文化財防火デーで訓練 (熊野速玉大社 )
文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。消防関係者や神職、地域住民ら53人が参加し、連携体制を確認した。
今年で65回目となる訓練は午前9時に大社裏の雑木林から出火し、大社自衛消防隊らによる懸命な消火活動にもかかわらず拝殿に延焼する恐れがあると想定。神職たちが放水銃で初期消火をした後、駆け付けた消防署員や団員たちが放水し、丹鶴婦人防火クラブ会員やみこたちが文化財を運び出した。
訓練後、整列した関係者たちを前に速水盛康教育長は「多くの方々の努力により、文化財を守り、育て、伝えていく活動の一端を担っていただいている。文化財の大切さを次世代に向けて発信していきたい」。
上野宮司は「同社は町と隣接しており、われわれはもちろん周囲の方々にも防火意識を持っていただくことが必要。ここには1205点の国宝と重要文化財があり、市のシンボルの一つでもあります。今後とも皆さんの力添えを」とさらなる協力を呼び掛けた。
川嶋基正消防長は「皆さんが一生懸命に練習を重ね、成果が十分に発揮された訓練で大変頼もしく思いました。今後も連携を強化していただき、安心、安全のために訓練を継続してもらいたい」と講評した。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。
(2019年1月26日付紙面より)
市野々小学校で租税教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(速水直樹校長)で24日、租税教室があった。5、6年生12人は新宮納税協会青年部の瀬古伸一郎さんから税金の使い道や大切さを教わった。
アニメーション教材の上映があり、主人公が税金のない世界で困難に直面する姿から、警察や消防、義務教育などの社会基盤が税金で支えられていることを児童らは知った。用意された1000万円の札束10個からなる1億円の札束の見本を手に取り、金額の重みも実感した。
瀬古さんは、学校の建設費は約13億円、公立小学校の教育費は6年間で1人当たり約536万円かかること、それらが税金で賄われていることをクイズ形式で紹介し、「税金は生活を維持するための会費のようなもの。税金に興味を持ち、未来の自分について考えてみてください。家に帰ったら今日学んだことを家族にも伝えてください」と呼び掛けた。
(2019年1月26日付紙面より)
樫野のキンカン集荷始まる (串本町 )
串本町樫野の特産柑橘(かんきつ)類・キンカンの集荷が25日、JA紀南樫野金柑加工場で始まった。JA紀南は、昨年相次いだ台風の影響があるものの例年並みとなる約6㌧の集荷量を今期に期待。早いところでは町内のAコープ紀南VASEO店でこの週末から生果の取り扱いを始めるという。
明治末期に始まり、太平洋戦争後に大きく栄えた経緯がある樫野のキンカン栽培。近年は生産者の高齢化と後継者不足で減衰傾向にあるが、長らく続き町の木にも指定されているキンカンの栽培を絶やしてはいけないという思いでJA紀南と生産者の両輪により今も生産が続いている。
今期出荷する生産者は9軒で、作付面積は計約90㌃。集荷初日のこの日は2軒が計約150㌔を出荷し、直径4㌢前後に達する4LからMまで、5種類の階級の実がそろった。荷受け後は直ちに生果用の実の選別作業を行い、傷や黒点、熟度を目安にして秀・優・良の3等級に分けた。
等級は得ていないが階級がM以上で腐りがない実も加工用として集荷していて、2月から加工作業を始め、ジャムやジュースなどを製造するという。
今期の作柄について、この日真っ先に出荷した堀口千代子さん(81)は「他も同じかどうかは分からないが、私のところは台風のせいで傷ついたり黒点が入った実が多く、割れたり色づく前に落ちてしまった実もたくさんあった。味は変わらず良いけれど、今年は去年ほど採れそうにない。他の生産者は今しばらく色づくのを待ち、2月から出荷を始めると話している」とコメント。
