紀宝町長選
任期満了に伴う紀宝町長選挙が18日告示され、現職の西田健さん(73)=無所属=以外に立候補の届け出がなく、西田さんが無投票で5回目の当選を果たした。
丹鶴幼で防災出前事業 (新宮市 )
新宮市立丹鶴幼稚園(下岡容子園長)で17日、「ぼうさい出前事業~たんかくようちえん~」があった。市防災対策課の櫻井勇太さんと日浦規行さんが来園し「見て、考え、触って、身体(からだ)を動かす体験型」の防災授業を展開。44人の園児らが防災に対する心構えを身に付けた。
6434人が亡くなった阪神・淡路大震災発生(1995年)から17日で27年。1月17日はボランティア活動への認識を深め、災害への備えの充実強化を図ることを目的として「防災とボランティアの日」に制定されている。
出前授業は子どもたちに有事の際に自らの命を守る行動を身に付けてもらうことを目的に実施。
櫻井さんは、園児らに、無彩色の人気のキャラクターを青(津波)、黄(土砂崩れ)、赤(火事)に色分けしてもらい「地震が起きたら津波や土砂崩れが起こり火事になります。色で覚えておいて」と呼び掛けた。
「危険な場所を探そう」で園児らは地震発生時の教室内の危険な箇所を探索。ピアノや空調設備の下などに「危険マーク」を貼り「電灯が落ちてきたら危ないよ」「扇風機も落ちてくるかも」などと意見を出し合った。
櫻井さんは「地震はいつ来るか分かりません。安全な所を自分で探して頭を守る『ダンゴムシのポーズ』を」。
園児らは地震発生時に取る体勢を基にした「ぼうさいじゃんけん」や、「新聞紙座布団」「新聞紙ブランケット」「防災新聞紙スリッパの折り紙」など身近にある新聞紙の使い方も学習。「スリッパを作るのが難しかったけど楽しかった」などと感想を発表し、ゲームなどを交えた体験型の授業を通して身を守る行動を学んだ。
(2022年1月19日付紙面より)
新春コンサートで西謙二さんら (新宮市 )
「オペラとピアノの会」は16日、新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で「新春コンサート オペラ・ピアノ・歌で誘(いざな)うクラシックの世界」を開催した。西謙二さんらによるピアノ演奏や歌声が会場内に響き渡り、約400人の来場者らがクラシックの世界を満喫した。
西さん(ピアノ・テノール)、金野友美さん(ソプラノ)、石山優香さん(ピアノ)が出演。バリトンの二宮周平さん、メゾソプラノの滝口小夜子さんをゲストに迎えて開催した。
コンサートは西さんによるシューマン作曲「『子供の情景より』見知らぬ国へ」のピアノ演奏で幕開け。「楽しいコンサートにしていければ。短い時間ですがごゆっくりお楽しみください」とあいさつした。
新型コロナウイルスの影響で一部プログラムが変更となったが、主演者らはプッチーニの「トスカ」「トゥーランドット」、ロッシーニの「セビリアの理髪師」などで声楽とピアノを披露。
「世界の名曲」と題し「ふるさとの」(平井康三郎作曲、石川啄木作詞)「サマータイム」(ガーシュイン)なども会場に響かせ、迫力ある演奏や歌声に来場者らは惜しみない拍手を送った。
西さんは県立新宮高校、東京大学工学部卒。米国マサチューセッツ工科大学客員研究員や学術誌のエディター、日本政府関係の委員などを務めた経歴を持つ。ピアノを杉浦範さんらに、声楽を田邊清美さん、二宮さんに師事。テノールとして首都圏でのコンサートを中心に出演している。
(2022年1月19日付紙面より)
木材会館で第2回木育教室 (新宮市 )
新宮市あけぼのの新宮木材会館で15日、新宮木材協同組合事務局主催の第2回木育教室が開かれた。親子3組10人がスギとヒノキの見分け方を学び、地元産のスギ材を使ったオリジナルの羽子板を作った。
大人にも子どもにも、森林の役割や木の良さ、新宮市と林業の関わりなどを知ってもらおうとスタートした取り組み。森林についての座学と木工工作があり、同組合加入の製材所などが材料を提供している。
この日は事務局員の山本盛都さんが、日本の人工林の多くを占めるスギとヒノキについて解説。タネ、花、苗、葉、樹皮、年輪の写真を見比べながら、その特徴や違いを示した。「木の節ってなんだろう?」「日本のような四季がない国の木材には年輪がある?」などのクイズもあった。
木工工作では、地元産スギ材の羽子板にカーボン紙でトラや門松、ウメなどを描き、油性ペンや筆ペン、はんこなどで色を塗っていった。完成後は子どもたちが早速「カーン、コーン」と子気味の良い音を響かせて遊んでいた。
今後も毎月1回、5組限定で開催していく予定。大人の参加も歓迎しており、イベントに関する情報は毎月1日にインスタグラムのアカウント(kinanmokuzai_shinryokukai)で発信している。
