秋の全国交通安全運動で決起集会 (新宮市 )
正しい交通ルールの順守とマナーの実践を呼び掛ける「秋の全国交通安全運動」が21日、始まった。30日(土)までの10日間、▽子供と高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止▽夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の交通事故防止▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底▽飲酒運転の根絶―を重点に全国で活動が行われる。
新宮市では、市交通指導員協議会、市交通事故をなくする市民運動推進協議会(会長・田岡実千年新宮市長)、交通事故をなくする県民運動東牟婁地区推進協議会(会長・児玉征也東牟婁振興局長)など関係者ら約70人が同市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で決起集会と街頭啓発をした。
田岡市長は「皆さんの地道な活動のおかげで年々交通事故の件数は減少しているが、まだまだ予断を許さない状況。私たちの共通の願いである、交通事故のない安心安全な町づくりという思いが多くの皆さんに伝わるよう啓発したい」。児玉局長は活動重点に触れ「行楽シーズンを迎え交通量が増える。夕暮れ時や高齢者の事故も増える。運転時、歩行時、自転車運転時のスマートフォンの利用は注意していきたい」などと語り「啓発を通じ交通事故ゼロを目指したい」とあいさつ。
谷本克也・新宮警察署長は10月から12月までの夕刻に事故が増加していると話し、シートベルトの着用や飲酒運転の根絶、駐車場内での物損事故に触れた。管内の情勢を説明し「警察も取り締まりや指導を行っているが、警察だけでは事故をなくすことができない。皆さまをはじめ関係機関と協力していきたい」と呼び掛けた。
新宮警察署管内では今年20日現在で人身事故は60件発生し、昨年より16件減少している。死者は2人で1人増。物損事故は855件で81件の増加となっている。
(2017年9月22日付紙面より)
下里小で不審者対応訓練 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(岡史博校長)は20日、不審者対応避難訓練を実施した。全校児童96人の避難を完了させた後、防犯講話や教員の刺股訓練で対策意識を高めた。
2001(平成13)年6月に大阪教育大学附属池田小学校で起きた児童殺傷事件を機に、町内の学校で不審者対応訓練が始まった。下里小では年1回訓練を行っており、各教室に刺股を備える。
今回は、1階の2年生教室への不審者侵入を想定。1階の1・2年と特別支援学級が体育館へ、2階の3年生以上が廊下の防火扉を閉めながら6年生教室へ避難した。男性教員が刺股で不審者を威嚇または取り押さえるなどして時間を稼ぎ、女性教員が児童らを誘導した。
午後の授業中に不審者役が窓から侵入すると、児童らは走って指定の場所へ避難した。侵入を知らせる校内放送が流れると、男性教員1人が刺股を持って駆けつけて応戦。続々と教員が集まり、5人で不審者役を取り押さえた。
新宮警察署生活安全刑事課の大井敬悟警部補ら署員3人が子どもたちに「いか」ない、「の」らないなど不審者への対応方法を覚える「いかのおすし1人前」の意味を説明し、遭遇した場合はきしゅう君の家に逃げるよう呼びかけた。教員には刺股の扱い方を教えた。
岡校長は「子どもたちはまだこういう訓練に慣れていないので、危機感を持って訓練できたら。職員も即座に対応できるようにしたい」と対応力の向上を誓った。
(2017年9月22日付紙面より)
JR紀伊佐野駅でキャンペーン (新宮市 )
通学中の列車内や駅構内など、公共の場でのモラルとマナーの向上を呼び掛ける「きのくに・さわやかマナーアップキャンペーン」が21日朝、新宮市のJR紀伊佐野駅で実施された。高校生や駅、警察関係者ら約40人が駅利用者らに啓発グッズを配布した。
