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2021年07月16日
1 厳かに、檜扇開帳
 夏の風物詩「扇立祭」  (熊野速玉大社 )

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で14日、「扇立祭(おうぎたてまつり)」が営まれた。神職が速玉宮前で高さ1・5㍍、幅1・65㍍の檜扇(ひおうぎ)を開帳。奉賛会役員や大社関係者らが新型コロナウイルス終息や無病息災、家内安全などを願い神前に玉串をささげた。

 熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ祭り。神前に立てられた檜扇に神が降臨し、氏子が病気にかからないよう、また五穀につく虫を追い払って豊作を願う。

 室町時代の作品と伝わる檜扇は大社を代表する宝物。現在、日本に18握ある国宝のうち11握が大社に伝わっている。ヒノキの薄い板の木目の美しさを生かしながら花鳥風月が描かれており、「熊野檜扇」と称される。

 祭りで使用されている檜扇7握は、1964(昭和39)年に模写されたもの。本殿用は大社先々代の故・上野殖宮司、残り6握の各殿用(高さ0・8㍍、幅1・3㍍)は故・杉本義夫さんが模写し、故・鮒田和往さんが奉製した。

 今年の扇立祭は、新型コロナ感染症拡大防止の観点から神事のみを斎行。上野宮司が新型コロナや自然災害の終息などを願い祝詞を奏上し、巫女(みこ)らが「扇舞(浦安の舞)」を奉納した。

 例年では雨天の場合は祭りを順延し、晴天日に各殿にて6握の檜扇を開帳するが、天候不良の影響を受けた今年も昨年同様、7握全ての檜扇が拝殿にまつられた。

 神事を終え、上野宮司は「多くの参拝者にお参りいただいていた風景を当たり前のように感じていたが、新型コロナウイルス感染症を通してそのありがたさに改めて気付いた」。

 「今、あるものに気付き、楽しみ、幸せを見いだしていくことが必要。幸せの価値観や設計図を書き直す時期に来ているのでは」と説き、「大神様のお守りを喜びと感じる姿勢が必要。来年こそは通常のお祭りができるように願いたい」と思いを語った。

(2021年7月16日付紙面より)

神職によって檜扇が開帳された=14日、新宮市の熊野速玉大社
各殿用の檜扇も拝殿にまつられた
2021年07月16日
2 命を守る行動とは
 市野々小で防災学習  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で13日、5、6年生12人を対象とした防災学習「平成23年紀伊半島大水害をふりかえる」があった。県土砂災害啓発センターの坂口隆紀所長が同水害時の周辺の状況について説明したほか、同町井関在住の防災士・久保榮子さんが紙芝居を用いて自身の災害体験談を語った。

 2011年の同大水害で甚大な被害を受け、児童1人が亡くなった同校では、災害時の教訓を後世に生かすためさまざまな防災学習や取り組みが行われている。

 この日の授業のテーマは「10年前の紀伊半島大水害で何が起こったのかを知る」。命を守る行動を自ら進んで取り、周りに呼び掛ける力を身に付けるため、これまでの学習や家族の聞き取りを重ねる中で分からなかったことなどを再確認することを目的として実施した。

 坂口所長は「紀伊半島大水害での那智谷での状況」と題して、水害の概要や同校周辺の被害状況を資料や写真などを用いて説明。

 「紀南地域を中心に死者・行方不明者は61人、うち那智勝浦町では28人が亡くなり1人が行方不明となった」「那智川流域七つの支流で同時多発的に土石流が発生した。土石流により那智川に土砂が堆積したことにより一気に水が襲った」「こんなに大きな被害があったことを知っておいてほしい」などと話した。

 児童らは坂口所長の話を聞きながら熱心にメモを取り、スクリーンに被災現場の写真が映し出されると「怖い」「丸太が刺さってる」などと口にし、水害発生当時に思いを寄せた。

 同水害で夫を亡くし、自身も被災した体験を経て72歳で防災士の資格を取得した久保さんは「40年余り住んでいて経験したことがなかった。那智川から大きな音が聞こえてきたが、それが大洪水の前兆だとは気付かなかった」と自身の体験を紹介。

