新宮市観光フォトコンテスト
新宮市観光フォトコンテストの審査会が25日、市役所別館であった。8人の審査員が80人から寄せられた力作264点を厳正に審査した。入賞者の表彰式を9月10日(金)に予定しており、入選作品は市観光カレンダーやパンフレットなど、市のPRに使用される。
市観光カレンダー製作実行委員会が主催する事業で10回目を数える。今回はテーマを「私の新宮遺産」とし、一般の部と学生の部(高校生以下)に分けて作品を募った。一般の部には66人から242作品が、学生の部には14人から22作品の応募があった。
田岡実千年市長、実行委員長の山本大輔・市観光協会事務局長、児嶋毅さん(審査委員長)、杉本光朗さん、垣本正道さん、堀幸義さん、西和美さん、市秘書課の廣井芳美・広報広聴係長が審査員を務め、熊野速玉大社や神倉神社、熊野川など、市内の四季折々の情景や祭り・イベントの様子などを収めた力作の数々を審査。新型コロナウイルス感染予防のため手袋を身に着け、気に入った作品にシールを付けていった。
山本実行委員長は「コロナ禍で観光も大きな影響を受け、多くのイベントが中止となる中たくさん応募いただいた。コンテストは新宮の魅力の再発見や、魅力の向上に寄与するもの。引き続きご協力を」。
田岡市長は「デジカメやスマートフォンのカメラの機能の向上により、写真に興味がなかった人でも気軽に応募いただいている。新しい感覚で撮影された作品も多く、市の魅力発信につなげていければ」とそれぞれあいさつした。
(2021年8月27日付紙面より)
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令和3年度新宮警察署協議会定例会議が25日、同署で開かれた。会議前に署長室で新会長の安達実さん(再任)と新任の委員3人に対し、山田守孝署長から委嘱状が手渡された。その後は令和2年度中の業務取り組み結果と3年度の取り組み方針を聞き意見交換をした。
警察署協議会は管轄区域内の地域安全や警察署の業務運営について住民の声を代表する委員から意見を聞き、より良い運営を検討する機関。県内14署に設置されている。
安達会長は新型コロナウイルスの感染が懸念される中、職務に精励する同署職員らに敬意を示し、「委員の皆さまには警察の取り組みにご意見を頂き、有意義な会議にしたいと思う。警察の方々には委員の意見などを生かしていただき、管内住民の安全と安心のために活動していただけますようお願いします」とあいさつした。
山田署長は来春から新宮警察署が串本署の一部を管轄することに触れ、同協議会の運営も変わることになると説明。犯罪認知件数や交通事故発生件数も過去と比較すれば大幅に減少したが、特殊詐欺やインターネット犯罪、バイパスや道路拡幅に伴う高速度での交通事故など、態様は大きく変化していると話した。
先日、同署で実施された紀伊半島大水害風化防止講話で那智谷遺族会の岩渕三千生代表の講話内容に触れ、「厳しいご意見も頂いたが、被災者の方々が当時の警察に批判的な感情を抱いたということは事実。仕事で捜索に当たる警察官の立場とご親族を探すために必死に作業をされている被災者の方々との間に温度差があり、さまざまな配慮が足りなかったのだと思う。われわれは反省しなくてはならない。警察だけでは気付かないことも多いため、皆さまの疑問やアイデア、要望などを言っていただければ」と述べた。
(2021年8月27日付紙面より)
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新園舎用地で安全祈願祭 (串本町 )
くしもとこども園新園舎建設工事の安全祈願祭が26日、串本町串本にある建設用地であった。施工者の株式会社小森組(小森正剛代表取締役)主催による執行。来年10月末の完成を見据えて無事完了を願い、関係各者が神事に臨んだ。
この園舎は西の岡~サンゴ台間をつなぐ工事用道路(後に町道となる予定)沿いに建設する。用地の面積は約1万189平方㍍で、中核となる園舎は園児150人想定の木造平屋建てで延べ床面積は約1843平方㍍。他に園庭や駐車場などが付帯する。同社は7億7860万円(税抜き)で落札し、同町議会の同工事請負契約案承認を経て13日から工期に入っている。
安全祈願祭には同社の小森代表取締役ら関係社員、同町の田嶋勝正町長ら関係職員、同町議会の鈴木幸夫議長や長脊守・文教厚生常任委員長、設計者・株式会社阿波設計事務所和歌山支店(伊知地光彦支店長)と監理者・株式会社岡本設計(坂本暁史代表取締役)の各代表者が参列。潮﨑本之宮神社の山本貞夫宮司が斎主を務め、清祓の儀や地鎮の儀を経て玉串をささげるなどした。
