夏休み木工教室に150組 (新宮市 )
新宮木材協同組合(植松浩理事長)と木材界の若手で組織する紀南木材新緑会(野中亮伸会長)は28日、同市あけぼのの新宮木材会館で「夏休み親子木工教室」を開催した。約150組の親子や家族連れが参加し、会場にトントンカンカンと金づちとのこぎりの音を響かせた。
夏休みの恒例行事となっており、今年で41回目を迎えた。木工工作を楽しみながら木の良さを知ってもらうのが目的。会館敷地内にはウバメガシ、ナギ、クマノザクラ、ヒノキ、スギの苗や、切り出した丸太などが展示され、新緑会のメンバーがそれぞれについて解説し、木への理解と親しみを啓発した。
今年は「壁掛けプレート」か「可動シェルフ」のどちらかを選んで工作。子どもたちは保護者に手伝ってもらいながら作品作りに取り組んだ。
昨年に続き参加したという右京篤樹君(9)は「去年より難しかった。でも楽しかった」と完成した可動シェルフを手に笑顔。母親の明枝さんは「普段、木に触れることも一緒に工作することもないので親にとっても新鮮です」と感想を述べた。
野中会長は「新宮市は木材の町。木を通して親や家族間のつながりを深める機会にしていただけたら」と話していた。
(2019年7月30日付紙面より)
熊野川と市田川を清掃 (河川愛護月間 )
河川愛護月間(毎年7月)に合わせ国土交通省や「河川を美しくする会」などは28日、新宮市と紀宝町で「熊野川・市田川クリーンキャンペーン」を実施した。地域住民ら約300人が参加し、1㌧以上のゴミを回収した。
新宮市の熊野川右岸と市田川では、1982(昭和57)年から続く活動で今年37回目。紀宝町の熊野川左岸は2004(平成16)年に始まり15回目。昨年は西日本豪雨の影響で中止となっている。今年は当初、14日に予定されていたが新宮市に洪水警報、紀宝町に大雨警報が発令されていたため延期となっていた。
熊野川右岸での活動に参加した田岡実千年市長は「今日は天候に恵まれて良かった。世界遺産の熊野川を、市民一人一人が自分たちの川として大切にしていただきたいという啓発も込められている。参加に心から感謝します」とあいさつ。参加者たちはごみ袋を手に、河川敷に放置されたビニール袋や空き缶などを集めた。
市の周辺を流れる河川を美しくすることを目的に1982年に結成された「河川を美しくする会」の榎本義清会長は「ごみを捨てない、川をきれいにするといった意識の啓発も兼ねてのクリーンキャンペーンも37回目。多くの市民の方や各団体の方々にご参加いただきありがたく思います。増えている観光客に、きれいな熊野川を見ていただけたらうれしい」と話した。
(2019年7月30日付紙面より)
串本町潮岬、潮岬観光タワーの隣で建設が進んでいた南紀熊野ジオパークセンター(鈴木博之センター長)が27日、待望のオープンを迎えた。仁坂吉伸知事と関係者や来賓ら約170人が式典に臨んで開館を喜び、その後は早速訪れた一般来館者も加わり館内は多くの人出でにぎわった。
このセンターは、世界ジオパークを目指すに当たっての中核施設としておととし春から県が建設を進めてきた。木造2階建ての本館と同平屋建ての作業棟、20台分の駐車場などがあり、展示資料なども含めた総事業費は約7・4億円。館内では専門員に加え、南紀熊野ジオパークガイドの会も基本2人のシフト体制で常駐し案内する仕組みも備えている。
この日の開館は正午からとし、先立って本館映像室+セミナー室で式典を実施。仁坂知事は「南紀熊野ジオパークをこれからも盛り上げる上で最大の拠点が出来上がった。この場所を中心にして今後の研究、教育、案内を進め、展示を通して県民はもとより全国民、全世界にジオパークとは何か、その趣旨は何か、南紀熊野ジオパークの特色とは何かを理解していただければ」などと今後を期待しながらあいさつし、同パークエリア10市町村を代表して田嶋勝正町長は同センターを基本にして世界ジオパークを目指す決意を掲げた。
来賓を代表して衆議院和歌山3区の二階俊博議員、県議会の岸本健議長、環境省自然環境局の鳥居敏男局長、日本ジオパーク委員会の中田節也委員長が今後の展開に期待しつつ祝辞。仁坂知事から展示内容に貢献した海洋研究開発機構と益富地学会館に感謝状を贈呈し、鈴木センター長と本郷宙軌研究員、福村成哉研究員が「この拠点から各ジオサイトへ行きたくなる運営に努める」と思いを示しながら今後の方向性を報告した。