同キャンペーンは学生が駅など公共の場所で座り込みや大声で騒ぐなどのマナー違反行為が横行し、社会問題となった平成15年から、年に2回実施している。この日は自転車マナーアップ推進リーダーの新翔高校生徒、新宮警察署、少年補導員、少年相談センター、JR新宮駅社員などが参加。電車を利用する人たちに声を掛け、物資を配布した。この日は秋の交通安全運動初日でもあり、併せて啓発した。
新宮警察署の大井敬悟さんは「乗車マナーアップと交通事故の防止をお願いします」とあいさつ。新翔高校の大居結唯さん(2年)は「笑顔で渡すようにしました。ルールを守る人が増えてくれればいいなと思います。自分も電車を利用する際は降りる人を優先するなど気を付けています」と話していた。
林正樹・新宮駅長は「警察が主体となってやっていただいています。学生のマナーがよくなれば、大人になってもマナーを守っていただけると思います」と感謝していた。
(2017年9月22日付紙面より)
丸石輝正さんが職業講話 (太地中学校 )
太地町立太地中学校(城谷真司校長)に15日、新宮市熊野川町出身のシンガーソングライター丸石輝正さんが来校した。職業講話で3年生18人に夢や働くことの意味を説き、ライブで全校生徒67人に歌を届けた。
19日の職場体験を控えて、仕事への姿勢を学んでもらいたいと同授業を実施した。田舎からでも全国で活躍できることを知ってほしいと、かつて山崎豊美教頭の教え子であった丸石さんに講師を依頼した。
講話で丸石さんは「文化祭のライブでの評判が歌手を目指したきっかけ。歌うことで自分を解放できた」と語り、路上ライブやオーディションでの体験談、SMAPの曲などを手掛けた作曲家との出会い、デビューに向けた苦悩などを話した。
「将来やりたい仕事がなくても大丈夫。自分も中学生までなかった。ある子は、それを目掛けて一直線に頑張って」と励ました。
ライブでは国道42号を歌った「ルート42」や知人のバンドから託された曲「だから」など数曲を熱唱した。
(2017年9月22日付紙面より)
秋晴れの中、神輿渡御や奉納行事 (三輪崎八幡神社例大祭 )
新宮市の三輪崎八幡神社(上野顯宮司)例大祭の神輿渡御(みこしとぎょ)と奉納行事が18日、同神社と三輪崎漁協周辺で営まれた。台風一過のさわやかな秋晴れの中、みこしや山車(だし)が区内を練り歩き、奉納行事は多くの人々でにぎわった。
漁労加護、五穀豊穣(ほうじょう)、商売繁盛など地域の繁栄を願い、現在の三輪崎漁協付近にあった元宮に神様が年に1度里帰りする祭り。本殿大前ノ儀では祭り関係者が参列し地域の平穏無事を願った。
神輿渡御では、同神社を出発したみこしに続いて、大勢の子どもや大人に引かれた恵比寿(えびす)、二十四孝(にじゅうしこう)、大黒天の山車が、三輪崎漁港前の御旅所まで豪快にぶつかり合いながらまちを練り歩いた。
三輪崎漁港前の御旅所では、三輪崎郷土芸能保存会(濱口仁史会長)が獅子神楽を奉納した。獅子舞の天狗(てんぐ)役は、屋敷朋希君(5)が務めた。三輪崎婦人会、台楽保存会、若吉会が華やかな手踊りを披露。同保存会の青年たちが掛け声とともに、日本遺産にも登録された勇壮な鯨踊りを奉納した。
(2017年9月19日付紙面より)
イスタンブール高校来校 (串本古座高校 )
県立串本古座高校(愛須貴志校長)は15日、トルコ共和国のイスタンブール高校(ヒキメット・コナル校長)と姉妹校提携を結んだ。アメリカのヘメット高校、カナダのバニア高校に続き3校目で、愛須校長(57)は「生徒が世界へといっそう視野を広げ、地域の歴史を見つめ直すいい機会にしたい」と今後の交流に意気込んでいる。
イスタンブール高校は国内でトップクラスの優秀校として有名で、生徒890人が学んでいる。コナル校長(38)によると、生徒が授業でトルコ軍艦エルトゥールル号の史実を学ぶ中で串本町に興味を持ち、どうやれば行けるのかなどを調べて筋道をつけた延長で今回の訪問を計画した。その勢いの背景には日本に関心を持つ学生の増加があり、次年度には日本語クラブも創設される予定。将士を救った地域に感謝を届けるとともに、できることは限られているが生徒間交流で両国の友好に協力できればと考えて今年7月、串本古座高校に姉妹校提携を申し入れたという。
