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2022年08月19日
1 さまざまな違法行為を想定
 追い込み漁前に海保が訓練  (太地町 )

 9月から始まるイルカなどの小型鯨類追い込み漁を前に第5管区海上保安本部は17日、太地町の太地漁港および周辺海域で反捕鯨団体による違法行為を想定した12回目の事案対処訓練を実施した。田辺海上保安部、串本海上保安署、太地町漁業協同組合などから約30人が参加し、官民一体で訓練に取り組んだ。また、訓練前には串本海上保安署太地町臨時駐在所の披露式もあった。

 同町へは2010年以降、過激な環境保護団体などが多く訪れ、港の無許可撮影などの嫌がらせ行為が続いていた。

 保安部によると、昨年度は同町における反捕鯨活動家の違法行為の確認はないが、ドローンを用いて上空から漁の様子を撮影する事例があったという。

 田辺海上保安部の真部克彦部長は新型コロナウイルスによる入国制限の解除により、外国人活動家が入国しこれまでと同様の活動を行うことが懸念されるとし「最近では交流サイト(SNS)を活用し、自己主張を世界中に配信する活動が確認されている。惑わされず、冷静かつ毅然(きぜん)とした態度で警備活動を行うことが求められる。地域住民の安心のためにも、万全の体制を取るように努めていただけたら」とあいさつ。

 この日はゴムボートによる操船や、漁の様子をドローンで撮影する活動家に対する警備、カヤック乗艇者の転覆救助、違法行為者の海上追跡や捕捉の訓練に取り組んだ。

 訓練を終え、海上保安庁警備救難部警備課の坂本誠志郎課長が「高度な技能や練度の高さを見せていただいた。新しい臨時駐在所近くには和歌山県警の特別警戒本部現地警戒所もあり、連携も深まる。町民の安心と安全を守っていただくようお願いします」と講評した。

 来月1日(木)から追い込み漁を控える太地いさな組合の小畑充規組合長は「ドローンで船上を飛行されて危険を感じたこともあった。訓練は非常にありがたい。今年もコロナ禍で価格面など大変な状況は続くが、これまで通り仕事に取り組んでいきたい」と話した。

  □     □

■臨時駐在所

 串本海上保安署は太地漁港内に臨時駐在所を設置していたが、建物の老朽化や津波対策を踏まえて、多目的センター近くの同町小長井に新臨時駐在所を建設した。建物面積が63平方㍍、敷地面積が100平方㍍。

 会議などに使用する待機スペースやシャワー室、トイレを完備。すでに開始されている海上のパトロールやさまざまな事案対応などの拠点となる。正式運用は28日(日)から。

(2022年8月19日付紙面より)

漁期に向け、第5管区海上保安本部が訓練を実施=17日、太地町の太地漁港周辺
新しい串本海上保安署太地町臨時駐在所の披露式もあった=同町小長井
2022年08月19日
2 今年も追善花火が夜空染める
 熊野市で合同初精霊供養  

 熊野市木本町の七里御浜海岸で17日、合同初精霊供養が営まれた。例年、8月17日に開催される「熊野大花火大会」は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、おととし、昨年に続き中止となったが、追善花火が熊野の夜空を染めた。

 300年余りの伝統を誇る熊野大花火大会は、お盆の初精霊供養に花火を打ち上げ、その花火の火の粉で灯籠焼きを行ったのが始まりといわれている。

 現在の花火大会でも初精霊供養の灯籠焼きや追善供養の打ち上げ花火などがプログラムに組み込まれている。3年前は、三尺玉海上自爆や鬼ヶ城大仕掛けなど1万発の花火が観客を魅了した。

 3年連続で花火大会が中止となったが、市観光協会(中平孝之会長)が初精霊供養を実施。法要後に追善花火が打ち上がり、遺族らが故人をしのび大輪の花を見上げていた。

 同協会の紀の川良子副会長は「今年も熊野大花火大会が中止になる中、伝統を絶やさぬため花火の原点である初精霊供養を営むことができて良かった」と話していた。

(2022年8月19日付紙面より)