 「この地域は風光明媚(めいび)で素晴らしい環境。そんな中で学ぶ皆さんが、災害によって希望と夢がある人生をなくしてほしくない」と子どもたちに託す思いを語った。

(2021年7月16日付紙面より)

大水害の概要や体験談に真剣に耳を傾けた=13日、那智勝浦町立市野々小学校
久保榮子さん(左)が紙芝居を用いて体験談を紹介した
2021年07月16日
3 大学生と保育情報を交換
 CGS部ボランティア班  (串本古座高校 )

 県立串本古座高校CGS部のボランティア班が14日、和歌山信愛大学の学生(2年生)と保育情報の交換を目的としたオンライン交流を始めた。

 この交流は、同大学の森下順子准教授が子育て支援関係の共同研究の一端で調査対象とする串本町を訪ねた折、同校地域協議会の松本英明コーディネーターから生徒が地元のこども園で保育ボランティアをしている話を聞いたことがきっかけ。紀北に位置する同大学は新型コロナウイルス感染症の情勢で保育実習がままならない状況が続いていて、森下准教授はその生徒と学生が交流すれば同実習に近しい成果が目指せると考え同校へ交流を申し入れた。

 同班は新入部員の勧誘後、2グループに分かれて5月下旬からおおむね週1回の頻度でくしもとこども園へ通い保育ボランティアに取り組んでいる。その経験を生徒から学生へ伝え、生徒が直面している保育の悩みを学生が解消するという互いに高まり合う形を目指してオンライン交流の第一歩を踏み出した。

 この日は生徒と森下准教授のゼミに参加する学生と共同研究者・愛知教育大学の厨子健一講師がウェブ会議システム「Zoom」でつながり、まずは互いに自己紹介。学生から保育ボランティアの内容や悩んでいることのインタビューがあり、次回までにアドバイスを考えるとしてその内容を預かった。

 学生が園児と一緒にやってみたいミニゲーム(絵でしりとり)や手遊びの紹介もあり、保育ボランティアの中で試してほしいと希望しお互いに課題を持ち合って締めくくった。

 この交流は週1回の実施を予定しているが、次週がさっそく夏休みにかかるため、本格的に動き出すのは第2学期からとなる見込み。そのタイミングで森下准教授の共同研究者・和歌山大学の村田和子教授も加わるという。

 グループリーダーの久保文乃班長(2年)は「楽しかった。大学生の皆さんは話し方が上手で、こっちも話しやすかった。フレンドリーな交流でこれからが楽しみ」と初の交流の第一印象をコメント。廣瀬日向班長(2年)は「困ったことや聞きたいことを調べてくれるので頼もしい。子どもを楽しくさせる方法をいろいろとできる限り教わりたい」と今後の意気込みを語った。

(2021年7月16日付紙面より)

大学生らとのオンライン交流に臨むCGS部ボランティア班=14日、県立串本古座高校
2021年07月16日
4 電子マネー詐欺防ぐ声掛け
 紀宝町のコンビニで訓練  (紀宝署 )

 「特殊詐欺撲滅の日」の15日、紀宝警察署は紀宝町鵜殿のファミリーマート紀宝鵜殿店で特殊詐欺被害を防ぐための声掛け訓練を実施した。

 携帯電話に「サイト利用料の未納がある」とのメールが届き、連絡を取った相手からコンビニで電子マネーを購入するよう指示されたとの想定。署員が高齢者役を務めた。

 高齢者が10万円分の電子マネーを購入しようとしたところ、店員が詐欺を疑い「最近、電子マネーの詐欺が多い。警察に相談するので、少し待ってもらえますか」など警察官が到着するまで粘り強く説得した。

 訓練後、生活安全刑事の城田真一課長は「特殊詐欺は県内で多数発生している。様子がおかしいと思ったときは『警察に相談します』と伝えてください」とし、県警が作成したチェックシートの活用を呼び掛けた。同店の鈴木大史店長は「3年前に特殊詐欺を疑う事例があったため、普段から気を付けるようにしています」と話していた。

