高速道建設促進協が要望書 (那智勝浦町 )
高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会(小阪三喜子会長)、那智勝浦町の堀順一郎町長らは16日、東京都千代田区の国土交通省を訪れ、森昌文事務次官に近畿自動車道「すさみ―太地間」の早期完成などを求める要望書を届けた。国土強靱(きょうじん)化基本法にのっとり「命の道」となる近畿自動車道紀勢線の一日も早い整備を求めている。
近い将来に高い確率で発生が予想されている南海トラフでの巨大地震や、近年多発している集中豪雨による道路の冠水、土砂崩れの発生による道路の寸断などに備え、町では避難場所や事前災害復興計画に必要な高台確保を早急に進めているが、「平地の少ない本町の地形上、平地部内での高台確保が困難となっている」として▽「すさみ―太地間」について、すさみ串本道路を早期に完成させるとともに、串本太地道路の早期着工に必要な予算の確保▽大規模災害に備えた高速道路整備が着実に進むよう、近畿自動車道紀勢線の早期整備に必要な予算を確保するとともに、道路インフラ機能を適切に維持できるよう、老朽化対策予算の別枠確保▽「一般国道42号串本太地道路」について、本町の地籍調査完了区間からの早期着工―の3項目を強く要望した。
小阪会長は昨年11月の大阪万博開催決定を踏まえ、「串本―太地間の開催までの完成を強く要望した。期限を切っての要望は初めてのことだが、手応えがあった。真に迫った活動ができたと思う。今後も官民一体で取り組みたい」と話した。
(2019年1月24日付紙面より)
消防などドローン講習受講 (串本町 )
串本町サンゴ台にある同町消防防災センターで22、23日の2日間、ドローンフライトオペレーター講習(DPCA認定ドローン技能講習会)があり、14人が受講して教養と実技を深めるなどした。
この講習は昨年11月に串本ライオンズクラブ(串本LC、小森正剛会長)から認証55周年記念事業の一環として、ドローン(Inspire2)の寄贈を受けた同町消防本部(寺島正彦消防長)が計画。一定の受講者数が必要になる点を鑑み、同本部ドローン運用チームの6人に加え同町役場総務課防災・防犯グループと同産業課計4人、同町地域おこし協力隊1人、田辺市消防本部大塔分署3人の参加も受け入れながら開いた。
講師は講習団体の地域再生・防災ドローン利活用推進協会(ドローン撮影クリエイターズ協会所属)。開講に当たり寺島消防長は、救助分野での運用を開くために必要な知識や技術を習得し、併せて運用する者同士の交流を深めて地域の総合防災力向上に資する成果を期待しつつあいさつした。初日はドローンの概念や特性、主だった運用の目的や国際法に準ずる国内のさまざまな法規制、実機の操作方法など、取り扱うに当たり知っておくべき知識や技術を座学で学び、2日目は同町総合運動公園野球場で実機操作訓練を行うなどした。
ドローンは内蔵された衛星利用測位システム(GPS)などにより自律飛行ができる無人機だが、ローターによる飛行原理上、風下方向に飛ばすと揚力が十分に得られず落下の危険度が増す。運用時は背風(後ろから風を受けている状態)にならない飛ばし方を意識する必要があるなど安全に運用する上での留意点を踏まえながら、適切な操作の習熟に励んだ。
今回の講習で操作した機種はPhantom4。同講習を計画した背景には、救助分野においてドローンを効果的に運用するために必要な制限解除をあらかじめ一括して行うという狙いがある。一例としてドローンは実機が目視で確認できる範囲でしか飛ばせない決まりになっているが、救助分野では視認困難な場所をドローンでいち早く探るという運用も想定される。同講習の修了証はそういった制限解除を簡略化する上でも使えるという。寺島消防長は同講習の受講を足掛かりにして事前の制限解除申請を急ぎ、串本LCから託されたドローンの一日も早い本格運用を目指すとした。
