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2022年10月21日
1 ロケット打ち上げ来年2月末に
 周辺地域協の臨時総会で発表  (スペースワン株式会社 )

 串本町田原~那智勝浦町浦神にまたがる民間ロケット射場「スペースポート紀伊」を運営するスペースワン株式会社(豊田正和代表取締役社長)=東京都=が19日、ロケット「カイロス」初号機の打ち上げを来年2月末ごろに再延期することを公式発表した。

 同日、串本町サンゴ台のホテル&リゾーツ和歌山串本で開催のスペースポート紀伊周辺地域協議会(会長=下宏・和歌山県副知事)臨時総会に出席した同社の阿部耕三取締役が事業の経緯や現時点での進捗(しんちょく)と併せて報告したもので、国際情勢に伴う物流の停滞が想定以上で期待する時期に必要な部品が届かないなどの諸課題に苦慮し、それらの対処をすると今年12月末ごろの打ち上げは厳しいとの判断に至ったとして理解を求めた。

 同総会では初号機打ち上げ時の公式見学場の全体管理を担う株式会社JTBも報告に臨み、会場運営の概要や集客窓口とするホームページ「ロケット『カイロス』初号機打ち上げ応援サイト」の事前登録状況やオフィシャルツアーに伴う宿泊施設の配分などを伝えた。

 今回の議事は2社の報告のみ。下副知事は「残念だが、現在の状況などを考えるとやむを得ないと思う。引き続き支援をし、ぜひとも初号機の打ち上げを成功させていただきたい」と総括した。

 当初の2021年度内から今年12月末ごろ目標、さらに来年2月末ごろ目標と再延期したことについて阿部取締役は「楽しみにしていただいた地元の皆さまには大変申し訳ないと思っています。引き続きご支援ご声援をお願いしたい」とコメント。来年2月末ごろという期日は関係各者と話し合う中で総合的に判断し示した目標で、実現に向け全力で取り組むとしている。

 発表を受け副会長の田嶋勝正・串本町長は「来年2月の閑散期にずれ、商売人は助かりファンも来やすい状況になると思う。渋滞対策などよりいっそう充実し、多くの方を迎える状況をつくっていきたい」。

 副会長の堀順一郎・那智勝浦町長は「期間が少し延びたところをうまく活用し、もっと盛り上げて多くの方々に喜んでいただけるような地域振興につなげる期間として前向きに捉えたい」とそれぞれ語った。

(2022年10月21日付紙面より)

臨時総会を開くに当たりあいさつする会長の下宏副知事=19日、ホテル&リゾーツ和歌山串本
阿部耕三取締役
2022年10月21日
2 「笑いは世界の共通語」
 笑福亭鶴笑さんが講話  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で19日、全校生徒561人を対象に人権全体鑑賞会が開かれた。落語家でNPO法人「国境なき芸能団」代表の笑福亭鶴笑さんが、パペット落語などを通じて笑いを届け、難民キャンプで暮らす子どもたちや戦争、平和に対する思いを語った。

 鶴笑さんは笑福亭一門の落語家で、世代や国境、言語の壁を超えて世界中の人々が楽しめる新型落語「パペット落語」を考案。戦争や内乱、災害、疫病によって生活を破壊された人々や、紛争地で生まれ育った子どもたちに励ましの「笑い」を届けるためNPO法人を設立し、アフガニスタンやイラク、カンボジアといった国々へ赴いている。

 鶴笑さんは、枕として難民キャンプを訪れた経験を紹介し「最初は外国人への不信感からキャンプ内への立ち入りを拒否されたが、芸で子どもたちを笑わせたことがきっかけとなってコメディアンとして認めてもらえた」と語った。戦争の絶えない世界の現状を憂い「なぜ戦争が起きてしまうのか。いろんな人の意見を聞いて視野を広げて。人間らしさを取り戻すためにも笑いが大切。皆さんの家庭や学校生活に楽しい笑いがあふれるように」と語りかけた。

