岩渕さんが風化防止講話 (新宮警察署 )
新宮警察署(山田守孝署長)で24日、紀伊半島大水害風化防止講話があった。那智谷大水害遺族会の岩渕三千生(みちお)代表が講師を務め「10年たとうが何十年たとうが気持ちは変わらない。災害で、自分たちのような遺族が出てほしくない」などと思いを語った。
2011年の紀伊半島大水害(台風12号災害)から10年の節目を迎えるに当たり、同水害の風化防止と災害から得た教訓を次世代に伝える目的で実施。検温や消毒など新型コロナウイルス感染防止対策が講じられる中、同署職員ほか、県警本部警備課、那智勝浦町役場、同町消防本部の職員ら約20人が参加した。
開催に当たり、同水害の犠牲者に対し、1分間の黙とうがささげられた。
岩渕代表は三重県紀宝町在住。同水害により那智勝浦町井関の実家に住んでいた、おいの紘明(ひろあき)君=当時(15)=を失った。また、水害後にボランティアで復旧作業に当たっていた父親の三邦(みくに)さん=当時(76)=が心不全で急死した。
水害の概要や当時の様子などについて説明した岩渕代表は「平成13(2001)年ごろに那智川が氾濫したことがあり、当時は床下浸水くらいだった。おやじはその当時くらいの被害だろうと、土のうなどを積んで2階に避難していたが、着替えのためにおやじ、おふくろ、紘明が1階に降りた時、鉄砲水に襲われた」。
「つかまっとけよ」。三邦さんは叫んだ。「分かった」。紘明君がそう応えた次の瞬間、「ドーン」という大きな音とともに姿は消えたという。
その1週間前、岩渕代表らは県の職員に対し那智川の大きな石の撤去や、老朽化していた堤防の修繕などを要望していたが、県の回答は「世界遺産だからできない」。岩渕代表は「人の命と世界遺産、どっちが大事なのか。1週間後、恐れていたことが現実になってしまった」と振り返った。
当時、警察署員の捜索活動の不備や、紘明君の捜索願いに対する処理に不手際があったことを指摘。発見された遺体の確認もままならなかった状況を説明し「警察に対しては不信感しかなかった」。
また、町に対しては「井関地区ではスピーカーが壊れており、給水車が来ていることが伝わっていなかった。町に公用車で放送しながら地区内を巡回してほしいと頼んだところ、クーラーを効かせた車が放送が聞こえないスピードで走っていた。町と那智谷の温度差がすごかった」などと回顧した。
那智谷を復興させるためのボランティアの会で避難路を造ったことや同遺族会の発足、災害写真集を発刊した経緯などを振り返り「写真集は忘れたらあかん、忘れさせたらあかんという思いで作った。忘れさせないためにも活動を続けていかなければ。それが(亡くなった)29のみ霊から託された使命だと思っている」。
「生きてたら何でもできる。死んだら何もならん。自分で判断して行動しなければ」と訴えた。
写真集の収益はこれまで13の地域に寄付しており、今年は静岡と九州に送る計画をしているという。
(2021年8月26日付紙面より)
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明治安田生命と包括連携協定 (串本町 )
串本町と明治安田生命保険相互会社(永島英器・執行役社長)は24日、包括連携協定を結んだ。相互連携と協働での活動を推進し、地域のニーズに迅速かつ適切に対応して町民の健康増進やサービスの向上を図る。
同社は「ひとに健康を、まちに元気を。」をスローガンに、継続的な健康増進を応援する「みんなの健活」と豊かな地域づくりへの貢献を目指す「地元の元気」の2大プロジェクトを展開している。
協定は「地元の元気プロジェクト」の一環で、2020年度から全国の地方自治体や銀行などと結んでいる。県内ではこれまでに和歌山市、海南市、高野町、橋本市、紀の川市、紀美野町が締結しており、串本町は7例目。当地方では初となる。
連携事項は▽地域の安全・安心や健康づくり▽結婚・出産・子育て支援▽産業・観光振興および地域経済の支援▽交流人口の拡大・環境保全▽地域の活性化および町民サービスの向上―に関することの5項目。町役場で開かれた締結式には田嶋勝正町長と企画・産業・福祉の各課長、明治安田生命の松尾洋・和歌山支社長、小堂和彦・新宮営業所長、大谷力哉・顧問、市場開発担当の西棟真由美さん、坂本充寿・紀陽銀行串本支店長らが出席した。
田嶋町長は「コロナ禍で経済や住民の健康などの状況は厳しい。『ウィズコロナ』『アフターコロナ』を地域としてどう頑張っていくかが求められており、職域を超えた連携は今まで以上に大事になってくる。町や地域のため力を合わせて頑張りたい」。
松尾支社長は関係者に感謝を述べ「協定による取り組みが地域に広く認知され、地域住民の健康寿命の延伸や地域の活性化につながるよう、ネットワークと各方面の広範な関係を活用しつつ県内に勤務する従業員約300人が一緒に汗を流して取り組んでいく」とあいさつした。
締結式後、「私の地元応援募金」の贈呈式があり、松尾支社長が田嶋町長に目録を渡した。
(2021年8月26日付紙面より)
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神内で延命地蔵の供養 (紀宝町 )
紀宝町神内の延命地蔵で24日、善光寺仏教婦人会による延命地蔵とオムラ不動明王の供養が営まれた。
毎年、1月24日に斎行される例祭後には餅ほりでにぎわいを見せ、8月24日夜には神内会館で延命地蔵盆踊り大会が開かれている。昨年からは新型コロナウイルスの影響で餅ほりや盆踊りが中止となった。
この日、供養を執り行った善光寺の一村桂晋住職は「地域の皆さんの幸せと健康、新型コロナウイルスの早期終息をお祈りしました」と話していた。
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■延命地蔵
この地蔵は別名「滝の地蔵」とも呼ばれ、奇岩(みさごの岩)の岩窟に祠(ほこら)があり、前方に「大洞の滝」が流れ落ちる。座像ではなく片膝をついた姿をしている。
「神内の伝承や昔話」によれば、祭り始めた当時は争い事が多かったため、いつでも立ち上がり、村の助勢ができるように身構えてくれていたとの言い伝えがある。
神内音頭の一節に「滝の地蔵」が歌われている。
(2021年8月26日付紙面より)
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わたぼうし音楽祭で審査員会特別賞 (太地町 )
1日に開催された「~障害のある人たちの心を歌う~第46回わたぼうし音楽祭」において、審査員会特別賞を受賞した野澤大輔さん(36)の功績をたたえ24日、太地町役場で表彰式があった。三軒一高町長から野澤さんに名前入りのギターストラップや表彰状が贈呈された。
