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2020年11月20日
1 本会議さながらの鋭い質問 中学生11人が模擬議会 (太地町)

 太地町役場議場で17日、町立太地中学校(山田貴也校長)の3年生による恒例の中学生議会(模擬議会)が開かれた。生徒は各自の目線で町の課題などをまとめ、本会議さながらの鋭い一般質問を行った。

 同校によると、今回は議員や議長は立候補によって決定。新型コロナウイルス感染拡大の影響から準備期間も短かったという。

 議長は磯崎咲良さん、副議長は山下なぎささんの2人が務めた。浪花晟秀(せいしゅう)君、關杏珠(あんず)さん、岩口怜生(れお)君、脊古宗昌(ときまさ)君、森本愛美さん、奥村汐莉さん、東純平君、脊古颯羅(さら)さん、小濱晟暉(てるき)君の9人が議員として一般質問に臨んだ。

 三軒一高町長は暮らしやすい町づくりを目指し、現在16年目に突入した長期計画を説明。長きにわたりクジラと関わっていることに触れ、「令和のわれわれは学術的にクジラを利用し、クジラの学術研究都市をつくる。皆さんが将来、誇れる理想の町をつくるために頑張っていきたい」とあいさつした。

 模擬議会では議長と副議長が交代しながら円滑な議会運営に努めた。議員役の生徒からは「新設される太地駅に売店を設置しては」「避難場所への誘導看板の設置状況」などの質問が挙がった。

 対して当局は「現時点で、売店の設置スペースはない。将来的には駅前広場の整備を行い、無料駐車場の設置やコンビニの誘致を考えている」「地図の付いた看板で提示するのは一つの方法だと思う。検討していきたい」と答弁した。

 議長を務めた磯崎さんは「緊張した。今日を通して実際の議会がどのように進められているか知ることができた。町政に興味が湧きました」。

 議員役の浪花君は「町長さんとお話ができ、良い経験になった。町がより良くなるために皆さんが努力されていることを学べた」と語った。

 この日は同じく中学生議会(未来議会)を実施する橋本市の教育委員会が視察に訪れた。

(2020年11月20日付紙面より)

模擬議会を終え記念撮影=17日、太地町役場議場
一般質問の様子
2020年11月20日
2 ボールに触れ魅力を知る
 はまゆう・こども園でラグビー体験  (新宮市 )

 新宮市の保育所型認定こども園「はまゆう・こども園」(遅越拓郎園長)で18日、本年度最初のラグビー体験があった。新宮ラグビーフットボールクラブ(鈴木雄一代表)の林英明さんらメンバー3人が来園し、4、5歳児24人にルールや魅力などを伝え、ゲームなどをして楽しいひとときを過ごした。

 同クラブは県立新宮高校ラグビー部OB会が中心となって活動。体験を通じてボールに触れ、ラグビーの魅力などを知ってもらおうと昨年度から実施している。

 体験を前に、林さんは実演を交えながら「ラグビーでは後にいる人にパスを出す」「前方にボールを落とさない」など、競技やルールを説明。子どもたちはかけっこで体をほぐすと、2グループに分かれてメンバーからパスを受けたボールを抱えてゴールまで運ぶ「トライ」やボールを守るために片手で相手を突き放す「ハンドオフ」に挑戦した。

 後半にはラグビーのルールを取り入れた鬼ごっこもあり、決められた枠内を駆け回り「めっちゃ楽しい」などの声が上がり、盛り上がりを見せた。

 林さんは「昨年のラグビーワールドカップのことを知っている子どもたちも多く、少しずつ浸透していると感じた。新型コロナウイルスの感染状況次第ですが、今後もラグビーおよびスポーツを好きになってもらえるよう、継続して活動していければ」と話していた。

(2020年11月20日付紙面より)

「ハンドオフ」に取り組む園児=18日、新宮市の保育所型認定こども園「はまゆう・こども園」
ラグビー体験に参加した4、5歳児と新宮ラグビーフットボールクラブメンバーの皆さん
2020年11月20日
3 教授と一緒に疑問考える
 明神小6年生遠隔授業で  (古座川町 )

 古座川町立明神小学校(速水和美校長)の6年生3人が16日、和歌山大学による遠隔授業に参加した。

 同校は本年度、和歌山大学教職大学院が実施する小規模校教育実習の受け入れに協力し9日から20日まで院生2人を迎えている。その縁で大学とつながる授業ができないかと要望したところ、和大も応えて実現の挑戦が始まった。

 串本古座高校地域協議会が和大と連携して取り組む「和大オンラインくろしお塾」の企画者・豊田充崇教授が橋渡し役となり、児童が今学んでいる事柄に合わせて内容を計画。適任者の此松昌彦教授ら教授陣と6年生をウェブ会議システム「Zoom(ズーム)」でつないで授業ができる環境を整えた。