田嶋町長は「小さなお子さんを持つ保護者の『一日も早く高台へ』という切なる願いに応えて着工でき感慨無量」と述べ、工事関係3者力を合わせて子どもに安全、安心を届けてほしいとあいさつ。小森代表取締役は「無事故無災害で完成を目指す覚悟。周辺地域へも細心を期す」と応えて工期中の指導を求めた。最後に平井治司(はるし)副町長が素晴らしい園舎の完成を願って締めくくった。
同工事の工期は2022年10月末で、小森代表取締役は木材や職人の不足など困難もあるだろうが鋭意頑張るとコメント。その先で切望されている新園舎の開園は23年1月予定となっている。
(2021年8月27日付紙面より)
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児童と保護者が太田の郷で (那智勝浦町 )
那智勝浦町立太田小学校に通う児童の保護者は今年、交流センター「太田の郷」を借りて、週3回地域の子どもたち向けの夏休みプログラムを実施している。現在は竹製の流しそうめん台を作っている最中で、今後おもちゃや個包装の菓子を流して遊ぶ予定だという。
新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛が続く中、「せっかくの夏休み。子どもたちにいろいろな体験をして楽しく過ごしてほしい」「地域の大人の方々に子どもたちと関わってもらい、『地域で子育て』を目指したい」などの思いから、今年初めて実施。地域住民を講師に迎え、パンや菓子作り、かご編み、世界一周トークライブなどをしてきた。
流しそうめん台作りは、いくつかの企画の中から児童が選んだプログラム。竹の切り出しや節抜き、箸作りまで全工程を児童や保護者らが協力して行う。25日には組み立て作業と箸・コップ作りがあり、児童17人がきちんと水が流れるか確認しながら竹をつなげてコースを作った。
築紫菜乃さん(6年)は「竹の節抜きやお箸作りをした。今まで参加した中では、お菓子作りが楽しかった。夏休みの宿題はピンチだけど、頑張る」。引地乙葉さん(3年)は「竹を切ってヤスリをかけて、コップを作った。来年も参加したい」と話していた。
(2021年8月27日付紙面より)
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現地警戒所の開所式 (太地町 )
9月から始まる小型鯨類の追い込み漁を前に和歌山県警は20日、太地町多目的センター敷地内に新設された「和歌山県警察太地町特別警戒本部現地警戒所」で対策の警戒強化を行うための警戒所開所式を行った。反捕鯨団体への対策として2011年から毎年設置されており、今年で11回目。来年3月ごろまで設置する予定。
反捕鯨団体は過去にいけすの網の切断をはじめとし、12年に同町森浦にあるモニュメントの破壊、13、14年は執拗(しつよう)な追跡や写真撮影などの迷惑行為を行った経緯がある。
同本部によると、昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響で海外の活動家は入国できていないため、国内の活動家のみ約70人が来町したという。抗議活動や出漁状況の撮影、監視、ドローンによる飛行行為などが確認されているが、逮捕事案などはなかったとしている。
漁期間中、警戒所では安全パトロール班のメンバーが交代しながら24時間態勢で勤務する。また、活動家には女性が多いこともあり、例年に引き続き女性警察官も配置している。
開所式では太地町特別警戒本部の谷本克也本部長(和歌山県警察本部警備部長)、山田守孝副本部長(新宮警察署長)らが出席。
谷本本部長はコロナ禍により外国人の来日はなくなったが、日本人の活動家が活発化しているとし、「日本人の活動家はインターネットでつながり、人数も増えている。現地活動だけでなく、和歌山県庁や大阪、名古屋、全国でも活動している」と説明。
警戒については「活動家は注意をしながら、裏をかいて違法行為を行う可能性がある。コロナ対策を含めて健康管理に注意し、各関係機関や本部とも連携しながら、現場での違法行為がないように警戒に当たってほしい」と訓示した。
その後、警察官らはパトカーに乗り込み、町内の巡回に出発した。
