熊野川中学校で防災授業 (国交省 )
国土交通省近畿地方整備局紀南河川国道事務所は28日、新宮市熊野川町日足の市立熊野川中学校(吉田元紀校長、生徒28人)で「大雨が降ったときに身を守る行動を考えよう!」をテーマに防災授業を実施した。生徒らは大型の台風が近づいているときの行動を考え、まとめて発表した。
昨年に続き2回目の取り組みで、今回は保護者や地域住民らが見学に訪れた。同事務所調査課の吉田達也・地域防災調整官が平成30年7月豪雨の雨量や水位の急上昇が起こる理由、それに伴い発生した洪水や土砂災害、紀伊半島大水害時の台風の進路図や雨量などを説明。生徒たちは大型で非常に強い台風が接近しているとの想定で避難する場所、誰と避難するか、避難所に持っていくもの、日常から取り組めることなどを班ごとに考えて発表した。
吉田調整官は「事前に家族や近所で話をしておくだけでも違う。イメージを働かせて考えておいてほしい。普段からできることは、避難場所を知り、歩いてみること。いざというときには自信を持って行動することが命を守るために大事」と締めくくった。
授業を終え「近畿地方整備局管内でも地区、生徒の防災意識が高い。授業は2回目だが台風が来たときの行動が身に付いていて、より意識の浸透が図れていると感じた」と語った。
垣本翼君(2年)は「できる限り高い所に逃げた方がいいと思った。他の班の意見を聞き気付くこともありいいと思った」。奥田将史君(同)は「今年は大きめの台風が来たが事前に備えていたので、家族の誰もけがをしなかった。授業を受けて、災害はどこで起こるか分からないと実感しました」と感想。
授業を見学した西敷屋自主防災会の倉谷修二会長(70)は「防災についての考えがだいぶ浸透していると感じた。今回のことを地域に持ち帰り、参考にして話し合いたい。個人個人がどうすればいいかを考えてもらおうと思います」。
吉田校長は「防災は地域の中ですごく大事なキーワード。日頃から自分のこととして考えるきっかけになれば。地域の方々が来てくれたことで、地域全体で防災を考える機会になれば」と話していた。
(2018年11月30日付紙面より)
画家・田村茂さんが寄贈 (新宮市 )
田辺市出身で大阪府阪南市在住の画家、田村茂さん(71)が28日、新宮市にゆかりのある平忠度(たいらのただのり)を表現した絵画と能面を同市に寄贈した。
田村さんの本業は建築デザイナー。忠度の勇壮さにほれ込み、足跡をたどったところ、新宮市熊野川町音川地区が生誕の地と知り、同市への寄贈を決めた。
絵画は、能の演目「忠度」での、旅僧が桜の木陰で寝入っていると夢の中に忠度の亡霊が現れる一幕を描いたアクリル画(縦65㌢、横53㌢)。背景には三日月と桜の花びらを散りばめ、忠度への思いを込めた。
能面はヒノキを用い1カ月かけて制作。見る角度を変えることで、忠度の喜怒哀楽の表情が浮かび上がるという。
「忠度や平清盛の故郷を巡った。自分の思いが伝わり嬉しく思う。忠度生誕の地に飾ってほしかった」と話す田村さん。これまで手掛けた絵画は寺院などに全て寄贈してきた。2012年に熊野本宮大社へ「六歌仙」の絵を奉納、14年には台湾に15点の能画を寄贈した。
市役所応接室で寄贈を受けた田岡実千年市長は、毎年熊野川町で「忠度まつり」が開かれていることを伝え、「就任して9年になるが初めて能面の寄贈を頂いた。多くの市民の方々に見てもらえる場所に飾りたい」と話していた。
平忠度(1144~84年)は音川地区出身とされている、平清盛の末弟。武将としてだけでなく歌人としても優れていたと伝わっていて、「行(ゆ)き暮れて木(こ)の下かげを宿とせば花や今宵(こよい)のあるじならまし」の辞世の句を残している。
(2018年11月30日付紙面より)
水中クリスマスツリー設置 (串本ダイビング事業組合 )
串本ダイビング事業組合(小松誠司会長、会員22店舗)が28日、ダイビングポイント・備前の海底に「水中クリスマスツリー」を設置した。
平成23年紀伊半島大水害以降の自粛機運で低迷する同事業に再び弾みをつけるため、顧客と会員が共にダイビングに対し意欲的になれるきっかけとして始めた取り組みの一つ。8回目となる今年もより多くのダイバーに串本を知ってもらい、町全体を盛り上げることを目指して準備を進めてきた。