 手作りのパペットで1人4役を演じるオリジナルの落語「立体西遊記」では、登場人物たちの軽妙な掛け合いに、生徒たちに笑いが広がった。

 弟子の笑音(しょうと)さんも登場し、灯油シュポシュポやパイプ椅子、熊手、クレンザーボトルなど身近な素材を改造した手作りの笛を披露。塩ビパイプで作ったトロンボーンでは「ぞうさん」を演奏した。

 山田倫加さん(3年)は「初めて落語を聞いたが、面白かった。大学で海外のことを学びたいという思いが強くなった」。松下穂乃果さん(同)は「難民キャンプの話を聞き、海外でも落語が受け入れられて、笑ってもらえること、人と仲良くなれることを聞いて感動した」と話していた。

(2022年10月21日付紙面より)

パペット落語「立体西遊記」を披露する笑福亭鶴笑さん=19日、新宮市の県立新宮高校
塩ビパイプのトロンボーン演奏
落語を聞く生徒たち
2022年10月21日
3 国内2例目のヒトデ標本
 紀伊半島沖で採集の2種  (串本海中公園 )

 紀伊半島西南沖で採集されたイバラスナヒトデとケムシヒトデが標本に基づく記録として国内2例目となることがこのほど判明し、その報告論文が先月20日発行の学術誌「Biogeography」24号に掲載された。

 イバラスナヒトデは、串本海中公園センター水族館の平林勲係長が2019年12月30日に有田沖で展示生物の採集をしていた時に発見。見慣れないヒトデ類だったため水産研究・教育機構の木暮陽一主幹研究員に精査を求めたところ、沖縄県の1標本のみ記録されているイバラスナヒトデだと判明した。

 木暮主幹研究員は生体調査に加え過去に採集され標本として収蔵されている未同定種も対象として研究をしている専門家。1975年にすさみ町沖で採集され大阪市立自然史博物館に未同定種として収蔵されていた標本を昨年に見つけ、形態観察をした末に小笠原諸島兄島でのみ記録されるケムシヒトデだと判断。紀伊半島西南沖で採集されたこれらヒトデ類は貴重な標本と感じ、平林係長と連名で論文を書き学術誌掲載で公表するに至った。

 平林係長によるといずれも南方系に分布するヒトデ類で、公表により分布北限が紀伊半島へと更新される結果になったそう。木暮主幹研究員はこれら2種が採集される背景に越冬を含め生息可能な環境が紀伊半島沖で成り立っている状況を洞察し、いずれもこれまで本州には記録がなく貴重な標本だと評価している。

  □     □

ケムシヒトデの生体展示中



 以降、平林係長は今月3日に田並沖でのイセエビ刺し網漁で混獲された生物を調査中にケムシヒトデと思われる個体を見つけ、その場で交渉し譲り受けた。

 後に確かめたところ間違いなく、希少なヒトデ類として17日から館内Aゾーンで生体展示を始めている。平林係長は「木暮さんが論文で公表した直後に生きた状態で見つかったのはまさに奇跡。国内ではほぼ目にすることがないケムシヒトデを生体展示でじかに知ってもらいつつ、生態の解明にもつなげていきたい」と意気込んでいる。

 串本町沖での採集は初で、すさみ町沖で採集されて以来47年ぶりとなる標本記録。木暮主幹研究員は「生体展示をしているのは、自分が持つ情報の中では世界でも同館だけ。何を食べるかさえ分からないほど知見が乏しいが、餌が分かり飼育ストレスを小さくすれば長生きできると思う。ヒトデ類は脚光を浴びることが少ないが、海を描くとほぼ登場するほど意識されている生き物。うまく飼育できたら目玉の一つになると思う」と長期飼育の成功を期待して語った。

(2022年10月21日付紙面より)