新宮市佐野の社会福祉法人いなほ福祉会ワークショップゆうの利用者で、同町のグループホームあたみハイツで暮らす野澤さん。フォークデュオ「ヤブシン」の藍田真一さんにギターを師事し、2013年に誕生したバンド「ハリケーン」でギターとボーカルを担当している。
新型コロナウイルス感染症の影響でインターネット上での開催となった同音楽祭には、全国から680点の作品が集まった。野澤さんは「僕の一日」で「作詩・作曲の部」において、初応募でファイナリストに選ばれ、今回の受賞に至った。
三軒町長は「町民としてうれしい。心がこもった歌詞に感動した。コロナ終息後は町の催しなどで歌っていただけたら」と話した。
この日、野澤さんと共に表彰式に出席したグループホームの同居人で友人の佐藤孝則さんは「前とは全然違う大ちゃんの姿が見られて本当にうれしかったです」。
あたみハイツを運営する特定非営利活動法人七彩会の平谷瑞樹理事長は「七彩会として誇りに思う。今後も野澤さんやハリケーンを応援、バックアップしていきたい」。
町社会福祉協議会の岡本研会長は「社会に感動を与えてくれた。うれしい」とコメントした。
野澤さんは今回の表彰について「うれしいです。いろんな人に聞いてもらえるように曲を作ります。12月のライブも楽しみ」と笑顔で語った。
なお、12月に今回の受賞を記念した野澤さんのライブが太地町地域福祉センター梛(なぎ)で開催される予定。
(2021年8月26日付紙面より)
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県下高校野球新人戦
金剛寺の「二河の火祭り」 (那智勝浦町 )
那智勝浦町二河にある金剛寺で毎年実施される伝統の荒供養「二河の火祭り」は昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となった。当日の23日は役員やたいまつを投げる予定だった児童ら9人が集まり、来年の祭り斎行を願うとともに、供養のためのたいまつを持って宝篋印塔(ほうきょういんとう)に供えた。
荒供養は1510(永正7)年に始まったとされ、先祖代々の総供養も兼ねて地元の若者たちが継承してきた。二橋青年会が行事を受け継ぎ、青年会で保存会(大江政典会長)を組織して地元住民らと共に伝統を守っている。
大江会長によると、祭事は戦時中の一時期を除いて中止になったことはないという。
例年は白装束に身を包んだ若者たちが本堂で採り火し、種火を分け合って裏山へ駆け上がる。その後、宝篋印塔前でたいまつに点火し、架線を目掛けて次々に投げ上げる。その幻想的な光景を一目見るために地域内外から多くの人が集まる。
コロナの状況を鑑みて5月ごろに中止を決定した。当日9人は例年通りに本堂で黙とうし、採り火をして点火したたいまつを持って裏山を登った。目神八幡(めがみはちまん)の社と宝篋印塔にたいまつを供えた。
最後は塔の前に全てのたいまつを集めて火が消えるまでその様子を見守っていた。
大江会長は「現在の状況では中止は仕方ないと思うが残念。しかし、ずっと中止が続いてしまうと、祭りを支えてくれている皆さんの思いが薄れてしまうのが心配」。
来年については「伝統を絶やさないように、規模は縮小してでも来年は実施したいと思う」と語った。
(2021年8月25日付紙面より)
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寺子屋広場で10人が学ぶ (紀宝町 )
60~79歳の男女1万人を対象にした調査によると、シニア世代のスマートフォン所有率は約8割に上ることが分かった。昨年から今年にかけて、新型コロナウイルス流行に伴う家族との連絡といった需要が重なり、スマホの普及が加速したと考えられるという。
普及に比例して「スマートフォンの使い方が分からない」。そんな声も多く聞かれるようになった。
「使い方教えてよ」といった要望があって実現した「スマートフォン教室」が23日、紀宝町福祉センターであった。スマホを使いこなしたい10人が参加し、カメラやインターネットの使い方を学んだ。
町社会福祉協議会が主催し、地域住民らを講師に招いて関心のあることに挑戦する「寺子屋広場」として開催。手指消毒や検温、マスク着用など感染症対策を講じ、ドコモショップ熊野店の浦垣内順平さん、南尚克さんを講師に招いた。
浦垣内さんは、スマホを手に「スマホで撮影する際は、カメラアプリを起動し、撮りたい場面でシャッターボタンを押す。縦、横で持ち方を変えることでさまざまなアングルの写真を撮ることができる。撮影時はカメラに指が映り込まないよう注意する」などと説明した。
インターネットについては「電話以外はインターネットと思ってもらっていい。メールやラインもネットでつながっている」と紹介。参加者はネット画面を開いて知りたい情報のキーワードを入力し、検索にチャレンジした。
スマホ歴5年の石井基視さんは「最初は苦労したけど、使い出したら便利。今日の参加者で集まって勉強会を計画している。この教室がいい機会になった」と話していた。
(2021年8月25日付紙面より)
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三輪崎区で精霊送り (新宮市 )
新宮市の三輪崎海岸で15日、精霊送りが営まれた。初盆供養を迎える家族などが随時赴き、精霊を送り供養の機会とした。
三輪崎区(屋敷満雄区長)が毎年執り行う盆の恒例行事。例年なら同区の寺から祭壇や線香立て、花立てなどを借用の上、住職の読経の中行事を斎行していた。
今年は新型コロナウイルスの影響で、祭壇設置や読経は中止に。区役員ら約10人が同日の午前中に会場入り口にテントやライト、机を設置し、コロナ対策としての消毒液などを配置した。
線香立てはドラム缶を活用。半分に裁断し、中に砂を詰めた。役員らが常時会場で来場者を見守る中、午後1時から7時までと例年より時間を短縮して実施。延べ約700人が訪れ、線香を立てて手を合わせるなどして先祖の霊を見送った。
3世代の家族連れの姿も見られたと屋敷区長。「地域の人たちは非常に喜んでくれた。古き良き日本の姿を今に伝える伝統行事。これからも工夫して継続していけたら」と話していた。
(2021年8月25日付紙面より)
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社協もの忘れ川柳結果決まる (古座川町 )
古座川町社会福祉協議会の第3回もの忘れ川柳の入賞結果がこのほど決まった。最優秀賞作品は「久しぶり 本当は誰か わからない」。応募全作品を掲載した作品集を役場の本庁や出張所、保健福祉センター(町社協事務所窓口)や一部の郵便局で配っている。
この川柳は、認知症に優しいまちづくりの機運を高めるため年1回の頻度で募集。町内在住、在勤者を対象にし一人につき1~3句を受け付けている。今回は窓口のふれ愛カフェ♡よりみちや桜カフェが新型コロナウイルス感染症の情勢で十分に開けず町社協事務所主体で受け付ける中、7歳から95歳までの62人から計144句(前回比22人37句増)の応募があった。
