観光振興セミナー (新宮市 )
新宮市観光振興委員会は28日、新宮市観光振興セミナーを市福祉センターで開催した。地域プロデューサーやアドバイザーなどで活躍し、現在は兵庫県豊岡市の政策アドバイザーを務める臼井冬彦さんが「地域主体の観光」と題し、海外や日本における観光の現状や地域づくりについて講演した。
臼井さんはこれまで外資系半導体やソフトウエア企業の日本法人の代表を歴任。長年の海外勤務生活で日本の豊かな環境を再認識し、観光が日本の新たな産業になると直感。北海道大学大学院に入学し、観光を学んだ。
距離について臼井さんは、①物理的距離②経済的距離③時間的距離④心理的距離―があると紹介。④については行き先を知り得ているかどうかで距離は変化すると説明。日本では観光は矮小(わいしょう)化されている可能性があり、広い分野であると強調した。
また、2003年の小泉内閣時に「観光立国」を打ち出したことが日本の観光の転機であったと主張。世界の観光産業は14年時点で、世界の国内総生産(GDP)の10%弱を占める世界最大産業の一つであると報告した。
観光については▽災害や金融危機など自らコントロールできない外部要因に弱い▽日本のインバウンド(外国からの観光客)は昨年約3110万人▽国策で観光に投資するタイは約3500万人で日本より多い▽インバウンド増加は格安航空会社(LCC)の普及も要因▽訪日外国人の85%はアジアから来ている―などを解説した。
臼井さんは観光には「歴史・文化」「自然景観」「料理」が必要と述べ、今後の観光資源の一つとして居酒屋を提案。日本人の生活が味わえる居酒屋を称賛した。観光は「日本を支える柱」だと観光庁も認めているとし、経済発展を続けるアジアにも近いことから「日本が1位になってもおかしくない」と話した。
国内の延べ宿泊客数について触れ、インバウンドは上昇しているが、その比率は全体の15・6%であり、その他は日本人が支えているのが現状と説いた。
臼井さんは「地域の方々が観光に対してどう取り組むのかが大事。地域によって差が出ている。私は刺激やヒントを提供できればいいと思う。皆さんが考え、決めていただけたら」と語った。
(2019年1月30日付紙面より)
関西マスターズスポーツフェスティバル紀の国いきいき健康長寿祭ふれあいボウリング交流大会が27日、新宮市の新宮東宝ボウルであった。11月に県内で開催される「ねんりんピック紀の国わかやま2019」の出場選手選考会を兼ねており、県内69人が参加した。
県社会福祉協議会主催。手軽な運動量で健康増進に効果の高いボウリングを通じて、高齢者の仲間づくり・健康づくり・社会参加活動の促進を図り、いきいきと暮らせるまちづくりを進めようと開催した。
開会で田中義文・地域福祉部長は「成果を思う存分発揮し、優勝・大会出場を目指して頑張ってください。親交、交流を深められるよう開催している。ねんりんピックに向けて機運を盛り上げていきたい」とあいさつし、運営への協力を呼び掛けた。
(2019年1月30日付紙面より)
県水産試験場招き講演会 (古座川町 )
古座川漁業協同組合(橋本尚視組合長)が26日、古座川町中央公民館で県水産試験場職員を招いて講演会を開き、アユ資源と冷水病について認識を共有するなどした。
この講演会は、古座川流域のアユ漁に関係する全員が同じ見解を持って釣り客らに漁場を紹介する状況づくりを目的として計画した。県水産試験場で内水面環境を研究する職員を講師に迎え、西前啓市町長ら当局の関係職員を含む32人が出席して開会した。
内容は講演2本で、先立って県水産試験場の小川満也副場長があいさつ。前半は研究員の賀集健太さんが基本事項としてアユの特色と生活環(=一生涯)を解説し、そのイメージの上で後半は副主査研究員の河合俊輔さんが冷水病の概要と過去の発生傾向、県の対策とアユ漁関係者に求められる対策を紹介した。