(2019年1月24日付紙面より)
4小学校による人権フォーラム (紀宝町 )
紀宝町立矢渕中学校区の4小学校による人権フォーラムが22日、同町立鵜殿小学校で開かれた。井田、成川、神内、鵜殿の各小学校の6年生計78人が中学校入学前に交流を深めた。
毎年、鵜殿小を会場に開催しており、児童の他、うどの幼稚園の園児34人、矢渕中学校の2年生26人と各校の学校運営協議会のメンバーら150人が参加した。
担当校の前田幸利・井田小学校長が「卒業まであと2カ月を切った。中学入学まであっという間。ワクワクしたり、心配な面もあると思うが、今日の交流会でなるべくたくさんの人と交流して中学校につなげてください」とあいさつした。
6~7人がグループを組み、四つのゲームに取り組んだ。「ボディーパーカッション」は手や足でリズムを取り、近くの人とハイタッチした。他校の児童との「ハイタッチじゃんけん」も盛り上がった。
「お見合い大作戦」は互いに向き合い、自己紹介。1分間のフリートークで仲を深めた。園児らも加えたじゃんけん列車も楽しんだ。
最後は、7~8人一組の13グループに中学生各2人を交えて「すごろくトーキング」を実施。さいころを振ってすごろくのマスに止まると「苦手な教科」「好きな音楽」などが出題され、児童たちは会話を楽しみながら中学生と仲良くなった。
(2019年1月24日付紙面より)
新宮市王子町の岩口雅典さん (御燈祭りに向け )
新宮市の神倉神社で営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」(2月6日)が迫り、同市王子町の岩口雅典さん(39)の作業場では、祭りに欠かせない上がり子のたいまつ作りがピークを迎えている。仲間らの協力で350本ほど作る予定だ。
たいまつ作りは、乾燥させた5枚のヒノキ板を五角すいの形に組み合わせ、竹と針金、わらなどで固定するなどほとんどが手作業。先端に「ハナ」と呼ばれる白木を薄く削ったフサを、一本のたいまつにつき100本ほど取り付けて完成させる。
作業場で製作されているたいまつは、長さ約90㌢の特大から、約30㌢の代参(だいさん)まで6種類。木工職人の岩口さんは20歳の時から自分用のたいまつを作っており、8年ほど前から販売を始めた。作り方は独学で研究。「美しさ」と「強さ」を追求し、針金一本に至るまでこだわり、製作している。
昨年10月から準備を始め、仲間が集まって組み出したのが年末。本職が終わる午後6時30分ごろから作業を始め、個人では深夜まで製作を続ける。岩口さんは「仲間のおかげでたいまつを作れることに感謝している。新宮市伝統の祭りに参加できてうれしい。上がり子にけががなく、無事に下りてくれることを願っています」と話していた。
(2019年1月24日付紙面より)
仙人風呂で新春かるた大会 (本宮町 )
田辺市本宮町の川湯温泉にある「仙人風呂」で20日、新春かるた大会が開催された。17チーム68人が参加し、温泉に浮かべた杉板製のかるたの争奪戦を繰り広げた。
熊野本宮観光協会と仙人風呂実行委員会(小淵誠委員長)が主催し、今年で18回目の人気イベント。川湯地区は昨年8月の台風20号で大塔川が氾濫。旅館や民宿などが軒を連ねる温泉街で床上、床下浸水被害を受けた。
小淵委員長は「皆さんのご協力のもと、仙人風呂を無事に開催できた。例年より少し小さいが、例年と同じくらいの温かい温泉になっている。観客の皆さんはぜひお湯に入りながら熱い声援を送ってほしい。選手の皆さんもけがの無いよう、スポーツマンシップにのっとり正々堂々と戦って」。熊野本宮観光協会会長代行の名渕敬さんは応援の言葉に感謝し「熊野は蘇(よみがえ)り、再生の地。みんなで頑張ってまいりますのでよろしくお願いします」とあいさつした。