今回は最優秀賞1点、優秀賞5点、特別賞14点を入賞とし、同感染症の拡大情勢で動きにくく前に賞状などを届けるため予定を繰り上げ16日に入賞者宅を回ったという。
第1回から関わる中核職員・久保由美子さんは「今回もほっこりとする句を多く寄せていただけた。連続入賞者や賞状を届けに行ったらもう来年の作品を考えめている人もいて、随分と興味を持っていただけるようになったと喜んでいます」とコメント。
第3回の作品集はA5判76㌻構成で600部作成。高齢者について最寄りの配布先へ取りに行けない場合は町社協へ連絡すれば普段の見守りに合わせて届けるという。
入賞作品は同センター内でも展示して紹介中。問い合わせは同町社会福祉協議会(電話0735・72・3719)まで。
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第3回もの忘れ川柳の入賞作品は以下の通り。慣例により詠み人は公表していない。
■最優秀賞
▽久しぶり 本当は誰か わからない
■優秀賞
▽爺さんや それは私の 入れ歯です
▽あれやがな あれってなにや あれやがな
▽買い物し 妻を乗せずに また戻る
▽探し物 夫婦喧嘩の キックオフ
▽杖忘れ 家にあるかと 走って戻る
■特別賞
▽うるさいな 夫のいびき なつかしい
▽久振り 毎日会っても ひさしぶり
▽愛あれば 許せるちょっとの もの忘れ
▽あんただれ 言われんように 紅をひく
▽置き忘れ さがしつかれて 買い求む
▽きみとぼく いつのまにやら ばばとじじ
▽さあたべよ ふたをあけたら 米のまま
▽財布ない 見つけた嫁が 疑われ
▽探しもの 忘れてコックリ 昼寝する
▽太りすぎ 食べることは 忘れません
▽もの忘れ 言った言わんで 口げんか
▽もの忘れ しぐさで通じる 老二人
▽忘れ合い あれないこれない 怒り愛
▽忘れても 友と話せば 気が晴れる
(2021年8月25日付紙面より)
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県下高校野球新人戦
国際交流イベントin図書館 (那智勝浦町 )
那智勝浦町教育委員会は23日、町立図書館で国際交流イベントin図書館「オーストラリアについて知ろう!!」を初開催した。昨年12月から国際交流員(CIR)として同町で活動しているミャオミャオ・イェさん(26)が講師を務め、絵本の読み聞かせを行ったほか、参加した児童7人とクイズやゲームを楽しみ親睦を深めた。
中国出身のミャオさんはオーストラリアに移住し、日本語や日本文化を勉強したという。その後、JETプログラム(語学指導等を行う外国青年招致事業)に参加。
英語、中国語、日本語が話せることから、同町に着任当時は町観光案内所で勤務。現在は役場観光企画課に席を置き、依頼があれば、町内飲食店の食事メニューなどの翻訳業務も行っている。
ミャオさんは「趣味は絵を描くことで、ラーメンが好き。将来は漫画を作りたい」と自己紹介。スライドを用いて、「オーストラリアの国土は世界で6番目に大きい」「国章はカンガルーとエミュー。どちらも前に進む動物なので国として前へ進みたいという思いからこの国章になったと伝えられている」「夏は12月~2月。日本と逆の季節になる。クリスマスは夏」などを説明した。
続いて、絵本「コアラのクリスマス」を日本語と英語で読み聞かせ、復習を兼ねたクイズでは積極的に解答する児童の姿が見られた。最後は動物の写真を模写し、グループ内で自身が描いた絵を見せ合い、動物を当てるゲームに取り組んだ。
イベントを終え、図書館からしおりが、サンタクロースに扮(ふん)した町職員から菓子などのプレゼント、ミャオさんから折り紙のカンガルーが贈られた。児童は「楽しかった」「もっと絵を描きたかった」と笑顔で感想を述べた。
ミャオさんは「楽しかった。オーストラリアを知ってもらえ、小学生の皆さんの知識や生活に触れることができて良かった。機会があればぜひやりたい」と語った。
(2021年8月24日付紙面より)
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9月4日にワクチン接種 (串本町 )
串本町が20日、新型コロナワクチンの一般(12~15歳)対象集団接種を実施する判断に基づき初回の対象者332人(9月4日基準)に案内を送付した。ワクチンはファイザー社製で、集団接種の実施日は9月4日(土)と25日(土)の2回。くしもと町立病院を会場にして行うという。
同町は9月末完了を目標にして今月3日から一般(16~64歳)対象の集団接種を始めた。その時点でファイザー社製のワクチンの接種可能年齢は12歳に引き下げられていたが、同町は年長優先の方針により12~15歳の接種を行うにしても終盤となることから案内の送付を一端保留。先行事例の状況を観察した上で接種の可否を判断する慎重対応を選んでいた。
その判断の節目が19日で、同町は地元医師からも意見を受けるなどして可と判断し翌20日に案内と接種券を対象者へ発送した。集団接種日は前述した通りで、対象者からの接種希望の締め切りは8月31日(火)必着としている。
国の同ワクチン接種期間は来年2月28日(月)までの予定。9月5日(日)以降に12歳となった子も期間内であれば接種の対象となるため、誕生月の1カ月前に順次案内などを送付する考え。接種券は同期間内で有効であることから、同集団接種以降は世代を問わず締め切り後も可能な限り追加の接種希望を受け付けて集団もしくは小規模(極力6人単位)で接種する機会を作るとしている。
その延長線上で生じる3月問題について同町福祉課の中田匠課長は「同級生で3月生まれだけが接種できないのはありえない」とし、国が期間の予定を今後どうするかを注視しながら今後対応を考えたいと話している。
問い合わせは接種関係窓口として開設中の同町コールセンター(電話0735・62・1560、平日午前8時30分~午後5時15分)まで。
(2021年8月24日付紙面より)
紀宝町では採火式を行ったばかり
三重県の鈴木英敬知事は21日、国内をはじめ県内全域でも新型コロナウイルスの爆発的な感染が拡大しているとして、9月25日(土)に開幕を予定していた「三重とこわか国体」の中止を文部科学省などに申し入れると発表した。
すでに無観客での開催が決定していたが、県民の命を守り抜くことを最優先した結果、今回の決断に至った。鈴木知事は「断腸の思い、苦渋の決断」と述べ「アスリートの活躍を失わさせてしまう形になってしまったことに心からおわびを申し上げます」などとコメントした。
10月23日(土)に開幕を予定している「三重とこわか大会」も、中止に向けた協議を進めるという。