(2022年1月19日付紙面より)
木下建設と利用協定を締結 (串本町 )
和歌山県有田市に本社を置く木下建設株式会社(木下英文代表取締役社長)が17日、串本町と災害時における避難場所の施設利用に関する協定を締結した。
同社はかねて、国土交通省が推奨する「地域の守り手」として災害時の復旧活動に参加。その中で地域に安心を届ける方法はないかを考え、2020年度に環境省事業の採択を受けて平時は現場の仮設事務所や休憩所、災害時は拠点基地や避難場所として利用できる太陽光発電付き移動式ハウス「ソーラーシステムハウス」を株式会社ダイワテック、デザイン事務所「BLOOM*ROOM」と共に2種類製作し、計10棟を導入した。
うち2棟は本社に配置し、残り8棟をすさみ串本道路関係工事請負のため同町内の現場などで運用中。その縁で災害時の利用を図るために同協定を町に申し出て締結するに至った。
締結式は高富にある同社串本事業所であり、木下社長と田嶋勝正町長が協定書に署名した。災害時に同ハウスを配置場所もしくは町が希望する場所へ移動配置して貸与する内容で、町か同社のいずれかが解除を求めるまで有効となっている。
署名を経て田嶋町長は「災害はいつ起こるか分からないことを頭に入れて取り組む中、この素晴らしいハウスを活用させていただけることをうれしく思う」と述べて今後の有効活用を視野に入れ、木下社長は「地元の皆さま方と共にこれからも防災対策に取り組んでまいりたいと考えている。本日の締結式はその一歩。社会に生きる者の務めとしての認識を思い、改めて身が引き締まる思い」と胸中を明かして同協定に基づく第一歩を踏み出した。
同社は有田市とも同様の協定を締結済み。災害時はその状況に応じて両市町内に同ハウスを割り当てるという。
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同町内8棟のうち、1棟は同事務所横に配置し情報発信基地「現場の駅」として同式後から運用を始めた。日曜を除く午前8時30分~午後5時に開いていて、現場の魅力や工事の進捗状況、町の情報(同社と串本警察署が合同で取り組む野生動物接触注意の啓発など)や観光案内などの情報発信と併せて同ハウスも皆さんに知ってほしいとアピールしている。
同ハウスは角形鋼管・軽量形鋼構造で、4坪サイズ、開放型とプライバシー確保型の2種類がある。太陽光パネルと大容量の蓄電池、エコ給湯器を備え、省エネ型の構造設計や設備採用により満充電・無給電状態で約3日間利用〈通常時〉できる能力を有する。
採択条件外の独自の仕組みとして、デジタル看板と災害時の情報入手や安否確認に欠かせない携帯端末の充電を想定とした「虹色コンセント」(同社命名、2口コンセント×7個)も備えることで、災害時の安心提供の度合いを強めている。
この日は同社の招待で高富区の中野實区長ら近隣住民が「現場の駅」として開放している同ハウスを内覧し、特色の説明を受けて概要を確かめた。同ハウス周囲のウッドデッキやウッドフェンスは社員の手作り。同社は同事務所がある限り「現場の駅」の配置も続けると意気込んでいて、地域の皆さんに適時利用してもらえればとしている。
(2022年1月19日付紙面より)
2年ぶりに消防出初め式 (那智勝浦町 )
那智勝浦町の体育文化会館で9日、令和4年消防出初め式があった。各分団の幹部や来賓ら約40人が出席。防災活動に尽力した団員らを表彰したほか、防災力向上への誓いを新たにした。
新型コロナウイルス感染症の影響で昨年の出初め式が中止となったため2年ぶりの開催となった。感染防止対策の観点から規模を縮小し無観客で挙行。多くの町民が見学に訪れるパレードや一斉放水も中止とした。
式典では殉職消防団員に対する黙とうに続き、国歌と町歌を静聴。
昨年春の叙勲で瑞宝単光章を受章した元消防団長・貝岐昌志さんと、秋の叙勲で同じく瑞宝単光章を受章した元副団長・竹原昌男さんをたたえ、令和3年度県消防協会総裁表彰、東牟婁地域消防協会優良消防職団員表彰、町長表彰、消防長表彰、消防団長表彰が行われた。
堀順一郎町長は受章者や団員らの尽力や新型コロナウイルス感染対策への協力に敬意と感謝を示し「自然災害などの被害を最小限にとどめるためには施設面の整備を進めるのも当然だが、町民の安心安全のためには一人一人の防災意識の向上も必要」と式辞。
津波浸水域にある消防本部の高台移転や災害発生時に対策本部となる防災センターを併設するなどの対策を進めているとし「一人の命も失わないという精神の下、有事の際には迅速な行動ができるよう研さんを。また、それぞれの地域において町民の防災意識の啓発・向上にご協力を」と呼び掛けた。
