まちなか商品券引き換え開始 (那智勝浦町 )
那智勝浦町が実施する新型コロナウイルス感染症関連の緊急経済対策の「那智勝浦まちなか商品券」の引き換えが28日、町内11カ所の郵便局で始まった。7000円分の商品券は町内小規模事業者への応援と町民の生活支援を目的とし、9月30日(木)まで町内の対象店舗で使用できる。引き換え期間は8月31日(火)まで。
同商品券は町民と地元事業者の支援策として昨年も実施。先月の町議会において予算が可決された。
引換券は20日から郵便局を通じて、7678世帯、1万4525人に送付。27日現在で町内277店舗で使用できるという。
引き換えには、引換券と運転免許証やマイナンバーカード、健康保険証、後期高齢者医療被保険者証などの本人確認書類(有効期限内のものに限る)を持参し▽紀伊勝浦▽那智勝浦朝日▽那智天満▽那智勝浦港▽那智宇久井▽那智山▽那智井関▽色川▽太田▽下里▽那智浦神―の各郵便局で引き換える。土・日・祝日を除く、午前9時から午後5時まで。
引換券には記入欄があり、必要事項を記入の上、来局者(引き換えに来る人)の本人確認書類を持参する。
中学生以下は、直接引き換えはできないため、代理人による引き換えが必要。代理人による引き換えは引換券裏面の委任状欄にあらかじめ記入し、代理人自身の本人確認書類を持参する。1日現在で18歳以下の町民は代理人が同居の場合、委任状を省略できる。
担当職員は「早期に経済循環させていただきたい思いから使用期限を短くした。引き換え後は早めに使用いただければ幸いです」と話している。
各郵便局では局員が協力して3密の回避や消毒を促し、引き換え作業を円滑に進めていた。
引き換えを済ませた70代男性は「ありがたい。生活の足しにさせていただく。町内のお店のためにも早めに使用したい」と話していた。
(2021年7月29日付紙面より)
町内小学生対象に教室実施 (串本町子ども会連絡協議会 )
串本町子ども会連絡協議会(小原真子会長)が25日、潮岬地内でイベント「親子で作るモデルロケット打ち上げ体験会教室」を開いた。町内の小学4~6年生16人が組み立て~打ち上げに挑戦し、ロケットの挙動に親しむなどした。
このイベントは、県宇宙教育研究会と同町教育委員会の仲介により実現した機会。小型ロケット「カイロス」の打ち上げ開始を前にロケットに親しむ機会をつくりたいという思いで同研究会の藤木郁久事務局長に協力を求め、藤木事務局長が顧問を務める県立桐蔭中学校科学部の部員が手伝える期日に合わせて計画し、先着20人で事前申し込みを受け付けた。
会場は前日あった大会「宇宙シンポジウムin串本」会場聴講のため部員が滞在している県立潮岬青少年の家に設定。小学生は家族1人同伴で参加し、部員はマンツーマンで小学生の挑戦をサポートした。講師は藤木事務局長が務め、アメリカ製のモデルロケット「アルファⅢ」にA8―3エンジンを組み込んで約100㍍の高さまで打ち上げ、パラシュートで着地するまでの挙動を見る内容で組み立てを指導した。
説明書に従って組み上げた後は町民グラウンドへ移動して打ち上げに挑戦。資格がないと操作できないイグナイザー(=点火装置)も有資格者の藤木事務局長による指導下で操作し、小学生は自分の手で打ち上げて着地するまでを見届けた。
谷から吹き上げる不規則な風で周囲の森などへ落下し回収できなかった小学生には代わりのモデルロケットキットを配って体験を終了。その後はカメラ付きドローンの操縦にも挑戦した。
小学生の1人、津田和奏さんは父親から勧められて参加したそうで「組み立てるのが楽しかった。風で(自分の手元に)返ってこなかったけど、飛んでいく時にすごく気持ちいい音がした」とコメント。小原会長は親睦交流スポーツ大会などコロナ禍で行事が開きにくい状況が続く中で楽しい挑戦の機会を届けられたことを喜び、小学生と一緒に挑戦し親しみを分かち合った。
(2021年7月29日付紙面より)
光洋中で租税教室 (新宮市 )
新宮市立光洋中学校(榎本由香校長)で27日、3年生を対象にした租税教室があった。税理士の中谷公大さん(中谷会計事務所)が税の役割や使われ方などを説明。生徒らは税の大切さについて認識を深めた。
中谷さんは、消費税(付加価値税)は多くの国で採用されており、台湾が5%で低く、ハンガリーが27%で最も高いと説明。「ヨーロッパは比較的高く、特に北欧は高負担・高福祉」と述べ、日本の場合は10%の消費税のうち、2・2%が地方消費税率であることなどを解説した。
「消費税はいつ導入されたか」などをクイズ形式で生徒らに質問し、税の種類にも言及。「『納税の義務』を果たしてもらうためには、国民の公平感が必要。税は国民の公平感で成り立っている」と話した。
生徒らは、税金のない世界を描いたアニメ「ご案内します アナザーワールドへ」を視聴。中谷さんは「公共サービスは税金で賄われている。日本の国民全員が1人当たり1日卵1個分のごみを減らすと年間で約1510億円の税金を節約することができる。少しでもごみを減らす努力も必要」と呼び掛けた。
中谷さんは、家計に例えて財政状況や少子高齢化など、国が抱える課題を解説。「みんなが安心して生活できるのは税金のおかげということを学んでほしい。暮らしやすい社会のために、しっかり判断する知識を身に付けることが必要」と訴えた。
(2021年7月29日付紙面より)
東正寺で41年目の「夏季禅林」 (紀宝町 )
紀宝町鵜殿の醫王山(いおうざん)東正寺(とうしょうじ、片野晴友住職)で27日、夏季禅林があった。夏休み中の小学生9人が写経や坐禅(ざぜん)などに取り組み、心身を整えた。
青少年の健全育成や寺に親しんでもらおうと41年前から続く伝統行事。35年ほど前は町内をはじめ熊野市や新宮市、那智勝浦町などから約100人が参加したという。
例年、1泊2日の日程で行っているが、昨年から新型コロナウイルスの影響で一日のみの開催となっている。