 授業のテーマは「理科・大地のつくりと変化」。此松教授は『地学博士』として6年生と接し、オンライン上の橋渡し役は元教諭の貴志年秀特任教授が担当した。

 お互いに自己紹介をして、児童が地学関係で最近勉強したことや地層を作る実験で気付いたことを報告。3人は町内の6年生合同で地質見学に臨んだ時に観察したフェニックス褶曲や橋杭岩、タービダイト(和深海岸)、さらし首層について写真を交えながら紹介し、「タービダイトはどうやってできたのか」「さらし首層に露出する岩はどうして丸いのか」などを此松教授と一緒に考えて疑問を解消するなどした。

 直接授業には関わらなかったが和大側は此松教授のゼミ生も同席。豊田教授によると、児童がどのように関心や疑問を抱くかを考える糸口を探ったという。互いに利のあるこの授業には明神小で実習に臨む院生2人も立ち会い、豊田教授と共に進行を支えた。

 コロナ禍により現在オンライン講義が主流になっている和大。そのピークとなる時間帯での実施は通信が安定せず内容の全てを実施できなかったが、児童の理解を深める成果はあったと豊田教授は分析。「県南部は和大から遠い分接する機会が少ないが、この方法なら貢献ができる」と実感を語り、通信の安定化など克服すべき課題も見据えて手法の確立に意欲を見せていた。

(2020年11月20日付紙面より)

オンラインで此松昌彦教授と一緒に地学の疑問を考える6年生ら=16日、古座川町立明神小学校
2020年11月20日
4 不屈の文字を書き添えて
 来年のえと「丑」の色紙  (熊野那智大社 )

 那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)で来年のえと「辛丑(かのとうし)」の色紙作りがピークを迎えた。男成宮司が直筆で1枚ずつ、色紙に「不屈」の文字を書き添えている。今週中に1300枚を完成させる予定。

 色紙には勇ましい黒い牛と初日を配した那智の滝が描かれており、8月に原画が完成した。

 同社によると、穏やかなイメージのある牛だが、てこでも動かないような忍耐強さは不屈の精神に通じると解説。新型コロナウイルス感染拡大の現在においても困難にめげずに頑張っていこうという願いが込められているという。

 この日は毎月18日に営まれる権現講祭の後に作業に取り掛かった。男成宮司が文字を書き入れた色紙に巫女(みこ)が社印を押して仕上げた。

 男成宮司は「今年は厳しい年だったが、治療や体制も当初よりは進んできたと思う。来年はコロナを乗り越え克服して、今まで通りの世の中になるように切に願っています」と語った。

 発送および社頭での授与は12月上旬から。1枚2000円。送料は2枚以下600円、3枚以上は1200円。申し込みは、はがき、またはFAXで受け付けている。〒649―5301 那智勝浦町那智山1、熊野那智大社(FAX0735・55・0643)。

(2020年11月20日付紙面より)

「不屈」の文字を書き添える男成洋三宮司=18日、那智勝浦町の熊野那智大社
2020年11月20日
5 初冬の風物詩・サネカズラ  浮島の森で真っ赤に色づく  (新宮市 )
2020年11月20日
6 土屋文明直筆の短冊など寄贈 21日から一般公開 (新宮市立図書館)
2020年11月20日
7 「地域活性化の拠点に」  勝浦地方卸売市場で完工式  (那智勝浦町 )
2020年11月20日
8 子どもたちの成長祝う  天満保で幼児祝福式  (那智勝浦町 )
2020年11月20日
9 半島の自然に親しむ  宇久井半島で家族連れが「磯遊び」  (宇久井海と森の自然塾 )
2020年11月20日
10 高校の楽しいところは?  高田中で「ようこそ先輩」  (新宮市 )
2020年11月20日
11 タイへ甘いミカンを  JA柑橘統一選果場で輸出検査  (御浜町 )
2020年11月20日
12 子どもたちが楽しく体動かす  ACP活用した運動遊び  (紀宝町 )
2020年11月20日
13 懐かしの名曲口ずさむ  再開した「カフェいっぷく亭」  (紀宝町 )
2020年11月20日
14 災害への正しい知識を  鵜殿、相野谷小で防災研修  (紀宝町 )
2020年11月20日
15 川湯温泉の謎を探る  環境省のイベントに22人参加  (田辺市本宮町 )
2020年11月20日
16 旧市内の名所・旧跡探訪  光洋中1年が郷土学習  (新宮市 )
2020年11月20日
17 5種目の結果まとまる  町内小学校連合運動会  (古座川町 )
2020年11月20日
18 次期町長選への立候補表明  元医師の町民・小野惠さん  (串本町 )
2020年11月20日
19 日に日に黄葉の度合い増す  光泉寺「子授けイチョウ」  (古座川町 )
2020年11月20日
20 お悔やみ情報
  
2020年11月12日
21 38年の歴史に幕
 広角警察官連絡所が運用終了  (新宮警察署 )

 新宮市新宮の新宮警察署広角警察官連絡所(旧広角交番)が、11月30日(月)をもって運用終了となる。12月上旬に撤去工事を開始。竣工以来、地域の治安維持を担い続けた38年の歴史に幕を下ろす。