賀集さんは生活環を紹介する中で、縄張りを持ったアユの1日当たりの捕食量と捕食対象のコケの1日当たりの生産量にも触れ、約1平方㍍の広さで賄えるアユは5~6匹が上限でそれ以上になるとアユが小型化し始めるとし、効率的な放流のポイントも説明しながら放流過剰への留意を呼び掛けた。
本題の冷水病について小川さんは、水温15~19度で起こりやすい細菌性の感染症で、県内の主要河川でほぼ毎年のように発生し、時期的に放流~6月ごろの報告が多いと説明。海産養殖アユが比較的耐性に優れている点から、感染経路は放流、おとり、越年アユ、餌となるコケへの残留などのルートが考えられ、できる対策として放流やおとりにより細菌を持ち込まない配慮を地元、釣り客ともに意識するよう呼び掛けた。
放流時の来歴カードや保菌検査の内容確認など留意事項を伝え、県水産試験場も冷水病ワクチンなどの研究に取り組んでいることを報告。その後は質疑応答も受け付け、関係者の対策となる実践を期した。
(2019年1月30日付紙面より)
水揚げのお礼、各船に届ける (那智勝浦町水産振興会 )
近海マグロ漁の本格的なシーズンを迎えた那智勝浦町の勝浦地方卸売市場では、同市場での水揚げに感謝の気持ちを込め、入港船にTシャツを届けている。町内の漁業関係者らでつくる町水産振興会(片谷匡会長)が用意し、1月中頃から進呈を開始した。
26日に入港した鹿児島県種子島の「第28八千代丸」(乗組員9人)には、Tシャツ3枚が届けられた。赤、黒、紺の3色展開で、左胸の辺りに「南紀勝浦」、バックプリントには大きく「那智勝浦漁港」の文字と那智の滝やマグロのイラストがデザインされている。500枚用意し、和歌山県漁業協同組合連合会勝浦市場の職員が乗組員らに順次手渡している。Tシャツは4月以降に追加生産する予定。
入港船の誘致については、その促進のため全国の港でさまざまな取り組みがなされている。マグロはえ縄船は、インドネシア国籍の乗組員が半数以上を占めることから、母国への通信に配慮した無料Wi―Fi(ワイファイ)の整備、操業の疲れを取り、快適に過ごしてもらおうと浴場や休憩場の充実を図っているという。
入港2日目に水揚げを終えた八千代丸は、再び勝浦近海へ漁に出た。シーズンが終わる頃まで、勝浦港を拠点にこうした操業を繰り返す。機関長の山本海雅(かいが)さん(20)は「(町内の)飲食店が早く閉まってしまうので食事に困っていたが、市場近くにコンビニができたので助かった。今度は大きいクロマグロを取って来ます」と笑顔を見せた。
(2019年1月30日付紙面より)
補陀洛山寺で立春大護摩祈とう (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の補陀洛山寺(髙木亮享住職)で27日、立春特別大護摩祈祷会(きとうえ)があり、一足早く豆がまかれた。境内は「福は内、鬼は外」の声が響き、福を求める大勢の参詣者でにぎわった。
同寺の国重要文化財の本尊「三貌(さんぼう)十一面千手千眼観世音菩薩(ぼさつ)」を開帳し、髙木住職らが法要を営んだ。続いて本堂内の護摩壇で護摩木をたきあげ、家内安全、商売繁盛などを祈願した後、髙木住職とかみしも姿の厄年の人たちが、境内の中央に設置されたやぐらから豆や餅をまいた。好天に恵まれた境内ではぜんざいの振る舞いもあった。
毎年参拝を欠かさないという三重県尾鷲市で漁業を営む尾﨑忠行さん(74)は「5月と7月のご本尊開帳にもお参りしています。息子も漁に出るので、海上安全、家内安全を祈願しました」と話していた。
(2019年1月29日付紙面より)
青年団ら一体となって張り替え (御燈祭りを前に )
国の重要無形民俗文化財「御燈祭(おとうまつ)り」(2月6日)を間近に控えた新宮市の神倉神社で27日、神倉青年団員ら約40人がご神体の巨岩「ゴトビキ岩」のしめ縄を張り替えた。
張り替えは20日に予定していたが、雨天のため延期になっていた。作業には祭りの運営を取り仕切る介釈(かいしゃく)を務める青年団員をはじめ、神倉神社奉賛会、市観光協会が参加。