南紀熊野ジオパークガイドの会を代表して築山省仁さんと福辻京子さん、県立串本古座高校CGS部の原山河君(2年)と鈴木颯太君(1年)の4人が開館の節目に決意を宣言し、仁坂知事らあいさつした6人によるテープカットでオープンを祝った。
式典に先立って潮岬節保存会が郷土芸能、式典後は潮岬小5、6年生とグループ「GEONG(ジオング)」がジオソングを披露。初日の人出を見込んで同ガイドの会も常駐人数を増やし、各展示コーナーに1人つく形で内容の紹介に努めた。
同センターの内装や展示の詳細は24日付11面を参照。開館時間は午前9時~午後5時で、年末年始(12月29日~1月3日)のみ休館する。オープンと同時に同パーク推進協議会と同パークガイドの会の各事務局が同センター事務室へ本移転し、世界ジオパーク認定を目指す振興にいっそうの勢いがつく展開も同センターを拠点にして目指すという。問い合わせは同センター(電話0735・67・7100)まで。
(2019年7月30日付紙面より)
柱松本番に向け実行委員会 (新宮市 )
新宮市の佐野柱松実行委員会(瀬古尊夫会長)は28日、「佐野柱松」(8月16日開催)の周知のため、のぼり旗立てとポスター貼りをした。同会メンバーたちがのぼり旗、ポスターとも100ずつ用意し、佐野区を中心に各所へ設置した。
佐野柱松は、害虫駆除や五穀豊穣(ほうじょう)を願い行われてきた伝統の祭り。戦時中に一時中断し、1948年に佐野青年会が復活させたが、58年夏の開催以降再び中断。93年に同実行委員会が復活させた。6月初旬から寄付集めを開始し、たいまつ作りなどの準備を進めてきた。
瀬古会長(57)は「27回目を迎え、令和になって初めての祭り。メンバー全員、新たな気持ちで準備を進めています。当日は晴天の下で開催できることを願っています」と話していた。
当日は新宮港緑地公園で、サニーサイドジャズオーケストラ、紀宝楽の演奏、くろしお児童館の子どもたちによる踊りやアイスカービングのステージ、花火などを予定している。
(2019年7月30日付紙面より)
全国高校軟式野球選手権和歌山大会
第35回泉北空手道選手権大会 (拳武館新宮 )
県民体育大会に出場し15人が入賞 (少林寺拳法南紀熊野スポ少 )
3消防本部が合同潜水訓練 (新宮市 )
新宮市消防本部(内野井愼搾署長)、那智勝浦町消防本部(関谷善文署長)、串本町消防本部(岡貞次署長)は17日、新宮市三輪崎の新宮港三輪崎岸壁ケーソンヤードで合同潜水訓練を実施した。潜水隊員たち17人は各本部の垣根を越え、連携を深めながら訓練に取り組んだ。
毎年、各消防本部の管轄エリアで順番に訓練が行われており、「顔の見える関係」を構築し、消防本部相互の連携強化や各隊員の士気の高揚、潜水技術の向上を図る目的。昨年は同市で開催予定だったが、台風の発生により中止となった。
3消防署を代表し、内野井署長が「本日の訓練は隊員の安全、潜水技術の向上はもとより、各消防本部の資機材や装備の確認など情報交換にもつながっている。各隊員の顔や名前を覚えてもらう良い機会」と述べ、「夏本番となるため、水の事故も増加する。この訓練を通じてさらなるスキルアップを行い、地域の安心・安全の確保に務めてもらいたい」とあいさつした。
隊員らは準備体操後、装備を整え、各班ごとに海へ入水。「ドルフィン泳法往復訓練」や「垂直素潜り」、水中で慌てずもやい結びなどのロープワークを行う「水中結索」、約20㌔の酸素ボンベなどの重機材を背負って10分間泳ぎ続ける「全装備泳法」などを実施した。
その後は要救助者の救助、物品を捜索するなどの事案詳細を記した封筒を引き、それぞれのケースに応じて各消防署が実践的に取り組む「スクーバ潜水による想定訓練」も行われた。
(2019年7月19日付紙面より)
後誠介さんが防災の心得など講話 (環境問題研究会 )
環境問題研究会(植松晴孝会長)の7月例会が17日夜、新宮市の井の沢隣保館であった。和歌山大学災害科学教育研究センター客員教授の後誠介さんが「想定外の豪雨災害に備える」をテーマに講話。災害原因や防災の心得などについて話した。