参加したのは鵜殿小学校の1、2、3、6年生で7人が初参加。手指消毒など感染症対策を講じ、本堂で自己紹介して写経に挑戦した。
片野住職は、本当の自分と向き合い、一瞬一瞬を大切に感じる「修行」の五つの目標▽大きな声であいさつしよう▽生活の一つ一つを大切に▽みんなと積極的に話をしよう▽沈黙の時間を大切にしよう▽食事を大切に―を紹介。「あいさつは相手がそこにいることをお互いに認め合うこと。食べ物には多くの命と思いが詰まっている。その命と思いにかなう人間になろう」と伝えた。
この後、子どもたちは坐禅堂で壁に向かって座り坐禅した。昼食後はクラシックギターミニコンサート、絵本ライブも楽しんだ。
(2021年7月29日付紙面より)
一関市と友好都市締結 (新宮市 )
新宮市と岩手県一関市はこのたび、友好都市を締結した。21日にオンラインを通して友好都市提携調印式が行われ、田岡実千年・新宮市長と勝部修・一関市長がそれぞれ提携盟約書に調印。記念品の交換などをもって、新たな親交の一ページ目とした。
一関市は岩手県の最南端、仙台市と盛岡市の中間に位置するまちで、面積1256・42平方㌔㍍で人口11万2639人(3月31日現在)。
室根山(むろねさん)中腹に鎮座する室根神社は、熊野速玉大社と熊野本宮大社の熊野神をそれぞれに祀(まつ)る2社殿から成る。両市の交流は熊野神の縁によるもので、1996年に熊野三山協議会が室根神社を訪問して以降、約25年にわたり交流していきた。
2018年1月には田岡市長と屋敷満雄・市議会議長(当時)が勝部市長を訪問。10月の熊野神勧請(かんじょう)1300年室根神社特別大祭を契機としてさらなる親交を深めてきた。
調印式には新宮市からは田岡市長、大西強・市議会議長らが、一関市からは勝部市長、沼倉憲二・市議会副議長らが出席した。
田岡市長は「2018年に開催された熊野神勧請1300年室根神社特別大祭に参加させていただいたことは今でも感慨深く、本日のこのよき日は『歴史が紡ぐ絆』によりなし得たこと。この記念すべき日を契機に交流が末永く続き、一層実り多きものとなるように祈念しています」。勝部市長は「新宮市の映像を見て、当市と共通点があるような気がして感銘を受けた。歴史上の縁を大事にして、末永いお付き合いをしていければ」とそれぞれあいさつ。両市長ともに、新型コロナウイルス感染症が落ち着いた折りには市民間の交流を計画していきたいと思いを語った。
記念品交換では、紀州材を使用して作成された、「ナギの木」の葉と一関市の花である「ナノハナ」をデザインした記念プレートと、室根出身のイラストレーター・鈴木吉男さんが描いた室根神社特別大祭のイラストを贈り合った。
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■室根神社
718(養老2)年、元正天皇の時、神の威徳と加護をもって東北を治めたいとの鎮守府将軍・大野東人(あずまんど)の願いを聞き入れ、「本宮」の熊野神を室根山に勧請したのが起源とされる。その後1313(正和2)年に室根村の隣村に勧請されていた「新宮」の熊野神を遷移して祭り現在の形となったといわれている。
(2021年7月25日付紙面より)
熊野川に大輪の花咲く (新宮YEG )
新宮商工会議所青年部(新宮YEG、向井康博会長)は22日夜、熊野速玉大社下の河川敷で「癒やし・励ましの打ち上げ花火」を実施した。約320発の大輪の花が夜空に浮かび、道行く人やドライバー、家で過ごす人々の目を楽しませた。
昨年、新型コロナウイルス感染防止のために地域のイベントが中止となる中、市民の「癒やし・励まし」となるようにと同所で花火の打ち上げを企画した新宮YEG。
今年は熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)の中止を受け、「空を見上げて前向きな気持ちになれるよう、小さな子どもから年配の方まで、家から出られない不安な気持ちを少しでも和らげられるように」といった願いと、一日も早く日常に戻れるようにとの祈りを込め、昨年に引き続いての開催を決めた。
3密を回避するため、事前の公表なしに実施。50発の2号玉、90発の3号玉、180発のスターマインが夜の市街地を照らし、花火の打ち上がる様子を見た道行く人からは「すごい」「きれい」などの声が上がっていた。最後には約60㍍のナイアガラが熊野川の川面を彩った。
(2021年7月25日付紙面より)
防災や観光などに期待高まる (紀勢国道事務所 )
国土交通省中部地方整備局紀勢国道事務所は21日、熊野尾鷲道路(Ⅱ期)全線開通日時を8月29日(日)午後3時と発表した。
道路区間は、尾鷲市坂場西町(尾鷲北IC)から同市南浦(尾鷲南IC)を結ぶ5・4㌔で2車線。2014年度に工事に着手し、全体事業費は当初予算より80億円増の340億円。熊野道路(熊野大泊IC)と直結するため、名古屋方面や新宮方面への時間短縮が図られる。
同国道事務所はかねて、三重とこわか国体開始日の9月25日(土)までの完成を目指していた。開通により尾鷲市内の津波浸水想定区域を避けることもでき、防災や物資運搬、観光振興、医療など多くの面で期待が大きい。
(2021年7月25日付紙面より)
ブルービーチ那智が海開き (那智勝浦町 )
一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)は22日、那智勝浦町浜ノ宮のブルービーチ那智で海開きに伴う安全祈願祭を営んだ。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から来賓は招待せず、機構職員や堀順一郎町長、町職員のみで神事が執り行われた。遊泳期間は8月22日(日)まで。
神事では熊野那智大社の出仕を得て、神職2人がシーズン期間中の安全と活気を祈念した。
