県立高校で合格発表 (和歌山・三重 )
和歌山県と三重県の県立高校で17日、一般入学試験の合格発表があった。本紙エリアの和歌山県側は新宮高校、新翔高校、串本古座高校の3校で計380人が、三重県側は木本高校と紀南高校で計222人が喜びの春を迎え、憧れの高校生活に期待を寄せていた。
両県ともに所定の時間に一斉に、合格者の受験番号が掲示板へ張り出された。緊張した面持ちで発表を待っていた受験生たちは、自分の受験番号を見つけると友人や教職員らと喜びを分かち、携帯電話で家族へ報告していた。新型コロナウイルスの感染拡大防止を考え合格者番号は、受験生や中学校関係者用のホームページにも掲載された。
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和歌山県側の各校の合格者数は、新宮高校全日制200(定員200)人、同校定時制5(同40)人、新翔高校85(同120)人、串本古座高校90(同120)人だった。
新宮高校に合格した下里中出身の小谷鳳菜さん(15)は「しっかり勉強してきたので、結果が出てうれしい。勉強も運動も両方頑張って、高校生活を楽しみたい」。新翔高校に合格した宇久井中出身の堀希優さん(15)は「最高です! 新しい友達をたくさんつくって勉強も頑張る高校生活にしたい」。
串本古座高校に合格した串本中出身の山本秀斗さん(15)は「受かってよかった。中学校の先生に感謝したい。高校ではしっかり勉強して、自分がしたい仕事に向かっていけるよう努力したい」と話した。
定員に満たなかった学校の追募集の出願は24日(金)に受け付け、学力検査は28日(火)、合格発表は30日(木)に行う。
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三重県立木本高校と紀南高校は、後期選抜と内定通知した前期選抜の合格者を合わせて発表した。木本高校は全日制普通科(定員120人)に101人、総合学科(同40人)に39人、定時制普通科(同40人)に4人、紀南高校は普通科(同80人)に78人が合格した。
(2023年3月18日付紙面より)
堀町長らが那智大社を案内 (那智勝浦町 )
ベトナム社会主義共和国フーイエン省から、フーイエン省訪問団が13、14の両日に来県し、那智勝浦町や太地町などを視察した。13日は約30人の団員たちが、那智勝浦町の熊野那智大社を訪れ、堀順一郎町長らが案内した。
フーイエン省は、マグロや温泉、サンゴ礁、世界遺産があり、ベトナム最東端の省だ。マグロはアメリカやヨーロッパに輸出されているが、ブランド力が弱いことから、日本企業と協力(持続可能なマグロ漁)し、ブランド力の構築と日本市場への輸出を目的に今回の視察に至ったという。
訪問団は、国会議員で省共産党のファム・ダイ・ズオン書記長を団長とし、各企業の関係などで構成される。
この日一行は、和歌山県国際課の職員や同町職員らと共に、同町築地のにぎわい市場と株式会社ヤマサ𦚰口水産を視察。その後、那智山を訪れた。
熊野那智大社では、正式参拝を行い、巫女(みこ)による「那智の瀧舞」の奉納後、玉串をささげた。男成洋三宮司が本殿などを案内した。
堀町長が、那智山青岸渡寺や境内から見える那智の滝について説明した。堀町長は「本町ではすでにベトナム人の方が活躍されている。フーイエン省もマグロと温泉が有名と聞き、共通する点を感じる。今後も交流を深め、ビジネスパートナーとなれれば」と話していた。
ズオン書記長は「那智山は景観がとても良い。町の人々も親切で歓迎してくれてありがたい。今回の訪日は、マグロに関係する事業のパートナーを探すことが大きな目的。にぎわい市場でマグロ漁について話を聞き、経済的なポテンシャルを感じた。ぜひ、ベトナムに来てほしい。和歌山県とのつながりを強化し、生かしていきたい」と語った。
一行はその後、太地町立くじらの博物館を見学。翌14日は、串本町なども視察した。
(2023年3月18日付紙面より)
2事業所に表示証交付 (新宮市 )