串本町沖で採集されたイバラスナヒトデ(上)とケムシヒトデ(串本海中公園センター水族館提供)
生体展示中のケムシヒトデと観察する平林勲係長=18日、串本海中公園センター水族館
2022年10月21日
4 薬物乱用は駄目 那智中学校の生徒に啓発 

 新宮保健所による「薬物乱用防止等を目的とした校舎校門前早朝啓発活動」が19日、那智勝浦町立那智中学校であった。新宮保健所職員、新宮地区協議会所属の薬物乱用防止指導員、関係機関職員8人のほか、那智中生徒会の役員5人が参加。登校する生徒に啓発物資を手渡し、乱用防止を呼びかけた。

 近年、青少年による薬物乱用、特に大麻乱用が増加しており、令和3年の全国における、大麻事犯の20歳未満の検挙人員が994人、うち高校生が159人、中学生が8人となっている。「大麻は安全で依存性がない」などの誤情報も流れている。

 また、10月は「麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動」および「薬と健康の週間」に関連する運動月となっている。これらのことから新宮保健所は昨年、下里中学校と新宮高校で啓発活動を実施、今回は2年目となる。那智中のほか、21日に新翔高校でも実施を予定している。

 那智中では、薬物乱用防止の啓発標語が書かれたポケットティッシュやばんそうこうのほか、薬と健康の週間の啓発ボールペンなどを配布。登校する生徒に対して「薬物乱用防止の啓発です」と伝えながら、啓発物資を手渡していた。受け取った生徒は標語を眺めるなどしながら、校舎へと入っていった。

 生徒会長を務める、2年生の小井谷美央さんは「麻薬を使ったり、犯罪に手を出したりしないよう、啓発活動を通して知ってほしい」と語った。新宮保健所衛生環境課の勝山亮さんは「薬物乱用は遠い世界、都会の出来事として捉えがちだが、インターネットなどで身近に危険があることを感じてもらえれば」と述べた。

(2022年10月21日付紙面より)

啓発物資を手渡す生徒会の役員ら=19日、那智勝浦町立那智中学校
2022年10月21日
5 挑戦者として全力で挑む
 初の近畿大会に向け練習に励む  (近大新宮 )
2022年10月21日
6 髙塚恒輝さんが全国3位
 とちぎ国体レスリング競技  (新宮高校 )
2022年10月21日
7 那智勝浦少年野球クラブが制す
 新熊野少年野球大会など  
2022年10月21日
8 新入団員らに辞令交付  令和4年第2回消防団員任命式  (新宮市 )
2022年10月21日
9 道路脇にツユクサ  極小の青花が鮮やか  
2022年10月21日
10 今年もアサギマダラ飛来  高津気の「休憩所」に数羽  (那智勝浦町 )
2022年10月21日
11 卒業生らに働く意義教わる  行事「ジョブコレクション」  (串本古座高校 )
2022年10月21日
12 貴重な野鳥の群れに笑顔  秋のバードウオッチング  (御浜町 )
2022年10月21日
13 各学年の授業を見学  人権教育推進協議会  (紀南高校 )
2022年10月21日
14 会場周辺で清掃に取り組む  紀宝わくわくフェスを前に  (紀宝町 )
2022年10月21日
15 褒める、叱るの心理学を学ぶ  紀宝町で子育て支援講演会  
2022年10月21日
16 お悔やみ情報
  
2022年10月18日
17 3年ぶりの早船競漕、勇壮に
 王子区が上り優勝  (新宮の速玉祭 )

 国の重要無形民俗文化財(重文)の指定を受ける熊野速玉大社(上野顯宮司)の例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」が執り行われ、16日には神輿渡御式(みこしとぎょしき)と御船祭(みふねまつり)・早船競漕(きょうそう)が営まれた。

 神馬(しんめ)に乗った「ヒトツモノ」に先導されて、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊を移した神輿が「わっしょい」の掛け声とともに熊野川河川敷へ。