両大会のシンボルとなる炬火(きょか)の採火式が県内各市町で行われており、紀宝町では中止申し入れ発表前の21日午前、町ふるさと資料館で開催した。
同町では当初、地元の小学生20人を集めて火おこしとバターナイフ作り、竹トンボ体験を計画していたが、新型コロナウイルス感染拡大のため中止となり、MANABI☆ボランチ(千葉寛訓代表)のメンバー7人が採火した。
メンバーはマイギリを使った昔ながらの方法で火をおこした。火種をトーチに点火して炬火受け皿に移し、「紀宝町の火」を誕生させた。県内全29市町で採火された「炬火」は、国体総合開会式で一つに集火し、炬火台へ点火する予定で、中止申し入れを聞いたメンバーは「紀宝町の火をおこした後に中止の申し入れを聞いた。残念です」と話していた。
(2021年8月24日付紙面より)
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紀伊半島大水害から10年 (新宮警察署 )
新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店で23日、新宮警察署(山田守孝署長)による災害パネルの展示が始まった=写真。展示は9月6日(月)まで。
台風12号により、紀伊半島の一部地域で雨量が2000㍉を超えるなど、記録的な豪雨をもたらした2011年の紀伊半島大水害。
豪雨により、当地域の各地で土砂災害、浸水害、河川の氾濫などが発生し、和歌山県、三重県、奈良県を中心に全国で死者82人、行方不明者16人を数えるなど、多くの尊い命が奪われた。
国土交通省のデータによると、土砂災害件数は106件に及び、崩壊土砂量は約1億立方㍍(京セラドーム大阪または東京ドームの約80倍の量に相当)と推測。地域経済にも大きな影響を与えた。
同署によるパネル展示は、同大水害の風化防止と地域住民の防災意識向上を目的として実施。新宮市や那智勝浦町などにおける、災害発生当時の警備活動の様子などを展示している。
(2021年8月24日付紙面より)
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串本古座・有田中央は敗退 (県下高校野球新人戦 )
ボーイズリーグ和歌山大会
勝小の高台造成進む (那智勝浦町 )
町内沿岸地域が「津波避難困難地域」の那智勝浦町は現在、町立勝浦小学校敷地内の造成工事に取り組んでいる。かさ上げと造成によって4000平方㍍の平地が確保できたため、完成後は災害時には多くの町民が避難できる高台となる。児童の登下校が行われない夏休み期間中に工事を完成させる予定。
工事は同校正門側の門柱から校舎やグラウンドへ続く坂道(通称・登校坂)までの区間に約8200立方㍍の土を入れ、2㍍かさ上げするもの。使用する土は紀伊半島大水害時に出たものと、同町の駿田山に建設中の消防・防災センター工事でできた残土を用いている。
昨年10月には勝浦4区の住民を対象に住民説明会を開催している。今年3月末までに大型車両が円滑に通行できるように、校舎のある大勝浦側の盛り土と舗装を実施。夏休み期間に入った7月21日から、今回の工事に取り掛かった。工事費は令和2年度予算で7950万円。国の緊急防災減災対策事業債も活用している。
消防・防災センターが完成するまでの間、町役場が被災した際には同校が災害対策本部となるため、広大な平地は避難生活を送る上で有効的に活用される。
平地の舗装区間は門柱から登校坂までの約130㍍と幅約6㍍間。町建設課によると、残土搬入は9割済んでいるという。しかし、8月に入り天候不良が続いていることから、残りの搬入や舗装には時間を要する可能性があるとしている。
夏休み期間後は雨水を排水するための側溝設置や横断溝の移設、敷地近くにある山側ののり面改修工事を行うという。
同課の井道則也副課長は「町内に高台は少ないため、町民の皆さまの安心・安全につながる避難場所。民家に近い箇所は振動対策などを丁寧に行いながら進めている。天候の関係もあるが、造成工事自体は夏休み中の完成を目指したい」と話している。
(2021年8月19日付紙面より)
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ウミガメ類ふ化シーズンに (串本海中公園 )
串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が今年も、飼育するウミガメ類が産んだ卵のふ化シーズンに差し掛かった。17日までに計17回の産卵があり、その回数は例年より多め。うち初産卵分が今、ふ化の時期を迎えている。
串本の海をコンセプトにして生き物を展示する同館。その象徴種としてウミガメ類を屋内外の各水槽で常時飼育していて、餌やり体験で来館者とのコミュニケーションも豊かに親しまれる存在となっている。
屋外水槽には後に増設したふ化場(砂場)が付帯。飼育担当の吉田徹副館長によると、今年は6月9日にアカウミガメが初産卵、次いで13日にアオウミガメが2年ぶりとなる初産卵をし、以降アカウミガメは5頭ほどで14回、アオウミガメは1頭で3回の産卵をしている。最終の産卵は7月28日。以降はふ化を待つ状況となっている。
要する日数は60日前後で、産卵の時期が遅いほどふ化が早まる傾向にある。必ずしも全ての卵がふ化するわけではなく、アカウミガメは初産卵分のふ化が今月14日から始まったが砂から這(は)い出た稚ガメの数は1桁とごく少数。同館では産卵の時期が早いほどふ化率が低くなる傾向があり、産卵数の約半数以上がふ化する状況は今後に期待するところとなっている。
今年の産卵分には、完全飼育第2世代「くしもトリオ」(クー、シー、モーの雌3頭で2010年生まれ)の卵も含まれているそう。モーの卵が昨年初めてふ化して同第3世代誕生となったが、今年も無事ふ化すればアカウミガメの成熟をさらに確信させる結果となる。
アオウミガメは2年前に1回産卵したがふ化しなかったため、今年ふ化すれば2017年以来となる。3回と回数が多く卵内での成長も順調で、20日ふ化予定の初産卵分が今年最初かつ4年ぶりの高いふ化率となることを願いつつ、その瞬間を待っている。
館内トピックス水槽の定番企画となっている卵の展示は、アカウミガメの7月7日産卵分から5個を取り出して実施中。砂中の環境を人工的につくって生かしていて、設定上で9月上旬ごろふ化予定という。
稚ガメはふ化後1週間ほど状態を観察し、餌を食べ出す段階になったら屋内水槽で来館者に紹介する。吉田副館長は「早ければ8月末ごろに今の1、2歳構成を0、1歳構成に戻して披露したい」と話している。
(2021年8月19日付紙面より)
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「県民の皆さまへのお願い」変更 (和歌山県 )