合同初精霊供養の追善花火=17日、熊野市の七里御浜海岸
海面と夜空を染める花火
2022年08月19日
3 自身の在り方を意識して励む
 潮岬でリーダー養成キャンプ  (県青少年育成協会 )

 本年度地域ユース・ジュニアリーダー養成キャンプが17日に和歌山県立潮岬青少年の家であり、同リーダーや一般参加の小中学生(=地域ユース)29人が自身の在り方を意識しながらグループ活動に励んだ。

 このキャンプは県と県青少年育成協会が主催するリレー式次世代健全育成事業の一環で、異年齢集団における自身の役割を考えて相応の自覚や責任感、地域で活躍するためのリーダシップを高めることを目的として夏季と冬季の年2回実施している。

 今回は夏季の巡りで、三つある県立の各青少年の家を会場とし最寄りのジュニアリーダーも自身の研修を兼ねて関わりながらそれぞれの日程と内容を計画している。潮岬の同キャンプは当初例年通り1泊2日での実施を計画して参加を呼びかけたが、新型コロナウイルスの情勢により急きょ感染症予防対策を心がけながらの1日実施に内容を変更して行う形となった。

 参加者の内訳は中学生~高校生で結成するジュニアリーダーズクラブ「ドルフィン(西牟婁振興局管内)」「ビー・スター(東牟婁振興局管内)」所属のメンバー16人と、一般参加の小中学生13人。内容の圧縮により、今回は▽アイスブレーキング▽野外炊事〈たき火おこしや飯ごう炊さんなど〉▽クラフト〈レジンアクセサリー制作〉―といった活動に取り組んで、前述した目的や個々の目標の達成を目指した。

 一般参加の小中学生はジュニアリーダーと接することで目指すべきリーダー像を考え、ジュニアリーダーは接する小中学生の求めるところに応えて導く筋道を考える、と近しい異年齢間で双方向に気付きをリレーし合う点もこのキャンプの特色。ジュニアリーダー4年目で野外炊事の主導を経験した岩本遥香さん(串本古座高1年、ビー・スター所属)は「いろいろな子が集まると、どうしても一人になってしまう子が出てくる。せっかくこのキャンプに来ているのにそれで思い出がつくれないのは悲しいことなので、今回はいろいろな子に話しかけて誰も一人にならないよう心がけた」と活動するに当たって意識した点などを語った。

(2022年8月19日付紙面より)

火おこしや飯ごう炊さんをこなす参加者=17日、串本町の県立潮岬青少年の家
ジュニアリーダー(左席)とペアになってクラフトに挑戦
2022年08月19日
4 今年も元気に咲いたよ!
 ひまわりの絆プロジェクト  (マリア保育園 )

 新宮市の保育所型認定こども園「マリア保育園」(三浦恒久園長)で、今年も「ひまわりの絆プロジェクト」のヒマワリが咲いた。16日にはきしゅう君と新宮警察署の警察官が来園し、園児たちに交通ルールを守ることの大切さを伝えた。

 2011年に京都府内で発生した交通事故で亡くなった男児=当時(4)=が育てていたヒマワリの種を引き継ぎ、全国で開花させるプロジェクト。命の大切さや交通事故の被害者支援への理解を深めるため、新宮警察署管内でも多くの保育園や小中学校が取り組んでいる。

 マリア保育園で咲かせるのは今年3年目。昨年開花したヒマワリから種を取り、5歳児たちが水やりなどの世話をし、9輪が咲いた。

 本田斗生多警部補は園児たちに「飛び出しは危険!一度止まって安全確認をしよう」などの言葉が描かれた下敷きなどを手渡し「お父さんやお母さんと交通ルールについてよく話し合いましょう」と約束。