 その後、熊野大橋上流の「神遷(うつ)し場」で、朱塗り神幸船(しんこうせん)に遷されると、旧丹鶴小学校裏の河川敷に設けられた下札場(しもふだば)から9隻の早船が一斉にスタート。上流にある御船島(みふねじま)を3周し、上札場(かみふだば)を目指す約1・6㌔のコースで競い合った。上りで王子区が15分50秒のタイムで、3年ぶりとなった早船競漕を制した。

 とも取りを務めた西村雄作さんは「3年ぶりの早船競漕に優勝できて良かった。(前回の2019年は2位だったので)リベンジできた。気合いを入れて練習してきたのでうれしい。途中で他の区と櫂(かい)が当たったりしてやばいかもと思ったが、こぎ手がよくこいでくれた。来年も優勝して連覇できたら」と喜びを語った。

 熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)では、「神輿所(みこししょ)」に設けられた杉ノ仮宮で暗闇の中、御旅所神事が営まれ、静寂に包まれながら厳かに日程を終えた。

 熊野地方はこれから、本格的な秋を迎える。

  □     □

■早船競漕の結果

【上り】

①王子②阿須賀③丹鶴④神倉⑤明神⑥堤防⑦千穂⑧相筋⑨春日

【下り】

①堤防②阿須賀③春日④明神⑤神倉⑥丹鶴⑦相筋⑧千穂⑨王子

(2022年10月18日付紙面より)

9隻の早船が勢いよく下札場をスタートした=16日、新宮市
掛け声とともに市内へと繰り出す神輿
2022年10月18日
18 観光復活のヒント探す
 外国人講師による講演会  (那智勝浦町 )

 外国人の目から見た那智勝浦町の魅力を伝える、本郷アリーさんによる『観光地から「感動地」へ』の講演が13日、那智勝浦町天満の体育文化会館であった。観光関係者や一般など15人が参加。コロナ禍で低迷した観光業の復活のヒントを探した。

 串本町と那智勝浦町の主催による「宇宙ウィーク2022」のイベントの一つとして実施した。本郷さんはブルガリアの出身で、2001年に家族と日本へ移住。日本の優れた「感動地」を世界に伝える「Japan Travel Awards」の選考委員長を務めている。

 本郷さんは、目指すべき観光を「外国人、日本人に関係なく、誰もが楽しめる場所に」と主張。「観光客には、小さな子や車椅子の人、ペットと来る人や年配者もいるが、やりたいこと、楽しみたいコンテンツは一緒。国籍もあまり関係がない」と話した。

 2022年の同アワードに認定された、ふくしまバリアフリーツアーセンターを紹介。「(名所の一つの)花畑は、数年前までバリアフリーが整っておらず、車椅子では奥まで行けなかった。それを整え、車椅子を押してガイドが案内するようにし、それで観光客が増えた。まち全体のインフラが(バリアフリーに)変わってきている」と明かした。

 那智勝浦町の観光課題を指摘。「魅力的な情報を知らせる発信が不足している。英語の情報発信が足らず、よってブランドの認知度も変わらない。これが充実すると観光客の増加につながる」と語った。

 魅力的な情報について「日本と外国の観光客の両方とも、やりたいことは一緒。『外国人はこういうものを喜ぶ』ではなく、自分たちが喜ぶコンテンツを考えることが大事」と述べた。魅力的なコンテンツは「人それぞれ」とし「既存のコンテンツをさまざまなアングルから情報発信すれば、それが魅力的な観光コンテンツになる」と力を込めた。

 具体例として、愛知県の着物レンタル店を紹介。「女性がはかま、男性が振り袖でもいいと情報発信したら、外国人コミュニティーですぐ広がった。店がかけたお金はゼロ。見せ方だけで変わる」と話した。他の成功事例として、3歳から乗れるようにした川の急流下り体験や、車椅子のままでの人力車乗車体験なども挙げた。

 車椅子への配慮やLGBTQへの理解など、写真による「見える化」の重要性にも触れた。外国人観光客に感想を聞く有効性も強調。「何が必要かと聞くとアイデアを出してくれる。失礼ではない」と述べた。