今年は小学生の部を行わず、参加チーム数も縮小して実施した。ABCテレビ「おはよう朝日です」から特別参加もあり、復興への思いを語る出場者の姿もあった。
平安衣装をまとった詠み手が「和歌山県市町村おはなしカルタ」を詠み上げると、今年のえとのイノシシや人気キャラクターなどさまざまな衣装を着た参加者たちが、約1000枚のかるた目掛けて突進した。今年は「川湯仙人風呂マルシェ」を同時開催し、温かい食べ物や飲み物などが並んだ。
地元の田辺市や新宮市はもちろん、遠くは大阪府、兵庫県、群馬県などからも出場があった。今年は46枚獲得した御坊市の「温泉戦隊カルタレンジャー」が優勝した。
冬の風物詩となっている仙人風呂。今年は横幅約28㍍、奥行き約12㍍、深さ60㌢。川底から湧き出る温泉は約73度で、川の水を引き入れて40度前後に調整している。入浴は無料。利用時間は午前6時30分から午後10時まで。設置期間は2月末まで。
(2019年1月22日付紙面より)
8団体が市長に要望書提出 (新宮市 )
新宮市自治会連合会(榎本義清会長)、新宮商工会議所(関康之会頭)をはじめとする8団体は21日、連名で田岡実千年市長に、文化複合施設(図書館・文化ホール)の建設を強く求める要望書を提出した。関会頭は「施設に対する思いや考え方は人それぞれにあると思いますが、大局的な見地に立ち、建設予定地でのできるだけ早い時期での施設の完成を」と要望した。
要望書は▽市自治会連合会▽新宮商工会議所▽新宮市商店街振興組合連合会(福田一郎理事長)▽仲之町商店街振興組合(同)▽丹鶴商店街振興組合(大井正臣理事長)▽駅前本通り商店街振興組合(下地昌宏理事長)▽谷王子町内会(商店会・松本勝利会長)▽新宮市料理飲食業組合(平見一雄組合長)―の連名。「現在、新宮市においては、文化活動のさまざまな発表や催事を行う施設もなく、市民活動や文化活動に大きな支障をきたしており、早急なる施設の完成が求められています」と訴えた。
田岡市長は「おととしの市長選の際に必ず建てると市民の皆さんとお約束した。約束を守るために、32年度末の完成を目指して頑張りたい」。榎本会長は「施設の建設を条件の一つとして、丹鶴小学校の廃校を受け入れた経緯もある。多くの市民が望んでいる。淡々と作業を進めていただきたい」。
関会頭は、住民投票条例の制定を求める署名活動に対して「住民投票になったときには予算的にもマイナスになることはあってもプラスになることはない。近隣町村からの信頼も失う。これ以上の空白を生じさせることは絶対に阻止しなければならない」と懸念し、「新宮市歌に『熊野の都新宮市』『伝統深き文化の地』という歌詞がある。佐藤春夫先生がわれわれのために作ってくれた歌を、新しいホールでみんなで歌いたい」と強く求めた。
8団体は屋敷満雄市議会議長にも要望書を提出。屋敷議長は「市民会館が使用できなくなってからの3年間、非常に苦労を掛けた。皆さんの熱い思いを受け取りました」と話していた。
(2019年1月22日付紙面より)
消防と県航空隊が連携訓練 (串本町 )
串本町潮岬、黒島漁港の東にある磯場などで18日、和歌山県防災航空隊と串本町消防本部の連携訓練が行われた。磯場に負傷して動けない要救助者がいるという想定で始め、両者は現場の状況を見て取るべき対応を判断しながら救助活動を実践した。
同本部の管内は切り立つ崖や奥深い山など救助を困難にする状況が多く、県防災航空隊との協力は不可欠という判断から定期的にこの訓練を重ねている。今回は訓練参加者に想定のみを与え、事前に過程を定めないブラインド型訓練と位置付け、両者は同本部指揮隊を軸にし、過去の訓練などで身に付けた技術を発揮して現場に則した過程の構築と目的の達成を目指した。