串本古座高校は次年度から地域に貢献できる即戦力人材を育てるグローカルコースを実働させる計画。教材とする地域はトルコ共和国との友好が深く、この姉妹校提携は今後の新たな挑戦において有益だと考えて受け入れることにしたという。
調印式は串本古座高校で行うことになり、この日はコナル校長ら教員3人と訪問を希望した3年生(日本の高校2年生に相当)12人が来校。愛須校長ら教員と生徒会執行部やCGS部トルコ班の生徒が出迎えて歓迎した。両校長、生徒を代表して生徒会執行部の高田紅恋会長(2年)とイイットジャン・カヤ君があいさつを交わし合い、互いの高校を紹介しあった後に両校長名で調印書を交わした。
イスタンブール高校一行は式後、校舎やクラブ活動を見学。各部も体験を準備して生徒間交流に臨み「トルコ語は無理だけど英語で何となくコミュニケーションできた」と興奮していた。
提携はしたが両校とも半ば勢いで縁組をした状況で、今後の具体的な交流事業は白紙の状態。学校紹介時に両校ともパソコンを用いてプレゼンテーションをしたこともあり、インターネット経由での情報交流であればすぐにでも始められそうだと愛須校長は思い描いた。
イスタンブール高校の一行は翌16日、串本古座高校と共に同町樫野にあるエ号殉難将士慰霊碑へ献花し、トルコ記念館を見学。一帯の清掃に取り組んでいる大島小学校を訪問し、当事者である児童らに会って感謝した。
その後に田嶋勝正町長と将士を救助した当時の村民の一人・高埜友吉のひ孫にあたる堀口徳弘さん(65)を表敬訪問。自分たちにできることの一端で、沖日記をトルコ語に訳し日本とトルコが今後共同設置する大学に託す目的で電子データの提供を要請し、堀口さんから伝え聞いている当時の状況を聴取しトルコ共和国における尊敬の所作を堀口さんに注いでこの上ない感謝の証しとするなどした。
(2017年9月19日付紙面より)
新宮市橋本児童館で
新宮市の橋本隣保館・児童館(速水得史館長)で16日、「第29回ささやかな敬老会」があった。子どもたちが歌を披露し、お年寄りたちを喜ばせた。
開館の翌年から始まり、紀伊半島大水害の年を除いて毎年開催されている。地域住民たちが子どもたちへのプレゼントを作るなど、手作りイベントとして続いている。
会場には地域の高齢者たちが作った生け花、陶芸、手芸、プリザーブドフラワーなどを展示。松嶋亨さんのシルバー川柳、松嶋享さん、中田定弘さん、広野武子さんの歌のほか、マジックショーやビンゴゲームもあり、盛り上がった。
速水館長は「台風が近づいていたので心配しましたが、多くの人が来てくれて良かったです。本当に手作りの敬老会ですが、毎年皆さんが楽しみにしてくれています」と話していた。
(2017年9月19日付紙面より)
台風18号、近畿地方通過
大型の台風18号は17日午前、鹿児島県南九州市付近に上陸、九州南部、四国、近畿地方を通過し、18日には北日本を進んだ。和歌山県には17日夜に最も接近し、和歌山地方気象台によると午後8時35分に和歌山市の友ヶ島で44・7㍍の最大瞬間風速を記録。新宮市では熊野速玉大社の大鳥居手前で倒木があった。
熊野地方でも強風が吹き、大雨が降った。17日午後9時までに太地町太地で43㍉、那智勝浦町勝浦で38㍉、同町浦神西で37㍉の最大時間雨量を記録。累積雨量は同町勝浦で333㍉、太地町太地で328㍉、新宮市高田で318㍉に達した。和歌山県の調べによると県内の主要河川のはん濫は無かった。
各地で避難準備情報が出された。那智勝浦町では17日午後4時20分に市野々から天満中村にわたる地区と天満地区薬師谷付近に「避難準備・高齢者等早期避難」を発令した。新宮市は16日午後5時、21カ所の自主避難所を開設。20世帯24人が避難した。
県内では由良町白崎海洋公園道の駅で28歳の男性が転倒して骨折、田辺市消防団龍神支団中山路分団車庫のシャッターが破損するなどの被害が出た。
交通機関にも乱れが出た。JRきのくに線は新宮―和歌山間が運転を見合わせた。関西電力によると田辺市内で約3560軒が停電した。
(2017年9月19日付紙面より)
「ツール・ド・北海道」キナンチームレポート①
県大会目指し熱戦繰り広げる
