文化財防火デーで訓練 (熊野速玉大社 )
文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。消防関係者や神職、地域住民ら53人が参加し、連携体制を確認した。
今年で65回目となる訓練は午前9時に大社裏の雑木林から出火し、大社自衛消防隊らによる懸命な消火活動にもかかわらず拝殿に延焼する恐れがあると想定。神職たちが放水銃で初期消火をした後、駆け付けた消防署員や団員たちが放水し、丹鶴婦人防火クラブ会員やみこたちが文化財を運び出した。
訓練後、整列した関係者たちを前に速水盛康教育長は「多くの方々の努力により、文化財を守り、育て、伝えていく活動の一端を担っていただいている。文化財の大切さを次世代に向けて発信していきたい」。
上野宮司は「同社は町と隣接しており、われわれはもちろん周囲の方々にも防火意識を持っていただくことが必要。ここには1205点の国宝と重要文化財があり、市のシンボルの一つでもあります。今後とも皆さんの力添えを」とさらなる協力を呼び掛けた。
川嶋基正消防長は「皆さんが一生懸命に練習を重ね、成果が十分に発揮された訓練で大変頼もしく思いました。今後も連携を強化していただき、安心、安全のために訓練を継続してもらいたい」と講評した。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。
(2019年1月26日付紙面より)
市野々小学校で租税教室 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(速水直樹校長)で24日、租税教室があった。5、6年生12人は新宮納税協会青年部の瀬古伸一郎さんから税金の使い道や大切さを教わった。
アニメーション教材の上映があり、主人公が税金のない世界で困難に直面する姿から、警察や消防、義務教育などの社会基盤が税金で支えられていることを児童らは知った。用意された1000万円の札束10個からなる1億円の札束の見本を手に取り、金額の重みも実感した。
瀬古さんは、学校の建設費は約13億円、公立小学校の教育費は6年間で1人当たり約536万円かかること、それらが税金で賄われていることをクイズ形式で紹介し、「税金は生活を維持するための会費のようなもの。税金に興味を持ち、未来の自分について考えてみてください。家に帰ったら今日学んだことを家族にも伝えてください」と呼び掛けた。
(2019年1月26日付紙面より)
樫野のキンカン集荷始まる (串本町 )
串本町樫野の特産柑橘(かんきつ)類・キンカンの集荷が25日、JA紀南樫野金柑加工場で始まった。JA紀南は、昨年相次いだ台風の影響があるものの例年並みとなる約6㌧の集荷量を今期に期待。早いところでは町内のAコープ紀南VASEO店でこの週末から生果の取り扱いを始めるという。
明治末期に始まり、太平洋戦争後に大きく栄えた経緯がある樫野のキンカン栽培。近年は生産者の高齢化と後継者不足で減衰傾向にあるが、長らく続き町の木にも指定されているキンカンの栽培を絶やしてはいけないという思いでJA紀南と生産者の両輪により今も生産が続いている。
今期出荷する生産者は9軒で、作付面積は計約90㌃。集荷初日のこの日は2軒が計約150㌔を出荷し、直径4㌢前後に達する4LからMまで、5種類の階級の実がそろった。荷受け後は直ちに生果用の実の選別作業を行い、傷や黒点、熟度を目安にして秀・優・良の3等級に分けた。
等級は得ていないが階級がM以上で腐りがない実も加工用として集荷していて、2月から加工作業を始め、ジャムやジュースなどを製造するという。
今期の作柄について、この日真っ先に出荷した堀口千代子さん(81)は「他も同じかどうかは分からないが、私のところは台風のせいで傷ついたり黒点が入った実が多く、割れたり色づく前に落ちてしまった実もたくさんあった。味は変わらず良いけれど、今年は去年ほど採れそうにない。他の生産者は今しばらく色づくのを待ち、2月から出荷を始めると話している」とコメント。
