宗応寺で「涅槃会」法要 (新宮仏教会 )
釈迦(しゃか)の命日の15日、新宮仏教会(会長=白井清牧・清蔵寺住職、会員13人)は、新宮市千穂の宗応寺(石原知実住職)で「涅槃会(ねはんえ)」を営んだ。各寺の住職や副住職が涅槃図を前に経を上げ、遺徳をしのんだ。
新宮仏教会は、市内にある▽松巌院▽淨泉寺▽瑞泉寺▽清閑院▽清蔵寺▽清凉寺▽専光寺▽宗応寺▽東仙寺▽遍照院▽本廣寺―の11カ寺で構成している。
涅槃会は、仏教の祖である釈迦の生誕を祝う降誕会(こうたんえ、別名・花まつり)、悟りを開いた日を記念する成道会(じょうどうえ)と並ぶ三大法会の一つ。
釈迦は35歳で悟りを開くと、その後45年にわたり人々に教えを説く伝道の旅を続けた。インド北東部のネパールとの国境に近いクシナガラで動けなくなり、頭を北にして西向きに横たわり、弟子たちが嘆き悲しむのを慰めながら夜半に80年の生涯を終えたと伝わっている。
涅槃図は釈迦が沙羅双樹の林の下で横たわり、入滅する光景を描いたもので、周囲には嘆き悲しむ弟子や、雲に乗って飛来する釈迦の母などが描かれている。宗応寺の涅槃図(縦156・1㌢、横101・8㌢)は南北朝時代(14世紀)の制作とされている。
毎年、法要は本堂横の室中で執り行うが、今年は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、密を避ける形で本堂大間にて実施。石原住職は「例年なら掛け軸は1週間ほどまつり多くの人に見てもらう機会としているが、翌日にはしまう予定にしている。こんな状況の中でも会員の方々にお経を読んでいただけるのはありがたいこと」。
白井住職は「世情が落ち着かない中において無事に法要を終えることができて良かったと思っている。今後も継続のためお互い元気で尽力していければ」と話していた。
(2021年2月17日付紙面より)
日本クマノザクラの会が記念に (矢渕中 )
日本クマノザクラの会(勝木俊雄会長)は設立翌日の15日、紀宝町立矢渕中学校(竹原巧校長)で記念植樹をした。来春の開花を願い、園芸委員(亀石沙來委員長)がクマノザクラの苗1本を学校花壇に植えた。
会はクマノザクラの保全や活用を目的に発足し、3年目の苗木を学校に提供。副会長の田尾友児さん、会員で樹木医の中村昌幸さんらが訪問した。
苗木はクマノザクラの調査にも参加した中村さんが育てたもので、高さ約2㍍。園芸委員が順番にスコップで根元に土をかぶせた。園芸委員は各学年6人の計18人で、普段から花壇の管理をしており、亀石委員長(2年)は「クマノザクラを見たのは初めて。大切に育てたい」と話していた。
会ではこの日、同町役場玄関前にも鉢植えのクマノザクラを飾った。3月には咲き始める。今後も要望があれば植樹に協力する方針だ。
町内で保全に取り組む田尾副会長によると、クマノザクラは北桧杖、鮒田地区や子(ね)の泊山桐原登山口付近に多く自生しているという。
(2021年2月17日付紙面より)
町産鹿肉のレトルト商品 (古座川ジビエ山の光工房 )
古座川町月野瀬にある古座川ジビエ山の光工房(鈴木貴裕施設長)がこのほど、町産鹿肉を使ったレトルト食品2種類の取り扱いを始めた。地元に知ってほしいという思いで、町内の児童生徒への贈呈も計画。15日に町内各校を訪ね、児童にはボロネーゼ(パスタソース)、生徒にはキーマカレーを届けた。
同工房は、独自のガイドラインと先鋭の機器を駆使して臭みを抑えた新鮮なジビエを生産。「こころうたれるシリーズ」と題してオンライン販売用の加工食品製造にも力を入れるなど販路増強に力を入れている。
レトルト商品の取り扱いは初で、約1年前に県食品流通課の仲介でノウハウを持つ有田食品株式会社=有田市=とつながり開発に着手した。同工房は在庫過剰になりがちなミンチ肉の活用を求め、同社は前述した2種類のメニューを提案。同工房の試食や意見を取り入れながらレシピを仕上げ、今年1月中旬に商品化へこぎ着けた。
土産品を前提とした仕様で、価格はいずれも1袋550円〈税込み〉と設定。同工房は1月下旬から取り扱いを始め、今月15日現在で同工房のオンラインショップと町内の南紀月の瀬温泉ぼたん荘売店、各道の駅物産販売施設、七川ふるさとづくり協議会事務所、もりとよ商店、町外では那智勝浦町下里にあるスーパーマーケットHatiや南紀串本観光協会古座事業所で購入できる。
町立小中学校は地産地消や食育推進の一環ですでに学校給食の食材としてジビエを適時活用していて、その味に慣れ親しむ子どもに新しい商品も知ってもらおうと思って贈ることにしたという。
