田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)で11日から御創建二千五十年奉祝式年大祭が始まった。初日は奉告祭の後、九鬼宮司と同祭推進協議会の榎本長治会長が境内に設置されている「八咫(やた)ポスト」上の金のヤタガラス像を除幕した。15日(日)まで、歌や踊りなどさまざまな奉納行事を予定している。
大社が旧社地の大斎原(おおゆのはら)へ鎮座し2050年を迎えたことを祝う祭り。初日午前は拝殿で祭りの無事を祝う祝詞を奏上し、みこが「浦安の舞」を奉納。午後から山川豊さんとビリケンが歌を奉納した。金のヤタガラス像は今年末まで設置し、ポストに投函(とうかん)すると金色の消印が押される。
九鬼宮司は祭り関係者ら約40人を前に「いよいよ待ちに待った2050年祭。心一つに推し進めいただくようよろしくお願いします。祭りはきりっとした中にも多くの人々の笑顔が見えることが大事。より一層本宮大社が輝けるよう、多くの人の心のよりどころとなりますよう今後ともよろしくお願いします」。
榎本会長は「昨年から準備を進めてきましたが、いよいよ今日から15日までが行事の中核。2050年に立ち会える感激を胸にご奉仕いただきますようよろしくお願いします」とあいさつした。
■主な行事日程
【12日】午前11時から熊野本宮館でマジックパフォーマンス▽午後2時から本殿前で「蘇る神仏の祈り―世界平和祈願音禅法要」
【13日】午前9時30分~午後3時ごろに本宮大社~湯の峰温泉~大日越で湯登神事▽午後5時30分から本宮大社~大斎原~真名井社で宮渡神事
【14日】午前9時から黎明殿で船玉大祭▽午前10時~11時に本殿前で「弓矢八幡」踊り▽午前11時から産田社で例祭▽午後2時から本殿前で水森かおり歌唱奉納▽午後2時ごろから大斎原で「ラフェスタプリマヴェラ2018」▽午後2時から本宮体育館で植芝守央合気道道主特別講習会▽午後3時40分から本宮体育館で合気道国際奉納演武▽午後5時から大社黎明殿で前夜祭
【15日】午前9時から大社本殿前で本殿祭、東儀秀樹奉納演奏▽午後1時から大社~真名井社~大斎原で渡御祭。
(2018年4月12日付紙面より)
境内施設整備事業で (熊野那智大社 )
境内の整備工事が進む那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)にこのほど、臨時拝礼所が設けられた。通常の参拝では入ることのできない本殿内庭に仮設されている。雨の境内で11日、参拝客らは間近に見る本殿に恭しく手を合わせていた。
足場で覆われた拝殿でのお参りを惜しむ参拝客の声を受け、より良い参拝をとの配慮から、7月に予定している拝殿内部の改修に先立ち仮設された。神職らは「工事に伴いご不便をおかけしておりますが、せっかくの機会ですので地元の方々もぜひご参拝ください」と呼び掛けている。埼玉県から訪れた70代男性は「拝殿を見て少し戸惑いましたが、特別な所でお参りできて良かった」と笑顔で話していた。
創建1700年記念の同整備事業の奉賛は、熊野那智大社境内施設整備事業奉賛会で随時受け付けている。
(2018年4月12日付紙面より)
こざ店の移動販売車運用開始 (みくまの農協 )
みくまの農業協同組合(村上幸弘代表理事組合長)は10日、串本町西向のAコープこざ店で移動販売車「移動スーパー・とくし丸(5号車)」の出発式を開いた。運用エリアは旧古座町域と河内橋より下流の古座川町域で、希望した世帯を週2回の頻度で巡回するという。
この車は、高齢化の進展に伴い増えている「買い物難民」支援策として導入。徳島県の企業「とくし丸」と提携してノウハウを取得し、同店とリンクさせる形で運用の段取りをつけた。買い物難民対策であると同時に、対象世帯の多くが見守り支援も必要としている事から、同組合は今月1日付で串本町や古座川町と連絡協定を締結。週2回の訪問時に理由なく面会ができない場合に役場へ連絡する体制を構築し、見守り支援の面でも貢献を目指す。
昨年2月になち店とリンクする1号車を初導入。以降1号車と共に那智勝浦町域と太地町域を巡回する2号車、ランティス店とリンクして新宮市域を巡回する3号車と4号車、そしてこざ店とリンクする今回の5号車が運用を始めるに至った。
出発式において村上組合長は「地区の高齢化が進み買い物難民が出てきている中、一つでもお役に立てればと思う。この地域で大勢の皆さんに喜んでいただけるよう努力したい」とあいさつ。来賓を代表して串本町の吉村眞也福祉課長は「日常の買い物が困難な皆さんの利便性が図られるだけでなく、高齢者の見守りや防犯にも大いに役立っていただけると思う。地域に根付き、利用者に末永く愛されることを願いたい」と期待を寄せた。村上組合長から5号車を運用する販売パートナー・菊本靖さんにキーを託し、村上勝俊常務理事の決意表明やテープカットで祝いつつ同車を送り出した。
同車は軽四貨物自動車をベースにし、荷台部分に移動販売機能を積載した仕様。日ごとにこざ店から商品を積み込んで出発し、小規模ながら店舗に近しい販売環境を希望世帯に届ける仕組みになっている。
商品は一品ごとに店舗価格より10円高く設定されていて、その利益で車両の運用費用などを賄う。河内橋より下流域としているのは、上流域で定着している既存の移動販売と競合せず共存するための配慮。移動販売が希薄な地域の買い物難民対策を基本にしていて、希望世帯訪問時に近所の人も買い出しの手間の軽減として利用してもらえればとしている。
菊本さんは親子2代で約60年の移動販売業を営んだベテラン。今後巡回する地域にも得手があるそうで、今後は販売パートナーとして地域の支えになる活躍が期されている。同車両の訪問希望など問い合わせはみくまの農業協同組合(電話0735・52・1177)まで。
(2018年4月12日付紙面より)
全日本学童軟式野球県大会支部予選