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2022年01月27日
1 来年度の「銀河」再運行決定 10月から約5カ月間を予定 (JR西日本)

 JR西日本の金岡裕之和歌山支社長は25日、新宮市役所別館で会見を開き、10月から長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースの運行を再開すると発表した。2023年3月までの約5カ月間にわたり京都から新宮間を運行する予定。

 観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。当地域では昨年7月16日に紀南コースの運行を開始。12月22日までの約5カ月間にわたり、延べ約3000人が乗車した。

 新宮市・すさみ町・那智勝浦町・太地町・古座川町・北山村・串本町・和歌山県で構成される同列車受入協議会(会長=田岡実千年新宮市長)は昨年11月、JR西日本に対し要望活動を実施。同列車の運行再開を求めていた。

 来年度の紀南コースでは、車窓から当地方の魅力的な海の景色をより楽しめるよう、沿線の景観改善に取り組むほか、窓から直接、海の景色を楽しめる席数を大幅に増やす。

 これまでは京都到着後に首都圏に向かう新幹線に間に合わない時刻帯であったため、昼行列車(新宮発京都着)の京都到着時刻を早め、首都圏方面へのアクセス利便性向上を図る予定。また、沿線の新しい魅力を楽しんでもらうために昼行列車の運行曜日ごとに異なった途中停車駅を設定するなどしておもてなしをリニューアルするなどの改善を行うという。

 金岡支社長は「人気も高く、利用者から地域の豊かな自然、文化が非常に楽しめたという声が多かった。また、おもてなしや見送りなどの人との触れ合いも価値があったとの意見も多かった」と運行再開を決定した経緯を説明。

 田岡市長は「昨年11月に7自治体と県の連名で要望書を提出してからわずか2カ月という短期間でうれしいご報告を頂けた」とJR西日本に感謝。

 「コロナ禍で経済活動が厳しい中において観光関連をはじめ地域全体にいい影響を与えていただいた。秋からの運行に備え、事業者と連携しておもてなし観光メニューの拡充に向けて準備していきたい」と述べた。

 運転日や運転時刻などの詳細については現在未定。

(2022年1月27日付紙面より)

今年秋からの「銀河」運行再開が決定=25日、新宮市役所別館
WEST EXPRESS 銀河(JR西日本提供)
2022年01月27日
2 点検のため祭船を引き出し
 水門神社祭典保存会ら奉仕  (串本町 )

 串本町大島で23日早朝、水門(みなと)神社例祭「水門祭」で用いる祭船が点検のため大島港の一角にある船蔵から引き出された。

 水門神社祭典保存会(木下正己会長)を軸にした奉仕。今年の例祭は新型コロナウイルスの情勢を受け大前の儀のみ執り行うことがすでに決まっていて、祭船は用いないが保守は必要との考えで船蔵から出すことにしたという。

 同様の決定をした昨年は引き出さなかったため、今回は2年ぶりの奉仕。この日は時折小雨が降る中、同保存会と若手で結成する大同会、合わせて27人が櫂伝馬(かいでんま)2隻と当船を順次運び出し、船蔵の隣にあるスロープに据えた。

 長らくの保管で乾いた船体を膨潤させるため、据えた後はただちに海水を掛けて乾燥による収縮で生じた隙間からの水漏れの度合いを確かめた。同保存会の年長が経年劣化を目視や触感で探り、必要な修理の方向性をその場で話し合うなどした。木下会長によると、膨潤させた後の水漏れや修理が必要な部分の対処が済み次第、船蔵へ納めて来年まで保管するという。

 当船は主祭神・誉田別命(ほんだわけのみこと=応神天皇)が御旅所(古くは通夜島、今は苗我島にある)へ渡御するときに用いられる木造の祭船で、潮岬会合の紋を舳先に頂くカツオ船の設計を宿している。

 櫂伝馬は当船の出航時にその両翼を警護する形で大同会が運用する木造の祭船で、餅まきや大島―串本間で競漕(きょうそう)も繰り広げて場を盛り上げる。河内神社例祭「河内祭」で用いられる小伝馬よりも一回り大きく、通船として盛んに用いられていた時代の設計を宿している。

 いずれも今では希少となった木造船として現存しているが相応に経年劣化が進んでいるため、同保存会は平年、本祭日の3週間前を目安にして船蔵から引き出し点検や所要の修理をした上で進水させる手順を取っている。

(2022年1月27日付紙面より)

2年ぶりに当船を船蔵から引き出し=23日、串本町大島
経年劣化の度合いを目視や触感で確かめる水門神社祭典保存会の年長ら
2022年01月27日
3 いつまでも元気で暮らそう
 高血圧ゼロのまちプロジェクト  (北山村 )

 北山村では今年から「全国唯一の飛び地『北山村』高血圧ゼロのまちプロジェクト」を展開している。村民全員の高血圧ゼロを目指し、血圧測定推進や健康教室などの事業を展開していく予定だ。

 健康状態の重要な指標である「高血圧」に注目し、村民全員が自己の健康を把握し、健康づくりへの意識向上を目指す取り組み。事業開始に先立ち昨年、同村はNPO法人ヘルスプロモーション研究センターと連携協力を締結。血圧測定器70台の貸し出しを受けている。なお、県内での取り組みは高野町に続いて2例目となる。

 事業の対象者は小学5年生以上の村民もしくは村内で働いている人。約350人の対象者を6グループに分け、ひと月単位で家庭で朝夕の1日2回、血圧測定を推奨。結果は個々で記録し、役場に提出してもらうという。

 家庭における測定の習慣付けと、村内における高血圧の現状を把握する目的がある。また、子どもらに対しては自身と家族の健康を考えてもらうため、授業を通して血圧測定を推進。春休みを利用して血圧測定への挑戦を促す構えだ。

 山間部に位置する同村では、保存のために塩を用いた調理方法が伝統として残る。そんな食文化を背景に、プロジェクトを通じて血圧に関心を持ってもらう狙いもある。今後は目標達成のために動脈硬化健診や特定健康診査の推進や健康づくり教室への積極的参加も村民に呼び掛けていく予定。

 助走期間である現在は役場職員や診療所、社協職員など関係者の血圧測定から開始し、プロジェクトの周知を図るとともに改善点などを洗い出していくとのこと。山口賢二村長は「血圧イコール食生活。家庭ぐるみで健康を考えるいい機会。幼い頃からの対策が重要」と話している。

(2022年1月27日付紙面より)

血圧測定習慣の重要性を周知していく=17日、北山村役場
2022年01月27日
4 防火意識高め文化財守る
 那智大社と青岸渡寺で訓練など  (那智勝浦町 )

 「第68回文化財防火デー」の26日、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で消防訓練が行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から町消防団の出動はなく、規模を縮小。職員や那智勝浦町消防本部(湯川辰也消防長)が参加し、防火の重要性を再認識するとともに国の宝を守る意識を高めた。毎年、同日に訓練を行う那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)では、感染症対策などのため訓練は実施せず、訓示のみを行った。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に奈良県の法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年から、この日を中心に消防と地域が連携し、全国的に防火活動が展開されている。

 熊野那智大社では宝物殿裏の山林からの出火を想定。自衛消防隊が火災の報知後、宝物を運び出し、消火ホースで放水した。消防職員から消火器の取り扱いについて指導があり、職員が使用した。

 関谷善文消防署長が「自衛消防隊の迅速な活動が心強かった。社殿は木造なので、火災時は燃え広がりやすいため予防が大事。防火意識を高めていただけたら」と講評。

 男成宮司は「消防などが駆け付けるまでに時間を要するため、初期消火が重要。世界遺産や重要文化財であるご社殿の消失や人命が失われてはいけない。強い覚悟を共有してほしい」と話した。

 那智山青岸渡寺では髙木住職が職員に対し、「普段から火を出さない心掛けをしてください。火災発生時は、これまで積み重ねてきた消火訓練活動を着実に実行してほしい」とあいさつ。

 同消防本部の太田真次警備主幹兼班長が「災害や火災はいつ発生するか分からない。日頃から消火器の数や設置場所の把握、消防設備の再確認をしてください」と話した。

 訓練後は消防設備の点検なども行われた。

(2022年1月27日付紙面より)

職員らが消防訓練に取り組んだ=26日、那智勝浦町の熊野那智大社
町消防本部から訓示があった=同日、那智山青岸渡寺
2022年01月27日
5 教育旅行やWSで配布中  まるわかりブック第2版  (串本町 )
2022年01月27日
6 PCR検査等無料化延長  和歌山県  
2022年01月27日
7 自分らしいビジネスを  創業者に向け中村佳織さんが講話  (新宮市 )
2022年01月27日
8 虎の耳? しっぽ?  「虎」の名前が付いた植物・那智勝浦町編  (こども新聞 )
2022年01月27日
9 﨑山君が歴史能力検定に合格  刀や戦国好き高じて勉強  (新宮市 )
2022年01月27日
10 廃棄の本など無料提供  図書館で新春古本市  (那智勝浦町 )
2022年01月27日
11 「いかのおすし」を約束  防犯教室で児童ら学ぶ  (紀宝町 )
2022年01月27日
12 3年間の成果、力作並ぶ  ピネ内で「卒業制作展」開催中  (紀南高校 )
2022年01月27日
13 「コロナ対策が最重要課題」  5期目の西田健町長に聞く  (紀宝町 )
2022年01月27日
14 お悔やみ情報
  
2022年01月26日
15 駆け込み需要にも期待
 プレミアム付商品券、使用期限迫る  (新宮市 )

 新宮市が発行する「市プレミアム付商品券」の販売終了および使用期限が1週間後の31日(月)と迫っている。現在の購入率は約66%で、当初見込んでいた7割に届く勢い。市では販売・使用終了直前に伴う駆け込み需要にも期待を寄せている。