城南中で千羽鶴受け渡し式 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(速水盛康校長、生徒181人)で11日、千羽鶴受け渡し式があった。各クラスが平和のメッセージを発表し、修学旅行で東京都の第五福竜丸展示館などを訪れる2年生に鶴を託した。
生徒らは授業や空き時間を使い、夏休み2週間前から一人5、6羽ずつ鶴を折った。平和学習の一環で、同校の思いを伝えようと取り組んだ。同校2年生60人は6月、修学旅行の事前学習としてビキニ環礁近くでアメリカの水爆実験により被ばくした第五福竜丸についての授業を受けている。
式は生熊友輝君(3年)のピアノに合わせた校歌斉唱で始まった。各クラスの代表が「世界中から核兵器と戦争がなくなってほしい。今ある平和を大切にしていきたい」「世界中のみんなが笑顔で平和に暮らせますように」「平和が人を作る。人が平和を作る」「他国と仲良くして幸せが続きますように」などと平和のメッセージを読み上げながら、折った鶴を2年生の代表者に手渡した。
クラス委員長の傳田未咲さん(2年)は「国や言葉や文化が違っても世界中のみんなが真の平和を目指し、心を一つにして仲のいい世界になってほしい。世界から戦争という言葉をなくし、これからの世界を優しさや笑顔であふれる世の中にしていきたい。未来をもっと平和にするため、この気持ちを語り継いでいく」と誓った。
クラス委員長会を担当する講師の桃原彪吾さんは「これまでは生徒会が主催しており、クラス委員長会としては初めて。学校全体に2年生の平和学習の思いが伝わったと思います。昨年修学旅行に行った今の3年生はもう一度考える機会に、1年生は自分たちが修学旅行に行くときの手本にしていってほしい」と話していた。
(2017年9月13日付紙面より)
八青会、6年の貢献に感謝状 (那智勝浦町 )
住民のさまざまな悩み相談を受けている大阪府の司法団体「八青会」に対し那智勝浦町は10日、地域への貢献をたたえ、感謝状を贈った。同会と全国B型肝炎訴訟大阪弁護団28人は前日から同町役場で「法律なんでも相談会」を開いていた。寺本眞一町長は松尾由香会長(行政書士)に感謝状を手渡し、引き続きの協力を求めた。
弁護士、税理士、司法書士、行政書士、不動産鑑定士、土地家屋調査士などの若手国家資格者からなる同会は、専門家の少ない地域を巡回しており、那智勝浦町では6年前から相談会を実施。毎年30人以上が相談に訪れている。内容は、金銭、税金、相続、土地、職場での悩み、家庭の悩みなど。
寺本町長は「紀州南端には法律の専門家が少ない。身近で顔を合わせて信頼関係を結び、専門家とのつながりができることは財産になる」と感謝し、同会の西田敦さん(弁護士)は「相談者が満足するまで、こちらから対話を終わらせることはない。ニーズが継続しているということは意義がある事業の証し。われわれも勉強になる。こちらこそ感謝します」と述べた。
松尾会長は「毎年の決まった開催は那智勝浦町だけ。大変な水害があったので、災害にまつわる相談も多い。来場者も年々増えており、求められているという実感がある」と話していた。
(2017年9月13日付紙面より)
救急車見学やミニ講習も (串本町消防本部 )
串本町消防本部(北地稔消防長)は9日、同町串本にあるAコープ紀南VASEO店で往来する住民に救急車の適正利用を呼び掛けるなどした。
救急医療週間(3~9日)関係行事の一環。この日は同週間の基軸「救急の日(9月9日)」にも当たり、本年度も職員発起でイベント(通称・救急フェア)を計画して啓発に取り組んだ。
本年度は北地消防長をはじめとする職員10人が2時間にわたって活動。ティッシュや風船、手作りのチラシといった啓発物資を配り、関心を引くために県道沿いに横断幕を掲げ高規格救急自動車の展示やミニ救命講習会も開いた。一日救急隊長として日本トルコ友好マスコットキャラクター「まぐトル」も登場し、小さな子どもがいる家族連れを誘って救急医療への関心を促した。
同本部における今年1~8月の救急出動件数は964件、8月は89件。啓発は救急車以外の手段でも医療機関に行けるのに安易に救急車を利用してしまうケースを抑えるのが狙いで、同チラシは適切でない利用(タクシー代わり、待ち時間なく診てもらえる、どの病院に行けばいいか分からないといった理由)と、どういう時に119番通報すればよいかを伝える内容となっている。