新宮市消防本部(垣内一男消防長)は16日、同所で消防団協力事業所表示証の交付式を実施した。垣内消防長が、㈲仮屋商会(同市三輪崎)の仮屋幹代表取締役と、SWS西日本㈱新宮工場(同市佐野)の瀧谷浩一さん(下地康浩工場長の代理)に認定証を交付した。
消防団協力事業所表示は、消防団活動に協力している事業所に対し、社会的貢献の証しとして表示証を交付する制度。事業所の活動を広く社会にアピールするとともに、消防団員の活動に対しより理解を深めてもらうことなどを目的に2017年6月に導入した。
表示証の表示有効期間は原則2年間。現在、上記2社と、南紀プロパンガス㈱(同市清水元)、熊野観光開発㈱(同市熊野川町)の計4社が協力事業所となっている。
交付式には垣内消防長はじめ幹部職員、中谷健兒団長らが出席した。垣内消防長は「日頃から市民の生命、身体、財産を災害から保護し、地域防災の中核として重要な役割を担っている消防団員の存在を企業として認めていただいていることは、大変ありがたい限り」と感謝。
「今後も消防団入団促進や組織強化などさらなる発展に向けて取り組んでいきたい」と述べ、消防団活動や防災活動へのさらなる協力を呼びかけた。
3人の職員が市消防団に所属している仮屋商会は、2018年、21年に続き3回目の交付。「引き続き、地元のために協力していきたい」。
初めて交付を受けたSWSの瀧谷さんは「職員2人が佐野分団と高田分団に所属している。新宮市に拠点を構えて31年目。少しでも地域の安全に寄与できれば」と話していた。
同制度の認定基準は従業員2人以上が入団していることなど。問い合わせは同本部庶務課(電話0735・21・0119)まで。
(2023年3月18日付紙面より)
東海大学海洋調査研修船「望星丸」
新宮市三輪崎の新宮港第4岸壁に17日、東海大学海洋調査研修船「望星丸」が入港した。同大学連合後援会員や平安衣装をまとった女性らが小旗などを手に研修団を出迎えた。同船は同日、同港に停泊。18日に出港する。
同大学が所有する、海洋調査研修船「望星丸」(全長87・98㍍、幅12・8㍍、2174国際総トン)は、1962年に日本初の開設となった海洋学部の海洋実習および調査・観測のほか、学園全体としての海外研修航海、地域社会の青少年に対する海洋思想の普及活動を目的として航行している。
毎年、同大学、東海大学短期大学部、東海大学医療技術短期大学の在学生を対象に、異文化理解や環境保護、協調性の大切さなどを実践的に学んでもらうことを目的とした海外研修航海を実施。研修航海には、68年の第1回以降、3800人を超える学生が参加している。
過去2年は新型コロナウイルス感染症の影響で実施を見合わせていたが、本年度はコロナ禍でも実施可能な国内航路に切り替えて再開。研修学生や教職員、乗組員、練習学生ら合わせて137人を乗せて2月19日に静岡県の清水港を出発。小笠原や沖縄、広島などを経て、新宮港に入港した。
新宮港に降り立った学生らは、バスを利用して熊野三山などを訪問。18日には市観光協会登録ガイドによる絵解き説法を受けるほか、市内を散策する予定とのこと。
出港は午後4時。船内でお見送りセレモニーや、市ツイッターキャラクターめはりさんらによる見送りが行われる。
(2023年3月18日付紙面より)
【第59回】料理は苦痛か、楽しいか
先日、私の知人が「子どもに料理しなくていいって言われたから、私は家事代行にお願いしてる」という話をしてくれました。お母さんが、手作りにとらわれてキリキリしてしまうのは、子どもにとって良くないと私は思っているので「それができるなら、すごくいいね」と言ったのですが「『料理は面倒だし嫌でしょ』って子どもが言ってくれて…」という話を聞いたときに「ん?」と違和感を覚えてしまいました。
毎日義務的に料理をするのは、本当に大変ですし、家事や仕事に追われていると、とっても面倒だと思います。だからこそ、毎日手作りじゃなくていいと思っていますし、そう伝えたい!と強く思ってきました。家事代行を利用するもよし、外食や、冷凍食品や、お総菜を活用するもよし、お弁当もファストフードもいい!と。何を食べるかよりも、どう食べるか。子どもたちの自己肯定感を高めるのは「イライラしながら作る手作り」よりも、「ニコニコ食べるお弁当」だったりするよ!と。いろんな人に伝えてきました。この情報にはきちんとしたエビデンスがありますし、間違いないんです。
