原則だが、食料や水に加えてマスク、アルコール消毒液、体温計などの感染対策用品を持ち出し袋へ入れておくことが大事。9月の防災月間に合わせて市内のスーパーマーケットに防災用品コーナーができているので、一度見に行ってみて」と呼び掛けた。
「高齢の方や足の悪い人は警戒レベル3の『避難準備・高齢者等避難開始』のときにはもう避難しておいてほしい」と言い、改めて早期避難の重要性を伝えた。
住民からは「紀伊半島大水害の時、なかなか救援物資が届かず難儀した」「自分の身は自分で守らなければ」との声があった。
(2021年9月19日付紙面より)
宇久井神社例大祭・宵宮祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が17日夜、本殿であった。例年多くの人でにぎわうが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家講など関係者ら約20人が参列して厳かに式典が斎行された。
例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが、昨年、今年は取りやめとなった。
台風接近の影響で雨が降る中、式典が進められた。熊野那智大社から出仕した伊藤士騎禰宜が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。
式典後の神酒拝載では伊藤禰宜が「コロナが終息に向かいまして、活気あふれる宇久井のお祭りが復活することを心よりお祈りしております」と述べ、一同、手にした杯で乾杯した。
祭典委員長の亀井二三男さんは「残念ながら省略した形での宵宮祭となった。昨年は当地域でのコロナの影響は少なかった。来年こそはと思っていたが、感染が広がり今年も縮小する形となった。2年はわれわれにとっては大きな年。祭典関係者の高齢化も進む中、2年間休んで来年は体力的に大丈夫だろうかとの懸念もある」。
来年については「地域の祭りは氏子の方々にとって大切なもの、決断は心苦しかった。今回の祝詞にもコロナ終息の思いを込めていただいた。来年こそは皆さまの豊漁や健康を祈り、盛大にやっていきたい」と意気込みを語った。
(2021年9月19日付紙面より)
4年生が「鵜殿ばやし」を練習 (鵜殿小 )
新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの祭り、イベントが規模縮小や中止を余儀なくされ、紀宝町鵜殿地区で毎年11月22、23日に開催される「うどのまつり」も2年連続の中止が決まった。
秋を彩る「うどのまつり」は、鵜殿ばやしの手踊りが練り歩き、熊野水軍太鼓の演奏、諸手船(もろとぶね)をかたどったダンジリの上でハリハリ踊りを披露するなど、毎年、地区内が祭り一色に包まれる。
鵜殿ばやしは1992年に誕生し、96年に保存会が発足。うどのまつりや紀宝みなとフェスティバルなどで披露し、町村合併以前の旧鵜殿村運動会でも住民総出で踊ったという。
その地域の伝統踊りを子どもたちに継承してもらおうと、町立鵜殿小学校では毎年、運動会で4年生のプログラムに組み込んできた。
昨年は新型コロナの影響もあって運動会で披露する機会がなかったが、今年は10月2日(土)の運動会で2年ぶりに復活する。
本番に向け、4年生35人が保存会のメンバーに踊りを教わりながら練習に励んでいる。15日にはメンバー4人が訪れ、細かい動きを丁寧に指導した。
「沖を眺める」「網をたぐり寄せる」など漁師のしぐさを盛り込んだ男踊り。手を上げる角度や指先の力の入れ方など、難しい動作も多く、児童たちはアドバイスを受けながら覚えていった。今後も本番まで練習を重ねるという。
メンバーの松元美国さんは「現在の保存会メンバーは20人ほど。昨年から鵜殿ばやしを披露する場がなくなり、踊りを知っている子どもも少なくなってきた。鵜殿の伝統を引き継いでもらい、来年、祭りが開催されれば参加してもらいたい」と話していた。
女子児童は「踊りは難しいけど、頑張って運動会までに覚えたい」と笑顔を見せていた。
(2021年9月19日付紙面より)
アオウミガメも同時開始 (串本海中公園 )
串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が1日、今年ふ化したウミガメ類の展示飼育を始めた。今年は4年ぶりにアオウミガメもふ化。毎年ふ化するアカウミガメとともに生まれてまもない姿を観察できる貴重な機会となっている。
