新嘗祭とサッカー必勝祈願祭 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で23日、「新嘗祭(にいなめさい)」と、同日夜に2022サッカーワールドカップカタール大会で初戦を迎える日本代表チームの必勝祈願祭を営んだ。自然の恵みに感謝するとともに、日本代表選手らの健闘を願った。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年に取れた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。神前に穀物などがささげられ、上野宮司が祝詞を奏上。巫女(みこ)たちが「浦安の舞」を奉納した。
必勝祈願祭には、地元のサッカー愛好家や新宮サッカースポーツ少年団の子どもたちも参列した。
なお、先月27日には、(公財)日本サッカー協会の田嶋幸三会長、反町康治技術委員長、宮本恒靖理事らが同大社を訪れ、チームの健闘を祈願。同協会では、日本サッカー協会のシンボルマークである「ヤタガラス(八咫烏)」と日本近代サッカーの始祖といわれる那智勝浦町名誉町民の中村覚之助の古里である熊野において、2002年ワールドカップ日韓大会から熊野三山一寺で必勝を祈願している。
神事に参列した子どもたちは「今日の相手(ドイツ)はかなり強いけど全力で頑張ってほしい。ヤタガラスが見守ってくれると思います」と笑顔。
上野宮司は「新嘗祭では全国からお供えいただいた新穀をお供えさせていただき、天恵に感謝しました」。
ワールドカップに関して「スポーツを通して世界が一つになり感動を分け合うのは素晴らしいこと。世界平和を願う祭典に参加できる日本を誇らしく思う。ヤタガラスの力を頂き、けがのないように頑張って感動する試合を見せてほしい」と思いを語った。
なお、同日に行われたドイツ戦において、日本代表はドイツ代表に2―1で勝利。27日(日)にコスタリカ、12月1日(木)にスペインと対戦する。
(2022年11月25日付紙面より)
熊野那智大社で新嘗祭・献穀講祭
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)は23日、「新嘗祭(にいなめさい)・献穀講祭(けんこくこうさい)」を営んだ。
新嘗祭は古くから伝わる宮中儀式の一つで、天皇陛下がその年にとれた五穀を神々に供え、自身も食して収穫を感謝する祭り。
同大社でも神前に新しい穀物などをささげ、農作物の恵みに感謝した。責任役員や町内の農家からなる献穀講員ら18人が参列し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈った。
祭りでは男成宮司が祝詞を奏上し、正装した2人の巫女(みこ)が「浦安の舞」を奉納した。献穀講代表の大江清一さんらが玉串をささげた。
大江さんは「近年は異常気象が続いており、農家にとっては不安がある。本日は来年の豊作を祈願するとともに、皆さまが安心して暮らせるように、新型コロナウイルス終息も祈りました」と話していた。
(2022年11月25日付紙面より)
熊野本宮大社(九鬼家隆宮司)は21日、新宮市徐福のJR新宮駅(坂本純一駅長)を訪れ、九鬼宮司が来年のえと「癸卯(みずのとう)」を描いた絵馬を寄贈した。坂本駅長は「毎年頂き、ありがたい」と感謝を述べた。
新宮駅は毎年、熊野三山の各大社から絵馬の寄贈を受け、ホームに飾っている。来年の「癸卯」の絵馬を届けたのは熊野本宮大社が一番早かった。新宮駅に届けた絵馬は五角形となっており、大きさは周囲の木枠を除いた画面の最大部で横が103㌢、縦が80㌢となっている。