 登園、降園の時間帯に園児たちの安全を見守っている三浦園長は「園の前の道は自転車の通行も多いですから、子どもたちには送り迎えの時に急に飛び出さないよう話しています。種から花が咲くというのは、子どもたちにとっては不思議で面白い体験となったのでは」と話していた。

(2022年8月19日付紙面より)

きしゅう君と一緒に敬礼=16日、新宮市の保育所型認定こども園「マリア保育園」
2022年08月19日
5 3日間、救急法を学ぶ  木本、紀南両校の生徒が参加  (熊野市 )
2022年08月19日
6 コロナ禍でも供養の機会を  あすか斎苑で初精霊送り  (新宮市 )
2022年08月19日
7 ご当地ナンバー継続審査へ  各課が所管事務を報告  (新宮市議会総務建設委 )
2022年08月19日
8 笑顔で新型コロナ退散!  佐野おやじの会が縁日体験  (新宮市 )
2022年08月19日
9 コロナ収束など祈願 王子神社で夏の例祭 (新宮市)
2022年08月19日
10 健康増進向上の一助に  19日から「大人の部活」開始  (那智勝浦町 )
2022年08月19日
11 お悔やみ情報
  
2022年08月14日
12 徐福の遺徳しのぶ
 供養式典に20人参列  (新宮市 )

 新宮市徐福の徐福公園で12日、徐福供養式典が営まれた。熊野徐福万燈祭運営委員長の田岡実千年市長や、山口泰郎代表理事をはじめとした一般財団法人新宮徐福協会役員ら関係者約20人が参列。徐福の遺徳をしのんだ。

 徐福は今から約2200年前、中国を統一した秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて熊野に渡来したという伝説がある。公園内には、紀州藩初代藩主・徳川頼宣の命で1736年に建立された墓碑(市指定文化財)がある。

 今年の式典は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、規模を縮小し関係者のみで執り行った。なお、関連行事である「熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)」は3年連続の中止が決定している。

 式典執行に当たり、山口代表理事は「今年も徐福さんに思いをはせる日がやって来た。徐福さんが取り持つご縁は、友好的で平和的な交流の礎構築に寄与してきた」。

 「混沌(こんとん)とした世界情勢に鑑み、今こそ徐福さん顕彰の理念である『友愛の絆』を見つめ直さねばならない。徐福さんを媒介として、未来永劫(えいごう)親しくお付き合いをさせていただくことを切に願ってやみません」とあいさつした。

 田岡市長は、徐福の墓前で農耕や捕鯨などの技術を日本に伝えたとされる徐福に感謝を示し「永く永く安らかに、そして新宮市の発展と日中両国や徐福の縁(えにし)につながる多くの人々や、国内伝承地のより一層の繁栄と友好そして永遠(とわ)の平和へのお導きとともに、お守りくださらんことを祈念します」などと祭詞祭文を読み上げた。

 参列者たちは新宮仏教会の読経が響く中、墓前に線香を手向けた。

(2022年8月14日付紙面より)

徐福の墓前で祭詞祭文を読む田岡実千年市長=12日、新宮市の徐福公園
山口泰郎・新宮徐福協会代表理事
2022年08月14日
13 一致団結でおもてなしを
 新宮港クルーズ振興広域協議会総会  

 新宮市役所別館で9日、新宮港クルーズ振興広域協議会(会長・田岡実千年市長)の総会が開かれた。関係者ら45人が出席。本年度の事業計画など4議案を承認した。

 同協議会は新宮港へのクルーズ振興を通じて県境を越えた広域連携を図り地域振興に寄与する目的で設立した。会員は新宮市、田辺市、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、北山村、尾鷲市、熊野市、御浜町、紀宝町、紀北町、十津川村、下北山村、和歌山県、三重県、奈良県の14市町村3県。