和歌山県は17日、新型コロナウイルス感染症政府対策本部が「緊急事態措置」を実施すべき区域に、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、京都府、兵庫県、福岡県の追加、「まん延防止等重点措置」を実施すべき区域に、宮城県、富山県、山梨県、岐阜県、三重県、岡山県、広島県、香川県、愛媛県、鹿児島県の追加を決定したことを受け、また、県内の新規感染者数が過去最高となったことから、県民に対し不要不急の外出自粛を要請すると決定した。
「安全な生活・安全な外出を心掛ける」から「不要不急の外出を控える」へと切り替えた。また、帰省に関しては「できるだけ控える」とし、既に帰省している人は家族以外との会食を控えるよう呼び掛ける。
学校への部活動に関しては▽県外の学校との練習試合などは禁止▽県内の部活動は慎重に▽家族に発熱などの症状があれば参加は控える。
また、「県外への通勤・通学は直行直帰し会食は控える」「県外への観光は自粛。県内もリフレッシュプラン2ndの利用は新規予約を控えるとともに、できる限り延期を」の項目を新しく設けた。
県では、直近1週間の人口10万人当たりの感染者数は、33・8と政府分科会が示すステージ4(爆発的感染拡大)の水準で過去最多となり、病床は515床に積み増した。仁坂吉伸知事は、17日の会見で「感染が拡大し続けた場合、まん延防止等重点措置の適用要請もあり得る」と話した。
(2021年8月19日付紙面より)
天御中主神社で神事斎行 (新宮市 )
新宮市佐野の天御中主(あめのみなかぬし)神社(髙橋正樹宮司)で16日、新型コロナウイルスの収束などを祈る神事が営まれた。佐野柱松実行委員会(瀬古尊夫会長)の役員ら7人が参列し、神様をたたえて地域の平穏無事を願った。
同委員会は例年、8月16日に新宮港緑地公園で「佐野柱松」を実施しているが、感染症拡大の影響から昨年に続き今年も中止を決定した。
柱松は害虫駆除などを願い、元は江戸時代から続く伝統的な火祭り。戦時中に一時中断し、1948年に佐野青年会が再開させたものの58年に途絶えていた。佐野区の有志区民たちが「祭りをよみがえらせたい」との思いから93年に復活させて以来、27年連続で開催を続けてきた。かつては「木本の花火か佐野の柱松」と語られており、地区の夏の風物詩になっている。
神事では、髙橋宮司が祝詞を奏上した後、瀬古会長をはじめ参列者がコロナウイルス感染症の収束や五穀豊穣(ほうじょう)、地域住民の健康などを祈願し、玉串を供えていった。
瀬古会長は「2年連続で中止となり非常に残念ですが、当地方でも感染が見受けられるため今は行うべきではないと思います。いつ、どこで誰が陽性となるか分からない。来年こそは収束し、何の心配もなく開催できることを信じて会員一同、気持ちを新たに頑張っていきます」と話していた。
(2021年8月19日付紙面より)
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各地区で盆行事営む (那智勝浦町 )
那智勝浦町の勝浦初精霊送り実行委員会(大嶽勝司委員長)は16日、同町築地の勝浦漁港で勝浦地区の初精霊送りを営んだ。参列した遺族らは手を合わせ、初精霊船を見送った。この日は天満地区など、町内各地でも初盆行事が営まれた。
勝浦地区では1955(昭和30)年に当時の青年会が、海を汚さない配慮から合同での行事を始めたという。現在は同実行委員会が中心となり、勝浦6区の区長や運営委員が協力。海翁禅寺、正念寺、法泉寺の住職が出仕し、地域挙げての盆行事となっている。
昨年に引き続き、アルコール消毒やマスクの着用に加え、各世帯最少人数での参列、一般焼香は行わないなど新型コロナウイルス感染症対策を呼び掛けた。
今年の初精霊は44柱だった。住職らの読経が始まり、各世帯の代表者が焼香を行った。灯籠を乗せて進む初精霊船に遺族が静かに手を合わせ見守った。
実行委員会の高齢化などに伴い、今年から追悼花火は業者に依頼。10分間の打ち上げ花火が町の夜空や海を照らした。
大嶽委員長は「雨も降らず、天気がもってくれて良かった。無事に終えることができて安心しました」と語った。
(2021年8月18日付紙面より)
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パラリンピックの採火式 (熊野市・南郡 )
24日(火)に開幕する東京2020パラリンピックの聖火の種火を採る三重県採火フェスティバル「採火式」が14日に紀宝町、15日に御浜町と熊野市で行われた。三重県内の各市町で採火された炎は15日に「三重県の火」として集火し、東京に向けて送り出された。
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紀宝町の採火式「きほうの火~絆・思いやりの灯(ともしび)~」は、町福祉センターで開催。就労継続支援B型事業アプローチの利用者6人と町社会福祉協議会の木下起査央会長、役場職員が参加した。
火打石で火種をおこし、利用者6人のキャンドルにともした火をたき火台に移した。その火を木下会長がランタンに点火し、「すべての人の絆が深まれば」との思いを込めた「きほうの火」が誕生した。
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御浜町は役場庁舎内でパラリンピックの「聖火」と三重とこわか国体・三重とこわか大会の「炬火(きょか)」を灯す採火式を行った。
町身体障害者福祉会の蛇端恵会長、町社会福祉協議会の川本集一会長らが出席。大畑覚町長が、町パラリンピック聖火「みはま未来への火」のサブタイトル「挑戦への感動は、ぼくらの夢への一歩」を考えた村井孝徳君(阿田和中3年)に最優秀賞の賞状と記念品を送った。優秀賞、町長賞も表彰した。
庁舎玄関前でミカンのバイオ燃料で点火した火を聖火と炬火にともし、庁舎内までリレーした。大畑町長は「パラリンピック、国体に出場する選手には最高の力を発揮してもらいたい。スポーツを通じて絆が結ばれることを期待する」と話していた。
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熊野市では有馬町の「道の駅熊野・花の窟(いわや)」(お綱茶屋)で採火式があった。あいにくの雨とあって、敷地内にテントを張って会場を設営。市身体障がい者(児)連合会の森岡寛佳会長や市内10福祉サービス事業所の職員ら14人が出席した。
一般観光客を含め約30人が見守る中、事業所の職員2人が火打ち石を使って麻の糸くずに着火。ランタンに移して記念写真撮影後、神々の故郷から思いを込めた「熊野の火」は、森岡会長らによって県総合文化センター(津市)へ運ばれた。
(2021年8月18日付紙面より)
