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2020年08月19日
1 対策講じ夏の例祭
 奉仕業者に感謝状も  (新宮市の王子神社 )

 新宮市の王子神社(西俊行宮司)で17日、夏の例祭が営まれた。村上圭総代会代表をはじめ関係者約20人が参列。秋を前に五穀豊穣(ほうじょう)や収穫の無事などを祈願した。式典前には奉告祭も執り行われ、同社社務所や境内周辺の石垣などを奉仕修復した3業者に感謝状が贈られた。

 同社は、神武天皇の2人の兄である稲飯命(いないいのみこと)、三毛入野命(みけいりのみこと)を祭神とする。

 神社のある下熊野地地区は、かつて農業が盛んな地域で当時から村の神社と親しまれ、毎年1月1日に元旦祭、2月17日に例大祭、そして8月17日に夏の例祭が営まれている。

 西宮司の祝詞奏上の後、村上代表を先頭に参列者が玉串をささげて、五穀豊穣、豊年満作などを祈願。引き続き、隣接する正一位玉廣稲荷大明神、二葉稲荷大明神の社でも同様の神事が営まれた。

 村上代表は、今年の夏の例祭は新型コロナウイルス感染防止のためマスク着用のうえ、できるだけ間隔を空けて椅子を並べて斎行するに至ったと経緯を話し「秋の穫り入れを前にして五穀豊穣、豊年満作、地域の皆さまの安全・安泰、そしてコロナ禍が一日でも早く終息するようしっかりと祈念いたしました」と話していた。

 感謝状を受けたのは、ご神木根元のコンクリートや境内周囲の石垣の修復工事を奉仕した尾畑建設㈱(山下克代表取締役)、大正12年建立の石造り鳥居の傾斜や基礎の修復工事を行った㈲シンユー(太田芳信代表取締役)、おととしの台風で破損した社務所の屋根瓦の葺き替えや内壁・外壁の修理、入り口の木製柱などを修復した㈲汐﨑瓦製造所(汐﨑博昭代表取締役)の3業者。西宮司が感謝状と記念品を贈呈した。

(2020年8月19日付紙面より)

奉仕業者に感謝状が贈られた=17日、新宮市の王子神社
玉串をささげ五穀豊穣などを祈願した
修復された石垣や社務所
2020年08月19日
2 外観を見て取れる段階に
 串本町役場新庁舎の建設  

 来年3月末に建物部分を仕上げる方向で建設が進んでいる串本町役場新庁舎―。着工から10カ月余りが過ぎ、いよいよ外観が見て取れる段階に達している。

 新庁舎は同町サンゴ台にあるくしもと町立病院奥の造成地内に用地(約1万3339平方㍍)を得て建設中。耐震性を確保するため岩盤に達するまで杭を打ち込み、その上に鉄筋コンクリート造の地下部を載せさらにプレキャストプレストレストコンクリート造の地上部(2階建て、延べ床面積5442平方㍍)を載せる構造(種別はPCaPC造一部RC造)で完成を目指している。

 駐車場など付帯する外構整備も含めた総事業費は約33億円。うち9割を緊急防災・減災事業債と合併特例事業債(30年償還、交付税措置により同町の実質負担額は約10億円となる見込み)、残りを国庫補助金や庁舎建設準備基金、ふるさと応援寄付金や一般財源で充当する。

 プレキャストは工場製造という意味で、プレストレストコンクリートは加重耐性を高めたコンクリートの一種。鉄骨風の構造体にプレキャストプレストレストコンクリートの構造材を組み合わせる工法となるため現在、骨組みのような外観をのぞかせている。

 役場総務課によると、新型コロナウイルスの影響を若干感じるものの現状で来年3月末の建物完成という方向性に変わりはないという。完成以降は庁内のネットワーク環境や段階的な備品移動が必要で、その段取りは現在検討中。町民の日常的な利用に極力負担をかけないよう円滑に移転を進めたいとしている。

(2020年8月19日付紙面より)

外観が見て取れる段階に達している役場新庁舎の地上部分=14日、串本町サンゴ台
2020年08月19日
3 那智勝浦町が組合加入か
 受け入れは最短で令和5年秋予定  (紀南環境衛生施設事務組合定例会議 )