(2022年10月18日付紙面より)

観光客の増加に向けてやるべきことを考えた=13日、那智勝浦町天満の体育文化会館
講話する本郷アリーさん
2022年10月18日
19 親子で宇宙を学ぶ
 アニメ監修者が講話  (那智勝浦町 )

 NHK・Eテレで放映中のアニメ「宇宙なんちゃら こてつくん」の監修者が語る「宇宙兄さんズと楽しく宇宙を学ぼう!」が15日、那智勝浦町天満の体育文化会館であった。町内外の親子連れなど、約50人が参加。宇宙の魅力を楽しく学んだ。

 串本町と那智勝浦町の共催による「宇宙ウィーク2022」の中のイベントの一つ。宇宙兄さんズは、公益財団法人日本宇宙少年団の小島俊介さん、小定弘和さんのコンビとなる。2人は、米航空宇宙局(NASA)や宇宙航空研究開発機構(JAXA)の宇宙センターでのスペースキャンプや、宇宙飛行士との交流イベントなどを企画、運営している。

 2人は「世界の宇宙関連組織の人々が、宇宙をどう調べるかについて会議している」と紹介。「国際宇宙探査ロードマップには、いろんな国が協力し、地球から国際宇宙ステーション、月、火星の順で調べることを目指していることが書かれている」と明かした。月面基地や火星の有人探査のイメージ図を提示し、目指す将来を印象付けた。

 会場で仮の宇宙飛行士選抜試験を行うとし「協力して最後まで諦めず頑張れるかが大事」と語った。宇宙飛行士に求められる資質を「いろんな国の人と仲良くして、地上スタッフと話しながら仕事を進める。チームで仲良く、外国人とも分かり合い、助け合い、コミュニケーションを取って仕事をうまくやることが求められる」と述べた。

 宇宙飛行士は地上スタッフに対し、言葉だけで状況説明を行う必要があることに言及。その試験として、三角や四角、半円などを言葉だけで組み合わせ、指定の図形を作れるかを確かめた。1の目が上を向いたサイコロを指定された通りに転がして、その結果、1の目がどちら向きになったかも尋ねた。子どもらは頭をひねり、懸命に答えを考えていた。全問正解者は少なかったが「協力して最後まで諦めず頑張ったので、全員合格」と伝えた。

 宇宙ステーションでの日本人宇宙飛行士の様子を、動画や画像で紹介。「水は貴重なので、おしっこは再び水に変えて飲んだりする。お風呂はなく、ウエットタオルで拭き、水のいらないシャンプーで体を洗う」などを明かした。

(2022年10月18日付紙面より)

講話する小島俊介さん(右)、小定弘和さん(左)とこてつくん=15日、那智勝浦町天満の体育文化会館
宇宙の魅力を親子で楽しく学んだ
2022年10月18日
20 趣旨や思いを掲げて第一歩
 和歌山ロケット応援団結団  

 串本町田原~那智勝浦町浦神にあるスペースポート紀伊のロケット「カイロス」打ち上げを盛り上げる有志団体「和歌山ロケット応援団」が15日、串本町潮岬にある望楼の芝で結団式を挙行した。

 初夏ごろから先行して串本町、次いで那智勝浦町と有志のつながりが生まれ、応援の思いは共通という観点で一体となり発足を目指してきた団体。

 同日現在の団員規模は約30人。うち6人が同日実施の「宇宙ウィーク2022」モデルロケット打ち上げ体験にゲスト参加し、同ロケット持参で結団式に臨んだ。

 同体験の参加者やスタッフらが立会人となる中、結団に至るまでのいきさつや入団条件(打ち上げを心から応援する気持ちと地元を愛する気持ちを持つこと)、団員活動の方向性や交流サイト(SNS)やメールマガジンによる世界規模の情報発信、県立串本古座高校CGS部が目指している応援などを発表した。青木圭団長は「これからさらに団員が増えてどのようなアイデアが出てくるのかを考えるとわくわくする。打ち上げの成功や失敗によらず、どんなときでも応援していきたい」と思いを掲げ、記念として同体験の打ち上げ環境を借りて同ロケットを打ち上げて活動の第一歩を踏み出した。