 同連絡所は1982(昭和57)年3月、広角警察官派出所として運用を開始し、94(平成6)年11月に広角交番に。2008(平成20)年に広角交番、三輪崎、佐野両駐在所が統合し、現在の三輪崎交番が運用を開始。以降、警察官連絡所としての機能を果たしてきた。

 昨年10月には、大橋交番の建て替え工事に伴い、一時的に大橋交番の機能を移転。今年4月に大橋交番が開所してからは、再び連絡所となっていた。

 運用終了の理由は、17(平成29)年に新宮警察署が現在地に移転したため、連絡所と約300㍍しか離れていないことや、施設の老朽化に伴うもの。地域住民や連絡所に用がある人は、12月以降は新宮警察署もしく

は三輪崎交番を利用する。

 同署では「38年にわたって多大なご協力をいただきましたことに対し、厚くお礼を申し上げます。広角地区の皆さま。長年のご愛顧、誠にありがとうございました」と感謝のコメントを寄せている。

(2020年11月12日付紙面より)

11月末をもって運用を終了する広角警察官連絡所=10日、新宮市新宮
2020年11月12日
22 小森川でクマノザクラ振興
 樹木医甚兵衛が初イベント  (古座川町 )

 古座川町小森川で8日、一般社団法人樹木医甚兵衛主催のイベント「クマノザクラの現状を知ろう!」があった。第1部は講演で、一般7人が聴講。同法人の矢倉寛之さんが小森川地内における振興の考えを伝えて賛同と支援を求めるなどした。

 矢倉さんはクマノザクラの新種としての判断に関わった長追在住の樹木医。今後の振興を図る母体として昨年に同法人を設立し、具体策を練る中で小森川を適地と見据え考えを深めている。その内容を公開し支援の輪を広げるため、神玉神社を護持する野口貢盟さんと共に同法人初となるこのイベントを計画して一般参加を呼び掛けた。

 イベントは▽講演▽現地見学▽作業体験―の3部構成。講演は同神社社務所であり、矢倉さんは「このプロジェクトは皆さんの協力なくして動かない」と思いを掲げて話を始めた。同法人は人知れず減る樹種を人に伝えて守り、保護活動で集落を保ち文化を守るために設立。その象徴としてクマノザクラを位置付け、基本野生種としての特色や減少の要因となる地域課題を紹介した。

 陽樹に含まれるクマノザクラは里山管理の下で陰樹との生存競争や食害を免れ、人と共存してきた存在。両性花を咲かせるが自花不和合性で、地域の自生種であるヤマザクラとクマノザクラは開花時期をずらして互いに交雑を避けるが、地域外から持ち込まれたサクラはそうでもなく交雑すれば種子から芽生えるのは雑種。矢倉さんはソメイヨシノが10本しかなく交雑管理がしやすい点で小森川を適地と見据え、この場所で共存を形にしたいとした。

 今必要なのは苗木の増殖で、今後必要になる事柄と課題を語る中で区内に保存林やベースキャンプと教育事務の2機能を備えた拠点を整備する考えを説明。そのような筋道を進むため、同法人として募金や土地・用具貸与の協力、スポンサー企業がほしいと求めて以降質問を受け付けた。併せて野口さんも受粉に寄与する養蜂業とここ2~3年の不振傾向を伝え、打破の情報提供を求めた。

 第2部は保存林予定地の見学、昼食休憩を挟んで第3部は集材運搬作業の体験で、任意で参加を求めた。

(2020年11月12日付紙面より)

小森川地内でのクマノザクラ振興の考えを伝える矢倉寛之さんら=8日、古座川町小森川
2020年11月12日
23 世界平和の祈り込め
 新宮ユネスコ協会が鐘打会  (新宮市 )

 「世界平和記念日」の11日、新宮ユネスコ協会(中谷剛会長)は新宮市千穂の宗応寺(石原知実住職)で「平和の鐘」を鳴らし、世界平和を祈願した。

 1918(大正7)年11月11日は、第1次世界大戦が終結した日。ヨーロッパ各国では祝日に制定されたり、戦没者追悼式典などが営まれたりするなど、重要な日とされている。同協会の「平和の鐘」は6年目の取り組みとなる。

 山門の2階にある宗応寺の鐘は、第2次世界大戦時、金属類回収令により供出。1979(昭和54)年に、老朽化に伴う本堂再建の際に、建立記念として檀家(だんか)より寄進を受けた。山門は安政3(1856)年のもので、164年の歴史があるという。

 石原住職は、山門と鐘の歴史に触れ「鐘自体は新しいものだが、建物全体の歴史を感じていただければ」とあいさつ。11人の会員らは平和への願いを込め、午前11時から順番に鐘を突いた。

 中谷会長は「鐘を突くことには時を知らせる、危険を知らせるなどの意味がある。そして願いを込めて突く鐘もある。新型コロナの影響で当協会も定例の活動ができないが、ささやかな行為でも平和を構築する動きを持続化させることが大事」と取り組みに対する思いを語り「平和というものを、理念として研究する活動が必要」と話していた。