 新型コロナウイルス感染症の影響による市民の生活支援を行うとともに、落ち込む地域経済の活性化を図ることを目的に発行。1冊7000円分(500円券×14枚つづり)が5000円で購入できる(プレミアム率40%。1人当たり2冊まで購入可能)。1冊に「地元店舗限定券」と「全店舗共通券」が3500円分(7枚ずつ)の仕様となっており、市内566店舗で使うことができる。

 現在の販売金額は約1億7000万円で発行金額は約2億4000万円。大型スーパー含む小売業店舗における使用が全体の約7割を占め、次に飲食業と続く。担当課である市商工観光課は「日用品で使用する人が多い印象。普段から使っている店舗で使いたい人が多いのでは」と見解。

 市内でサービス業を営む70代男性は「(商品券の)販売直後は使用されるお客さんがいたがしばらく落ち着いていた。今朝(24日)になって『使うのを忘れていた』と商品券による支払いを希望する人がいた」。

 40代男性は「(商品券を使って)一度家族で焼き肉を食べに行ったが、ほとんどを日用品で使った」。30代男性は「(商品券を)購入するのを忘れていた。まだ間に合うなら買いたい。少しぜいたくして普段食べないものを購入したい」と話していた。

 商品券を購入する場合は昨年6月下旬に市から郵送された購入引換券(はがき)と本人確認書類を持参し、市内郵便局13カ所(簡易郵便局を除く)で希望の冊数を代金と引き換える。なお、購入引換券を紛失した場合、1回に限り同課で再発行が可能。再発行を希望する人は印鑑を持参し同課窓口で申請を。

 取扱加盟店一覧表は市内郵便局、市役所、三輪崎支所、高田支所、熊野川行政局で配布。市ホームページにも掲載している。

(2022年1月26日付紙面より)

販売終了、使用期限が迫る新宮市プレミアム付商品券
2022年01月26日
16 身体健全や無病息災祈願
 加寿地蔵尊で初地蔵まつり  (那智勝浦町 )

 加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は23日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「初地蔵まつり」および鈴姫開眼供養祭を開いた。近隣から参拝者らが訪れ、身体健全や無病息災を祈願した。

 世話人会によれば、加寿地蔵尊は千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる3人の姫を祭っており、婦人病や足腰の病に御利益がある。3人目の「鈴姫」の社が長年発見されていないことから、このたび新たに社を建て、開眼供養祭を営むこととした。

 この日は雨天のため、拝み社で中田代表と修験者の富岡秀清さんらが初地蔵の供養を営み、笛と舞が奉納された。鈴姫の社の前でも般若心経を唱えて開眼供養祭を営み、参拝者が手を合わせた。会場では「千本つき餅つき」や「加寿姫みくじ」などもあった

 修験者の富岡さんは「3人目の姫様のお地蔵さんはとてもかわいらしく、みなさんを守り、癒やしてくれる力を持っているはず」。中田代表は「崖崩れのためか長年三つ目の社が見つかっていなかったが、ようやくお祭りすることができてうれしい」と話していた。

(2022年1月26日付紙面より)

拝み社で供養を営む=23日、那智勝浦町
鈴姫の地蔵へ手を合わせる参拝者
2022年01月26日
17 八重咲きなど花弁に個体差も
 日本クマノザクラの会が学習会  

 クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長、会員165人)は22日、オンライン学習会を開催。副会長の田尾友児さんがクマノザクラとの出会いや今後の活用などを語った。

 日本クマノザクラの会は昨年2月に発足。和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組み、リーフレットを作製し、ホームページも開設した。昨年9月から毎月、オンライン学習会を開催してきた。

 クマノザクラは、バラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、ソメイヨシノより少し早い2月下旬から3月中下旬に開花する。勝木さんが発見し、命名した。

 学習会で田尾さんは自宅から配信し、「クマノザクラが発見されるまで地元では早咲きのヤマザクラだと思っていた。18年3月に約100年ぶりの新種として発見されたというニュースが飛び込んできた」と振り返った。

 新種発見後、紀宝町の山林で調査を開始したことやクマノザクラの苗木育成研究などを写真とともに紹介。濃いピンクやフレア状、八重咲きといった花弁の個体差なども解説し「今後、病気や寿命で枯れているソメイヨシノの代わりになると期待している」と伝えた。

(2022年1月26日付紙面より)

オンライン学習会でクマノザクラについて解説=22日、紀宝町神内
2022年01月26日
18 火災から国の宝を守れ
 文化財防火デー前に訓練  (熊野速玉大社 )

 文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。同大社職員らが初期消火活動などを通じて、有事の際の連携体制を確認した。

 例年なら消防団や婦人防火クラブ会員らも参加して行われる防火訓練。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、同大社神職や巫女(みこ)からなる自衛消防団10人のみで実施。新宮消防署員立ち会いの下、訓練を展開した。

 午前9時、境内の清掃をしていた巫女が、本殿の奥御前三神殿からの出火を確認。大声で「火事です」と伝え、各自が通報や消火器を用いた消火活動、文化財の運び出しなどを実施。「建物から離れて避難してください」と呼び掛け、参拝者を安全な場所に誘導した。

 訓練の様子を見守っていた、新宮消防署の榎本正昭消防係長は「大きな声で火事発生を知らせてくれていた。各担当も迅速、的確に行動していただいていた。設定時間内に終了し、日頃から訓練をしてくれていると感じた」と講評し「早期の発見と通報が重要。被害を最小限に抑えていただけるよう、今後も訓練に励んで」と呼び掛けた。

 上野潤権宮司は「突発的な災害に対しては常日頃からの備えが必要。年に1度振り返り、こうして訓練できる機会は重要」と述べ、「訓練では適時スムーズに動けていたと思う。訓練を通じて、防火の大切さが広く伝われば」と話していた。

 文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。

(2022年1月26日付紙面より)

文化財の運び出しを行う神職ら=25日、新宮市の熊野速玉大社
2022年01月26日
19 たばこは毒の缶詰  神倉小で防煙教室  (新宮市 )
2022年01月26日
20 最高の和歌山暮らし発信  「わかやま魅力Fes.」  
2022年01月26日
21 時代超え、闇を光へ紡ぐ㊦  「大逆事件」から111年  (新宮市 )
2022年01月26日
22 さまざまなゲームに挑戦  橋本児童館「みにみにチャレラン」  (新宮市 )
2022年01月26日
23 フキノトウが顔出す  ひと足早い春の訪れ  (紀宝町 )
2022年01月26日
24 自慢のたこ、大空に  井田小の1、2年生が作る  (紀宝町 )
2022年01月26日
25 串本町モデルにし課題探る  子育て支援検討成果報告会  
2022年01月26日
26 区の関係者らで信心つなぐ  添野川いくさ地蔵尊で例祭  (古座川町 )
2022年01月26日
27 お悔やみ情報
  
2022年01月23日
28 原木市場で「初市」
 スギやヒノキ次々と落札  (新宮市 )

 新宮原木市場(谷口泰仁社長)は22日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に買い方が集まり、開始の合図とともにスギやヒノキが次々と競り落とされた。

 同市で木材の市売(いちうり)販売が始まったのは1956(昭和31)年。当地の有力原木生産業者が共同事業体として「新宮電柱木材協同組合木材市売部」を創設した。その後、利用度の増大に伴い公共性が重視され、新宮木材協同組合が中核となり66(昭和41)年、現在の原木市場が設立した。

 77(昭和52)年には全国植樹祭の一環行事として「第1回熊野木まつり」展示即売会を開催。以降、毎年4月の恒例記念行事となっており、熊野材のPRや需要開拓などに取り組むきっかけとしている。

 今年の初市は、新宮紀宝道路事業に伴う道路拡幅工事のため昨年に引き続き上貯木場で開催。熊野川町や那智勝浦町、古座川町などから樹齢60年以上のスギやヒノキ約1200立方㍍(約7800本)が出荷された。

 開催に当たり、谷口社長は「新型コロナウイルスの感染者数が毎日のように更新されており、あらゆる業種が大変厳しい状況に直面していると思う。皆さんも健康に留意し、この局面を乗り切ってほしい」とあいさつ。

 「今年、新宮原木市場はお客さまに喜んでいただけるように基本に立ち返り、昨年以上に材の安定した出荷に努めてまいりたい。役職員一同、市場の運営にまい進していく所存」と誓いを新たにした。

(2022年1月23日付紙面より)

木材が次々と競り落とされた=22日、新宮市あけぼのの新宮原木市場貯木場
2022年01月23日
29 孤立させない環境を 下里中で薬物乱用防止講座 (那智勝浦町)

 那智勝浦町立下里中学校(布引伸幸校長)で18日、薬物乱用防止講座があった。3年生32人が同町にある、なごみ薬局の薬剤師で産業カウンセラーの小林仁さんから薬物の危険性などを教わった。

 小林さんは日本と国外の大麻所持などについて、合法な国でも日本国籍者には罰則になると述べ「国外でも大麻をみだりに輸出や栽培、譲渡、所持の行為を行った者は大麻取締法による処罰の対象となる」と説明。「覚醒剤」「コカイン」「大麻」「危険ドラッグ」の特徴や実害などもスライドを使用して紹介した。

 違法薬物では中学生の逮捕事例を取り上げ「薬物は皆さんのすぐそばまで来ています。インターネットではあたかも大麻は害が少ないなど、日本の法律が遅れているかのように書かれているサイトがある。実際は依存症に苦しんでいる人がたくさんいます」と語った。