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兄弟そろって予選突破 (日本クラシック音楽コンクール )
新宮市在住の下古谷奏明(かなめ)君(近畿大学附属新宮中3)と律武(りつむ)君(同高2)兄弟が、14日に和歌山県民文化会館小ホールで開催された「第31回日本クラシック音楽コンクール」において、2人そろって予選突破の快挙を果たした。2人は10月に大阪府で開催される本選に出場する。
同コンクールは、日本クラシック音楽協会が1991年から主催している、クラシック音楽のソロ、アンサンブルのコンサート。予選会、本選会は47都道府県のホールで開催しており、任意の自由曲で参加することができる。予選では部門は学生、一般関係なく審査され、その中で高得点を得た出場者だけが本選に進むことができる。
律武君は中学3年の時、得意のユーフォニアムで同コンクールに初めて出場して以来、3年連続の予選突破。奏明君は今年初めての挑戦で、兄・律武君のピアノ伴奏に合わせて奥深いチューバの音色を響かせた。
2人とも父・智久さんの影響で那智勝浦吹奏楽団に所属。今月10日に和歌山市で開催された第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で金賞を受賞し県代表に選ばれた近大附属新宮中高吹奏楽部にも在籍しており、クラブ活動と両立して練習を重ねてきた。
新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から関係者のみの無観客で開催されたクラシック音楽コンクールには、中学2年から一般の13人が出場。奏明君は「正確な音程感、重厚な音色、素晴らしい」「丁寧な良い演奏」、律武君は「美しい音色」「フレージング、ダイナミクスのコントロール、いずれも高い技術を持っている」などと講評を受け、それぞれ高得点を得た。
結果を受け、奏明君は「楽しく演奏できた。いつでも練習できたのは父と兄のおかげ」。律武君は「無事に突破できてほっとしている。審査講評で頂いた課題を見直し、本選につなげていきたい」と力を込める。
コンクールの前日に誕生日を迎えたという智久さんは「いいプレゼントになりました。本選でもいい演奏をしてほしい」と期待を込めた。
(2021年8月18日付紙面より)
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成人式実施の考えを公表 (串本町 )
串本町が16日、来春の民法改正後も20歳を対象にして成人式を実施する考えを公表した。
成年年齢を現行の20歳から18歳へと引き下げる民法の改正は2022年4月に施行される。これにより在り方が変わる慣習の一つが成人式で、改正が決まって以降、各市町村単位で現行の形をどうするかで議論が進む状況にある。
串本町は現行で1月3日を期日とし、その年度に20歳を迎える世代(同級生が2カ年に分かれないよう4月2日から翌年4月1日までの枠組みで対象を選んでいる)を招いて開く形を取っている。民法改正後も20歳を対象に実施する主な理由として▽18歳の大半が高校生であり進学や就職など人生選択の極めて多忙な時期にあたる▽飲酒や喫煙などの年齢制限は引き下げとならず引き続き20歳が重要な節目となる▽18歳に改めると初年度に限り18~20歳が招待の対象となるがそのための会場の確保や運営が困難―を挙げている。
4カ月半後に実施予定の「令和4年成人式」は改正前となるため、現行の形とする。同町教育委員会教育課によると対象は01年4月2日から02年4月1日に生まれた男女で、住民基本台帳に基づき139人(男74、女65)へ案内を送付する予定。他に送付の枠から外れたが同町にゆかりがある対象者の出席希望も受け付けるという。
「令和3年成人式」は新型コロナウイルス感染症の影響で延期するも式典挙行のタイミングを見いだせず、最終的に記念品の送付や貸衣装などのキャンセル料補助などの対応を取った。「令和4年成人式」は現状、実施する前提で準備を進めているが挙行は期日直前の同感染症の情勢を見ての判断となりそうな状況だ。
令和5年の成人式は改正後となるため、公表した考えに基づき期日を変えず実施する見込み。法律上の成年年齢が変わるため、式名を20歳の節目にふさわしい名称に改める予定としている。
(2021年8月18日付紙面より)
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近大新宮高、新宮高吹奏楽部
「金賞、そして関西大会出場!」。結果発表とともに喜びと涙が広がった。10日に和歌山市で開かれた第57回和歌山県吹奏楽コンクール高校小編成部門で、近畿大学附属新宮高校吹奏楽部(潮﨑敬祐部長)と県立新宮高校吹奏楽部(山本紗椰部長)がともに金賞を受賞し、県代表として21日(土)に開催される関西大会へ駒を進めた。
新型コロナウイルス感染症の影響で、コンクール開催は2年ぶり。当初は9日に高等学校小編成部門を予定していたが、台風による警報発令で急きょ翌10日に延期となった。3密防止などの観点から、会場での結果発表は行わず、県吹奏楽連盟ホームページ(HP)で公表した。
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創部以来初の関西大会出場を決めた近畿大学附属新宮高校は、「天満月(あまみつき)の夜に浮かぶオイサの恋」を演奏。帰校後に潮﨑部長と請川千織副部長がHPを確認して結果を発表し、部員たちは歓声を上げて喜びを分かち合った。
潮﨑部長は「演奏を終えて、『これはいける』という手応えがあったわけではなく、うれしさもあるが、どちらかといえば驚いた」。関西大会に向けて「まずは演奏の中で見つかった課題を直したい。部として初めての関西大会に行くので、楽しめたらと思う」と語った。
指揮をしたクラブ講師の南木啓司さんは「生徒たちの頑張りに、良い評価が出てうれしいの一言。関西大会では、各県のコンクールを勝ち抜いてきた学校がどのような演奏をするのかも楽しみにしている」と話していた。
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新宮高校はコンクール曲として「バルバレスク~ウインドオーケストラのために」を演奏。亀谷覚史顧問から結果発表を受けた山本部長は「めちゃくちゃうれしいです。でも、ここでは満足していなくて、まだまだ良くなるところがいっぱいあるので、さらに自分たちの演奏に磨きをかけたい。関西大会でも、みんなで後悔が残らない、楽しい演奏ができたら」。県吹奏楽コンクールを振り返り、「亀谷先生の『君たちならできる』という言葉に励まされ、1日本番が延びたくらいで気持ちがそがれることは全然なかった」と語った。