 毎年、同協会が世界遺産を有する地域の魅力を内外に発信することを目的に実施している「ユネスコ写真展」は、新型コロナ感染予防の観点から、今年は中止が決定している。

(2020年11月12日付紙面より)

新宮ユネスコ協会の会員らが平和の鐘を鳴らした=11日、新宮市の宗応寺
2020年11月12日
24 コロナ終息と堅実な歩み願い
 開運暦の発送作業大詰め  (那智山青岸渡寺 )

 那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮享住職)で、来年の「那智山開運暦」の発送作業が大詰めを迎えている。今週中に全国各地の信者約1万7000人に発送する予定で、11日は髙木亮英副住職ら4人が発送作業の追い込みに入った。

 那智山開運暦はB6判34㌻で、平常公開されない同寺秘仏の如意輪観世音菩薩(にょいりんかんぜおんぼさつ)のお前立ち像が表紙を飾る。▽方位吉凶図と解説▽九曜星の年齢と吉凶▽六曜星と七曜星の吉凶▽結婚の吉凶▽1月から12月の運勢▽二十四節気の解説―などが掲載されている。

 1週間前から準備を始め、この日は開運暦と優待参拝券などを封筒に詰める作業を進めた。

 髙木副住職は「コロナの終息を願うとともに、来年は丑(うし)年なので牛歩のごとく堅実な歩みが進められる年になってほしい。皆さまの開運をお祈りしています」と語った。

 希望者には1部300円(送料込み)で発送する。問い合わせは那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001、〒649―5301 那智勝浦町那智山8番地)まで。

(2020年11月12日付紙面より)

作業を進める髙木亮英副住職(左)ら=11日、那智勝浦町の那智山青岸渡寺
全国に届けられる開運暦
2020年11月12日
25 新宮高が近畿大会へ
 和歌山県高校弓道新人大会  
2020年11月12日
26 東牟婁地方中学校体育連盟新人大会②
 バレー・バスケット・剣道・サッカー  
2020年11月12日
27 Tシャツ使ってやってみよう  神倉小育友会がエコバッグ作り  (新宮市 )
2020年11月12日
28 紀州材で椅子を手作り  王子ヶ浜小で木工教室  (新宮市 )
2020年11月12日
29 道徳教育の充実に向けて  三輪崎小で研究発表会  (新宮市 )
2020年11月12日
30 地域防災のリーダー目指し  1年生が防災スクール  (新宮高校 )
2020年11月12日
31 西垣内さんが2年連続優勝  宇久井愛蘭会の寒蘭展  (那智勝浦町 )
2020年11月12日
32 元気な鼓笛で「火の用心」  幼年消防クラブがパレード  (勝浦認定こども園 )
2020年11月12日
33 トルコ被災への支援を求む  町内3カ所に義援金箱設置  (串本町 )
2020年11月12日
34 5、6年生記録に挑む  町内小学校連合運動会  (古座川町 )
2020年11月12日
35 今後も防災、福祉など推進  西田健町長が総務大臣表彰  (紀宝町 )
2020年11月12日
36 田舎暮らしで夢かなえる  移住して10年の尾﨑亜紀さん  (紀宝町 )
2020年11月12日
37 伝統の和紙作りに挑戦  4年生が世界に誇る技学ぶ  (神内小 )
2020年11月12日
38 お悔やみ情報
  
2020年11月07日
39 上がり子、中止決定 熊野速玉大社「御燈祭り」 

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)の摂社、神倉神社で営まれる、熊野地方に春を呼ぶ「御燈祭(おとうまつ)り」(2月6日)。来年の斎行についてこのほど、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、上(あ)がり子の参加を中止し、関係者のみで神事を執り行うことが決定。5日に同大社、神倉奉賛会、神倉青年団が発表した。

 熊野速玉大社例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」と合わせて国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける「御燈祭り」は、新年における「火の更新」を意味する勇壮な祭り。毎年、全国から大勢が祭りに参加し、御神火を移したたいまつを手に一斉に神倉神社を駆け下りる。

 このたびの決定は、全国的にコロナ感染症のクラスター発生防止についてあらゆる取り組みが行われている中、2000人以上の上がり子が神倉神社山門内に集結することによって長時間の3密状態が避けられない状況であることを考慮。上がり子の安全と健康を最重要視する運びとなった。報道関係者や一般撮影者の入山も禁止となる。翌7日の御燈祭り奉祝祭、餅まきも中止。

 斎行に関して、同大社、神倉奉賛会、神倉青年団、市観光協会で御燈祭り検討委員会を開催。新宮警察署や市消防本部、市消防団、新宮森林事務所、新宮少年相談センター、新宮小売酒販組合、御燈祭りを守る会など関係機関と協議を重ね、また、和歌山県危機管理局、県福祉健康部感染症対策班および県神社庁などの助言も得ながらこのたびの決定に至った。

 祭り当日は15人以内の神職と介釈(かいしゃく)のみで入山する。中止に関して、介釈を務める神倉青年団の中山忠吏団長は「新型コロナの情勢に敏感になる人が多い中、上がり子の健康を第一に考え中止に至った。当日は新型コロナの終息を願い、神職の指示に従って厳粛に滞りなく任務を遂行したい」。