後さんは2011年9月に発生した紀伊半島大水害から8年が経過すると述べ、▽あっという間に避難できなくなる!▽避難するタイミングは?▽新宮市街地の弱点は?▽紀伊半島大水害3つの不思議?―の4項目に分けて話した。報道などでは「あっという間に避難できなくなった」といった被災者の声が多いとし、その共通点について紀伊半島大水害時の那智勝浦町での聞き取りや当時の記録などを参考に解説した。
那智勝浦町市野々地区の魚の首橋上流付近では、午前2時の段階で寝る準備をしていたが2時15分に外の音が変化し激しく波打ち水位が急上昇、緊急避難した。車で通過した2時30分過ぎに県道が80㍍崩壊したという。
魚の首橋下流側では、わずか40分足らずで家に孤立したとし「土砂で河川が浅くなったり流木が引っかかったことにより水位が急上昇した。土砂災害が破局的な災害を招く」と話した。
植生などによって維持されている森の保水力には限界があると主張し、限界を超えると斜面崩壊が発生、流出する土砂とともに樹木が破壊力を増大させると述べた。短時間の集中豪雨や長時間の連続降雨、遮水帯の存在する地盤などを限界をもたらす原因であるとし、紀伊半島では山間部で土砂災害警戒情報が出たときには下流で洪水の危険性が高いと説明。「土砂災害警戒情報が出たら避難するタイミングの最終段階」と呼び掛けた。
新宮市街地においては旧熊野大橋付近が標高10・5㍍、池田付近8・1㍍、王子ヶ浜の市道9・4㍍に対し、新宮高校前交差点が標高4・8㍍、元蓬莱小学校南側3・7㍍、第一王子橋西付近が3・2㍍と、内陸側の標高が低く、かつては低湿地が広がっていたと解説。水はけの悪い土地であり、土石流を起こしやすい火成岩体であると述べた。
深層崩壊などの大規模崩壊地と土石流発生地の分布を地図で示し、「大規模崩壊は北向き斜面で多発。崩壊・土石流は南向き斜面で多発した。紀伊半島大水害時、雨量が最も多かった北山川上・中流域では崩壊の規模と頻度は低かった」。数千年前に地震が多発していた付加体が現在の紀伊半島を形成しているとし、大規模崩壊が起こりやすい要因であると説明した。
(2019年7月19日付紙面より)
串本JFCの2チーム (串本町 )
串本ジュニアフットボールクラブ(串本JFC、植芝満代表)の2チームが16日、田嶋勝正町長に県大会を突破して関西大会や近畿地区予選へ進出したことを報告し激励を受けた。
串本JFCが県大会を勝ち抜いて上位大会に進出するチームを輩出したのは、2年前の第3回JCカップU―11少年少女サッカー大会近畿地区予選以来。
今回は6年生主体チーム(北川大志キャプテン)が第13回オークワカップWTV小学生サッカー大会兼第43回県小学生サッカー選手権大会で3位になり、日本ハムカップ関西少年大会(9月7、8日に大阪府堺市のJグリーンで実施)の出場権を獲得。5年生主体チーム(嶋﨑立晟キャプテン)が第5回JCカップU―11少年少女サッカー大会の県予選で優勝して近畿地区予選(7月27日に奈良県橿原市の公苑陸上競技場で実施)の出場権をつかみとり、二重の躍進で串本JFCの関係者らに歓喜をもたらしている。
報告は田嶋町長を表敬訪問する形であり、竹田伸監督や岡村環統括コーチと2チームの選手計22人が出席。代表して北川キャプテンは「初めての関西大会なので一勝でも多く勝てるよう頑張る」。嶋﨑キャプテンは「目標は全国大会に出場すること」とそれぞれに意気込みを示した。
田嶋町長は選手一人一人に得意な事柄を聞き、「フィールドに立つ8人それぞれの得意が合わさって一つの力になり、この成績に結びついたと思う。個人が頑張れば、チーム全体の力はさらに上がる。チームも個人も両方大事にして挑み、いい成績を出してまた報告にきてほしい」と述べて健闘を期待した。
(2019年7月19日付紙面より)
熊野川流域対策連合会が総会 (新宮市 )
熊野川流域対策連合会(会長=田岡実千年新宮市長)は17日、新宮市役所別館で総会を開いた。関係者ら約100人が出席する中、本年度事業計画など4議案を審議し全て承認した。
本年度事業計画は▽国および3県など関係機関との熊野川流域に関する協議を推進▽関係機関への要望活動の実施▽熊野川流域の調査研究―など。予算は125万2000円(前年比18万6000円増)。
