商工祭に3万2300人 (那智勝浦町 )
那智勝浦町役場周辺で19日、第22回商工祭「南の国の雪まつり」(実行委員長=森川起安・南紀くろしお商工会会長)があった。晴天に恵まれ、約3万2300人(主催者発表)が来場した。人、物、地域との「ふれあい」をテーマにしたイベント。太地町の姉妹都市、長野県白馬村から約100㌧の雪を会場に運び、子どもたちが雪遊びを楽しんだ。
雪山周辺には露店街、特設ステージ前にはフリーマーケット、JR紀伊勝浦駅方向には地元の物産を販売する「熊野朝市」が出店した。那智勝浦町の姉妹都市長野県の上松町に加え、同じ「勝浦」の名前が縁で連携する「全国勝浦ネットワーク」の徳島県勝浦町と千葉県勝浦市も参加し、物産を販売した。
特設ステージではダンスチームなどによる踊りの披露や大道芸のパフォーマンスがあり、午後は商工会青年部の名物企画「南の国の早押しクイズ」に大勢の小学生らが参加した。イベントのフィナーレ「お菓子な餅まき」では、みくまの農業協同組合提供のもち米300㌔で作った餅がまかれた。
森川実行委員長は「子どもたちが遊ぶ姿を見て開催して良かったという思いが湧いた。安全、安心のイベントとしてシャトルバスの運行も定着してきている。続けていきたい」と話した。
大感謝祭抽選会の当選番号は次の通り決まった。引き換えは3月17日(金)まで那智勝浦町商工会館まで平日受け付ける。
▽ドリーム賞(1本、5万円共通商品券)
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(2017年2月21日付紙面より)
「通園らっこ」完成を祝う (串本町 )
串本町津荷、緑の雇用担い手住宅そばにこのほど完成した児童発達支援事業所「通園らっこ」(細野桂子管理者)新園舎の竣工(しゅんこう)式が18日にあり、念願の高台移転を果たして関係者一同気持ち新たに期待に応える努力をすると掲げるなどして祝った。
この施設は那智勝浦町に拠点を置く社会福祉法人いなほ福祉会(掛橋郁雄理事長)が運営。同施設「通園くじら」=那智勝浦町勝浦=に串本町から1人の園児が通い始めた機に串本町や古座川町域での施設の必要性を感じ始め、ニーズを持つ両親らの切望もあって平成27年4月、串本町西向にある旧西向保育所で暫定開所した。
旧園舎は将来の発生が予測される大地震の津波浸水域にあるため、開所直後から高台移転を第一目標にして模索。串本町津荷シウケにある町有地(海抜72㍍)の無償貸与を受け、さらに国や同町と古座川町の支援を受けて今年1月末に念願の新園舎が完成した。
敷地面積1800平方㍍、建物は木造平屋建てで延べ床面積341平方㍍。園庭やプールなどが付帯した構造で、総事業費は約1億円。速やかに移転作業を進め、今月6日から運用を始めている。
竣工式には関係者ら約90人が出席し、掛橋理事長は法人設立から新施設開所までの経緯を伝え、「感無量。子どもたちが生き生きと楽しく生活されることを願うとともに、皆さまの期待に沿うよう職員一丸でいっそうの努力をする」と述べて一同に感謝。来賓を代表して田嶋勝正串本町長や西前啓市古座川町長らが祝辞を寄せ、保護者がリレートークで万感の心中を掲げ、園児15人が元気いっぱいの歌の発表で新園舎の出発に弾みをつけた。
細野管理者は「串本町から通園くじらに1人の男の子が駆け込んできた時に『彼だけやないはずや』と思い、町の保健師さんや先輩のお母さん方、串本町や古座川町の町長さんとも話して通園らっこが開所した。新園舎は皆さんの思いが集まってできた器。命を吹き込むのは通う子どもと親と職員だ」と経緯を振り返り、今後の理解と支援を求めた。この日は古座青年会(玉川純次会長)も駆け付け、獅子舞の屋固めで祝った。
(2017年2月21日付紙面より)
市町村新記録で (ジュニア駅伝 )
第16回和歌山県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会が19日、和歌山市の紀三井寺公園陸上競技場をスタートし、県庁前をゴールとする10区間21・1㌔のコースを舞台に開催され、串本町チームが市町村新記録(第9回大会以降の記録による)を17秒更新する1時間12分45秒のタイムで初入賞を果たした。