 上野宮司は「中止の決定に至るまで葛藤はあった。残念だが健康と安全を考えた結果。長い時代の中で同じような苦労はあったのでは。その中で祭りをどう伝えていくかを模索しながらこれまで続いてきたことと思う。今年は、家から神倉山を見て、手を合わせてほしい」と思いを語った。

  □     □

■御燈祭り当日の日程

※当日(2月6日)夕刻以降、神倉神社付近への車の参入は避けること

▽午前10時 かがり御供(ごく)奉製

▽午後5時10分 介釈、神倉神社で修祓(しゅうばつ)の後、熊野速玉大社に向かう

▽午後5時50分 神職、介釈一行同大社を出発し、神倉神社に向かう

▽午後6時20分 神倉神社到着

▽午後7時10分 御神火をおこし、神事開始

▽午後7時30分ごろ 大たいまつを先頭に下山開始

▽午後7時35分ごろ 中ノ地蔵に到着、拝礼

▽午後7時40分 神倉神社社務所に到着。拝礼後、阿須賀神社へ出発

▽午後8時 阿須賀神社に御神火を奉安し奉幣を奉る

▽午後8時30分 熊野速玉大社に御神火を奉安し奉幣を奉る

(2020年11月7日付紙面より)

今年の御燈祭りの様子
上がり子の中止に関して思いを語る上野顯宮司=5日、熊野速玉大社
2020年11月07日
40 まちの憩いの場に
 タウンガーデンで花の植え替え  (新宮市 )

 新宮市保健センター隣の花壇・タウンガーデンを管理するボランティアグループ「タウンガーデン」(平田裕子代表)は5日、同所で花の植え替えを行った。会員10人が、秋から冬に咲く花を植えた。

 この日に植えた花はパンジー、ビオラ、ハボタンの3種類。今後も随時、ナデシコやカンパニュラ、クローバー、金魚草などさまざまな花を植えていく予定になっている。会員たちは花壇を囲み、協力しながら丁寧に作業を進めていった。

 平田代表は「季節の変わり目に花を植え替え、大勢の方たちに見てもらい楽しんでほしい。まちの中で少しでも座って休むことのできる憩いの場にもなってもらいたいですね。コロナ禍で引きこもりがちになりそうな毎日ですが、まちのシンボルの一つになってもらえれば」と話していた。

(2020年11月7日付紙面より)

植え替え作業に取り組む会員たち=5日、新宮市のタウンガーデン
2020年11月07日
41 じゃばらの収穫始まる
 例年並み110㌧見込む  (北山村 )

 日本唯一の飛び地の村、北山村で6日から、特産品「じゃばら」の収穫が始まった。女性たちが色づいたものを枝切りばさみで丁寧に切り取り籠へと入れていった。今年の収穫量は例年並みの約110㌧の見込みで、作業は12月中旬まで続く予定となっている。

 じゃばらは温暖多雨な気候で寒暖差が大きい同村の自然条件が生み出したかんきつ系の果実。ユズや紀州みかんの自然雑種とされており、江戸時代から村に分布したとされている。名前は「邪(じゃ)を払う」からきているという説がある。大きさはテニスボールほどで、疲労回復に良いとされるビタミンAとC、風邪予防に効果があるカロテンを含むなど栄養価に優れ、皮には抗アレルギー作用があるフラボノイド成分が多く含まれている。

 じゃばらは株式会社じゃばらいず北山と村じゃばら生産協同組合に加盟している農家30戸の計8㌶ほどの畑で約5000本を栽培。生しぼりやジュース、ぽん酢、ジャム、シャーベットなどさまざまな商品があり、昨年度の売り上げは約4億7500万円だった。本年度は約6億円を見込んでいる。

 北山振興株式会社じゃばら農園管理責任者の宇城公揮さん(44)は「夏場に雨が少なく木が枯れそうになるなどの心配がありましたが、みんなで手入れに力を入れて無事に成長させることができました。今年は実もしっかりしており、品質の良いものが育ちました」と話していた。

 予約はインターネットや電話で受け付けている。問い合わせは村じゃばら村センター(電話0735・49・2037)まで。

(2020年11月7日付紙面より)

じゃばらを収穫する地元農家=6日、北山村
2020年11月07日
42 本州最南端ジオコースを紹介
 サイクリング動画制作し公開  (東牟婁振興局 )

 東牟婁振興局がこのほど、サイクリングPR動画「KINAN Cycling Team 山本大喜選手 熊野を走る」を制作し、動画サイトでの公開を始めた。

 この動画は、サイクリングを通じて熊野地方の魅力を伝え県内外からの誘客につなげることを狙い、NPO法人「SPORTS PRODUCE 熊野」が擁する県内唯一の自転車競技チームの協力を得て制作。

 県サイクリングコースの一ルート「本州最南端ジオパークコース」の魅力や地域柄を語りながら紹介する内容で、同局企画産業課の職員が「自転車で出会う熊野の魅力」をコンセプトにして企画、撮影、編集を担当した。