この日は同組合関係のダイバー8人が、あらかじめ飾り付けた高さ約3㍍のクリスマスツリーを持って袋港を出港。備前の水深約18㍍の海底に同ツリーを固定し、アピール用の写真を得るためサンタクロースの衣装を着たスタッフらで同ツリーを囲みながら記念撮影をして作業を終えた。
設置期間は12月25日(火)までを予定。
(2018年11月30日付紙面より)
県警察現場鑑識競技会、県警察剣道大会
2日に和歌山市の鑑識科学センターで開催された「第22回和歌山県警察現場鑑識競技会」で新宮警察署の生活安全刑事課鑑識係の山本和貴巡査長(26)と同課ストーカー・配偶者暴力対策・生活安全捜査係の前田眞輝巡査長(26)のチームが3位の好成績を収めた。また、6日に県立体育館であった「平成30年度和歌山県警察柔道・剣道大会」では女子剣道個人試合で同署警備課の池宮慧さん(26)が2位入賞の快挙を遂げた。
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県内14署の署員が参加して開かれた鑑識競技会では、窓が割られた車内からかばんが盗まれているという事件を想定。30分の制限時間内での作業の手順や効率、基本動作など総合的に評価された。
今年、山本・前田チームは2年ぶり2回目の挑戦。前回は制限時間内に終了させることができなかったが、見事おととしの雪辱を果たし、新宮署としても4年ぶりの入賞を果たした。前田巡査長は「普段現場でやっていることを徹底してやっていこうと作戦会議をしました。それが功を奏したのでは」。山本巡査長は「今後の自分が業務に当たっていく中でも励みになると思います」と話していた。
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県内14署と県警本部の署員らが参加した県警察柔道・剣道大会は毎年1回、技術の向上などを目的に実施している。池宮さんは今年4月に新宮署に赴任。父親が指導者だったことも影響し、小学校1年生から剣道を始めた。同大会では過去にも1位や2位の好成績を収めている。
現在、警察官の稽古の一環で剣道に取り組み、女性署員の指導にも当たる池宮さん。今まで指導してくれた人や関係者に感謝の気持ちを述べ「女性警察官が増えてきた中で、日頃から剣道を通して少しでも強い精神力を養ってくれたらと思い稽古をしています。その結果が付いてきただけだと思います」と謙遜しながらも笑顔を見せた。
(2018年11月30日付紙面より)
もみじ会11月月例杯
JA共済旗学童軟式野球大会
はまゆうカップ開催 (新宮市 )
県新人大会で全部員が近畿出場権獲得 (新宮高校空手道部 )
御船祭の早船競漕 (新宮の速玉祭 )
熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」の御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)で入賞した王子区(上り1位)、大王地区(上り2位、下り1位)、丹鶴区(上り3位)、堤防区(下り2位)、明神区(下り3位)への表彰式が13日、同大社で行われた。
表彰式には5地区の代表者と審判委員が参加。神職によるおはらいの後、上野宮司から上り表彰では各地区に賞状、盾、賞金、下り表彰では1位の大王地区に賞状と盾、2位堤防区、3位明神区に賞状が贈られた。
各地区への賞状、盾、賞金は、株式会社R.Link Corporationの椋野玲史取締役会長から、御船祭を後世に伝え、繁栄させてほしいとの願いを込めて贈られた助成金によるもの。
表彰後、下地昌宏審判長が「来年も今年のような勢いを持って頑張りましょう。よろしくお願いします」と呼び掛け、上野宮司が「各区の練習するその努力はもちろんで、それをこうして表彰し、無事に今年も終わった栄誉をたたえていただいたことを力として、また他の地区からも目指していただけるような立派な区になることを目指してほしい。皆さんがこいでくださるこの姿というのは、今の姿だけで終わると思っては困るわけです。ずっと伝えていくという、その姿のことを思って優勝した区も、また目指そうとする区の皆さんも、勝ち負けは大事だろうけども、それ以上に大事なものを背負っていることも申し送ってほしいというのが私たちの願いです」とあいさつ。
上りで優勝した王子区のとも取りの西村雄作さんは「10年ぶりの優勝で感無量です。OBの皆さんにも喜んでもらうことができ良かった」と話した。