 県内では高齢者のみならず幅広い世代で特殊詐欺被害が発生しており、電子マネーを購入させる手口の詐欺も多いという。6月末現在、特殊詐欺は50件があり被害総額は8630万円。昨年同期より6件9860万円減少したが還付金詐欺15件1340万円、架空請求詐欺12件3900万円、キャッシュカード詐欺盗10件1510万円の被害が出ている。同署管内では昨年12月、架空請求詐欺で約30万円の被害が発生した。

(2021年7月16日付紙面より)

特殊詐欺撲滅に向けた声掛け訓練=15日、紀宝町鵜殿のファミリーマート紀宝鵜殿店
2021年07月16日
5 議員に望む声  町民アンケート紹介  (太地町議選 )
2021年07月16日
6 デマ拡散は犯罪の可能性  1年生に情報モラル講話  (新宮高校 )
2021年07月16日
7 「コロナに負けないで」 ヤタガラスプロジェクトが張り子奉納 (熊野本宮大社)
2021年07月16日
8 グラウンドゴルフ愛好者210人が競い合う 認定コースチャレンジ大会 (県立潮岬青少年の家)
2021年07月16日
9 有馬中が東海大会へ  県中学体操競技大会で団体優勝  (熊野市 )
2021年07月16日
10 眼科医、今月から1人増  経営状況と新型コロナ対応を報告  (紀南病院 )
2021年07月16日
11 コロナ終息など祈願  「那智の扇祭り」縮小し斎行  (熊野那智大社 )
2021年07月16日
12 「いらっしゃいませ!」  白梅保育園で夏祭り  (新宮市 )
2021年07月16日
13 お悔やみ情報
  
2021年07月13日
14 安心して暮らせる社会目指し
 わかやま夏の交通安全運動  (新宮市 )

 和歌山県、交通事故をなくする県民運動推進協議会など主催の「わかやま夏の交通安全運動」が11日から始まった。20日(火)まで▽子どもと高齢者をはじめとする歩行者の安全の確保▽自転車の安全利用の推進▽歩行者などの保護をはじめとする安全運転意識の向上▽飲酒運転の根絶―を重点とし、県民に注意を呼び掛ける。

 夏季の行楽などによる交通量の増加、暑さからくる疲れや気の緩みなどによる夏特有の交通事故が多発する時期を捉え、交通ルールの遵守(じゅんしゅ)と正しい交通マナーの実践を習慣づけることにより交通事故の防止を図ることを目的に、県内各地で啓発活動などが展開される。

 期間中の12日、新宮市橋本のイオン新宮店で行われた決起集会では、市交通事故をなくする市民運動推進協議会、市交通指導員会協議会、新宮警察署、市交通安全母の会などの関係団体から約50人が参加。新型コロナウイルス感染症対策のため手袋着用の上、買い物客らに物資を配布。交通安全を呼び掛けた。

 市交通事故をなくする市民運動推進協議会副会長の清岡幸子・市交通指導員協議会長は「誰もが安全に安心して暮らせる交通事故のない社会を目指し、今後もあらゆる機会を通じて交通ルールとマナーの遵守を訴えていきたい」とあいさつ。

 楠間慎也交通課長は「管内では交通事故件数は減少しているが死亡事故が1件発生している。飲酒運転が絡む事故も3件発生しており厳しい状況にある」と説明し、横断歩行者優先の意識付けの推進と、飲酒運転をさせない環境づくりへの協力を呼び掛けた。

 管内では今年に入って26件の人身事故が発生しており(前年比10件減)、うち死者1人、傷者31人。また6、7月で計4件の飲酒運転を検挙した(いずれも11日現在)。

(2021年7月13日付紙面より)

交通事故撲滅を目指し決起集会を開いた=12日、新宮市橋本のイオン新宮店
買い物客らに啓発物資を配布した
2021年07月13日
15 安寧やコロナ終息を祈る
 補陀洛山寺で土用護摩祈とう  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(故・髙木亮享住職)で10日、土用護摩祈とうがあった。例年、多くの参拝者が集まるが、昨年と同様に新型コロナウイルス感染拡大予防の観点から規模を縮小し僧侶のみで営んだ。髙木亮英副住職らが護摩をたき上げ、人々の幸せや無病息災、コロナ終息を祈った。