冒頭、田岡会長は九州では記録的な大雨により、196万人に避難指示・避難勧告が出たと述べ「全国的に大雨による被害が報道されており、改めて自然の驚異を思い知らされる。治山治水、濁水問題など、熊野川の課題が残される中、流域全体で一致団結し、一日も早い諸課題の解決に向けて取り組むことが大切」と協力を求めた。
顧問の濱口太史・和歌山県議会議員が「地域にとって心のよりどころである熊野川の自然と安全を取り戻す取り組みを、一丸となって訴えていきたい」とあいさつした。
議事終了後、電源開発㈱西日本支店が、要望に対する回答や、ダム運用と情報伝達の改善、熊野川の濁水長期化軽減対策などを報告した。二津野ダムのバイパストンネル設置計画について、計画を進める上で土砂の流下がダム下流に及ぼす影響を調査するために今冬から置土試験を実施すると説明。濁水改善や生物、魚類の生息環境の多様化などの効果が期待されるとした。
また、活動内容の共有や地域との積極的なコミュニケーションを図ることなどを目的に「地域広報グループ」を設置したことを報告。広報ツールの作成や地元自治体への配布、ダムを活用した地域おこしイベントの企画や実行などの活動をしていくと説明した。
閉会に当たり、副会長の西田健・紀宝町長が「多くの課題があるが、意見を募りながら要望活動を続けていきたい」とあいさつした。
同連合会は和歌山、三重、奈良3県の熊野川流域14市町村の首長や議長らで組織。新宮川水系の汚濁防止など現状改善に関すること、および地元水資源の利用などについて必要な事業を行うことを目的に活動している。
(2019年7月19日付紙面より)
サッカー、バレーボール
わかやま夏の交通安全運動 (新宮市 )
和歌山県、交通事故をなくする県民運動推進協議会など主催の「わかやま夏の交通安全運動」が11日から始まった。20日(土)まで▽子どもと高齢者の安全な通行の確保と高齢運転者の交通事故防止▽飲酒運転の根絶▽自転車の安全利用の推進▽全ての座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい着用の徹底▽横断歩道における歩行者優先の徹底―を重点とし、県民に注意を呼び掛ける。
夏季の行楽などによる交通量の増加、暑さからくる疲れや気の緩みなどによる夏特有の交通事故が多発する時期を捉え、交通ルールの遵守(じゅんしゅ)と正しい交通マナーの実践を習慣づけることにより、交通事故の防止を図ることを目的に、各地で啓発活動などが展開された。
新宮市橋本のイオン新宮店で行われた決起集会では、新宮警察署、市交通事故をなくする市民運動推進協議会、市交通指導員会協議会などの関係団体から約50人が参加。上田勝之市議、松浦友範交通課長、田中肇・県交通安全協会新宮支部長、清岡幸子・新宮市交通指導員協議会長も加わり、買い物客らに物資を配布し、交通安全を呼び掛けた。
決起集会で田岡実千年新宮市長は、「交通事故のない安心安全な社会を目指す、そういう思いが少しでも伝わるような啓発活動になれば」。松浦交通課長は、管内の人身事故件数は半減していると日頃の活動に感謝を示し、「これからのレジャーシーズンに向け、遠方からの観光客増加に伴い事故の増加が見込まれる。さらに暑くなると過労気味のドライバーが増え、居眠り運転など大きな事故が懸念される。夏場の事故防止に対する広報、啓発をはじめ、住みよい社会づくりのためにより一層の協力を」と呼び掛けた。
(2019年7月12日付紙面より)
光洋中で「生命の駅伝」募金贈呈式 (新宮市 )
第25回「生命の駅伝」募金贈呈式が10日、新宮市立光洋中学校(宮本雅史校長)の体育館であった。生徒会長の海野夏葵さん(3年)が、学校で集めた1万1464円を和歌山県立医科大学の村田晋一教授に手渡した。
がんと闘う人を励まし、研究を支援する目的で行われている募金活動で、主催は「生命の駅伝の会」(本部・三重県松阪市、太田正隆会長)。今回の募金は、三重、和歌山の両県合わせて329万322円だった。
毎年協力している同校の宮本校長は「今回は募金という形で、がん撲滅の夢を託してくれたと思っています。近い将来、その夢が実現できることを祈っています」とあいさつ。