 紀南環境衛生施設事務組合(管理者・田岡実千年新宮市長)は17日、新宮市福祉センターで定例会議(議長・松本光生新宮市議会議員)を開催した。事務局から出納検査の結果などについて報告があったほか、歳入歳出決算の認定について審議、承認した。

 同組合は和歌山県新宮市、田辺市、太地町、北山村、三重県紀宝町、御浜町の2市3町1村で構成し、南清園と火葬場(清浄苑)を運営する。組合議員は各市町村議会議員から選出の15人(新宮5、その他各2)で組織している。

 今年3月に那智勝浦町からの組合加入の申し出があったことを受け、4月30日に開かれた同組合議会全員協議会において協議がなされた。

 同町の火葬場は1983(昭和58)年に竣工(しゅんこう)。36年を経過したことを受け令和元年度に15年延命する工事(工事費約4000万円、令和4年度まで)を計画したが、延命化後の新築建設費が約5億円かかる見込みだった。

 そういった状況を鑑み、同町は住民サービスの向上や負担軽減を図ることを目的に、効率的かつ効果的な運用を行っている組合に加入の申し出をすることを決定した。

 同町加入により、稼働率が36%(平成30年度実績)から48%となることなどから、清浄苑では火葬炉を1炉増設し、動物炉1炉も改築が必要となる。同町の火葬を受け入れる(管内扱いとする)のは増改築終了後で、最短で令和5年秋頃になる予定。火葬炉建築事業費はコンサル委託業務一式、火葬炉工事費、施設整備費など合わせて2億7600万円を見込んでいる。

 現在は和歌山、三重の両県、総務大臣と規約変更の事前協議を済ませており、同町および各市町村議会で規約変更の議決がされた後、議決を受け各市町村長連名で総務大臣などに規約変更許可申請を提出する予定。

 全員協議会において管理者の田岡市長は「さまざまな事務の広域化や連携を深める上で今般、那智勝浦町の加入は組合構成市町村にとっては大きなプラスとなり歓迎すべきこと」を理解を求めていた。

(2020年8月19日付紙面より)

紀南環境衛生施設事務組合定例会議の様子=17日、新宮市福祉センター
2020年08月19日
4 楽しみながら熱中症対策
 神倉小にミストシャワー  (新宮市 )

 新宮市内の公立小中学校と県立高校で17日、夏休みが明け、授業が再開された。新型コロナウイルス感染拡大による夏季休業短縮の影響もあり、酷暑の中で教育活動を行わなければならない今夏、各校には感染症対策と熱中症対策の両立が求められている。

 そんな中、神倉小学校(藪中秀樹校長、児童436人)では夏休み中に設置したミストシャワーのお披露目があった。子どもたちに楽しみながら熱中症対策をしてもらうことが目的だ。

 設置したのは校舎1階の職員室横のウッドデッキで、午前中は日陰となるため、体育の授業中の休憩などに使用する予定。

 休み時間中にウッドデッキに遊びに来た児童たちは、「涼しい」「シャワーだ」と大喜び。ミストに手を伸ばし、髪や手をぬらして涼んでいた。

 同校によれば、8月中はグラウンドや体育館での体育を控えるよう検討している。その他、授業中に水分補給の時間を設け、暑い日には休み時間中に外遊びをしないよう呼び掛けるなどの工夫をしているという。

(2020年8月19日付紙面より)

ミストシャワーに喜ぶ児童=17日、新宮市立神倉小学校
2020年08月19日
5 熱中症の疑いで13人搬送  8月中に熊野市消防本部管内で  
2020年08月19日
6 夏休みの思い出に  親水公園自然プールにぎわう  (紀宝町 )
2020年08月19日
7 救急医療情報キットを配布  町民65歳以上など対象に  (紀宝町 )
2020年08月19日
8 追善花火が夜空を染める  熊野市で合同初精霊供養  
2020年08月19日
9 昨年の半分ほどで推移  8月連休~盆の入館者数  (南紀熊野ジオパークセンター )
2020年08月19日
10 市民の3R活動を支援  ごみ収集・分別アプリを導入  (新宮市 )
2020年08月19日
11 橋本郵便局の耐震工事終了  9月1日から営業を再開  (新宮市 )
2020年08月19日
12 「戦争は絶対にいけない」  当時の新聞報道で回顧  (戦後75年 )
2020年08月19日
13 新たな気持ちで楽しく  はまゆう保が新園舎で保育業務開始  (新宮市 )
2020年08月19日
14 お悔やみ情報
  