同町によると、感染症対策として、3密回避のためにウオータースライダーの設置はせず、消毒液の配備や感染予防を啓発する看板を設置し、更衣室は一部制限を設けるなどの対策を講じている。
また、海難事故を防ぐために海上と陸上に監視員を配置して来場客の安全を見守るという。
神事を終え、堀町長は「来場者の方々が海難や感染に遭わないように祈願させていただいた。ブルービーチは広くて大きいため、密にはなりにくいと考える。きれいな海をお楽しみいただけたら」と語った。
遊泳時間は午前9時から午後4時30分まで。駐車場は西側(熊野体験博跡地)約150台、東側(JR那智駅側)約100台が駐車可能で有料。8月16日(月)以降は無料となる。同ビーチ以外では粉白地区の玉の浦海水浴場が遊泳可能。
(2021年7月25日付紙面より)
七夕フェスティバルU―12
10人の新議員誕生 (太地町議選 )
任期満了(8月17日)に伴う太地町議会議員一般選挙が18日に投開票され、新議員10人が誕生した。定数10に対していずれも無所属の現職9、新人2の計11人が立候補を届け出て、5日間の激しい選挙戦を繰り広げた。新人の筋師光博さん(63)が296票を獲得し、トップ当選を果たした。現職1人が涙をのんだ。投票率は79・11%で前回の2017年より1・86㌽減に。前々回の13年と比較すると4・18㌽減となり、投票率減が更新された結果となった。
町議選は13日に告示され、町の課題解決のために各候補者が防災対策や子どもの教育、少子高齢化施策、福祉、観光振興、行財政改革などを争点に選挙戦を展開してきた。
選挙カーを走らせて投票を呼び掛ける候補や、徒歩で町中を回る候補者などの姿が見られた。前回の選挙戦と比較し、多くの候補者が自身の考えや意見を主張しているという町民の声も多数聞かれた。
トップ当選となった筋師さんは「応援してくれた家族や支援者の皆さまのおかげ。これからが始まりなので将来に向かって前進していきたい。元気のある町『太地町』をさらに活気づけていきたい。この町には多くの引き出しがある。町民の声を重視してみんなで考え、行政に反映していきたい」と抱負を述べた。
自身が約40年間所属する町消防団において過去に団長を務め、町議会議員としても活躍した故・山下雅久さんについて、「多くの実績を持つ山下さんは憧れの先輩。当選について『よく頑張った』とお褒めいただけていると思う。本当に山下さんには感謝しています」と語った。
今後は子育て世帯の支援策や女性が活躍できる環境づくりの整備にも力を入れていくという。
(2021年7月20日付紙面より)
新宮市公民館王子分館(野尻和則分館長)は18日、市立王子ヶ浜小学校の体育館で「人権学習会及びグラウンドゴルフ大会」を開催した。地域住民ら約50人が参加。人権について学びを深めるとともにグラウンドゴルフで交流を深めた。
「今日は楽しく笑顔でプレーしましょう!」をテーマに開かれたイベント。天候不順のためグラウンドゴルフは人権学習同様、屋内での実施に。会場入り口においてマスク着用の協力や検温、手指消毒など、新型コロナウイルス対策が講じられた。
開催に当たり、野尻分館長は「今日は一日ゆっくり楽しんで」。同校の谷口幸生校長は「楽しいひとときをご一緒させてください」などとそれぞれあいさつ。市社会福祉協議会の樋川守さんが「困ったことがあったら何でもすぐに相談して」などと呼び掛けた。
人権学習では啓発DVD「私たち一人ひとりができること~当事者意識をもって考えるコロナ差別~」を視聴。参加者らはDVDを通してコロナ差別の特徴や差別や偏見がなぜ生まれるのか、どのように向き合っていくべきかを学んだ。
視聴後には元県職員の村上圭さんによる講話があった。村上さんは欧米で起こった新型コロナまん延に伴うアジア人差別をはじめ、人種差別や差別制度などについて言及した。
グラウンドゴルフ大会では、参加者が6人ずつ8班に分かれて団体戦や個人戦を展開。マスク越しに笑顔をのぞかせ和気あいあいとプレー。住民同士のつながりを深める機会とした。
(2021年7月20日付紙面より)
「WEST EXPRESS 銀河」出発式 (JR西日本 )
当地方の各駅で18日、観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」のお見送りおよび出発式があった。同列車は同日正午にJR新宮駅を出発。乗客を乗せ京都駅に向けて出発した。
「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードにした鉄道の旅の実現を目指して16日から運行を開始した同列車。12月22日(水)までの約半年間、新宮から京都間を運行する。第1便は抽選で乗車の権利を獲得した50人の乗客を乗せ熊野地方入りを果たした。
新宮駅での出発式では、白手袋を装着した田岡実千年市長、山口賢二・北山村長、酒井清崇・東牟婁振興局長、坂本純一・新宮駅長が出発時刻に合わせて「いってらっしゃい」。旗やカメラを手にした関係者や家族連れ、鉄道ファンらに見送られながら新宮駅を後にした。
田岡市長は「多くの観光客に熊野・新宮を楽しんでいただけたと思っている。リピーターとして再度、来訪いただけることを願っています」。
山口村長は「筏(いかだ)下り体験を希望する観光客は多いが交通の便が悪い。村まで観光客を運べるように足を確保していきたい。また、銀河の運行を機会に、当村の魅力をPRしていければ」とそれぞれ思いを語った。
那智勝浦町では、法被を身にまとった堀順一郎町長をはじめとした関係者らが、旗や幕を手に乗客を見送った。JR紀伊勝浦駅ロビーには地元物産が販売され、写真撮影や土産物を買い求める乗客の姿があった。
堀町長は「熊野地域には世界遺産がある。銀河によって、広域での観光やお出迎えができるきっかけとなった。宿泊施設の多い那智勝浦町においてはこの輪が広がり、町に来るお客さまの増加につながれば。今日は心を込めてお見送りしたい」と話していた。