田岡実千年市長は「患者さんに勇気を与える取り組みだと考えていますので、これからも取り組みがますます発展することを願っています」。東牟婁振興局の久保田清之健康福祉部長が「生命の駅伝の取り組みが、多くのがん患者やその家族の方々に勇気や希望を与えること、また今回集められた募金が、がん研究の一部となるよう祈念したい」と今後に期待を寄せた。
募金を受け取った村田教授は、小さなことの積み重ねが大きなことにつながるとし「皆さんもこれから、中学、高校、大学、社会へと進むと思いますが、日頃のちょっとした驚きや感動、そういったところから、幸せが見つかる気がします。皆さんのこれからの活躍と、頂いた寄付が大きく融合していく世の中になればと願っています」と感謝した。
同駅伝実行委員会の上村眞由委員長はがんに関わる人のことを考えることが社会人にとって重要なことだとし「皆さんも、生命の駅伝を通して、そういう人たちのことを考えてくれながら、社会に進む準備をしてくれている。素晴らしい社会人になるだろうなと期待しています」と呼び掛けた。
(2019年7月12日付紙面より)
「教育かもめ」作成し寄贈 (トヨタレンタリース和歌山串本駅前店 )
和歌山トヨタ自動車株式会社のグループ会社・株式会社トヨタレンタリース和歌山の串本駅前店(坂井崇副店長)が10日、串本町と古座川町の学校に通う小学生~高校生1225人分6125枚のはがき「教育かもめ」を両町の教育委員会に寄贈した。
「教育かもめ」は、手紙を書く楽しみや喜びを経験し豊かな人生の一助とする気持ちを高めるきっかけとして学校教育の現場に寄贈する夏のお便り郵便はがき(通称・かもめ~る)。日本郵便株式会社の手紙文化振興の一施策で、各郵便局が管内企業の協賛を得て作成している。
今回は串本郵便局(構浩局長)管内にある同店が協賛する形で実現。背景には3年ほど前に和歌山トヨタ自動車株式会社の小川至弘会長が当時の同局局長から同施策の紹介を受けた経緯があり、その趣旨に共感した小川会長の思いにより「教育年賀」と対で3年来寄贈を重ねる状況にある。
この日は同局と受け手の教育委員会の段取りにより贈呈式を実施した。和歌山トヨタ自動車株式会社の保養所があることで縁が深い古座川町では、中央公民館を会場にし同町立高池小学校(大畑眞校長)の1、2年生が出席。代表して5人が小川会長から同店名と教育委員会名が入った「教育かもめ」を受け取り、立花優仁君(2年)が感謝を述べた。同店がある串本町では同町立串本小学校(濵正和校長)を会場にし、児童を代表して1、2年生が小川会長を出迎えて寄贈を受けた。
古座川町の会場で小川会長は「皆さんに渡したのは暑中見舞いのはがき。手書きで『お元気ですか?』と書いて出したら相手は喜ぶし、お返しに『かわいらしいな』と言ってもらえたら自分もうれしい。そのような人と人のつながりを生むために、字を書いて相手に気持ちを伝えるのが手紙だ」と諭して賛成を誘い、このはがきを使った頑張りを期待。併せて両会場とも紙芝居を上演しお菓子を配るなどして、意欲のもとになる元気も引き出した。
贈呈式には西前啓市町長と中道悟教育長、田嶋勝正町長も来賓として同席。両町長は小川会長への感謝を述べ、子どもたちにしっかりと役立てるよう呼び掛けるなどした。寄贈した「教育かもめ」は教育委員会から学校へ届けて趣旨に沿う活用をしてもらうという。
(2019年7月12日付紙面より)
14日の例大祭に向け (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で11日、「那智の扇祭り」=14日(日)=を前に扇神輿(おうぎみこし)張替奉告祭が営まれた。熊野十二所権現の神霊を移す扇神輿は高さ約6㍍、幅約1㍍の細長い形で「那智の大滝」を表しており、毎年張り替えられる。
午前8時から神事が営まれた後、白装束の氏子ら28人が斉館に集まり、男成宮司の見守る中、伝統の製法で作業に取り掛かった。扇の長さが神輿を張る寸法の基本になっていることや扇を神輿に止める縫い糸の長さも決まっていることなど、作り方のほとんどが口伝によるため先輩が後輩に手順を指導しながら作り上げた。
扇神輿は細長い枠に赤い緞子(どんす)を365本の竹くぎで留め、32本の日の丸が描かれた扇や8面の白銅鏡、細工が施されたへり松と呼ばれる板などが飾られる。神輿1体は1カ月を意味し、12体で1年を、32本の扇は1カ月の30日と、残る2本が月の満ち欠けを、365本の竹くぎは1年の日数を表している。8面の白銅鏡は「神威八紘(はっこう)」(あまねく広く輝かすの意味)と伝わる。
