2月3日(木)の節分を前に、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)では福豆と鬼面札の調製がピークを迎えている。同大社における鬼面札の調製は今年が初。新型コロナウイルス感染症の撲滅を願い、節分祭・追儺(ついな)式参列者や厄払い祈祷(きとう)を受けた人に授与される。
鬼面札は戦前から同大社に残る鬼面印を使用。版木は昨年に調製したもので、鬼面の左右には牛王(ごおう)宝印、そして災厄を払い、疫病を除いて福を招く神として信仰される蘇民将来にあやかり「七難即滅 本宮再生 蘇民将來子孫家」の印が押されている。
調製は1週間ほど前に開始。27日には神職らが、奉書紙に八咫烏(やたがらす)神事で調製した宝印を押すなどして鬼面札を完成させていった。来月3日までに約300体を仕上げる予定となっている。
節分祭・追儺式当日は、新型コロナウイルス感染拡大状況を鑑み、神事を縮小。撒豆は豆を奉書紙に納めて行うなど
の感染防止対策を講じる。
例年なら神職や神社役員らが豆をまきながら拝殿の回廊を3周し鬼を追い払うが、今年は神職のみで斎行。最後の豆まきは神職と厄年の人のみで行う。
福豆、鬼面札は当日に限り、参拝者と厄よけ・開運招福の祈祷を受けた人に授与する。また、鬼面札は2月28日(月)までに厄払い祈祷を受けた人にも授与される。
同大社の節分祭・追儺式は午後4時から。九鬼宮司は「新型コロナウイルス、オミクロン株の1日も早い撲滅を祈る限り。多くの人が困難を乗り越えられるよう、思いを込めて神事を執り行いたい」と話している。
(2022年1月28日付紙面より)
太地中学校で思春期講座
太地町立太地中学校(山田貴也校長)でこのほど、3年生11人を対象とした思春期講座があった。かづこ助産院の本舘千子(もとだて・かづこ)院長が「『いのち』が大切より『あなたが』大切」と題して講話した。
高校進学を控えた生徒に性に関する正しい知識を身に付けてもらうことが目的。本舘院長は串本町から紀宝町までのさまざまな教育現場に立ち、命の大切さや思春期に起こる体と心の変化、性の権利、科学的根拠に基づくさまざまな知識を学ぶ「包括的性教育」の必要性などについて伝えている。
本館院長は生徒たちに「高校生になったら、好きな人ができたり、恋をしたりすることもあると思う。恋愛で自分を傷つけないため、相手を傷つけないためには学習が必要です」と語り、性的マイノリティー(LGBTQ)や妊娠が起こる仕組み、性感染症などについて改めて知識を伝えた。
「紅茶と同意」の動画で性的同意について紹介し「デートDVやセクハラ、痴漢など、同意のないものは全て性暴力。水着で隠れるプライベートゾーンだけでなく、嫌な人には髪一本だって触れられたくない」と言及。
「だまされないよう、助けてと言えるよう、嫌なことは嫌と言うことができるように、皆さんには賢くなってほしい」と語り、「今後心配なこと、困ったことができたら相談に乗ります」と呼び掛けていた。
(2022年1月28日付紙面より)
御浜町長が模擬体験
所得税の確定申告が2月16日(水)から始まるのを前に、尾鷲税務署(柳生憲吾署長)は25日、御浜町役場でスマートフォンを使った申告をPRした。大畑覚町長が模擬体験し「スマホは初めてだが、思ったより簡単で、短時間でできる」と手軽さを伝えた。
国税庁では新型コロナウイルスの感染拡大防止対策として、会場の混雑を緩和するためスマホを使った確定申告書の作成、送信を呼び掛けている。今回からはスマホのカメラで源泉徴収票を撮影すれば、金額や支払者情報などが自動で入力されるようになった。
この日は大畑町長が国税電子申告・納税システム「e―Tax」による申告書の作成を模擬体験した。国税庁ホームページからスマホ専用画面を開き「確定申告書等作成コーナー」に必要事項を入力し、還付の確定申告書を5分程度で作成した。
2021(令和3)年分確定申告は、所得税・復興特別所得税・贈与税が3月15日(火)まで、消費税・地方消費税が同31日(木)まで。感染症対策のため、会場で申告する場合は、入場整理券が必要となり、各会場で当日先着順に配布、または、通信アプリ「LINE(ライン)」の国税庁公式アカウントから事前発行する。
国税庁は動画による確定申告書の作成方法(「動画で見る確定申告」で検索)をホームページ上で紹介している。
(2022年1月28日付紙面より)
物件「旧谷畑家住宅主屋」 (串本町 )