2020年08月14日
15 徐福の遺徳しのぶ
 供養式典に15人参列  (新宮市 )

 新宮市徐福の徐福公園で12日、徐福供養式典が営まれた。熊野徐福万燈祭運営委員長の田岡実千年市長をはじめ、一般財団法人新宮徐福協会の山口泰郎代表理事ら関係者15人が参列し、徐福の遺徳をしのんだ。

 徐福は今から約2200年前、中国を統一した秦の始皇帝の命を受け、不老不死の霊薬を求めて熊野に渡来したという伝説がある。公園内には、紀州藩初代藩主・徳川頼宣の命で1736年に建立された墓碑(市指定文化財)がある。

 今年の式典は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、規模を縮小し関係者のみで執り行った。また、関連行事である「熊野徐福万燈祭(新宮花火大会)」は中止が決定している。

 山口代表理事は、一日も早い新型コロナの終息を祈願しつつ「今年も徐福さんに思いをはせる日がやってきました。徐福さんが取り持つご縁は、友好的で平和的な交流の礎構築に寄与してきた」とあいさつ。

 「今年は新型コロナウイルスのまん延という大変な世界情勢ではあるが、『徐福さん』顕彰の理念である『友愛の絆』を忘れることなく、徐福さんを媒介として国内外の関係者の皆さまとの交流が一日も早く訪れる日が来ることを願ってやみません」と述べ、来年の式典と花火大会が盛大に開催されることを願った。

 徐福の墓前で田岡市長が、農耕や捕鯨などの技術を日本に伝えたとされる徐福に感謝し、「新宮市の発展と、日中両国や徐福の縁につながる多くの人々、国内の伝承地のより一層の繁栄と友好を、永遠(とわ)の平和へのお導きとともに、お守りくださらんことを祈念します」などと祭詞祭文を読み上げた。参列者たちは新宮仏教会の読経の中、墓前に線香を手向けた。

(2020年8月14日付紙面より)

徐福の墓前で祭詞祭文を読む田岡実千年市長=12日、新宮市の徐福公園
山口泰郎・新宮徐福協会代表理事らが墓前に線香を手向けた
規模を縮小し、地元関係者のみで式典を斎行した
2020年08月14日
16 32年ぶりに「台風一過」展示
 郷土の芸術を支えた岡本実氏  (三重県立美術館 )

 65年前、絵画集団「うつなみ画会」(現・三重自由美術うつなみ)を結成し、当地方の芸術文化を支えてきた熊野市出身の故・岡本実氏(1917~2002年)。数多くの遺作が存在する中、1960年に描いた「台風一過」が32年ぶりに三重県立美術館(津市)で開催中の「ステイミュージアム」で展示されている。

 岡本氏は県立木本中学校(現・木本高校)、東京美術学校(現・東京芸術大学)を卒業。第2次世界大戦中の43年、シベリアで抑留生活を送り、戦後の49年に32歳でふるさとに帰還した。

 木本高校で教師をしながら郷土の生活を描き、地域文化に貢献しようと55年に「うつなみ」を結成した。現在でも2年に1回、作品展を開いている。

 「台風一過」は59年9月に甚大な被害をもたらした伊勢湾台風を描いた作品。モスクワでの日本現代美術展に招待出品された。その後、88年に三重県立美術館で開催された企画展で展示され、そのまま同美術館が保管していた。

 85歳で永眠するまで芸術文化の発展に寄与し、数々の芸術家を輩出してきた。次女で芸術活動に取り組む女性グループ「なでしこArtists」の代表、榎本優子さんは「父が亡くなって18年になる。数え切れないほどの遺作がある中、この機会に県立美術館で父の作品を見てほしい」と話している。

(2020年8月14日付紙面より)

創作活動に励んでいた岡本実氏
32年ぶりに展示された「台風一過」
2020年08月14日
17 早まる再開に向け稲刈り
 学校給食米の収穫始まる  (串本町 )