 開会に当たり、田岡会長が関係者らの支援に対し感謝。「新型コロナウイルス感染症の影響で入港数が減少していたが、皆さま方の尽力により、コロナ禍での運航体制や受け入れ体制が確立されつつある中、少しずつではあるが明るい兆しが見えてきている。クルーズ振興がこの地域、各自治体における振興の柱の一つとして確立されることを心から願っている。そのためにもこの協議会が果たすべき役割は重いものと考えている」とあいさつした。

 来賓の谷川孝栄・三重県議は「クルーズ船で当地域を訪れるたくさんの皆さまをどうおもてなししていくか、14市町村3県でどう連携していくのかは大切なこと。私たちも再スタートの気持ちでおもてなしをしていければ」と祝辞を述べた。

 本年度は▽クルーズ客船受け入れのための情報収集および情報共有▽クルーズ振興にかかる調査・研究▽岸壁や周辺観光地における観光案内などの支援、コロナ対策を講じてのクルーズ客船受け入れ実施―などの事業を展開していく。

 任期満了に伴う役員選任では、田岡会長と副会長の河上敢二熊野市長を再任した。県港湾空港振興課がコロナ禍におけるクルーズ客船受け入れ対応について報告。「国などのガイドラインの改訂により、条件を満たせば感染者が出てもクルーズ続行が可能になった」などと説明した。

 議案審議後には大型客船「飛鳥Ⅱ」を運航する郵船クルーズ㈱経営企画部の村山公崇部長が「これからのクルーズ ポスト・コロナに向かって」を題目に講話した。

 村山部長は、日本のクルーズの現状について説明し▽ウイルスを船内に入れない▽ウイルスを船内で拡散させない―を2本柱とした「飛鳥Ⅱ」の新型コロナウイルス感染対策プランについて紹介。「船は、コロナ前は3密だったのは事実だったが、コロナ後は管理がしっかりできることにより安心な場所になってきたのでは」などと話した。

 同船が実施する地方創生、地域活性化を目的とした取り組みや、2025年就航予定の新造客船について紹介した。

 昨年度の新宮港へのクルーズ船入港実績は入港数8隻で客数は1795人。今月17日(水)、24日(水)には「ぱしふぃっくびいなす」、28日(日)には「飛鳥Ⅱ」が入港する予定。

(2022年8月14日付紙面より)

新宮港クルーズ振興広域協議会総会の様子=9日、新宮市役所別館
2022年08月14日
14 帰省ラッシュでにぎわい
 JR利用者、昨年より増加  (熊野地方 )

 お盆をふるさとや観光地で過ごす人たちの帰省ラッシュが本格化している。新宮市徐福のJR新宮駅では12日、京都・大阪や名古屋方面から来た列車から、大きな荷物を持った帰省客らが下車。ラッピング電車「パンダくろしお」と記念撮影をしたり、迎えに来た家族と再会を喜んだりする姿が見られた。

 新型コロナウイルス感染症の第7波が拡大する中で迎えた今年のお盆。首都圏1都3県や大阪府に緊急事態宣言が発令されていた昨年と比較すると、駅構内もにぎやかな雰囲気に包まれている。

 12~17日の特急くろしお空席状況(新大阪―新宮間)によれば、上り・下りともにグリーン車を中心に予約が埋まり、ほぼ満席の列車もある。

 駅業務に当たるJR職員からは「昨年に比べて明らかに利用者が増えており、駅としてはうれしい限り。大阪方面へ向かう利用者では、新型コロナ感染再拡大の影響か予約の取り消しもある」との声があった。

 国道42号では他府県ナンバーの車も目立ち、熊野地方各地で開設されている自然プールや海水浴場もにぎわいを見せている。

(2022年8月14日付紙面より)