 世界遺産に登録されている本堂では、国重要文化財の本尊「三貌十一面千手千眼観世音菩薩」が開帳され、髙木副住職らが読経し、護摩壇で祈とうが行われた。

 開帳法要はこの日も含め、1月27日の立春大護摩供星祭祈祷会(きとうえ)、5月17日の渡海上人供養の春まつりの年3回営まれている。

 髙木副住職は「今日お参りするとご本尊の御利益を頂き、4万6000日参ったことになる功徳の高いありがたい日。皆さまの幸せと安寧、コロナ終息、世の中の平穏無事を祈りました」と語った。

(2021年7月13日付紙面より)

護摩をたいて幸せやコロナ終息を祈願した=10日、那智勝浦町の補陀洛山寺
2021年07月13日
16 生活支援商品券交付始まる
 先月17日時点の町民対象に  (串本町 )

 串本町が9日、町民1万5326人を対象にして生活支援商品券の交付を始めた。1人につき7000円分(100円券70枚)を託す内容で、担当の役場産業課は積極活用を呼び掛けている。

 この商品券は、コロナ禍の影響を受ける住民生活と地域経済をともに支援する目的で交付。国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を原資にして計画し、町議会第2回定例会で予算承認を得て準備を進めてきた。

 対象者にはあらかじめ引き替えはがきを送って通知し、同日から8月9日(月・振休)までの間に最寄りの郵便局(初日のみ江田、田子、樫野の各集会所と旧養春小で臨時交付窓口を開設)で同商品券と引き換えるよう求めている。引き替え方法は同はがきを参照。

 同商品券の有効期限は11月30日(火)で、取扱参加店舗約280店舗で利用でき内訳は交付時に一覧表を併せて配る形で伝えている。店舗まで赴きやすいよう、前回同様にコミュニティバスの運賃としても使える仕組みとしている。

 同商品券の交付は3回目で、今回の対象となる町民決定の基準日は6月17日。交付総額は1億728万2000円相当で、同課はこの規模で目的を達成できるよう、過去2回(約99%利用)同様の協力を求めている。問い合わせは同課(電話0735・62・0558)まで。

(2021年7月13日付紙面より)

臨時交付窓口で生活支援商品券を受け取る町民=9日、旧養春小学校
2021年07月13日
17 2体の扇神輿張り替え
 「那智の扇祭り」前に氏子が奉仕  (熊野那智大社 )

 熊野那智大社(男成洋三宮司)の例大祭「那智の扇祭り(火祭)」(国重要無形民俗文化財)が13日に宵宮(よいみや)、14日(水)に本祭を迎える。祭りを目前に控えた11日、同大社で扇神輿(みこし)2体と馬扇の張り替え作業が行われ、氏子ら16人が奉仕した。

 熊野十二所権現の神霊をうつす扇神輿は高さ約6㍍、幅約1㍍の細長い形で「那智の大滝」を表しており、例年祭り前に張り替えられる。昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から扇神輿は取りやめとなったが、今年は2体のみ出されることとなった。

 当日は本殿で奉告祭を営んだ後、口伝で残された伝統の製法で張り替え作業に取り掛かった。扇神輿は細長い木の枠に赤い緞子(どんす)を365本の竹くぎで止め、32本の日の丸が描かれた扇や8面の白銅鏡などを飾り付ける。

 8面の白銅鏡は「神威八弦絃(あまねく広く輝かすの意)」といわれている。扇神輿は1カ月を意味し、12体で1年を、32本の扇は1カ月の30日と残る2本は月の満ち欠けを、365本の竹くぎは1年の日数を表しているという。

 氏子らは声を掛け合いながら協力して扇神輿や馬扇を仕上げていった。

 男成宮司は「2年ぶりに2体だけだが、扇神輿を出すことができ、良かった。意義を感じる」。

 来年の例大祭については「本来は12体全て出して斎行したい。来年はこれまで通りのお祭りができれば」と語った。

(2021年7月13日付紙面より)