 串本町の地産地消生産者組合(山下敏文組合長)が今年も、学校給食米として育てた稲の収穫作業を始めた。新型コロナウイルスの影響で町立小中学校は20日(木)から第2学期が始まり、24日(月)から学校給食が再開する予定。例年より10日ほど早まる再開に間に合わせるため、鋭意稲刈りに励んでいる。

 同組合は学校給食における地産地消を進めるため、2009(平成21)年から学校給食米を生産。その当時は旧古座町域の町立小学校が実施する学校給食に向け年間4㌧を納入していたが、後に学校給食センターが完成して町立小中学校全校と古座川町立古座中学校を対象にした学校給食が始まり、現在は年間14㌧規模へと需要が増している。

 相応に組合員の増強を図り、今年は22人がかりで品種・コシヒカリを育てて米12㌧を納入する計画。山下組合長(70)によると、梅雨の長雨の影響を一時心配したが出穂の時期は好天続きで実入りは上々。再興田の一部でサルとみられる鳥獣被害があったが影響は軽微で目標量に十分届く収量を見込んでいるという。

 高富の町営住宅前にある再興田(約30㌃)は坂本渡副組合長(67)が担当。早まる再開に間に合わせるため10日から稲刈りを始めた。30度を超える暑さの中、愛用のコンバインで連日収穫を進めて12日には一通り刈り終えた。

 組合員の最高齢は87歳、最年少は43歳、平均年齢は68歳。高齢化による退会と生産者減による新入確保の難しさが昨今の悩みで、今年は2人減になってしまったという。串本太地道路の用地取得にかかり生産できなくなる再興田も出るなど逆境が強まっているが、まちの子どもたちのためひるまず安全安心の米を届け続けたいと山下組合長は意気込む。坂本副組合長は「安全安心にこだわって作った米を『おいしい』と言ってくれることが何よりありがたい。新型コロナウイルスで大変な時期だけれど、地元産の米をしっかりと食べて頑張ってほしい」と学校給食米に込める思いを語った。

 組合員の収穫作業は9月中旬まで続くという。

(2020年8月14日付紙面より)

2学期の学校給食再開に間に合わせるため収穫に励む坂本渡さん=12日、串本町高富
2020年08月14日
18 猛暑に負けずに稲刈り作業
 各地区で収穫始まる  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町各地区の田んぼで稲刈りが始まっている。12日、中里地区の田んぼでは川関在住の専業農家・桒野稔近(くわの・としちか)さん(36)が日差しに照らされた稲穂をコンバインで刈り取り、収穫作業に汗を流していた。

 桒野さんは、子どもたちに米の大切さや地域の農業を身近に感じてもらうためにJAみくまのが実施している「食農体験」の稲刈りにも協力している。今年も実施予定。

 米の品種はコシヒカリで一部、もち米も育てている。桒野さんによると、稲刈りは5日から開始され、盆ごろにピークを迎えるという。

 昨年と比較すると、今年は日照不足の関係から収穫量は少ないというが、品質は良いと太鼓判を押す。

 田んぼを全て併せると400㌃の稲刈りを行うという桒野さんは「15㌧の収穫を見込んでいる。猛暑に負けずに頑張りたい」と笑顔で語った。

(2020年8月14日付紙面より)

よく実った稲穂をコンバインで刈り取る桒野稔近さん=12日、那智勝浦町中里
2020年08月14日
19 世界に広がる合気道の和㊤  熊野塾門下生が米国で活躍  
2020年08月14日
20 火災警報器の購入費補助  町内世帯の住宅用に  (紀宝町 )
2020年08月14日
21 金山が熊野地区代表に  紀宝は2大会連続準優勝  (マクド予選 )
2020年08月14日
22 定期演奏会の無期延期決定  新型コロナの影響を考慮  (那智勝浦吹奏楽団 )
2020年08月14日
23 郵便局窓口にし引き換え  生活支援商品券交付開始  (串本町 )
2020年08月14日
24 お悔やみ情報
  
2020年08月12日
25 国境を超え、平和への音
 日米姉妹都市間ベルリングプロジェクト  (戦後75年 )