そんな私が、知人の話に違和感を覚えたのは「子どもが料理を面倒で大変なことだと思っている」という点にあるのです。私は仕事で、料理人の方や、フードコーディネーターさん、料理研究家など、さまざまな食のプロに会います。そうして食に関わるお仕事をさせていただく中で「料理って面白いな」とつくづく思うのです。ほんの少しの手間や工夫で、味は大きく変わりますし、同じレシピで作っても、塩加減や火加減が異なると、仕上がりも変わります。ときには思いがけない食材や調味料の掛け合わせで、びっくりするようなおいしい一品ができることもあります。お肉を軟らかくしたり、野菜の色止めをしたりする際には、科学的な考え方が必要になりますし、何品も同時に作るには、効率よく作る段取りが必要になります。そう!つまり、本来料理はとっても頭も使うし、クリエーティブな作業で、楽しいはずなんです。
毎日手作りをする必要も、手間をかける必要もありません。でも、子どもたちには「料理の楽しさ」をぜひ伝えてあげてほしいのです。時間がある週末や休日などに、一緒にお料理をして、楽しいね、おいしいねとコミュニケーションを取ってみてはいかがでしょうか?調味料の量を間違えても「入れすぎたね」と笑えば、それは立派な食育です。理科の実験のように、いろいろな下味を試してみたり、かつおだしと顆粒だしの飲み比べなんていうのもいいかもしれません。お料理が上手じゃなくても、嫌いでも、その楽しさや驚きを、ぜひ伝えてあげてほしいと思います。毎日作らなくても、そういう時間の共有が、将来の子どもの調理意欲をかき立ててくれます。調理体験は、子どもたちの食意識に大きく作用するという研究結果もあるのです。食べるのも作るのも楽しい! それが最大の食育だと私は感じています。
(2023年3月18日付紙面より)
6社招き、FAMツアー (新宮市 )
新宮市は14、15の両日、市内各所でインバウンドFAM(ファム)ツアーを実施した。東京や大阪の旅行会社6社から6人が参加。ガイドらと共に名所を巡りアクティビティーを体験。観光資源やその魅力を発見する機会とした。
FAMツアー(トリップ)はモニターツアーの一種。国や自治体などが観光誘致を目的に、旅行会社やメディアなどに現地視察してもらい、観光客目線で実際に体験したツアーやサービスを発信してもらう狙いがある。
入国制限の緩和や、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)を見据え、インバウンドの誘客に力を入れる同市ではこのたび、今後の旅行商品造成のきっかけづくりや、新たな観光コンテンツを体験してもらおうと、訪日外国人を取り扱う旅行会社を招待するに至った。
ツアーに参加したのは▽㈱リベルタ▽G Adventures▽INTO Japan▽ジャパンリンクストラベル▽㈱JTBグローバルマーケティング&トラベル▽㈱HIS―の6社。
1日目14日は、ガイドの福辻京子さんらの案内を受けながら、一行はEバイク(電動アシスト自転車)で熊野速玉大社や神倉神社、阿須賀神社へ。このほどリニューアルした熊野速玉大社神宝館見学や絵解きを通して、同市の文化的魅力に触れた。
15日は大雲取越や高野坂のトレッキング、熊野川川舟下り、スイーツ巡りなどを通して、自然や歴史などを楽しんだ。
ツアーに参加した「INTO Japan」のツアーコンサルタントで英国人のダニエル・リッチーズさんは「神話や伝説、祭りなどローカルでユニークなカルチャーを通して日本の文化や自然に触れられて素晴らしいと感じた。和歌山県も新宮市も、海外の人にはあまり知られていないのでこの機会を利用して広めていきたい」と笑顔で語った。
なお、コロナ禍前の2018年には、9112人の訪日外国人が同市(熊野川町含む)を訪れた。22年は新型コロナウイルスの影響で1406人にまで落ち込んだが、入国制限の緩和に伴い、訪日外国人数は徐々に増加しているという。