熊野本宮大社は新宮駅のほか、いずれもJRで紀伊田辺駅、白浜駅、周参見駅などにも絵馬を寄贈している。各駅のある市町のイメージで背景の色を変えており、新宮駅は「海・山・川」などの自然をイメージした緑だった。月を仰いで祈るウサギが描かれ、「祈」「安全」「平和」「コロナ終息」などの文字も揮毫されている。
九鬼宮司は「串本町でロケットの打ち上げが予定されていることから、月は宇宙と熊野がつながるイメージで描いた。新宮駅に来られる方の安全、新型コロナの終息、世界の平和などをウサギが祈っているイメージ。来られる方を笑顔でお迎えし、熊野の良さを発信していただければ。絵馬が熊野三山をイメージされるきっかけになり、それぞれに足を運んでいただければ幸い」と語った。
坂本駅長は「このような素晴らしい絵馬を頂き、ありがたい。新宮駅を訪れる人に見ていただき、当地方を回っていただいて、これまでコロナ禍で辛抱してきたところもあると思うので、今後は皆さんが飛躍していただけるような年になればと思う。絵馬を見て、熊野三山や熊野古道に足を運んでいただければ」と述べた。
(2022年11月25日付紙面より)
多くの来場者が花火楽しむ (那智勝浦町 )
那智勝浦町は22日夜、同町の勝浦湾・渡の島で「海の章」と題し、関西初となる新色「エメラルドグリーン」の花火を打ち上げ、同町の秋の夜空に大輪を咲かせた。合計2000発が打ち上げられ、多くの見物人から拍手や歓声が上がった。
3年連続で中止となった那智勝浦町花火大会に代わるイベントとして町独自で計画。花火大会の実施を望む町民の声を受け、コロナ禍で疲弊する町を元気づけるとともに、町の活性化につなげることが目的だという。
イベントでは15分間の花火を2度に分けて披露するもので、初回の13日には「山の章」と題し、紅葉と那智の滝しぶきの競演を表現した花火が打ち上げられた。
2回目は20日に実施予定だったが、天候不良でこの日に延期となった。町職員らは見物場所付近に待機し、来場者の安全確認や交通誘導に努めていた。
午後8時、美しい光の大輪が夜空と勝浦湾の水面(みなも)を彩った。その光景を見物したり、写真や動画に収めようとする来場者の姿が多く見られた。終了の際は大きな拍手が送られた。
この日、家族と共に見物に訪れていた同町湯川に住む清水弘治さんは「間近で見ることができ、迫力があった。とてもきれいだった。温泉街で花火が3年間ないのは寂しい。少しずつでも、コロナ禍以前の日常に戻ってくれればうれしい」と話していた。
(2022年11月25日付紙面より)
新宮市熊野川町の若もの広場で15日、「第13回ふれあいグラウンドゴルフ大会・熊野川」が開かれた。秋晴れの下、地域住民や市立熊野川中学校の生徒ら計131人が集い、和気あいあいとプレーした。
高齢者らの仲間・健康・生きがいづくりやひきこもり防止を目的に毎年開催している大会。熊野川区長連絡協議会、公民分館、ゆうゆうクラブ熊野川支部、福祉委員会、民生委員児童委員協議会などで組織する「熊野川ふれあい交流事業実行委員会」(木村康史・実行委員長)が主催し、市社会福祉協議会が後援
している。熊野川中学校の生徒22人も受け付けや審判、司会で運営に協力した。
木村実行委員長は「久しぶりに顔を合わせる人、毎日会っている人、いろいろだと思うが、最後の餅ほりまで楽しく愉快に交流して」。同中生徒会の中前幸太会長は「今日晴天に恵まれたのも、皆さんの日頃の行いが良いからでは。元気にグラウンドゴルフを楽しみましょう」とあいさつした。
参加者たちは4~6人のチームで8ホールを2周。芝生の難しいコースに「全然飛ばないねえ」「逆に行きすぎた」と盛り上がった。初プレーの中学生たちは、あさっての方向に飛んでいくボールに苦戦しながらも、チームの参加者らに教わって徐々にこつをつかんでいた。
終了後には、最高齢102歳の奥栗枝さんに特別賞が贈られていた。
(2022年11月17日付紙面より)
第24回西向子ども祭り (串本町 )