 薬物の使用や再犯防止の方法として▽薬物を使わなくてもいられる社会▽再犯しない立ち直れる社会▽依存しなくても生きていける自信―を挙げ「誰にでも失敗はあります。いつでも何度でもやり直すことができる。周囲が差別や偏見を決して持たず、それを認めチャンスをあげることが大事」と伝えた。

 山本華子さん(14)は「小学校の時に受けた授業では分からなかったけど、薬物に手を出すと抜け出すことが難しいという恐怖を改めて感じました。若い女性が想像以上に使用していたことにも驚いた。少しでも薬に手を出さないきっかけにするためにも自分自身はもちろん、他の人たちを孤立させないような環境を意識していければ」と話していた。

(2022年1月23日付紙面より)

講座に耳を傾ける生徒たち=18日、那智勝浦町立下里中学校
小林仁さん
2022年01月23日
30 感謝胸にそれぞれの道へ 近大新宮高校で卒業式 (新宮市)

 新宮・東牟婁地域のトップを切って22日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で令和3年度(第57回)卒業証書授与式が挙行された。卒業生108人が感謝を胸に学びやを巣立ち、それぞれの道へ一歩を踏み出した。

 本年度は新型コロナウイルス感染対策のため保護者・在校生の出席は取りやめ、オンラインで式の様子を中継した。

 池上校長が4クラスの代表者に卒業証書、各賞受賞者に表彰状を授与。式辞では「人に愛される人、人に信頼される人、人に尊敬される人になろう」の校訓の下で喜びを分かち合い、人間関係を築いてきた生徒たちの学校生活に触れ、「愛し愛される、信じ信じられる、敬い敬われる。この表裏一体の関係を大切にすることで、自らの充実した素晴らしい人生につながり、社会に貢献できる人に成長することができる」とはなむけの言葉を贈った。

 在校生を代表して濱田青葉君(2年)が送辞。卒業生を代表して岡地優希君が、個性豊かな同級生に囲まれた3年間の思い出を振り返り「この学校に入学して、みんなに出会えたことをうれしく思う」と語り、教職員、保護者、在校生へ感謝の気持ちを伝えた。

(2022年1月23日付紙面より)

拍手を受け学びやを後にする卒業生たち=22日、新宮市の近畿大学附属新宮高校
2022年01月23日
31 新好が優勝 第174回職場対抗ボウリング大会 
2022年01月23日
32 小川羊子さんが優勝
 なちかつGGCクラブ大会  
2022年01月23日
33 近大新宮が全国大会へ
 近畿高校空手道大会で好成績  
2022年01月23日
34 そのままの自分を受け入れて  高田小中で人権学習会  (新宮市 )
2022年01月23日
35 過去10年で最少の63件  21年和歌山県企業倒産状況  
2022年01月23日
36 黒いコウノトリ発見?  さらに珍しい鳥が飛来  (那智勝浦町 )
2022年01月23日
37 クチナシの実が色づく  新宮市・浮島の森  
2022年01月23日
38 交流図り学び深める  パステルアート教室に10人  (新宮市 )
2022年01月23日
39 収集ボラで社会貢献を  ペットボトルキャップ、古切手など  (紀宝町社協 )
2022年01月23日
40 時短要請に協力する飲食店に  1店舗1日2万円を支給  (紀宝町 )
2022年01月20日
41 ワクチン接種、いつ?
 前倒しに向けて準備進む  (新宮市、那智勝浦町など )

 新たな変異株「オミクロン株」による新型コロナウイルス感染症の拡大が急激に広がる中、各自治体では新型コロナワクチン3回目の早期接種に向け急ピッチで準備が進められている。

 国は13日、64歳以下の一般の人について、2回目を打った後の間隔を従来の8カ月から7カ月へと前倒しする方針を発表。さらに17日、岸田文雄首相は3月以降の接種前倒しを加速させる意向を示した。

 多くの自治体で一般向け3回目接種に向けた計画発表が待たれる中、新宮市や那智勝浦町などに今後の接種スケジュールと現状を聞いた。

  □     □

■新宮市



 新宮市では、今月から医療従事者や高齢者施設等入所者、施設従事者などに対する接種を開始した。2月からはワクチンを2回接種してから一定期間が経過(年齢によって異なる)した18歳以上の対象者に向け接種を進めていくという。1回目は6日(日)に集団接種を予定しており、2月は会場での接種を毎週実施していく。

 国の方針(前倒しなど)を随時踏まえながら、対象者には順次接種券を送付しており、接種会場や日時などの詳細を記した案内も同封。

 2回目の接種が個別接種であった人は追加接種も個別接種となる見通し。ワクチンはファイザー社製かモデルナ社製のいずれかを使用する予定。なお、2回接種を完了している市民は2万1000人強で、うち18歳以上が追加接種対象となる。

  □     □

■那智勝浦町



 那智勝浦町では、医療従事者への接種券を昨年11月25日に郵送し、12月前半から接種を実施している。

 65歳以上の一般高齢者には昨年12月20日から接種券を郵送。今月24日(月)から体育文化会館で集団接種を開始する。

 今後のワクチン接種について町は、個別接種は行わず集団接種のみで進めていくとしている。3回目接種の終了は6~7月を見込んでいる。

 また、今月末からインターネットでのウェブ予約サービスにも対応するという。

  □     □

■太地町、北山村では



 太地町では、18日から町多目的センターで接種が始まった。接種後8カ月の期間を満たした町民に接種券の送付を行っているが、6カ月に前倒しになったことから、順次対象者に接種券を送付し接種を進めていくという。なお、現時点では接種完了時期は未定。

 北山村では、来月中旬に集団接種を行う予定としている。

(2022年1月20日付紙面より)

写真はイメージ
2022年01月20日
42 紀伊半島大水害から10年
 土砂災害研究講演会  (那智勝浦町 )

 国土交通省近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所と和歌山県、那智勝浦町は18日、同町の体育文化会館で土砂災害研究講演会「紀伊半島大水害から10年~あの日の災害を忘れない~」を開催した。一般、関係者など120人が来場。同水害を契機に進められている土砂災害に関する話題や研究の動向について、講演や報告が行われた。

 2011年に発生し、紀伊半島に甚大な被害をもたらした同水害。講演会は昨年9月に10年を迎えたことを機に、災害を風化させず、関係機関などの活動を地域に周知することを目的に実施された。

 会場には同水害語り部の防災士・久保榮子さんの体験紙芝居や手作りの資料、和歌山県土砂災害啓発センターの活動や水害の実情を伝えるパネルなどが展示された。

 堀順一郎町長は「水害の記憶を後世に伝えていくことが重要。被害を最小限に食い止めるためには防災意識の向上が必要。改めて防災を考える機会としていただけたら」とあいさつした。

 町立色川中学校の生徒10人が「今、私たちにできること」と題し、取り組んできた防災学習の発表を行った。水害で口色川が被災しているため、地域の防災意識の低下を危惧し、色川小・中学校の児童・生徒が防災学習に継続して取り組んでいるという。

 児童らは地域の防災意識確認のために全戸のアンケートを取り、早期避難しない理由などを把握。防災パンフレットを作成して住民に配布した。啓発センターや町、町消防などから「色川地域は土砂災害が発生しやすい」「紀伊半島大水害の詳細」「非常食の作り方やパーティション、テントの設置」などを学んだと説明した。

 同校では敬老の日に高齢者宅を訪問する取り組みをしており、今年からは防災意識の向上のために、訪問時に防災対策の提案や早期避難の呼び掛けも行っているとした。生徒は「色川には若者が少ない。いざというときに高齢者を支える必要がある。中学生でもできることが多くあることを学んだ」。

 今後については「大好きな色川の自然と大切な人たちの命を守りたい。災害はどこで、いつ起きるか分からない。繰り返し学ぶことが大切。これからも避難の大切さを訴えていきたい」と締めくくった。

 そのほか、京都大学防災研究所流域災害研究センターの竹林洋史准教授が「土砂災害防止のための最新技術」を、国土技術政策総合研究所土砂災害研究部砂防研究室の主任研究官の木下篤彦さんが「大規模土砂災害対策技術センターでの10年間の研究成果」、県土砂災害啓発センターの坂口隆紀所長が「和歌山県土砂災害啓発センターの取り組み」、近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所の田村友秀副所長が「紀伊山系砂防事務所のこれまでの取り組み」を講演・報告した。

 紀伊山系砂防事務所の山本悟司所長は「講演会を通して、災害や防災に関心を持っていただき、東日本大震災や紀伊半島大水害を思い出してほしい。災害はいつ発生するか分からないため、しっかりと準備をいただけたら」と語った。

(2022年1月20日付紙面より)

色川中学校の生徒が取り組んできた防災学習について発表した=18日、那智勝浦町の体育文化会館
紀伊半島大水害に関連するパネルが展示された
来場者ら
2022年01月20日
43 出火時の初動態勢を実践
 錦江山無量寺で防火訓練  (串本町 )

 串本町串本にある錦江山無量寺(東谷洞雲住職)で17日、防火訓練があり同寺と町教育委員会が両輪で出火時の初動態勢を実践するなどした。

 この訓練は文化財防火デー(1月26日)の趣旨に基づき実施。同寺は国の重要文化財指定を受ける襖絵(ふすまえ)(紙本墨画竜虎図)など貴重な寺宝を複数所蔵するため毎年、町教委と連携して町消防本部に指導を求めつつ出火時の初動確認に取り組んでいる。

 町教委によると、今年は本尊を安置する本堂からの出火を想定して訓練を開始。東谷住職らは消防への通報と消火器による初期消火、串本応挙芦雪館の職員らは来館者や拝観者の避難誘導、駆け付けた前芝雅嗣総代長ら総代は手分けして寺宝を門外へ運び出し自衛消防活動(消火栓からの放水準備)を試みつつ消防を待ち、消防は到着後速やかに同寺周辺に水利を得て放水するまでの手順を実践した。