 シーンとして橋杭岩や南紀熊野ジオパークセンター、一枚岩や虫喰岩なども収録。ドローンやウエアラブルカメラ、一眼レフカメラなど撮影手法の多彩さにもこだわっているという。

 公開先は動画サイト「YouTube(ユーチューブ)」の熊野エリア観光ちゃんねる(サイト内検索で検索可)。同局や同チームの公式ホームページ、同課公式フェイスブック、熊野エリア観光推進実行委員会公式ホームページやフェイスブック、南紀熊野ジオパーク推進協議会公式ホームページにおいて、外部リンクをたどっての閲覧もできる。

 山本選手は奈良県平群町出身、24歳。現在は同チームに所属し、新宮市に在住し主に同局管内でトレーニングを続けている。第38回アジア選手権ロードレース(U―23)優勝、2018年全日本選手権個人タイム・トライアル(U―23)優勝、第54回西日本ロードクラシック広島大会(Day―1)優勝、と実績を重ねている。

 今回紹介するルートは串本駅を発着点にし、橋杭岩~虫喰岩~一枚岩~串本海中公園~潮岬灯台を巡る全長約65㌔の初・中級者向けコース。詳細は和歌山県サイクリング総合サイト「RIDE ON WAKAYAMA」を参照。

 今回のルート以外にも管内にかかるルートが複数あり、現時点では未定だが同課は同チームと引き続き話をする中で第2、3弾に挑戦できればと話している。

(2020年11月7日付紙面より)

公開を始めたサイクリングPR動画のサムネイル画像(東牟婁振興局企画産業課提供)
虫喰岩前を疾走する山本大喜選手(同提供)
2020年11月07日
43 仲間たちの声援受け力走
 東牟婁地方中学校秋季陸上競技大会  
2020年11月07日
44 8組16人が熱戦を展開
 新宮市民スポ祭硬式テニス  
2020年11月07日
45 優勝は漁野さん、北岡さん
 那智勝浦町総体グラウンドゴルフ大会  
2020年11月07日
46 清掃通して浜辺を活性化  三輪崎海岸で有志らがクリーン作戦  (新宮市 )
2020年11月07日
47 避難場所や経路を把握  新宮高が防災訓練  (新宮市 )
2020年11月07日
48 日々の衛生管理にまい進  食品衛生優良施設にあづま寿司  (新宮市 )
2020年11月07日
49 今年もコガモ飛来  新宮市「浮島の森」で  
2020年11月07日
50 秋の恵みを収穫  はまゆう・こども園が芋掘り  (新宮市 )
2020年11月07日
51 色鮮やかに満開の世界  狗子ノ川の国道沿いをコスモスが彩る  (那智勝浦町 )
2020年11月07日
52 相野谷川で水生生物探し  生徒らが水質調査に参加  (近大新宮 )
2020年11月07日
53 写真で地域の魅力を発信  新宮市観光カレンダー販売中  
2020年11月07日
54 古田にコウノトリが飛来  2羽寄り添う姿が話題に  (串本町 )
2020年11月07日
55 6組が対戦し和深Bが優勝 第16回町社協主催ゲートボール大会 (串本町)
2020年11月07日
56 古座の海テーマに楽曲制作  KOOZAと共に南努さん  (串本町 )
2020年11月07日
57 2本のツリーに飾り付けを  パープル・オレンジリボン運動  (紀宝町 )
2020年11月07日
58 水谷福さん優秀作品賞に  薬物乱用防止ポスター  (紀南高校 )
2020年11月07日
59 サツマイモ掘りを楽しむ  うどの幼、鵜殿保の園児が  (紀宝町 )
2020年11月07日
60 弓神事、浦安の舞を奉納  井田神社で例大祭  (紀宝町 )
2020年11月05日
61 関係機関の連携を強化
 「世界津波の日」前に合同訓練  (新宮警察署など )

 新宮警察署(小畑博昭署長)は4日、「世界津波の日」(11月5日)を前に、新宮市三輪崎の新宮港第3・4号岸壁で防災関係機関と協力し大規模地震災害対応訓練を実施した。新宮・串本警察署、串本海上保安署、新宮市、市消防本部、株式会社POSの5機関から44人が参加。大規模災害に対する連携強化を図った。

 「世界津波の日」は2015(平成27)年12月に国連総会で制定。安政元(1854)年11月5日に、安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際、濱口梧陵が稲むらに火をつけ、津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて多くの人の命を救った逸話「稲むらの火」にちなんでいる。

 合同訓練は、南海トラフ巨大地震などの大規模災害の発生に際し、迅速かつ的確な災害警備活動を行うことを目的に実施。県警本部警備課や機動隊、警察航空隊、海上保安署、新宮警察署がドローン協定を結んでいる株式会社POS(堀哲也社長)ら関係機関の連携体制を再確認した。

 この日は、同日午前5時、和歌山県南方沖で震源の深さ約10㌔、マグニチュード8・7と推定される地震が発生、新宮市内では震度6強の揺れが観測され、県内全域に大津波警報が発令したと仮定し訓練を実施した。