串本町西向、岩渕地内にある登録有形文化財〈第30―0316号〉「旧谷畑家住宅(こざがわ)主屋(おもや)」で26日、その登録証とプレートの伝達があった。所有する社会福祉法人和歌山県福祉事業団の佐武寛子・古座あさかぜ園園長は「改めて貴重な建物だと受け止め、これからも大事に使わせていただきます」と語り、登録証とプレートを預かった。
この物件は、1954年に材木商の谷畑家が建築した木造2階建て一部平屋建て家屋。良材を用い凝った造作に加え、2階の座敷が古座川の眺望に秀でる配置になっているなど立地を生かした設計も宿す近代和風建築の好例として国土の歴史的景観に寄与していると評価され、昨年6月24日付で国の文化財登録原簿に記載された。町内では「樫野埼灯台旧官舎」「旧神田家別邸(稲村(とうそん)亭)」に続き3件目、旧古座町域では初の登録有形文化財記載となっている。
現在は同事業団が谷畑家から譲り受け、同園が就労訓練を目的とした事業所〈飲食店〉「うどんとうなぎの古座川」などで運用中。同日現在、職員5人と入所者1人の6人チームで火曜日以外の午前11時~午後2時に営業していて、その一般利用を通して物件の内外に親しむことができる。
この日は町教育委員会教育課の鈴木一郎次長らが物件を訪ね、このほど文化庁から町教委へ届いた登録証と砲金製のプレートを佐武園長へ伝達した。併せて登録に伴う手続き事項の説明をし、今後の適切な管理と他の文化財登録制度より緩やかな制約下での鋭意活用を促した。
同事業団にとっては、御坊市にある物件「なかがわ(旧中川家住宅)主屋(しゅおく)」(現・事業所「そば&Cafeなかがわ」)に続き2件目となる登録有形文化財。佐武園長は、前例となるこの物件を参考にしつつ今後の管理に努めると話している。
(2022年1月28日付紙面より)
プレミアム付商品券、使用期限迫る (新宮市 )
新宮市が発行する「市プレミアム付商品券」の販売終了および使用期限が1週間後の31日(月)と迫っている。現在の購入率は約66%で、当初見込んでいた7割に届く勢い。市では販売・使用終了直前に伴う駆け込み需要にも期待を寄せている。
新型コロナウイルス感染症の影響による市民の生活支援を行うとともに、落ち込む地域経済の活性化を図ることを目的に発行。1冊7000円分(500円券×14枚つづり)が5000円で購入できる(プレミアム率40%。1人当たり2冊まで購入可能)。1冊に「地元店舗限定券」と「全店舗共通券」が3500円分(7枚ずつ)の仕様となっており、市内566店舗で使うことができる。
現在の販売金額は約1億7000万円で発行金額は約2億4000万円。大型スーパー含む小売業店舗における使用が全体の約7割を占め、次に飲食業と続く。担当課である市商工観光課は「日用品で使用する人が多い印象。普段から使っている店舗で使いたい人が多いのでは」と見解。
市内でサービス業を営む70代男性は「(商品券の)販売直後は使用されるお客さんがいたがしばらく落ち着いていた。今朝(24日)になって『使うのを忘れていた』と商品券による支払いを希望する人がいた」。
40代男性は「(商品券を使って)一度家族で焼き肉を食べに行ったが、ほとんどを日用品で使った」。30代男性は「(商品券を)購入するのを忘れていた。まだ間に合うなら買いたい。少しぜいたくして普段食べないものを購入したい」と話していた。
商品券を購入する場合は昨年6月下旬に市から郵送された購入引換券(はがき)と本人確認書類を持参し、市内郵便局13カ所(簡易郵便局を除く)で希望の冊数を代金と引き換える。なお、購入引換券を紛失した場合、1回に限り同課で再発行が可能。再発行を希望する人は印鑑を持参し同課窓口で申請を。
取扱加盟店一覧表は市内郵便局、市役所、三輪崎支所、高田支所、熊野川行政局で配布。市ホームページにも掲載している。
(2022年1月26日付紙面より)
加寿地蔵尊で初地蔵まつり (那智勝浦町 )
加寿(かす)地蔵尊世話人会(中田勝康代表)は23日、那智勝浦町の熊野古道駿田峠の加寿地蔵尊(同町湯川笹ノ子)で「初地蔵まつり」および鈴姫開眼供養祭を開いた。近隣から参拝者らが訪れ、身体健全や無病息災を祈願した。
世話人会によれば、加寿地蔵尊は千年前に熊野詣での途中、駿田峠で命を落としたといわれる3人の姫を祭っており、婦人病や足腰の病に御利益がある。3人目の「鈴姫」の社が長年発見されていないことから、このたび新たに社を建て、開眼供養祭を営むこととした。