 その後は消防から訓練講評を受け、訓練用水消火器を用いた使用訓練にも取り組んで火が小さいうちに対処するすべも磨いたという。

 東谷住職によると、昨年に消防から指摘された通報装置の不備解消が完了し今回は正常な作動が確認できたそう。他方、「あらかじめ手順を考えておくことが大事だと思った」と今回の訓練を振り返り、体制確立を今後の課題として見据えた。

 旧串本町域の同寺とともに、旧古座町域の薬王山成就寺と佛光山善照寺も隔年交互でこの訓練に取り組んでいて、今年は善照寺が2月2日(水)午前10時から実施予定となっている。

(2022年1月20日付紙面より)

消火栓からの放水準備の手順をこなす総代ら=17日、串本町串本(町教育委員会教育課提供)
訓練用水消火器を使って使用訓練に臨む東谷洞雲住職(右)ら(同提供)
2022年01月20日
44 西田健さん、無投票で5選
 「五つの項目を実行する」  (紀宝町長選 )

 任期満了(2月4日)に伴う紀宝町長選が18日に告示され、現職の西田健さん(73)=無所属=のほかに立候補の届け出がなく、西田さんが無投票で5選を果たした。同町長選の無投票は2014年以来8年ぶり。今月24日(月)に当選証書が付与される。

 西田さんは午前9時に同町鵜殿の選挙事務所前で第一声を放ち、選挙カーで町内を遊説。届け出が締め切られた午後5時すぎ、事務所前に戻ると、集まった支持者らから拍手で迎えられた。

 簡素化した祝賀式で後援会長の神園敏昭さんが「謙虚な気持ちで誇りと愛着の持てる魅力ある町づくりにまい進を」と西田さんを激励した。

 妻の雅代さんと共に、孫の栞菜さん(小6)、心音さん(小4)から花束を受け取った西田さんは「5期目の挑戦をさせていただき、無投票となったことは皆さま方のご支援のおかげ」と感謝した。

 5期目に向けて「約束した五つの項目を実行することが責務。『人の命が一番、子どもは町の宝、高齢者は町の誇り』と誇りと愛着の持てる魅力ある町づくりの取り組みを進めていく」と決意を述べた。

 西田さんは1948年、旧鵜殿村生まれ。72年に鵜殿村に奉職。産業建設課長、総務課長などを歴任し、2000年に鵜殿村長に初当選。06年に旧鵜殿村と旧紀宝町が合併して誕生した紀宝町の町長選で当選し、現在4期目。20年から県町村会会長、21年から全国町村会副会長を務めている。

(2022年1月20日付紙面より)

孫の栞菜さん(左端)から花束を受け取る西田健さん=18日、紀宝町鵜殿
2022年01月20日
45 「M―1」優勝で三重№1に  県大会3冠達成で有終の美  (有馬クラブ )
2022年01月20日
46 地震や風水害時の行動考える  神内小で防災体験学習  (紀宝町 )
2022年01月20日
47 基本的な感染防止の徹底を  町民に向けメッセージ  (那智勝浦町 )
2022年01月20日
48 不要不急の外出控えて  症状があればクリニック受診を  (和歌山県 )
2022年01月20日
49 力強い絵画で「火の用心!」  園児と婦人防火クラブがポスター制作  (新宮市三輪崎 )
2022年01月20日
50 地域の子ども守りたい  はま建装がマスクを寄贈  (北山村 )
2022年01月20日
51 皆さまに感謝伝えたい  わかば保育園が50周年  (那智勝浦町 )
2022年01月20日
52 クッキー作りに挑戦  下田児童館で子ども料理教室  (新宮市 )
2022年01月20日
53 住民税非課税給付を承認  町議会が第1回臨時会で  (古座川町 )
2022年01月20日
54 収穫追い込みを迎える  重畳山のポンカン生産  (串本町 )
2022年01月20日
55 当選者延べ491人決める  お年玉プレゼント抽選実施  (串本リリースタンプ会 )
2022年01月20日
56 お悔やみ情報
  
2022年01月19日
57 西田健さん、無投票で5選
 紀宝町長選  

 任期満了に伴う紀宝町長選挙が18日告示され、現職の西田健さん(73)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、西田さんが無投票で5回目の当選を果たした。


2022年01月19日
58 自分の身を守る行動を
 丹鶴幼で防災出前事業  (新宮市 )

 新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長)で17日、「ぼうさい出前事業~たんかくようちえん~」があった。市防災対策課の櫻井勇太さんと日浦規行さんが来園し「見て、考え、触って、身体(からだ)を動かす体験型」の防災授業を展開。44人の園児らが防災に対する心構えを身に付けた。

 6434人が亡くなった阪神・淡路大震災発生(1995年)から17日で27年。1月17日はボランティア活動への認識を深め、災害への備えの充実強化を図ることを目的として「防災とボランティアの日」に制定されている。

 出前授業は子どもたちに有事の際に自らの命を守る行動を身に付けてもらうことを目的に実施。

 櫻井さんは、園児らに、無彩色の人気のキャラクターを青(津波)、黄(土砂崩れ)、赤(火事)に色分けしてもらい「地震が起きたら津波や土砂崩れが起こり火事になります。色で覚えておいて」と呼び掛けた。

 「危険な場所を探そう」で園児らは地震発生時の教室内の危険な箇所を探索。ピアノや空調設備の下などに「危険マーク」を貼り「電灯が落ちてきたら危ないよ」「扇風機も落ちてくるかも」などと意見を出し合った。

 櫻井さんは「地震はいつ来るか分かりません。安全な所を自分で探して頭を守る『ダンゴムシのポーズ』を」。

 園児らは地震発生時に取る体勢を基にした「ぼうさいじゃんけん」や、「新聞紙座布団」「新聞紙ブランケット」「防災新聞紙スリッパの折り紙」など身近にある新聞紙の使い方も学習。「スリッパを作るのが難しかったけど楽しかった」などと感想を発表し、ゲームなどを交えた体験型の授業を通して身を守る行動を学んだ。

(2022年1月19日付紙面より)

「ぼうさいじゃんけん」で有事に取る体勢をおさらい=17日、新宮市立丹鶴幼稚園
新聞紙ブランケットで「暖かいね」
防災新聞紙スリッパの履き心地を確認
2022年01月19日
59 クラシックの世界を堪能
 新春コンサートで西謙二さんら  (新宮市 )

 「オペラとピアノの会」は16日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「新春コンサート オペラ・ピアノ・歌で誘(いざな)うクラシックの世界」を開催した。西謙二さんらによるピアノ演奏や歌声が会場内に響き渡り、約400人の来場者らがクラシックの世界を満喫した。

 西さん(ピアノ・テノール)、金野友美さん(ソプラノ)、石山優香さん(ピアノ)が出演。バリトンの二宮周平さん、メゾソプラノの滝口小夜子さんをゲストに迎えて開催した。

 コンサートは西さんによるシューマン作曲「『子供の情景より』見知らぬ国へ」のピアノ演奏で幕開け。「楽しいコンサートにしていければ。短い時間ですがごゆっくりお楽しみください」とあいさつした。

 新型コロナウイルスの影響で一部プログラムが変更となったが、主演者らはプッチーニの「トスカ」「トゥーランドット」、ロッシーニの「セビリアの理髪師」などで声楽とピアノを披露。

 「世界の名曲」と題し「ふるさとの」(平井康三郎作曲、石川啄木作詞)「サマータイム」(ガーシュイン)なども会場に響かせ、迫力ある演奏や歌声に来場者らは惜しみない拍手を送った。

 西さんは県立新宮高校、東京大学工学部卒。米国マサチューセッツ工科大学客員研究員や学術誌のエディター、日本政府関係の委員などを務めた経歴を持つ。ピアノを杉浦範さんらに、声楽を田邊清美さん、二宮さんに師事。テノールとして首都圏でのコンサートを中心に出演している。

(2022年1月19日付紙面より)

迫力ある歌声を響かせる西謙二さん(右)ら=16日、新宮市の「丹鶴ホール」
大勢の来場者がクラシックの世界を堪能
2022年01月19日
60 オリジナルの羽子板作る
 木材会館で第2回木育教室  (新宮市 )

 新宮市あけぼのの新宮木材会館で15日、新宮木材協同組合事務局主催の第2回木育教室が開かれた。親子3組10人がスギとヒノキの見分け方を学び、地元産のスギ材を使ったオリジナルの羽子板を作った。

 大人にも子どもにも、森林の役割や木の良さ、新宮市と林業の関わりなどを知ってもらおうとスタートした取り組み。森林についての座学と木工工作があり、同組合加入の製材所などが材料を提供している。

 この日は事務局員の山本盛都さんが、日本の人工林の多くを占めるスギとヒノキについて解説。タネ、花、苗、葉、樹皮、年輪の写真を見比べながら、その特徴や違いを示した。「木の節ってなんだろう?」「日本のような四季がない国の木材には年輪がある?」などのクイズもあった。

 木工工作では、地元産スギ材の羽子板にカーボン紙でトラや門松、ウメなどを描き、油性ペンや筆ペン、はんこなどで色を塗っていった。完成後は子どもたちが早速「カーン、コーン」と子気味の良い音を響かせて遊んでいた。

 今後も毎月1回、5組限定で開催していく予定。大人の参加も歓迎しており、イベントに関する情報は毎月1日にインスタグラムのアカウント(kinanmokuzai_shinryokukai)で発信している。

(2022年1月19日付紙面より)