この日の和歌山市内は天候に恵まれ、序盤から区間新記録が続出した。優勝の海南市、2位の和歌山市、3位の田辺市の3チームが大会新を更新するなど高速決着のレースとなった。
レース終了後、県民文化会館で行われた表彰式では、串本町に8位入賞の賞杯とメダル、市町村新記録賞が授与された。
(2017年2月21日付紙面より)
児童ら植樹で自然の大切さ学ぶ (新宮警察署 )
子どもたちに木や森林を大切にする気持ちを育んでもらおうと、新宮警察署少年補導員連絡会(柳本利文会長)と同署(谷本克也署長)は18日、新宮市熊野川町赤木の山林で植樹行事を実施した。少年野球やバレーボールチームに所属する児童や保護者らなどが参加し、約100人がヤマザクラやアカガシ、イロハモミジなど6種類の苗木120本を植えた。
青少年健全育成の一環として2008年から始まり8年目。12年は紀伊半島大水害の影響で中止している。植樹後にはバーベキューで交流を深めた。
活動に際し柳本会長は少年補導員の活動を紹介し「共同作業を用いて植樹をしてもらい、大人、他チームとの交流を肌で感じてもらう目的がある。触れ合いの気持ちを持って楽しんでもらえれば。自然のありがたみや豊かさを感じる学びの行事として活用して」。谷本署長は「健やかに地域とともに育ってもらおうという目的。楽しんで。皆さんの名前が残り、木が育っていくことは楽しみだと思います」とあいさつした。
山林を所有する公益財団法人熊野林業の泉諸人専務理事が作業の流れを説明し、子どもたちは手作りの名札を作った。あらかじめ付けてもらっていた目印をくわなどで掘っていき、苗木を入れて土をかぶせ、名札を付けた。
参加は2回目の山下知翔君(9)は「穴を掘るのが楽しかった」。田村翔大君(10)は「植えるのが楽しかった」と話していた。
(2017年2月21日付紙面より)
第21回黒潮親善卓球大会
県下小学生新人大会東牟婁予選
新宮市クリーンセンター
新宮市議会の教育民生委員会(濵田雅美委員長、8人)が15日、同市井の沢のセンタービルであった。当局は寺本眞一・那智勝浦町長が田岡実千年市長に面会し、単独で新しいクリーンセンターを建設する考えを伝えたとあらためて報告した。市は今後、現施設を大規模改修するか、新設するかなどを検討していく。
岩﨑誠剛・生活環境課長がクリーンセンター建設について経過を報告。1月30日に寺本町長が田岡市長に面会し、天満区との協定期限を考えると1市1町での整備は困難であることから、単独で同町太田庄地区に整備すると話したと伝えた。
田花操委員は「結局一番被害を受けたのは太地町ではないか。新聞を見ると太地町長は相当立腹している様子。将来に向けて市長に気配りをお願いしたい」と要望。
田岡市長は「今回は単独に決まりましたが、人口が減少する中、次のサイクルでは、新宮東牟婁の広域でやっていくべきと、どの町村も感じていると思います。中心市としてリーダーシップをとっていくべきだと思います」と話した。
並河哲次委員は「現時点で市はどうする予定なのか」と質問。岡雅弘・市民福祉部長は、地域住民との協定は平成34年11月までとなっていると説明し、まずは施設の状況を調べ、改修か新設かを決めたいと回答した。
杉原弘規委員は「落ち着くところに落ち着いたと思っている」と述べ、現施設周辺の土地を買い新設する可能性はあるのかと質問。亀井寿一郎副市長は「今後の検討になってくる」と答弁した。
教育と保育を一体的に行う認定こども園は、幼保連携型、幼稚園型、保育園型などがある。市は三輪崎幼稚園を閉園し、平成30年度から地元の民間保育園に幼保連携型こども園に移行してもらいたい考えで、現在話し合っている。
上田勝之委員は「民間保育園が移行を受け入れない場合はどうするのか。その場合は公立でもやるつもりか」と質問。田岡市長は、公立や開園延期の可能性もあると述べた。民間保育園から上がっている声について森本邦弘・健康福祉部長は「保育士の確保を一番心配しているよう。もう少し話し合っていきたい」。
結論を出す期限について南拓也・子育て推進課長は「12月に園児を募集するので、6月がギリギリと考えています」と述べた。