扇神輿の張り替え作業に汗を流す氏子ら=11日、那智勝浦町の熊野那智大社
作業の様子を見守る男成洋三宮司(左から2人目)
2021年07月13日
18 木本は2回戦に進出  紀南は惜しくも敗れる  (高校野球三重大会 )
2021年07月13日
19 善意のお米でカレーライス  「子ども食堂」が大好評  (紀宝町 )
2021年07月13日
20 横断歩道では意思表示を  交安運動初日に啓発活動  (紀宝署 )
2021年07月13日
21 初の海岸清掃で40人汗流す  山地地区と六部海岸の環境を守る会  (御浜町 )
2021年07月13日
22 新翔が悔しい初戦敗退  高校野球和歌山大会  
2021年07月13日
23 「ジオ視点」で見どころ散策  那智勝浦まちなかめぐり  
2021年07月13日
24 ビャクレンの花咲く  新宮市宝珠寺で  
2021年07月13日
25 子ども見守るヒマワリ  岩本健治さんが育てる  (那智勝浦町 )
2021年07月13日
26 日本の伝統を学ぼう  伝統文化親子教室がスタート  (新宮市 )
2021年07月13日
27 一連の流れ実践し教わる  明神中で救急救命講習会  (古座川町 )
2021年07月13日
28 特殊詐欺の傾向など聞く  大水崎サロンの利用者ら  (串本町 )
2021年07月13日
29 夜店などで雰囲気楽しむ  行事「にこちゃんまつり」  (上野山こども園 )
2021年07月13日
30 お悔やみ情報
  
2021年07月09日
31 家族連れなどでにぎわい
 三輪崎区で七夕祭り  (新宮市 )

 新宮市の三輪崎区(屋敷満雄区長)は七夕当日の7日、三輪崎海岸で「七夕祭り」を開いた。夕方には願い事を書いた短冊をつるした笹(ささ)飾りを手にした子どもや家族連れが集まり、七夕ムードを満喫した。

 七夕は五節句の一つで、日本においては奈良時代に中国から伝わった七夕行事が、元から日本にあった「棚機津女(たなばたつめ)」の伝説と合わさって誕生した。短冊などを笹に飾る風習は江戸時代に始まったもので日本以外では見られない。

 同区は、毎年三輪崎海岸で、近隣の子どもたちが持ち寄った笹を集め「七夕流し」を行う七夕祭りを開催していたが、昨年は新型コロナウイルス感染拡大の状況を鑑み中止に。三輪崎会館に子どもたちの笹を集め、一日限定で同館に飾り、伝統行事を楽しむ機会としていた。

 「今年も中止では子どもたちがかわいそうで心苦しい」。同区では今年、2年連続の伝統行事中止を阻止すべく協議を重ね、会場入り口に消毒液を設置し、人の動線をスムーズにするなど工夫を凝らして祭りの開催にこぎ着けた。前日から準備を開始し、会場の草刈りやごみ拾いを実施。会場を設営し、最後に「コロナに負けるな」の看板を取り付けた。

 祭り当日の午前中には、保育所型認定こども園「三輪崎保育園」の年長組21人が来場。全園児が願いを託した笹飾り5本を区役員らに預けた。笹は会場に飾り、役員は園児らにお土産としてお菓子を手渡した。

 園児たちは「きょうりゅうはかせになりたいな」「やきゅうがじょうずになりたいな」「おともだちとたくさんあそびたいな」などの願いが込められた短冊を前に「たなばたさま」を口ずさみ、区役員らに「ありがとうございました」とあいさつし会場を後にした。

 屋敷区長は「高齢者のワクチン接種も進んでおり、屋外ということもあり開催に至った。雨も降らず、子どもたちにも喜んでもらえて良かった」と笑顔。「コロナが終息し、子どもたちの願いもかなうといいですね」と七夕の願いを口にした。

(2021年7月9日付紙面より)

お菓子を受け取る三輪崎保育園の園児たち=7日、新宮市三輪崎
多くの家族連れなどでにぎわった
2021年07月09日
32 災害にも備えた関係づくりを
 地域支え合いフォーラム  (新宮市 )