スギとヒノキを見比べる参加者=15日、新宮市の新宮木材会館
オリジナル羽子板を持つ子どもたち
2022年01月19日
61 災害時に移動式ハウス提供
 木下建設と利用協定を締結  (串本町 )

 和歌山県有田市に本社を置く木下建設株式会社(木下英文代表取締役社長)が17日、串本町と災害時における避難場所の施設利用に関する協定を締結した。

 同社はかねて、国土交通省が推奨する「地域の守り手」として災害時の復旧活動に参加。その中で地域に安心を届ける方法はないかを考え、2020年度に環境省事業の採択を受けて平時は現場の仮設事務所や休憩所、災害時は拠点基地や避難場所として利用できる太陽光発電付き移動式ハウス「ソーラーシステムハウス」を株式会社ダイワテック、デザイン事務所「BLOOM*ROOM」と共に2種類製作し、計10棟を導入した。

 うち2棟は本社に配置し、残り8棟をすさみ串本道路関係工事請負のため同町内の現場などで運用中。その縁で災害時の利用を図るために同協定を町に申し出て締結するに至った。

 締結式は高富にある同社串本事業所であり、木下社長と田嶋勝正町長が協定書に署名した。災害時に同ハウスを配置場所もしくは町が希望する場所へ移動配置して貸与する内容で、町か同社のいずれかが解除を求めるまで有効となっている。

 署名を経て田嶋町長は「災害はいつ起こるか分からないことを頭に入れて取り組む中、この素晴らしいハウスを活用させていただけることをうれしく思う」と述べて今後の有効活用を視野に入れ、木下社長は「地元の皆さま方と共にこれからも防災対策に取り組んでまいりたいと考えている。本日の締結式はその一歩。社会に生きる者の務めとしての認識を思い、改めて身が引き締まる思い」と胸中を明かして同協定に基づく第一歩を踏み出した。

 同社は有田市とも同様の協定を締結済み。災害時はその状況に応じて両市町内に同ハウスを割り当てるという。

  □     □

1棟は「現場の駅」としてアピール開始



 同町内8棟のうち、1棟は同事務所横に配置し情報発信基地「現場の駅」として同式後から運用を始めた。日曜を除く午前8時30分~午後5時に開いていて、現場の魅力や工事の進捗状況、町の情報(同社と串本警察署が合同で取り組む野生動物接触注意の啓発など)や観光案内などの情報発信と併せて同ハウスも皆さんに知ってほしいとアピールしている。

 同ハウスは角形鋼管・軽量形鋼構造で、4坪サイズ、開放型とプライバシー確保型の2種類がある。太陽光パネルと大容量の蓄電池、エコ給湯器を備え、省エネ型の構造設計や設備採用により満充電・無給電状態で約3日間利用〈通常時〉できる能力を有する。

 採択条件外の独自の仕組みとして、デジタル看板と災害時の情報入手や安否確認に欠かせない携帯端末の充電を想定とした「虹色コンセント」(同社命名、2口コンセント×7個)も備えることで、災害時の安心提供の度合いを強めている。

 この日は同社の招待で高富区の中野實区長ら近隣住民が「現場の駅」として開放している同ハウスを内覧し、特色の説明を受けて概要を確かめた。同ハウス周囲のウッドデッキやウッドフェンスは社員の手作り。同社は同事務所がある限り「現場の駅」の配置も続けると意気込んでいて、地域の皆さんに適時利用してもらえればとしている。

(2022年1月19日付紙面より)

協定を締結した田嶋勝正町長と木下建設株式会社の皆さん=17日、串本町高富の同社串本事務所
内覧者にソーラーシステムハウスの特色を紹介する木下英文代表取締役社長(右)
2022年01月19日
62 学び合う児童の姿を見学  井田小で公開授業研究会  (紀宝町 )
2022年01月19日
63 家族でのんびり自然を満喫  飛雪の滝キャンプ場で体験会  (紀宝町 )
2022年01月19日
64 西村伊作らの草稿を展示 3月21日まで、佐藤春夫記念館 (新宮市)
2022年01月19日
65 練習の成果を披露  神倉小で「手話歌」  (新宮市 )
2022年01月19日
66 「日々の生活が先生だった」  寺岡さん著書「ど根性貧乏!」  (那智勝浦町 )
2022年01月19日
67 県大会結果など町長に報告  ビブリオバトル町代表2人  (串本町 )
2022年01月19日
68 テリハノイバラの実  那智勝浦町の弁天島近く  
2022年01月19日
69 現職・西田候補のみが届け出  無投票の公算大きく  (紀宝町長選 )
2022年01月19日
70 お悔やみ情報
  
2022年01月16日
71 終息願い鬼面札づくり
 熊野那智大社で節分準備  (那智勝浦町 )

 2月3日(木)の節分を前に那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)では9日から「鬼面札」や福升の準備が行われている。ピークを迎えた14日は神職や巫女(みこ)が真剣な表情で鬼面札作りの作業を進めていた。

 災難よけのお札「鬼面札」と縁起の良い「福桝(ふくます)」を作っている。鬼面札はしめ縄の輪の中に赤鬼・青鬼を封じ込めた図柄で1969年に3代前となる篠原四郎元宮司が作成した木版画で翌70年から授与。独特の絵柄が人気で昨年末から予約が入るという。

 神職が縦35㌢、横45㌢の画仙紙に那智の滝の水で溶いた墨を版木に付け1枚ずつ刷り出し、巫女が「那智宮印」を押して、2000枚を仕上げる。モミの木製の福升は5合升で1升の半分であることから「繁盛(半升)升」ともいわれ350個作るという。

 𠮷田遥紀権禰宜(ごんねぎ)は「コロナ禍が続くと、多くの皆さまが気疲れしてしまい、これもまた厄災のきっかけとなってしまう。鬼面札は厄災よけ、家内安全の札。いま一度、用心していただき、新型コロナウイルス終息と皆さまが穏やかな一年をお過ごしいただけるように祈り、作成しております」と話した。

 鬼面札はすでに社頭で授与されており、郵便授与の受け付けは15日から開始。鬼面札は1枚800円、福升は1500円、福豆が300円。郵送授与希望時は別に送料が必要で、申し込みはFAX(0735・55・0643)かメール(nachi@kumanonachitaisha.or.jp)で受け付けている。問い合わせは同大社(電話0735・55・0321)まで。

 同社によると、来月3日の節分行事はコロナ対策を万全に施し、例年通り実施する予定だという。

  □     □

■那智山青岸渡寺では



 西国三十三所第一番札所である那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)では例年多くの参拝者が訪れる「節分会」を新型コロナの感染拡大防止の観点から中止する。

 同寺によると、節分で使用する祝升(いわいます)の作成や豆まき行事は実施せず、本尊の如意輪観世音菩薩の開帳と祈とうのみ執り行うという。

 髙木住職は「節分の準備を進めていたが、コロナの感染拡大に伴い、急きょ中止といたしました。残念だが、来年こそは通常通りできることを祈願しております」と語った。

(2022年1月16日付紙面より)

新型コロナウイルス終息の願いを込めながら節分準備が進められた=14日、那智勝浦町の熊野那智大社
2022年01月16日
72 全国棚田サミットに向け
 那智勝浦町実行委員会が設立  

 那智勝浦町でこのほど、全国棚田(千枚田)サミット那智勝浦町実行委員会(会長=堀順一郎町長)が設立された。14日、同町天満の町体育文化会館で設立総会および第1回総会があり約20人が出席。規約制定や予算を承認したほか、役員選出では那智勝浦観光機構の清水貞吾理事長を副会長に、酒井清崇東牟婁振興局長とみくまの農業協同組合の漆畑繁生代表理事組合長を監事に選出した。

 全国棚田サミットは、1次産業に対する意識の向上を図るとともに、棚田の魅力を再発見し、美しいふるさとの風景を次世代につなぐ契機とするために開催。令和5年度に同町で第28回サミットの開催が計画されており、全国から200~800人程度が参加する見込み。委員会は同サミットにおいて円滑な運営を図ることを目的に設立。サミットでは基調講演や交流会などを予定している。

 同町では色川が指定棚田地域に指定されており、中でも小阪の棚田は「棚田を守ろう会」が30年以上休耕していた田を復活させ保全に取り組んでいる。また、県が指定する美しい棚田・段々畑として認定している色川南平野の棚田も存在。その他の区でも山間部の厳しい環境で耕作をしていたことが分かる。

 なお、高津気地区に棚田の広がる地域はあるものの、2011年の紀伊半島大水害により農業用施設が被災され耕作できない状態が続いているが、しし垣といわれる施設もあり、獣害対策とともに棚田地域を有する里山の暮らしを残している。

 19年12月に旧色川村地域が指定棚田地域に指定。20年6月に色川棚田地域振興協議会が設立。同年8月に活動計画が認定されており、同地区における棚田を活用した地域振興活動が展開されている。

 開会に当たり、堀町長は「新型コロナウイルス感染症の影響もあるが、収束に向かうのではという気持ちを持ちつつサミットに備えたい」と成功に向けて協力を呼び掛け。

 「町には素晴らしい棚田がある。しかし全国的には耕作放棄された棚田も多い。棚田を復活し伝統文化を残すために頑張っていきたい」とあいさつした。

 委員会会議では▽規約の制定および改廃▽町棚田サミットの基本事項▽予算および決算▽その他町棚田サミットにおける重要事項―に関することを審議決定する。

(2022年1月16日付紙面より)

設立に当たりあいさつする堀順一郎町長=14日、那智勝浦町の体育文化会館
2022年01月16日
73 大漁や家内安全など願い
 飛鳥神社でお弓神事  (太地町 )

 太地町の飛鳥神社(髙橋正樹宮司)で13日、航海安全や大漁などを祈願する「お弓祭り(お弓神事)」が営まれた。漁業関係者などの参列者が境内の的を目掛けて全力疾走し、「セミ」を取り合った。