湯川辰也消防長は「新型コロナウイルス感染症の影響で引き続き厳しい状況が続いているが、災害はいつ何時発生するか分からない。町民の生命、身体および財産を守る崇高な使命を達成するため、引き続き基本的な感染対策を行いながら消防団活動に尽力を」とあいさつ。来賓の荒尾典男町議会議長、玉置昌彦・東牟婁振興局地域振興部長、谷洋一県議会議員がそれぞれ祝辞を述べた。
下地将仁団長は「自分たちの地域は自分たちで守るという基本理念の下、町民が安心して暮らせるように消防人としての自覚と誇りを持ち、災害対応力の向上に努め、日夜訓練を重ねていく」と訓示した。
(2022年1月12日付紙面より)
熊野速玉大社で恵比寿祭 (新宮市 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)境内の熊野恵比寿(えびす)神社で10日、恵比寿祭(恵比寿神社例大祭)が執り行われた。神職らが参列し、新型コロナウイルスの終息などを祈願した。
例年では商売繁盛や家内安全などを願い、前日夜の宵宮から縁起物の福笹(ふくざさ)や熊手を買い求める多くの人々でにぎわいを見せる同大社の「十日えびす」。
今年は新型コロナウイルス感染拡大の観点から昨年に引き続き、規模を縮小し神事のみを斎行。えびす様の御利益にあやかろうと、地域住民らが祭司を務めた上野潤権宮司に続いて玉串をささげた。
神事を終え、上野権宮司は「新型コロナの影響で今年も福笹など縁起物の設置はできなかったが神事斎行に当たり多くの問い合わせがあった。こういった状況でも忘れていない人が多いとうれしく感じた」とあいさつ。
「『虎口を脱する』ということわざもあるが、今年は光に満ちあふれて一日でも早く日常が戻り、来年こそは祭りが盛大に執り行われるようになれば」と話した。
(2022年1月12日付紙面より)
キャンプ主題にして実証 (古座川町 )
古座川町で8、9日に6事業者連携によるキャンプイベントがあり、モニター客16人を受け入れてその在り方に対する意見を求めるなどした。
このイベントは、同町観光協会を事務局とする複数の事業者で本年度に展開している「産学官民連携による観光型過疎地域課題解決実証事業」の一環。今回連携した事業者は▽古座川ジビエ山の光工房▽HYGGE▽田上おとり店▽北海道大学和歌山研究林▽Yocco▽古座川町観光協会―で、事業者からの誘い掛けに応えた芸能人を含む16人がモニター客として協力した。
事業者はそれぞれの得意を発揮して連携し、テントの設営やまき割り、地元の食材を取り入れたキャンプ飯作り、各種体験(鹿革クラフト・木工クラフト・毛鉤(けばり)作り)やテントサウナなどの各体験を提供。モニター客は事業者の趣向を凝らした進め方にも触れながら2日間の行程を過ごし、その内容に対して意見を還元するなどした。
同事業は観光庁「地域の観光資源の磨き上げを通じた域内連携促進に向けた実証事業」の採択を受けて展開していて、昨年10月にスタディケーション、11月にワーケーション、そして同イベントを実施し、これら領域に対応する資源提供を域内連携で形作ることを実践した。今月は日本航空株式会社(JAL)の協力を得てワーケーションも19日(水)から実施予定。以降はこれら実証の成果を今後の課題解決に生かすため事業者間で共有しつつ、観光庁に報告する流れとなっている。
(2022年1月12日付紙面より)
署員らが広報啓発 (新宮警察署 )
警察庁が定める「110番の日」である10日、新宮警察署(山田守孝署長)は新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店などで、110番の適正利用を呼び掛ける啓発活動を実施した。
新宮署によると、2021年中の110番受理件数は6万2843件。うち、いたずらや間違い、無応答などの非有効は1万131件で昨年と比較し1285件の減少となった。主な通知内容は交通事故関係が29%と最も多くを占めている。
同店正面入り口では和歌山県警のマスコット「きしゅう君」や署員、交番連絡協議会員ら11人が買い物客に対し、啓発物資を配布。「110番の適正利用をお願いします」と声掛けした。
同署ではいたずら電話や間違い電話の110番によって、事件・事故などによる緊急の110番がつながりにくくなるため、犯人摘発や被害者救護の妨げになる可能性があると危惧しているとした。
南良太地域課長は「緊急でない場合や問い合わせ、相談などは警察相談窓口(073・432・0110または#9110)に通報してください。適切な110番のご利用をどうぞ、お願いいたします」と話した。