パンダくろしおから下車する帰省客ら=12日、新宮市のJR新宮駅
2022年08月14日
15 クサギの花が咲く  熊野地方各所で  
2022年08月14日
16 地球は一つの生命体  「丹鶴ホール」映画上映会に500人  (環境ファースト連合会 )
2022年08月14日
17 各所に多数の人出  マスク姿でお盆休み  (那智勝浦町 )
2022年08月14日
18 楽しい「なつまつり」  紀宝町内3つの保育所で  
2022年08月14日
19 帰省客らでにぎわい見せる  次回「みなと市」で抽選結果発表  (紀宝町 )
2022年08月14日
20 お悔やみ情報
  
2022年08月13日
21 「癒やし・励まし」願い込め
 熊野川でサプライズ花火  (新宮YEG )

 新宮商工会議所青年部(新宮YEG、岩澤宣之会長)は11日夜、熊野速玉大社下の河川敷で「癒やし・励ましの打ち上げ花火」を実施した。約350発の大輪の花が夜空に浮かび、散歩をする人やドライバーらの目を楽しませた。

 コロナ禍で迎える3年目の夏。感染拡大防止の観点から熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)をはじめとしたさまざまなイベントが中止となる中、市民の「癒やし・励まし」となるようにとの思いを込めて、おととし、昨年に引き続き企画した。

 3密を回避するため、今年も事前の公表を行わずにサプライズで実施。午後8時に突然打ち上がった花火は約15分間にわたって市街地や川面を照らし、道行く人からは感嘆の声や拍手が上がっていた。

 新宮城跡を散歩していた40代男性は「いつも通り散歩していたら河原から花火が上がった。(偶然見られて)ラッキー。夏のいい思い出になった」と笑顔。

 岩澤会長は「新型コロナの影響で多くの人が我慢を強いられている。子どもたちや大人も楽しみにしていた1年に1回の新宮花火大会も中止になった。ささやかではあるが、今日の花火が少しでも癒やしや励ましになれば」と話していた。

(2022年8月13日付紙面より)

夜空に花火が打ち上がった=11日夜、新宮市の熊野川河川敷
2022年08月13日
22 熊野がアート一色に
 国内外13組が滞在し制作  

 国内外のアーティストが熊野地域に滞在しながら作品制作・展示をするアートイベント「KUMANONISUMU(クマノニスム)!2022」が熊野市で始まった。およそ1カ月をかけて制作された作品が空き店舗や旧校舎などを生かして展示されており、市内がアート一色に染まっている。14日(日)まで。

 イベントを仕掛けたのは同市飛鳥町出身でオーストリア・ウィーン在住のアーティストえのもとひささん。10年ほど前に初めて故郷で作品展示をしたのをきっかけに、2017年に海外から2人を迎え、初めて「クマノニスム」を開催。今回はキュレーターが企画運営に入り、オーストリアから8人と東京から1人、地元からもアーティストを迎え、旧神上中学校と記念通り商店街(チャレンジショップ、シャッターアート)、市文化交流センターの4カ所で展示している。

 えのもとさんは、過疎が進む地元の現状を目の当たりにし、アートで力になれないかとイベントを考案した。「入国制限など実現には多くのハードルがあった」が、オーストリア連邦芸術文化省やクラウドファンディングなどを通して資金援助も受け、開催へ道筋をつけた。

 アーティストらは長い滞在を通して、日常の中で住民と交流してきた。「熊野の人たちはアートに関心を持ってくれることが多く、双方にとって面白い経験になったのではと思う」。「子どもたちにもアートやアーティストと触れ合い、文化や習慣の違いを知ってもらう機会になればうれしい」。

 記念通り商店街の空き店舗を市が貸し出す「チャレンジショップ」では、エマ・クリングさんとローレンツ・クナートさんが熊野の日常の中で布に目を向けた写真や絵などを展示している。シャッターの廃材や使われなくなった布団など限られた材料を空間に配置し、世界観を表現した。二人は「本のようにした作品もあるので手にとり、ページを開いてみて。熊野は素晴らしい。でも、とても暑い」と笑っていた。

 各会場の展示時間など詳しくはホームページ(https://www.interact-projects.net/)へ。

(2022年8月13日付紙面より)