 太平洋戦争終結から75年―。人類史上初の原子爆弾が広島と長崎に投下された6日と9日、全米国際姉妹都市協会(SCI)は「日米姉妹都市間ベルリングプロジェクト」を実施した。9日、新宮市佐野の南珠寺では市姉妹都市のカリフォルニア州サンタクルーズ市(サ市)と中継をつなぎ、参加した市姉妹都市親善協会員や市職員、同寺役員や約30人が平和への願いを込めてベルを鳴らした。

 同プロジェクトは、SCIが戦争終結75年の節目を迎えるに際し、平和への思いを一つに日米姉妹都市間で同じ時間にベルを鳴らすというもの。

 戦後に広まった姉妹都市の友好関係を重要視する中、新型コロナウイルスの世界的な流行の影響で日米間交流活動が制限されている現状を鑑み発案。悲惨な戦争を繰り返さないよう、平和を願って心を合わせ、相互尊重や理解、協力を通じて平和を推進していくという象徴的な意義が込められている。日米間には現在、455の姉妹都市が存在している。

 新宮市の参加は、プロジェクトの実施に当たり真っ先に参加を表明したサ市の呼び掛けによるもの。この日、サ市のドナ・メイヤーズ副市長は中継で「日米間の長きにわたる平和な関係の証しとして、1975年よりの友好都市である新宮との素晴らしい異文化交流を享受してきた関係が今、ここにある」。2020年8月5~11日の週を「サ市と新宮市の平和の週」とするといったジャスティン・カンミンズ市長の宣言文を代読した。

 宣言を受け、速水盛康教育長は「素晴らしいメッセージを受け心が打たれた。サ市の皆さんと平和の祈りを共にし、心を響かせながらベルの音(ね)で触れ合える機会をうれしく思う」と述べ、「両市の友好がさらに発展し、絆を深めていけることを祈ります」と伝えた。

 午前11時2分。参加者らは長崎への原爆投下時刻を知らせるサイレンに合わせて黙とう。続いて、投下から爆弾がさく裂するまでの時間に準じ、47秒間ベルを鳴らし続けた。また、「子どもたちの代まで日本の平和が続くように」と願いを込め、同寺の伊藤秀幸住職が娘の怜美ちゃん(11カ月)を腕に抱きベルに合わせて鐘をついた。

 同寺役員らは中継先のサ市に対し「戦争の犠牲者の冥福をお祈りするとともに原爆の後遺症と戦っている方々のことを考えた。世界の平和が長く続きますようお祈りします」。

 同親善協会の岩澤卓副会長は「実際にまたお会いできる日を楽しみしています」と伝えた。

(2020年8月12日付紙面より)

平和を祈り、日米間で同時刻にベルを鳴らした=9日、新宮市佐野の南珠寺

2020年08月12日
26 佐藤春夫と音楽
 南葵音楽文庫アカデミー  (新宮市 )

 和歌山県教育委員会と新宮市教育委員会は8日、市役所別館で「南葵(なんき)音楽文庫アカデミー」を開いた。慶應義塾大学名誉教授の美山良夫さんと日本近代音楽史研究家の林淑姫(りん・しゅくき)さんが講師を務め、36人が聴講した。

 同文庫は、徳川頼倫(よりみち)侯爵が設立した私設の図書館である南葵文庫の音楽部門に端を発しており、その息子である徳川頼貞が継承するとともに、音楽および音楽学の専門図書館に向け拡充。1977年以降、読売日本交響楽団が所蔵している。和歌山県との委託契約により2017年に紀州徳川家ゆかりの地である同県で一般公開のはこびとなった。

 同アカデミーは、文庫が所蔵する資料およびコレクションの基礎を築いた頼貞を中心に、定期講座やミニレクチャーなどを通じて内容や魅力を紹介する目的で実施している。この日は「出前講座」として開催された。

 美山さんは「南葵音楽文庫に宿る『魂』」を題目に講話した。紀州徳川家の系譜をたどり、江戸幕府8代将軍・吉宗は、次男である田安徳川家の宗武に文化的側面を任せ、学問・文芸・芸術に親しむことができる環境を整備。田安徳川家は代々、雅楽や能楽の資料を収集し、それらは国立国文学研究資料館に残されている。