(2021年8月22日付紙面より)
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10月から、役場裏高架下道路 (那智勝浦町 )
那智勝浦町役場裏側から国道42号側につながるJR高架下の道路が10月1日(金)から「歩行者・自転車専用道路」に変更される。同町では各戸配布の「広報なちかつうら」やホームページ、付近に設置した看板で呼び掛けている。
道路は現在、朝日地区方面から役場(築地地区)方面へ向かう車やバイクの運転手が利用する姿が見受けられている。桁下制限高さは1・8㍍と低く、車高のある車が通行する際は接触の危険もある。
通学路として利用する児童・生徒がいるとともに、自転車や歩行者の利用も多い。町建設課よると、車の場合、国道側からしか進入できない一方通行であるにもかかわらず、逆走する車の報告もあったという。
前述の広報などの周知継続に加え、9月下旬には地方紙への記事依頼などを検討しているという。
担当者は「元々、JRから高さが低く、危険であるため、甫子浦(ほこうら)交差点の高架下道路ができ次第、車やバイクはそちらを利用してほしいと要望があった」と説明。
運転手らにはすでに整備されている甫子浦交差点の利用を勧めるとともに、町民に対しては「皆さまの安心安全のためにも10月からは『車やバイクは通れません』ということをご理解いただきたい。ご協力をお願いいたします」とコメントしている。
20日夕方、自転車で高架下の道路を通過していた70代女性は「たまに利用するが、車がすごい速さで通っていくこともあるので怖いときもある。自転車と歩行者の専用道路になるのはありがたい」と話していた。
(2021年8月22日付紙面より)
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丹羽生さんが観光功労者表彰受賞 (新宮市 )
元新宮市観光協会長の丹羽生さん(64)が、このたび「令和3年度観光功労者表彰」(個人の部)を受けた。19日に和歌山市のホテルグランヴィアで表彰式が行われ、表彰状をふるさとに持ち帰った丹羽さんは「(一報を聞いて)驚いた。受賞は皆さんのおかげ」と喜びを語った。
公益社団法人和歌山県観光連盟が、県の観光振興に著しく貢献のあった個人または団体を表彰するもので、毎年観光功労者と優良従業員が選出の上表彰される。
丹羽さんは2014年5月から18年6月までの約4年間にわたり市観光協会の会長職に就き、その間、和歌山デスティネーションキャンペーンや世界遺産登録10周年事業においてさまざまな企画で多くの観光客を招き、全国に同市を印象づけた。
また、「まち歩き観光」の推進や市内事業者向け英訳・中国語訳サポートによる訪日外国人観光客の受け入れ対応など、熊野観光におけるハブとしたまちづくりを提案。国内外からの誘客に尽力した。
和歌山県では16年に史上最高となる約3487万人の観光入り込み客数を記録。18年には16年に次ぐ約3461万人となり、世界遺産エリアの同市で過去最高を記録した。
「世界遺産登録10周年の節目もあり、当地方が盛り上がりを見せていた。海外からの観光客も多く忙しかった」。丹羽さんは在任時をそう振り返る。
新型コロナウイルス感染拡大の影響は当地方にも及んだ。20年の県の観光客動態調査において、観光入り込み客総数は約2478万4000人に。外国人宿泊客数は前年比91%減となった。
「新宮市は観光にシフトできなかった」としつつも、コロナ禍の影響を避けられない現状について「やはりさみしい」と憂う。
受賞については「事務局、役員、会員の皆さんに恵まれた。関係者の方々が力を尽くしてくれたおかげです」と感謝を口にした。
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本紙エリアの受賞者は次の皆さん。
【観光功労者表彰】(個人の部)
▽丹羽 生(64)
【優良従業員表彰】
▽栗山立弥(56)=熊野観光開発㈱
▽廣里友美(43)=㈲新宮セントラルホテル
▽南本愛子(65)=㈲串本儀平
(2021年8月22日付紙面より)
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勝小の高台造成進む (那智勝浦町 )