選別作業に当たったJA紀南の嶋本勝信・高富集出荷場長によると、集荷は週2回の頻度で3月末まで続け、流通先は集荷量との兼ね合いで、今期も県内に留めるという。
(2019年1月26日付紙面より)
神内の延命地蔵で例祭 (紀宝町 )
紀宝町神内の延命地蔵で24日、例祭が執り行われ、餅ほりで集まった多くの住民らでにぎわった。
延命地蔵は岩穴に祠(ほこら)があり、近くに滝があることから「滝の地蔵大岩」とも呼ばれている。神内音頭の一節に「滝の地蔵」と歌われている。
例祭は毎年1月24日に行われており、同地区の善光寺で一村桂晋住職による水子菩薩地蔵などの供養も執り行われた。
山の中腹にある延命地蔵には、還暦や厄年を迎えた住民らがお参りし、厄払い法要があった。お参りした人には「延命」と書かれた餅を配った。
地蔵から下った広場で餅ほりがあり、地元住民らが広場を埋めた。子どもたちも参加し、「こっちほって」の大合唱が響き渡った。
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■延命地蔵
この地蔵様は別名「滝の地蔵」とも呼ばれ、オムラの池の下方の谷間にある。奇岩(みさごの岩)の上を滝(大洞の滝)が流れ、その岩窟(がんくつ)に祠があり中に祀られている石造の地蔵様は、座像ではなく片膝をついた姿勢(膝立=ひざたて=地蔵)である。言い伝えによると、祀(まつ)り始められた当時この地域は争い事が多く、地蔵様はいつでも立ち上がり、この村の助勢ができるように身構えてくれていたとのことである。(『神内の伝承や昔話』より)
(2019年1月26日付紙面より)
小学生男女、オープンの部
高速道建設促進協が要望書 (那智勝浦町 )
高速道路をつなぐ建設促進那智勝浦協議会(小阪三喜子会長)、那智勝浦町の堀順一郎町長らは16日、東京都千代田区の国土交通省を訪れ、森昌文事務次官に近畿自動車道「すさみ―太地間」の早期完成などを求める要望書を届けた。国土強靱(きょうじん)化基本法にのっとり「命の道」となる近畿自動車道紀勢線の一日も早い整備を求めている。
近い将来に高い確率で発生が予想されている南海トラフでの巨大地震や、近年多発している集中豪雨による道路の冠水、土砂崩れの発生による道路の寸断などに備え、町では避難場所や事前災害復興計画に必要な高台確保を早急に進めているが、「平地の少ない本町の地形上、平地部内での高台確保が困難となっている」として▽「すさみ―太地間」について、すさみ串本道路を早期に完成させるとともに、串本太地道路の早期着工に必要な予算の確保▽大規模災害に備えた高速道路整備が着実に進むよう、近畿自動車道紀勢線の早期整備に必要な予算を確保するとともに、道路インフラ機能を適切に維持できるよう、老朽化対策予算の別枠確保▽「一般国道42号串本太地道路」について、本町の地籍調査完了区間からの早期着工―の3項目を強く要望した。
小阪会長は昨年11月の大阪万博開催決定を踏まえ、「串本―太地間の開催までの完成を強く要望した。期限を切っての要望は初めてのことだが、手応えがあった。真に迫った活動ができたと思う。今後も官民一体で取り組みたい」と話した。
(2019年1月24日付紙面より)
消防などドローン講習受講 (串本町 )
串本町サンゴ台にある同町消防防災センターで22、23日の2日間、ドローンフライトオペレーター講習(DPCA認定ドローン技能講習会)があり、14人が受講して教養と実技を深めるなどした。
この講習は昨年11月に串本ライオンズクラブ(串本LC、小森正剛会長)から認証55周年記念事業の一環として、ドローン(Inspire2)の寄贈を受けた同町消防本部(寺島正彦消防長)が計画。一定の受講者数が必要になる点を鑑み、同本部ドローン運用チームの6人に加え同町役場総務課防災・防犯グループと同産業課計4人、同町地域おこし協力隊1人、田辺市消防本部大塔分署3人の参加も受け入れながら開いた。