 紀州徳川家10代の治宝(はるとみ)も芸術への造詣が深く、治宝の雅楽の楽器コレクションは現在、国立歴史民俗博物館に保管されている。

 美山さんは、第9代新宮藩主・水野忠央(ただなか)が刊行した「丹鶴叢書」についても触れ「同文庫が特別なのではなく、紀州徳川家やその家臣、また旧藩士らが協力して築き上げた和歌山県の文化山脈の一峰をなすもの」とまとめた。

 林さんは「佐藤春夫と音楽」を題目に講話。春夫と音楽との関係性などについて考察した。

 春夫の詩に付曲された音楽作品は、校歌や市歌など団体歌をはじめ約350曲が確認されている。春夫は唱歌体験について、「音楽的才能の絶無なわたくしは小学校で唱歌の場合にも、曲のおもしろさを感じるよりも歌はれる歌詞の方に興味を持ち、子供にはわかりにくいはずの歌詞の意味も、漠然とながらほぼ理解しておもしろがっていた」(「詩文半世紀」1963年)などと記している。

 一方で作詞家の西條八十(1892~1970年)は「佐藤春夫は、小説家としても有名であるが、『殉情詩集』により、やや古風であるが純粋で気品高い抒情詩を示した。流麗とはいえない一種詰屈(きっくつ)した雅語体の詩風のなかに、何ともいえぬ洗練された音楽をひびかせる作家である」(「詩のつくり方」1947年)と述べている。

 林さんは、早坂文雄が春夫の詩に曲を付けた「うぐひす」、芥川也寸志が曲を付けた「水彩風景」などを紹介し「春夫は東京オリンピックに向けて『オリンピック東京大賛歌』を作詞したが、開会を待たずして死去したため、開会式で歌を聞くことはかなわなかった」と話した。

(2020年8月12日付紙面より)

36人が聴講した「南葵音楽文庫アカデミー」=8日、新宮市役所別館
美山良夫さんが「丹鶴叢書」を紹介した
2020年08月12日
27 吉村聡一郎さんトップ当選
 串本町議会議員補欠選挙  

 串本町議会議員補欠選挙が9日に執行され、別枠の通り当選者が決まった。同選挙へは定数3に対し4人が立候補。当日有権者数は1万3837人(男6436、女7401)、投票者数は6237人、投票率は45・07%で、投票率は平成29年4月執行の同議員一般選挙に比べ27・44㌽下回る結果となった。

 トップ当選を目指して取り組んできた吉村聡一郎さん(51)=無所属・新人=とその陣営は、開票結果を受け当選と目標達成の両面で歓喜した。

 祝いに駆け付けた田嶋勝正町長、佐藤武治県議会議員、結城力町議会議長から期待の言葉を受けた吉村さんは「この当選は支援者皆さまのおかげ。感謝という言葉しか浮かばない」と胸中を打ち明け、「今の田嶋町政を支え、さらに高みへ上げていきたい。ひいては私の夢を現実にするため、命を懸けて一生懸命まちのために働きたい」と宣言。事務員として支えためいの藤崎凜さんから花束を受け、乾杯や万歳で喜びを分かち合った。

 1年ほど前から同町議会の本会議を傍聴するなどしてきた吉村さんが思い描く夢は、「死ぬ時まで誇りを持ち笑顔でいられる串本の実現」。今後に向け「今の町政に対して僕自身は不安には思っていないので、当局の決定をさらに一歩、あるいは半歩でも上のものにできるよう求めていきたい」と意気込んだ。

 今回の当選者は前任者の残任期間を受けるため、任期は同町選挙管理委員会が当選証書を付与した翌10日から来年4月30日(金)までの約8カ月半となる。

(2020年8月12日付紙面より)

トップ当選の喜びを万歳で分かち合う吉村聡一郎さん(左から2人目)=9日、串本町串本

2020年08月12日
28 新宮保健所管内で初の陽性
 那智勝浦町消防職員が感染  

 和歌山県は8~10日の3日間で新たに9人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。9日に陽性が確認された20代男性のうち1人は那智勝浦町消防署職員で、新宮保健所管内では初めて。県内全ての保健所管内で感染者が確認された。県内の累計感染者数は計182人。