熊野での日常を切り取った作品が並ぶ=熊野市木本町の記念通り商店街
2022年08月13日
23 家族連れでにぎわい
 海水浴場や自然プール  ( )

 お盆休みを前に、熊野地方各地の自然プールや海水浴場が、家族連れの帰省客や観光客でにぎわっている。

 太地町の名物の「くじらに出会える海水浴場」は7月22日の開設以来、5482人が利用(8月9日現在)。特に午前11時と午後1時のクジラの開放の時間帯は大勢でにぎわっている。

 一方、3年ぶりに開設した新宮市の高田第1・第2自然プールでは、7月15日以来、累計2806人が利用(8月9日現在)。新型コロナウイルス感染拡大前には及ばないものの、第1プールには平日でも40人、休日には200人を超える人々が訪れている。

 9日に訪れた小林英資(えいすけ)君(6)、隼生(はやせ)君(3)兄弟は「魚が見えた」「捕まえたい!」と笑顔。父親の伸崇さんは「自分も子どもの頃から両親に連れられて高田に来ていた。11年前の紀伊半島大水害でこの辺りも様変わりし、もう元に戻らないかもと思ったが、今こうして子どもたちを連れてこられて感慨深い」と話していた。

(2022年8月13日付紙面より)

クジラと触れ合う=9日、太地町のくじら浜海水浴場
自然プールで遊ぶ兄弟=9日、新宮市の高田第1自然プール
2022年08月13日
24 盆前を過ごす利用集める
 潮岬望楼の芝キャンプ場  (串本町 )

 串本町の潮岬望楼の芝キャンプ場の有料開放が11日から始まった。今期は14日(日)まで開放する計画で、盆前をアウトドアで過ごす人の利用を集めている。

 本年度から諸事情で既設エリアの無料開放を休止している同キャンプ場。同芝管理運営委員会(田仲康慧会長)と町が協議して定める繁忙時の対応・有料開放のみがテント泊できる機会となっていて、小学生1人1泊1000円の協力金(キャンプごみの引き取りや広大な芝地の管理経費などに充当)を得て環境省の許可に基づき芝地の東側一帯をテント設営場所として管理し提供している。

 無料開放の休止に伴い、有料開放の受け付けは期間前日の午後4時から実施。1時間ほど待つ利用者もいる中、10日は22人を先行して受け入れ、11日は131人が同キャンプ場駐車場そばに設けている現地受け付けに利用を申し出た。

 新型コロナウイルスの感染拡大第7波のさなかだが、国の行動制限がないことにより同委員会は県の感染予防対策認証を受け、そのガイドラインに沿って午前8時~午後6時に現地受け付けを設けて対応に当たっている。例年のこの時期は日に200人前後の利用があり、それに比べると行動制限がないといっても勢いは例年ほどではないという。

 田仲会長は期間終盤にかかる台風8号の影響を注視しつつ、他方で現に利用者が集まる状況にできる限り応えたい考え。最近増えている自動二輪車用の臨時駐車場を新たに設けるなど利便を高めつつ、委員交代制で期間中の運営に当たっている。

 期間中の同キャンプ場利用の問い合わせは現地受け付けまで。期間外の問い合わせは同委員会事務局の町産業課(電話0735・62・0557)まで。

(2022年8月13日付紙面より)

有料開放期間に入りテントが並ぶ望楼の芝の東側一帯=11日、串本町潮岬
2022年08月13日
25 さらなるレベルアップに
 体育文化会館でレスリング強化合宿  (那智勝浦町 )
2022年08月13日
26 ロケット事業で地域振興  内容学ぶワークショップ  (那智勝浦町 )
2022年08月13日
27 食品セットを無料配布  帰省中の学生なども対象  (紀宝町 )
2022年08月13日
28 「あなたが防ぐ電気事故」  8月は電気使用安全月間  (電気工事工業組合 )
2022年08月13日
29 町立小中学校の方向性探る  学校規模検討委員会を設置  (古座川町 )
2022年08月13日
30 違法な抗議活動を監視  追い込み漁前に現地警戒所  (太地町 )
2022年08月13日
31 お悔やみ情報
  