串本町立西向小学校で12日にイベント「第24回西向子ども祭り」があり、同校の児童やその家族、教職員や校区内の住民など地縁者が挑戦や鑑賞などを楽しみながら一体的に親交を深めた。
同校(山本隆介校長)と同校育友会(谷端純会長)が実行委員会を立ち上げて計画した親子・地域交流行事。毎年晩秋に開いていて、今年も新型コロナウイルスなど感染症予防のため餅つきやバザーの再開はできなかったが代わりに新規企画を取り入れて内容を充実し各自感染症予防の協力を求めて来場を呼びかけた。
今回も子ども祭りとミニ演芸会の2部構成。子ども祭りではわたがしやアイスクリーム、菓子つりや積み木、昔遊びや刺しゅう糸のミサンガ作り、共同制作「メッセージツリー」など各コーナーに分散して密集を避け、児童はチャレンジランキングと題して▽丸太きり競走(目分量で重量1㌔の切り出しに挑戦)▽ビー玉つまみ・皿うつし▽割り箸落とし▽空き缶積み〈新規〉▽ピンポンカップイン〈新規〉―に挑戦した。
ミニ演芸会では西向小1~3年生、4~5年生、6年生の3組がそれぞれ音楽発表をし、ゲストの県立串本古座高校吹奏楽部の演奏を鑑賞した。1~3年生と4~6年生別で同ランキングの成績上位発表もあり、拍手で達成者を称賛。実行委員会を代表して谷端会長が実施に対する協力への感謝を掲げ、引き続きの西向小への支援を呼びかけて締めくくった。
(2022年11月17日付紙面より)
朗読劇で知る地域の偉人 (神倉小学校 )
新宮市立神倉小学校(藪中秀樹校長)で15日、一般社団法人「熊野新宮ミュージアム」(池上順一代表理事)による東くめの朗読劇「鳩ぽっぽのものがたり~東くめさんと基吉さんのこと~」があった。5年生64人が観覧し、地域の偉人であるくめの功績を学んだ。
神倉小学校運営協議会(下岡輝子会長)が同校と行う「ヤタガラス子ども未来プロジェクト~ふるさとの未来を託せる子どもの育成~」に協力した。同協議会は、保護者OBやボランティア有志などの協力も得て、同校児童のふるさと学習を、学校とともに推進している。同日は、新宮市が輩出した偉人として西村伊作や佐藤春夫、くめを紹介する取り組みを行っている、熊野新宮ミュージアムが朗読劇を行うことになった。
朗読劇は、日本で初めて口語体で幼稚園唱歌を作ったくめと、その夫で幼稚園教育の研究者だった基吉の功績などを分かりやすく紹介するもの。出演者も市出身の米本有希さんが若年、早藤真里さんが晩年のくめ、西庄英二さんが基吉を演じ、向井莉加さんがピアノを担当した。
くめ、基吉の両者ともに、新宮市(当時は新宮町)の出身であること。くめが作る以前は子どもが口ずさめるような易しい口語体の歌はなかったことなどが紹介された。くめと基吉の会話として、口語体の幼稚園唱歌の誕生のいきさつを再現。くめが作詞、滝廉太郎が作曲を行い、「鳩ぽっぽ」が誕生したことを語った。
向井さんのピアノ演奏に合わせた、米本さんの歌唱もあった。「鳩ぽっぽ」のほか、くめ作詞の「お正月」「かちかち山」などを歌った。児童らは、朗読劇、歌唱のどちらも、熱心に眺め、静かに耳を傾けていた。
児童を代表して佐藤伶菜さんが「朗読劇を通して東くめの功績を学べた。子どもから老人まで誰でも知っている曲を新宮市の人が作ったことを誇りに思う」と感想を述べた。
(2022年11月17日付紙面より)
開運暦の発送作業進む (那智山青岸渡寺 )
那智勝浦町の那智山青岸渡寺(髙木亮英住職)で、来年の「那智山開運暦」の発送作業が大詰めを迎えている。今月中に北海道から沖縄県までの全国各地の信者約1万7000人に発送する予定で、15日は髙木住職と髙木智英副住職ら4人が発送作業の追い込みに入った。
那智山開運暦はB6判32㌻で、平常公開されない同寺秘仏の如意輪観世音菩薩(ぼさつ)のお前立ち像が表紙を飾る。
▽方位吉凶図と解説▽九曜星の年齢と吉凶▽六曜星と七曜星の吉凶▽結婚の吉凶▽1月から12月の運勢▽二十四節気の解説―などに加え、来年完成予定の熊野信仰・山岳宗教のシンボルとなる行者堂の完成予想図も掲載されている。