選別作業に当たったJA紀南の嶋本勝信・高富集出荷場長によると、集荷は週2回の頻度で3月末まで続け、流通先は集荷量との兼ね合いで、今期も県内に留めるという。
(2019年1月26日付紙面より)
神内の延命地蔵で例祭 (紀宝町 )
紀宝町神内の延命地蔵で24日、例祭が執り行われ、餅ほりで集まった多くの住民らでにぎわった。
延命地蔵は岩穴に祠(ほこら)があり、近くに滝があることから「滝の地蔵大岩」とも呼ばれている。神内音頭の一節に「滝の地蔵」と歌われている。
例祭は毎年1月24日に行われており、同地区の善光寺で一村桂晋住職による水子菩薩地蔵などの供養も執り行われた。
山の中腹にある延命地蔵には、還暦や厄年を迎えた住民らがお参りし、厄払い法要があった。お参りした人には「延命」と書かれた餅を配った。
地蔵から下った広場で餅ほりがあり、地元住民らが広場を埋めた。子どもたちも参加し、「こっちほって」の大合唱が響き渡った。
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■延命地蔵
この地蔵様は別名「滝の地蔵」とも呼ばれ、オムラの池の下方の谷間にある。奇岩(みさごの岩)の上を滝(大洞の滝)が流れ、その岩窟(がんくつ)に祠があり中に祀られている石造の地蔵様は、座像ではなく片膝をついた姿勢(膝立=ひざたて=地蔵)である。言い伝えによると、祀(まつ)り始められた当時この地域は争い事が多く、地蔵様はいつでも立ち上がり、この村の助勢ができるように身構えてくれていたとのことである。(『神内の伝承や昔話』より)
(2019年1月26日付紙面より)
小学生男女、オープンの部
台湾から姉妹校生徒ら来校 (新宮高校 )
県立新宮高校(前田成穂校長)に23日、同校姉妹校の台湾國立彰化女子高級中學(陳香妘校長)の生徒66人と教職員5人の計71人が来校した。両校は、県が国際交流を目的に台湾の修学旅行誘致を始めたことをきっかけに2004(平成16)年から交流。14(平成26)年3月に正式に姉妹校提携を交わしている。
彰化女子の到着後、新宮高ESS部員による学校紹介と校内ツアーがあり、その後には同校体育館で全校生徒による歓迎式典が開かれた。前田校長が「大家好(ダージャーハオ)」と歓迎。「交流を通して関係や協力体制を深めていければ」などと英語であいさつした。生徒会長の古根川健君(2年)が「新宮高校と日本に興味を持ってくれたら幸いです。私たちもあなたたちの国のことを教えてほしいです。日本での滞在を楽しんでください」と英語で歓迎の言葉を述べた。
彰化女子からは学部主任の丁志昱団長が「交流活動を通して異文化を体験し、姉妹校として末長くお付き合いさせていただきたい」。代表生徒は「これを機会に日本文化や風習などを勉強できれば」とスピーチ。両校は記念品を交換し、親交を深め合った。
空手部と吹奏楽部による歓迎発表があり、彰化女子の生徒らは興味深げに空手の形に見入り、演奏に手拍子を送って盛り上げた。彰化女子は日本のアニメ曲に合わせてダンスを披露するなどして友好関係を育んだ。
新宮高は、3月14日(木)から代表生徒ら20人と教員2人が台湾への海外研修旅行を行う。彰化女子を訪れ交流を深めるほか、生徒宅へのホームステイや台北での歴史文化学習を予定している。
(2019年1月25日付紙面より)
認知症サポ増を目指して (串本町 )
串本町地域包括支援センターはこのほど、認知症サポーターであることを知らせる缶バッジ300個を作り、同町として行う同サポーター養成講座修了者への配布を始めた。
同サポーターは厚生労働省「認知症を知り地域をつくる10カ年」(2005―15)の一環で導入された制度。同講座修了者にノベルティ「オレンジリング」(シリコン製ブレスレット)を託す形で同サポーターの裾野を全国規模で広げている。