同列車の次回の運行日は19日。午後9時15分に京都を出発し、翌20日に当地方入りする。
(2021年7月20日付紙面より)
串本町潮岬地内で17、18日の2日間、缶サット甲子園の和歌山地方大会があった。地元の串本古座高校を含む県内外7チームが参加。それぞれにミッションを掲げ自作したモデルロケットで模擬人工衛星(通称・缶サット)を打ち上げ、達成度合いを競い合い審査に臨んだ。
缶サット甲子園は高校生チームを対象に年1回実施。全国6カ所で開かれる地方大会はその出場権が得られる予選会に当たり、和歌山地方大会は実行委員会形式で2010年からコスモパーク加太=和歌山市=を会場にして回を重ねてきた。
缶サットの放出―降下―着地の過程を通して技術力や創造力を競い合い、科学や工学への興味や関心を高め挑戦する姿勢を培うことが目的。同町内での実施は今回が初で、事前の環境調査で実施可能との判断を得て実現するに至った。
会場は県立潮岬青少年の家〈プレゼン・審査など〉と望楼の芝~南紀熊野ジオパークセンター〈打ち上げ競技〉の2カ所。当日は同家で開会し、藤木郁久実行委員長は3年周期で同町を会場にしたい考えや打ち上げ競技会場の環境を伝え、チームそれぞれに楽しむことを期待して挑戦を歓迎した。
初日は同家で事前プレゼン審査と機体審査があり、7チームはそれぞれに缶サットで挑戦するミッションの概要と自作した実物を審査員3人にアピール。2日目は望楼の芝~南紀熊野ジオパークセンターで打ち上げ競技に臨み、開催地の田嶋勝正町長、県宇宙教育研究会の木皮享顧問、和歌山大学クロスカル教育機構教養・協働教育ユニットの中島敦司代表から激励を受け、同実行委員会や同大会OBの試射に続いて各チームが順次自作した缶サットの試射に臨んだ。
以降は同家に戻り、事後プレゼンで自チームの結果に対する自己評価や改良プランなどを発表するなどして審査結果の発表と表彰を待った。
今回は桐蔭高校が優勝、向陽高校が準優勝、海南高校が3位と県内勢が入賞を占めた。桐蔭高校チームのミッションは食糧生産可能な環境を探るため打ち上げから着地までの過程における気象データを取得するという内容。リーダーの𠮷松和輝君(2年)は「ここ1週間はこれまでにないぐらい働いた。優勝できてうれしいし、働いたことが報われたという思い。(缶サットは)一応動いたけれどまだまだだなといったところで、次は動かなかった二酸化炭素センサーを動くようにし、さらに土の調査も取り入れて挑みたい」とコメントした。
同甲子園本選の概要は18日現在未定で、コロナ禍の情勢を見て体系が決まる見込みという。通常は全国6地方大会の上位10チームが出場する仕組みになっていて、同実行委員会は出場枠数が決まり次第、上位から順に出場権を付すとしている。
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同町内での実施をきっかけにして挑戦へと動き出した串本古座高校は、辻大貴(はるき)君、長野悠斗(ゆうと)君、清野健太郎君の1年生3人で有志結成。先月初旬に参加を決め、学校の試験期間を経て中旬から活動を始めたという。
いずれもクラブ活動との両立で終盤では次の試験期間にも直面する中で費やす時間をひねりだし、辻君はプログラム、長野君は制作、清野君はプレゼンとそれぞれに得意を生かす分業で限りある時間の効率化を図り実績がある桐蔭高校科学部などの助言も得ながら初の挑戦へとこぎ着けた。
掲げたミッションは①ロケットの打ち上げ②パラシュートの展開③加速度センサーの値を理解する―の3項目。具体的なミッションを掲げる他チームとは対照的に、その前段階として今後の参考となるデータを得るという異色のミッションを掲げてプレゼンや打ち上げ競技に臨んだ。
打ち上げ競技はモデルロケットの強度不足で発射中に中折れし落下。同実行委員会より予備ロケットによる再競技が認められ、2射目は放出―降下―着地の過程を無事達成した。この達成を得ることに集中しすぎて、2射目は搭載した加速度センサーの配線ミスでデータ収集ができず。複数のミスも結果とし、打ち上げから得たデータやミスの課題と対策を事後プレゼンで発表し、挑戦を締めくくった。
今回は1カ月の短期集中だが、次は約1年間の準備期間を得ている3人。「今回のロケットは桐蔭の皆さんのおかげで飛んだようなもので、周りの人との関係や仲間との協力が大事だなと思った。来年も挑戦できるなら、今回取れたデータを基にして自分たちにできそうなこと、例えば機体の傾きを制御するなどさらに難しめのミッションに挑戦できれば」とコメント。他チームの挑戦に間近に触れ、ローバー系のミッションにも強い興味を示しつつ挑戦の継続に意気込んだ。
(2021年7月20日付紙面より)
太地町議選
7月18日21時02分確定【定数10】
当落 | 得票数 | 候補者名 | 年齢 | 党派 | 現元新 |
---|---|---|---|---|---|
当 | 296 | 筋師 光博 | 63 | 無 | 新 |
当 | 257 | 塩崎 伸一 | 71 | 無 | 現 |
当 | 223 | 福田 忠由 | 44 | 無 | 現 |
当 | 201 | 花村 計 | 47 | 無 | 現 |
当 | 189 | 三原 勝利 | 83 | 無 | 現 |
当 | 181 | 水谷 育生 | 64 | 無 | 現 |
当 | 180 | 漁野 尚登 | 64 | 無 | 現 |
当 | 158 | 久原 拓美 | 73 | 無 | 現 |
当 | 142 | 森岡 茂夫 | 70 | 無 | 現 |
当 | 142 | 海野 好詔 | 67 | 無 | 新 |
115 | 宮川 茂 | 70 | 無 | 現 |
当日有権者数 2,661人
投票者数 2,105人
無効投票数 21票
投票率 79.11%
くじら浜海水浴場でイベント (太地町 )