この日は開運暦と優待参拝券などを封筒に詰める作業を進めた。同寺では発送作業を終えた後は、祈とう札の準備や大すす払いなどの迎春準備に取り組むという。
髙木住職は「来年はうさぎ年で飛躍の年。新型コロナウイルス終息や世界平和、明るく穏やかな年となることを祈っている」と語った。
希望者には1部300円(送料込み)で発送する。問い合わせは那智山青岸渡寺寺務所(電話0735・55・0001、〒649―5301 那智勝浦町那智山8番地)まで。
(2022年11月17日付紙面より)
第10回ジュニア料理選手権 (太地中学校 )
太地町立太地中学校の川端咲月さん(3年)が考案した「超梅ぇ~‼梅タルタルソースのマグロカツのバーガー」が、第10回ジュニア料理選手権のオリジナルレシピ部門中学生の部で、全国1万6721件の応募の中から特別審査員賞に輝いた。
「がんばる人のチカラになるごはん」をテーマとするコンテストで、株式会社オレンジページと味の素株式会社が主催。健康やフードロス削減など、料理を作る際の工夫や思いも審査対象になる。
「テーマを見た時、いつも仕事を頑張る母の顔が浮かんだ」という川端さん。考案したバーガーは、ニンジンとカボチャを練り込んだ優しい甘さのバンズに、厚切りのマグロカツと特製の梅タルタルソース、アボカドやトマトなどの野菜を挟んだもの。タンパク質やミネラルが豊富な地元の食材を使い、栄養・ボリューム満点ながらさっぱりと食べられるよう工夫した。
一番こだわったのは梅タルタルソースで、紀州南高梅を使用し、大葉や風味調味料を加えることで、どんな揚げ物にも合う逸品に仕上げたという。
オンラインで開催された「最終審査会&表彰式」では、料理研究家の藤野嘉子さんが「誰の心も胃袋もわしづかみするバーガー。一つずつの食材が完成されているからこそ、すごくおいしいものになる。道の駅などで商品化したら絶対売れる」と絶賛した。
川端さんは受賞を受け「初めての『私の味』を作ることができてとてもうれしかった。母からは『好きな食材がたくさん入っていて、食べたら力が出る』と言ってもらえた。これからも料理を通じて自分の可能性を広げたい」と話していた。
川端さんの料理は、来年1月2日号の「オレンジページ」誌面とウェブサイト「オレンジページnet」で掲載される予定だ。
(2022年11月12日付紙面より)
包括連携協定結ぶ串本町へ (明治安田生命 )
明治安田生命保険相互会社和歌山支社(松尾洋支社長)が10日、串本町へ「私の地元応援募金」を寄付した。
この募金は、同社が地域貢献事業「地元の元気プロジェクト」の一環で社内実施。全国の支社や営業所などが提案する自治体や団体を対象にし社員が居住や出身などゆかりがある地域を指定し募金する流れで集めていて、寄付するに当たっては社員の思いに応えて会社も拠出を上乗せしている。
同社和歌山支社と同町は昨年8月に包括連携協定を締結。以降、同社の地域貢献事業「みんなの健活プロジェクト」の一環で健康診断など同町の健康増進関係行事に野菜摂取量や血管年齢の測定機会を届けて支援をしている。喫緊では3日に道の駅くしもと橋杭岩で町産業課と協働し健康増進イベントも実施。町内外から176人(うち町民90人)の利用を集めたところでもある。
寄付に当たって同支社市場開発担当の西棟真由美課長と新宮営業所の小堂和彦所長が田嶋勝正町長に面会。小堂所長から寄付目録、田嶋町長は同支社宛ての感謝状を贈り合い、それぞれに寄付の成立を喜んだ。
小堂所長によると、この寄付に使途の指定はなく同町に活用を一任するそう。続く懇談で小堂所長は喫緊の健康増進イベントや締結以降の連携状況を振り返って報告し、西棟課長は来年2月18日(土)に和歌山城下で開く方向で調整しているウオーキングイベント会場への出店参加を提案。田嶋町長はロケット「カイロス」初号機打ち上げ予定に近いタイミングとなる点で意欲を示し、ボトルドウオーター「串本の水」など関係商材を携えてぜひ参加したいと申し出るなどした。