同町は、認知症になっても安心して暮らせるまちづくりを目指して2010(平成22)年から同講座を実施している。これまでに約350人が修了しているが、人口に対して2%という実績は県内でも低い域に当たり、その割合を高め地域による見守りを充実するきっかけとしてこの缶バッジを町独自のノベルティとして導入することにした。
直径約4㌢で、ピンとクリップの両用タイプ。オレンジリングをイメージした輪の中に日本トルコ友好キャラクター「まぐトル」を描いたデザインを採用している。リング以上に目立つところにつける事が多いバッジの特性を生かして同サポーターであることをいっそう分かりやすくするとともに、なじみ深いキャラクターの姿で見た人の関心を引き同サポーターへの関心を高めるのが狙い。関心の延長で同講座の実施頻度を上げ、町域における修了者の裾野拡大を図るという筋書きだ。
同講座は90分の内容で、10人以上の受講と会場が確保できる状況であれば同センターに依頼して出前実施してもらえる。受講は無料で、修了者には同サポーターのノベルティとしてオレンジリングと缶バッジの両方が託される。
喫緊では町職員を対象にして同講座を開く予定。同センターの中まどかさんは「この講座は認知症や患者の気持ち、接し方を正しく理解するところがポイント。串本町も高齢化率が40%を超え、厚生労働省の指標によると高齢者の4人に1人が認知症またはその予備群とされている。そのような状況だからこそ、認知症サポーターを増やし地域で見守る目を宿したい。一人でも多くの町民の皆さまにこの講座を受講してほしい」と缶バッジに込めた思いを語った。
同講座の実施依頼や認知症関係の相談、問い合わせは同センター(電話0735・62・6005)まで。
(2019年1月25日付紙面より)
推進フォーラムin紀宝
「地域とともにある学校づくりに向けて」と題したコミュニティ・スクール推進フォーラムin紀宝が23日、紀宝町生涯学習センターまなびの郷研修室で開かれた。松阪市立第四小学校学校運営協議会理事長の鈴木逸郎さんが「コミュニティ・スクールを起点とした地域づくり」をテーマに講演した。
コミュニティ・スクール(学校運営協議会制度)は、学校と家庭、地域が知恵を出し合い、学校運営に意見を反映させる仕組み。今年度、町内全小中学校に協議会を導入し、町学校運営協議会連絡協議会(山田十司会長)が発足した。
フォーラムは町教育委員会(西章教育長)と同連絡協議会が主催。町内各学校の運営協議会委員、PTA、教員など約70人が出席した。
西教育長が地域の見守り活動に感謝し、「今年度、町内七つの小中学校がコミュニティ・スクールとして再スタートを切った。子どもたちが豊かに育つようご協力を」、山田会長は「コミュニティ・スクールを皆さんの力で地域に広げてください」とあいさつした。
鈴木さんは、「子どもたちの『生きる力』は、多様な人々と関わり、さまざまな経験を重ねていく中で育まれるものであり、学校のみで育まれるものではない。地域社会とのつながりの中で、子どもたちは豊かでたくましく成長していく」と示した。
第四小学校の取り組みを紹介した上で、「学校は地域コミュニティの核。地域に愛着と誇りを持ち、地域の未来を切り開く人材の育成を」と求め、「子どもたちが大人になった時、帰ってきたくなる紀宝町になろう」と呼び掛けた。
講演後、町内各小学校の校長らが学校運営協議会の活動を紹介した。
(2019年1月25日付紙面より)
加寿地蔵尊で初地蔵祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の加寿地蔵尊で24日、初地蔵祭が営まれた。加寿地蔵尊世話人会(中田勝康代表)が奉仕した。
毎月24日は地蔵菩薩の縁日で、この日は信仰厚い多くの人々が参拝した。午前10時からの法要では中田代表、修験道者の冨岡秀清さんが般若心経、地蔵菩薩の真言を唱え、参列者の健康や家内安全を祈願した。
参列者らは、赤いよだれかけに子どもの健康や合格祈願などの願を掛けて奉納した。夫婦で参拝した田中秀薬(一平)さん(79)、芙空(芙代子)さんは、四国遍路を30年かけて75回巡り、100回を目指している。那智山青岸渡寺、補陀洛山寺、熊野那智大社へのお参りも810回、毎月24日の加寿地蔵尊への参拝も欠かさないと話し、「お参りを通していろいろな方との一期一会、健康であることに感謝しています」と笑顔を見せた。