 県と同町によると、20代の町消防署職員は7日(8日県発表)に感染が発覚した田辺消防署上富田分署勤務の20代男性の濃厚接触者。4日に和歌山市内において当該職員を含む6人で会食などをし、岩出保健所管内の飲食した友人宅に3人で宿泊。5日の夕方に岩出保健所管内において5人(前日の6人のうち)で飲食し、その後帰宅した。

 当該職員の他に岩出保健所管内在住の20代消防隊員、20代女性3人の6人全員の感染が確認されている。全員、無症状を含め症状は安定している。

 県によると、感染が確認された那智勝浦町消防署職員の濃厚接触者は家族3人、友人4人で現在検査中。

 また、10日には、7月22日にクラスター(感染者集団)が発生した和歌山市の訪問介護施設の入浴介護サービスを利用し、30日に陽性が判明した80代男性が死亡。男性には基礎疾患があったという。県内の死者は4人となった。

(2020年8月12日付紙面より)

2020年08月12日
29 耐久が17年ぶりの優勝
 県高校軟式野球大会  
2020年08月12日
30 福祉や子どもの支援に  1千万円寄付した吉田さんに感謝状  (御浜町 )
2020年08月12日
31 避難所のコロナ対策学ぶ  リモートで災害ボラコ養成講座  (紀宝町 )
2020年08月12日
32 硬式球の感触確かめる  野球教室に中学3年生11人  
2020年08月12日
33 盆踊りや縁日気分味わう  紀宝町の各保育所で「夏祭り」  
2020年08月12日
34 夜の営業時間を早めるなど  NACKTが町内飲食店に呼び掛け  (那智勝浦町 )
2020年08月12日
35 町消防職員のコロナ感染受け  堀順一郎町長がメッセージ  (那智勝浦町 )
2020年08月12日
36 楽しい夏の思い出づくり  三津ノ保で夏まつり  (新宮市熊野川町 )
2020年08月12日
37 みんなで作って食べよう  4歳児がマリア保育園で  (新宮市 )
2020年08月12日
38 136年の歴史引き継ぐ  浅尾勝哉伝道師が就任  (日本キリスト教会新宮教会 )
2020年08月12日
39 史料そろえて戦時しのぶ  串本いやしの会が企画展  (串本町 )
2020年08月12日
40 コミュバスなど料金無料に  地域経済対策で10月末まで  (串本町 )
2020年08月02日
41 避難者の安心安全を確保
 職員らが避難所設営訓練  (新宮市 )

 新宮市防災対策課と避難所担当職員ら8人は7月31日、同市野田の市福祉センターで新型コロナウイルス感染症対策下における避難所設営訓練を実施した。本格的な台風シーズンを前に、「3密」を避けるためのレイアウトや避難者受け入れ態勢・手順などを確認した。

 市では、避難所における新型コロナ対策として「3密」「熱中症」への対策を中心にレイアウトや必要資機材などを決め、避難所の開設と運営の訓練を重ねている。

 市内の風水害指定避難所22カ所でも随時訓練を実施しており、同センターでの訓練は7月中では3回目。市の昨年度の避難実績は、8月14日の台風10号で164人(うち、福祉センター27人)、10月11日の台風19号では141人(同37人)だった。

 この日の訓練では、局地豪雨や地震発生など、緊急度・切迫度の高い状況を念頭に、より短時間で避難所を開設し避難者の受け入れを開始することを目標とした。和歌山県からサンプル提供された段ボールパーティションの設置訓練もあった。段ボールパーティションは、8月中に900枚が県から支給されるという。

 職員らはA・Bの2班に分かれて受付や避難スペース、体調不良者用スペースなどを設置し、班ごとの動きを確認しあった。また、体調不良者に対する健康状態チェックシートを使った聞き取り訓練も行った。

 訓練後、山下泰司・防災および危機管理担当部長が講評。「本日のような訓練を生かして、避難者が安心・安全に過ごしていただける運営をしていきたい」と決意を述べ、市民に対し「いざというときには市からの避難情報に留意し、取るべき避難行動を心掛けて」と呼び掛けていた。

 防災対策課の廣井和樹課長補佐は「訓練を重ね、避難者を適切に受け入れられるように対策を講じていきたい。市民の方々には、コロナを恐れて躊躇(ちゅうちょ)することのないよう避難行動をお願いします」と話していた。

(2020年8月2日付紙面より)