なお、同署では110番通報のポイントとして▽何があった(不審な人影など)▽どこで(場所、目印など)▽いつ▽犯人は(どの方向へ、服装は、人相は)▽今、どうなっている▽通報者の名前、住所、電話番号を慌てず伝える―の六つを挙げている。
この日はイオン新宮店、JR新宮駅から出発するくろしお22号車内(JR紀伊勝浦駅までの区間)でも啓発を行った。
(2022年1月12日付紙面より)
飛瀧神社で牛王神璽祭 (熊野那智大社 )
那智勝浦町那智山の熊野那智大社(男成洋三宮司)の別宮飛瀧(ひろう)神社で8日、牛王神璽(ごおうしんじ)祭が営まれた。「牛王杖(ごおうづえ)」と呼ばれるヤナギの枝でカシの板を打ち鳴らし魔をはらい、霊験を高めて「牛王神符」を仕上げた。
牛王神符は熊野三山に伝わる特有の神札で魔よけ、災難よけのお守り。熊野の神の使いとされる八咫烏(やたがらす)の絵文字が描かれており、同大社では72羽のカラスで「那智瀧宝印」と記されている。
元日早朝に那智の滝からくみ上げた若水で墨を溶き、翌2日からの初刷りから毎日、本殿で祈とうが続けられてきた。満願を迎えたこの日は多くの参拝者が見守る中、神事が執り行われた。
男成宮司らが無病息災などを祈り、仕上がった100枚の神札をヤナギの枝に巻いて参列者に授与した。
男成宮司は「今年は寅(とら)年。虎にあやかり、力強く歩み進めることでおのずと穏やかな日々を迎えることができると思う。滝元で満願を迎えた霊験あらたかな守り札を多くの方々にお渡しして、新型コロナウイルス終息と今年一年の幸せを祈っています」と語った。
(2022年1月9日付紙面より)
今年最初の「紀の宝みなと市」 (紀宝町 )
今年最初の「紀の宝みなと市」が8日、紀宝町の鵜殿港で開かれた。町内外から多くの人が足を運び、活気にあふれた。
みなと市は2012年12月に初開催。毎月第2土曜日に開催してきたが、昨年は新型コロナウイルスの影響で中止が続き、12月11日の「9周年記念市」で1年ぶりに復活した。
今回は会場でのマスク着用、手指消毒を呼び掛け、近海で水揚げされた鮮魚や地元産の野菜などが販売されたほか雑貨店も並んだ。
訪れた人たちは、お目当ての品々を買い求め、出品者ら来場者同士の会話も弾んでいた。
(2022年1月9日付紙面より)
「木の薫る店」にぎわう (新宮市高田 )
新宮市高田の雲取温泉高田グリーンランド敷地内にある「木の薫る店」で8日、「野菜市」があった。8人の生産者によるダイコンやハクサイ、サトイモなどの新鮮な野菜が並び、多くの地域住民でにぎわった。
和歌山県のモデル整備事業として県の補助を受けて2002年度に紀州材を使用し建設された同所。これまで無人市場などとして開所していたこともあるが、地域ではさらなる建物の有効利用方法を模索していた。
そんな中、おととしに五十数年ぶりのUターンを果たした石田千代さん(73)が、建物の活用ならびに、これまで近隣住民らで分け合うなどしていた野菜などを地域に広く循環させようと野菜市の開催を提案。昨年12月に第1回を開催し、午前中で完売するほどの盛況を博した。
1回目の開催に当たり、チラシを全戸配布した石田さん。市場開催の際には店番と両替を担う。「よそに出て帰ってきて、本当に良い所だと感じる。田舎暮らしを満喫している。地域活性化のために若い人やIターンの人たちも頑張ってくれているが、私も少しでも協力できたら」と思いを語る。
「高齢者が外に出るきっかけにもなれば。品物の循環だけでなく、地域のコミュニティーの場になればいいですね」。訪れた住民らに対し「ゆっくり休憩していってよ」などと声を掛ける。1本50円のダイコン、1玉100円のハクサイ、1袋80円のジャガイモなどを前に、住民らは献立や調理方法を相談するなどして買い物を楽しんだ。
野菜市は季節や野菜の収穫量などにもよるが、月に1、2回の頻度で実施していくという。
(2022年1月9日付紙面より)
7日は「七草粥」
1月7日は「七草粥(ななくさがゆ)」。市内のスーパーマーケットなどでは「七草粥セット」を買い求める人の姿が多く見られた。
一年の無病息災を願って、一般的に人日の節句の朝に食べられる日本の行事食。新年の季語でもある。正月の祝膳や祝酒で弱った胃を休める目的もあるという。平安時代には行事として行われており、室町時代の汁物の原型ともされている。
地方によって食材や作り方、味付けが異なり、那智勝浦町の七草粥(ななくさがい)はダイコンやニンジンなどの野菜を入れるほか、田辺市中辺路町では餅とシャクシナを入れるという。
春の七草は、時代や地域によって異なっていたが、現在では一般的にセリ(競り勝つ)、ナズナ(なでて汚れを払う)、ゴギョウ(仏の体)、ハコベラ(繁栄がはびこる)、ホトケノザ(仏の座る場所)、スズナ(神を呼ぶ鈴)、スズシロ(汚れのない純白)で構成されている。