この日は雨天のため、拝み社で中田代表と修験者の富岡秀清さんらが初地蔵の供養を営み、笛と舞が奉納された。鈴姫の社の前でも般若心経を唱えて開眼供養祭を営み、参拝者が手を合わせた。会場では「千本つき餅つき」や「加寿姫みくじ」などもあった
修験者の富岡さんは「3人目の姫様のお地蔵さんはとてもかわいらしく、みなさんを守り、癒やしてくれる力を持っているはず」。中田代表は「崖崩れのためか長年三つ目の社が見つかっていなかったが、ようやくお祭りすることができてうれしい」と話していた。
(2022年1月26日付紙面より)
日本クマノザクラの会が学習会
クマノザクラの利活用や保全活動に取り組む「日本クマノザクラの会」(勝木俊雄会長、会員165人)は22日、オンライン学習会を開催。副会長の田尾友児さんがクマノザクラとの出会いや今後の活用などを語った。
日本クマノザクラの会は昨年2月に発足。和歌山、三重、奈良の3県にまたがる自生地で広域的な活動に取り組み、リーフレットを作製し、ホームページも開設した。昨年9月から毎月、オンライン学習会を開催してきた。
クマノザクラは、バラ科サクラ属の樹木で、2018年に新しく公表された野生種。紀伊半島南部の3県に分布し、ソメイヨシノより少し早い2月下旬から3月中下旬に開花する。勝木さんが発見し、命名した。
学習会で田尾さんは自宅から配信し、「クマノザクラが発見されるまで地元では早咲きのヤマザクラだと思っていた。18年3月に約100年ぶりの新種として発見されたというニュースが飛び込んできた」と振り返った。
新種発見後、紀宝町の山林で調査を開始したことやクマノザクラの苗木育成研究などを写真とともに紹介。濃いピンクやフレア状、八重咲きといった花弁の個体差なども解説し「今後、病気や寿命で枯れているソメイヨシノの代わりになると期待している」と伝えた。
(2022年1月26日付紙面より)
文化財防火デー前に訓練 (熊野速玉大社 )
文化財愛護思想の高揚を目的に制定された「文化財防火デー」(1月26日)を前に、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で25日、防火訓練があった。同大社職員らが初期消火活動などを通じて、有事の際の連携体制を確認した。
例年なら消防団や婦人防火クラブ会員らも参加して行われる防火訓練。今年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、同大社神職や巫女(みこ)からなる自衛消防団10人のみで実施。新宮消防署員立ち会いの下、訓練を展開した。
午前9時、境内の清掃をしていた巫女が、本殿の奥御前三神殿からの出火を確認。大声で「火事です」と伝え、各自が通報や消火器を用いた消火活動、文化財の運び出しなどを実施。「建物から離れて避難してください」と呼び掛け、参拝者を安全な場所に誘導した。
訓練の様子を見守っていた、新宮消防署の榎本正昭消防係長は「大きな声で火事発生を知らせてくれていた。各担当も迅速、的確に行動していただいていた。設定時間内に終了し、日頃から訓練をしてくれていると感じた」と講評し「早期の発見と通報が重要。被害を最小限に抑えていただけるよう、今後も訓練に励んで」と呼び掛けた。
上野潤権宮司は「突発的な災害に対しては常日頃からの備えが必要。年に1度振り返り、こうして訓練できる機会は重要」と述べ、「訓練では適時スムーズに動けていたと思う。訓練を通じて、防火の大切さが広く伝われば」と話していた。
文化財防火デーの1月26日は1949(昭和24)年に法隆寺金堂壁画が焼損した日。55(昭和30)年からこの日を中心として全国的に防火運動が展開されている。
(2022年1月26日付紙面より)
スギやヒノキ次々と落札 (新宮市 )
新宮原木市場(谷口泰仁社長)は22日、新宮市あけぼのの同市場貯木場で「新春初市」を開いた。新宮周辺地域を中心に買い方が集まり、開始の合図とともにスギやヒノキが次々と競り落とされた。
同市で木材の市売(いちうり)販売が始まったのは1956(昭和31)年。当地の有力原木生産業者が共同事業体として「新宮電柱木材協同組合木材市売部」を創設した。その後、利用度の増大に伴い公共性が重視され、新宮木材協同組合が中核となり66(昭和41)年、現在の原木市場が設立した。
77(昭和52)年には全国植樹祭の一環行事として「第1回熊野木まつり」展示即売会を開催。以降、毎年4月の恒例記念行事となっており、熊野材のPRや需要開拓などに取り組むきっかけとしている。