(2023年3月16日付紙面より)
下小防災伝え隊が発表 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長)で14日、6年生9人による発表「下小防災伝え隊~みんなが助かるために、わたしたちにできることって?~」があった。全校児童や地域住民が参加し、防災について学んだ。
6年生は本年度、役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話や修学旅行での「人と防災未来センター」(神戸市)訪問などを通じ、防災について学んできた。
発表では、児童や保護者を対象にしたアンケート結果を基に「ほとんどの人が地震発生時の避難場所を知っていたが、逃げる準備をしている人はあまりいない。南海トラフ地震が何年周期で起きているか知らない人が多かった」と問題提起。
海洋プレートの沈み込みによって起こる海溝型地震の仕組みを解説し「今後40年以内に90%の確率で南海トラフ地震が起こる。那智勝浦町では、東海・東南海・南海の3連動地震で死者5200人、家屋の全半壊6100棟、南海トラフ巨大地震で死者1万1700人、家屋の全半壊7800棟の被害がでると予想されている」と警鐘を鳴らした。
非常時に備える3ステップとして▽バッグやポケットに常に携帯しておくもの(0次)▽被災の1日を乗り切るコンパクトな非常持ち出し袋(1次)▽何日か自給自足してしのげる物品の備蓄(2次)―をそれぞれ用意しておくとの考え方を示した。
サイコロトークでは、地域住民と混合の3グループに分かれ、さまざまなテーマで話し合った。「家の中で危険だと思う場所」では「刃物や陶器があるキッチン」「大きなタンスや冷蔵庫の近く」、「下里校区内で安全な場所」では「津波のことを考えると、どこも安全とは言い難いのでは」との意見が聞かれていた。
(2023年3月16日付紙面より)
城南中学校で食育講座 (新宮市 )
新宮市立城南中学校(吉田元紀校長)は14日、新宮市立神倉小学校の栄養教諭の大西勇也さんを講師に招き、食育講座「栄養のはなし」を開いた。1年生58人が受講、成長のためにカルシウムの摂取が重要であることを学んだ。
大西さんは、ある日の学校給食の栄養素のグラフと、メニューから牛乳を除いた場合のグラフを提示。あらゆる栄養素が大きく減少することを示し「牛乳は栄養バランスの良い食材です」と話した。
カルシウムは骨や歯に99%、血液や細胞に1%が含まれることを説明。「骨はカルシウムを貯蔵し、血液中のカルシウム濃度を調節、骨格を形成する」「血液や細胞では、神経伝導や筋肉収縮を調節し、血液を固める機能を活性化させる」などと述べた。
骨はカルシウムとコラーゲンで作られていることを解説。「カルシウムが少ないと折れる。10代から20代は一番骨に蓄えやすい」と語った。カルシウムが多い食材として▽牛乳・乳製品▽大豆製品▽小松菜などの野菜▽ワカサギなどの魚介類▽ひじきや昆布などの海藻―などを挙げた。カルシウムの多い給食のメニューも紹介した。
体内のカルシウムを増やすためには、規則正しい生活をして日光を浴びることも大切と強調。「カルシウムをたくさん取って、骨を豊かにしてください」とまとめた。
(2023年3月16日付紙面より)
太地中生徒会が義援金届ける (太地町 )
太地町立太地中学校生徒会(山下創太郎会長)の5人は14日、同町役場を訪問し、自身らで集めたトルコ南東部地震災害義援金を宇佐川彰男教育長に手渡した。義援金は和歌山県を通じて、訪日トルコ大使館に届けられるという。
2月にトルコ南東部で発生した大地震やその被害を受け、生徒会で義援金を集めることを決定。同校玄関で実施するあいさつ運動の際に、義援金箱を持って、生徒らに寄付を呼びかけたという。
今月6日から10日の間で合計1万300円が集まった。14日は引率の教諭と共に、山下会長、宇佐川昊副会長、脊古陸駆副会長、由谷蓮太郎さん、竹田成さんが訪れた。
山下会長は「多くの方々が呼びかけに応えてくれて良かった。トルコとシリアの復興のために使ってください」と話した。