制作した小山知佳消防士は「本当に救急車を必要とする人が使えない状況にならないよう、皆さんに限りある救急車の適正な利用をお願いしたい」と話した。
(2017年9月13日付紙面より)
那智勝浦町立勝浦小学校(上浦一剛校長)の3年生43人が8日、太田地区の畑でナスの収穫と出荷作業の体験をした。同地区では、農家が「太田のナス組合」を作っており、この日は同町南大居の杉浦圃場(ほじょう=農地)で行った。
小学生の体験学習として、収穫から出荷まで生徒らが作業し、収穫したナスは新宮中央青果市場や同町小売店などで販売する。協力関係機関は、新宮周辺地場産青果物対策協議会、東牟婁振興局農業振興課、JAみくまの、太田のナス組合、新宮中央青果株式会社。
子どもたちは1クラスずつ畑の中に入り「できるだけ傷のない大きさのそろったのを採ってください」の声に、はさみを手にナスを探した。一人5個を収穫し、3個を袋詰め。袋の中には各自のメッセージを書いた紙を入れ、残りの2個を持ち帰った。
振興局農業水産振興課主査の村畑恵一さんは「今年は台風も少なかったので、傷まず順調に育ちました」と話していた。12日は、宇久井小学校の3年生21人が、松本圃場で学習した。
太田のナスは平成9年に太田地内を中心としたグループが栽培を開始。同19年7月に生産者全員がエコファーマーに認定された。
(2017年9月13日付紙面より)
那智勝浦町総体スポ少バレーボール
道の駅オープン記念に (太地町 )
太地町の一刀彫り名人として知られた故・戸間力也さんの「くじら工房力也」を引き継ぐ同町の会社員、掛橋寿徳さん(52)はこのほど、道の駅たいじにクスノキ製のザトウクジラの置物を寄贈した。
置物は施設付近にあるザトウクジラのモニュメントに合わせて2体。大きなクジラは約75センチ、小さなクジラは約60センチで、いずれも掛橋さんの師で伯父の戸間さんが生前に制作した作品。町の玄関口でもある道の駅のオープンを記念し、戸間さんの長男・圭哉さんの意思もあって寄贈した。掛橋さんは「県外から来た人に見てもらって喜んでいただけたら」と話した。
道の駅を管理する太地漁業協同組合の貝良文参事は「道の駅たいじのコンセプトはクジラなので、見事なクジラの木彫りをいただけるのはうれしい。駅舎の雰囲気にもピッタリ」と喜んでいた。置物は、駅舎内にあるレストランのカウンター内に置かれている。
(2017年9月9日付紙面より)
美容業生活衛生同業組合新宮支部 (熊野速玉大社 )
和歌山県美容業生活衛生同業組合新宮支部(丹内たき子支部長、55店舗)は4日、新宮市の熊野速玉大社で毎年恒例の「櫛(くし)供養」を営んだ。20年以上続いており、組合員有志の9人が、傷んだくしに感謝を込めて供養した。
同支部は新宮市から那智勝浦町、太地町までの会員で組織している。例年「くしの日」の9月4日(同日が営業日の場合は直近の定休日)に実施。欠けたり折れたりして使えなくなったくし5本を神前に供え、玉串をささげた。
同市下田で「ビューティーサロン木曜日」を営む丹内支部長は「くしへの感謝はもちろん、皆さんの健康と商売繁盛を祈って供養しました。私たちはくし1本で生活できるので、仕事に誇りを持って取り組んでいければ」と話した。
(2017年9月9日付紙面より)
紀の国トレイナート2017のワークショップが6、7の両日、県立串本古座高校古座校舎(愛須貴志校長、東啓史教頭)であり2、3年生69人がJR古座駅の駅舎アート担当作家・日笠保さんとの共同制作に励んだ。
日笠さんは愛知県愛西市在住の現代美術家。暮らしに身近な素材を材料にし、子どもなど地域住民と一体になって作品を仕上げるスタイルを持ち味にして十数年来活動している。
同トレイナートには前年度に初参加。太地駅の駅舎アートを担当し、太地小児童を対象にしたワークショップを開いて弁当でおなじみのたれびんに色水を入れて並べた作品「水面―みなも―」を仕上げた。
2年目となる今回は古座駅を担当することになり、JRきのくに線の前に広がる海の美しさや古座川のきらめきをストローで表現する作品「波間」の制作を構想。最寄りの同校舎にワークショップ参加を求めて2日間の制作協力を得るに至った。