今年の初市は、新宮紀宝道路事業に伴う道路拡幅工事のため昨年に引き続き上貯木場で開催。熊野川町や那智勝浦町、古座川町などから樹齢60年以上のスギやヒノキ約1200立方㍍(約7800本)が出荷された。
開催に当たり、谷口社長は「新型コロナウイルスの感染者数が毎日のように更新されており、あらゆる業種が大変厳しい状況に直面していると思う。皆さんも健康に留意し、この局面を乗り切ってほしい」とあいさつ。
「今年、新宮原木市場はお客さまに喜んでいただけるように基本に立ち返り、昨年以上に材の安定した出荷に努めてまいりたい。役職員一同、市場の運営にまい進していく所存」と誓いを新たにした。
(2022年1月23日付紙面より)
那智勝浦町立下里中学校(布引伸幸校長)で18日、薬物乱用防止講座があった。3年生32人が同町にある、なごみ薬局の薬剤師で産業カウンセラーの小林仁さんから薬物の危険性などを教わった。
小林さんは日本と国外の大麻所持などについて、合法な国でも日本国籍者には罰則になると述べ「国外でも大麻をみだりに輸出や栽培、譲渡、所持の行為を行った者は大麻取締法による処罰の対象となる」と説明。「覚醒剤」「コカイン」「大麻」「危険ドラッグ」の特徴や実害などもスライドを使用して紹介した。
違法薬物では中学生の逮捕事例を取り上げ「薬物は皆さんのすぐそばまで来ています。インターネットではあたかも大麻は害が少ないなど、日本の法律が遅れているかのように書かれているサイトがある。実際は依存症に苦しんでいる人がたくさんいます」と語った。
薬物の使用や再犯防止の方法として▽薬物を使わなくてもいられる社会▽再犯しない立ち直れる社会▽依存しなくても生きていける自信―を挙げ「誰にでも失敗はあります。いつでも何度でもやり直すことができる。周囲が差別や偏見を決して持たず、それを認めチャンスをあげることが大事」と伝えた。
山本華子さん(14)は「小学校の時に受けた授業では分からなかったけど、薬物に手を出すと抜け出すことが難しいという恐怖を改めて感じました。若い女性が想像以上に使用していたことにも驚いた。少しでも薬に手を出さないきっかけにするためにも自分自身はもちろん、他の人たちを孤立させないような環境を意識していければ」と話していた。
(2022年1月23日付紙面より)
新宮・東牟婁地域のトップを切って22日、新宮市の近畿大学附属新宮高校(池上博基校長)で令和3年度(第57回)卒業証書授与式が挙行された。卒業生108人が感謝を胸に学びやを巣立ち、それぞれの道へ一歩を踏み出した。
本年度は新型コロナウイルス感染対策のため保護者・在校生の出席は取りやめ、オンラインで式の様子を中継した。
池上校長が4クラスの代表者に卒業証書、各賞受賞者に表彰状を授与。式辞では「人に愛される人、人に信頼される人、人に尊敬される人になろう」の校訓の下で喜びを分かち合い、人間関係を築いてきた生徒たちの学校生活に触れ、「愛し愛される、信じ信じられる、敬い敬われる。この表裏一体の関係を大切にすることで、自らの充実した素晴らしい人生につながり、社会に貢献できる人に成長することができる」とはなむけの言葉を贈った。
在校生を代表して濱田青葉君(2年)が送辞。卒業生を代表して岡地優希君が、個性豊かな同級生に囲まれた3年間の思い出を振り返り「この学校に入学して、みんなに出会えたことをうれしく思う」と語り、教職員、保護者、在校生へ感謝の気持ちを伝えた。
(2022年1月23日付紙面より)
なちかつGGCクラブ大会
近畿高校空手道大会で好成績
前倒しに向けて準備進む (新宮市、那智勝浦町など )
新たな変異株「オミクロン株」による新型コロナウイルス感染症の拡大が急激に広がる中、各自治体では新型コロナワクチン3回目の早期接種に向け急ピッチで準備が進められている。
国は13日、64歳以下の一般の人について、2回目を打った後の間隔を従来の8カ月から7カ月へと前倒しする方針を発表。さらに17日、岸田文雄首相は3月以降の接種前倒しを加速させる意向を示した。
多くの自治体で一般向け3回目接種に向けた計画発表が待たれる中、新宮市や那智勝浦町などに今後の接種スケジュールと現状を聞いた。
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新宮市では、今月から医療従事者や高齢者施設等入所者、施設従事者などに対する接種を開始した。2月からはワクチンを2回接種してから一定期間が経過(年齢によって異なる)した18歳以上の対象者に向け接種を進めていくという。1回目は6日(日)に集団接種を予定しており、2月は会場での接種を毎週実施していく。