講師は講習団体の地域再生・防災ドローン利活用推進協会(ドローン撮影クリエイターズ協会所属)。開講に当たり寺島消防長は、救助分野での運用を開くために必要な知識や技術を習得し、併せて運用する者同士の交流を深めて地域の総合防災力向上に資する成果を期待しつつあいさつした。初日はドローンの概念や特性、主だった運用の目的や国際法に準ずる国内のさまざまな法規制、実機の操作方法など、取り扱うに当たり知っておくべき知識や技術を座学で学び、2日目は同町総合運動公園野球場で実機操作訓練を行うなどした。
ドローンは内蔵された衛星利用測位システム(GPS)などにより自律飛行ができる無人機だが、ローターによる飛行原理上、風下方向に飛ばすと揚力が十分に得られず落下の危険度が増す。運用時は背風(後ろから風を受けている状態)にならない飛ばし方を意識する必要があるなど安全に運用する上での留意点を踏まえながら、適切な操作の習熟に励んだ。
今回の講習で操作した機種はPhantom4。同講習を計画した背景には、救助分野においてドローンを効果的に運用するために必要な制限解除をあらかじめ一括して行うという狙いがある。一例としてドローンは実機が目視で確認できる範囲でしか飛ばせない決まりになっているが、救助分野では視認困難な場所をドローンでいち早く探るという運用も想定される。同講習の修了証はそういった制限解除を簡略化する上でも使えるという。寺島消防長は同講習の受講を足掛かりにして事前の制限解除申請を急ぎ、串本LCから託されたドローンの一日も早い本格運用を目指すとした。
(2019年1月24日付紙面より)
4小学校による人権フォーラム (紀宝町 )
紀宝町立矢渕中学校区の4小学校による人権フォーラムが22日、同町立鵜殿小学校で開かれた。井田、成川、神内、鵜殿の各小学校の6年生計78人が中学校入学前に交流を深めた。
毎年、鵜殿小を会場に開催しており、児童の他、うどの幼稚園の園児34人、矢渕中学校の2年生26人と各校の学校運営協議会のメンバーら150人が参加した。
担当校の前田幸利・井田小学校長が「卒業まであと2カ月を切った。中学入学まであっという間。ワクワクしたり、心配な面もあると思うが、今日の交流会でなるべくたくさんの人と交流して中学校につなげてください」とあいさつした。
6~7人がグループを組み、四つのゲームに取り組んだ。「ボディーパーカッション」は手や足でリズムを取り、近くの人とハイタッチした。他校の児童との「ハイタッチじゃんけん」も盛り上がった。
「お見合い大作戦」は互いに向き合い、自己紹介。1分間のフリートークで仲を深めた。園児らも加えたじゃんけん列車も楽しんだ。
最後は、7~8人一組の13グループに中学生各2人を交えて「すごろくトーキング」を実施。さいころを振ってすごろくのマスに止まると「苦手な教科」「好きな音楽」などが出題され、児童たちは会話を楽しみながら中学生と仲良くなった。
(2019年1月24日付紙面より)
新宮市王子町の岩口雅典さん (御燈祭りに向け )
新宮市の神倉神社で営まれる「御燈祭(おとうまつ)り」(2月6日)が迫り、同市王子町の岩口雅典さん(39)の作業場では、祭りに欠かせない上がり子のたいまつ作りがピークを迎えている。仲間らの協力で350本ほど作る予定だ。
たいまつ作りは、乾燥させた5枚のヒノキ板を五角すいの形に組み合わせ、竹と針金、わらなどで固定するなどほとんどが手作業。先端に「ハナ」と呼ばれる白木を薄く削ったフサを、一本のたいまつにつき100本ほど取り付けて完成させる。
作業場で製作されているたいまつは、長さ約90㌢の特大から、約30㌢の代参(だいさん)まで6種類。木工職人の岩口さんは20歳の時から自分用のたいまつを作っており、8年ほど前から販売を始めた。作り方は独学で研究。「美しさ」と「強さ」を追求し、針金一本に至るまでこだわり、製作している。
