熊野那智大社「紫陽花祭」
那智勝浦町の熊野那智大社(男成洋三宮司)で14日、自然の恵みに感謝をささげ、梅雨時の無病息災を祈る「紫陽花(あじさい)祭」が営まれた。町内の女性コーラスグループ、勝浦グリーンコーラス(大林幸子代表)が神事の後に歌声を奉納し、参拝者らを楽しませた。
神事では神前にアジサイをささげ、男成宮司が祝詞を奏上した後、アジサイの小枝を手にしたみこが神楽「豊栄の舞」を奉納した。旧宮司職舎前の「紫陽花園」では、アジサイを飾った茶席が設けられ、参拝者らに茶と茶菓子が振る舞われた。
神奈川県伊勢原市から訪れた土岐智恵子さん(53)は「素晴らしいお祭り。身が引き締まる思いでした。アジサイの花をめでる気持ちも伝わってきました」と話した。
歌の奉納を終えた大林代表は「創建1700年の記念の年に奉納できたのはとてもうれしい」と喜んだ。男成宮司は「心の込もった歌声の奉納はありがたかった。地元の方々が記念の年に心を寄せていただけるのは本当にうれしい」と話した。
大社境内には多くのアジサイが咲いている。シカの被害を受けて減少したものの全体で数十種類、約2000株あるという。紫陽花園は今月末まで一般公開されている。
(2017年6月15日付紙面より)
那智川流域の対策工事 (紀伊半島大水害 )
国土交通省近畿地方整備局紀伊山系砂防事務所は13日、報道関係者を対象に那智川支流域の砂防えん堤建設現場などで工事の進ちょく状況を説明した。平成23年9月の紀伊半島大水害から6年目を迎え、支流域に計画した17基の砂防えん堤のうち14基が完成し、緊急的に土砂・流木の流出を抑える目的の工事はほぼ完了した。
今後は川幅を広く取り、土砂や流木を堆積させる「堆積工」の整備、地元の石を使った石積みなどを施して景観に配慮した修景工事なども進めていく。29年度から新宮市の高田川砂防えん堤群の工事に着手することも明らかにした。
紀伊半島大水害により奈良、和歌山、三重の3県で3000カ所を超える斜面崩壊が起こり、那智川流域では土石流により、甚大な被害が発生した。国は24年に紀伊山地砂防事務所を設置して工事を進めてきた。5年間で緊急的な砂防事業はほぼ終わったが、土砂流出や下流での土砂堆積による安全度の低下が懸念されることから本年度から紀伊山系に木津川上流域での直轄砂防事業も加え、「紀伊山系砂防事務所」を新たに設置。紀伊山系、木津川水系を合わせて約58億円の事業費を組み、工事に取り組んでいる。
那智川流域では八つの支流に砂防ダムを建設してきた。陰陽川に1基、内の川に2基、樋口川に2基、平野川に2基、鳴子谷川に1基、蛇ノ谷川に2基、尻剣谷川に2基、金山谷川に2基(1基計画中)の計14基が完成している。鳴子谷川はあと2基、金山谷川もあと1基計画中で、全体で17基になる。説明会では陰陽川に設置された幅78㍍、高さ12㍍の巨大な「透過型砂防えん堤」、金山谷川の幅72㍍、高さ14・5㍍の第2えん堤などを見学した。
同事務所の木村佳則副所長(52)は「住民の安心・安全のため、早急に工事が完了できるように進めたい」と話していた。
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※砂防えん堤
土石流を防ぐための施設。水をためるダムと違い土や砂を止める。透過型は鋼製の部分で土砂や流木を食い止め、水を流す構造になっている。
(2017年6月15日付紙面より)
大島プールで清掃作業 (串本町 )
串本町大島にある社会体育施設「大島プール」の清掃作業が12日にあり、島内の有志や大島小児童ら約40人が汚れをこすり落とすなど来る開放期間の準備に励んだ。
大島プールは権現島に面する海岸沿いにあり、大島港の北側から出入りできる。海越しに串本地区などが望めるリゾート的なロケーションと浄水を特色とした屋外プールで、大島保小中が学校プールとして利用するほか、町民の健康増進と交流促進のため7月1日(土)から8月31日(木)まで一般開放もされている。
清掃作業には大島区が推挙する管理人を含めた島内有志と同町教育課職員、大島小の児童と教職員や保護者らが参加。有志や職員は網で落ち葉など大きなごみをすくい取りながら排水を進め、あらわになった水槽の汚れをたわしやデッキブラシでこすり落とした。併せてプールサイドに日よけ屋根を張り更衣室を水洗いするなどの準備も進めた。