検温や手指消毒の協力要請など、避難者受け入れ対応を確認した=7月31日、新宮市福祉センター
段ボールパーティションの設置方法を確認
2020年08月02日
42 役場庁舎で2回目の分散勤務
 新型コロナ対策を強化  (紀宝町 )

 新型コロナウイルスの感染拡大防止対策を強化するため、紀宝町は7月31日から、職員が別の建物で業務に当たる分散勤務を開始した。役場庁舎に隣接する防災拠点施設5階の防災研修室とフロアにワークスペースを設け、各課の職員20人が業務に取り組んでいる。

 4~6月に続く2回目の処置で、庁舎内の正規職員84人のうち、理事と課長を除く各課2人程度を別庁舎に移した。期間は9月25日(金)までの約2カ月で、2週間のローテーションで職員を入れ替える。

 町では新型コロナに対応した事前行動計画(タイムライン)を策定しており、現在は近隣市町で感染者が確認されたステージ4。職員は検温や体調チェックをするなど、万が一の町内発生に備えている。

 役場庁舎入り口には手指消毒用アルコールを設置し、来庁者にはマスク着用を呼び掛けている。

(2020年8月2日付紙面より)

紀宝町が分散勤務を開始=7月31日、紀宝町防災拠点施設
2020年08月02日
43 「夏休み元気に過ごして」
 小中学校などで終業式  

 新宮市、太地町、北山村の小中学校、保育所で7月31日、終業式が行われた。新型コロナウイルス感染拡大による長期の臨時休校に始まり、生活様式の変化やクラブ活動の制限など多くを経験した1学期が終了し、1~2週間程度の短い夏休みに入った。

 新宮市立王子ヶ浜小学校(山本眞也校長、児童342人)では、校内放送で終業式を実施した。

 山本校長は「学校が始まったばかりの頃は皆さんの表情が硬く、心配していたが、体育やプールでは笑顔で歓声を上げる様子が見られた。今日配られる通知表には1学期に皆さんが頑張ったことが書かれている。夏休み中も読書感想文や自由研究など、自分の得意を生かして挑戦してほしい」とあいさつ。

 児童代表の千葉颯斗君は「外出を控え、計画的に宿題をしながら、楽しい夏休みを過ごしてください」と呼び掛けた。続いて生徒指導部から▽ルールや決まりを守る▽自分の命は自分で守る▽宿題も含め計画的に過ごす―の3点の諸注意があった。

 1年2組の教室では担任の松村圭教諭が一人一人に「毎日休まず学校に来てくれたね」「漢字をきれいに書いていたね」と声を掛けながら通知表を渡し、「新型コロナや熱中症に気を付けながら、夏休みを元気に過ごして」と呼び掛けた。

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■市町村ごとの夏期休業期間

 新宮市の夏期休業期間は1日~16日(日)だが、中学3年生のみ3日(月)~7日(金)の午前中を登校日とする。太地町は1日~19日(水)、北山村は1日~20日(木)。なお、那智勝浦町は6日(木)~19日(水)、県立高校は8日(土)~16日(日)に夏期休業期間を設ける。

(2020年8月2日付紙面より)

初めての通知表を受け取る1年2組の児童=7月31日、新宮市立王子ヶ浜小学校
2020年08月02日
44 串本古座3回戦で敗れる
 高校野球和歌山大会  
2020年08月02日
45 神倉少年野球クラブが優勝
 第38回学童軟式野球大会決勝  (マクドナルドカップ )
2020年08月02日
46 みんなで園舎をピカピカに  丹鶴幼稚園で大掃除  (新宮市 )
2020年08月02日
47 東海が梅雨明け  平年より11日遅く  
2020年08月02日
48 オリジナルマスク頒布中 熊野本宮大社 
2020年08月02日
49 大切な人や自分の命を守るために  堀順一郎町長が呼び掛け  (那智勝浦町 )
2020年08月02日
50 補正予算と工事請負契約可決  那智勝浦町臨時議会  
2020年08月02日
51 自由な発想のアクリル画  前田稔夫さんが絵画展  (那智勝浦町 )
2020年08月02日
52 入院患者の面会禁止に協力を  新型コロナ感染防止対策  (紀南病院 )
2020年08月02日
53 お悔やみ情報