年明けから約1週間が過ぎ、「寝正月」「飲み正月」「正月太り」で体調を崩している人も多いのでは。七草粥を食べて無病息災を祈りつつ、胃腸を休めてみてはいかが。
(2022年1月8日付紙面より)
上野山こども園の年長児 (串本町 )
串本町津荷にある社会福祉法人杉の子会上野山こども園(前田紀代子理事長、上地奈奈園長)の年長児(5歳児、ひまわり組)が6日、第17回音読コンクール団体の部〈年長〉で最優秀賞を獲得したことを田嶋勝正町長に報告した。
このコンクールは、幼年国語教育会が成長の励みとして年1回主催している全国規模の審査会。個人と団体の2部門があり、団体の部は年長・年中・年少・年少未満の4区分でクラス単位の音読作品(=動画)を受け付けている。
同法人は前田理事長の「本が好きな子になってほしい」という思いを形にする活動の一端で第1回から応募していて、現在は3~5歳児が挑戦する形で定着している。本年度の年長児は▽月の兎▽方丈記より「ゆく河の流れ」―の音読に挑戦し同部〈年長〉に応募。審査の結果は第一席の最優秀賞で、同法人にとっては第4回で旧・上野山保育所の年中児(4歳児)が獲得して以来13年ぶりの好成績となった。上地園長によると、本年度の年長児はおととしに優良賞〈年少〉、昨年に第二席の読売新聞社賞〈年中〉を獲得。職員は応募のたびに成績が上がる成長ぶり、年長児は去年より大きな記念盾がもらえたことに喜んでいるという。
この日は年長児30人が同園の幼児バス(通称・ねこバス)で役場本庁を訪ね、上地園長ら職員と一緒に結果を報告。田嶋町長は「動画を見たがみんな足や背筋がピンとしていて、これなら取れるだろうと思った」とたたえ、園児一人一人にお祝いの品を贈ってこれからも頑張ってと励ました。
今回は年中児が優秀賞〈銅賞〉、年少児(3歳児)が優秀賞〈銀賞〉と、どのクラスも賞状と記念盾が贈られる成績を収めた。上地園長は「3年間の積み上げで年長児は、漢字と仮名が交ざる絵本も興味を持って読めるようになっています。本を嫌いにならないのはもちろん、みんなで声を合わせる挑戦で協調性も高めてくれたら」と活動に込める思いを語った。
(2022年1月8日付紙面より)
小学生が手話学ぶ (紀宝町 )
小学生対象の「やさしい初級手話教室」が5日、紀宝町鵜殿の町福祉センターで始まった。町内の小学1~5年生11人が参加し、手話でのあいさつや自己紹介をすることを目標に学ぶ。
同町社会福祉協議会では毎年、幅広い世代に向けた初級手話教室を開いており、小学生にも気軽に参加してもらおうと、昨年度に続いて冬休みに3日間の連続講座を計画した。
講師は同社協の名取雅博さんと時松有見子さんが務め、ボランティアとして県立木本高校2年の竹内悠真君と瀬古修平君、同3年の市川芹さんがサポートした。3人は昨年11~12月に中学生以上を対象に開かれた全6回の初級手話教室を修了している。
名取さんは「手話って知っていますか?」と問い掛けながら、耳が聞こえない人の言葉であることを説明。子どもたちは指文字の五十音表と名取さんや高校生たちの指の動きを見ながら、「あいうえお」から順に学習し、自分の名前を指文字で表現できるように練習した。
慣れてくると、名取さんの指文字を見て理解し、子どもたちで表現する学習にも取り組んだ。
(2022年1月8日付紙面より)
安全や向上願い手釿始式 (熊野那智大社 )
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で6日、一年間の作業の安全と技術の向上を願い、宮大工の仕事始めの儀式「手釿始式(ちょんなはじめしき)」が営まれた。
男成宮司が祝詞を奏上した後、烏帽子(えぼし)と直垂(ひたたれ)の伝統衣装を身に着けた宮大工と技手の4人が、古式にのっとり大工道具を使う所作などを奉納した。
棟梁(とうりょう)の嶌﨑和真さん(40)がちょんなを約2㍍のヒノキの角材に打ち込み、続いて南太一さんが墨付け、山口雄太さんがのこぎり、南智紀さんがかんなを使った。ちょんなとは古い大工道具で、丸太の皮を剝いだり、木を削ったりするのに使われるもの。
地元出身で同大社に勤める嶌﨑さんは神事を終え、「新型コロナウイルス感染症の影響は回復の兆しが見えていない。しかし、一日も早く生活が回復し、明るい年になることを祈念しました」と話した。
嶌﨑さんにとって、7月に斎行される那智の扇祭り(火祭)のたいまつ作りや準備が最も重要な仕事になるという。この日は本番に向けて士気を高めていた。
(2022年1月8日付紙面より)
新宮商工会議所