同プールは水深110~120㌢の25㍍水槽と浅い小水槽が一体化した構造。大島小は今月30日(金)に全校児童で初泳ぎをするそうで、川口陽菜さん(5年)は「100㍍泳げるようになったので、今年はもっと楽に100㍍を泳げるようになりたい。プールの底にまいたものを拾う『貝取り』とか、みんなで一緒に遊ぶのも楽しみ」と期待を語った。
一般開放の料金体系は、町民の場合、高校生以上の一般200円、中学生以下と70歳以上や障害関係手帳所持者や要介護・要支援認定者は無料。町民以外の場合、高校生以上の一般300円、中学生以下100円、70歳以上や障害関係手帳所持者や要介護・要支援認定者は200円。いずれの場合も一般は10人以上で団体料金(町民150円、町民以外200円)が適用される。上記はいずれも一人あたりの額。乳幼児の利用は付添人の同伴が利用の条件となっている。
利用は大島小学校や中学校のプール指導が最優先で、授業時は水槽をロープで区切り一般利用者と場所を分け合う。開放期間中は基本無休だが、水泳に向かない気象条件時に休場する場合がある。同町コミュニティバスで来場する場合、大島港バス停が最寄り。同プールそばに若干の駐車場所あり。問い合わせは役場教育課(電話0735・62・0006)まで。
(2017年6月15日付紙面より)
アカウミガメ今期初上陸も (新宮市 )
新宮市の王子ヶ浜に14日、体長約1㍍のアカウミガメが今期初上陸した。6カ所で産卵のための穴を掘ろうと試みたが、いずれも十分な深さを掘ることができず断念した。
波打ち際から50㍍離れた熊野川河口付近で、散歩中の地域住民がアカウミガメを発見した。早朝パトロール中の王子ヶ浜を守る会(速水渉会長)会員の榎本晴光さん(62)が連絡を受け、午前5時前に現場に到着した。
産卵時は平均50㌢ほどの深さの穴が必要となるが、どの穴も十分な深さを掘ることができなかった。ウミガメは榎本さんと駆け付けた速水会長(72)らに見守られ、海へと戻っていった。
榎本さんは「河口側は砂利ばかりで穴を掘ることが難しいです。残念ですが、また次の上陸に期待したい」。速水会長は「昨年は5月末には上陸、産卵しており、今年は遅いなと気になっていました。初めての上陸ですが産卵がなかったのが残念です」と話していた。
昨年は5月27日に初産卵を確認しており、今期は昨年に比べて遅いものの、平年並みだという。同会では毎年秋にウミガメ放流会を実施していたが、今年からはふ化した子ガメから順次放流していき、放流会では直前にふ化した100匹程度の放流を予定している。
(2017年6月15日付紙面より)
バドミントン講習会
第54回和歌山県空手道選手権大会
那智勝浦町球友会第3回大会
個人総合ではマルコスが3位 (ツール・ド・熊野 )
熊野地方を舞台に1日から4日間にわたり国内外のトップライダーが集い、熱戦が繰り広げられた「第19回ツール・ド・熊野」が4日に終了し、ホストチームとして参戦した「キナンサイクリングチーム」がチーム総合で連覇を果たした。
キナンは2位のタブリーズシャハルダリチーム(イラン)に3分29秒差をつけて優勝。個人総合ではチームのマルコス・ガルシアが3位、山本元喜が7位、トマ・ルバが8位、山岳総合でトマ・ルバが2位に入った。
ツール・ド・熊野参戦3年目のキナンは、初日のプロローグを総合15位で終え、第1ステージで順位を4位まで上げた。続く第2ステージでは、トマ・ルバのチーム初となるステージ優勝やマルコスの3位入賞、山本元喜も9位と活躍し、チーム総合首位に浮上した。第3ステージでは、レース前は42秒差だったタイム差を3分29秒にまで広げ、連覇を飾った。
表彰式でキャプテンのジャイ・クロフォードは「角口会長の言うとおりに走ったら優勝することができました」とユーモアを交えて語り、会場を笑いの渦で包み、「皆さんのおかげで勝つことができました。本当にありがとうございました」と喜んだ。
石田哲也監督は「(個人)総合優勝を狙って戦ったのですが、ホセ選手(マトリックスパワータグ)も強くて、そこには及ばなかったが、チーム総合優勝と昨日の第2ステージのステージ優勝ができたので結果としては良かったと思います。来年は(個人)総合優勝を狙って、トライしていきたい」と話した。
(2017年6月6日付紙面より)
画家の諏訪敦さんが参拝
那智勝浦ロータリークラブ(那智勝浦RC・後誠介会長)が那智山青岸渡寺(高木亮享住職)に奉納したご朱印用紙の精密鉛筆画を描いた、画家の諏訪敦さん(49)が3日、後会長らと那智山を訪れ、同寺と熊野那智大社(男成洋三宮司)を参拝した。
