紹介兼ね、使い方指導 (那智勝浦町 )
那智勝浦町天満の町体育文化会館にこのほど、津波避難タワー(階段)が完成した。20日には施設の紹介を兼ねた開錠指導などがあり、勝浦サッカースポーツ少年団の団員や保護者らが参加。避難方法を学びつつ施設の竣功を祝った。
和歌山県が示す津波浸水想定において、東海・東南海・南海3連動地震で約1・7㍍、南海トラフ巨大地震で約7㍍の浸水深が想定される同地域。
避難タワーは、同会館や併設の木戸浦グラウンドの津波避難対策として整備。鉄骨造で高さ8・5㍍、階段部分除く面積は400平方㍍(同会館屋上部分)で、約800人を収容できる。会館2階部分に階段につながるドアが設置されているため、屋内からの避難も可能だ。
昨年11月10日から着工し今年3月末に完成。事業費は約5450万円で国の緊急防災減災事業債を活用している。
新型コロナウイルスの感染状況を見定めつつ施設紹介の機会を得たこの日、堀順一郎町長は日頃から木戸浦グラウンドで練習をしている同少年団員らを前に「近い将来、大きい地震や津波が発生する恐れがあります。指導者の指示の下、高い所に逃げてください。遊んでいるときでもどこに逃げたらいいのかを考え、普段から家族の人とも話し合っておいてほしい」と呼び掛けた。
その後、町職員が参加者らに避難タワーの開門方法を指導。子どもらがそれに倣い、実践をもって開錠方法を学んだ。
嶋田太洋君(勝浦小4)は「カバーが少し固かったけど簡単に開けることができた。練習中に地震が起こってもすぐに逃げられそう」。
同少年団監督の藤社祐樹さんは「グラウンドは海に近く、これまでは那智中が避難場所だった。子どもたちを避難させるために少しでも近い場所にできたので安心」と話していた。
(2021年6月22日付紙面より)
合同で避難所設営訓練 (相野谷中 )
本年度最初の土曜授業があった19日、紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長、生徒25人)は学校体育館で「人権・防災学習」を実施。全校生徒が相野谷小学校の5、6年生22人、地区自主防災会、地域住民、保護者らと避難所設営訓練に取り組んだ。
相野谷中は地域とのつながりや命の大切さを実感することを目的に、本年度は「災害と人権」をテーマに防災学習を推進。この日は、地域の一員としての自覚を持ってもらおうと合同で訓練した。
佐藤校長が「この地域にとって若い皆さんの行動は大きな役割を果たす。災害が発生した際、皆さんは地域の一員として活動してほしい」と呼び掛けた後、児童生徒らは5グループに分かれて訓練を開始した。
新型コロナウイルスの影響で、避難所では密を避ける、間仕切り板を設置するなど感染対策を講じる必要があるため、町が用意した簡易パーティションと木製ベッド、テントを組み立てた。
児童生徒が協力して組み立て手順を覚え、同中生徒会長の田中楓君(3年)は「最初は難しかったけど、慣れたら簡単にできた。災害が起こったら役に立てるよう、これからも努力したい」と話していた。
10年前の紀伊半島大水害では体育館が避難所になり約180人が避難。設営から運営まで地元の自主防災組織が協力した。災害を経験した地域だからこそ、今回の訓練を通して、地域の将来を担う児童生徒の心に「自分たちの地域は自分たちで守る」といった意識が芽生えたことだろう。
(2021年6月22日付紙面より)
教員など対象に優先接種 (古座川町 )
古座川町が18日、同町川口にある明神診療所を会場にして町内の教員や保育士などを対象にした新型コロナウイルスワクチンの優先接種を始めた。
この接種は保育所職員、学校教職員、学童保育所職員、スクールバス運転手、子育て支援センター職員を対象とし、同日現在で約90人が希望。教育委員会教育課からその数の報告を受けた健康福祉課は18日組、25日(金)組、7月2日(金)組に各30人程度を割り振って順次進め、3週間後の2回目接種を7月26日(月)で完了する計画で日時を伝えているという。
18日組は午後3時30分から同町保健福祉センター2階で受け付けと予診をし、同診療所で岡地英紀医師による問診を受け承諾を得てその場で1回目の接種に臨んだ。以降15分程度の経過観察をして終了。三尾川(みとがわ)小学校の前田知香教諭(36)は「自分が子どもにうつしてしまい親や家族にまで広めてしまわないか、ずっと心配しながら今まで過ごしてきた。優先接種していただけて本当にありがたく、ほっとしています」と安堵(あんど)して語った。