(2019年7月12日付紙面より)
四日市、いなべ両市での大会に出場 (新宮ジュニアレスリングクラブ )
熊野川改修促進期成同盟会が総会 (新宮市 )
熊野川改修促進期成同盟会(会長・田岡実千年新宮市長)の通常総会が2日、新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルであり、本年度事業計画など5議案を承認した。本年度も国土交通省や関係機関へ事業促進などを要望していくことを確認した。
同会は熊野川流域の水害防除と円滑な土地利用で地域発展に寄与することを目的に1981(昭和56)年11月に設立。国直轄区間河川の整備工事推進を目的に要望活動などを展開している。会員は新宮市、紀宝町の両首長、市町議員ら。役員改選では会長の田岡市長、副会長の西田健紀宝町長ら全員が留任となった。
田岡会長は冒頭のあいさつで、2017(平成29)年10月の台風21号の影響により、新宮地域気象観測所では観測史上1位となる累積雨量893・5㍉を記録し、新宮市、紀宝町合わせて1500戸(新宮市1498戸、紀宝町26戸)を超える被害に見舞われたと述べ「今後も諸課題への対策が急務。『熊野川河川整備基本方針の見直し・整備計画の早期策定』と『直轄治水事業の推進および必要な予算の確保』などについて、関係機関に対し引き続き強く要望していく」と協力を求めた。
来賓の西畑雅司・東牟婁振興局新宮建設部長は「今後とも、国をはじめ関係機関の方々と連携し、熊野川流域の皆さまが安全で安心して暮らせ、環境とも調和のとれた河川整備を進められるよう一緒に取り組んでいきたい」とあいさつした。
総会終了後に国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所の岸本健司副所長と同新宮川出張所の足立哲也所長が熊野川の河川事業について説明した。
熊野川の治水安全度の向上と浸水被害の軽減を図るために、引き続き「緊急対策特定区間」の河道掘削などの治水事業を展開していくなどと報告。市田川の今後の内水対策について計画を示し「早急に実施していく」と述べた。
本年度は▽市田川排水ポンプ増設▽市田川堤防耐震補強▽河口砂州掘削▽鮒田水門・相野谷川排水機場の耐震補強▽相野谷川河道掘削―などを実施することを紹介した。
紀南河川国道事務所では水辺のにぎわいや利活用するための取り組みとして「水辺で乾杯」などの啓発活動を実施。地域一体となった良好な河川環境の保全や河川の適正な維持管理のための「熊野川・市田川クリーンキャンペーン(河川清掃)」を紀宝町、河川を美しくする会と合同で、14日に予定している。
(2019年7月4日付紙面より)
儀平の職人・丸山正雄さん (串本町 )
串本町の和菓子店「うすかわ饅頭儀平(ぎへい)」の看板商品・うすかわ饅頭の製法を受け継ぐ職人、丸山正雄さん(43)が全国和菓子協会の第6回選・和菓子職伝統和菓子職部門の認定を受けた。推薦と審査を経ての誉れで、丸山さんは「祖父がうすかわ饅頭を作ってくれたから今の自分がある」と振り返りつつ喜んでいる。
選・和菓子職は、和菓子の製法を支える技術を知って味わいを深めるとともに、携わる職人の意欲を高め地位向上と技術伝承を促し文化振興に資することを目的とした認定制度。現在は挑戦型の優秀和菓子職部門と推薦型の伝統和菓子職部門の各審査を隔年で実施していて、本年度は後者の巡りに当たる。
この部門は伝統製法を守り優れた技術を有する和菓子職人を認定するもので、同協会が規定する推薦者2人と認定候補者が属する店舗の代表者、計3人の推薦により審査対象となる仕組み。推薦書類と受け継ぐ製法で作る伝統和菓子の実物の両審査で、第6回は6人6品を認定し今月24日に東京都内で認定者バッチと菓子名・認定者名・店名が入った盾を贈呈した。
同店は1893(明治26)年に創業。うすかわ饅頭は丸山さんの祖父にあたる2代目・田嶋儀助さんが1923(大正12)年に考案した蒸し菓子で、現在は3代目・堀本京子さんを代表取締役とする有限会社串本儀平の店舗として同店を営み、丸山さんは同社製造部長兼和菓子職人としてうすかわ饅頭を作り続けている。推薦者は2年前に第5回認定を受けた菓心富美堂=田辺市=の森山昌彦さんと和歌山市菓子工業組合の駒井良章理事長、同社の堀本代表取締役。贈呈式は同協会総会の中であり、細田治会長からバッジと盾の授与を受けたという。