館内ウミガメプールで展示飼育しているウミガメ類が産んだ卵からふ化した個体。今年は全体で17回の産卵があり、8月下旬からふ化が活発化し始めている。うちアオウミガメは1頭が3回産卵していて、8月27日に2017年以来となる砂の中からの初脱出を確認。1回目の6月14日確認分から12匹がふ化し、飼育担当の吉田徹副館長は「産卵の時期がふ化率の低いシーズン序盤だが無事脱出をしてくれた。残る2回分は数十匹規模で脱出すると思う」と期待を強めている。
回数で言うと脱出まで育つのは全体の3分の2程度、というのが同館の人工ふ化場における傾向だそう。今月1日までにアカウミガメは3回分、アオウミガメは1回分の脱出を確認していて、予想より脱出が遅れ気味だがアカウミガメの脱出が40匹規模に達している状況もあり、今後9月いっぱいが最盛期になると展望を見据えている。
脱出したウミガメ類はまずバックヤードで状態観察をし、餌(=オキアミ)を食べ出す段階に達したら屋内水槽で展示飼育をするのが同館の稚ガメ公開の流れ。アカウミガメの初ふ化から推して今年は8月末ごろを目標にして開始を目指してきたが、アオウミガメもタイミング良く初脱出したことでアカウミガメと同時で展示飼育を始める形となった。
専用の屋内水槽は現在補修中で、当面は仮水槽で展示飼育し数日内に補修を完了し屋内水槽へ移すという。どちらの稚ガメも同じ水槽で飼育しているが、アオウミガメは一回り大きく目の周りや体の下部に白みを帯びる点でアカウミガメと区別できる。
展示場所は館内となっているため、観察には入館料が必要。同館の営業時間は午前9時~午後4時30分(チケット販売は午後4時まで)。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。
(2021年9月3日付紙面より)
くじらの博物館で防災訓練 (太地町 )
太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で1日、防災訓練があった。林館長はじめ職員ら35人が参加。津波を想定した避難や避難誘導、火災を想定した防火訓練などに取り組み、防災意識の向上を図った。
「防災の日」(9月1日)に関連した取り組みで、地震や津波、火災などの災害に対する防災意識を高め、しかるべきときに取る行動の統一と情報の共有を図ることを目的として開催。避難器具の点検などは定期的に実施しているが、大規模な防災訓練は初めてという。
林館長は集合した職員らを前に「この訓練を機に防災意識を高め、有事の際に一つでも二つでも役に立つように真剣に取り組んでほしい」と訓示。東海・東南海・南海地震の3連動地震による津波の発生を想定し、避難、および避難誘導訓練が行われた。
職員らは来館者役と避難誘導役に分かれ、同施設裏手にある浅間山(せんげんやま、標高約37㍍)へ。津波到達時間内の避難を最終目標に定めつつ、避難行動に取り組んだ。3連動地震による同町の想定は津波到達時間7分、最大津波高6㍍、平均浸水2・3㍍となっている。
同町役場総務課の山下真一企画員は「来館者の誘導に加えて、職員自らの命を守り避難する『人命最優先』を念頭に訓練いただいた。来館者の安全を図りながら、スタッフとして落ち着いて避難誘導などを行えていたと思う」と講評。
訓練を重ね、さらに避難にかかる時間の短縮に期待を込め「訓練通りの対応が難しい場合もあると思う。日頃から防災意識を心掛けながら、来館者と自身の安全を考えて日々の業務にあたっていただければ」と伝えた。
火災を想定した訓練では、新宮防災(同市三輪崎)の職員らが、屋上救助袋の開け方や消火器の使い方、防火シャッターの取り扱いなどについて講義。参加者らは真剣な表情で説明を聞き、避難・消火器具についての知識を得る機会とした。
林館長は「訓練は継続していくことに意味がある。今後、年に1度でも実施していくことができれば」と話していた。
(2021年9月3日付紙面より)
防災の日に避難訓練 (相野谷中 )
「防災の日」の1日、紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長、生徒25人)で地震を想定した避難訓練があり、全校生徒が校内で身を守る行動を確認した。