国の方針(前倒しなど)を随時踏まえながら、対象者には順次接種券を送付しており、接種会場や日時などの詳細を記した案内も同封。
2回目の接種が個別接種であった人は追加接種も個別接種となる見通し。ワクチンはファイザー社製かモデルナ社製のいずれかを使用する予定。なお、2回接種を完了している市民は2万1000人強で、うち18歳以上が追加接種対象となる。
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那智勝浦町では、医療従事者への接種券を昨年11月25日に郵送し、12月前半から接種を実施している。
65歳以上の一般高齢者には昨年12月20日から接種券を郵送。今月24日(月)から体育文化会館で集団接種を開始する。
今後のワクチン接種について町は、個別接種は行わず集団接種のみで進めていくとしている。3回目接種の終了は6~7月を見込んでいる。
また、今月末からインターネットでのウェブ予約サービスにも対応するという。
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太地町では、18日から町多目的センターで接種が始まった。接種後8カ月の期間を満たした町民に接種券の送付を行っているが、6カ月に前倒しになったことから、順次対象者に接種券を送付し接種を進めていくという。なお、現時点では接種完了時期は未定。
北山村では、来月中旬に集団接種を行う予定としている。
(2022年1月20日付紙面より)
土砂災害研究講演会 (那智勝浦町 )
国土交通省近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所と和歌山県、那智勝浦町は18日、同町の体育文化会館で土砂災害研究講演会「紀伊半島大水害から10年~あの日の災害を忘れない~」を開催した。一般、関係者など120人が来場。同水害を契機に進められている土砂災害に関する話題や研究の動向について、講演や報告が行われた。
2011年に発生し、紀伊半島に甚大な被害をもたらした同水害。講演会は昨年9月に10年を迎えたことを機に、災害を風化させず、関係機関などの活動を地域に周知することを目的に実施された。
会場には同水害語り部の防災士・久保榮子さんの体験紙芝居や手作りの資料、和歌山県土砂災害啓発センターの活動や水害の実情を伝えるパネルなどが展示された。
堀順一郎町長は「水害の記憶を後世に伝えていくことが重要。被害を最小限に食い止めるためには防災意識の向上が必要。改めて防災を考える機会としていただけたら」とあいさつした。
町立色川中学校の生徒10人が「今、私たちにできること」と題し、取り組んできた防災学習の発表を行った。水害で口色川が被災しているため、地域の防災意識の低下を危惧し、色川小・中学校の児童・生徒が防災学習に継続して取り組んでいるという。
児童らは地域の防災意識確認のために全戸のアンケートを取り、早期避難しない理由などを把握。防災パンフレットを作成して住民に配布した。啓発センターや町、町消防などから「色川地域は土砂災害が発生しやすい」「紀伊半島大水害の詳細」「非常食の作り方やパーティション、テントの設置」などを学んだと説明した。
同校では敬老の日に高齢者宅を訪問する取り組みをしており、今年からは防災意識の向上のために、訪問時に防災対策の提案や早期避難の呼び掛けも行っているとした。生徒は「色川には若者が少ない。いざというときに高齢者を支える必要がある。中学生でもできることが多くあることを学んだ」。
今後については「大好きな色川の自然と大切な人たちの命を守りたい。災害はどこで、いつ起きるか分からない。繰り返し学ぶことが大切。これからも避難の大切さを訴えていきたい」と締めくくった。
そのほか、京都大学防災研究所流域災害研究センターの竹林洋史准教授が「土砂災害防止のための最新技術」を、国土技術政策総合研究所土砂災害研究部砂防研究室の主任研究官の木下篤彦さんが「大規模土砂災害対策技術センターでの10年間の研究成果」、県土砂災害啓発センターの坂口隆紀所長が「和歌山県土砂災害啓発センターの取り組み」、近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所の田村友秀副所長が「紀伊山系砂防事務所のこれまでの取り組み」を講演・報告した。