晴天の下、熊野速玉大社神職のおはらいを受けた後、約200㌔(約500株)のわらで編み上げた長さ約30㍍、最大直径約30㌢の大しめ縄を青年団員らが神倉山山頂付近まで運び、刺股や針金を使ってゴトビキ岩に巻き付けた。
祭り当日に介釈と上がり子たちへご神火を渡す大たいまつ役を務める中山忠吏団長(49)は「上がり子にけが人が出ないよう、特に開門時には十分に注意して任務を遂行したい」と気を引き締めていた。
(2019年1月29日付紙面より)
串本町潮岬にある望楼の芝で26日、イベント「本州最南端の火祭り」が開かれた。19回目となる今回は風雪が一時的に吹き抜ける厳寒の中で芝焼き本番を迎え、3000人(主催者発表)が夕闇深まる中で広がる芝焼きの光景に注目するなどした。
このイベントは南紀串本観光協会(島野利之会長)主催、同町と同町商工会後援、串本古座高校弓道部協力。約10万平方㍍ある芝生の管理方法として取り入れている芝焼きを軸に、町域で親しまれている舞踊や名物・しょらさん鍋(トビウオのつみれ汁)の振る舞いや芋餅の販売、物産市などを織り交ぜた内容で毎年1月最終土曜日を期日にして営まれている。
真っ先に開場した物産市には軽飲食やクラフト、南紀熊野ジオパークPRなど12ブースがあり、日中から詰め掛けた観光客らの利用を集めた。午後4時30分から▽潮岬節保存会▽同町トルコ文化協会▽串本節保存会―による踊りの披露があり、潮岬節保存会は潮岬小6年生との共演、同町トルコ文化協会は最後の演目で居合わせた観光客らにも参加を呼び掛け「ダーマット・ハライ」の大きな輪を描いて場を盛り上げた。串本節保存会は天候が急転し風雪が吹き抜ける中で踊りを披露する形となった。
名物のしょらさん鍋は、同商工会女性部の部員が800食を振る舞い、町域で親しまれる芋餅とともに長蛇の列ができた。
式典は日没の5時20分すぎに始まり、島野会長は「今、串本町は観光客を受け入れられる体制が着々と進んでいると思う。当協会も皆さんが何度も串本に来たいと思っていただけるようなメニューをたくさん作って頑張りたいと思っている。今日は寒いがお時間いっぱいまで楽しんでほしい」とあいさつ。
田嶋勝正町長、前芝雅嗣県議会議員、寺町忠町議会議長もあいさつし、餅まきや子ども向けの菓子まきを経て弓道部員12人が火矢射式を営み1順目に6本、2順目に5本の火矢を放って芝に点火した。花火を合図にしてスタッフが火付け棒を引きずって火を広げ、燃え広がる炎の帯が注目を集めた。
今年は北寄りの風が強く、火矢の炎が風下側をほぼ全焼させ、風上側はスタッフが見物人にも見える距離で火を放って焼く流れとなった。
(2019年1月29日付紙面より)
三輪崎会館で伝統芸能大会 (新宮市 )
第10回新宮市伝統芸能大会(同実行委員会、新宮市主催)が27日、同市三輪崎の三輪崎会館で催された。9団体が出演して詩吟、日本舞踊、和太鼓など22演目を披露し、約500人の観客を楽しませた。
大会は日本舞踊出演6団体合同の「正調新宮節」でスタートした。舞台では朗々と詩吟を吟じ、子どもからベテランまでの踊り手が研さんの成果を披露して舞台を彩った。最後は熊野曼荼羅(まんだら)太鼓の勇壮なバチさばきで締めくくった。
大会は第1回から9回まで若柳流若吉会主宰の若柳吉左衛門さんこと海野千鶴子さんが実行委員長を務め、開催準備や大会運営に力を尽くしてきた。海野さんは「お祭り新宮節」を振り付けるなど、新宮市や近隣地域の芸術文化振興にも尽力してきたが、昨年3月に急逝。田岡実千年市長はあいさつの中で「文化複合施設建設で会場が二転三転したが、海野先生のおかげで続けてこられた」と改めてその功績に感謝し、新ホールについても「再来年3月の完成を目指す」と述べた。