 髙橋宮司によると、以前は多くの漁師が祭りに参加していたため、漁から戻って作業を終える夕方に行われていたという。

 セミクジラを模した木製のセミは毎年、手作りの縁起物で直径約1・2㍍の的に三つ取り付けられる。本来は的を松に固定する留め具として用いられていた。セミを手にした人は大漁と航海の安全に恵まれるといわれており、持ち帰って家の神棚や床の間、船などに祭られる。

 髙橋宮司が矢を放つのと同時に参列者らが一斉に的まで駆け寄り、セミを奪い合った。「今年は取れた」「よし、取れた」とセミを手にした3人は笑顔で喜んだ。

 その後、鬼と見立てた的は参列者らが手で破り、切り分けた。松や竹の枝と共に的を玄関に飾ると破魔矢同様に魔よけになるとされ、参列者がうれしそうに持ち帰る姿が見られた。

 祭りを終え、髙橋宮司は「昔は町の大半が捕鯨に関わっていたため、海の安全や大漁を祈ったが、時代とともに働き方も変わっている。現在はそれらに加え、家内安全や商売繁盛の意味も込められている。一年の邪気を払うとともに、皆さまにとって良い一年であることを祈っています」と話した。

(2022年1月16日付紙面より)

セミを取り合う参列者ら=13日、太地町の飛鳥神社
髙橋正樹宮司が弓を構える
2022年01月16日
74 児童46人が受験
 近大新宮中で前期入試  (新宮市 )

 新宮市の近畿大学附属新宮中学校(池上博基校長)は15日、中高一貫コースの前期入学試験を実施した。児童46人(男子17、女子29)が受験し、国語と算数の筆記試験や面接に臨んだ。

 試験実施に当たり同校は▽試験室の机・椅子の消毒▽受け付けでの手指消毒と検温▽換気▽付き添いの保護者を1人に制限―などの新型コロナウイルス感染対策を取った。

 緊張した表情で入室した児童たちは、教職員から受験に関する諸注意を受け、気を引き締めて試験の問題に向かった。合格発表は19日(水)に、本人宛てに試験結果通知書が郵送される。

 後期入学試験の出願期間は2月2日(水)~7日(月)必着。試験日は12日(土)、合格発表は16日(水)を予定している。

  □     □

■高校前期入試日程

 近畿大学附属新宮高校の前期AO入学試験および一般入学試験の出願期間は1月19日(水)~25日(火)必着。試験日は29日(土)、合格発表は2月2日(水)に試験結果通知書を本人と出身中学校長宛てに発送する。

 問い合わせは近畿大学附属新宮高校・中学校(電話0735・22・2005)まで。

(2022年1月16日付紙面より)

試験に臨む児童たち=15日、新宮市の近畿大学附属新宮中学校
2022年01月16日
75 「感染予防に協力を」  見守り兼ねコロナ対策物品配布  (新宮市梅の木・広角町内会 )
2022年01月16日
76 西川流友華会新年に舞う  おさらい会と伝統文化親子教室発表会  (新宮市 )
2022年01月16日
77 お正月気分を満喫  丹鶴幼で新春お楽しみ会  (新宮市 )
2022年01月16日
78 自転車道PRを目的に  紀南高と道の駅協議会のコラボ企画始まる  (熊野市 )
2022年01月16日
79 新年の干支登山を楽しむ  山歩き部会が虎ケ峰へ  
2022年01月16日
80 町関連施設を休館、閉所に  独自の新型コロナタイムライン  (紀宝町 )
2022年01月13日
81 岡さんと市村さんが受賞
 「ふるさとの田んぼと水」子ども絵画展  (北山小 )

 全国水土里(みどり)ネットが主催する「ふるさとの田んぼと水」子ども絵画展2021の審査結果がこのほど発表され、北山村立北山小学校(松本広明校長)の岡こころさん(6年)が文部科学大臣賞、市村亜莉朱(ありす)さん(同)が日本政策金融公庫農林水産事業本部長賞を受賞した。11日には同村大沼の村民会館で表彰式が行われ、山口賢二村長から表彰状を受け取った。

 絵画展は子どもたちに田んぼや農村に関心を持ってもらい、田んぼやため池、農業用水路などの風景、大切な水路を守っている人たちの姿を通して水の循環や環境保全への理解を促し、大人たちへのメッセージとして子どもたちのまなざしを届けることを目的に毎年開催している。

 今年のテーマは「新発見!わたしたちのふるさと自慢」。全国4120点の中から入賞6点、企業賞27点、入選150点、地域団体賞45点が選出された。同校では初めての応募となり、2部門で受賞。2人の作品は昨年12月4日から11日まで東京都美術館に展示され、今後は今月末まで村民会館に飾られる。

 表彰式では、松本校長が受賞までの経緯を説明し「北山小、中学校のみんなにとっても誇りであり、自信につながります」とあいさつ。山口村長が「報告を受け驚いたと同時に、大変うれしくなった。今後も応募を続け、再び素晴らしい賞が得られるよう頑張ってください」とたたえ、岡さんと市村さんに表彰状を伝達した。

 岡さんは「こんなにいい賞を頂けてうれしいです。地域の特産物であるじゃばらを懸命に収穫している姿を伝えたいと思った。これからもいろんな作品で村のことを知ってもらいたい」。

 市村さんは「まさか自分が受賞できるとは思っていなかったのでうれしい。私が大好きな牛を育てている牧場の人を考えました。この先も絵など、たくさん描いていければ」と話していた。

(2022年1月13日付紙面より)

文部科学大臣賞を受賞した岡こころさん(左から2人目)と日本政策金融公庫農林水産事業本部長賞受賞の市村亜莉朱さん(同3人目)=11日、北山村大沼の村民会館(一時的にマスクを外して撮影)
山口賢二村長(右)から表彰状が手渡された
2022年01月13日
82 それぞれの視点で研究発表
 南紀熊野ジオパーク探偵団  

 南紀熊野ジオパークをフィールドに中高生が自然や環境について調査研究をする「南紀熊野ジオパーク探偵団」(団長=東垣(あずま・わたる)・南紀熊野ジオパークセンター長)の活動発表会が8日、オンラインで開かれた。漂着海洋ごみの調査に参加した県立新宮高校、海南高校、田辺高校の生徒や研究者ら約20人がそれぞれの視点で意見を交わした。

 昨年発足した同探偵団は「think locally, act globally(地域で考え、地球規模で行動)」をモットーに、地元が抱える問題解決に向けて生徒たちが自立的に考え、世界に情報発信していくことを目指している。本年度の研究テーマは「海洋環境を考える」で、昨年10月に有志の生徒らが新宮市の三輪崎海岸および白浜町の志原海岸で漂着海洋ごみの収集、分類、計量調査を実施した。

 新宮高校の坂本美波さん(2年)は社会科学の視点から、リデュース(ごみの発生抑制)、リユース(再使用)、リサイクル(再資源化)に向けて個人・企業が取り組むべきことを発表。「身近にある海のことですら知らないことが多かった。今後、国際交流の場で研究成果を発表する予定で、自分の視点を大事にしながら結果を伝えていきたい」と語った。

 寺地航琉君(同)と深瀬孔一朗君(同)は「生物に有害な環境ホルモンへの対策」と題し、両海岸で収集した環境ホルモンを含むと思われるごみの単位面積当たりの重さを算出して比較。「三輪崎海岸ではペットボトルが多かった」と言い、地域と協力してごみ収集に取り組む重要性を述べた。

 調査をサポートした京都大学学際融合教育研究推進センターの島村道代さん(地球環境科学博士)は、最新の研究にも触れつつ「昔は瓶などのリユースできる容器が一般的だったが、なぜプラスチックに置き換わったのか。経済合理性や歴史的背景を考えることも重要。環境ホルモンは、プラスチックへの添加物と、環境中に排出された殺虫剤成分DDTなどの汚染物質をプラスチックが吸着する作用の両面から考える必要がある」と言及。

 東団長は「とてもレベルが高かった。海洋ごみは漂着するものもあれば、太平洋で浮遊するもの、海底に沈降するものもある。世界規模の視野でも、ミクロの視点でも考える必要がある非常に面白い問題。皆さんの可能性は無限に広がっている。それぞれの視点を生かして研究を続けて」と講評した。

(2022年1月13日付紙面より)

生徒たちの研究発表の様子=8日
2022年01月13日
83 宇宙探究コース新設目指す
 串本古座高校で来年度から  (和歌山県 )

 和歌山県が12日、県立串本古座高校における普通科宇宙探究コース新設に向けた取り組みを来年度から始めることを発表した。

 小型ロケットの打ち上げ開始をきっかけとした県南部活性化のための取り組み。県教育委員会県立学校教育課と要する関係先との接点を複数有する県産業技術政策課が両輪となり、宇宙に関心を持つ生徒を県内外から呼び込んで生徒数確保を図りつつ同校魅力化プロジェクトを通して培っている地域との連携も生かして目的の達成を目指す。

 両課は2024年度に同コースを新設する着地点を見据えてロードマップを描いていて、22年度以降の全入学生を対象に総合的な探究の時間の単元として「宇宙関連学習」を導入し、併せて部活動における宇宙との接点の充実や関連イベントなどへの生徒参加を積極推進する。23年度普通科グローカルコース入学生を対象に選択科目「宇宙科目」〈2年生より選択可〉を暫定的に導入(コース新設に伴う再編の検討が今後あるため)し、24年度から普通科宇宙探究コースを選択できる筋書きとなっている。