新宮市井の沢の新宮ユーアイホテルで5日、新宮商工会議所(関康之会頭)の新春年賀会が開催された。2年ぶりとなった今年の年賀会は、新型コロナウイルス感染症の情勢を踏まえ規模を縮小して実施。同会議所役員ら30人が出席し、新春をことほいだ。
関会頭は冒頭のあいさつで、昨年はコロナ禍で多くの行事やイベントが中止となる中、市文化複合施設「丹鶴ホール」の開館や、串本太地道路起工式などの明るい話題もあったと振り返り「オミクロン株や人口減少・少子高齢化に伴う人手・人材不足、後継者問題など多くの事案があるが、中小企業が抱えるさまざまな諸問題に積極的に取り組み、経営改善普及事業をはじめ引き続き事業者に寄り添った伴走型の経営支援を行っていく」と誓いを新たにした。
来賓として出席した田岡実千年市長は、長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コース運行や新宮港へのクルーズ客船入港がもたらす交流人口増加について触れるとともに、3月から運航開始予定の瀞峡観光船の集客効果にも期待し「今年はサイクルツーリズムにも力を入れていきたい」。
「ウィズコロナ、アフターコロナを見据えてしっかりと準備をしなければ。皆さんのお力をお借りしながら、新宮市の魅力を発信していきたい」とあいさつした。
榎本鉄也市議会議長は「コロナ禍も3年目を迎えるが、感染症の収束後には歴史が大きく変貌してきた史実がある。前向きに、市長と市議会が一丸となって問題に取り組み、市民の努力が報われる新宮市につながっていくように頑張りたい」。
濱口太史県議は「県としても感染拡大を少しでも抑えるための対策に取り組んでいるが、経済は大きなダメージを受けている。疫病にも耐えられる体をつくることはひいてはまちの発展にもつながる」と述べ、市の発展に力を尽くすとした。
同商工会議所の夏山晃一顧問が、同市出身の岩出雅之監督率いる帝京大学ラグビー部の活躍を明るい話題として紹介し乾杯の音頭。新年の門出を祝った。
(2022年1月7日付紙面より)
潮岬在住の久保凛さんら (串本町 )
串本町潮岬在住の久保凛さん(13)=潮岬中2年=らが5日、皇后盃第40回全国都道府県対抗女子駅伝競争大会の和歌山県チームメンバーに選抜されたことを田嶋勝正町長へ報告した。
この大会は、都道府県ごとに中学2年生~社会人選手で結成したチームを対象として年1回、京都市を舞台にし日本陸上競技連盟が主催している。西京極総合運動公園たけびしスタジアム京都をスタート・ゴール地点とする全長42・195㌔の折り返しコースを9区間でつなぐ駅伝で、第3、8区(いずれも距離3㌔)が中学生限定区間となっている。
和歌山県チームを結成する和歌山陸上競技協会は昨年11月下旬実施の主催事業「第6回記録会」中学女子3000㍍種目を第3、8区走者候補の選考会と位置付け。久保さんは記録9分51秒99で1位となり、メンバーに選抜された。「出たいなと思っていた大会なので、メンバーに選ばれてうれしかった」と念願の選抜を喜んでいる。
この日は祖母でありジュニア駅伝串本町チーム監督の久保浩子さんや教育委員会教育課の山崎幸三さんらと共に報告に臨み、田嶋町長は「県代表に選ばれるのは素晴らしいこと。最高のコンディションで最大の力を出して頑張ってほしい」と激励するなどした。
同大会は16日(日)午後0時30分スタート予定。同県チームはその直前で選抜3人(同種目1~3位)の中から出走者を決めるとしていて、良好にコンディションと実力を保てれば1位の久保凛さんの出走は大いに期待できるという。久保さんは「走るかどうかはまだ分からないけれど、走るなら前の人をできる限り抜いて次の人(=第4区走者)につなぎたい」と実現の自信をにじませながら意気込みを語った。
同大会を共催する日本放送協会(NHK)によると5日現在、実施時はNHK総合テレビなどで様子を報じる予定という。
(2022年1月7日付紙面より)
賀詞交歓会で結束固める (那智勝浦町 )
那智勝浦町の南紀くろしお商工会は、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、町水産振興会、南紀勝浦温泉旅館組合の協力の下に5日、町体育文化会館で、2年ぶりとなる「新春の集い!~賀詞交歓会~」を開き、関係者ら約70人が参加した。
賀詞交歓会は商工業、観光、水産が一体となり町の活性化に寄与することが目的。新型コロナウイルス流行前までは毎年開催されていた。
南紀くろしお商工会の森川起安会長は、コロナ禍の現状からGoToトラベルキャンペーンの再開やインバウンドが戻ってくることなどに触れ、終息後が肝要だと主張。今回配布されたパンフレットの「目的に向かって準備を積み重ねる時」「ポストコロナに向け、(略)共通の目的を持って、持続可能な取組を図っていきましょう」の一文を紹介した。