宇佐川教育長は「太地町や町教育委員会では、太地の子どもは賢く、思いやりのある子に育ってほしいという思いで、多くの施策に取り組んできた。生徒会の皆さんで集めていただき、本当にありがたい。義援金は、町から県を通してしっかりとトルコに届けていただきます」と語った。
(2023年3月16日付紙面より)
新宮GG同好会「早春大会」
春季社会人学生卓球大会
グラウンドゴルフかつうら大会 (県年金受給者協会 )
宮戸伸之会長が剣道八段優勝大会に (新宮剣友会 )
本紙エリアも減少顕著
厚生労働省はこのほど、2022年の国内の出生数(速報値)が80万人を割り込んだことを発表した。統計を取り始めた1899年以来で最少の数字で、コロナ禍の影響もあり推計より早く少子化が進んだことになる。状況は本紙エリアも同じとなっている。
新型コロナウイルス感染症は、20年1月に国内で初の感染者を確認。以来、拡大と小康状態を繰り返し、大きな社会不安を引き起こした。これに伴い、結婚や出産も減少。本紙エリアではさらに、新宮市立医療センターの分娩(ぶんべん)休止もあり、混乱が生じた。
具体的には、新宮市で19年は172人だった出生数が、20年には141人まで減少。21年には159人まで持ち直したが、22年は138人に落ち込んだ。那智勝浦町は68人、56人、58人、37人と推移。太地町は15人、6人、9人、12人で、微増と微減を繰り返した。なお、出生届は全国どこの市町村へでも提出できるため、厳密には市町民の出生を正確に表す数値とは言えないが、目安にはなる。
10年ごとの出生数推移を見ると、確実に減少しているのが分かる。02年、12年、22年の順で、新宮市は282人、216人、138人に減少。那智勝浦町は120人、94人、37人。太地町は18人、18人、12人となった。なお新宮市は、05年に熊野川町と合併しており、02年は旧新宮市の数字となっていたため、比較検討のためにあえて熊野川町の出生数もプラスした。
なお各市町は少子化の解消を目指し、医療費や給食の無料化、出産祝い金の創出など、さまざまな施策を打ち出している。また、結婚への支援などを打ち出す自治体もあり、今後、その効果に期待が寄せられるところだ。
(2023年3月15日付紙面より)
田原小4、5年生が町長に (串本町 )
串本町立田原小学校(山路和彦校長)の4、5年生6人が13日、共同制作した作品「輝く未来!夢と希望をのせて田原のロケット」が本年度ふるさとわかやま学習大賞に選ばれたことを田嶋勝正町長に報告した。
この賞は、県教育委員会がふるさとへの関心を深め愛郷心を育むとともにそのためのふるさと教育の推進を図る目的で年1回、第2学期終了日を締め切りとし県内の小学校~高校や義務教育学校、特別支援学校の児童生徒に作品の応募を呼びかけている。
田原小の4、5年生はそれぞれ総合的な学習の時間の中で校区内の大きな話題となっている民間ロケット射場「スペースポート紀伊」やロケット「カイロス」にちなんだ調べ学習をし、その成果を生かして2年前の児童がロケット関係作品で奨励賞を獲得した同大賞模造紙ポスター部門に自分たちも挑戦することを決め、昨年11月の学習発表会以降期日が差し迫る中で急ぎ作品を仕上げて応募した。
規定の大きさの模造紙に扉をつけるなどの工夫をしつつ▽同射場が田原に造られた理由▽ロケットの概要や打ち上げるまでの過程▽町企画課ロケット推進室やスペースワン株式会社から教わった事柄▽ロケットが切り開く宇宙産業の概要▽自分たちや地域の期待の声―などの情報をぎゅっと詰め込んだ内容。4年生の岡田葵さんと西さつきさんと西脇千真君、5年生の芝峰楓太君と寺西秀君と本出晶一君がクラスの垣根を越えて一丸になり、それぞれの成果を寄せて作り上げたという。
この日は山路校長ら教員と一緒に役場本庁舎町長室へ赴き、今月1日に届いた賞状を見てもらう形で受賞を報告。6人が役割分担してポスターセッションを実演し、作品の内容を伝えた。田嶋町長は実演や6人それぞれの調べた感想を聞いてしっかり勉強してくれていることなどが分かりうれしいと述べてこの頑張りをたたえ、共に栄えある受賞を喜んだ。