町内沿岸地域が「津波避難困難地域」の那智勝浦町は現在、町立勝浦小学校敷地内の造成工事に取り組んでいる。かさ上げと造成によって4000平方㍍の平地が確保できたため、完成後は災害時には多くの町民が避難できる高台となる。児童の登下校が行われない夏休み期間中に工事を完成させる予定。
工事は同校正門側の門柱から校舎やグラウンドへ続く坂道(通称・登校坂)までの区間に約8200立方㍍の土を入れ、2㍍かさ上げするもの。使用する土は紀伊半島大水害時に出たものと、同町の駿田山に建設中の消防・防災センター工事でできた残土を用いている。
昨年10月には勝浦4区の住民を対象に住民説明会を開催している。今年3月末までに大型車両が円滑に通行できるように、校舎のある大勝浦側の盛り土と舗装を実施。夏休み期間に入った7月21日から、今回の工事に取り掛かった。工事費は令和2年度予算で7950万円。国の緊急防災減災対策事業債も活用している。
消防・防災センターが完成するまでの間、町役場が被災した際には同校が災害対策本部となるため、広大な平地は避難生活を送る上で有効的に活用される。
平地の舗装区間は門柱から登校坂までの約130㍍と幅約6㍍間。町建設課によると、残土搬入は9割済んでいるという。しかし、8月に入り天候不良が続いていることから、残りの搬入や舗装には時間を要する可能性があるとしている。
夏休み期間後は雨水を排水するための側溝設置や横断溝の移設、敷地近くにある山側ののり面改修工事を行うという。
同課の井道則也副課長は「町内に高台は少ないため、町民の皆さまの安心・安全につながる避難場所。民家に近い箇所は振動対策などを丁寧に行いながら進めている。天候の関係もあるが、造成工事自体は夏休み中の完成を目指したい」と話している。
(2021年8月19日付紙面より)
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ウミガメ類ふ化シーズンに (串本海中公園 )
串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が今年も、飼育するウミガメ類が産んだ卵のふ化シーズンに差し掛かった。17日までに計17回の産卵があり、その回数は例年より多め。うち初産卵分が今、ふ化の時期を迎えている。
串本の海をコンセプトにして生き物を展示する同館。その象徴種としてウミガメ類を屋内外の各水槽で常時飼育していて、餌やり体験で来館者とのコミュニケーションも豊かに親しまれる存在となっている。
屋外水槽には後に増設したふ化場(砂場)が付帯。飼育担当の吉田徹副館長によると、今年は6月9日にアカウミガメが初産卵、次いで13日にアオウミガメが2年ぶりとなる初産卵をし、以降アカウミガメは5頭ほどで14回、アオウミガメは1頭で3回の産卵をしている。最終の産卵は7月28日。以降はふ化を待つ状況となっている。
要する日数は60日前後で、産卵の時期が遅いほどふ化が早まる傾向にある。必ずしも全ての卵がふ化するわけではなく、アカウミガメは初産卵分のふ化が今月14日から始まったが砂から這(は)い出た稚ガメの数は1桁とごく少数。同館では産卵の時期が早いほどふ化率が低くなる傾向があり、産卵数の約半数以上がふ化する状況は今後に期待するところとなっている。
今年の産卵分には、完全飼育第2世代「くしもトリオ」(クー、シー、モーの雌3頭で2010年生まれ)の卵も含まれているそう。モーの卵が昨年初めてふ化して同第3世代誕生となったが、今年も無事ふ化すればアカウミガメの成熟をさらに確信させる結果となる。
アオウミガメは2年前に1回産卵したがふ化しなかったため、今年ふ化すれば2017年以来となる。3回と回数が多く卵内での成長も順調で、20日ふ化予定の初産卵分が今年最初かつ4年ぶりの高いふ化率となることを願いつつ、その瞬間を待っている。
館内トピックス水槽の定番企画となっている卵の展示は、アカウミガメの7月7日産卵分から5個を取り出して実施中。砂中の環境を人工的につくって生かしていて、設定上で9月上旬ごろふ化予定という。
稚ガメはふ化後1週間ほど状態を観察し、餌を食べ出す段階になったら屋内水槽で来館者に紹介する。吉田副館長は「早ければ8月末ごろに今の1、2歳構成を0、1歳構成に戻して披露したい」と話している。
(2021年8月19日付紙面より)
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「県民の皆さまへのお願い」変更 (和歌山県 )