新実行委員長は、藤紀流家元の藤紀実美さんこと中住麻美さんに引き継がれた。中住さんは「偉大な先生が亡くなられた。先生の足元にも及びませんが、喜んでいただけるよう舞わせていただきます」と思いを語った。観客席からは一演目が終わるごとに温かい拍手が送られ、会場は和やかな雰囲気に包まれた。
(2019年1月29日付紙面より)
第24回JA杯少年サッカー大会
寺岡さんに「安藤百福記念章」の伝達も (新宮マラソン大会 )
「まぐろ祭り」にぎやかに開催 (那智勝浦町 )
はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げが日本一の那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で26日、「第25回まぐろ祭り」が開かれた。オープニングの前には、熊野那智大社の神職らによる祈願祭が営まれ、寒風の中、約1万3000人(主催者発表)の人出でにぎわった。
「マグロの町勝浦」をアピールする恒例のイベントで、町観光協会(花井啓州会長)が主催者となり、町内の多くの団体が協力する形で開催した。世界遺産登録15周年もPRした。
メインステージのオープニングでは、よしもと和歌山県住みます芸人「わんだーらんど」が練習を重ねていたマグロの解体を披露。藤紀和会による藤紀流踊り、マグロ一頭造り、マグロ重量当てクイズ結果発表、地元特産品抽選会、餅まきなどで盛り上がった。
生マグロ即売では旬を迎えたキハダ、メバチ、ビンチョウの各マグロ計約3㌧が用意され、午前9時の開場前から熱気にあふれていた。恒例のまぐろ汁の振る舞いには長蛇の列ができ、マグロの重量当てクイズなどの催しも人気を集めた。
名古屋市から家族や親類11人で訪れた武内大輔さん(34)は「毎年まぐろ祭りを楽しみにしている」と話し、西宮市から家族で訪れた菅沼裕一さん(46)は「勝浦といえば冬のマグロと聞いたので、まぐろ祭りを目的に来ました。この後は那智の滝に行きたいと思います」と、まぐろ汁を手に笑顔を見せた。
(2019年1月27日付紙面より)
御燈祭りの着替え手伝いに向けて (新宮市 )
新宮市の駅前本通りにある森川和夫さん宅で25日、御燈祭(おとうまつ)り(2月6日)の上がり子が胴に巻く荒縄の締め方講習会があった。祭り当日に着替えを手伝う市職員7人と市観光協会1人、市役所で職場体験中の新翔高校の生徒3人が、市観光協会専務理事の森本祐司さん(62)から指導を受け、素早くきれいに結ぶこつを学んだ。
市職員らは毎年祭り当日、市福祉センターで県外や遠方から祭りに参加する人たちを対象に、白装束への着替えや荒縄締めを手伝っている。
同センターで着替える上がり子が毎年増えていることから、少しでもスムーズに締められるようにと、市商工観光課職員らが講習会に参加している。
荒縄の結び方は幾つかあるが、結び目が2本の角のような形になる「男結び」が特徴。基本は胴に7回巻くが、長さが合わない場合は、5回、3回と奇数回巻く。森本さんは「巻く前には霧吹きなどで縄を湿らせておくと、わらくずが落ちず、切れにくくなる」などと説明し、丁寧に結び方を教えた。
初めて講習会に参加した市観光協会の古藤勇魚さん(24)は「なかなか難しくて、苦戦しました。当日は上がり子の皆さんの力になれれば」と話した。
森本さんは「地元の祭りなので、年配者の人が若い人に伝えていければと思っている。上がり子の皆さんには、できるだけ祭りの本義を正しく捉え、慈しむ気持ちで上がってほしい」と願うと同時に「毎年、祭り翌日(2月7日)の午前9時からは、多くの関係団体の皆さまに参加いただき、清掃活動を実施しています。市民の皆さんにも協力をお願いしたい」と呼び掛けた。
(2019年1月27日付紙面より)
防災チャレンジ大運動会 (紀宝町 )
紀宝町の津本自主防災会(岡正成会長)は20日、同町大里の津本防災センターで「防災チャレンジ大運動会」を開催した。子どもから高齢者まで地区住民67人が参加し、楽しく防災活動に取り組んだ。