訓練を通して生徒自身が災害時に的確な判断をし、自らの安全を確保するための行動を取ることが狙い。同校では年に3回、地震や津波などを想定した避難訓練に取り組んでいる。
この日は、終業のチャイムが鳴った後、緊急地震速報を知らせる放送が流れ、生徒は一斉に自分の机の下に潜り込み、低い姿勢で身を守った。
揺れが収まった後、自転車で通学する生徒はヘルメットをかぶり、徒歩やバスで通う生徒は教科書などで頭を守り、運動場に避難した。
前回より2秒早い1分15秒で全生徒の避難が完了し、佐藤校長は「今回はスムーズに避難できたが、揺れている間は机をしっかり抑えてほしい。地震はいつ起こるか分からない。しっかり備えをしよう。自分の命を自分で守るために、考え、判断し、決断して行動することを心掛けてください」と話した。
(2021年9月3日付紙面より)
中井院長がメッセージ (新宮市立医療センター )
新宮市立医療センターの中井三量院長は1日、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、市民への周知のためにメッセージを発表した。
中井院長のメッセージは次の通り。
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新型コロナ感染症は和歌山県下では2021年に入り、よくコントロールされ、収束方向へ向かっているようでありましたが、2021年7月下旬から、新たな感染者が増加し、新宮保健所管内でも患者が発生しております。多くが他圏域由来の患者から濃厚接触者として発症し、その周囲に小規模のクラスター、あるいは家族内感染しております。
新宮市立医療センターはPCR検査、簡易PCR検査機器を設置し、有症状・無症状の濃厚接触者および緊急入院を要する発熱患者に対し、感染者を判定できる体制がとれています。
なお、当院の感染者収容病床は20床から現在32床まで増床し、新宮保健所管内で発生した患者は有症状・無症状にかかわらず、当院での入院対応となります。
患者が重症化するかどうかの判断は、毎日の病状観察、酸素飽和度、胸部CT検査、血液検査などで行われ、コロナ感染病床では医師・専従の看護師が診療に当たっています。新宮市立医療センターでは、重症に陥る前に、レムデシビル(ベクルリー)、デキサメタゾン、バリシチニブ(オルミエント)、抗体カクテル(ロナプリーブ)を早期に使用する方針です(かっこ内は製品名)。重症者には、ECMO、呼吸器装着治療する準備はありますが、マンパワーに限りがあり、田辺市、和歌山市の専門病院へ転送する状況であります。幸い、患者さんの症状は軽症、無症状が多く、重症になられた方はおりません。病状が安定し、PCR検査陰性化、入院7日を目安として、退院できています。
新宮市立医療センターではコロナ感染患者だけでなく、通常の傷病患者かつ救急患者に対する診療を続けなければなりません。日々の感染者が軽症で6人程度までであれば、新宮市立医療センターの検査体制、入院体制で持ちこたえられると考えます。これが毎日10人以上、重症者、あるいは認知症、透析、脳血管障害後遺症などを合併する患者となるとたちまち、入院体制の維持が困難となります。そうなる前に、①皆さまには、新型コロナワクチン接種を可能な限り多数の方に受けていただきたいと考えます。ワクチン接種で重症に陥ることはごくまれであり、死亡者はほぼなくすことができると報告があります。しかしワクチン接種の後も新型コロナ感染は起こり、無症状~軽症で感染したことが分かりにくくなります。そこで皆さまには②ワクチン接種後も可能な限り他圏域への移動を自粛し、3密になる状況を避けること、多人数での会食、飲酒を控え、自宅での静かな食事、マスク着用、手洗い励行を続けていただきたいと考えます。
ワクチン接種が人口全体の7~8割に達すると、集団免疫が働き、まん延状態は落ち着くといわれ、その後は通常の季節性インフルエンザと同様な定期的ワクチン接種で感染コントロールはできるといわれています。新宮地域でのワクチン接種は新宮市当局、新宮市医師会、新宮市立医療センターの協働作業で10月中旬をめどに完了する見込みであり、引き続き3部門協働でこの難局を乗り越えたいと考えておりますので、今しばらく皆さまの自粛をお願いいたします。
(2021年9月3日付紙面より)