(2022年11月12日付紙面より)
増田さんに署長感謝状 (紀宝警察署 )
特殊詐欺被害を未然に防止したとして、紀宝警察署の福田利章署長は10日、ローソン紀宝町飯盛店の店員、増田彩乃さん(30)に署長感謝状を贈った。
増田さんは7日午後2時ごろ、来店した70代男性が3万円分の電子マネーカードを購入しようとした際、高額であることや不慣れな様子に気付き「お孫さんにですか?」などと声をかけた。男性が「パソコン修理のため」と言ったため、詐欺を疑い「警察に相談した方がいいですよ」と伝え、紀宝署に連絡した。
男性のパソコン画面に同日昼ごろ「ウイルスに感染した。サポートセンターに電話を」と表示されたため、指定の番号に電話をかけたところ、外国人風の男から「3万円で3年間保障する。グーグルプレイカードで支払いを」と指示があった。その後、同店を訪れ、電子マネーを購入しようとした。
贈呈式は署長室で行われ、感謝状を手渡した福田署長は「ぎりぎりのところで止めていただきありがたい」と感謝した。増田さんは「3万円で高額だったため、目的を聞いたところおかしいと思った。詐欺に遭う前に止めることができてよかった」と話していた。
同店では2例目の感謝状で、河本尚志店長は「高額の電子マネーを購入される高齢者の方には声かけするなどして気を付けている」と語った。
同署管内では今年に入り、今回同様、電子マネーを悪用した特殊詐欺が2件発生しており「コンビニで電子マネーを買って、カード番号で支払って」という詐欺に注意するよう呼びかけている。
(2022年11月12日付紙面より)
活動評価され感謝状 (新翔高校 )
新宮市佐野の和歌山県立新翔高校(藤田勝範校長)は、和歌山県警察と県交通安全協会による交通安全優良学校に選ばれ、9日に感謝状の贈呈を受けた。生徒が新宮署から委嘱を受けて行う「自転車マナーアップ推進リーダー」の活動が評価された。藤田校長は「これを励みに今後も取り組みたい」と話した。
新翔高校では2015年度より、同活動を実施。委嘱を受けたリーダーが他の生徒に、自転車の交通ルールを守るよう呼びかけるほか、警察や地域団体と共に、交通安全の街頭啓発を行ったりしている。これらの活動が評価され、初めて優良学校に選ばれた。学校で選ばれたのは新翔高校と、岩出市の根来小学校の2校のみだった。表彰式は和歌山市で行われた。
藤田校長は「高校生が頑張ってくれるので頼もしい。活動を通して、地域の方々も生徒ら自身も交通安全の意識を高め、結果として自分の命もみんなの命も大事にすることにつながっていると思う。活動で周囲を引っ張ってくれるのが、うれしく頼もしい」と語った。
なお、今回の感謝状の贈呈は、県警本部と県交通安全協会の「交通安全功労者・優良運転者等表彰」の一つとして行われた。両者は、交通安全に功労のあった個人・団体を毎年、表彰している。
(2022年11月12日付紙面より)
那智勝浦町総体グラウンドゴルフ大会 ( )
JUNTOSが関西大会へ (県クラブユースサッカー選手権秋季大会 )
町内統一地震・津波避難訓練 (那智勝浦町 )
内閣府と那智勝浦町は5日、南海トラフ巨大地震を想定した「那智勝浦町内統一地震・津波避難訓練」を実施した。町内25地区の住民らが津波から身を守るために近くの高台に避難するとともに、改めて防災への意識を高めた。
和歌山県が2014年に発表した同町の被害想定の死者数は、南海トラフで1万1700人、三連動地震で5200人。「最も重要なことは、地域住民が災害発生時に避難行動を起こすこと」との考えの下、今回は内閣府と共催で訓練を実施した。各区の自主防災組織をはじめ、新宮警察署や和歌山大学も協力した。