那智勝浦RCは、創建1700年を迎えた那智大社と西国三十三所草創1300年の記念事業を開催中の青岸渡寺へ今年4月に細密鉛筆画を配した記念ご朱印用紙を奉納した。那智大社には鉛筆細密画家の篠田教夫さんが那智の滝を描いた「那智御瀧」、青岸渡寺には画家の諏訪敦さんが青岸渡寺本堂を描いた「本堂」が贈られた。篠田さんは3月18日に那智山を訪問している。
この日、青岸渡寺を訪れた諏訪さんを高木亮英副住職らが出迎えた。高木副住職は諏訪さんに感謝の言葉を述べ、寺の由来や修験道について話した。
諏訪さんは北海道の室蘭生まれ。国宝『那智瀧図』を見たことがきっかけで、2003年に那智の滝を描いたという。同じ年、初めて熊野を訪れた。「一般の暮らしとは時間のスケールが違う中、那智の滝が変わらずにある。さまざまな階層が、この一カ所で感じられるのは素晴らしい」と話し、古い建造物などが残る歴史的なこの地域への創作意欲を語っていた。
記念ご朱印は、那智大社と青岸渡寺いずれも2000円。那智大社では1700枚にナンバーを入れて頒布している。
(2017年6月6日付紙面より)
料理2種類商品化に向け (串本マグロ料理推進協 )
串本マグロ料理推進協議会(大橋究未会長)は本年度、和歌山大学観光学部の学生8人と連携して串本産養殖クロマグロの料理「マグトルジャー(=ジャーサラダ風ちらしずし)」「マグカラくん(唐揚げ)」の商品化を進める。販売を前提にしてその筋道を形作るのが目標で、連携するにあたり3、4の2日間、学生を招いて現地視察や試食の機会を提供し、互いの理解と親交を深めた。
上記の料理は前年度、同協議会と県立串本古座高校家庭部と連携して開発し発表。同校文化祭や南紀熊野ジオパークフェスタの各会場で販売し、アピールに努めた。養殖クロマグロを手軽に味わえる料理だが食材コストが高すぎる点が課題になり、現状で目標とする常時販売には至っていない。そのため商品化をさらに推進する方策として、同大学の地域インターンシップ(LIP)の活用を考えた。
LIPは学生が課題を調査し地域と一緒に解決方法を考える実践演習。自治体の協力を得て複数の実習テーマが設定されていて、同協議会は事務局の同町産業課を通して上記趣旨の実習テーマを新設し、1、2回生8人が選択し演習として動き始めた状況にある。
現地視察では町域の主な観光地や主力産品など地域資源の特色やクロマグロ養殖の現場などを紹介。商品化を目指す料理2種類は学生みずから調理して味わいを確かめた。2日目午後は同協議会事務局(=同町産業課)と学生が懇談会に臨み、料理の印象発表や改善点の提案、今回の連携でできそうな宣伝手法などで意見を出し合った。
学生からはコスト削減やボリューム感向上を求める意見が挙がり、ジャーサラダ風は失うが層を見せたいというこだわりを押しずしで表現し、バーガー用の紙容器に両方を詰めてセット販売すれば選ばれるのでは、というアイデアも提案された。宣伝手法面ではクーポン付き雑誌を活用すると注目されやすいなどの意見があった。
今回の研修について8人のリーダー、中西凱さん(2回生)は「LIPに参加して初めて串本がマグロで栄えていることを知り、養殖が技術的に高い位置にあることも分かった。マグロは天然資源が枯渇し養殖が注目されている。いわば飛躍のチャンスであり、その機会に協働できることが嬉しいし、精いっぱい頑張りたい」とコメント。
今後の取り組みの流れは同日現在で未定だが、同協議会事務局の博多敏希さんは学生の側の成果も重々配慮し、販売開始を絶対条件にせず協働で商品化に弾みをつける成果を目指して連携するとしている。
(2017年6月6日付紙面より)
実行委員ら寄付回りを開始 (新宮市佐野区 )
新宮市佐野の夏の風物詩、「佐野柱松」。8月16日(水)の開催に向けて、実行委員会(瀬古尊夫会長)のメンバーが、区内の各戸を訪問して運営資金の寄付を募る活動を開始した。4日には、12人が佐野1丁目~2丁目を回った。
佐野柱松は五穀豊穣(ほうじょう)などを願う同区の伝統行事。戦時中に一時中断、1948年に再開したが、資金、人手不足で1959年に再び中断。1993年に同実行委員会が復活させ、25年目となる。
寄付を呼び掛ける活動は毎週日曜日に行う。6月いっぱいと7月初旬で佐野区民の他、企業を訪問する予定。寄付のお礼にオリジナルのタオルやうちわを手渡す。
くろしお児童館の踊りや子どもたいまつ投げなどに加え、25周年の節目となる今年は花火を増やしていくことも考えている。同委員会の神林信久副会長は「昨年と同じようにスムーズに実行していきたい」と話していた。
(2017年6月6日付紙面より)
第34回紀南テニス団体戦
第19回ツール・ド・熊野