 新宮市役所別館で7日、地域支え合いフォーラム「みんなでつくろう!わがらのまち~しんぐうで暮らし続けるために今できること~」が開かれた。74人が来場し、日頃の支え合い・助け合い活動の重要性を再確認するとともに、災害への備えにもなる地域住民のつながりのつくり方についても考える機会とした。

 新宮市と市社会福祉協議会主催で、「住み慣れた地域で生き生きと暮らしたい」という人々の願いをかなえるため、地域に必要とされている支え合い活動について理解を深めてもらうことが目的。

 開会に当たり、田岡実千年市長は「市の人口約2万7000人のうち、65歳以上の人口は1万1000人ほどで、高齢化率は全国平均を上回る。市では医療や介護、介護予防、生活支援、住まいなどを一体となって提供する『地域包括ケアシステム』の構築を目指しており、それには地域住民同士の支え合いの力が不可欠。今後も一緒に町づくりを進めていきたい」とあいさつした。

 基調講演では和歌山県社会福祉協議会・県災害ボランティアセンターの南出考さんが講話。2011年の紀伊半島大水害や東日本大震災の被災地支援に携わった経験を基に「少子高齢化や単身世帯の増加、ライフスタイルの多様化、つながりの希薄化といった地域の課題が解決されないまま災害を迎えると、問題がさらに深刻化する。平常時から一人一人の違いを認め合い、理解し合い、触れ合う機会を増やして、災害があってもなくても助け合える関係をつくっておく。それが災害時の円滑な活動の土台になる」と語った。

 地域の取り組み発表では、広角地区の田中みちよさんと中野末子さんが「みんなが笑える広角~思いついたらやってみよう!~」と題し、新宮警察署横の広場を借りたグラウンドゴルフが市や社協など関係機関の連携で実現したことを発表。三輪崎地区の石原千里さんは「みんなでつくる私たちの居場所」と題し、グラウンドゴルフや布マスク作り、男性住民の集いの場などについて共有した。パネルディスカッションでは、コロナ禍中の活動の難しさや住民同士の「初めまして」の関係をなくしていくことの重要性について話し合っていた。

(2021年7月9日付紙面より)

地域の取り組みについてパネルディスカッション=7日、新宮市役所別館
講話に耳を傾ける参加者
各地区の活動紹介コーナー
2021年07月09日
33 クロマグロ完全養殖学ぶ
 古座中、中核人材迎えて  (古座川町 )

 古座川町立古座中学校(井口英夫校長、生徒86人)が6日、近畿大学農学部の熊井英水名誉教授を迎えてクロマグロ完全養殖の研究史やその姿勢に触れる機会を持った。

 第2学年の地域学習「海の学習」から派生した全校学習の機会。同学年は社会情勢により取り組み難い状況となっている従来の活動に代わる関心の糸口として串本町発祥のクロマグロ完全養殖に注目し、中核人材の熊井名誉教授に講師登壇を依頼した。快諾が得られ、同校は名誉教授による貴重な学びは2年生だけでなく全員で共有すべきだと考え、全校学習の場を設けることにしたという。

 熊井名誉教授は「まぐろを育てる~世界初完全養殖クロマグロのはなし~」と題して登壇した。マグロの種類や生息海域を紹介し、1970年に始まった研究の初期は海から得た稚魚・ヨコワを養殖環境で育てるため餌やいけすの研究が主だったことを説明。安定して養殖できるようになった先で思い描いたのが養殖環境での産卵で、研究を重ねて79年に成功。卵から稚魚を得れば集めるのが難しいヨコワに頼らず十分な数を確保できると夢を思い描き、83~93年に全く産卵がない苦境に直面しても諦めずその研究を続けた。

 産卵がない原因の究明をしつつ卵を人工ふ化させて稚魚まで育てる過程で起こる共食いや衝突死の原因と対策の研究も進め、95年に稚魚の生産に成功。「この稚魚が産卵をすれば、養殖環境でクロマグロを一生涯育てられることになる」とさらに夢を追い、2002年に人工ふ化させたクロマグロが産卵し世界初の完全養殖を達成した。