(2019年1月25日付紙面より)
中学生男女の部
ヘリによるホイスト訓練実施 (新宮警察署 )
新宮警察署(大髙圭司署長)と県警航空隊は16日、新宮市新宮の同署南側空き地で災害警備訓練を実施した。同署の第二機動隊員ら15人が大規模災害発生時を見据え、県警ヘリコプターBK117B―2型「きのくに」による被災者救助訓練を行った。
署員の防災意識高揚と迅速な体制の確立、対処能力、救助能力の向上などが目的。阪神・淡路大震災(1995年)が発生した1月17日に合わせて毎年実施している。
この日の訓練では、南海トラフ地震や水害などの大規模災害の際に道路が途絶したり、中州に人が取り残された状況を想定した。急病人やけが人に救助用具を装着させ、ヘリに搭載されているホイストクレーンでつり上げて搬送する一連の動きを確認し合った。
県警航空隊は「きのくに」に関して「時速は200㌔。3000㍍まで上昇する。天候などにもよるが、和歌山市から新宮市まで早ければ30分で到着できる」などと説明。災害時には搭載さ
れた「ヘリコプターテレビシステム」で地上の状況を中継し、被害状況を把握する。遭難者などに呼び掛けを行うためのスピーカーも搭載している。
訓練後、同署の木村光太郎警備課長は「災害時にはヘリが一番力を発揮するのでは。今日のようなホイスト訓練を重ねることで、署員の救助能力の向上に努めたい」と話していた。
(2019年1月18日付紙面より)
「御燈祭り」を前に仲之町で (新宮市 )
新宮市の神倉神社で2月6日(水)に営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」を前に、同市の仲之町アーケードに長さ1・8㍍のジャンボたいまつが登場した=写真。
仲之町商店街振興組合(福田一郎理事長)の組合員たちが祭りを盛り上げようと20年以上前から毎年この時期にリフトを使って長さ約370㍍のアーケードに取り付けている。組合員たちが傷みを補修しながらつるしており、たいまつの側面には「世界平和」「商売繁盛」「天下泰平」などの文字を入れている。今後はのぼりも設置する予定。
熊野地方に春の訪れを告げる「御燈祭り」は1400年前から続くといわれる全国でも珍しい女人禁制の火祭り。白装束に荒縄を胴に巻き、わらじを履いた「上がり子」と呼ばれる祈願者たちが、御神火がついたたいまつを手に538段の石段を下る。
(2019年1月18日付紙面より)
年末年始の観光動態まとまる (串本町 )
串本町の年末年始(昨年12月30日~今年1月3日)の観光動態が15日にまとまった。宿泊、日帰り合わせて推計延べ4万483人が来町。前回の年末年始と比較して11・5%の伸びになったという。
同町の昨年の大きな環境変化として宿泊施設「大江戸温泉物語南紀串本」の開業があり、他方では同施設や市販車のロケなどCM効果、国指定天然記念物・橋杭岩で相次いだ観光面での高評価、日本ロマンチスト協会による恋する灯台のまち認定など町外における話題性も例年に増して充実していた。
そのような状況の中で迎えた年末年始の繁忙。推計の内訳は宿泊が8162人(前回より71・1%増)、日帰りが3万2321人(同2・4%増)で、濵地弘貴産業課長は、宿泊の大幅増は大江戸温泉物語南紀串本だけでなくホテル&リゾーツ和歌山串本の伸びも含まれるとし、対して日帰りが微増にとどまった要因の一つに宿泊環境の充実に伴う日帰りから宿泊への移行も見据えている。
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繁忙の中でも特に際立ったのが、元日の初日の出観望。昨今の繁忙傾向を踏まえて昨年末、臨時駐車場として▽橋杭漁港内約40台分▽橋杭園地内約112台分▽潮岬望楼の芝内約400台分―を指定し看板設置や警備員配置などによる誘導を行うとともに、国や県にも協力を得ながら初日の出の位置が紀伊大島に隠れる橋杭岩から観望できる望楼の芝への誘導にも力を入れた。