紀伊山系砂防事務所の山本悟司所長は「講演会を通して、災害や防災に関心を持っていただき、東日本大震災や紀伊半島大水害を思い出してほしい。災害はいつ発生するか分からないため、しっかりと準備をいただけたら」と語った。
(2022年1月20日付紙面より)
錦江山無量寺で防火訓練 (串本町 )
串本町串本にある錦江山無量寺(東谷洞雲住職)で17日、防火訓練があり同寺と町教育委員会が両輪で出火時の初動態勢を実践するなどした。
この訓練は文化財防火デー(1月26日)の趣旨に基づき実施。同寺は国の重要文化財指定を受ける襖絵(ふすまえ)(紙本墨画竜虎図)など貴重な寺宝を複数所蔵するため毎年、町教委と連携して町消防本部に指導を求めつつ出火時の初動確認に取り組んでいる。
町教委によると、今年は本尊を安置する本堂からの出火を想定して訓練を開始。東谷住職らは消防への通報と消火器による初期消火、串本応挙芦雪館の職員らは来館者や拝観者の避難誘導、駆け付けた前芝雅嗣総代長ら総代は手分けして寺宝を門外へ運び出し自衛消防活動(消火栓からの放水準備)を試みつつ消防を待ち、消防は到着後速やかに同寺周辺に水利を得て放水するまでの手順を実践した。
その後は消防から訓練講評を受け、訓練用水消火器を用いた使用訓練にも取り組んで火が小さいうちに対処するすべも磨いたという。
東谷住職によると、昨年に消防から指摘された通報装置の不備解消が完了し今回は正常な作動が確認できたそう。他方、「あらかじめ手順を考えておくことが大事だと思った」と今回の訓練を振り返り、体制確立を今後の課題として見据えた。
旧串本町域の同寺とともに、旧古座町域の薬王山成就寺と佛光山善照寺も隔年交互でこの訓練に取り組んでいて、今年は善照寺が2月2日(水)午前10時から実施予定となっている。
(2022年1月20日付紙面より)
「五つの項目を実行する」 (紀宝町長選 )
任期満了(2月4日)に伴う紀宝町長選が18日に告示され、現職の西田健さん(73)=無所属=のほかに立候補の届け出がなく、西田さんが無投票で5選を果たした。同町長選の無投票は2014年以来8年ぶり。今月24日(月)に当選証書が付与される。
西田さんは午前9時に同町鵜殿の選挙事務所前で第一声を放ち、選挙カーで町内を遊説。届け出が締め切られた午後5時すぎ、事務所前に戻ると、集まった支持者らから拍手で迎えられた。
簡素化した祝賀式で後援会長の神園敏昭さんが「謙虚な気持ちで誇りと愛着の持てる魅力ある町づくりにまい進を」と西田さんを激励した。
妻の雅代さんと共に、孫の栞菜さん(小6)、心音さん(小4)から花束を受け取った西田さんは「5期目の挑戦をさせていただき、無投票となったことは皆さま方のご支援のおかげ」と感謝した。
5期目に向けて「約束した五つの項目を実行することが責務。『人の命が一番、子どもは町の宝、高齢者は町の誇り』と誇りと愛着の持てる魅力ある町づくりの取り組みを進めていく」と決意を述べた。
西田さんは1948年、旧鵜殿村生まれ。72年に鵜殿村に奉職。産業建設課長、総務課長などを歴任し、2000年に鵜殿村長に初当選。06年に旧鵜殿村と旧紀宝町が合併して誕生した紀宝町の町長選で当選し、現在4期目。20年から県町村会会長、21年から全国町村会副会長を務めている。
(2022年1月20日付紙面より)
2年ぶりに消防出初め式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の体育文化会館で9日、令和4年消防出初め式があった。各分団の幹部や来賓ら約40人が出席。防災活動に尽力した団員らを表彰したほか、防災力向上への誓いを新たにした。
新型コロナウイルス感染症の影響で昨年の出初め式が中止となったため2年ぶりの開催となった。感染防止対策の観点から規模を縮小し無観客で挙行。多くの町民が見学に訪れるパレードや一斉放水も中止とした。
式典では殉職消防団員に対する黙とうに続き、国歌と町歌を静聴。
昨年春の叙勲で瑞宝単光章を受章した元消防団長・貝岐昌志さんと、秋の叙勲で同じく瑞宝単光章を受章した元副団長・竹原昌男さんをたたえ、令和3年度県消防協会総裁表彰、東牟婁地域消防協会優良消防職団員表彰、町長表彰、消防長表彰、消防団長表彰が行われた。
堀順一郎町長は受章者や団員らの尽力や新型コロナウイルス感染対策への協力に敬意と感謝を示し「自然災害などの被害を最小限にとどめるためには施設面の整備を進めるのも当然だが、町民の安心安全のためには一人一人の防災意識の向上も必要」と式辞。