 地震発生から5時間後の午前10時現在、市内の沿岸地域は津波により壊滅状態で内陸部でも大規模な土砂崩れが発生。主要幹線道路である国道42号、168号も寸断され、陸路による応援や本部員などの応援も見込めない状況にあるが、海上についてはかろうじて船舶などの航行が可能であると想定した。

 現地指揮所を立ち上げた警察署員らは市職員に対し防災相互通信用無線機により無線通話を実施。合流した市職員と情報の共有を行った。POS所有のドローンが情報収集を行い、串本海上保安署の巡視艇「むろづき」が串本町から現地に串本署員を海上輸送。警察、市消防本部は倒壊家屋や事故車両でそれぞれ救助訓練を行った。

 訓練開始に当たり、田岡実千年市長は「世界津波の日を迎えるに当たり関係機関の相互の連携強化を図ることを目的に実施される訓練は、地域の関係機関の連携がこれまで以上に強化され住民の安心安全につながるものと確信している」とあいさつ。

 訓練後、小畑署長は「それぞれの訓練が実践的で有意義なものとなった。近年、防災・減災を目的とした災害への備えへの重要性・必要性が高まる中、訓練を通じてその一助とすることができた」と講評。「山青し、海青し、緑豊かな新宮・東牟婁地方の安全安心の確保はわれわれの使命。今後も各機関の協力関係を維持し連携強化を」と呼び掛けた。

(2020年11月5日付紙面より)

機動隊による救助訓練の様子=4日、新宮市三輪崎
横転した車両に取り残された被災者を救助した
2020年11月05日
62 互いに情報を共有し合う
 いきいきサロン三四朗発足  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の勝浦三区と四区が中心となって立ち上げた「いきいきサロン三四朗」がこのほど、1回目となるサロンを同町勝浦のコミュニティ消防センターで開いた。36人が参加し、防災の豆知識や感染症について学んだ。

 町が数年前から地域づくりのために勉強会を開いており、参加した四区住民で同サロンのメンバーが自らの区にもサロンの必要性を実感。三区も加わり、仲間づくりや健康づくりのためにいきいきサロンの発足に至ったという。

 同サロンでは開催する区にかかわらず、会場まで歩いて来られる住民なら誰でも参加可能としている。新型コロナウイルス感染拡大防止のため当面は講話などが主となるが、状況が落ち着けば全員での食事なども検討しているという。

 船出となる当日は六区の住民も参加した。会員らは検温や消毒、換気、マスクの着用といった新型コロナウイルス対策を強化し実践した。

 同サロン役員で防災士の藤社和美さんが「防災のおはなし」を講演。▽防災バッグは自身が持つことのできる量にし避難を優先する▽津波の避難について▽家具の固定の重要性や補助▽通電火災防止のため感震ブレーカー設置▽自治体の情報収集をしっかり行う▽避難者カードの作成―などのポイントを話した。

 藤社さんは「防災面も含め、地域のつながりを広げ深めるきっかけになってくれれば」と話した。

 続いて、町福祉課の保健師と管理栄養士が「感染症のおはなし」と題し、コロナの対応におけるかかりつけ医の役割や、免疫力を高めるための栄養素や食事について講演した。

 同サロンメンバーで三区の福祉委員でもある武内美津子さんは「皆さんが休憩時におしゃべりに花を咲かせている姿を見て望んでいた光景だと実感した。良いスタートを切れたと思う」。

 松本一良代表は「昔からの近所付き合いを取り戻したい。地域間で互いの情報を共有し、交流を深めるツールにしていただければ」と語った。

 サロンは年間10回を計画しており、次回は26日(木)を予定している。

(2020年11月5日付紙面より)

1回目となるいきいきサロン三四朗の様子(サロン関係者提供)
2020年11月05日
63 七里御浜海岸を観光資源に
 鈴木知事と大畑町長が対談  (御浜町 )

 鈴木英敬知事と御浜町の大畑覚町長による「1対1対談」が2日、御浜町役場くろしおホールであった。対談を前に、同町阿田和の防風林で侵食、枯死の現状を視察した鈴木知事は「防風保安林の根本が侵食されている。今後も建設土砂を利用した養浜を進めたい。堤防整備は阿田和地区海岸の無堤防区間786㍍のうち、本年度末には700㍍が完成する予定。残る86㍍は令和4年度中の完成を目指す。残る2・7㌔は順次整備を進めていきたい」と述べた。

 1対1対談は、市町の具体的な課題を知事と市町長がオープンな場で議論し、課題解決に向けて一歩でも前に進めることが目的。同町議会議員と藤根正典、谷川孝栄両県議らが傍聴した。

 大畑町長は、美しい海岸線と雄大な太平洋を望める七里御浜海岸の砂利量が年々減少していると危惧。「七里御浜海岸を観光資源として活用したい」と伝えた上で「塩害により広範囲にわたって防風保安林が枯死していることから、県からも三重森林管理署に伐採と植樹の働き掛けをしていただき、保安林の保全、整備に努めてもらいたい」と求めた。