太地町のくじら浜海水浴場で17日から、ハナゴンドウと一緒に泳げるイベント「くじらに出会える海水浴場」が始まった。初日には家族連れなど112人が訪れ、クジラと触れ合った。時間は午前11時からと午後1時からの1日2回で各15分程度。期間は8月17日(火)まで。無料。
ネットで仕切った入り江の海水浴場に2頭のハナゴンドウを入れたいけすを設け、1日2回このいけすからハナゴンドウを放す。海水浴を楽しみながら自然に近い状態で小型クジラが観察できる。2008年から始まり、今年で13回目。
ハナゴンドウは雌のニール(体長291㌢、推定体重380㌔、推定18歳)と、雄のシロ(297㌢、推定体重380㌔、推定25歳)の2頭。
今年は新型コロナウイルス感染防止対策で網いけすに特設ステージは設置しない。
13日、クジラを搬入した際に同館の稲森大樹副館長は「今年は感染症対策を設けた上でのオープンとなる。お客さまとクジラが同じ空間を共有できるので楽しんでほしい」と語っていた。
(2021年7月18日付紙面より)
保健所、赤十字血液センターが啓発 (和歌山県 )
7月は「愛の血液助け合い運動」月間。期間中の17日、新宮市佐野のスーパーセンターオークワ南紀店では新宮保健所と和歌山県赤十字血液センターの職員らが啓発活動を実施。買い物客らに献血への理解と協力を呼び掛けた。
厚生労働省が都道府県、日本赤十字社と協力して実施する運動で、期間中には国内の血液事業を安定的・継続的に維持し、血液製剤の国内自給を確保するための取り組みが全国各地で行われている。
厚労省によると、近年では少子高齢社会の影響などにより、10年間で10~30代の献血者数が約34%減となるなど、若年層の献血者が減少傾向にあり、今後少子高齢化が進むと、ますます将来の安定供給に支障を来す恐れがあるとされている。
この日の啓発では、新型コロナウイルス感染防止の観点から、物資配布による活動を自粛。手持ち看板などを手にした職員らが、マスク越しに献血への協力を呼び掛けたほか、献血バスによる献血も受け付けた。
県赤十字血液センター紀南出張所の北川裕基主事は、長引くコロナ禍で人が集まるイベントの自粛が続いていることにより、移動献血を実施する機会が減少しているといった現状に触れ「献血は不要不急の外出には当たりません。ぜひご協力を」と呼び掛けている。
同所における次回の献血は8月21日(土)。時間は午前10時~正午と午後1時~4時まで。和歌山県土地家屋調査士会新宮支部が主催する。
(2021年7月18日付紙面より)
「WEST EXPRESS 銀河」運行開始 (JR西日本 )
観光を中心とした西日本エリアの活性化のためにJR西日本が運行する長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」紀南コースの運行が16日から始まった。乗客50人を乗せた列車は17日に当地方入り。JR紀伊勝浦駅で16人、新宮駅で34人の観光客が降り立った。
車両は117系6両1編成。定員は約100人(全車指定席)だが、新型コロナウイルス対策のため乗客を半数としている。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の実現を目指し、1両ごとに異なる座席タイプを配置している。車窓からは沿線の風景を楽しめるような座席配置となっている。
新宮駅では、市のツイッターキャラクター「めはりさん」、県PRキャラクター「きいちゃん」も駆け付け、田岡実千年市長をはじめとした関係者約50人が、「ようこそ 新宮市・北山村へ」と書かれた横断幕や旗を手に第1便を出迎え。乗客らに熊野速玉大社の霊符「梛(なぎ)の葉」を手渡した。構内では新宮市、北山村の産品販売コーナーが設けられ、観光客らの興味を誘っていた。
天王寺駅から乗車したという60代夫婦は「抽選に当たって乗車することができた。乗り心地もよく、窓から見える海もきれいだった。今回の旅ではレンタカーを借りて熊野三山を巡る予定です」と話していた。
同列車は18日正午に京都に向けて新宮駅を発車する予定。
「WEST EXPRESS 銀河」ツアーへの申し込みは抽選で、JR西日本によると、7月の予約倍率は12・8倍(上り下り合算)だったという。現在は10月1日(金)から31日(日)の受け付けを実施している。
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■スタンプラリーも実施
「WEST EXPRESS 銀河」受入協議会(会長=田岡市長)では、同列車の周知や地域での周遊などを目的に、協議会加盟7自治体を周るスタンプラリーを実施している。期間は来年1月10日(月・祝)まで。
台紙は新宮市、北山村、那智勝浦町、太地町、古座川町、串本町、すさみ町の各観光案内所や役場観光担当課、東牟婁振興局企画産業課で配布されており、▽新宮市観光協会▽北山村観光センター▽那智勝浦町観光案内所▽太地町観光案内所▽古座川町観光協会▽南紀串本観光協会▽すさみ町観光協会―に設置されているスタンプを重ねて押印すると一つの絵柄が完成。全7カ所の押印達成者の中から、抽選で35人に当地域の特産品が贈られる。
(2021年7月18日付紙面より)
5、6年生が着衣水泳 (神内小 )
紀宝町立神内小学校(道中朋孝校長、児童68人)は15日、同校プールで水難防止訓練を実施。5、6年生と3、4年生の2グループに分かれて着衣水泳に取り組んだ。
児童たちは服や靴を身に着けたままプールに入り、水に落ちた際、無理に動かず浮かんで助けを待つことなど、命を守る方法を学んだ。
夏休みを前に、子どもたちの水の事故を防ごうと例年行っている。昨年は新型コロナウイルスの影響でプール授業が中止となったが、おととしまでは5、6年生が尾鷲海上保安部の職員から指導を受けてきた。