丸山さんは「大先輩が大勢いる中で若い自分が認定を頂くのはとても緊張し、『本当に頂いていいのか』という気持ちだった」とコメント。祖父と推薦者への感謝を掲げ「自分が和菓子職人として24年間続けてこられたのも、うすかわ饅頭を作ってくれた祖父のおかげ。この思いを忘れずに、これからもうすかわ饅頭の伝統を守り続けていきたい」と気持ちを新たにしている。
(2019年7月4日付紙面より)
交通安全子ども自転車大会 (鵜殿小 )
津市の芸濃総合文化センターで6日(土)に開催される「交通安全子ども自転車三重県大会」に、紀宝警察署管内から紀宝町立鵜殿小学校6年生の曽越胡未さん、柿園雪乃さん、森倉靖貴君と5年生の根本倖汰君が出場する。
大会は県交通安全協会、県警察本部が主催。県内18の警察署管内からそれぞれ1チームが出場する。学科テスト、安全走行・技能走行の実技走行テストで個人、団体の順位を決め、優勝チームは8月7日(水)に東京ビッグサイトで開催される「交通安全子供自転車全国大会」に三重県の代表として出場する。
鵜殿小は毎年大会に参加しており、優勝経験もある強豪で、昨年は6位に入った。児童たちは5月末から北越紀州製紙の協力を得て、同社の厚生会館で毎日、本番さながらの学科、安全走行、実技走行の課題に取り組んでいる。
2日には紀宝警察署の岡田智治署長が訪れ「努力は必ず報われる。一生懸命頑張ってください」と激励した。
昨年も出場した曽越さんと柿園さんは「頑張ります」と笑顔を見せ、森倉君は「全国1位になりたい」ときっぱり。根本君は「練習の成果を発揮したい」と話していた。
(2019年7月4日付紙面より)
イベントは8日から (太地町 )
海開きを迎えた太地町のくじら浜海水浴場で1日、安全祈願祭が営まれた。強い雨脚の中、町関係者らが参列。飛鳥神社の髙橋正樹宮司が神事を執り行い、一同でシーズン中の安全とにぎわいを祈った。
同町の名物イベント「くじらに出会える海水浴場」は8日(月)から開催する。時間は午前11時と午後1時。今年6回目の参加となる雌のサツキ(体長291㌢)と初参加で雄のネモ(262㌢)の2頭のハナゴンドウと約15分間の遊泳が楽しめる。期間は8月19日(月)まで。
(2019年7月4日付紙面より)
御所実業が優勝 (熊野市ラグビーフェス )
2日間にわたる雨中の熱戦制す (天満ファーム七夕サッカーフェス )
くじらに出会える海水浴場 (太地町 )
太地町の名物の催しである「くじらに出会える海水浴場」の準備に向けて町立くじらの博物館(林克紀館長)は6月30日、くじら浜海水浴場でハナゴンドウ2頭の搬入作業を実施した。28日に搬入予定だったが低気圧接近に伴い、延期となっていた。この日も雨天での海上移送となったが、職員ら8人が協力しスムーズに作業を進めた。
展示期間は7月8日(月)から8月19日(月)まで。午前11時と午後1時の2回(約15分間)、いけすから開放される。
クジラの近くで泳ぐことができる人気の催しは2008年から始まり12回目となる。
搬入されたのは飼育展示6回目の参加となる雌のサツキ(体長291㌢、推定体重309㌔、推定10歳)と初参加で雄のネモ(262㌢、推定体重208㌔、推定4歳)。午前6時30分に2頭を担架に乗せ、ボートにくくり付けて同館を出発した。森浦湾を経由し午前7時15分ごろに海水浴場に到着。網いけすに搬入した。その後、職員から餌をもらった2頭はいけす内を泳ぎ回り、ジャンプするなど元気な姿を見せた。
同館学芸員で飼育員の稲森大樹さん(34)は「海水浴場内の網いけすでの飼育展示は来場者がクジラと一緒に泳げ、同じ空間を共有できる非常に珍しい催しとなっている。隣接するくじらの博物館もあり、あちらでもクジラをたくさん見ることができるので合わせてご利用いただければ」と語った。
(2019年7月2日付紙面より)
井関クラブで追悼キャンドル作り (那智勝浦町 )
那智勝浦町井関の那智谷大水害遺族会の追悼式でともすキャンドル作りが6月29日、同地区の井関クラブであった。地元の町立市野々小学校の児童や町内外から、約40人が参加した。