実施に当たり寺島正彦消防長から趣旨の説明を受けた同本部の訓練参加者は、現場近くの望楼の芝に現地対策本部を設置して救助活動を開始。現場は旭之森先にある展望所の真下付近で、同本部職員は指揮隊の現場判断に基づき必要な資機材持参で高さ約30㍍の急峻(きゅうしゅん)な崖を降り、要救助者の元へ向かった。確保した要救助者は身動きができず一刻を争う危険な状態と判断し、県防災航空隊と協力してヘリコプター「きしゅう」による引き揚げ救助の体制をその場で構築。要救助者を空中収容により引き継いだ。
所要時間は約90分。始終を見守った寺島消防長は「少し前までは想定と一緒に過程も決めていたが、回を重ねて技術を身に付けた職員も増えたことから今回はブラインド型で実施した。少し時間がかかったという印象だが、職員は指揮隊を中心にして行動し患者第一で現場対応できたと判断する」と評価。
他方、「訓練後に職員は早速『崖を降りるルートは1本でなくてもよかったのでは』と話し合っていた。そういうところはあらかじめ過程まで決めた訓練では気付きにくい部分だが、その視点が実際の救助活動をより早くより効果的にしていく。今回のブラインド型訓練はそういう面でも大きな意義があった」とも述べ、訓練参加者の今後いっそうの対応力向上を期待した。
(2019年1月22日付紙面より)
神倉青年団ら40人で (御燈祭りを前に )
国の重要無形民俗文化財「御燈祭(おとうまつ)り」を間近に控えた新宮市の神倉神社で20日、神倉青年団員ら約40人がご神体の巨岩「ゴトビキ岩」のしめ縄を編んだ。
作業には祭りの運営を取り仕切る介釈を務める青年団員をはじめ、神倉神社奉賛会、市観光協会、新宮商工会議所青年部などが参加。神倉農業実行組合(榎本晶組合長)が寄進した約200㌔(約500株)のワラを機械などで柔らかくした後、境内の木に縛り付けた針金に沿って編み上げた。約3時間で長さ約30㍍、最大直径約30㌢のしめ縄を完成させた。
奉賛会の猪飼三雄会長(76)は「上がり子や関係者、見物客の皆さんがけが無く終えることが一番。マナーを守り、伝統の祭りをより多くの人に伝えてもらえれば」と話していた。
しめ縄の張り替え作業は雨天のため27日(日)に延期して実施を予定している。
(2019年1月22日付紙面より)
県年金受給者協会GG年始大会
熊野那智大社が義援金 (那智勝浦町 )
昨年9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震の被災者を支援するため、那智勝浦町の熊野那智大社の男成洋三宮司は11日、同町役場を訪問し、日本赤十字社和歌山支部那智勝浦町分区長である堀順一郎町長に義援金を手渡した。
同大社はこれまでに、熊本地震(2016年4月)、九州北部豪雨(17年7月)、西日本豪雨(18年7月)の被災地へ義援金を届けている。今回は昨年9月22日から12月31日まで、同大社と飛瀧(ひろう)神社に募金箱を置き募った。義援金は総額50万円で、日本赤十字社を通じて被災した人たちに届けられる。
男成宮司は「助け合う心と復興を願う参拝の皆さまのお気持ちは非常にありがたい。避難生活をされている方々が一日でも早く日常に戻れることを祈ります」と被災地に思いを寄せ、堀町長は「元号が変わる今年からは災害のない新しい時代となることを願っています」と話した。
(2019年1月13日付紙面より)
讃寿会グラウンドゴルフ部 (鵜殿老人ク )
紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」のグラウンドゴルフ部(菅原章部長)は11日、同町大里の深田運動場で初打ち練習を実施した。
讃寿会は春と秋の年2回、グラウンドゴルフ大会を開催しており、会員にも愛好者が多い。同部には65人が所属し、毎週金曜日に練習している。
これまで鵜殿運動場で練習に励んできたが、大規模改修中のため完成までは深田運動場を利用している。