訓練は、町内で最大震度6弱を観測する地震が発生し、直後に「大津波警報」が発令され、10分以内に津波第1波が到達し、最大8㍍の津波が襲来するという想定で実施した。午前9時に日本語・英語で地震発生を知らせる放送が鳴ると、自主防災組織のメンバーらの声かけで町民が避難を開始。災害対策本部への避難状況の伝達や町職員への安否確認メール配信も行われた。
町立勝浦小学校では、元自衛官で役場防災対策室の柴田通仁さんによる防災講話と非常用持ち出し袋の解説などもあり、各区の住民らが耳を傾けた。勝浦小学校の5年生44人は防災コマーシャルとしてダンス「こわがりヒーロー」を披露し「3学期の防災学習発表を見に来て」と呼びかけた。終了後には、物資配給訓練として乾パンとエマージェンシーボトルの配布も行われた。
勝浦6区(築地区)の坂井與己区長は「勝浦区の参加者は234人と、区民の15%ほど。今後の課題として取り組んでいきたい」。堀順一郎町長は避難タワーなどの設置で津波避難困難地域の解消に努めていることに言及し「ハード面の整備だけでなく、外国人観光客などのことも想定して今後もさまざまな訓練を実施していきたい。町民の皆さまには、改めて日々の備えの見直しをお願いしたい」と呼びかけていた。
(2022年11月6日付紙面より)
新宮市下本町の市文化複合施設「丹鶴ホール」で2日、(公財)佐藤春夫記念会と市教育委員会が主催する「講演・談話・公演『わんぱく時代』の地から」があった。約80人が来場し、佐藤春夫の友人・東熈市(ひがし・きいち)氏の令孫で歌手の東哲一郎さんによる公演や東京大学准教授の河野龍也さんの講演、春夫遺族の髙橋百百子さんと河野さんの談話などを通して、春夫の遺徳をしのんだ。
市名誉市民・佐藤春夫(1892~1964年)の生誕から今年で130年を迎える節目に合わせ、同施設オープニングイヤー事業として位置付けて開催の運びとなった。なお、市立春夫記念館では2023年2月12日(日)まで、実践女子大学との包括連携協定に基づき、同大学の協力を得ながら企画展「『わんぱく時代』の地から―知られざる佐藤春夫の軌跡―」を開催している。
同記念館の辻本雄一館長が司会を務め、速水盛康教育長が開会のあいさつ。東さんが「春夫詩を歌う」をテーマに「海邊の戀」や「秋の夜」「秋刀魚(さんま)の歌」など、春夫の六つの詩に曲を付けて歌声を披露。岩戸崇さんのキーボード演奏に乗せ、ボサノヴァやジャズ、ラテン調などにアレンジし新しい詩の楽しみ方を実践した。
河野さんは「春夫文学の今後」と題して講話。新宮を舞台に、自我の形成史を描いた自伝的小説「わんぱく時代」(1957~58年にかけて朝日新聞で連載)のあらすじを紹介し、現在春夫記念館の企画展で実物が展示されている、少年時代の日記の内容に言及。「当時の日記には文豪としての片鱗が見えない。文学への起源に当たる時期の日記だが、医者を目指してほしいといった父親の目を気にしてか、文学に触れておらず残念」などと話した。
当時の絵地図から「わんぱく時代」の地政学にも触れ、春夫は当時の新宮と熊野地の関係性や土地のイメージを小説に反映していると解説。「町方と地方の伝統的な対立感情を背景にしている。地域の境界に当たる『戸坂』(登坂)の住人である主人公は両地域のパイプ役を担っている」などと説明した。
弱者救済に目覚め、「大逆事件」の犠牲となった転校生の「崎山栄」の人生から「主人公が『こう生きれば良かった』と、もう一人の自分として彼の姿が造形されているのでは」。「危険なところを巧みに回避して生きながらえてきた、罪悪感をもった老詩人が『こういう人生じゃない人生もあったかもしれない』と思いつつ想像力をはせ、少年時代を再現した悲しみの詩」と同小説を読み解いた。