和歌山県は17日、新型コロナウイルス感染症政府対策本部が「緊急事態措置」を実施すべき区域に、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、京都府、兵庫県、福岡県の追加、「まん延防止等重点措置」を実施すべき区域に、宮城県、富山県、山梨県、岐阜県、三重県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、鹿児島県の追加を決定したことを受け、また、県内の新規感染者数が過去最高となったことから、県民に対し不要不急の外出自粛を要請すると決定した。
「安全な生活・安全な外出を心掛ける」から「不要不急の外出を控える」へと切り替えた。また、帰省に関しては「できるだけ控える」とし、既に帰省している人は家族以外との会食を控えるよう呼び掛ける。
学校への部活動に関しては▽県外の学校との練習試合などは禁止▽県内の部活動は慎重に▽家族に発熱などの症状があれば参加は控える。
また、「県外への通勤・通学は直行直帰し会食は控える」「県外への観光は自粛。県内もリフレッシュプラン2ndの利用は新規予約を控えるとともに、できる限り延期を」の項目を新しく設けた。
県では、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は、33・8と政府分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の水準で過去最多となり、病床は515床に積み増した。仁坂吉伸知事は、17日の会見で「感染が拡大し続けた場合、まん延防止等重点措置の適用要請もあり得る」と話した。
(2021年8月19日付紙面より)
天御中主神社で神事斎行 (新宮市 )
新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で16日、新型コロナウイルスの収束などを祈る神事が営まれた。佐野柱松実行委員会(瀬古尊夫会長)の役員ら7人が参列し、神様をたたえて地域の平穏無事を願った。
同委員会は例年、8月16日に新宮港緑地公園で「佐野柱松」を実施しているが、感染症拡大の影響から昨年に続き今年も中止を決定した。
柱松は害虫駆除などを願い、元は江戸時代から続く伝統的な火祭り。戦時中に一時中断し、1948年に佐野青年会が再開させたものの58年に途絶えていた。佐野区の有志区民たちが「祭りをよみがえらせたい」との思いから93年に復活させて以来、27年連続で開催を続けてきた。かつては「木本の花火か佐野の柱松」と語られており、地区の夏の風物詩になっている。
神事では、髙橋宮司が祝詞を奏上した後、瀬古会長をはじめ参列者がコロナウイルス感染症の収束や五穀豊穣(ほうじょう)、地域住民の健康などを祈願し、玉串を供えていった。
瀬古会長は「2年連続で中止となり非常に残念ですが、当地方でも感染が見受けられるため今は行うべきではないと思います。いつ、どこで誰が陽性となるか分からない。来年こそは収束し、何の心配もなく開催できることを信じて会員一同、気持ちを新たに頑張っていきます」と話していた。
(2021年8月19日付紙面より)
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サイクリストが全線走破へ
太平洋岸自転車道(PCR)を全線走破しながら検証を行うなどを目的とした「太平洋岸自転車道を繋(つな)いじゃえプロジェクト」(同実行委員会主催)が、「和歌山サイクルプロジェクト」のゴンザさん(36)と西林孝紘さん(36)によって進められている。2人は13日早朝に尾鷲市を出発し午前11時ごろに和歌山県(新宮市)入り。ゴールの和歌山市を目指して走行を続ける。
PCRは、千葉県銚子市から太平洋岸沿いに和歌山市に至る自転車道。全長は1487㌔で、全国で6ルートが指定されているナショナルサイクルルート(※)の中でも最長の自転車道だ。
同プロジェクトは、今年5月にPCRがナショナルサイクルルートに指定されたことをきっかけに、サイクリストが安全で快適に走行できる環境づくりを目指すもので、ルートの検証を行うとともに各地での自転車利用環境向上に取り組む公共・民間団体や個人をつないでいく目的もある。
PCRには▽1487㌔というスケールを生かしきれておらず、基本フレームが各地域単位で違うため役割分担が見えてこない▽PCRの中でどの部分が良くて、どこの区間が走りやすいなど評価しづらい▽各自治体の意欲だけでは一過性の整備になってしまう―などの問題点や課題があるという。