亀谷顧問は部員に向け「本番でベストに近い演奏ができたが、ここはまだ出発点。君たちはもっとすごい可能性を秘めている。近大新宮という良きライバルを得て、おごらず次に向けて気を引き締めていこう」と呼び掛けていた。
(2021年8月12日付紙面より)
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学校給食米の収穫始まる (串本町 )
串本町高富にある再興田で11日、学校給食米の収穫が始まった。地産地消生産者組合(山下敏文組合長)による取り組みで、山下組合長は「2学期最初の給食に新米が届けられるよう作業を進めたい」と意気込んでいる。
この組合は、学校給食における地産地消を推進し、併せて休耕地解消の役割も帯びて2009年に発足。学校給食センターセンター設置による全町規模の学校給食開始により、現在は会員22人で借り受けた休耕用を再興し年14㌧の納入を見据えて生産に励むところとなっている。
この日収穫したのは坂本渡副組合長(68)が担当する再興田で、2学期に新米を間に合わせる計画で品種・コシヒカリを栽培している。今年は苗の育ちが良く、例年より一足早く田植え。後の長引く梅雨で成長が鈍り心配もしたが梅雨明け以降の好天続きで持ち直し、台風や豪雨などに見舞われることもなく上々の実りを迎えたという。
坂本副組合長は「子どもたちが『おいしい』と言ってくれることが何よりうれしく、生きがいにもなっている。それは山下組合長をはじめとして組合員全員が思っている」とやりがいを語りつつ、愛用のコンバインで収穫。
今年最初となる坂本副組合長の収穫作業を見守った山下組合長は「組合員の高齢化が進み今年も1人が引退したが、新たに40歳のIターン者が加わり30㌃ほどを作ってくれている。後継者がいないという心配が尽きない中なので若手の入会はうれしい限り」と同組合の近況を語り、努力を重ねて届ける地元の米で子どもたちが元気に頑張ってくれることを願った。
収穫時期は組合員によってまちまちで、今年も9月中旬ごろまでそれぞれに作業を進めて必要量を確保するという。
(2021年8月12日付紙面より)
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太田の郷でビデオ撮影 (那智勝浦町 )
和歌山県は今年11月に予定している在外和歌山県人会と県内小・中学生、高校生のオンライン交流会「わかやま国際ネットワーク」に向け、ビデオメッセージを製作している。4日には那智勝浦町南大居の交流センター「太田の郷」で撮影会があり、2019年の「第1回和歌山県人会世界大会」で在外県人をもてなした太田小学校の児童らが「また会える日を楽しみにしています」と言葉を贈った。
和歌山県はこれまで約3万3000人の海外移住者を送り出している全国6位の移住母県。アメリカやアルゼンチン、ペルーなど世界各地に移住した県出身者は、現地で親睦や相互扶助のために県人会を組織し、団体数は現在16に上る。
19年には、国内外の県人会が一堂に会し、ふるさとを離れた人々の郷土への誇りを高めることを目的に世界大会を初開催。太田小学校で開かれた交流会では、児童がふるさと巡りツアーで訪れた170人に「豊年太鼓」を披露し、一緒に高菜のすしを作って味わった。
ビデオメッセージでは、児童と食事処「太田川のめぐ味」の調理員が高菜のすしを作る様子を撮影。児童はペルーやメキシコの人々から土産の菓子やピンバッジをもらったことを思い出して盛り上がっていた。
太田の郷の石田一事務局長は「在外県人の方々はふるさとの文化を継承していくため、現地で日本料理研究会を開いていると聞いた。世界大会では高菜のすし作りが好評で、レシピが欲しいと言われ、英語訳やスペイン語訳を渡した。ビデオメッセージでその時のことを思い出してもらえたら」と語る。
第2回和歌山県人会世界大会は2023年を予定している。県ではそれに向けて毎年11月を「わかやま国際スピリット」推進月間とし、各地の和歌山県人会とさまざまな交流事業を実施していく。
(2021年8月12日付紙面より)
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高校生がスプレーボトル寄贈 (美熊野福祉会 )
新宮市在住の榎本未来(みく)さん(近大附属新宮高校3年)は10日、社会福祉法人「美熊野福祉会」の障害者自立支援施設「ワークランドそら」(橋上慶一施設長、同市佐野)を訪れ、消毒液のスプレーボトル36個を寄贈した。
妹の琹乃さん(17)が同施設を利用する未来さん。「コロナがはやっている中で、感染拡大予防のために自分にできることはないかと考えた。同施設には日頃からお世話になっているので感謝の気持ちも込めた」と寄贈のいきさつを語る。
「一人一人の好みに合うように」。そう思いを込め、手のひらサイズのボトルには、人気アニメのキャラクターのイラストやデコレーションシールを貼るなど、一つ一つに飾り付けを施した。
寄贈を受け、橋上施設長は「温かいプレゼントを頂き、私もすごくうれしい」と感謝を示し「コロナ禍だけど、感染予防をしながらみんなで頑張っていこう」と利用者らに呼び掛け。
利用者を代表し、大井法子さんが「私たちのことを考えて、いつも楽しく持ち歩けるようにかわいくきれいな飾りまで付けていただき、明るい気持ちになることができます。本当にありがとうございました」と感謝を伝えた。
未来さんは「明るく、楽しい気持ちで感染対策をしてほしい。コロナ禍で家から出られず、利用者の方もストレスが多いと思う。『そら』で楽しく過ごしてほしい」と思いを寄せた。
(2021年8月12日付紙面より)
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平安時代の熊野詣でを現代に再現する「あげいん熊野詣」(同実行委員会主催)の開催の可否を決める会議が3日、那智勝浦町商工会館で開かれ、出席した委員ら11人が意見を出し合った。協議の結果、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、昨年に引き続き催しの中止が決定した。
前観光協会に代わり、今回から一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)が事務局となった。理事長の堀順一郎町長は「昨年より厳しい状況。催しは密になるため、開催は今年も難しいと考えている」とあいさつ。
開催可否についての協議では委員から「催しの開催は10月。現状では様子を見ていては準備など間に合わないのでは」「ワクチン接種も進んでいる。密を避け、縮小化して実施してはどうか」「やってほしいのはやまやま。しかし、何かあってからでは遅く、開催は難しいという意見も多い」「有事の際にイベントをして結果オーライとなるのは難しいのでは。さまざまな方法を考えて現状に応じたイベントをやるべきでは」「参加は地元で固めて縮小して行うか、オンラインを用いての開催もあると思う」などの意見が上がった。