2022年08月07日
32 「没後30年の中上健次」 4年ぶり、熊野大学開講 (新宮市)

 熊野大学が主催する2022熊野大学夏期特別セミナー「没後30年の中上健次」が5日夜、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」を舞台に開講した。全国各地から集まった中上文学ファンら約150人が参加。6日までの2日間、中上を直接知る講師陣の講演などを通して中上の軌跡や近代文学の歩みなどに触れる機会とした。

 「試験もない、校舎もない、校則もない。誰でもいつでも入学でき、卒業は死ぬ時」という熊野大学は1990年、中上(1946~92年)によって設立。中上の逝去後は、遺志を受け継いだ有志たちが中心となって活動を続けている。

 中上が亡くなった月でもある8月のセミナーには例年、墓参りを兼ねて全国から多くの中上文学ファンが当地方を訪れるが、2019年は台風接近のため急きょ中止に。おととし、昨年は新型コロナウイルス感染拡大のため中止となっていた。

 没後30年を迎える今年の夏期特別セミナーは、「中上健次コーナー」擁する市立図書館が所在する「丹鶴ホール」で開催。同施設オープニングイヤー連携事業と位置付けて実施される運びとなった。

 今セミナーでは▽いとうせいこうさん(作家・クリエイター)▽奥泉光さん(作家)▽紀和鏡さん(作家)▽高澤秀次さん(文芸評論家)▽辻本雄一さん(市立佐藤春夫記念館長)▽中上紀さん(作家)▽松浦寿輝さん(作家・詩人)―らが講師を務めた。

 開講に当たり松本巌理事長があいさつ。「中上は死ぬまで熊野で生きる人間の魂を発表し続けてきた」と紹介し、同大学設立の経緯などを振り返るとともに関係者らの協力に感謝を伝えた。

 速水盛康教育長は「地域の誇りとして、同時に大きな存在感があったと思う。講座や講演を通してこのホールから発信していただけることに敬意を表したい」とあいさつした。

 セミナーは中上の長女・紀さんの講演「30年経(た)って問いたいこと」で幕を開けた。紀さんは中上が同大学を設立した当時のことや父、家族の思い出などを回顧し「私にとって、熊野、同大学は父に会う場所であるとともに、父が守ろうとしていたもの、抱いていた志を再確認するための場所」。

 父の死を経て、また同大学への参加を通して「父は多くの宿題を残して卒業していった」とし「私に使命があるとすれば、この空間を継続し、物語や生き方を理解して伝えていくこと」と述べた。

 紀さんは留学時代に父からの手紙に返事をすることはあまりなかったと振り返り「遠く離れていても存在しているという絶対感があったが死んだことでその絶対感がなくなった」。

 父の死が文筆を志すきっかけとなったと述べ「父ならどう思うのかを考える。今でも父ならこうするのでは、と思う方向に進む自分がいる」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

豪華講師陣が登壇した熊野大学夏期特別セミナーの様子。左はいとうせいこうさん、右は奥泉光さん=5日夜、新宮市の「丹鶴ホール」
中上紀さん
2022年08月07日
33 どんな昆虫がいるかな?
 宇久井ビジターで観察会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンターで7月31日、「身近な昆虫観察会」が開かれた。午前・午後の部で夏休み中の小学生ら19人が参加し、環境省自然公園指導員の浜際康太さんと昆虫採集を楽しんだ。

 同センターで8月30日(火)まで開催中の「昆虫企画展~むしのたべもの~」の特別プログラム。特定非営利活動法人 大杉谷自然学校主催。

 参加者たちは虫取り網や虫かごを手に、樹液の出る木や草むらを探索。草の表面に触れるように虫取り網を左右に振る「スウィーピング」、やぶなどをたたいて隠れていた虫を見つける「ビーティング」などの手法も学んだ。