最後には、辻本館長と河野さんが、春夫のおい・竹田龍児と、谷崎潤一郎と千代(後に春夫と結婚)との間に生まれた鮎子の娘である髙橋さんに対して、春夫との思い出などを質問。髙橋さんは文学界から多くの人が駆け付けた春夫の誕生日会について「ごちそうがいっぱいあってにぎやかで楽しかったと記憶している。そうそうたる方がいらしている感覚はなかった」。
春夫と谷崎との関係性については「お互いに意地っ張りだった」と振り返った。
(2022年11月6日付紙面より)
自動運転サービス本格始動 (太地町 )
町営バスが通行できない対象地区で自動運転サービスの実証実験を実施してきた太地町は1日、車両を1台増やし、本格運用を開始した。車両が2台となったことで、運行間隔がこれまでの45分に1回から約20分に1回に、便数が9便から倍の18便となった。運賃は変わらず無料で、実証実験より利便性が大きく向上した。
同町の10月末現在の高齢化率は45・1%で、総人口2903人のうち、高齢者が1308人を占めている。今回の自動運転の導入は高齢者の移動手段確保が主な目的だが、誰もが乗車できる。
同町は、国が行う自動運転やドローンなどの未来技術を活用し、地方創生を目指す未来技術社会実装事業に昨年採択された。
国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を車両購入に用いた。今年6月から対象区間に電磁誘導線と、車両制御などに必要なタグを埋め込む工事を実施してきた。
対象は暖海、水ノ浦、寄子路、新屋敷、小東、大東の6地区で、区間は3・2㌔(県道1・2㌔、町道2㌔)。車両はヤマハ発動機株式会社のスローモビリティ「AR05」。乗客は4人で、安全確認や手動運転時に操作する運転補助者1人が乗車する。タクシーのように手を上げて乗るフリー乗降制。
同町によると、実証実験時の利用者数は494人。1日平均で9人が利用し、運行率は89・8%となった。役場やスーパー、病院などでの利用が多かったという。利用者満足度の平均は10点満点中、9点以上だった。
複数回利用者もおり、外出頻度の増加につながったとし、自動運転サービスの継続を求める声もあったとしている。その一方で行き先やルートについてサービス拡充を求める声や乗り心地に対する満足度は若干低かったとアンケート結果を示した。
主な変更点は前述の運行に加え、午前の出発時間が8時発から8時22分発に、午後の最終便が午後4時15分発から5時20分発となった。
総務課の和田正希さんは実証実験に関わった近隣住民や和歌山県、新宮警察署、国土交通省、利用者に感謝を述べ「運行していく中で皆さまの声をお聞きし、問題の改善に努めていきたい」。
来年度はエリア拡大も検討しているとし「補助金なども視野に入れ、準備を進めていく。町内外問わず、利用は無料。乗車がまだの方もぜひ気軽にご利用いただきたいです」と話していた。
(2022年11月6日付紙面より)
七里御浜で11、18日も (熊野市 )
熊野市木本町の七里御浜海岸で4日、市による「花火のまち熊野観光PR花火」があり、熊野の秋の夜空を光の大輪が彩った。11日(金)にはPR花火第2弾、18日(金)には市観光協会による「伝統花火存続のための打ち上げ花火」が繰り広げられる。時間はいずれも午後6時30分から。
例年、10万人以上が訪れ、300年以上の伝統と歴史を誇る「熊野大花火大会」が、新型コロナウイルスの影響で3年連続の中止となり、「花火のまち熊野」のイメージが薄れつつあることから、来年の再開に向け、観光客にあらためてアピールするのが狙い。
この日、七里御浜海岸には多くの市民らが集まり、次々と打ち上がる花火を見上げた。秋の夜空を彩る光のショーは約15分続き、人々を魅了した。
11、18日が荒天の場合、PR花火第2弾は12月2日(金)、伝統花火存続のための打ち上げ花火は11月19日(土)に延期となる。
(2022年11月6日付紙面より)