 これら段階的に進む同マップの実現に向け、受け入れ側は22年度から2カ年計画でカリキュラムや広報戦略の検討を始め▽宇宙教育の専門的知見を有する者を教員として採用▽有識者や企業などによる検討委員会運営▽受け入れ環境の整備―など要する素地の構築を進めるという。宇宙専門のコース設置は公立高校では全国初の事例という。

(2022年1月13日付紙面より)

24年度の普通科宇宙探究コース新設が目指される県立串本古座高校=12日、串本町串本
2022年01月13日
84 正月の縁起木を展示中
 宇久井ビジターセンターで  (那智勝浦町 )

 正月に飾る赤い実といえばセンリョウ・マンリョウ・アリドオシ。「千両万両有り通し」の語呂合わせで、三つを並べて金運アップや商売繁盛の願掛けをする縁起物だ。

 アリドオシはとげのある見た目から別名「オニノメツキ」ともいい、一両に相当するのだが、実はその間の十両と百両に当たる植物もある。

 十両はヤブコウジ、百両はカラタチバナという植物で、いずれも冬につややかな赤い実を付ける常緑低木である。より大きな赤い実を付けるミヤマシキミを「億両」と呼ぶ人もいる。豪華な名前は、色味の少ない冬の森で、枝いっぱいに付いた実を大金になぞらえたからだそう。

 那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターでは現在、一両、十両、百両、千両、万両の五つの縁起木を並べて展示している。カラタチバナ以外は全て園地内で採取したもので、同センターは「それぞれの植物の違いなどを見比べてもらえれば」と呼び掛けている。

 開館時間は午前9時~午後5時で、水曜日休館。

(2022年1月13日付紙面より)

赤い実を付けた縁起木=11日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンター
2022年01月13日
85 自分で考えてから行動しよう  キッズ〝輝け〟スクール  (相野谷小 )
2022年01月13日
86 紀和警察官駐在所が完成  老朽化で建て替え  (熊野市紀和町 )
2022年01月13日
87 今年一年の平穏を祈願  初薬師の法要営む  (紀宝町 )
2022年01月13日
88 見守り兼ねて会員宅を訪問  すみれ町内会がマスク配布  (新宮市 )
2022年01月13日
89 「来年こそは盛大に」  青彦神社で春の例大祭  (那智勝浦町 )
2022年01月13日
90 規模縮小し神事と獅子舞斎行  市野々王子神社例大祭  (那智勝浦町 )
2022年01月13日
91 感謝忘れず大人への一歩  新成人を祝う会に18人  (田辺市本宮町 )
2022年01月13日
92 愛好者180人プレーに臨む グラウンドゴルフ「新年初打ち大会」 (串本町)
2022年01月13日
93 110番の適正利用求む  道の駅橋杭岩で街頭啓発  (串本警察署 )
2022年01月13日
94 稽古の成果いち早く披露  田並で創作中の作品公演  (串本町 )
2022年01月13日
95 お悔やみ情報
  
2022年01月07日
96 新春年賀会で決意新た
 新宮商工会議所  

 新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで5日、新宮商工会議所(関康之会頭)の新春年賀会が開催された。2年ぶりとなった今年の年賀会は、新型コロナウイルス感染症の情勢を踏まえ規模を縮小して実施。同会議所役員ら30人が出席し、新春をことほいだ。

 関会頭は冒頭のあいさつで、昨年はコロナ禍で多くの行事やイベントが中止となる中、市文化複合施設「丹鶴ホール」の開館や、串本太地道路起工式などの明るい話題もあったと振り返り「オミクロン株や人口減少・少子高齢化に伴う人手・人材不足、後継者問題など多くの事案があるが、中小企業が抱えるさまざまな諸問題に積極的に取り組み、経営改善普及事業をはじめ引き続き事業者に寄り添った伴走型の経営支援を行っていく」と誓いを新たにした。

 来賓として出席した田岡実千年市長は、長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コース運行や新宮港へのクルーズ客船入港がもたらす交流人口増加について触れるとともに、3月から運航開始予定の瀞峡観光船の集客効果にも期待し「今年はサイクルツーリズムにも力を入れていきたい」。

 「ウィズコロナ、アフターコロナを見据えてしっかりと準備をしなければ。皆さんのお力をお借りしながら、新宮市の魅力を発信していきたい」とあいさつした。

 榎本鉄也市議会議長は「コロナ禍も3年目を迎えるが、感染症の収束後には歴史が大きく変貌してきた史実がある。前向きに、市長と市議会が一丸となって問題に取り組み、市民の努力が報われる新宮市につながっていくように頑張りたい」。

 濱口太史県議は「県としても感染拡大を少しでも抑えるための対策に取り組んでいるが、経済は大きなダメージを受けている。疫病にも耐えられる体をつくることはひいてはまちの発展にもつながる」と述べ、市の発展に力を尽くすとした。

 同商工会議所の夏山晃一顧問が、同市出身の岩出雅之監督率いる帝京大学ラグビー部の活躍を明るい話題として紹介し乾杯の音頭。新年の門出を祝った。

(2022年1月7日付紙面より)

夏山晃一顧問の音頭で乾杯した=5日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテル
関康之会頭
2022年01月07日
97 全国女子駅伝選抜を報告
 潮岬在住の久保凛さんら  (串本町 )

 串本町潮岬在住の久保凛さん(13)=潮岬中2年=らが5日、皇后盃第40回全国都道府県対抗女子駅伝競争大会の和歌山県チームメンバーに選抜されたことを田嶋勝正町長へ報告した。

 この大会は、都道府県ごとに中学2年生~社会人選手で結成したチームを対象として年1回、京都市を舞台にし日本陸上競技連盟が主催している。西京極総合運動公園たけびしスタジアム京都をスタート・ゴール地点とする全長42・195㌔の折り返しコースを9区間でつなぐ駅伝で、第3、8区(いずれも距離3㌔)が中学生限定区間となっている。

 和歌山県チームを結成する和歌山陸上競技協会は昨年11月下旬実施の主催事業「第6回記録会」中学女子3000㍍種目を第3、8区走者候補の選考会と位置付け。久保さんは記録9分51秒99で1位となり、メンバーに選抜された。「出たいなと思っていた大会なので、メンバーに選ばれてうれしかった」と念願の選抜を喜んでいる。

 この日は祖母でありジュニア駅伝串本町チーム監督の久保浩子さんや教育委員会教育課の山崎幸三さんらと共に報告に臨み、田嶋町長は「県代表に選ばれるのは素晴らしいこと。最高のコンディションで最大の力を出して頑張ってほしい」と激励するなどした。

 同大会は16日(日)午後0時30分スタート予定。同県チームはその直前で選抜3人(同種目1~3位)の中から出走者を決めるとしていて、良好にコンディションと実力を保てれば1位の久保凛さんの出走は大いに期待できるという。久保さんは「走るかどうかはまだ分からないけれど、走るなら前の人をできる限り抜いて次の人(=第4区走者)につなぎたい」と実現の自信をにじませながら意気込みを語った。

 同大会を共催する日本放送協会(NHK)によると5日現在、実施時はNHK総合テレビなどで様子を報じる予定という。

(2022年1月7日付紙面より)

全国女子駅伝和歌山県チームメンバー選抜を報告する久保凛さん(中)ら=5日、串本町役場
2022年01月07日
98 共通の目的持ち進む
 賀詞交歓会で結束固める  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の南紀くろしお商工会は、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、町水産振興会、南紀勝浦温泉旅館組合の協力の下に5日、町体育文化会館で、2年ぶりとなる「新春の集い!~賀詞交歓会~」を開き、関係者ら約70人が参加した。

 賀詞交歓会は商工業、観光、水産が一体となり町の活性化に寄与することが目的。新型コロナウイルス流行前までは毎年開催されていた。

 南紀くろしお商工会の森川起安会長は、コロナ禍の現状からGoToトラベルキャンペーンの再開やインバウンドが戻ってくることなどに触れ、終息後が肝要だと主張。今回配布されたパンフレットの「目的に向かって準備を積み重ねる時」「ポストコロナに向け、(略)共通の目的を持って、持続可能な取組を図っていきましょう」の一文を紹介した。

 今後については「観光協会の解散を巡ってさまざまなことがあったが、ラグビーで言うところの『ノーサイド』としてはどうか。熊野信仰やよみがえりの地、風光明媚(めいび)な自然、温泉、マグロがある那智勝浦町にとって最大のチャンスになる。行政や関係機関、団体、地域が一つとなって進む寅(とら)年であってほしい」と話した。

 堀順一郎町長はこれまで町が実施してきたまちなか商品券などのコロナ対策や新宮市立医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)予約休止に関する対応など報告。「観光客は文化や幸せな町を見に来る。そのためには町民の方々が幸せと思えるような町にしていきたい」と語った。

 また、この日は感染症対策のため、国歌や「一月一日」は歌わず、曲が流されたほか、恒例の鏡割りも行わなかった。荒尾典男町議会議長の乾杯の後、出席者は新年の抱負などを歓談し、交流した。

(2022年1月7日付紙面より)

町の発展を祈り乾杯した=5日、那智勝浦町体育文化会館
2022年01月07日
99 新春の森にかれんな花  バイカオウレン咲く  (古座川町 )
2022年01月07日
100 農福連携食品5品で認証  規格「ノウフクJAS」  (エコ工房四季 )
2022年01月07日
101 接種問わず検査など無料  和歌山県  
2022年01月07日
102 185人乗せ、にっぽん丸入港  新宮市  
2022年01月07日
103 若い人に贈る読書のすすめ  新宮市立図書館  
2022年01月07日
104 渡邉小姫さんが特別賞  中学生人権作文コンテスト  (那智勝浦町 )
2022年01月07日
105 町の安心、安全確保を決意  御浜町消防出初め式  
2022年01月07日
106 熊野大花火大会開催へ意欲  河上市長が年頭会見  (熊野市 )
2022年01月07日
107 団員一丸で防災意識誓う 感染症対策講じて消防出初め式 (紀宝町)
2022年01月07日
108 この一年、どんな年に?  新宮高校で始業式  
2022年01月07日
109 お悔やみ情報
  