この接種は、西前啓市町長が高齢者や子どもを守るためにかねて「優先」と思いを巡らせてきたそう。同課の巽寿久課長は「一般集団接種(12~64歳対象)のめどもつき、その前にと教育委員会に希望者の報告をいただき、保健所にも相談に乗ってもらいながら場を整えた」と話し、高齢者集団接種の第3組(今月23~25日に1回目接種)も残る多忙な中でも惜しまず協力を了解してくれた岡地医師に感謝した。
(2021年6月22日付紙面より)
自然探訪スクール開講 (新宮市 )
熊野学研究委員会自然部会(瀧野秀二部会長)と新宮市教育委員会主催の第38回自然探訪スクールが20日、開講した。20人が参加し、熊野川総合開発センターでの開校式の後、近くの「田んぼ水族館」でトンボの観察会を楽しんだ。
美しいふるさとの自然に触れ親しみながらその恵みに感謝し、大自然の営みを学び、それを愛護する精神を培う目的で毎年開催している。
瀧野部会長は「今年で38年目を迎える取り組み。今年もできるだけ野外で、いろんな生き物や自然、星空に触れ、観察や体験を楽しんでほしい」とあいさつした。
田んぼ水族館では、参加者たちが盛んに飛び回って縄張り争いをするトンボを捕まえ、講師の南敏行さんらが種類や雄雌を同定。ハラビロトンボやシオカラトンボが多数捕獲された他、和歌山県レッドデータリストで準絶滅危惧種になっているモートンイトトンボやオオイトトンボ、成虫の姿で越冬するホソミオツネントンボ、ホソミイトトンボなど貴重な種が発見された。
南さんは「和歌山県には約90種のトンボがおり、田んぼ水族館では1992年~2020年に45種が見つかっている。今回発見されたのは13種類でしたが、季節が変われば別のトンボも現れてくる」と語った。
次回は7月25日(日)午前9時30分~正午、「高田川のいきもの」をテーマに生物観察をする。参加費は1講座500円。申し込み、問い合わせは市教育委員会文化振興課(電話0735・23・3368)まで。締め切りは7月21日(水)。
(2021年6月22日付紙面より)
新宮弓友会主催の月例射会
全国高校野球選手権和歌山大会
近畿高校レスリング選手権大会 (新宮高校 )
3密回避で19施設と締結 (那智勝浦町 )
那智勝浦町は、大雨や台風などで避難情報を発令した際に町内19の宿泊施設を避難所として使用できる協定を11日、役場町長室で締結した。前回締結分の協定期限は昨年12月末に終了したが、町民の安全確保のために事業を継続。今回も宿泊施設から協力の申し出があったという。
協定は指定避難所での3密回避を目的とした町の新型コロナウイルス感染症対策の一つ。昨年の避難者数は41世帯70人だった。
宿泊施設への避難は避難情報が発令時に町民が直接、宿泊施設に連絡を入れ申し出を行うもので、宿泊施設の受け入れ状況に応じての対応となる。役場や宿泊施設の送迎はない。
受け入れ時は部屋、風呂、トイレ、布団を提供。食事は含まない。食事などの個別サービスの利用や入湯税が必要な施設については別途負担となる。これまで費用は1泊1人5000円を町が負担していたが、施策の長期継続のため、今回から町民が1人2000円を負担することとなった。
締結式には7宿泊施設の代表らが出席。堀順一郎町長は「避難所の3密回避のためにご協力いただいている。避難情報が出た際は宿泊客のキャンセルも多いと聞いた。避難所利用によって少しでも事業者さまの支援にもつながれば」と述べた。
出席していた「碧(あお)き島の宿熊野別邸中の島」の野口滋己取締役社長は「町民の皆さまの安心や安全のために申し出させていただいた。何らかの形でもご協力できればうれしい。避難の際は温泉などで疲れを癒やしていただきたいです」と話していた。
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町と協定を締結した宿泊施設は次の通り。
▽ホテル浦島
▽碧き島の宿熊野別邸中の島
▽かつうら御苑
▽なぎさや
▽海のホテル一の滝
▽万清楼
▽湯快リゾートプレミアム越之湯
▽民宿かつうら荘
▽民宿亀の井