ワークショップは両日とも3、4時間目にあり、2、3年生は小グループに分かれて流木や額装を太さや長さ、色合いや形状ともにさまざまなストローで飾った小作品を次々に制作して、駅舎を飾る材料として日笠さんに託した。
日笠さんはあらかじめ作品のイメージを伝え、どのような材料を仕上げるかは生徒に一任。グループ名「アビリッジハイト(=平均身長)」を掲げ、長さ約1㍍の細い流木を使ってJRきのくに線沿線の街並み再現に挑戦した宮下歌奏(うてな)さん(2年)は「みんなで住んでいるところの好きなものをストローで表現して大作にした。駅がとても華やかになると思うので、『あぁ、きれいだなー』と思ってもらえたらうれしい」と話した。
日笠さんは7日午後から駅舎アート制作を開始。同トレイナートのイベント期間は10月1日(日)からだが、滞在の都合上8日までに仕上げて9日(土)には鑑賞できる状態にするという。
今回の協働について日笠さんは「表現につながる体験を通して生徒皆さんの表現の幅が身近なところで広がればと思うし、自分もいろいろな表現に出合えて刺激になった」とコメント。「作品は地元の駅に飾られ、皆さんに見てもらえる。そのような地域活性化があるというところにも興味を持ってくれたら」と生徒の今後を期待した。
(2017年9月9日付紙面より)
大水害記念公園で慰霊祭 (那智勝浦町 )
2011年9月の紀伊半島大水害から6年を迎えて那智勝浦町は4日、同町井関の紀伊半島大水害記念公園で慰霊祭を営んだ。遺族や住民、町関係者ら130人が参列し、死者・行方不明者29人をしのんで慰霊碑前で献花した。
午後1時30分に町内全域にサイレンを鳴らし、出席者らは黙とうをささげた後に一人ずつ白いカーネーションを献花した。寺本眞一町長は「犠牲となられた皆さまの気持ちを思うと今でも胸が張り裂けそうになる。ふるさと『那智勝浦』が安全で安心して暮らせる笑顔いっぱいの町になるよう、全身全霊で復旧復興し、防災に取り組んでいきたい」と記念碑の前で固く誓った。
中岩和子議長は「未曽有の被害から6年たつが、昨日のことのように思い出される。町と協力し、防災に取り組んでいきたい」と語った。那智谷大水害遺族会の岩渕三千生代表は「何年過ぎようと、当時の悲惨な光景を思い出し、いまだに心の傷は癒えない。灯籠供養で29個の灯籠に火をともし、その数の多さに改めて被害の大きさと尊い命の犠牲を痛感した。諸霊には安らかにお眠りいただき、住民が安心して住める那智谷になるよう見守ってください」と冥福を祈った。
水害で父母と妹2人弟1人を亡くした新宮市王子町に住む会社員・中平史都さん(29)は「笑顔が絶えない理想の家族だった。当時は東京に住んでいて帰ってくるのがつらかったが、祖父母らを守らなければという思いで戻った。地域のため何かしたいので消防団に入るつもり」と話した。
(2017年9月6日付紙面より)
福祉センターで避難訓練 (新宮市 )
新宮市社会福祉協議会は4日、同市福祉センターで火災を想定した避難訓練を実施した。同協議会職員とセンター利用者、児童館で遊んでいた子どもたちが参加し、屋内から玄関前に逃げた。
福祉センターでは年に2回、津波と火災を想定した避難訓練を各1回ずつ実施している。この日は1階の湯沸室からの出火を想定し、火災を発見した職員が大声で周りに知らせ、消火班が近くにある消火器を使って初期消火を試みた。
通報連絡班が消防署への通報と館内放送で火災発生を知らせるなど役割に沿って行動した。利用者らは職員の指示と誘導に従い、鼻や口をハンカチや手、服の袖などで覆い、速やかに避難した。
市消防本部職員は「火災を発見した際に初期消火をしてもらうが、煙などが充満するのを防ぎ、避難誘導をしやすくするため成功しても失敗しても扉を閉めてほしい」と話した。
消火器の使用訓練では、特徴や使い方の説明を受けた職員らが2人ずつ交代で練習した。消防職員は逃げ道を確保して消火器を使うことや天井まで燃えている場合は初期消火よりも避難誘導を優先するよう呼び掛けた。