(2018年11月15日付紙面より)
香港ユネスコの楊さんが視察 (南紀熊野ジオパーク推進協 )
南紀熊野ジオパーク推進協議会は11日から13日までの間、香港ユネスコ世界ジオパーク園長などを務める楊家明(ヤン・カーミン)さんを招き、和歌山県内の南紀熊野ジオパークの2度目となる視察が行われた。本紙エリア内では北山村、那智勝浦町、太地町を訪れた。
今回の視察は楊さんから県内ジオパークについてアドバイスなどを受け、改善点の解消や新たな魅力の発見に努めるとともに、世界的な情報発信につなげることが目的。
楊さんはジオパークの世界的な普及に取り組んでおり、日本や世界各地の40カ所以上のジオパークで基調講演やアドバイスを行っている。世界ジオパーク・ネットワークを生かして国際ワークショップを開き、アジアや世界のジオパークの情報拠点となるように尽力している。
12日には、那智勝浦町の勝浦漁港と宇久井ビジターセンターを見学した。太地町では町立くじらの博物館で捕鯨の文化や移民の歴史などを同館学芸員の櫻井敬人さんが解説し、館内を案内した。
楊さんは視察について「訪れた地域は観光客にとっては興味深い場所だと思う。自然の景観や文化的景観も素晴らしい。前回来た時よりも改善された点も多く見受けられる。和歌山には他の地域が学べるところも多い」と評価した。
課題については「資源は豊富にあるが、重点や的を絞った取り組みができていない。その場合、お金や時間をかけ過ぎてしまううえ、うまくいかない」と指摘。「重要でないものは取り除いていくことが大事。ジオパークの取り組みが開始されて6年ほど経過したが、総括していく時期だと思う」と語った。
その後、楊さんは太地町内のまちなかジオツアーに参加し、堀順一郎・那智勝浦町長を訪問した。夜はホテル浦島で歓迎会が開かれた。12日には北山村を訪問し、「筏師の道」を歩いた。
(2018年11月15日付紙面より)
八坂神社秋季祭典迎える (古座川町 )
古座川町池野山にある八坂神社の秋季祭典が10日に宵宮、11日に本祭を迎えた。宵宮は夜半に境内で火焚(た)き行事を営み、区民らの随時参拝を集めるなどした。
池野山と上部の氏神社として護持される同神社は現在、年4回の例祭(正月、節分、夏季祭典、秋季祭典)が営まれている。11月の秋季祭典は池野山区(垣秀志区長)が奉仕の主体で、今年は同区の9班(矢本真一班長)と10班(谷正夫班長)が当番の巡りにより宵宮の火焚きを営んだ。
池野山の火焚きは、製材所があった下部のように夜通し行うわけではないが、夜半に火を保ち続けながら参拝者を迎える。宵宮は両班長の仕切りで境内にまきを積み、日没ごろに点火。たちまち広がる火に1本、また1本とまきをくべて火勢を保ちながら区民を迎えた。神前では神酒が振る舞われ、参拝した区民はしばし火焚きを眺め区民同士で近況を報告しあうなどして過ごした。
本祭は早朝に式典があり、その後は上部の獅子連中を迎えて奉納や酒宴の座を営み、その後は道の駅虫喰岩駐車場で区域全体を対象にした地下舞わしもあったという。矢本班長(46)は「区の皆さんが災害を被ることなく平穏に過ごせれば」と今回の奉仕を通して願うところを語った。
(2018年11月15日付紙面より)
3保育所が消防署見学 (新宮市 )
新宮市の蓬莱、佐野、高田保育所は14日、合同で市消防本部を見学した。5歳児44人がビデオ視聴や緊急車両見学、放水体験などをして消防士の仕事を学んだ。
5歳児交流の一環で、年間を通じてジャガイモ掘りや運動会ごっこなどを実施している。園児らは映像教材『火あそびはあぶないよ』を見て火事の恐ろしさを学び、火遊びをしないと約束。防災指導係の堀口清明さんが▽ライターやマッチで遊ばない▽花火をするときは大人と一緒に▽火事になったら逃げて大きな声で知らせる―を呼び掛けた。園児らからは「消防車のホースからどうして水が出るの?」「どんな訓練をしているの?」などの質問があった。
園児らは2班に分かれて通信指令室、救急車、消防車などを見学。車両の役割や装備の説明を受けた。放水体験に挑戦した園児らは防火衣を着用し、緊張した面持ちでホースを握っていた。
はしご車には職員2人が乗り込み、25㍍の高さから360度旋回。園児たちは「先生、大丈夫?」「高い」などと歓声を上げながら手を振っていた。
(2018年11月15日付紙面より)