津波浸水域にある消防本部の高台移転や災害発生時に対策本部となる防災センターを併設するなどの対策を進めているとし「一人の命も失わないという精神の下、有事の際には迅速な行動ができるよう研さんを。また、それぞれの地域において町民の防災意識の啓発・向上にご協力を」と呼び掛けた。
湯川辰也消防長は「新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状況が続いているが、災害はいつ何時発生するか分からない。町民の生命、身体および財産を守る崇高な使命を達成するため、引き続き基本的な感染対策を行いながら消防団活動に尽力を」とあいさつ。来賓の荒尾典男町議会議長、玉置昌彦・東牟婁振興局地域振興部長、谷洋一県議会議員がそれぞれ祝辞を述べた。
下地将仁団長は「自分たちの地域は自分たちで守るという基本理念の下、町民が安心して暮らせるように消防人としての自覚と誇りを持ち、災害対応力の向上に努め、日夜訓練を重ねていく」と訓示した。
(2022年1月12日付紙面より)
熊野速玉大社で恵比寿祭 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の熊野恵比寿(えびす)神社で10日、恵比寿祭(恵比寿神社例大祭)が執り行われた。神職らが参列し、新型コロナウイルスの終息などを祈願した。
例年では商売繁盛や家内安全などを願い、前日夜の宵宮から縁起物の福笹(ふくざさ)や熊手を買い求める多くの人々でにぎわいを見せる同大社の「十日えびす」。
今年は新型コロナウイルス感染拡大の観点から昨年に引き続き、規模を縮小し神事のみを斎行。えびす様の御利益にあやかろうと、地域住民らが祭司を務めた上野潤権宮司に続いて玉串をささげた。
神事を終え、上野権宮司は「新型コロナの影響で今年も福笹など縁起物の設置はできなかったが神事斎行に当たり多くの問い合わせがあった。こういった状況でも忘れていない人が多いとうれしく感じた」とあいさつ。
「『虎口を脱する』ということわざもあるが、今年は光に満ちあふれて一日でも早く日常が戻り、来年こそは祭りが盛大に執り行われるようになれば」と話した。
(2022年1月12日付紙面より)
キャンプ主題にして実証 (古座川町 )
古座川町で8、9日に6事業者連携によるキャンプイベントがあり、モニター客16人を受け入れてその在り方に対する意見を求めるなどした。
このイベントは、同町観光協会を事務局とする複数の事業者で本年度に展開している「産学官民連携による観光型過疎地域課題解決実証事業」の一環。今回連携した事業者は▽古座川ジビエ山の光工房▽HYGGE▽田上おとり店▽北海道大学和歌山研究林▽Yocco▽古座川町観光協会―で、事業者からの誘い掛けに応えた芸能人を含む16人がモニター客として協力した。
事業者はそれぞれの得意を発揮して連携し、テントの設営やまき割り、地元の食材を取り入れたキャンプ飯作り、各種体験(鹿革クラフト・木工クラフト・毛鉤(けばり)作り)やテントサウナなどの各体験を提供。モニター客は事業者の趣向を凝らした進め方にも触れながら2日間の行程を過ごし、その内容に対して意見を還元するなどした。
同事業は観光庁「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」の採択を受けて展開していて、昨年10月にスタディケーション、11月にワーケーション、そして同イベントを実施し、これら領域に対応する資源提供を域内連携で形作ることを実践した。今月は日本航空株式会社(JAL)の協力を得てワーケーションも19日(水)から実施予定。以降はこれら実証の成果を今後の課題解決に生かすため事業者間で共有しつつ、観光庁に報告する流れとなっている。
(2022年1月12日付紙面より)
署員らが広報啓発 (新宮警察署 )
警察庁が定める「110番の日」である10日、新宮警察署(山田守孝署長)は新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店などで、110番の適正利用を呼び掛ける啓発活動を実施した。
新宮署によると、2021年中の110番受理件数は6万2843件。うち、いたずらや間違い、無応答などの非有効は1万131件で昨年と比較し1285件の減少となった。主な通知内容は交通事故関係が29%と最も多くを占めている。
同店正面入り口では和歌山県警のマスコット「きしゅう君」や署員、交番連絡協議会員ら11人が買い物客に対し、啓発物資を配布。「110番の適正利用をお願いします」と声掛けした。