大谷康央事務局長は「児童館の子どもたちがいるので慎重に素早く行動する必要がある。毎年訓練を実施しなければならないと感じます。火事になった場合、手順を踏んでできるか分からないので毎年していかなければならないと思います」と話していた。
(2017年9月6日付紙面より)
橋杭海水浴場遊泳期間終了 (串本町 )
串本町くじ野川の橋杭海水浴場で4日、遊泳期間(7月1日~8月31日)終了に伴う海上遊具など資材の撤収作業があった。役場産業課調べによる期間中の利用者数は8525人で、台風など天候不順で昨年に比べ約1割減。他方、駐車場やビーチハウス・ラパンの収益は向上していて、利用の勢いは増したという見方をしている。
同浴場は環境省「快水浴場百選」の一つに数えられ、橋杭岩や紀伊大島などに囲まれたロケーションの良さときめ細やかな砂浜などを特色とする。今季は春~秋3シーズン活用の本格化により各種マリンアクティビティーレンタル事業や海上遊具(滑り台)の増設など、魅力を増した状況で海開きを迎えてひと夏の利用を集めた。
期間中は台風5号が迷走した8月上旬や天候不順の盆以降で利用が伸び悩み、全体実績を下げる要因となった。昨年の利用者数は9436人で、今年は911人減。その状況下で利用増となった有料駐車場、ビーチハウス・ラパンや同レンタル事業は、数字以上に利用の勢いが増しているとの見方もしている。来年は旧浦島ハーバーホテル施設が大江戸温泉物語グループの一つとして営業再開している見込みで、その動線をいかに利用に結び付けるかが関心事となっている。
撤収作業は同町観光協会(島野利之会長)が観光関係者に呼び掛けて実施。16人が参加し、中村洋介副会長から安全留意の呼び掛けを受け海上遊具や遊泳区域指定ブイを陸へ引き揚げ、有料駐車場資材を片付けるなどした。
同課調べによる串本町田原にある田原海水浴場の遊泳期間(7月1日~8月31日)の利用者数は2229人で、昨年に比べ25・55%(765人)減。天候不順に加え、相次ぎ打ち上がった流木の処理が追い付かなかった点も要因と見ている。
(2017年9月6日付紙面より)
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭=10月15日(日)、16日(月)=に向けた事故防止協議会が4日、同大社双鶴殿で開かれた。関係者らが集まり、けがや事故なく安全に例大祭が執り行われるようにと注意事項の確認や当日までの準備の日程などを話し合った。早船競漕(そう)の審判委員の交代があり、審判委員長を下地昌宏さん、副審判委員長を野尻政典さんが務めることになった。
例大祭は同大社の主神、速玉大神(はやたまのおおかみ)のご神霊が神馬で阿須賀神社へ渡御し、熊野川河原の乙基(おとも)のお旅所へ渡る「神馬渡御式」と、夫須美大神(ふすみのおおかみ)のご神霊が神輿(みこし)で街を練り、神幸船で御船島を回る「神輿渡御式」からなる祭り。
会議では各渡御式のコースや行列順序を確認。事故防止のために供奉員による自主警備を行うことや、飲酒厳禁、交通法規の厳守などを話し合った。早船の上り競漕スタート後に下札場から上札場を目指し自家用車で移動する人たちのマナーの悪さを問題視する声も上がり、事故が起きる前に対策が必要との意見が出た。
御船祭に関しては当日までの日程を話し合い、本番船の蔵出し・点検は10月5日(木)午前6時、御船島清掃、市内のぼり立てを8日(日)、各地区への早船引き渡しは8日と9日(月・祝)に、旗番抽選と来年度以降の本番船の抽選を11日(水)に行うことが決まった。
上野宮司は「国の重要無形民俗文化財に指定されて2年目を迎えます。皆さんにも伝統神事を担っておられることをさらに再認識していただきながら、事故なく、けがなく、にぎにぎしく喜びの祭りとしてご奉仕いただけるようにお願いしたい」とあいさつ。昨年審判委員長に就任後に急逝した山塚公晴さんを紹介し、「心の痛いこともございますけども、それを心に船をこいでほしい」と呼び掛けた。上り競漕の優勝区が優勝旗を持って御船島を周回する前に、山塚さんの功績をたたえ、特例で丹鶴区が遺影を掲げて御船島を1周することが満場一致で快諾された。
(2017年9月6日付紙面より)
那智勝浦町総体陸上兼陸協記録会