 この日はカブトムシなどの甲虫が少なかったが、メタリックカラーがきれいなカナブンや寄生バチの一種であるミドリセイボウの他、ハラビロカマキリ、ショウリョウバッタ、エンマコオロギ、アオバハゴロモ、ジャコウアゲハなど14種類が見つかった。

 中口翔太君(神倉小5)は「虫が大好きで、虫取りのプロです。ウマノオバチの仲間は初めて見ましたが、好きなのはやっぱり甲虫」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

昆虫採集をする参加者と浜際康太さん(右端)=7月31日、那智勝浦町の環境省宇久井ビジターセンター
ミドリセイボウ
ショウリョウバッタ
2022年08月07日
34 利用者に和菓子届ける
 配食ボラ「サークルほほえみ」  (紀宝町 )

 紀宝町内で配食サービスを行うボランティアグループ「サークルほほえみ」(森倉滿知子代表)は5日、サービス利用者に和菓子を届けた。

 配食サービスは、サークルほほえみと鵜殿地区配食サービスボランティアが毎月2回、町内の希望者に手作り弁当を届けている。

 配食が休みの毎年8月は「友愛訪問」として、普段、利用者と顔を合わせない調理ボランティアが利用者宅を訪問してお菓子を配っている。昨年は新型コロナウイルスのため取りやめたが、おととしは「絵手紙も届けよう」と町ボランティア市民活動センター「きぼらんせ」が企画し、「絵手紙サークルこんにち和」の協力を得て150枚を贈った。

 この日、「サークルほほえみ」は調理ボランティア11人が配達ボランティア7人の協力を得て、利用者88人に分担して届けた。

 和菓子を受け取った神内の岡﨑ふみゑさん(101)は「ありがとう」と笑顔で話し、趣味のカラオケに通えないと残念がりながらも「毎朝、屈伸運動していますよ」と元気な様子を見せていた。

 鵜殿地区配食サービスボランティアは27日(土)に同地区の利用者に届けるという。

 両グループでは、調理と配達のボランティアを募集しており、問い合わせは町社会福祉協議会(電話0735・32・0957)まで。

(2022年8月7日付紙面より)

配食サービス利用者に和菓子を届ける=5日、紀宝町神内
2022年08月07日
35 身近にあるもので工作
 地域ふれあいネットワーク  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町地域ふれあいネットワークは4日、同町の体育文化会館で「工作教室~身近なもので作って遊ぼう~」を開いた。町内から夏休み中の小学生20人が参加し、段ボールや卵パックなど、身近な素材を使って物作りを楽しんだ。

 同ネットワークは、共働き世代の増加などの環境の変化を受け、放課後や長期休暇中に子どもたちの居場所づくりをすることを目的に活動している。

 ナビゲーターの井藤朋子さんは「大人が『これを作りましょう』と指定するのではなく、自由に遊んでほしい」との思いの下、▽何を作ってもいい▽「何か」を作らなくてもいい▽どんなやり方も過ごし方も、自分で決めてやってみる。失敗もいい体験▽アイデアが浮かばないときや助けがほしいときは「誰か」に相談するのもいい―とルールを説明。

 子どもたちは早速気になる素材を集めてのりやテープで貼り合わせたり、段ボールや発泡スチロールで削ったりした。

 広沢興君(勝浦小6)は「キラキラの折り紙を使って竜を作ろうと思っていたけれど、うまくのりでくっつかなかった。家でもう少し頑張ってみる」。てこの原理でペットボトルキャップが飛び上がる「ジャンプマシーン」を作った橋本豊陽君(勝浦小1)は「最初からアイデアはあって、上手にできたと思う。友達のまねをしてマイクも作った」と話していた。

(2022年8月7日付紙面より)

どんな物を使おうかな=4日、那智勝浦町の体育文化会館
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