ゴンザさんと西林さんは今月7日に銚子市をスタート。13日に尾鷲市~串本町を走行し、15日に和歌山市に到着する予定。1日の平均走行距離は約150㌔にも及ぶ。御浜町~那智勝浦町間の走行には、新宮市内でスポーツサイクル専門店「WHEEL ACTION」を経営する西村豪さん(44)も伴走した。
プロジェクト実施に当たり、同実行委員会では取り組みに賛同、応援するサポーターなどを募集しており、各自治体などでは出迎えなどをもって2人を歓迎した。
新宮市入りしたゴンザさんはPCRについて「乗り手目線でつくられている所もそうでない所もある」。サイクリストに対し「背後から車が来ていたら寄せたり止まったりするなど、最低限のマナーを守ることが大事。車も自転車もお互いに配慮する必要がある」と指摘する。
「自転車に乗っているから多くの人とつながれた」と感謝を口にし「千葉をスタートして日に日に応援してくれる人や興味を持ってくれる人が増えてきた。絶対にけがなく無事にゴールしなければ、という気持ちです」と話していた。
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(※)ナショナルサイクルルート=日本を代表し、世界に誇るサイクリングルートとして国内外にPRすることを目的に、国土交通省が指定。
(2021年8月15日付紙面より)
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熊野地方
本来なら帰省客や観光客でにぎわいを見せるお盆時期。今年は新型コロナウイルスの影響で観光地や交通機関の混雑は見られず閑散とした雰囲気となっている。
新宮市徐福のJR新宮駅によると、お盆時期の乗車率は前年と同様、例年の1割程度だという。駅構内には電車や家族の帰省を待つ人の姿もない。
お盆中日の14日、新宮市内では、多くの店舗が市が新型コロナウイルス感染症緊急対策として飲食店などに対して呼び掛けた「休業協力のお願い」に応える形で、「休業のお知らせ」チラシを店舗玄関先に掲示し休業に入っている。
また、市ではコロナ対策として海水浴場は開設しておらず、那智勝浦町では新宮保健所管内における急激な感染拡大を受け、6日に町内の海水浴場の開設を終了。市、町とも今月いっぱいまで体育施設や文化施設など関連施設を休止としており、大人にとっても子どもにとっても「さみしいお盆休み」となりそうだ。
(2021年8月15日付紙面より)
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熊野市、御浜町、紀宝町の現状は
三重県内で11~13日にかけて連日100人を超える新型コロナウイルスの感染が確認された。13日は県内で137人の感染者があり、3日連続で最多を更新した。第5波といえる状況の中、県内では若い世代の感染者が増加しており、県では全ての希望者へのワクチン接種が円滑に進むよう、市町や関係機関などと緊密に連携し、取り組みを進めている。
県によると当初予定していた医療従事者などへの接種が6月15日に完了。65歳以上の高齢者を対象とした住民接種は目標の「7月末まで」を達成したという。
熊野市、御浜町、紀宝町では65歳以上の高齢者に続き、64歳以下の接種や接種準備を進めている。13日現在の状況を聞いた。
紀宝町では、18日(水)から12~15歳の接種予約を開始する予定。現在は16~64歳の接種対象者5533人のうち、2882人が1回目、2040人が2回目を終えた。
御浜町は16~64歳の4094人を対象に接種を進め、1回目は1234人、2回目は1142人が完了した。65歳以上は対象者3289人のうち2893人が2回の接種を済ませたが、引き続き、接種希望者の受け付けも行っている。
熊野市では12~64歳の対象者7807人のうち、1回目は5065人、2回目は3464人が接種した。接種率は1回目が64・9%、2回目は44・4%となっている。
(2021年8月15日付紙面より)
愛知県犬山市の博物館明治村内に立地する「博物館明治村簡易郵便局」(重要文化財)は1909(明治42)年、三重県宇治山田市(当時)に建築。69(昭和44)年に現在地に移築されており、明治時代の木造郵便局舎として現存する唯一のものとされている。しかし、ここ新宮市にさらに古い木造郵便局舎があったとしたら?