東原伸也委員は、やたがらすサッカー場の人工芝の耐用年数が過ぎていて安全面などで問題があると指摘し、早期張り替えを要望。費用は3000万円程度。田岡市長は、市民からも要望も受けているとし、有利な補助金を探しながら検討していくと述べた。
(2017年2月17日付紙面より)
新宮仏教会「涅槃会」
新宮仏教会(会長・谷敏朗遍照院住職、13寺)は同市千穂の宗応寺で15日、釈迦(しゃか)の命日の法要「涅槃会(ねはんえ)」を営んだ。各寺の住職や副住職計14人が涅槃図を前に経を上げ、釈迦の遺徳をしのんだ。
涅槃会は、釈迦の生誕を祝う4月8日の降誕会(ごうたんえ/別名・花まつり)、悟りを開いた日を記念する12月8日の成道会(じょうどうえ)と並ぶ三大法会の一つ。
釈迦は35歳で悟りを開き、その後45年にわたり、人々に教えを説く伝道の旅を続けた。インド北東部のネパールとの国境付近クシナガラの郊外で動けなくなり、頭を北にして西向きに横たわり、弟子たちが嘆き悲しむのを慰めながら夜半に80年の生涯を終えたと伝わっている。
(2017年2月17日付紙面より)
東大と那智勝浦町や串本町
那智勝浦町教育委員会(森崇教育長)と串本町教育委員会(野呂正人教育長)は15日、東京大学海洋アライアンス海洋教育促進研究センター(田中智史センター長)と連携協定を結んだ。両町域で教育特例校として海洋教育を実践研究する3校の取り組みを促進する協力関係で、調印後は日置光久特任教授ら3人が串本町役場古座分庁舎で3校から状況報告を受け、同センターが持ち得る知見で分析や助言をした。
同センターは近く施行される新学習指導要領に盛り込まれた海洋教育のカリキュラム開発とその担い手となる人材育成の手法研究に特化した学術拠点として機能。名にアライアンス(=同盟)を頂く通り、全国各地で海洋教育に類する取り組みをしている学校などと協定を結び、実践事例やカリキュラムを調査蓄積し成果として得た知見を還元する形で互いの取り組みの促進を図っている。
同センターにおける両町教委との協定締結は24、25例目。この日は報告に先だって同協定の合同締結式があり、日置特任教授が森教育長や野呂教育長とそれぞれ調印を交わし合った。
この協定の種別には、調査研究対象の「海洋教育促進拠点」と共同研究対象の「海洋教育促進研究拠点」があり、両町教委が締結したのは海洋教育促進拠点。期限は平成31年3月31日までとなっている。
締結にあたり野呂教育長は「2町は海と育ち海で発展した歴史があり、残したいという思いで海洋教育の研究を引き受けた。子どもたちが自然環境に興味を持つよう積極的に進めたいが今は未熟な面もあり、同センターの協力は子どもやわれわれ、ひいては東牟婁地方全体の教育発展につながると思う」。
森教育長は「2町は古代から海の恵みを受け、また(地震や津波で)いためつけられた物語も持つ。それらを伝える取り組みを東大と教委と各学校で研究することは意義深い。三者連携で海を知り、楽しみ、守り、利用するなどさまざまな観点で取り組み、海洋教育の精神を具体化するつもりで一生懸命発展させたい」。
日置特任教授は「海洋教育に実質的な意味を持たせるには、(皆さんと連携協定を結び)仲間として研究実践し子どもに力をつけていくことが大事だと思う。新しい学習指導要領にわれわれの新しい海洋教育を載せる気でやっていきたい」とそれぞれ述べた。
両町域で海洋教育のモデルとなる研究に取り組んでいる教育特例校は▽那智勝浦町立宇久井中学校(橋爪健校長)▽同町立下里小学校(上浦一剛校長)▽串本町立橋杭小学校(岡﨑明生校長)―の3校。県教委からの推奨を受け、平成27~31年度の5カ年で特例校指定を受け実践と研究に努めている。
合同締結式後は各校が海洋教育に取り組むに至った経緯と実践状況を報告し、日置特任教授と丹羽淑博特任准教授、田口康太特任講師の3人が客観的視点から分析し、「大切なのは思考力。取り組む内容を2~3に絞り込んで年次発展させるといった、縦の広がりで子どもの意識レベルを高め、そして守ろうという気持ちになるような流れを意識してほしい」など今後に向けて助言した。