キャンドル作りは、2011年9月の紀伊半島大水害で中学校の同級生を亡くした井上絵里香さん(22)が中心となり続けている。今年も井上さんと有志らの「水害のことを忘れないために、思いを込めてキャンドルを作りませんか」との呼び掛けに、親子連れらが集まった。
子どもたちは卵の殻や紙コップに溶かしたろうを入れ、色とりどりに着色。均一に注ぎ口をくり抜いた卵の殻は、同町朝日のお菓子工房エストが用意した。地域住民からはたこ焼きや焼きそばが振る舞われた。
作業前には防災士の久保榮子さんが、ウサギの着ぐるみを着て子どもたちに「逃げ足の速いウサギのように早めの避難を」と強調し、手作りの紙芝居などで自身の被災経験を話した。
友達数人と一緒に新宮市から参加した北美空ちゃん(6)は初めてのキャンドル作りに挑戦。同伴した保護者らは「参加する前に子どもたちに水害のことを話しました。追悼の気持ちを込めたいと思います」と話した。
大分県から駆け付けた井上さんは「毎年の皆さんの参加がうれしいです」と感謝していた。
(2019年7月2日付紙面より)
地震津波タイムライン検討会 (紀宝町 )
紀宝町は6月29日、町生涯学習センターまなびの郷で「地震津波タイムライン」検討会の発足式を開催。地震津波を想定した国内初の事前行動計画「タイムライン」の作成に向けた取り組みが動き出した。
町では、2014年2月に風水害を対象としたタイムラインを国内で初めて策定し、これまで25回発動した。今回は地震津波に対応するタイムラインで、近い将来、発生が危惧される南海トラフ地震への対策として本年度末の策定を目指す。
地震津波発生後の各段階で「いつ」「誰が」「何を」するのか事前行動を定めるもので、今後、4回の検討会を計画。町民防災会議の各ブロック会議で地域の対策や対応などを抽出し、タイムラインに盛り込む。
策定後は訓練などでタイムラインを活用し、絶えず見直して改善を図ることで地震津波発生時の人的、物的被害の最小化、迅速な復旧・復興を目指す。
発足式には約230人が出席。西田健町長が「災害時は町だけで皆さんの命を守ることはできない。地域の皆さんが一緒になって災害への備えに取り組まないといけない。全国的にタイムライン活用の動きがあり、紀宝町がモデル的なシステムとなり、各自治体で活用していただきたい」とあいさつした。
南海トラフ地震の発生確率は30年以内に70~80%といわれ、町内では震度5以上が想定されている。津波は10㍍を超え、到達時間は30分以内と想定されている。
これらの被害に備え、町ではハード面として高台や貯水施設の整備などに取り組んでいる。ソフト面の観点からタイムラインを策定する。
(2019年7月2日付紙面より)
熊野三山で茅の輪くぐり
熊野三山で6月30日、「夏越大祓式(なごしおおはらえしき)」が営まれ、大勢の参拝者たちが「茅(ち)の輪くぐり」で半年間のけがれをはらい清め、夏を元気に過ごせるようにと祈った。
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)では、老若男女100人以上が参列。手渡された人形(ひとかた)と呼ばれる人の姿をかたどった紙に息を3回吹きかけてけがれを移し、神職に全国から寄せられた人形と一緒に唐櫃(からひつ)に納めてもらいおはらいを受けた。
続いて参拝者たちは、唐櫃を担いだ神職やみこの後に続いて境内に設けられた茅の輪(直径約2㍍)を八の字に3回くぐった。上野宮司は「梅雨のさなかだが雨もやみ、神事を執り行うことができた。こうやって古来からの神事に参加していただくことは大事なこと」とあいさつ。最先端な時代においてはおろそかにされがちだが、日本の文化を伝えていくことは大切と述べ「残りの半年も元気で過ごされますよう」と願いを込めた。
この儀式は12月31日(大晦日=おおみそか=の大祓)と年2回営まれている。「水無月(みなづき)の夏越のはらいする人は 千歳の命のぶというなり」という古歌がある。3歳で母を亡くした俳諧師、小林一茶(1763~1828年)は「母のぶん も一つくゞる 茅の輪かな」と詠んでいる。
(2019年7月2日付紙面より)
那智勝浦ゴルフ倶楽部
近畿高校選手権 (新宮高校レスリング部 )