今後については「観光協会の解散を巡ってさまざまなことがあったが、ラグビーで言うところの『ノーサイド』としてはどうか。熊野信仰やよみがえりの地、風光明媚(めいび)な自然、温泉、マグロがある那智勝浦町にとって最大のチャンスになる。行政や関係機関、団体、地域が一つとなって進む寅(とら)年であってほしい」と話した。
堀順一郎町長はこれまで町が実施してきたまちなか商品券などのコロナ対策や新宮市立医療センター産婦人科の分娩(ぶんべん)予約休止に関する対応など報告。「観光客は文化や幸せな町を見に来る。そのためには町民の方々が幸せと思えるような町にしていきたい」と語った。
また、この日は感染症対策のため、国歌や「一月一日」は歌わず、曲が流されたほか、恒例の鏡割りも行わなかった。荒尾典男町議会議長の乾杯の後、出席者は新年の抱負などを歓談し、交流した。
(2022年1月7日付紙面より)
恒例のマグロ初市 (那智勝浦町 )
はえ縄漁による生鮮マグロの水揚げ量が日本一の那智勝浦町の勝浦地方卸売市場で4日、初市が行われた。この日は高知、徳島、沖縄、宮崎、千葉、和歌山県みなべ町のはえ縄漁船7隻がメバチ、キハダ、ビンチョウの各マグロなど約52㌧を水揚げした。初市においては近年にない水揚げとなり、市場は50社約70人の仲買人が集まり活気づいた。クロマグロの水揚げはなかった。
初市開始前の午前6時50分ごろには式典が開かれ、堀順一郎町長はマグロの水揚げや町の水産振興に寄与する関係者らに感謝を述べ、「クロマグロの漁獲枠も増えたことは明るい兆し。町としてもさまざまな環境整備などにも尽力していきたい」と話した。
続いて、和歌山県漁業協同組合連合会の額田浩事務局長と勝浦魚商協同組合の木下勝之組合長があいさつ。同町議会の荒尾典男議長の音頭で乾杯後、初市が開始された。
県漁連勝浦市場の太田直久市場長は「初競りでの約52㌧は最近ではない漁獲量なので、上々の滑り出し。漁師の方によると、近海の漁場でビンチョウも釣れだしていると聞いている」と喜んだ。
資源の回復などから昨年12月の国際会議でクロマグロの漁獲枠が15%増となったことについては「各船に割り当てがあり、漁獲量としても増えると思う。昨年はコロナ禍で値段が下がっていたため、今年は落ち着いてほしい。勝浦で良いクロマグロが取れ、良い値が付くことを期待しています」と語った。
初市の水揚げ量はメバチが約300本、キハダ約200本、ビンチョウが約3000本の約52㌧だった。近畿や関東、東海地方へ出荷される。
(2022年1月5日付紙面より)
官公庁で仕事始め式
和歌山県庁や各市町村など官公庁で4日、仕事始め式があった。6日間の休業を終えた職員たちは首長らの訓示の下、気を引き締めて新しい一年のスタートを切った。
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新宮市役所別館であった仕事始め式には、職員や来賓の榎本鉄也市議会議長や東原伸也副議長ら約70人が出席した。田岡実千年市長が「『市政は市民のために』を忘れることなく、公約の実行や諸課題の解決に向けた取り組みを誠心誠意進めていく」と所感表明。
新型コロナウイルス対策やワクチン追加接種、市内経済の回復、防災、エコ広場、子育て支援策、市文化複合施設「丹鶴ホール」を中心とした文化振興・事業展開などを掲げ「市民生活に密着したソフト事業を強く推進していく」。
また、福祉や教育、医療、医師確保などのさまざまな諸課題に対し「『市民の誰もが元気で心豊かに暮らせるまち』の実現を目指し、職員と共に渾身(こんしん)の力を込め取り組んでいく」と誓いを新たに。
職員に向け「コロナ禍3年目。今年はウィズコロナ、アフターコロナを見据えた準備も必要。市民のため、市のためにしっかりと職務に取り組んでほしい」と訓示した。
榎本議長は「行政の真価が問われる時代となってきた。まだまだコロナ禍ではあるが、一丸となりまちの活性化のために市政発展の期待に応えてほしい」とあいさつ。速水盛康教育長が「これから先の展望をしっかりと築いて見据えながら、市の発展にご協力を」と述べ、万歳三唱で士気を高めた。
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那智勝浦町では、庁舎大会議室で仕事始め式を開いた。約50人の管理職の職員が出席し、今年一年の業務に取り組むに当たり、気持ちを新たにした。
町歌を斉唱後、堀順一郎町長は新型コロナウイルスの感染防止対策強化を提言。現在進める感染症関連の経済対策に触れ、「アンテナを張り巡らしていただき、町内で本当にお困りの方々を支援できるようにしたい。全国で実施するさまざまな取り組みの情報収集にも力を注いでほしい」。