(2017年2月17日付紙面より)
和歌山ラオス友好協会総会 (新宮・東牟婁地方 )
和歌山ラオス友好協会(田邉毅一会長・会員39名社)は15日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで総会を開いた。6議案を承認し、役員改選では田邉会長が再任された。
協会はラオスの観光と教育を援助し、友好的な関係を築こうと発足し、3年目を迎える。ラオス人民民主共和国は、自然と歴史的文化遺産が多く、「ルアンパバーンの町」と「チャンパサック県の文化的景観にあるワット・プーと関連古代遺産群」が世界遺産に登録されている。
協会の本年度事業として▽国際協力・親善に関する交流事業▽教育支援事業▽募金活動▽親善訪問―などを予定している。
総会後の懇親会で田邉会長は「私たちの活動はボランティア。地道に根気よく継続することが大切」。田岡実千年市長は「会が今後ますます発展し、ラオスの方々との絆を深め、支援を継続していければ」とあいさつ。在京都ラオス人民民主共和国名誉領事の大野嘉宏さんはラオスの近況を報告した。
会の役員は次の皆さん。
▽会長
田邉毅一
▽副会長
寺前正和 前田良造
長谷徳蔵
▽理事
尾﨑征朗 國友秀平
田中彰一 濱口太史
谷口拓也 三﨑澄夫
▽会計
杉本義和
▽監事
門 靖夫
▽名誉顧問
田岡実千年 寺本眞一
(2017年2月17日付紙面より)
しんぐう元気フェスタ (新宮市 )
新宮市ボランティア・市民活動センター(西田晴胤会長)は12日、市福祉センターで「第12回しんぐう元気フェスタ'17」を開催した。踊りや歌などステージのほか、各種体験教室、食べ物販売があり、大勢の人でにぎわった。
企業とボランティアなどが協働で取り組んでいる毎年恒例のイベント。会場では、南紀手話サークル「虹」の手話教室、新宮市観光ガイドの会の絵解きなど各コーナーに親子連れが詰め掛けた。「おまぜ」などの販売には行列ができていた。
ステージでは「Team雅龍」「THE透来夢」「ハラウ フラ オ カウイオナラニ」が踊りを披露したほか、「ハリケーン」のバンド演奏、みくまの農協のスコップ三味線、マジックサークル「青い鳥」の手品などがあった。
開会式で西田会長は「元気なまちというのはそこに住んでいる人たちが毎日の生活を楽しんでいるまち。楽しく日常を過ごすことが積み重なりまちの元気につながる」と語り「今日はボランティアや市民がこんな風に楽しんでいるとみんなで分かち合い、いい一日にしたい」とあいさつ。田岡実千年市長は「人と人との支え合い、助け合いが、誰もが心豊かに過ごせるまちにつながる。今後も皆さんとそのようなまちをつくっていきたい」と呼び掛けた。
(2017年2月14日付紙面より)
30周年記念の施設見学会 (新宮市 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所(水野浩次事務所長)は12日、新宮市あけぼのにある市田川排水機場の見学会を開いた。市田川に面した4町内会と県立新翔高校の生徒、市消防本部職員、市職員ら26人が参加し、排水機場の仕組みとその働きを学んだ。
国土交通省では、完成から一定期間を経過した治水施設について、地域の人に施設の生い立ちや役割、水害リスクを再認識してもらう「アニバーサリープロジェクト」を推進している。市田川では、昭和57年の洪水被害を契機に水門と排水機場の整備が始まり、61年に完成した。今年度で完成から30年を迎えるため、見学会を開催した。
あいさつで水野事務所長は「近年ゲリラ豪雨という言葉を聞く通り、雨の降り方も変わってきている。河川の災害は毎年全国各地でみられており、こうした施設はこれから重要になる。紀伊半島大水害の経験を生かして、皆さまと協力して減災に努めたい」と話した。
講演では、調査第一課の大橋幸一郎さんが市田川の治水施設の役割と効果について話した。市田川は水量の多い熊野川の洪水位よりも低い位置を流れているため逆流が起こりやすく、これを防ぐために、横13㍍縦8・2㍍の水門2門と合計で毎秒17・1立方㍍排水できる3基のポンプで水の出入りを管理していると説明。平成13年に起きた12時間雨量265㍉の豪雨で浸水被害を0にするなど効果の大きさを語った。地震津波対策も備えており、震度5弱以上または大津波警報を受信すると緊急自動閉鎖システムが作動すると話した。