 地域の中核病院である紀南病院の経営改善を取り上げた大畑町長は、「県南部の医療を安定的に維持しながら、コロナ禍のような緊急時にも柔軟に対応するため、病院経営の安定化、医師、看護師の確保も積極的にご支援を」と訴えた。鈴木知事は「紀南病院の機能維持ができるよう、医師の確保に取り組んでいきたい。勤務環境の改善に向けて医療機関と連携したい」とし、国への働き掛けも行うとした。

 町の基幹産業「ミカン」について大畑町長は、1987(昭和62)年をピークに年間約2万6000㌧あった生産量は昨年度、ピーク時の3分の1以下に減少したとし、産地再生への支援を求めた。

 鈴木知事は「構造的問題、国内外への販路拡大、リスク対策、スマート技術の活用を柱にしてミカン産業の再生を図っていきたい」と述べた。

(2020年11月5日付紙面より)

防風林の現状を確認する鈴木英敬知事(右)=2日、御浜町の七里御浜海岸
2020年11月05日
64 新造の漁業調査船に期待
 2代目「きのくに」竣工式  (和歌山県 )

 県が2日、和歌山東漁業協同組合串本本所で漁業調査船「きのくに〈2代目〉」の竣工(しゅんこう)式を開いた。

 2代目は初代よりわずかに大きくなり、時代相応の最新鋭機器を装備。恩恵を受ける漁業従事者を代表して、県漁業協同組合連合会の木下𠮷雄代表理事会長は「新しい『きのくに』がさらに力を発揮することに期待したい」と祝辞を寄せて喜んだ。

 この船は串本町にある県水産試験場(岩橋恵洋場長)が運用する船舶の一つ。海洋観測や主要魚種の資源調査、魚群探知による漁況予測をして漁業従事者に情報を提供しているほか、2013(平成25)年度からは紀伊半島沖におけるメタンハイドレート(MH)の賦存状況調査も展開している。

 1902(明治35)年設置で100年以上の歴史を持つ同試験場はこれまでに木造船「きい」、FRP船「わかやま」、鋼船「きのくに〈初代〉」を漁業調査船として運用。新造の「きのくに〈2代目〉」は通算4隻目となる。鋼船で全長34・89㍍、総トン数108㌧、1300馬力の主機関を有し速力12㌩(=時速約22㌔)で航海する。

 内部の調査環境としてドライとウエットに対応した各研究室があり、初代になかった主な装備として▽海洋データ処理システム(船上から陸上へリアルタイムでデータを送信)▽Aフレーム(船体後方のクレーン)▽海底地形探査装置〈新規漁場開発やMH調査での使用を想定〉―を装備している。建造費は12億3618万円。新潟造船株式会社製で、竣工日は今年8月31日となっている。

 約2カ月を経て祝う形となった竣工式には仁坂吉伸知事をはじめとする関係者約50人が出席。仁坂知事は現在の漁業調査船が担う二つの目的を解説して「和歌山県の未来を開くと信じている」とあいさつし、来賓を代表して県議会の濱口太史副議長が岸本健議長の祝辞を代読、木下会長が直面する漁場の苦境を打破する活躍を期して祝った。

 乗組員6人の紹介を経て、岩橋場長が「和歌山県における漁業調査船の役割」、東京海洋大学の青山千春准教授が「魚群探知機でメタハイを見つけよう!」と題して講演。岩橋場長は前述した四つに新規漁場の開発を加えた形で当面の役割を果たすとしたほか、過日実施の宇宙シンポジウムで話題に上がった人工衛星と現地情報の連動による海洋資源管理も近未来の役割として想定。青山准教授はMH調査でしていることを解説し、今後の調査を加速するため漁業従事者が魚探でメタンプルームを捉えたときの情報提供(そのときの魚探の画面を位置情報込みで撮影し、同試験場に画像データを提供)をこの機に呼び掛けた。

  □     □

式後は内覧も



 この日は荷さばき場北側に「きのくに〈2代目〉」を停泊させて内覧会も実施。仁坂知事、濱口副議長、木下会長、青山准教授に地元の田嶋勝正町長を加えた5人でテープカットをし、以降数人組で順次内部見学をするなどした。

 県水産試験場によると、「きのくに〈2代目〉」は現在試験運用中で、来年には本運用を始める方向で機能習熟に努めている。初代はインターネット公有財産売却システム(通称・官公庁オークション)にかけ、名乗りを上げた事業者と現在交渉中だという。

(2020年11月5日付紙面より)

初代の船名を受け継いで竣工した漁業調査船「きのくに〈2代目〉」=2日、串本町串本
竣工をテープカットで祝う仁坂吉伸知事(中央)ら
2020年11月05日
65 白木君、塩崎さんが優勝
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2020年11月05日
66 東牟婁地方中学校体育連盟新人大会①
 卓球・野球・ソフトテニス  
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68 元気いっぱいの声響く  熊野川小・中と三津ノ保が合同運動会  (新宮市熊野川町 )
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82 お悔やみ情報