橋杭岩周辺は元日未明にキャンピングカーなどで道の駅くしもと橋杭岩と同漁港内の各駐車場が満車になり、日の出時刻直前には橋杭海水浴場駐車場や準備した臨時駐車場など全て満車になった。望楼の芝は午前5時ごろに満車に達したとみられ、役場産業課職員が元日返上で駐車場をでき得る限り拡張して誘導するなど現場対応に当たったが結果的に誘導しきれない勢いで見物客が集まり、直前の駆け込みに伴う事故防止のため満車の看板を掲げて駐車を断る対応を取った。警備に当たった事業者から550台以上の駐車があったと報告を受けているという。
今回の状況を踏まえて同課は、有効だった手立てと今後取り組むべき手立てを取りまとめて次回に引き継ぐとしている。
(2019年1月18日付紙面より)
井関青彦神社で例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町にある井関青彦神社で13日、春の例大祭が営まれた。午前の神事では五穀豊穣(ほうじょう)と厄払いを祈願し、宮総代や獅子舞を奉納する神楽会、子どもみこし会などが参列した。
お弓行事では最初に神主役の中村悠寿君(13)が弓を引き的を射抜いた。続いて兄弓、中弓、弟弓の6人の弓子が矢を放った。的に当たるとどよめきが起こり、拍手喝采。中村君は「真ん中の的近くに当たってよかった。安心した」と話していた。
的を射た弓子の親族が胴上げされ、集まった区民や関係者に大きな笑い声と笑顔があふれた。同時間帯には子どもたちのみこしがにぎやかに区内を練り歩いた。
午後は井関宝寿寺近くの弁財天に神楽を奉納し、同寺境内では「幣の舞」「乱の舞」「神明の舞」「剣の舞」の獅子神楽が奉納された。その後の餅まきは多くの住民で大変なにぎわいだった。
(2019年1月18日付紙面より)
県ソフトテニスインドア選手権大会
県高校剣道新人大会
優勝は敦賀FC、3位は斑鳩FC (新宮SSS招待兼ヤタガラスカップ )
神倉神社の石段検分 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で2月6日(水)に営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」に備え、関係者らが15日、石段の安全を点検した。ひび割れなどが112カ所見つかり、祭り当日までに修繕する。
点検には猪飼三雄・神倉神社奉賛会長、中山忠吏・神倉青年団長をはじめ、杉下和夫・市消防団丹鶴分団長、市観光協会の職員など計13人が参加。鎌倉幕府初代将軍・源頼朝(1147~99年)が寄進したと伝わる自然石を積み上げた538段の石段を一段ずつチェックし、石が動くなど問題箇所にチョークで印を付けた。
祭り関係者たちは点検終了後、熊野速玉大社で開かれた「御燈祭り事故防止協議会」に出席。参加者や見学者にけが人が出ないよう各関係団体が協力し、安全確保に努めることを確認した。
御燈祭りは1400年以上前から続くと伝わる祭りで、2016年3月に国の重要無形民俗文化財に指定された。白装束に荒縄を巻いた「上(あ)がり子」と称する参拝者が神倉山上でたいまつに御神火を受け、山門の開扉とともに急峻(きゅうしゅん)な石段を一気に駆け下りる。
猪飼会長は「近年は全体的にマナーも良くなってきていると思います。上がり子さんや見学者などに、けががないよう入念な安全確保に努めます」と話していた。
(2019年1月16日付紙面より)
創業ファーストステップ講座に15人 (新宮市 )
新宮市井の沢の新宮商工会議所で12日、伴走型小規模事業者支援推進事業「輝く女性のために! 創業ファーストステップ講座~ビジネスをカタチにしよう~」があった。(株)リフェイス代表取締役で中小企業診断士の中村佳織さんが、創業に興味のある人など15人に向け、創業の基礎について講義した。