15日午前は鈴木施設長らが高池小学校へ児童数分のボロネーゼ(1人につき1袋)を届け、学校を代表して大畑眞校長と児童会の山本真琴会長(6年)が受け取り感謝した。午後に他4校へも贈呈。鈴木施設長は「土産品としては安価な設定。子どもたちにはふるさとのジビエを一層誇りに思ってもらえたらと思うし、その気持ちが子どもから大人へと広がっていけば」と今後の反響を期待した。
販路は今後も拡大を目指すという。この商品の問い合わせは同工房(電話0735・72・6006)まで。
(2021年2月17日付紙面より)
熊野三所大神社例大祭 (那智勝浦町 )
那智勝浦町浜ノ宮の熊野三所大神社(くまのさんしょおおみわやしろ)(髙橋正樹宮司)で14日、例大祭が営まれた。今年は恒例行事が全て、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から中止となり、神事のみが斎行された。
同神社は貴重な建築様式の「三間社流造 檜皮葺(ひわだぶ)き」の本殿が有名。
例年は一心会の迫力ある獅子舞や、前日に那智の浜で潮垢離(しおごり)を取り、潔斎した射子(ゆいご)奉仕者が古式ゆかしい作法で矢を射る弓行事や復活した子ども神輿(みこし)などが行われている。
この日は髙橋宮司が祝詞を奏上し、関係者らが玉串をささげた。一心会の汐﨑広一会長は「練習も祭り本番も人が集まらないといけないので今回は残念だった。来年はコロナが終息して通常通りできればありがたい」。
同神社総代の藤社潔さんは「残念だが今年は仕方ない。来年も現時点ではどうなるか分からないが、ぜひこれまで通りに祭りができることを祈っている」と話した。
髙橋宮司は「毎年、お祭りができることに感謝をささげた。この地域や世界の平穏無事を祈願いたしました」と語った。
(2021年2月17日付紙面より)
長年にわたり交通安全に尽力 (那智勝浦町 )
那智勝浦町川関の新宅正さん(68)がこのほど、長年の無事故無違反の継続などの功績に対して贈られる令和2年度交通栄誉章「緑十字金章」(優良運転者)を受章した。2日には新宮警察署から新宅さんに表彰状が伝達された。
同栄誉章は、(一財)全日本交通安全協会が、多年にわたり交通安全活動に尽力し、抜群な功績などがあった交通安全功労者、優良安全運転管理者および優良運転者に対し、功績に応じて「緑十字金章」「同銀章」「同銅章」を贈っている。
同協会長と警察庁長官の連名で贈られる金章、銀章に関しては、毎年1月に開催される交通安全国民運動中央大会で表彰が行われるが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で大会での表彰は中止となった。
優良運転者部門金章は新宅さんを含め全国でわずか34人。県内では新宅さんを含め2人(団体)が金章、5人(同)が銀章に選ばれている。金章受章には▽銀章を受けて3年以上が経過▽30年以上無事故・15年以上無違反―などの条件を満たす必要がある。
新宅さんは運転免許証を取得して約50年。長年にわたりガス会社に勤務しながら配達などで運搬車の運転に従事し、2010(平成22)年に緑十字銀章を受章。その後も13(平成25)年に退職するまで無事故無違反を貫いた。
退職後も無事故無違反を継続。地域の模範運転手として交通安全に大きく寄与したとしてこのたびの受章に至った。現在も趣味の農業のため、毎日のように同町色川や新宮市高田まで車を走らせており、距離は年間約2万㌔に及ぶという。
新宅さんは、慎重でのんびりした性格が受章を後押ししたのでは、と自身を分析しながらも「接触や追突などのもらい事故もなく鹿などの動物もひかずに済んだ。運が良かっただけでは」と謙遜。
受章に当たっては「名誉ある表彰。ありがたいこと」と述べ「章を受けたから、ということではなく、今まで通り安全に気を付けて運転していけたら」と話していた。
(2021年2月5日付紙面より)
ロングハイキングに向け
新宮市の県立新宮高校(前田成穂校長、生徒547人)で3日、新宮ユネスコ協会の中谷剛会長による講話「ユネスコについて~平和・世界遺産・アウシュビッツ・熊野古道~」があった。1年生173人が、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の理念や活動、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について学んだ。