▽こいで
▽温泉民宿 小阪屋
▽美滝山荘
▽民宿わかたけ
▽お宿はな
▽休暇村南紀勝浦
▽パルスイン勝浦
▽ホテル&レンタカー660
▽サンライズ勝浦
▽ビジネスホテルブルーハーバー
(2021年6月13日付紙面より)
蓬莱地区福祉委員が蓬莱保に寄贈 (新宮市 )
新宮市の蓬莱地区福祉委員会の大江加予子委員長と松尾由美子副委員長は11日、市立蓬莱保育所(赤坂厚子所長、園児88人)を訪れ、雑巾60枚を寄贈した。
同委員会は地域の見守りや引きこもりの防止、日頃なかなか会う機会の少ない人たちとの交流を目的にサロン活動などを実施している。
雑巾は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から催しの制限を余儀なくされる中、5月に開かれた総会で提案して会員たちが各家庭で作成。寄贈は4年ほど前から行われており、昨年は新型コロナの影響で中止していた。
この日は市社会福祉協議会の職員も来所。大江委員長らが赤坂所長に手縫いの雑巾を手渡した。大江委員長は「昨年は渡すことができなかったため、コロナ禍ではありますが何とかできないかという思いから会員の皆さんにお願いし、協力して作りました。掃除などの際に少しでも役立ててもらえれば」。
受け取った赤坂所長は「皆さんに心を込めて作っていただいた雑巾を寄贈してもらい、大変ありがたい。3歳児以上の子どもたちが掃除で使っており、絶対に欠かせない品物。大切に有効活用させていただきます」と感謝していた。
(2021年6月13日付紙面より)
英会話とガイドの基礎学ぶ (新宮市 )
新宮市と新宮商工会議所、(公社)新宮市シルバー人材センターで構成される「新宮市生涯現役促進地域連携協議会」は11日、市内各所で令和3年度スキルアップセミナー「観光ガイドの基礎知識と観光案内の簡単な英会話を学ぶ(Ⅰ)」を開催した。10人が参加し、市観光協会登録ガイドの福辻京子さんから英会話を交えたガイドの基礎を学んだ。
同協議会は2018年に発足。19年度開始分の厚生労働省「生涯現役促進地域連携事業」実施団体に全国14団体の一つとして採択されて以降、市内在住のおおむね55歳以上の中高年齢者を対象に就業を希望する人と雇用を希望する企業や事業所の双方のマッチングを行い、中高年齢者の雇用の促進と生きがいづくりの場への参加などの支援を実施している。
昨年度は「野菜づくり体験」を皮切りに生涯現役スキルアップセミナーを開始。新型コロナウイルス感染症の影響を受けながらも「川舟下り船頭を知ろう!」「御燈祭(おとうまつ)り『たいまつづくり体験』」「郷土料理を作ってみよう」など6回のセミナーを展開してきた。
本年度初となったこの日のセミナーは会場を屋外に移して実施。熊野速玉大社駐車場に集合した参加者を前に、福辻さんが「(観光ガイドは)お客さんの時間を頂いて案内させていただいているという気持ちで取り組んでいる」「テキスト丸暗記ではなく、自分が得た知識で案内するのがガイドの仕事」などと説明。
「今日のことは知識としてインプットして。ガイドの仕事に興味を持っていただけたら」と呼び掛けた。
参加者らは、英語で自己紹介を行った後「World Heritage Site(世界遺産)」や「pilgrimage(参詣道)」など、当地域を説明するために欠かせない英単語を学習。
フィールドワークでは福辻さんによる観光案内や英会話講座などを吸収しながら、同大社敷地内、寺町を経て神倉神社へ。「千年以上もの間、日本中から人々が熊野にやって来ました。今では世界中から観光客が訪れています。本日は来てくれてありがとうございました(Thank you for coming today)!」といったおもてなしのあいさつも学び、約2時間の行程を終了した。
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■登録(無料)を呼び掛け
同協議会では、55歳以上の市内在住者に対し、「あと2、3年働きたい」「週に2、3日だけ働きたい」「ボランティア、サークルを探したい」などといった希望の登録を呼び掛けている。
登録は市役所別館1階の総合相談窓口へ。電話(0735・29・7384)でも相談や登録を受け付けている。
(2021年6月13日付紙面より)