中村さんは起業者の成功事例を紹介し「自分の技術やアイデアを事業化したい、社会に役立つ仕事がしたいなど、創業には動機が必要。強く、熱く、明確な動機を持ってほしい」と聴講者に呼び掛けた。動機付けの重要性について「もうけようと思っているだけでは続けられない。強く明確な動機があれば、困難に陥ったときにくじけずに頑張れる。事業の方向性もブレにくくなる」と説明した。
起業した際のメリットとデメリットについても触れ「デメリットやリスクを受け入れる覚悟をしっかり持っていただいた上で、どんなビジネスにするかを考えて」。
中村さんは、まずは分析をすることが重要と述べ、自分自身(内部環境)と自分の周り(外部環境)を分析することを推奨した。「自分自身を分析し、事業に生かせる強みと克服すべき弱みを改めて認識してほしい」と話していた。
(2019年1月16日付紙面より)
峯の薬師如来堂厨子開帳 (古座川町 )
古座川町峯にある薬師如来堂で12日、同堂守護職の水本一男さんにより本尊など仏像群を納めた厨子が開帳され随時参拝を集めた。
同堂は大字立合の集会所前に架かる峯口橋を渡り、すぐ先のT字路を左へ上った山腹に位置。受け継がれる厨子は江戸時代に峯に伝わったとされ、本尊の薬師如来と日光菩薩と月光菩薩(以上薬師三尊)、十二神将の各仏像が安置されている。
普段は秘仏として厨子は閉じられ、毎年1月12日の日中のみ開帳している。今年は時折小雨が降る中で開帳する形となり、水本さんは当日の天気を見越してあらかじめ境内にブルーシートを屋根代わりに張って参拝者を迎えた。
午前7時から絶え間なく参拝があり、堂内で開帳された本尊などにじかに信心を注いだ参拝者は、その後も水本さんや居合わせた参拝者との談笑を楽しむなどして過ごした。堂内では護符や餅、境内では水本さんが毎年手作りしているタケの菓子台にお下がりの菓子類を入れて振る舞い。水本さんらは温かい茶を出すなどして、冷え込む時季の参拝に感謝した。
近況報告や交流話に加え、今回は同堂そばにあるクマノザクラの花の時期の写真も飾られて話題に。池野山にある標本木よりも若干白いが研究者がクマノザクラと同定しているそうで、樹形の素晴らしさなどが参拝者の興味を集めていた。
今年も無事例祭の奉仕を務めた水本さんは、「足元が悪い中、朝早くから大勢の皆さんに来ていただけてありがたく思います。これからも体力が続く限り続けていきたいし、せめて車に乗れる間は人様に迷惑をかけないよう体の調子を気に掛けていきたい」と願うところを語った。
(2019年1月16日付紙面より)
住民ら協力し多くの催しも (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で13日、豊漁や船の安全などを祈願する伝統の「脊美(せみ)祭り」が営まれた。脊美まつり保存会(会長=谷口利明・浦神西区長)が祭りや歴史を継承している。神事のほか、手踊りやみこしなど、地区住民らが協力し合い、祭りを盛り上げた。
祭りは古来捕鯨の歴史を持つ同区で、セミクジラを模したわら製の「脊美」を縁起物として用いて、毎年催行されている。過去には成人の儀式として行われていたという。長年、捕鯨文化を継承していることから2016年に日本遺産「鯨ととに生きる」に認定された。
神事後、井谷宮司が「鬼」と書かれた1・7㍍の的を矢で射抜くと同時に、脊美子の德村奏磨君(下里小5年)と弟の怜音君(同2年)、新屋岳(たける)君(同3年)が取り付けられた脊美を一斉につかみ取り西区区民会館まで全力で走った。
役目を終えた奏磨君は「3回目なので緊張せずに務めることができました」と述べ、怜音君は「緊張したけど楽しかった。来年も挑戦したい」と話した。新屋君は「脊美が重かったけどなんとか走れた」と笑顔で語り、3人をねぎらう祝賀の直会が持たれた。
境内では東区の勇義社(畑下圭喜社長)が勇ましい獅子舞を奉納し、多くの住民らが拍手を送っていた。
午後からは西区のみこしやだんじりが区内を練り歩き、脊美音頭などの手踊りが踊られた。その後、会館で子どもたちにお年玉と菓子が配られ、さまざまな賞品が当たる抽選会なども行われた。