5、6年生計21人の訓練で道中校長は「万が一、服を着たまま川や海に落ちてしまった場合に、慌てず自分の命を守る行動が取れるよう着衣水泳に取り組みます」と説明した。
普段着のままプールに入った児童たちは、「重くて泳ぎにくい」「泳いでも進まない」などと話し、水にぬれた服の重さを実感した。
指導した5年生担任の木下雄介教諭は「泳ぐと疲れてしまうので、助かる場所までたどり着けない場合は力を抜いて浮くことが大事」と伝えた。浮輪代わりに服に空気を入れて浮く対処法などを学んだ児童は「浮くことはできた」と話していた。
(2021年7月18日付紙面より)
熊野神社・百姓会が大しめ縄奉納 (熊野速玉大社 )
山口県山陽小野田市の熊野神社(松田正寛宮司)で各種祭事の準備などを奉賛する「熊野神社・百姓(おほみたから)会」(会長・松田宮司)は15日、新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)に大しめ縄2本を奉納。コロナ禍の終息などを祈願した。
50年以上にもわたり当地方へ熊野詣でを続けている同会。平均年齢80歳代の会員ら約20人は、同神社の田んぼで収穫した稲わらを使用し、今年1月から3月にかけて、わらのはかま取りやこも編みなどの制作に励んだ。
仕上げの撚(よ)り合わせ作業には、出雲大社神楽殿の大しめ縄制作で知られる「大しめ縄創作館」(島根県飯南町)棟梁(とうりょう)の石橋真治さんが協力したという。
熊野速玉大社が大しめ縄を掛け替えるのは14年ぶりで、当時のしめ縄は同神社が創作館に依頼したもの。今回は松田宮司の就任に当たり、またコロナの終息を願って会員が力を合わせて制作するに至った。
この日は神倉青年団有志と同大社神職らが、創作館の石橋さんの指示の下、拝殿と神門の大しめ縄の取り外しおよび取り付け作業を行った。最後に神職が紙垂(しで)を取り付け、幅約4㍍、重さ約100㌔の新しめ縄が設置された。
大しめ縄奉納のため同大社参拝の機会を探りつつも、日々変化するコロナ情勢を考慮し幾度となく来熊を中断。全員が2回のワクチン接種を済ませたこの機会にと参拝がかなった。取り付けが済んだ大しめ縄を前に、会員らは「うれしいね」などと口にし笑顔を見せた。
上野宮司は「真心のこもったしめ縄を奉納いただきありがたい限り。奉納奉告祭に当たり、百姓会の方々への感謝と、平穏でコロナのない世の中をお祈りしたい。素晴らしいしめ縄をぜひご覧になっていただければ」。
同神社の河崎真(まき)権宮司は「高齢の会員たちがコロナの終息を願い、真心込めて制作した。良き日を迎えることができ、祈りは実現すると思った。(同大社に)上げていただけることはありがたいことです」と話していた。
(2021年7月17日付紙面より)
総務省事業で実施主体に (串本町 )
串本町の潮岬・大島生活圏における取り組み「地域の宝『なんたん蜜姫』復活からはじまる本州最南端地域活性化プロジェクト」がこのほど、総務省「過疎地域等集落ネットワーク圏形成支援事業」の対象に選ばれた。
この事業は、複数集落で構成する集落ネットワーク圏の地域運営組織等が行う生活支援やなりわい創出の活動などを資金交付により支援する目的で年次実施。本年度は9件の取り組みを交付対象としている。
その一つに選ばれた潮岬・大島生活圏の取り組みは、サツマイモ「なんたん蜜姫」の生産振興や新商品開発、農業体験等を通した関係や交流人口の創出による担い手の確保により活力ある地域社会の実現を図る内容。事業実施主体はなんたん地域活性化協議会(柴田明夫会長)で、交付額は1165万5000円となっている。
総務省は12日付で交付対象の取り組みとその概要を公表。実施時は新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針(新型コロナウイルス感染症対策本部決定)を踏まえ、適切な対策を講じるよう要請をしている。
この事業は和歌山県が生活圏の過疎地域再生・活性化支援の制度創設を国に提案し総務省で制度化された経緯があり、県内では国事業と県事業の2系統で支援が受けられる状況となっている。東牟婁振興局企画産業課によると、同協議会への支援は両事業合わせて今回が初になるという。
(2021年7月17日付紙面より)
紀宝、御浜両町で啓発活動
「特殊詐欺撲滅の日」の15日、紀宝町と御浜町で啓発活動があった。両町のスーパーで啓発チラシを配布し、来店者に声掛けするなどして地域ぐるみで詐欺被害撲滅を呼び掛けた。
紀宝町では、高齢者地域見守り隊(小田原徳子代表)が同町鵜殿の主婦の店で紀宝警察署と合同啓発活動を展開した。
高齢者を詐欺被害から守る取り組みで、毎月1回実施。今月は「クーリングオフ制度」を紹介するチラシを来店者に配った。
この制度は、消費者が訪問販売など特定の取引形態で契約した場合、一定期間内であれば無条件で契約を解除できるもの。チラシには、クーリングオフの効果や手続き方法などを記載した。
御浜町では、紀南高校生徒会(大西輝人(きらと)会長)、同町防犯委員、紀宝署の署員が参加し、パーク七里御浜ピネで実施した。
生徒らは「詐欺に注意してください」などと来店者に話し掛け、新型コロナワクチン詐欺、サポート詐欺、還付金詐欺の手口などを記したチラシ3枚を配布した。
ワクチン接種詐欺は「○万円払えば優先的に接種でき、お金は後で返金される」「接種に必要なので口座情報を教えてください」などと電話やメールで金銭をだまし取る手口。接種は無料で、電話やメールで個人情報を求めることもないため、行政機関などをかたる「なりすまし」に注意するよう求めている。
(2021年7月17日付紙面より)
下里とも子ガーデン (那智勝浦町 )
那智勝浦町下里の「下里とも子ガーデン」(岩本カナエ代表、会員7人)で夏の花たちが元気いっぱいに花を咲かせている。カサブランカやヒマワリ、一年草のアマランサスなどがガーデンに彩りを添え、住民や見物人の目を楽しませている。