作品は校区内でお世話になった関係先へ披露後、15日(水)から当面の間、役場本庁舎玄関で披露する予定。同校はこの機会に一人でも多くの来庁者に6人の成果を見てもらえればと話している。
(2023年3月15日付紙面より)
丹鶴地区ふれあい交流会 (新宮市 )
新宮市の丹鶴地区福祉委員会と丹鶴地区民生委員児童委員協議会、丹鶴公民分館は12日、同市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「丹鶴地区ふれあい交流会」を開いた。地区住民ら約160人が来場、さまざまな出し物を楽しみ住民同士の交流を深めた。
1人暮らしの高齢者をはじめ、支援を必要とする人の日頃の見守り活動や地域のつながりを強めようと開催しており、今回で7回目。地域住民の孤立を解消し、多くの人たちと仲間づくりの輪を広げ、福祉委員や民生委員児童委員らとの関わりを深める目的もある。
開会に当たり、実行委員長を務める西孝・同地区福祉委員長は「第2部では新宮警察による特殊詐欺講話も予定している。最後までお付き合いを」。
市社会福祉協議会の大谷康央事務局長は、開催に尽力した関係者らに感謝を伝え「地域の課題を解決するにはつながりが大事。今日はさまざまな演目を通して近所の関係づくりにもつなげていただければ」とあいさつした。
ステージは、ハリケーンによるライブ演奏で幕開け。続いてHulaHAPUNA(フラ・ハプナ)がフラダンスを披露し会場を盛り上げた。
休憩を挟んで、特殊詐欺被害防止アドバイザーの楠本研さんと脊古佳さんが特殊詐欺被害防止について講話した。
DVDを通して還付金詐欺などへの注意を促すとともに、県内の被害状況について「今年は1月末現在で9件の被害が発生し、被害総額は約1億2770万円に上る」などと説明。
「架空料金請求詐欺」や「オレオレ詐欺」「預貯金詐欺」「キャッシュカード詐欺盗」などの手口や、個人情報を収集する手口などを紹介し「電話でお金の話が出たら電話を切り、誰かに相談を」と呼びかけた。
(2023年3月15日付紙面より)
本宮小学校でコンサート (田辺市本宮町 )
来年度の新校舎移転を控えた田辺市立本宮小学校(田中活介校長)で13日、指揮者の矢澤定明さん、コントラバス奏者の谷脇友里恵さんによるコンサートが開かれた。同校の児童や教職員、保護者、たんぽぽ保育園の園児ら計100人が来場し、生のクラシック音楽に触れた。
同校は大塔川のほとりに位置していることから、来年度より高台への移転が決定している。田中校長と矢澤さんの縁により、現在の校舎での思い出づくりや6年生とのお別れ会を兼ねたコンサートが実現した。
今年1月に創立70周年を迎えた田辺ロータリークラブ(新藤整市会長)も協力。4月9日(日)に田辺市の紀南文化会館で開催する記念コンサートの事前アウトリーチ活動も兼ねている。
矢澤さんの指揮と谷脇さんの伴奏による校歌合唱で開演。谷脇さんは、バロック音楽から古典派、ロマン派へと移行していくクラシック音楽の歴史を追いつつ「アリオーソ」(J・S・バッハ)、「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」(モーツァルト)、「交響曲第9番」(ベートーベン)などを披露。子どもたちは知っている曲に体を揺らし、コントラバスの音色に聞き入っていた。
閉会に当たり、田辺ロータリークラブの新藤会長が「現在の校舎のことを思い出し、皆さんの心に音楽の種が芽吹いてくれたら」と語った。
和田千夏さん(6年)は「コントラバスという楽器は授業で知っていたけれど、生の演奏を聴くのは初めて。落ち着いた音色だった。中学校に行っても、目標に向けて頑張りたい」と話していた。
(2023年3月15日付紙面より)
社会参加促進へ、マップ発行 (那智勝浦町 )
那智勝浦町役場福祉課高齢者支援係が3月、「通いの場マップ」を発行した。日常的に高齢者をはじめとする地域住民が集まって活動・交流している場を“見える化”することで社会参加を促し、生きがいづくりや仲間づくり、健康長寿の実現につなげることが狙いだ。