新年度予算や若い職員への指導については「予算策定は何のために、誰のために行うのかを改めて考えてほしい。そして自分たちの仕事の意義についても考え、率先して若い職員の方々にも周知してほしい。今年も大変な一年になるかと思うが、奮起して取り組んでください」と呼び掛けた。
(2022年1月5日付紙面より)
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)、那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)、田辺市本宮町の熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)の熊野三山で3日、皇室の弥栄(いやさか)や国家安泰、氏子、崇敬者の願望成就などを祈願する元始祭が厳かに執り行われた。
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熊野速玉大社では、斎主を務めた上野潤権宮司が祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが国の平穏無事を願い「浦安の舞」を奉納し神職らが玉串をささげた。
神事を終え、上野権宮司は1940(昭和15)年に皇紀2600年を祝って作られた神楽「浦安の舞」の歌詞「天地(あめつち)の神にぞ祈る朝なぎの海のごとくに波たたぬ世を」に言及。「波風が立たず平和であってほしいとの祈りが込められている。今年は皇紀2682年。新型コロナや自然災害など、避けることのできない災いもあるが戦争は人間が生んだ災い。一人一人が地球環境や世の中のことを真剣に考えて手を携えていかなければ。個々の幸せとともに平和な世の中のために祈る一年になれば」と思いを語った。
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熊野那智大社では、本社と別宮・飛瀧(ひろう)神社で天皇の御位の大元始めをことほぎ、皇室の悠久と国運の隆昌(りゅうしょう)を祈った。
飛瀧神社では、那智の滝に向かい男成宮司が祝詞を奏上。巫女が「那智の瀧舞」を舞う姿を、参拝客がカメラや動画に収めるなどし見物した。
男成宮司は昨年と比較し年末年始の参拝客が増加したとし、「多くの方々にご参拝いただきありがたい。皇室の弥栄とともに皆さまの幸せや地域の繁栄をお祈りした。国民の一番の願いである新型コロナウイルスの終息も祈願いたしました」と語った。
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熊野本宮大社では、関係者ら13人が参列。九鬼宮司が祝詞を奏上した後、参列者が玉串をささげていった。
神事を終えた九鬼宮司は参列者に対し「この約2年間、新型コロナウイルスや変異株などにより厳しい状況が続いている。『今』という時間を大切にし、前へと進んでいただきたい」とあいさつ。
毎年、元始祭に合わせて参拝を行っているという「まなご充敏後援会『真清会』」の竹中伸会長は「今年も滞りなく終えることができ安心した。今後の市の発展などを祈願した」と話していた。
(2022年1月5日付紙面より)
新宮建築組合が釿始式 (熊野速玉大社 )
新宮建築組合(廣田昌弘組合長)は4日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で鎌倉時代から伝わる「釿始式(ちょんなはじめしき)」を営んだ。
釿始式は同大社の宮大工、小野家に伝わる仕事始めの儀式で、建築業界の発展を願い現在は同組合が継承している。
この日は組合員約20人が参列。白装束に烏帽子(えぼし)姿の東友一郎さん(51)がヒノキの原木(樹齢約100年超、長さ約4・2㍍、直径約23㌢)をお神酒で清め、伊勢田宣延さん(48)と柚木芳文さん(48)が墨を打った後、東さんが鎌倉時代から同大社に伝わるカギ型の大工道具「釿」を「エイ、エイ」と3カ所に打ち付けていった。
神事後、上野宮司は参列者に釿始めの歴史を紹介し「自然の中にある温かみや慈しみ、素晴らしい聖なるものを大切にするのが日本の民族。今年も一年、建築業界の発展を願っています」と奉仕に対して感謝を述べた。
廣田組合長(60)は「コロナの影響もあり、厳しい状況ではありますが、例年通り斎行することができて安心しました。気持ちを新たに頑張り、伝統を絶やさないよう若い人たちに継承していければ」と話していた。
(2022年1月5日付紙面より)