同ガーデンは花壇の所有者であった故・笠松朝子さんの遺志を受け継いだ会員や住民らがボランティアで管理している。
花壇には前述の花のほか、白色が強いヒマワリ、ジニア、コキア、マリーゴールド、ケイトウ、ハツユキソウ、ヒャクニチソウなども開花している。
ガーデン内にはテーブルやベンチを設置しており、花を見物しながら休憩や昼食ができる。
会員によると、メンバーも高齢化してきているため、今後の維持・管理がしやすいようなレイアウトを進めているという。8月ごろは葉ボタンの種を植え、正月用の花の準備をしていくと話した。
また、「和歌山県花を愛する県民の集い」の事務局を通して、「第31回全国花のまちづくりコンクール」への応募も行っている。
岩本代表は「メンバー以外の方でも笠松さんと仲が良かった方が集まってきてくれる。毎年、もってくれる宿根草も増やしていきたい」。来場者に対しては「近くにはハマボウの郷もあり、きれいな花を咲かせています。近くに来られた際はお気軽にガーデンにお立ち寄りいただければ」と語った。
(2021年7月17日付紙面より)
【第37回】食育の目的を決めよう②
一気に夏になりましたね。今回は、前回に引き続き、食育の目的についてお伝えしたいと思います。
まずは「子どもを健やかに育てたい」。これは多くの方が願うことですね。子どもを健康で、前向きな子にしたい。その気持ちはよく分かります。これも、食べるものを安心安全なものに!と神経質になる必要はありません。バランスを考えて献立を作ったり、外食したりすればそれで十分です。大切なのは、ちゃんと考えているということを伝えることです。
子どもは食について、親が自分のために考えて用意してくれているということを敏感に感じ取ります。そういうことで、受け入れられている大切にされていると感じて、自己肯定感を高めます。また、どういったところに注力しているか、を伝えることで、自身の食意識を高めます。何を食べるか、よりもどう食べるか。家族と楽しい食卓を囲むことこそが、子どもを健やかにするのです。無理して頑張って手作りをする必要もありません。
続いて「食の知識を付けてほしい」場合。これはさすがに、親に知識がないと無理と思いますか? 果たしてそうでしょうか? 私は、一緒に調べることをお勧めします。今はスマホ一つで、いろんな情報が手に入る時代です。「きゅうりにはどんな栄養があるかな?」と一緒に調べてみてはどうでしょう? わが家ではよく、食事中に、「OK Google! ズッキーニについて教えて!」などと、質問します(笑)。食卓での会話のきっかけになりますし、とってもお勧めです。
これは「食事のマナーを教えたい」もそうですよね。正しいマナーを一緒に調べて実践してみるのも楽しいと思います。親にガミガミ言われるよりも、正しい配膳やマナーを一緒に調べた方が身に付くかもしれません。
最後は「一流の味覚を育てたい」。ここでいう一流とはどんなものでしょうか? ミシュラン三つ星の味? そうではないですよね。私が考える一流の味覚は、例えば、顆粒(かりゅう)だしとカツオだしの違いが分かるとか丁寧な仕事で作られた素材や料理をおいしいと感じるとか、そういうことです。
では、これを育てるために、私たちは毎日丁寧な仕事をして手作りのお料理を作らなければいけないと思いますか? そんな必要はありません。日頃は顆粒だしを使っても、たまにだしをとって、「これはカツオで取っただしだよ」とその違いを認識させること。それで十分だと思います。「おいしいでしょ?」と。
大切なのは、素材の味を知ることだと思うのです。食育は意識するだけでいいんです。知識も、お金も必要ありません。食について、子どもに教えたいという気持ち。その気持ちがあれば誰でも、今すぐに最高の食育ができます。そして、食育より大切なのは、お母さんやお父さんがニコニコ楽しそうにしていることです。
どうか気負わずに、できることから食育を意識してみてください。この記事を読んでくれているだけで、すでにあなたは食育ができていると私は思います。
(2021年7月17日付紙面より)
夏の風物詩「扇立祭」 (熊野速玉大社 )
新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で14日、「扇立祭(おうぎたてまつり)」が営まれた。神職が速玉宮前で高さ1・5㍍、幅1・65㍍の檜扇(ひおうぎ)を開帳。奉賛会役員や大社関係者らが新型コロナウイルス終息や無病息災、家内安全などを願い神前に玉串をささげた。
熊野地方の夏の風物詩として1000年以上の伝統を持つ祭り。神前に立てられた檜扇に神が降臨し、氏子が病気にかからないよう、また五穀につく虫を追い払って豊作を願う。
室町時代の作品と伝わる檜扇は大社を代表する宝物。現在、日本に18握ある国宝のうち11握が大社に伝わっている。ヒノキの薄い板の木目の美しさを生かしながら花鳥風月が描かれており、「熊野檜扇」と称される。
祭りで使用されている檜扇7握は、1964(昭和39)年に模写されたもの。本殿用は大社先々代の故・上野殖宮司、残り6握の各殿用(高さ0・8㍍、幅1・3㍍)は故・杉本義夫さんが模写し、故・鮒田和往さんが奉製した。
今年の扇立祭は、新型コロナ感染症拡大防止の観点から神事のみを斎行。上野宮司が新型コロナや自然災害の終息などを願い祝詞を奏上し、巫女(みこ)らが「扇舞(浦安の舞)」を奉納した。
例年では雨天の場合は祭りを順延し、晴天日に各殿にて6握の檜扇を開帳するが、天候不良の影響を受けた今年も昨年同様、7握全ての檜扇が拝殿にまつられた。
神事を終え、上野宮司は「多くの参拝者にお参りいただいていた風景を当たり前のように感じていたが、新型コロナウイルス感染症を通してそのありがたさに改めて気付いた」。