見物していたボストン出身で近畿大学院生のジョナス・ミラーさん(27)は「祭りはすごかった。浦神区は皆さん優しく、素晴らしい。私にとって多くを学べる良い機会」と話した。谷口会長は「地元の祭りは良い。人口も減ってきているが、今後も続いてほしい」と語った。
(2019年1月16日付紙面より)
準優勝は新宮SSSブルー (新宮SSS招待兼ヤタガラスカップ )
2019年くまの駅伝大会
熊野那智大社が義援金 (那智勝浦町 )
昨年9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震の被災者を支援するため、那智勝浦町の熊野那智大社の男成洋三宮司は11日、同町役場を訪問し、日本赤十字社和歌山支部那智勝浦町分区長である堀順一郎町長に義援金を手渡した。
同大社はこれまでに、熊本地震(2016年4月)、九州北部豪雨(17年7月)、西日本豪雨(18年7月)の被災地へ義援金を届けている。今回は昨年9月22日から12月31日まで、同大社と飛瀧(ひろう)神社に募金箱を置き募った。義援金は総額50万円で、日本赤十字社を通じて被災した人たちに届けられる。
男成宮司は「助け合う心と復興を願う参拝の皆さまのお気持ちは非常にありがたい。避難生活をされている方々が一日でも早く日常に戻れることを祈ります」と被災地に思いを寄せ、堀町長は「元号が変わる今年からは災害のない新しい時代となることを願っています」と話した。
(2019年1月13日付紙面より)
讃寿会グラウンドゴルフ部 (鵜殿老人ク )
紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」のグラウンドゴルフ部(菅原章部長)は11日、同町大里の深田運動場で初打ち練習を実施した。
讃寿会は春と秋の年2回、グラウンドゴルフ大会を開催しており、会員にも愛好者が多い。同部には65人が所属し、毎週金曜日に練習している。
これまで鵜殿運動場で練習に励んできたが、大規模改修中のため完成までは深田運動場を利用している。
初打ちのこの日は15人が参加し、ロングホールや野球のマウンドの傾斜を利用した8ホールを設置。初打ち1打目でホールインワンが飛び出すなど、1時間半の練習を楽しんだ。
同部は15年ほど前に設立。菅原部長は「グラウンドゴルフは個人戦が魅力。和歌山県串本町から尾鷲市までの大会に出場して活躍する会員も多くいる。深田運動場へは乗り合わせで来ているが、参加できない人も多い。鵜殿運動場が完成した際には、盛大にオープニング大会を開催したい」と話していた。
(2019年1月13日付紙面より)
塩竈神社の本宮控え準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で豊漁などを祈願する例大祭「脊美(せみ)祭り」が13日(日)に営まれる。本宮を翌日に控えた12日、浦神西区民会館で祭りに必要な脊美づくりが行われた。
古来より捕鯨の歴史がある同区では、祭りの神事にセミクジラを模した脊美と呼ばれる縁起物を用いている。
脊美づくりは脊美まつり保存会(会長=谷口利明・浦神西区長)と今回担当となる西区9班が協力して行い、しめ縄作りやのぼりの設置などに取り組んだ。
脊美は太田地区のもち米のわらを使い、大・中・小の三つが作られた。男性らはわらを時計回りにねじりながら、型が崩れないように注意し作業を進めた。女性はしめ縄作りに励んだ。祭りで出される料理は9班以外の住民が腕を振るっていた。
谷口会長は「区民の方の協力があってこそ。今後も継続できるように努めていきたい」と語った。
13日は午前10時から神事が営まれ、11時から祝賀会、神社境内では勇義社(畑下圭喜社長)による獅子舞奉納がある。午後0時30分からみこし・手踊りが開始され、2時から福引抽選会、3時から座払いが行われる。
(2019年1月13日付紙面より)
新宮SSS招待が開幕