2022年01月05日
110 近年ない水揚げに活気
 恒例のマグロ初市  (那智勝浦町 )

 はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量が日本一の那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で4日、初市が行われた。この日は高知、徳島、沖縄、宮崎、千葉、和歌山県みなべ町のはえ縄漁船7隻がメバチ、キハダ、ビンチョウの各マグロなど約52㌧を水揚げした。初市においては近年にない水揚げとなり、市場は50社約70人の仲買人が集まり活気づいた。クロマグロの水揚げはなかった。

 初市開始前の午前6時50分ごろには式典が開かれ、堀順一郎町長はマグロの水揚げや町の水産振興に寄与する関係者らに感謝を述べ、「クロマグロの漁獲枠も増えたことは明るい兆し。町としてもさまざまな環境整備などにも尽力していきたい」と話した。

 続いて、和歌山県漁業協同組合連合会の額田浩事務局長と勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長があいさつ。同町議会の荒尾典男議長の音頭で乾杯後、初市が開始された。

 県漁連勝浦市場の太田直久市場長は「初競りでの約52㌧は最近ではない漁獲量なので、上々の滑り出し。漁師の方によると、近海の漁場でビンチョウも釣れだしていると聞いている」と喜んだ。

 資源の回復などから昨年12月の国際会議でクロマグロの漁獲枠が15%増となったことについては「各船に割り当てがあり、漁獲量としても増えると思う。昨年はコロナ禍で値段が下がっていたため、今年は落ち着いてほしい。勝浦で良いクロマグロが取れ、良い値が付くことを期待しています」と語った。

 初市の水揚げ量はメバチが約300本、キハダ約200本、ビンチョウが約3000本の約52㌧だった。近畿や関東、東海地方へ出荷される。

(2022年1月5日付紙面より)

滑り出しが上々となった初市の様子=4日早朝、那智勝浦町の勝浦地方卸売市場
2022年01月05日
111 新たな一年がスタート
 官公庁で仕事始め式  

 和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。

  □     □

■新宮市



 新宮市役所別館であった仕事始め式には、職員や来賓の榎本鉄也市議会議長や東原伸也副議長ら約70人が出席した。田岡実千年市長が「『市政は市民のために』を忘れることなく、公約の実行や諸課題の解決に向けた取り組みを誠心誠意進めていく」と所感表明。

 新型コロナウイルス対策やワクチン追加接種、市内経済の回復、防災、エコ広場、子育て支援策、市文化複合施設「丹鶴ホール」を中心とした文化振興・事業展開などを掲げ「市民生活に密着したソフト事業を強く推進していく」。

 また、福祉や教育、医療、医師確保などのさまざまな諸課題に対し「『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を目指し、職員と共に渾身(こんしん)の力を込め取り組んでいく」と誓いを新たに。

 職員に向け「コロナ禍3年目。今年はウィズコロナ、アフターコロナを見据えた準備も必要。市民のため、市のためにしっかりと職務に取り組んでほしい」と訓示した。

 榎本議長は「行政の真価が問われる時代となってきた。まだまだコロナ禍ではあるが、一丸となりまちの活性化のために市政発展の期待に応えてほしい」とあいさつ。速水盛康教育長が「これから先の展望をしっかりと築いて見据えながら、市の発展にご協力を」と述べ、万歳三唱で士気を高めた。

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■那智勝浦町



 那智勝浦町では、庁舎大会議室で仕事始め式を開いた。約50人の管理職の職員が出席し、今年一年の業務に取り組むに当たり、気持ちを新たにした。

 町歌を斉唱後、堀順一郎町長は新型コロナウイルスの感染防止対策強化を提言。現在進める感染症関連の経済対策に触れ、「アンテナを張り巡らしていただき、町内で本当にお困りの方々を支援できるようにしたい。全国で実施するさまざまな取り組みの情報収集にも力を注いでほしい」。

 新年度予算や若い職員への指導については「予算策定は何のために、誰のために行うのかを改めて考えてほしい。そして自分たちの仕事の意義についても考え、率先して若い職員の方々にも周知してほしい。今年も大変な一年になるかと思うが、奮起して取り組んでください」と呼び掛けた。

(2022年1月5日付紙面より)

万歳三唱で士気を高めた=4日、新宮市役所別館
堀順一郎町長の訓示に気持ちを新たにする職員たち=同日、那智勝浦町役場
2022年01月05日
112 皇室や国家の安寧祈る 熊野三山で元始祭 

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の熊野三山で3日、皇室の弥栄(いやさか)や国家安泰、氏子、崇敬者の願望成就などを祈願する元始祭が厳かに執り行われた。

  □     □

■熊野速玉大社



 熊野速玉大社では、斎主を務めた上野潤権宮司が祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが国の平穏無事を願い「浦安の舞」を奉納し神職らが玉串をささげた。

 神事を終え、上野権宮司は1940(昭和15)年に皇紀2600年を祝って作られた神楽「浦安の舞」の歌詞「天地(あめつち)の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」に言及。「波風が立たず平和であってほしいとの祈りが込められている。今年は皇紀2682年。新型コロナや自然災害など、避けることのできない災いもあるが戦争は人間が生んだ災い。一人一人が地球環境や世の中のことを真剣に考えて手を携えていかなければ。個々の幸せとともに平和な世の中のために祈る一年になれば」と思いを語った。

  □     □

■熊野那智大社



 熊野那智大社では、本社と別宮・飛瀧(ひろう)神社で天皇の御位の大元始めをことほぎ、皇室の悠久と国運の隆昌(りゅうしょう)を祈った。

 飛瀧神社では、那智の滝に向かい男成宮司が祝詞を奏上。巫女が「那智の瀧舞」を舞う姿を、参拝客がカメラや動画に収めるなどし見物した。

 男成宮司は昨年と比較し年末年始の参拝客が増加したとし、「多くの方々にご参拝いただきありがたい。皇室の弥栄とともに皆さまの幸せや地域の繁栄をお祈りした。国民の一番の願いである新型コロナウイルスの終息も祈願いたしました」と語った。

  □     □

■熊野本宮大社



 熊野本宮大社では、関係者ら13人が参列。九鬼宮司が祝詞を奏上した後、参列者が玉串をささげていった。

 神事を終えた九鬼宮司は参列者に対し「この約2年間、新型コロナウイルスや変異株などにより厳しい状況が続いている。『今』という時間を大切にし、前へと進んでいただきたい」とあいさつ。

 毎年、元始祭に合わせて参拝を行っているという「まなご充敏後援会『真清会』」の竹中伸会長は「今年も滞りなく終えることができ安心した。今後の市の発展などを祈願した」と話していた。

(2022年1月5日付紙面より)

上野潤権宮司ら神職が玉串を供えた=3日、新宮市の熊野速玉大社
那智の滝を前に神事が営まれた=同日、那智勝浦町那智山の飛瀧神社
九鬼家隆宮司が祝詞を奏上=同日、田辺市本宮町の熊野本宮大社
2022年01月05日
113 建築業界の発展を願い
 新宮建築組合が釿始式  (熊野速玉大社 )

 新宮建築組合(廣田昌弘組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。

 釿始式は同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、建築業界の発展を願い現在は同組合が継承している。

 この日は組合員約20人が参列。白装束に烏帽子(えぼし)姿の東友一郎さん(51)がヒノキの原木(樹齢約100年超、長さ約4・2㍍、直径約23㌢)をお神酒で清め、伊勢田宣延さん(48)と柚木芳文さん(48)が墨を打った後、東さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けていった。

 神事後、上野宮司は参列者に釿始めの歴史を紹介し「自然の中にある温かみや慈しみ、素晴らしい聖なるものを大切にするのが日本の民族。今年も一年、建築業界の発展を願っています」と奉仕に対して感謝を述べた。

 廣田組合長(60)は「コロナの影響もあり、厳しい状況ではありますが、例年通り斎行することができて安心しました。気持ちを新たに頑張り、伝統を絶やさないよう若い人たちに継承していければ」と話していた。

(2022年1月5日付紙面より)

原木に「釿」を打ち付ける東友一郎さん=4日、熊野速玉大社
釿始式に参列した皆さん(一時的にマスクを外して撮影)
2022年01月05日
114 町民目線の姿勢求める  役場本庁で仕事始め式  (古座川町 )
2022年01月05日
115 103人出席して心新たに  文化センターで成人式  (串本町 )
2022年01月05日
116 国家安泰やコロナ終息願う  王子神社で歳旦祭  (新宮市 )
2022年01月05日
117 2022年がスタート  熊野地方でも初日の出参り  
2022年01月05日
118 自覚持って新たな門出  成人式に106人  (那智勝浦町 )
2022年01月05日
119 良い一年になるよう願い  東仙寺で「除夜の鐘」  (新宮市 )
2022年01月05日
120 一年の平安など祈願  新年知らせる初太鼓  (熊野速玉大社 )
2022年01月05日
121 熊野水軍太鼓が奉納演奏  烏止野神社で初詣客を前に  (紀宝町 )
2022年01月05日
122 平穏な新年を祈る  元日の夜空彩る「新春花火大会」  (熊野市 )
2022年01月05日
123 「今の時代を生きていきたい」  成人式でそれぞれの思い胸に  (紀宝町、御浜町 )
2022年01月05日
124 お悔やみ情報