同会では定期的に防災活動を実施しており、今回の運動会はおととしに続いて2回目。竹と毛布を使った簡易担架で負傷者役を運ぶ安心・安全搬送リレーや防災借り物競走、水パック消火競争などを繰り広げた。
借り物競走では、「備蓄に必要な物は?」「地震発生時に身を守る物は?」「避難所に持っていく物は?」などのお題に対し、用意された水や非常食、懐中電灯、ヘルメットなどをリュックサックに詰めていった。
2月3日(日)に和歌山県有田市で開催される「4県連携自主防災組織交流大会」に三重県代表として参加することから、事例内容を発表した。
「紀伊半島大水害から生まれた絆~あの日、あの時を忘れない~」と題し、2011年の紀伊半島大水害の被害や、その後に発足した防災会の取り組み、「みえの防災奨励賞」を受賞したことなどを改めて紹介した。
(2019年1月27日付紙面より)
速玉大社で「吉兆」作り
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、縁起物「吉兆(きっちょう)」作りが始まっている=写真。大(約90㌢)約100本、小(約50㌢)約900本を同社で販売しており、希望者には郵送している。
大社境内の山林で採ったヤナギの小枝に大福帳、小判、お守り、タイなどの小物をくくり付け、仕上げに直径約2~3㌢の赤、白、青、黄などの「もち花」を付けた縁起物。節分に飾ると商売繁盛、家内安全などの幸福が訪れると信じられている。値段は大が3000円、小が1800円。
2月3日(日)の節分祭でも販売するが、人気があり売り切れてしまうことが多い。祭りは午前10時から午後9時まで「お焚(た)き上げ」、午後7時から「追儺(ついな)式」が営まれる。厄よけ祈とうは午前9時から午後8時まで。
(2019年1月27日付紙面より)
熊野那智大社が義援金 (那智勝浦町 )
昨年9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震の被災者を支援するため、那智勝浦町の熊野那智大社の男成洋三宮司は11日、同町役場を訪問し、日本赤十字社和歌山支部那智勝浦町分区長である堀順一郎町長に義援金を手渡した。
同大社はこれまでに、熊本地震(2016年4月)、九州北部豪雨(17年7月)、西日本豪雨(18年7月)の被災地へ義援金を届けている。今回は昨年9月22日から12月31日まで、同大社と飛瀧(ひろう)神社に募金箱を置き募った。義援金は総額50万円で、日本赤十字社を通じて被災した人たちに届けられる。
男成宮司は「助け合う心と復興を願う参拝の皆さまのお気持ちは非常にありがたい。避難生活をされている方々が一日でも早く日常に戻れることを祈ります」と被災地に思いを寄せ、堀町長は「元号が変わる今年からは災害のない新しい時代となることを願っています」と話した。
(2019年1月13日付紙面より)
讃寿会グラウンドゴルフ部 (鵜殿老人ク )
紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」のグラウンドゴルフ部(菅原章部長)は11日、同町大里の深田運動場で初打ち練習を実施した。
讃寿会は春と秋の年2回、グラウンドゴルフ大会を開催しており、会員にも愛好者が多い。同部には65人が所属し、毎週金曜日に練習している。
これまで鵜殿運動場で練習に励んできたが、大規模改修中のため完成までは深田運動場を利用している。
初打ちのこの日は15人が参加し、ロングホールや野球のマウンドの傾斜を利用した8ホールを設置。初打ち1打目でホールインワンが飛び出すなど、1時間半の練習を楽しんだ。
同部は15年ほど前に設立。菅原部長は「グラウンドゴルフは個人戦が魅力。和歌山県串本町から尾鷲市までの大会に出場して活躍する会員も多くいる。深田運動場へは乗り合わせで来ているが、参加できない人も多い。鵜殿運動場が完成した際には、盛大にオープニング大会を開催したい」と話していた。