新宮市丹鶴にある「丹鶴ダンス教室」は、郵便局として1905(明治38)年、現在の仲之町アーケード入り口(国道側)付近に建設。29(昭和4)年、丹鶴商店街にある「ホテルニューパレス」付近に郵便局が新設されたことに伴い現在地に移築され民間に払い下げられた。
「移築されたからこそ46(昭和21)年の昭和南海地震による火災焼失を免れた。近代の新宮のまちを語る上で貴重な明治建築では」と、熊野学研究委員会や市文化財保護審議会の委員を務める中瀬古友夫さんは話す。戦後、そして震災後、同市では住宅が不足。同建物も一時アパートとして使用されていたという。
故・湯川運(はこぶ)さんが同建物を管理するようになったのは53(昭和28)年。建物の裏手部分はダンスホールとして増改築され、昭和30、40年代は多くのダンス愛好家や若者などでにぎわいを見せた。市出身の芥川賞作家・中上健次の小説にも度々登場する、いわばまちの「名所」だった。
現在、同建物に一人で居住する和子さん(87)は高知県出身。ダンスを通して運さんと出会い、結ばれた。「主人は1年ほど大工の仕事をしていたので建物の修繕はよくしていました」。今は手付かずで…と和子さんは言うが、ホールには運さんとの思い出や昭和のエッセンスが色あせることなくあふれている。
ホールの広さは約20坪。照明や運さん手書きのダンスのリズム表などもそのままだ。「当時は70人もの人がここでダンスを楽しみました」。
中瀬古さんは「近くには旧チャップマン邸や旧西村家住宅、新宮城の『日本一短いケーブルカー跡』などがあり、城の地下に鉄道があるのもここだけ。建物は明治期の建設を経て戦後の市民の生活を残している。増築部分は『昭和レトロ』も感じさせてくれる貴重な建物」と保存を訴える。
増築や修繕がなされてきた「丹鶴ダンスホール」。「明治時代の木造郵便局舎として現存する」の定義に当てはまるのかどうかは専門家が判断するところではあるが、例えば玄関ドアが「〒」モチーフになっているなど、建築当時の姿を色濃く残す「文化財」であり、近代新宮の歴史が凝縮された歴史的価値の高い建物であることに疑いの余地はない。
(2021年8月13日付紙面より)
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コロナウイルス感染症緊急対策 (新宮市 )
新宮市が、新型コロナウイルス感染症緊急対策としての飲食店などに対する「休業協力のお願い」の事前登録期間が11日に終了し、市内312店が申請した。本来なら帰省客や観光客でにぎわい、繁忙期を迎える時季。今年はさみしいお盆休みとなりそうだ。
「休業協力のお願い」は、新宮保健所管内における感染拡大状況を鑑み、人流抑制やクラスター防止など、新型コロナウイルス感染拡大防止として市が打ち出した緊急対策。飲食店や喫茶店、居酒屋、カラオケボックスやバーなど、市内約500店舗を対象に、12日から16日(月)までの5日間の休業協力を呼び掛け(休業の実施は事業者判断)、協力店舗に10万円の協力金を支給する。
事前登録および協力金の支給には感染防止対策に取り組んでいることや、市が配布する「休業のお知らせ」チラシを店舗に掲示することなどが条件で、11、12日にはすでに店舗入り口などにチラシを掲示している飲食店が多く見受けられた。
休業を決めた居酒屋を経営する男性は「管内では飲食店から(新型コロナが)広がった。多くの飲食店が不安を抱えているのでは」。
休業に関しては「赤字は赤字でも多少なりとも補償があるなら。うちみたいに小さい店はいいが大きな店舗は本当に大変だと思う」。
一方、ほかの飲食店経営者は「お盆は前々から予約を頂いていたため協力はできなかった。しかしお盆休みがくることは誰でも分かっていたこと。協力したいが急すぎて対応できなかった店もたくさんあるのでは」と実情を語る。
「テークアウトといった売り方もある。個人的な意見だが、テークアウトのみ営業としてもらえる店は新聞紙面で特集を組んでもらい、協力金として費用を市が負担するなどの方法もあったのでは。スナックやバーなど仕方なく休もうと決断した店に、しっかりとした協力金を出すといった形も考えられたのではないかと思う」と話していた。
市は休業の実態確認のため、協力お願い期間中に見回り調査を実施。休業していないことが確認された場合には協力金の給付対象外となる場合もあるという。
(2021年8月13日付紙面より)
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現庁舎完成後初の本会議で (串本町議会 )