「通いの場」は地域住民が主体となって月1回以上開き、介護予防に資する取り組みなどを行う場とされる。定期的に活動・交流の場を持つことで支え合いの輪を広げるとともに、認知機能低下や低栄養による衰弱を予防し、運動機能や口腔機能の向上につなげることができる活動として、近年、厚生労働省なども推進している。
マップには、いきいきサロンをはじめ、ゆうゆう体操やいきいき百歳体操、茶話会、グラウンドゴルフ、カラオケ、ガーデニング、畑仕事、ヨガ、彫刻など多種多様な活動の場所や日時をまとめて掲載している。
福祉課の桝本佳貴主査は「通いの場は地域の宝です。特別養護老人ホームやグループホームなど、高齢者を支える制度やサービスは整ってきているが、介護保険などの個別支援は高齢者の孤立につながることも。『介護の専門職に任せておけば大丈夫』ではなく、人と人がつながり、気にかけ合うような地域づくりが重要」と話す。
マップは町役場福祉課や町福祉健康センターで配布している他、町のホームページでも公開している。福祉課高齢者支援係(電話0735・29・7039)では通いの場への参加や立ち上げ、町社会福祉協議会(電話0735・52・5252)ではいきいきサロンに関する問い合わせをそれぞれ受け付けている。
(2023年3月9日付紙面より)
三重県知事が西田町長と対話 (紀宝町 )
一見勝之知事が県内各市町の首長らと対談する「知事と市町長の円卓対話」が7日、紀宝町で開かれた。工事が進む熊野川河口大橋、町が事業化を要望した一般県道小船紀宝線浅里バイパスの現場を視察した一見知事は「浅里バイパスは来年度から新規事業着手する。事業説明会、用地買収があり、皆さまにご協力いただきたい」と述べた。
対話は浅里地区の飛雪の滝キャンプ場で実施し、地元住民、藤根正典県議、町議らが傍聴。西田健町長が求めたバイパス整備に応える形で新規事業化が実現した。
地域の諸課題に対する共通認識の醸成を目指し、知事が地域に出向いて市町長らから意見を聞き、県政に役立てるもの。知事就任以降開催しており、紀宝町では初めてとなった。
西田町長は、災害対策のためにも高規格道路が必要とし「一日も早く紀勢線が全線開通するよう整備促進を」と求めた。一見知事は高速道路早期完成の重要性を示した。
医療費助成、給食無償化、移住新生活応援事業、固定資産税の減免、空き家バンク制度の充実など町の人口減少対策を把握した上で、さらなる支援要望を受けた一見知事は、子どもの医療費無償化、移住・Uターン促進の重要性を伝え、県の子ども支援予算の増額、移住対策コーディネーターの設置などを紹介した。
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視察後、一見知事と西田町長は紀宝はぐくみの森に移動し、ママサークル「さくらんぼ」(舛屋秀美代表)のメンバー6人と対談した。
県民から地域課題を聞く「知事と県民の円卓対話」で、15回目となった。一見知事は「今まで以上に子育て支援に力を入れ、市町を応援する。これからも子どもに優しい三重県を続けたい」と語った。
さくらんぼは、子育ての孤立をなくし、前向きに元気にできるよう、2012年から始まり、毎月1回、イベントを開いている。舛屋さんは「親も子も楽しめる会なので、みんなが笑顔で元気になり、家庭での楽しい会話タイムができています」と活動の様子を伝えた。
メンバーは、ファミリーサポートセンターや子育て支援センター、歯磨き指導、乳幼児健診、医療費、子育て相談など子育ての面から町の魅力を紹介。「子育てするなら紀宝町。年々、町が好きになっている」「医療費助成、ファミサポがあり、子育てしやすい」「ファミサポの存在が安心につながっている」などと語った上で、延長保育、遊具の設置、公園整備などを要望した。
西田町長は「16年前、子育て支援センターとファミサポを公約に掲げた。『子育てするなら紀宝町』と言っていただき、うれしく思う。皆さんのご意見を子育て支援の参考にしたい」と話した。
(2023年3月9日付紙面より)
中央公民館で人権講演会 (古座川町 )
令和4年度古座川町人権講演会が4日に中央公民館であり、約100人が聴講して人権意識を高める一助とした。