(2019年1月13日付紙面より)
塩竈神社の本宮控え準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で豊漁などを祈願する例大祭「脊美(せみ)祭り」が13日(日)に営まれる。本宮を翌日に控えた12日、浦神西区民会館で祭りに必要な脊美づくりが行われた。
古来より捕鯨の歴史がある同区では、祭りの神事にセミクジラを模した脊美と呼ばれる縁起物を用いている。
脊美づくりは脊美まつり保存会(会長=谷口利明・浦神西区長)と今回担当となる西区9班が協力して行い、しめ縄作りやのぼりの設置などに取り組んだ。
脊美は太田地区のもち米のわらを使い、大・中・小の三つが作られた。男性らはわらを時計回りにねじりながら、型が崩れないように注意し作業を進めた。女性はしめ縄作りに励んだ。祭りで出される料理は9班以外の住民が腕を振るっていた。
谷口会長は「区民の方の協力があってこそ。今後も継続できるように努めていきたい」と語った。
13日は午前10時から神事が営まれ、11時から祝賀会、神社境内では勇義社(畑下圭喜社長)による獅子舞奉納がある。午後0時30分からみこし・手踊りが開始され、2時から福引抽選会、3時から座払いが行われる。
(2019年1月13日付紙面より)
新宮SSS招待が開幕
官公庁で仕事始め式
和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。
新宮市の仕事始め式は市福祉センターであり、職員約100人が出席した。全員で市歌を斉唱した後、田岡実千年市長が「市政は市民のため」を基本理念に犠牲者ゼロのまちづくり、文化複合施設の平成32年度までの完成などに取り組むと述べ、「市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちの実現のため今年も渾身(こんしん)の力を込めて頑張ってまいります」とあいさつした。
来賓として出席した屋敷満雄市議会議長が「課題は山積していますが、諦めず、縦と横の連携を密にして公務に励んでもらいたい」と祝辞。向井雅男副市長が「創意工夫による事業展開を実施し、市政発展のために取り組んでもらいたい」と乾杯の音頭を取り、速水盛康教育長が「猪突(ちょとつ)猛進、迷わず、ブレずに着実に市が発展し続けることを願って」と述べ、万歳三唱で閉式した。
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那智勝浦町は4日、庁舎2階の大会議室で仕事始め式を開いた。出席した職員ら約70人は新たな気持ちで今年の業務に取り組むべく、気を引き締めた。
全員で町歌を斉唱後、堀順一郎町長が「職員の皆さまには今まで以上に奮起していただきたい」と訓示。「懸案・課題を早く解決できるように、私も先頭に立ち、那智勝浦町や役場が元気に明るくなったといわれるように皆さまと一緒にまちづくりをしていきたい。ご協力をお願いします」と呼び掛けた。
(2019年1月5日付紙面より)
新宮建築組合が釿始式 (熊野速玉大社 )
建築業界の発展を願い新宮建築組合(広里嘉一組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。
この神事はもともと同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、現在は、同組合が継承している。
この日は組合員ら18人が参列。白装束にえぼし姿の森田稔さん(54)がヒノキの原木(樹齢約60~70年、長さ約4㍍、直径約20㌢)をお神酒で清め、西下悟さん(41)と清岡尚寿さん(39)が墨を打った後、森田さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けた。