初打ちのこの日は15人が参加し、ロングホールや野球のマウンドの傾斜を利用した8ホールを設置。初打ち1打目でホールインワンが飛び出すなど、1時間半の練習を楽しんだ。
同部は15年ほど前に設立。菅原部長は「グラウンドゴルフは個人戦が魅力。和歌山県串本町から尾鷲市までの大会に出場して活躍する会員も多くいる。深田運動場へは乗り合わせで来ているが、参加できない人も多い。鵜殿運動場が完成した際には、盛大にオープニング大会を開催したい」と話していた。
(2019年1月13日付紙面より)
塩竈神社の本宮控え準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で豊漁などを祈願する例大祭「脊美(せみ)祭り」が13日(日)に営まれる。本宮を翌日に控えた12日、浦神西区民会館で祭りに必要な脊美づくりが行われた。
古来より捕鯨の歴史がある同区では、祭りの神事にセミクジラを模した脊美と呼ばれる縁起物を用いている。
脊美づくりは脊美まつり保存会(会長=谷口利明・浦神西区長)と今回担当となる西区9班が協力して行い、しめ縄作りやのぼりの設置などに取り組んだ。
脊美は太田地区のもち米のわらを使い、大・中・小の三つが作られた。男性らはわらを時計回りにねじりながら、型が崩れないように注意し作業を進めた。女性はしめ縄作りに励んだ。祭りで出される料理は9班以外の住民が腕を振るっていた。
谷口会長は「区民の方の協力があってこそ。今後も継続できるように努めていきたい」と語った。
13日は午前10時から神事が営まれ、11時から祝賀会、神社境内では勇義社(畑下圭喜社長)による獅子舞奉納がある。午後0時30分からみこし・手踊りが開始され、2時から福引抽選会、3時から座払いが行われる。
(2019年1月13日付紙面より)
新宮SSS招待が開幕
新宮市、成人式に258人
新宮市の成人式が4日、市蓬莱体育館であった。振り袖やはかま、スーツ姿の新成人258人(男144人、女114人)が出席し、大人への第一歩を踏み出した。新成人を代表して松本悠馬さんが「大人になったことを自覚し、新宮市に対する誇りや感謝の気持ちを忘れずに、困難を乗り越えることに前向きに取り組んでいく」と誓った。
国歌と市歌斉唱後、速水盛康教育長が開会の辞。田岡実千年市長は「人生の大きな節目となる記念すべき日に、両親や家族と共に生きてきた思い出、友人たちと一緒に学び遊んだ思い出に思いを巡らせてほしい。一人で生きてきたのではなく、いろんな人のお世話になったと思うのでは」と述べ、人生の第二幕が元気で生き生きとした輝かしいものになるよう祈願した。
来賓の屋敷満雄市議会議長、濱口太史県議会議員が祝辞を述べ、アコースティックユニット「ヤブシン」が歌で祝福。教育委員の中村八十八さんのあいさつで閉式した。
会場は久しぶりに会う同級生たちとの会話や記念撮影でにぎわっていた。奥舜太さん(20)は「成人式を無事に迎えられたのは、親を含めた皆さんのおかげ」と感謝の言葉を口にし、「就職して自立した立派な大人になりたい。親の面倒を見られる力を身に付けたい」と抱負を語っていた。
(2019年1月6日付紙面より)
那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で初市があった4日、和歌山県漁業協同組合連合会副会長理事の片谷匡さんら4人は同町の熊野那智大社(男成洋三宮司)を参拝した。水揚げされたマグロを奉納し、海上安全や大漁などを祈願した。
ささげられたマグロは約20㌔のメバチマグロとビンチョウマグロの2本。神事やみこによる神楽「那智の滝舞」も行われた。
男成宮司は「漁の安全と大漁、漁協のご発展を祈念しております。漁業を取り巻く環境は厳しいが、勝浦はマグロが有名な町。皆さま方には、ご苦労も多いかと存じますが、一層の力を尽くしていただけましたらありがたいと思います」と語った。