10日(水)の熊野古道ロングハイキングに向けた事前学習。例年は保護者や同窓会員、一般の参加も募って小雲取越コースを歩くが、本年度は新型コロナウイルス感染対策のため、生徒と教職員のみで実施する予定だ。
中谷さんはユネスコについて「第2次世界大戦後、人類が二度と戦争の惨禍を繰り返さないようにとの願いを込めて国際連合の専門機関として創設された」と説明。同協会も、文化講演会やピースウオーク、平和の集いといった教育・科学・文化の普及啓発活動によって、世界平和実現に向けて取り組んでいることを伝えた。
ユネスコの活動の一つである世界遺産の登録と保護に触れ「その端緒となったアブシンベル宮殿の移築は、世界中の人々の知恵と技術を結集して実現した。世界遺産は一つの国のものではなく、人類共通の財産」と解説。
世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」について「神様は下りてきて木や森、山、岩、滝に宿るという『神奈備(かんなび)の思想』が根にあり、そこに神道や仏教、山岳信仰・修験道が融合して神仏習合の思想が生まれた。それにより、吉野・大峯、熊野三山、高野山の三つの霊場が密接な関わりを持ち、道が整備されていった」と述べ、「ロングハイキングでその信仰を感じてほしい」と呼び掛けていた。
(2021年2月5日付紙面より)
ライト投光の事前確認作業 (串本町 )
串本町が3日、民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」の射点付近からの実施を目指すサーチライトによる投光の事前確認作業に取り組んだ。
この投光は、12日(金)から14日(日)までの3日間で展開するロケット事業「宇宙ウイーク」の一企画として実施予定。サーチライトの光の筋をたどることで射点のおおよその位置を示す趣向で、同町は将来的に必要な資機材を取得し、ロケットのまち串本の名物の一つとして定着させることを検討している。
その足掛かりとなるのが同事業における投光で、12日と13日(土)に実施する。時間は当初午後6時から10分間程度と発表したがこの時間帯はまだ空が明るく空気が澄み渡ると光の筋が見えにくいなどの課題が今回の作業でわかり、30~40分程度に延長することを4日に決めた。
この作業のため取り扱い業者が射点付近へ持ち込んだサーチライトは、全光量約48万ルーメンの製品。作業の前半は南西に固定、半ばで南西~南東の範囲で光の筋を揺さぶり後半は南東に固定して投光した。半ばまでの投光方向について同町企画課ロケット推進グループは、大字串本~サンゴ台方面から視認できるかを確かめるためで、後半の投光方向が同事業で実施する本番に近いとしている。
作業中は同町企画課職員が町内数カ所で定点確認をし、加えて他課職員も任意の場所で撮影するなど確認に協力して見学場所などを考える検討材料の収集に努めた。同事業における投光は小雨決行で実施するという。問い合わせは同グループ(電話0735・67・7004)まで。
(2021年2月5日付紙面より)
各神社で「どんど焼き」 (紀宝町 )
紀宝町の神社で3日、正月飾りやお札などを焼く「どんど焼き」が営まれた。各地区の住民から持ち込まれた古いしめ縄やお守り、破魔矢などを火にくべて、昨年一年間の無事に感謝し、今年の無病息災を祈願した。
鵜殿の烏止野(うどの)神社(田中安弘宮司)では、初午(はつうま)に合わせた「節分祭」で田中宮司による神事、厄払いとどんど焼きを行った。
厄払いには古希、還暦、本厄などの18人が参列した。どんど焼きは前日から受け付け、烏止野神社総代会(中道渉会長)の役員らが燃え盛る炎に飾りを投げ入れた。参拝者は今年一年の健康を祈った。
中道会長は「新型コロナウイルス対策として、今年は厄払いの餅ほりを中止にし、厄年の方に各自で配ってもらった。来年は、通常通りの節分祭にしたい」と話していた。
井田の井田神社(塩野真宮司)では「古札炊上祭(こさつたきあげさい)」があり、訪れた地元住民らが炎を見守った。
井田神社では1月1日の歳旦祭、11月3日の例大祭、23日の新嘗(にいなめ)祭、12月31日の除夜祭など年に6回、祭りが行われている。
古札炊上祭は午後6時前から神事を行い、地元消防団の協力でしめ縄や破魔矢、お札、お守りなどに火が入れられた。
塩野宮司は「今年は新型コロナウイルスが収まり、お祭りなどの行事がにぎわうことと、地域の人が一年間、健康で過ごせますようにとお祈りした」と語っていた。
(2021年2月5日付紙面より)
チビリンピック県大会