神事のあと上野宮司が参列した組合員らを前に釿始めの歴史を紹介し、「どうか今年一年も皆さんお元気で、新宮のみならず熊野地域の業界の発展のために尽力いただきたい。本当に今日は素晴らしい釿始めをありがとうございました」とあいさつ。広里組合長は「昨年は材料が入りにくかったり、自然災害が発生したりと、いろいろなことでお客さまにも迷惑をかけてしまったが、皆さん頑張っていたと思う。いま、釿始式を終え、今年一年頑張ろうという気持ちが湧いてきました」と話した。
(2019年1月5日付紙面より)
有田神社祭礼「お的祭り」 (串本町 )
串本町有田上にある有田神社(深美芳治宮司)の祭礼「お的祭り」が3日にあり、弓頭3人が同神社近くの的場で思いを込めて矢を放った。
この祭礼は氏子区域である有田、有田上、吐生の新春に弾みをつける例祭で、今年の弓頭は昨年に引き続いて有田~有田上区域の寒川広夢さん(19)、吐生区域の水本小夏さん(16)と長谷川莉杏さん(16)が務めた。
午前9時に本殿前で式典が営まれ、弓頭3人は中山眞作区長や世話役の神社総代と共に神前奉告。鳥居そばで古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めた後に同神社前の耕地に設けた的場へ入り、深美宮司の仕切りによる弓行事に臨んだ。
弓頭は1人につき1巡目と2巡目に6本を放ち、3巡目は3本を放った後に一度同神社へ戻って白衣から黒衣へと着替え、魚の切り身を口にして的場へ入り残り3本を放った。その様子は家族ら住民も見守り、的中するたびに拍手を注いで喜んだ。
湯立ての儀の釜湯の上にサンマなど28匹をかざし、弓頭は魚の切り身を口にして素人(白衣)から玄人(黒衣)に変わるなど、独特の慣習を宿す同神社の「お的祭り」。弓頭を務めた水本さんと長谷川さんは学力の向上、寒川さんは仕事の上達を個々の願いとして奉仕に込めたそうで、区域の代表として寒川さんは「自分は地元で就職したが、そうしたいほど有田はいい環境。同じように若い皆さんにも興味を持ってほしい」、水本さんは「このような行事を通して有田は素晴らしいところだということを、地元だけでなく観光客の皆さんにも見てもらえるようになれば」、長谷川さんは「有田は自然も豊かなところだということを、このお祭りをきっかけにしていろんな人に見てもらいたい」、深美宮司は「昨年の台風で有田地区も被害を受けた。人災、天災(=台風や豪雨の災害)、自然災(=地震や津波の災害)。今年は諸々の災いが氏子に降りかからないことを願いたい」と思うところを語った。
(2019年1月5日付紙面より)
勝浦市場で初競り (那智勝浦町 )
はえ縄漁法による生鮮マグロ水揚げ高で日本一を誇る那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で4日に初市があった。近海で操業していた高知の漁船3隻がメバチ、キハダ、ビンチョウなど約20㌧、2257万円を水揚げ。前年に比べると水揚げ量は7割近く減ったものの、平均単価は1112円とほぼ倍増。4月からの年度集計では平均価格に上昇が見られている。
勝浦漁協によると昨年の1月1日から12月31日までの水揚げは約922㌧・1億7911万円の減。4月1日から12月31日では約6749㌧(前年比476㌧減)、金額は49億3568万円(同約1億4816万円増)となっている。
勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長は「漁獲高の減少、漁価の上昇はわれわれにとって厳しくはあるが、組合で協力し合い販路を広げていく。外来船が安心して入港できる港に」とあいさつし、3月完成予定の冷凍冷蔵施設の整備に感謝の言葉を述べた。県漁連勝浦市場の太田直久参事は「年末はビンチョウマグロが少なかったが、今日は多く揚がった。近海のシーズンはスタートしたばかり。これからに期待したい」と話した。
(2019年1月5日付紙面より)