県漁連勝浦市場部参与の吉村泰治さんは「今年一年の大漁祈願と操業の安全、勝浦地方卸売市場の関係者の皆さんの繁栄を祈願しました」と話した。
(2019年1月6日付紙面より)
新宮公設市場で初市
新宮市佐野の新宮広域圏公設地方卸売市場で5日、同市場協力会(小田三郎会長)主催の「平成31年初市」があった=写真。
生鮮食料品の円滑な流通と安定供給を図り、周辺広域住民の食生活の安定に貢献することを目的に、1985年5月に県下の公設市場第1号として設置された市場。初競り前の式典で小田会長は、昨年成立した改正市場法、今年10月の消費増税や軽減税率制度などへの対応、地元商店の利用を高めてほしいことなどに触れ、「この地域の食品流通の拠点としての機能をさらに磨き、市場に託された使命を誠心誠意果たしていきたい」とあいさつ。
市場管理者の田岡実千年市長は関係者たちの日頃の協力に感謝し、「皆さまには安心安全新鮮な食材の供給を続け、圏域の住民の台所を支えていただいていることに感謝したい」と一層の尽力を呼び掛けた。
多数の来賓が出席する中、万歳三唱し、午前7時30分から初競りが始まった。ダイコン、イチゴなどが次々と競り落とされた。くろしおいちご生産組合のマスコットキャラクター「まりりん」も来場した。
(2019年1月6日付紙面より)
官公庁で仕事始め式
和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。
新宮市の仕事始め式は市福祉センターであり、職員約100人が出席した。全員で市歌を斉唱した後、田岡実千年市長が「市政は市民のため」を基本理念に犠牲者ゼロのまちづくり、文化複合施設の平成32年度までの完成などに取り組むと述べ、「市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまちの実現のため今年も渾身(こんしん)の力を込めて頑張ってまいります」とあいさつした。
来賓として出席した屋敷満雄市議会議長が「課題は山積していますが、諦めず、縦と横の連携を密にして公務に励んでもらいたい」と祝辞。向井雅男副市長が「創意工夫による事業展開を実施し、市政発展のために取り組んでもらいたい」と乾杯の音頭を取り、速水盛康教育長が「猪突(ちょとつ)猛進、迷わず、ブレずに着実に市が発展し続けることを願って」と述べ、万歳三唱で閉式した。
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那智勝浦町は4日、庁舎2階の大会議室で仕事始め式を開いた。出席した職員ら約70人は新たな気持ちで今年の業務に取り組むべく、気を引き締めた。
全員で町歌を斉唱後、堀順一郎町長が「職員の皆さまには今まで以上に奮起していただきたい」と訓示。「懸案・課題を早く解決できるように、私も先頭に立ち、那智勝浦町や役場が元気に明るくなったといわれるように皆さまと一緒にまちづくりをしていきたい。ご協力をお願いします」と呼び掛けた。
(2019年1月5日付紙面より)
新宮建築組合が釿始式 (熊野速玉大社 )
建築業界の発展を願い新宮建築組合(広里嘉一組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。
この神事はもともと同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、現在は、同組合が継承している。
この日は組合員ら18人が参列。白装束にえぼし姿の森田稔さん(54)がヒノキの原木(樹齢約60~70年、長さ約4㍍、直径約20㌢)をお神酒で清め、西下悟さん(41)と清岡尚寿さん(39)が墨を打った後、森田さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けた。