串本町議会(鈴木幸夫議長、13人)の第2回臨時会が12日、役場議場であった。現庁舎完成後初となる本会議の実施で、くしもとこども園新園舎建設工事と菌床製造栽培大型共同作業場空調設備等改修工事の各工事請負契約案を承認した。
同園舎はJR串本駅の西にある海抜51・5㍍の高台に用地を確保し、許容園児数150人を想定した木造平屋建ての設計で建設を目指している。事業費は本年度と次年度に振り分けて予算計上する形としていて、6月実施の第2回定例会でまず4億2724万円が承認された状況にある。
入札は今月3日に実施し、16社による指名競争入札で町内の株式会社小森組が7億7860万円(税抜き)で落札。当局は税込みの8億5646万円で工事請負契約を結びたい旨を議案として上程し、議員は入札結果の分析状況、ウッドショックなど資材調達難や設計変更の見通しを質疑で探りつつ可決承認した。
工期は13日から2022年10月31日(月)まで。当局は23年1月の開園を予定していて、完成後の機能移転も含め余裕を持って目指せる状況となっている。
同作業場の空調設備等改修工事は老朽化に伴う更新整備で、第1回定例会で事業費3億2333万4千円を承認している。入札は今月3日に実施し、12社による指名競争入札で田辺市の株式会社第一テックが2億3400万円(税抜き)で落札。当局は税込みの2億5740万円で工事請負契約を結びたい旨を議案として上程し、議員は質疑、討論なく可決承認した。
同町産業課によると、資材調達難の影響が見込まれるが契約上は13日から来年3月25日(金)までを工期としているという。
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田嶋勝正町長は開会に先だって、新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的とした関係施設の臨時休業について、一部を除き今月31日(火)まで延長する考えを議員に説明した。
延長の対象は▽串本温泉浴場「サンゴの湯」▽串本町B&G海洋センターのトレーニングルーム(スポーツジム)▽大島プール▽トルコ記念館▽日米修交記念館▽樫野埼灯台旧官舎▽潮風の休憩所。同センターのプール(スクールを除く一般利用のみ)と串本町総合運動公園は運営委託するNAS株式会社との協議を経て、17日(火)から営業を再開するとした。
説明後、同町は12日付で前述した内容を公式ホームページなどで公表し、延長を確定した。
(2021年8月13日付紙面より)
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土石流防ぎ、安全安心の確保を (紀宝町神内 )
熊野建設事務所は、紀宝町神内の2級水系神内川水系里地谷で通常砂防工事に取り組んでいる。2011年度から災害関連緊急砂防事業として着手し、本年度は3号えん堤の工事を進めており、9月末の完成を目指している。これまでにえん堤2基と渓流保全工195㍍が整備済みとなっている。
11年9月の紀伊半島大水害の際、渓流の浸食や土石流により家屋などに被害が発生するとともに、渓流の荒廃が進み、河床には不安定土砂が堆積した。下流の氾濫想定区域には人家19戸と町道があり、土石流による被害が懸念されるため、砂防えん堤と渓流保全工により土砂災害を防ぎ、地域住民の安全、安心の確保を図るための事業。
静岡県熱海市で発生したような土石流を防ぐために、砂防えん堤を築造しており、土石流が発生した際、一度に大量の土砂が下流に流れ出て、災害を起こさないよう土砂の流出をコントロールする役目を担う。
情報通信技術(ICT)を活用して、起工測量ではドローン撮影による3次元起工測量、設計データを3次元化した上で、衛星による位置情報を取得し、マシンコントロール機能を有した建設機械(バックホウ)で工事を進めている。
バックホウには3次元の設計データが入力されており、運転席では液晶モニターで設計データを確認しながら操作を行っている。
同事務所によると、県内のICT活用工事では土木工事にかかる延べ作業時間は全体で約3割削減されており、このような建設機械を使用することで、機械周辺の作業員との錯綜(さくそう)作業が大幅に短縮されていることから、作業の安全性が高まったとの意見が多数寄せられているという。
(2021年8月13日付紙面より)
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