昨年10月から準備を始め、仲間が集まって組み出したのが年末。本職が終わる午後6時30分ごろから作業を始め、個人では深夜まで製作を続ける。岩口さんは「仲間のおかげでたいまつを作れることに感謝している。新宮市伝統の祭りに参加できてうれしい。上がり子にけががなく、無事に下りてくれることを願っています」と話していた。
(2019年1月24日付紙面より)
熊野那智大社が義援金 (那智勝浦町 )
昨年9月6日に発生した北海道胆振(いぶり)東部地震の被災者を支援するため、那智勝浦町の熊野那智大社の男成洋三宮司は11日、同町役場を訪問し、日本赤十字社和歌山支部那智勝浦町分区長である堀順一郎町長に義援金を手渡した。
同大社はこれまでに、熊本地震(2016年4月)、九州北部豪雨(17年7月)、西日本豪雨(18年7月)の被災地へ義援金を届けている。今回は昨年9月22日から12月31日まで、同大社と飛瀧(ひろう)神社に募金箱を置き募った。義援金は総額50万円で、日本赤十字社を通じて被災した人たちに届けられる。
男成宮司は「助け合う心と復興を願う参拝の皆さまのお気持ちは非常にありがたい。避難生活をされている方々が一日でも早く日常に戻れることを祈ります」と被災地に思いを寄せ、堀町長は「元号が変わる今年からは災害のない新しい時代となることを願っています」と話した。
(2019年1月13日付紙面より)
讃寿会グラウンドゴルフ部 (鵜殿老人ク )
紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」のグラウンドゴルフ部(菅原章部長)は11日、同町大里の深田運動場で初打ち練習を実施した。
讃寿会は春と秋の年2回、グラウンドゴルフ大会を開催しており、会員にも愛好者が多い。同部には65人が所属し、毎週金曜日に練習している。
これまで鵜殿運動場で練習に励んできたが、大規模改修中のため完成までは深田運動場を利用している。
初打ちのこの日は15人が参加し、ロングホールや野球のマウンドの傾斜を利用した8ホールを設置。初打ち1打目でホールインワンが飛び出すなど、1時間半の練習を楽しんだ。
同部は15年ほど前に設立。菅原部長は「グラウンドゴルフは個人戦が魅力。和歌山県串本町から尾鷲市までの大会に出場して活躍する会員も多くいる。深田運動場へは乗り合わせで来ているが、参加できない人も多い。鵜殿運動場が完成した際には、盛大にオープニング大会を開催したい」と話していた。
(2019年1月13日付紙面より)
塩竈神社の本宮控え準備 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浦神の塩竈(しおがま)神社(井谷正守宮司)で豊漁などを祈願する例大祭「脊美(せみ)祭り」が13日(日)に営まれる。本宮を翌日に控えた12日、浦神西区民会館で祭りに必要な脊美づくりが行われた。
古来より捕鯨の歴史がある同区では、祭りの神事にセミクジラを模した脊美と呼ばれる縁起物を用いている。
脊美づくりは脊美まつり保存会(会長=谷口利明・浦神西区長)と今回担当となる西区9班が協力して行い、しめ縄作りやのぼりの設置などに取り組んだ。
脊美は太田地区のもち米のわらを使い、大・中・小の三つが作られた。男性らはわらを時計回りにねじりながら、型が崩れないように注意し作業を進めた。女性はしめ縄作りに励んだ。祭りで出される料理は9班以外の住民が腕を振るっていた。
谷口会長は「区民の方の協力があってこそ。今後も継続できるように努めていきたい」と語った。
13日は午前10時から神事が営まれ、11時から祝賀会、神社境内では勇義社(畑下圭喜社長)による獅子舞奉納がある。午後0時30分からみこし・手踊りが開始され、2時から福引抽選会、3時から座払いが行われる。
(2019年1月13日付紙面より)
新宮SSS招待が開幕