「今、あるものに気付き、楽しみ、幸せを見いだしていくことが必要。幸せの価値観や設計図を書き直す時期に来ているのでは」と説き、「大神様のお守りを喜びと感じる姿勢が必要。来年こそは通常のお祭りができるように願いたい」と思いを語った。
(2021年7月16日付紙面より)
市野々小で防災学習 (那智勝浦町 )
那智勝浦町立市野々小学校(中西健校長)で13日、5、6年生12人を対象とした防災学習「平成23年紀伊半島大水害をふりかえる」があった。県土砂災害啓発センターの坂口隆紀所長が同水害時の周辺の状況について説明したほか、同町井関在住の防災士・久保榮子さんが紙芝居を用いて自身の災害体験談を語った。
2011年の同大水害で甚大な被害を受け、児童1人が亡くなった同校では、災害時の教訓を後世に生かすためさまざまな防災学習や取り組みが行われている。
この日の授業のテーマは「10年前の紀伊半島大水害で何が起こったのかを知る」。命を守る行動を自ら進んで取り、周りに呼び掛ける力を身に付けるため、これまでの学習や家族の聞き取りを重ねる中で分からなかったことなどを再確認することを目的として実施した。
坂口所長は「紀伊半島大水害での那智谷での状況」と題して、水害の概要や同校周辺の被害状況を資料や写真などを用いて説明。
「紀南地域を中心に死者・行方不明者は61人、うち那智勝浦町では28人が亡くなり1人が行方不明となった」「那智川流域七つの支流で同時多発的に土石流が発生した。土石流により那智川に土砂が堆積したことにより一気に水が襲った」「こんなに大きな被害があったことを知っておいてほしい」などと話した。
児童らは坂口所長の話を聞きながら熱心にメモを取り、スクリーンに被災現場の写真が映し出されると「怖い」「丸太が刺さってる」などと口にし、水害発生当時に思いを寄せた。
同水害で夫を亡くし、自身も被災した体験を経て72歳で防災士の資格を取得した久保さんは「40年余り住んでいて経験したことがなかった。那智川から大きな音が聞こえてきたが、それが大洪水の前兆だとは気付かなかった」と自身の体験を紹介。
「この地域は風光明媚(めいび)で素晴らしい環境。そんな中で学ぶ皆さんが、災害によって希望と夢がある人生をなくしてほしくない」と子どもたちに託す思いを語った。
(2021年7月16日付紙面より)
CGS部ボランティア班 (串本古座高校 )
県立串本古座高校CGS部のボランティア班が14日、和歌山信愛大学の学生(2年生)と保育情報の交換を目的としたオンライン交流を始めた。
この交流は、同大学の森下順子准教授が子育て支援関係の共同研究の一端で調査対象とする串本町を訪ねた折、同校地域協議会の松本英明コーディネーターから生徒が地元のこども園で保育ボランティアをしている話を聞いたことがきっかけ。紀北に位置する同大学は新型コロナウイルス感染症の情勢で保育実習がままならない状況が続いていて、森下准教授はその生徒と学生が交流すれば同実習に近しい成果が目指せると考え同校へ交流を申し入れた。
同班は新入部員の勧誘後、2グループに分かれて5月下旬からおおむね週1回の頻度でくしもとこども園へ通い保育ボランティアに取り組んでいる。その経験を生徒から学生へ伝え、生徒が直面している保育の悩みを学生が解消するという互いに高まり合う形を目指してオンライン交流の第一歩を踏み出した。
この日は生徒と森下准教授のゼミに参加する学生と共同研究者・愛知教育大学の厨子健一講師がウェブ会議システム「Zoom」でつながり、まずは互いに自己紹介。学生から保育ボランティアの内容や悩んでいることのインタビューがあり、次回までにアドバイスを考えるとしてその内容を預かった。
学生が園児と一緒にやってみたいミニゲーム(絵でしりとり)や手遊びの紹介もあり、保育ボランティアの中で試してほしいと希望しお互いに課題を持ち合って締めくくった。
この交流は週1回の実施を予定しているが、次週がさっそく夏休みにかかるため、本格的に動き出すのは第2学期からとなる見込み。そのタイミングで森下准教授の共同研究者・和歌山大学の村田和子教授も加わるという。
グループリーダーの久保文乃班長(2年)は「楽しかった。大学生の皆さんは話し方が上手で、こっちも話しやすかった。フレンドリーな交流でこれからが楽しみ」と初の交流の第一印象をコメント。廣瀬日向班長(2年)は「困ったことや聞きたいことを調べてくれるので頼もしい。子どもを楽しくさせる方法をいろいろとできる限り教わりたい」と今後の意気込みを語った。
(2021年7月16日付紙面より)
紀宝町のコンビニで訓練 (紀宝署 )
「特殊詐欺撲滅の日」の15日、紀宝警察署は紀宝町鵜殿のファミリーマート紀宝鵜殿店で特殊詐欺被害を防ぐための声掛け訓練を実施した。
携帯電話に「サイト利用料の未納がある」とのメールが届き、連絡を取った相手からコンビニで電子マネーを購入するよう指示されたとの想定。署員が高齢者役を務めた。
高齢者が10万円分の電子マネーを購入しようとしたところ、店員が詐欺を疑い「最近、電子マネーの詐欺が多い。警察に相談するので、少し待ってもらえますか」など警察官が到着するまで粘り強く説得した。
訓練後、生活安全刑事の城田真一課長は「特殊詐欺は県内で多数発生している。様子がおかしいと思ったときは『警察に相談します』と伝えてください」とし、県警が作成したチェックシートの活用を呼び掛けた。同店の鈴木大史店長は「3年前に特殊詐欺を疑う事例があったため、普段から気を付けるようにしています」と話していた。
県内では高齢者のみならず幅広い世代で特殊詐欺被害が発生しており、電子マネーを購入させる手口の詐欺も多いという。6月末現在、特殊詐欺は50件があり被害総額は8630万円。昨年同期より6件9860万円減少したが還付金詐欺15件1340万円、架空請求詐欺12件3900万円、キャッシュカード詐欺盗10件1510万円の被害が出ている。同署管内では昨年12月、架空請求詐欺で約30万円の被害が発生した。
(2021年7月16日付紙面より)