神事のあと上野宮司が参列した組合員らを前に釿始めの歴史を紹介し、「どうか今年一年も皆さんお元気で、新宮のみならず熊野地域の業界の発展のために尽力いただきたい。本当に今日は素晴らしい釿始めをありがとうございました」とあいさつ。広里組合長は「昨年は材料が入りにくかったり、自然災害が発生したりと、いろいろなことでお客さまにも迷惑をかけてしまったが、皆さん頑張っていたと思う。いま、釿始式を終え、今年一年頑張ろうという気持ちが湧いてきました」と話した。
(2019年1月5日付紙面より)
有田神社祭礼「お的祭り」 (串本町 )
串本町有田上にある有田神社(深美芳治宮司)の祭礼「お的祭り」が3日にあり、弓頭3人が同神社近くの的場で思いを込めて矢を放った。
この祭礼は氏子区域である有田、有田上、吐生の新春に弾みをつける例祭で、今年の弓頭は昨年に引き続いて有田~有田上区域の寒川広夢さん(19)、吐生区域の水本小夏さん(16)と長谷川莉杏さん(16)が務めた。
午前9時に本殿前で式典が営まれ、弓頭3人は中山眞作区長や世話役の神社総代と共に神前奉告。鳥居そばで古式の修祓(しゅばつ)「湯立ての儀」で身を清めた後に同神社前の耕地に設けた的場へ入り、深美宮司の仕切りによる弓行事に臨んだ。
弓頭は1人につき1巡目と2巡目に6本を放ち、3巡目は3本を放った後に一度同神社へ戻って白衣から黒衣へと着替え、魚の切り身を口にして的場へ入り残り3本を放った。その様子は家族ら住民も見守り、的中するたびに拍手を注いで喜んだ。
湯立ての儀の釜湯の上にサンマなど28匹をかざし、弓頭は魚の切り身を口にして素人(白衣)から玄人(黒衣)に変わるなど、独特の慣習を宿す同神社の「お的祭り」。弓頭を務めた水本さんと長谷川さんは学力の向上、寒川さんは仕事の上達を個々の願いとして奉仕に込めたそうで、区域の代表として寒川さんは「自分は地元で就職したが、そうしたいほど有田はいい環境。同じように若い皆さんにも興味を持ってほしい」、水本さんは「このような行事を通して有田は素晴らしいところだということを、地元だけでなく観光客の皆さんにも見てもらえるようになれば」、長谷川さんは「有田は自然も豊かなところだということを、このお祭りをきっかけにしていろんな人に見てもらいたい」、深美宮司は「昨年の台風で有田地区も被害を受けた。人災、天災(=台風や豪雨の災害)、自然災(=地震や津波の災害)。今年は諸々の災いが氏子に降りかからないことを願いたい」と思うところを語った。
(2019年1月5日付紙面より)
勝浦市場で初競り (那智勝浦町 )
はえ縄漁法による生鮮マグロ水揚げ高で日本一を誇る那智勝浦町築地の勝浦地方卸売市場で4日に初市があった。近海で操業していた高知の漁船3隻がメバチ、キハダ、ビンチョウなど約20㌧、2257万円を水揚げ。前年に比べると水揚げ量は7割近く減ったものの、平均単価は1112円とほぼ倍増。4月からの年度集計では平均価格に上昇が見られている。
勝浦漁協によると昨年の1月1日から12月31日までの水揚げは約922㌧・1億7911万円の減。4月1日から12月31日では約6749㌧(前年比476㌧減)、金額は49億3568万円(同約1億4816万円増)となっている。
勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長は「漁獲高の減少、漁価の上昇はわれわれにとって厳しくはあるが、組合で協力し合い販路を広げていく。外来船が安心して入港できる港に」とあいさつし、3月完成予定の冷凍冷蔵施設の整備に感謝の言葉を述べた。県漁連勝浦市場の太田直久参事は「年末はビンチョウマグロが少なかったが、今日は多く揚がった。近海のシーズンはスタートしたばかり。これからに期待したい」と話した。
(2019年1月5日付紙面より)