操作室とポンプ室、災害対策用機械を見学した後、熊野川河道浚渫(しゅんせつ)工事について説明。浚渫船などを使って川底を掘ることで、川の流下能力を高めていると話した。
(2017年2月14日付紙面より)
水門神社例祭「水門祭」 (串本町 )
串本町大島、水門(みなと)神社の例祭「水門祭」=県指定無形民俗文化財=が11日に本祭を迎えた。寒さ厳しくも晴天に恵まれる中で数々の奉仕奉賛が活気づき、区内外から多くの拝観者も集めてにぎわった。
通夜島で一夜を明かし大島港に迎えられた主祭神「誉田別命(ほんだわけのみこと、応仁天皇)」の故事にちなんだ渡御(とぎょ)祭を軸とする祭礼。神社名の由来にもなっている恵まれた水利を生かし海路「江戸―大坂航路」の中継港として栄えていた時代の息吹も随所に宿し、東牟婁地方屈指の多彩さを誇る数々の奉仕奉賛で形作られている。
10日夜の宵宮祭を経て、11日の本祭は未明の太鼓打ちから始まった。同神社では御前の儀、お的の儀、大座の儀が順次営まれ、境内では大島区の青年団体「大同会」が獅子舞を奉納した。
正午過ぎには主祭神を島へお連れする渡御が営まれ、同神社を出御した主祭神は祭典諸役と共に当船で苗我島の御旅所へ向かった。大島港出港までの警護を務めた大同会の櫂伝馬「鳳」「鶽」は、当船帰港までの間に洋上から餅をまき、大島―串本間往復3・8㌔の海路で競漕(きょうそう)も繰り広げた。沖合の風にまかれて時折進路を外しながらもしぶきを上げてこぎ進み、「鳳」組が先着して歓喜する結果となった。
年の節目を迎えた人々による餅まきを経て、大島港では陸で待つ区長や神職、氏子総代らと祭典諸役が「お山」(神鏡を納めた木組みの仮宮)の周りを3周。みやびやかな和装の稚児が家族や拝観者の注目を集めた。一行の最後尾では商人役が口上を述べ、競りを繰り広げる演技で場をにぎやかした。
扇を振って帰港する当船を迎える「ツルの儀」を営んだ後、「お山」が倒され今年一年の豊漁を願う若衆が荒々しく中の神鏡を探り合い。最初につかんだ若衆が全速力で持ち逃げした。「お山」跡では大同会が獅子舞を奉納して場のにぎわいを治めた。数々の奉仕は還御祭や納鏡の儀、夜の大座の儀を経て終了。大同会は翌12日まで獅子舞の道中舞わしを続けた。
今年の例祭の当番区は北組が務め、奉仕奉賛の全体を水門神社祭典保存会が祭典委員長の仲立ちを得ながら取りまとめた。一連の奉仕奉賛を終え、吉田隆保存会長(57)は「今年も少ない人数ながらよく頑張ったと思う。大島に生まれ育った者はこの祭りをしなければならない、という気持ちは老いも若きも一緒。毎年ながら大変だったけれど、まあ無事に終わって何よりだしお互いにご苦労さんと言いたいところ。そのようなみなのまとまりが今後も続いてほしい」と願っていた。
(2017年2月14日付紙面より)
那智勝浦町下里の下里神社(山本貞夫宮司)で11日、お弓祭りが営まれた。的の裏の鬼の字を矢で射抜くことで邪気を払い、五穀豊穣(ほうじょう)や大漁などを祈願する。剣道形奉納、お弓行事があり、多くの拝観を集めた。
境内に設けられた弓場で午前10時30分、山本宮司の祝詞奏上、玉串をささげる神事に続き、下里剣友会(尾鷲俊和会長)の剣士が剣道基本技を奉納。掛け声とともに木刀を振るった。お弓行事では、下里中学校の沖平源喜君(3年)、江﨑亮介君、小川裕斗君、清原楓雅君、藤本茂宏君、横嶋雄大君(2年)が射手、草下悠陽君、横嶋翔君(1年)の2人が矢拾い役となり奉仕。狩衣(かりぎぬ)姿の射手6人が2人1組で、2巡。1本を的中させた。時折強い風が吹く中、矢が的を射抜くと集まった人たちが拍手を送った。
行事の後の的とシイの木は、門先の魔よけとして拝観者らが持ち帰った。
尾鷲会長は、「毎年祭りに向けて、子どもたちは一生懸命練習している。今日は寒い中よく頑張ってくれた」と話していた。
(2017年2月14日付紙面より)
県高校サッカー新人大会
ファミリーフェスに100人 (和歌山県サッカー協会 )