 約5年後にはその卵(第2世代)から生まれたクロマグロが産卵し第3世代が誕生。現在は卵から育てた養殖用稚魚やクロマグロを出荷できる状況となっている。

 熊井名誉教授は卵から得た稚魚の可能性を養殖と放流の2系統で紹介。▽継続(根気と忍耐)▽正確な観察眼▽愛情―を自身の水産増殖研究の3訓として掲げて話をまとめた。生徒を代表して杉本奏さん(3年)は諦めない姿勢が感動的だったと感想を述べて講演に感謝し、全校学習を締めくくった。

 2年生は引き続き、熊井名誉教授と共に「海の学習」に取り組み、天然資源減少に対する水産庁の対応や養殖のメリットとデメリットなどを質問して完全養殖への理解を深めた。

(2021年7月9日付紙面より)

クロマグロ完全養殖の研究史を生徒に語る熊井英水名誉教授=6日、古座川町立古座中学校
熊井名誉教授に質問しクロマグロ養殖への理解を深める2年生
2021年07月09日
34 無事故無違反への意識高揚を
 11日から夏の交安県民運動  (南郡交対協 )

 11日(日)から「夏の交通安全県民運動」が始まる。20日(火)までで、重点目標は「高齢者と子どもの交通事故防止」「横断歩道における歩行者優先」「シートベルトとチャイルドシートの正しい着用」「飲酒運転の根絶」。

 期間中、南牟婁郡交通安全対策協議会(会長・大畑覚御浜町長)は、紀宝地区交通安全協会、紀宝警察署と共に各種啓発活動を展開する。

 運動に先駆け、同協議会は2日、御浜町役場で委員会を開き、運動期間中の取り組みを確認した。

 協議会は紀宝、御浜両町と熊野市紀和町の行政、議会、教育、交通安全団体の代表などで構成し、紀宝警察署長が顧問を努めている。

 大畑町長は「今月下旬には夏休みに入り、車や人の流れが多くなると予想され、事故の増加が懸念される。皆さまのご意見とご尽力を」とあいさつした。

 昨年度は年4回の交通安全運動期間をはじめ、年間を通じて啓発運動や街頭指導を展開。今年2月には作製した「交通事故分析冊子」を配布した。本年度も児童・生徒や高齢者対象の交通安全教室などさまざまな運動を展開して、無事故無違反への意識高揚を図る。

 紀宝署の濱口裕史署長によると、6月末の県内死亡事故は25件(昨年比16減)、死者数25人(同17減)といずれも減少したものの、人口10万人当たりの死亡事故は1・4人で全国ワースト16位の厳しい状況にある。一方、管内の人身事故は10件(同1増)で、負傷者数13人(同2減)。死亡事故は発生していない。

 横断歩道を渡る際、成人もちょっと手を上げて運転車に知らせる「ハンドサイン」キャンペーンもDVD動画で紹介し、出席した委員が安全安心な交通環境構築を再確認した。

(2021年7月9日付紙面より)

大畑覚御浜町長(左から3人目)が事故防止啓発を呼び掛ける=2日、御浜町役場
2021年07月09日
35 大会に向け健闘誓う  近大新宮で壮行会  
2021年07月09日
36 願いよ届け!七夕行事  新宮市・那智勝浦町  
2021年07月09日
37 手足を筆やキャンバスに  丹鶴幼でボディーペイント  (新宮市 )
2021年07月09日
38 願い込めて短冊つるす  勝浦八幡神社七夕委員会  (那智勝浦町 )
2021年07月09日
39 泳力別に分かれ水に慣れる  大島小が一丸でプール授業  (串本町 )
2021年07月09日
40 第2回定例会一般質問④  串本町議会  
2021年07月09日
41 シーズンの安全を祈願  新鹿、大泊海水浴場で海開き  (熊野市 )
2021年07月09日
42 短冊に込めた願いが届くよう  保育所やサロンなどで七夕行事  (紀宝町 )
2021年07月09日
43 いいお店がいっぱい!  神倉小2が仲之町商店街探検  (新宮市 )
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