この講演会は町と町教育委員会と町人権尊重推進委員会が主催、町教育会と町連合PTAが共催。新型コロナウイルスの情勢により4年ぶりの実施となった今回は、戦場カメラマンとして30年来活動するフォトジャーナリスト・渡部陽一さんを講師に迎える内容を手話通訳付きで準備し、定員120人で事前申し込みを受け付けた。
当日は主催者を代表して中道悟教育長が「戦争は人権侵害の最たるもの。今まさにウクライナでも戦争が行われていて、教育委員会として何かできることはないかと考え昨年12月のおとなのためのピアノ教室発表会をウクライナ支援チャリティーコンサートとして開かせていただいた。世界中にはまだまだ戦争があり、今日はその現実のお話を頂き平和や人権を振り返って考えるきっかけにしていただければ」と述べて参加を歓迎した。渡部さんは「戦場からのメッセージをあなたに~ファインダー越しにみた命の現場~」と題して登壇し、戦場カメラマンとなった経緯や30年来撮影を続けて伝えようとしている事柄を紹介。戦渦に巻き込まれて将来のために学ぶ機会を失い、その境遇に悲しみ泣く子どもたちが世界のどこかに常にいることを写真で知らせ続けるのが自身の活動だと伝えて、その現実や当事者である子どもたちの思いを訴えかけた。
ウクライナ戦争の経緯も戦場カメラマンとしての目線で解説し、数々の戦場を見てきた自分は現状でこの戦争は終結しない(長期化する)と直感していると主張。戦争の終結に結び付く世界の大きな動きが生まれることを願いつつ、自身は今後も戦禍に直面する子どもたちがいることを伝え続ける意思を掲げた。時間が許す限り質問にも答えて理解を後押しした。
(2023年3月9日付紙面より)
田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)と同大社旧社地・大斎原(おおゆのはら)で6日、「時宗総本山・藤澤山無量光院清浄光寺(神奈川県藤沢市、通称「遊行寺」)、他阿一浄上人就任奉告法要」が営まれた。大社や同寺の関係者ら約50人が参列。法主に就任した遊行七十五代他阿一浄上人が、本殿や一遍上人名号碑前で登位および法灯相続を奉告した。
鎌倉時代中期から室町時代にかけて日本全土に広まった浄土系仏教・時宗の開祖・一遍上人(1239~89年)。同大社には、布教の在り方について苦悩した智真(後の一遍上人)が同大社証誠殿の御前で祈り続け、悟りを開いた逸話が残っている。
大斎原には、1971年に熊野権現の霊告を受け、独一念仏を開顕した開眼供養の碑「一遍上人神勅名号碑」が建立され、1289年8月23日に入寂した一遍をしのび毎月23日に一遍上人月例祭が斎行されている。
他阿は1278年、一遍に師事して以来、一遍の諸国遊行に従い、一遍が亡くなった後にいったん解散した時衆を再結成して集団組織化し、遊行を続けた。1304年に遊行を3世の量阿に譲り、相模国に草庵(後の当麻道場金光院無量光寺)を建立して独住し、83歳で示寂。一遍と並び「二祖上人」と通称されている。
遊行四代呑海上人の開山以来、遊行上人が住まう寺として「遊行寺」の名で親しまれている清浄光寺。他阿一浄上人は、遊行七十四代他阿真円上人の遷化に伴い、昨年1月6日に登位。同大社本殿前において仏国祭、大斎原において法楽が執り行われた。祭事後には賦算が行われ、一浄上人が参列者らに念仏札を配った。
九鬼宮司は、一遍上人を通した時宗と同大社との縁について話し「熊野は神仏が一体となって世界の平和を祈る場所。今日は他阿一浄上人の姿を目に焼き付けていただき、熊野が神仏一体に、心を一つにして平和・平穏を祈る場所であることを改めて感じていただければ」。
一浄上人は「このような儀を執り行っていただけたことは感激の極み」と参列者らに感謝を伝え「同大社でお参りをしながら、熊野のこの地であったからこそ、そのご神勅にありつけたのだろうと改めて感銘した。皆さまのご加護がなければ到底務まる職ではないが、この世の中が平穏であることを一心に願いながら自分の誠をささげてまいりたい」と思いを語った。
(2023年3月9日付紙面より)