同署ではいたずら電話や間違い電話の110番によって、事件・事故などによる緊急の110番がつながりにくくなるため、犯人摘発や被害者救護の妨げになる可能性があると危惧しているとした。
南良太地域課長は「緊急でない場合や問い合わせ、相談などは警察相談窓口(073・432・0110または#9110)に通報してください。適切な110番のご利用をどうぞ、お願いいたします」と話した。
なお、同署では110番通報のポイントとして▽何があった(不審な人影など)▽どこで(場所、目印など)▽いつ▽犯人は(どの方向へ、服装は、人相は)▽今、どうなっている▽通報者の名前、住所、電話番号を慌てず伝える―の六つを挙げている。
この日はイオン新宮店、JR新宮駅から出発するくろしお22号車内(JR紀伊勝浦駅までの区間)でも啓発を行った。
(2022年1月12日付紙面より)
飛瀧神社で牛王神璽祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮飛瀧(ひろう)神社で8日、牛王神璽(ごおうしんじ)祭が営まれた。「牛王杖(ごおうづえ)」と呼ばれるヤナギの枝でカシの板を打ち鳴らし魔をはらい、霊験を高めて「牛王神符」を仕上げた。
牛王神符は熊野三山に伝わる特有の神札で魔よけ、災難よけのお守り。熊野の神の使いとされる八咫烏(やたがらす)の絵文字が描かれており、同大社では72羽のカラスで「那智瀧宝印」と記されている。
元日早朝に那智の滝からくみ上げた若水で墨を溶き、翌2日からの初刷りから毎日、本殿で祈とうが続けられてきた。満願を迎えたこの日は多くの参拝者が見守る中、神事が執り行われた。
男成宮司らが無病息災などを祈り、仕上がった100枚の神札をヤナギの枝に巻いて参列者に授与した。
男成宮司は「今年は寅(とら)年。虎にあやかり、力強く歩み進めることでおのずと穏やかな日々を迎えることができると思う。滝元で満願を迎えた霊験あらたかな守り札を多くの方々にお渡しして、新型コロナウイルス終息と今年一年の幸せを祈っています」と語った。
(2022年1月9日付紙面より)
今年最初の「紀の宝みなと市」 (紀宝町 )
今年最初の「紀の宝みなと市」が8日、紀宝町の鵜殿港で開かれた。町内外から多くの人が足を運び、活気にあふれた。
みなと市は2012年12月に初開催。毎月第2土曜日に開催してきたが、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止が続き、12月11日の「9周年記念市」で1年ぶりに復活した。
今回は会場でのマスク着用、手指消毒を呼び掛け、近海で水揚げされた鮮魚や地元産の野菜などが販売されたほか雑貨店も並んだ。
訪れた人たちは、お目当ての品々を買い求め、出品者ら来場者同士の会話も弾んでいた。
(2022年1月9日付紙面より)
「木の薫る店」にぎわう (新宮市高田 )
新宮市高田の雲取温泉高田グリーンランド敷地内にある「木の薫る店」で8日、「野菜市」があった。8人の生産者によるダイコンやハクサイ、サトイモなどの新鮮な野菜が並び、多くの地域住民でにぎわった。
和歌山県のモデル整備事業として県の補助を受けて2002年度に紀州材を使用し建設された同所。これまで無人市場などとして開所していたこともあるが、地域ではさらなる建物の有効利用方法を模索していた。
そんな中、おととしに五十数年ぶりのUターンを果たした石田千代さん(73)が、建物の活用ならびに、これまで近隣住民らで分け合うなどしていた野菜などを地域に広く循環させようと野菜市の開催を提案。昨年12月に第1回を開催し、午前中で完売するほどの盛況を博した。
1回目の開催に当たり、チラシを全戸配布した石田さん。市場開催の際には店番と両替を担う。「よそに出て帰ってきて、本当に良い所だと感じる。田舎暮らしを満喫している。地域活性化のために若い人やIターンの人たちも頑張ってくれているが、私も少しでも協力できたら」と思いを語る。
「高齢者が外に出るきっかけにもなれば。品物の循環だけでなく、地域のコミュニティーの場になればいいですね」。訪れた住民らに対し「ゆっくり休憩していってよ」などと声を掛ける。1本50円のダイコン、1玉100円のハクサイ、1袋80円のジャガイモなどを前に、住民らは献立や調理方法を相談するなどして買い物を楽しんだ。
野菜市は季節や野菜の収穫量などにもよるが、月に1、2回の頻度で実施していくという。
(2022年1月9日付紙面より)