長雄正紘実行委員長は「マスクをして大門坂を歩くのは厳しいはず。中途半端には実施せず、中止なら中止とすべき。終息後に本来の形で開催したほうが良いと思う」と話した。
観光機構の村井弘和事務局長は補助金の活用やイベントを専門とする事業者を巻き込んで持続可能な催しを進めていきたいとした。
堀町長は「安心安全が重要。来年は現状も変化している可能性がある。イベント会社からは方法などのアドバイスをもらう。もちろん、皆さまにご意見を頂きたい。今はそれに向けての充電期間と捉え、新しい形を検討していきたい」と語った。
委員からは町民への周知や、中止だけでなく次回のために催しや町のPRも町ホームページなどに掲載すべきではと提案があった。
(2021年8月5日付紙面より)
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紀の国わかやま文化祭に向け (新宮市 )
10月30日(土)から開催予定の「紀の国わかやま文化祭2021」(第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)に向け、市内の3団体が折り鶴によるきいちゃんのモザイクアートを完成させた。
県民一体となって文化祭を盛り上げることを目的に、同文化祭和歌山県実行委員会が県内の福祉事業所や学校、保育所などと連携して取り組む3大プロジェクトの一つ。
蓬莱地区民生委員児童委員は文化祭中に市文化複合施設「丹鶴ホール」で開催される「手話狂言」をイメージして「演劇」の図柄を選択。サロンなどで地域住民へ協力を募り、回収した約700羽の鶴を清水八重子代表がパネルに貼り付けた。
新宮市ボランティア・市民活動センター「結夢」は、5・7・5の初句の情景から次の句を想像して句を連ねていく文芸「連句」の図柄を製作。センターを訪れた人々が一羽一羽心を込めて折り、完成にこぎ着けた。
熊野川町の地域住民らで組織する「チームくまのがわ」は、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛の中、住民同士が直接会えなくても一緒にできる取り組みを、と参加を決定。普段折り紙をしない高齢者も細かい作業に苦戦しつつ、積極的に協力したという。
完成したモザイクアートはいったん県が回収し、文化祭期間中に県内の会場で来場者をもてなす。
(2021年8月5日付紙面より)
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16~64歳未接種者対象に (串本町 )
串本町が3日、くしもと町立病院で一般(16~64歳)対象の集団接種を始めた。当初計画した接種順位の最終となる集団接種で、同町は9月末完了を目指して臨んでいる。
この接種は、6月18日付で対象年齢の未接種者6290人へ発送した案内に基づき実施。先月16日に事前希望を締め切っているがその後も事前希望が届いていて、まずは締め切りまでの事前希望者を年長優先で、その後に締め切り翌日以降の事前希望者の接種を行う流れで対応している。
締め切り時点での事前希望者数は4142人。対象のうち▽基礎疾患を有する人▽在宅サービス従事者▽保育士等―の計1054人(確定数)は先月17、18日実施の優先接種〈1回目〉に回ったため、残りの3088人を集団接種に充てて日時を通知している。締め切り後の事前希望数は今月3日時点で145人だという。
集団接種の実施日は基本、火、水、金、土、日曜日としているが週によって行わない曜日があり、平均して週3日程度実施する予定。他方、平日の医師による問診を土、日と同じ3診体制にし、1時間当たりの接種頻度を120人に上げて対応している。
同町は年長優先のおおよその目安を予定として公式ホームページ上で公表しているが、福祉課の中田匠課長によると締め切りまでの事前希望者については2回目も含めて9月中に接種できる(予定が繰り上がる)見込み。「締め切り後の事前希望者も含めて、9月末までに一般対象の集団接種を完了できれば」と話している。
同町が接種しているワクチンはファイザー社製。接種可能年齢の引き下げに伴う12~15歳への接種は未定。今しばらく状況を見て実施の有無を判断したいとしている。
集団接種初日に1回目を受けた林貴子さんは、町外に出ている子どもと会える状況を保つため接種を希望したそう。「やっと打てたかなという印象」と進展を喜んでいた。
(2021年8月5日付紙面より)
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新宮市の川合啓介さん (和歌山県 )
和歌山県は、退任した自治会長に知事感謝状を贈呈した。東牟婁振興局管内の対象者は6人。3日には地域振興部の吉川暢泰副部長らが新宮市新町の川合啓介さん(63)の元を訪れ、「今後とも健康に留意され、後進に経験をお伝えいただければ」と賞状と記念品を伝達した。
県では毎年、長く自治会活動において活躍し、地域の発展に尽力した人に対し感謝状を贈っている。本年度の対象者は48人(うち物故者8人)。
川合さんは1989年、25歳の時に相筋第二町内会長に就任。以降、通算16年6カ月にわたり同町内会長を務めてきた。「生まれ育ち、親しみ深く大好きな町内。自分のできる限りのことをさせてもらいたいと思った」と話し、「みんな楽しく、でも負担にならないような運営を心掛けてきました」と振り返る。
例に漏れず高齢化が進む町内の現状に言及。「かつては祭り(熊野速玉大社例大祭)の時には町内も神輿(みこし)や踊り、若いお母さんたちが創作踊りで参加してにぎわっていた」と当時を懐かしみつつも「時代は変化する。隣近所が寄り添って、静かに安全に生活できれば、そんな思いでやってきました」。
助け合い、支え合う。「古き良き日本」の姿を生まれ育った町内に映す川合さん。「役員さんは自分より若い人ばかり。その人たち中心に盛り上げていってくれたら。これからも自分にできることをお手伝いさせていただきたいと思う。みんなが安心して楽しく暮らせる町内であってほしいですね」。笑顔でそう語り、後進に期待を込めた。
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管内で感謝状の贈呈を受けたのは、次の皆さん。
▽川合啓介(相筋第二町内会、新宮市)
▽馬欠場利喜夫(中央通り町内会、新宮市)
▽瀧口定延(大桑区長、古座川町)
▽根木芳久(成川区長、古座川町)
【物故者】
▽西山 勝(西赤木区長、古座川町)
▽野口 晃(小森川区長、古座川町)
(2021年8月5日付紙面より)
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県中学校総体剣道競技の部