 当面はSNS(LINE)とメールマガジンの2系統で情報発信をし、「カイロス」と接点がある既存企画に連動して実動しつつ団員規模の拡大を図る。団名を和歌山としたのは2町にとどまらず広く仲間を集めたいという思いから。青木団長は「団員が増えれば団内のアイデアも充実し、それを形にする小隊(=分会)ができればやれることの幅が広がる。活動資金を得るための収益体制もしっかり構築し、打ち上げに関心がある大勢の皆さんをおもてなしできる団体にしていきたい」と展望を見据えて意気込んでいる。

 メールマガジンは今後発信を始める予定。事務局は古座サテライトオフィス内にある株式会社USPジャパン和歌山オフィス(電話070・9050・4122)に置いている。問い合わせは同オフィスまで。

(2022年10月18日付紙面より)

モデルロケットを打ち上げて活動の第一歩を踏み出す和歌山ロケット応援団=15日、串本町潮岬
結団の思いを掲げる青木圭団長(後列右から4人目)
2022年10月18日
21 パラパラチャーハンに舌鼓  紀宝町ふれあい子ども食堂  
2022年10月18日
22 規模縮小も優雅に浦安の舞  阿田和神社で秋季例大祭  (御浜町 )
2022年10月18日
23 114人が楽しい時間過ごす  成川地区で3年ぶりの敬老会  (紀宝町 )
2022年10月18日
24 原油・原材料費高騰の影響大  市内景況調査の結果概要  (新宮商工会議所 )
2022年10月18日
25 地域支え合いの在り方  体験ゲームで意見交換  (新宮市 )
2022年10月18日
26 秋風にコスモス揺れる  市野々地区の県道46号沿い  (那智勝浦町 )
2022年10月18日
27 審査終え、入賞者決まる  11月5・6日、「丹鶴ホール」で新宮市展  
2022年10月18日
28 ボラセン設置を訓練  受け入れ手順を確認  (熊野川町 )
2022年10月18日
29 縦のつながり求めて挙行  2日間かけ初の体育行事  (串本古座高校 )
2022年10月18日
30 これが私のお薦めの1冊 ビブリオバトル那智勝浦町大会 
2022年10月18日
31 お悔やみ情報
  
2022年10月14日
32 下小児童が獅子舞学ぶ
 下里祭典部が来校し鑑賞会  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町立下里小学校(泉一代校長、児童71人)で12日、下里祭典部(太田進祭典部長)ら11人による獅子舞鑑賞会があった。獅子舞の歴史や違いなどの解説後、実際に二つの演目を披露し、児童から拍手が送られた。

 鑑賞会はもともと、3年生の地域学習の一環で獅子舞を学ぶ講話を予定していたが、祭典部の好意で獅子舞披露が決定し、全校で鑑賞することとなった。

 太田祭典部長は獅子舞について▽中国が起源とされている▽伝わった地域によって、獅子舞の特色が違う▽シカやトラの舞もある▽下里、高芝、下里天満の獅子舞も獅子頭の顔や笛、太鼓なども違う▽下里は雌獅子、高芝は雄獅子▽20年前の調査では全国で約8000種類の獅子舞がある▽同じ獅子舞はない―などと説明した。

 さらに下里地域の獅子舞の歴史自体も詳細は分かっていないことや全国的に子どもの数も減少し、獅子舞に携わる人も減っていることに触れた。

 同祭典部によると、例年は下里神社例大祭の際には同校の児童らが子ども神輿(みこし)の綱を引き、笛や太鼓で祭りに参加しているという。コロナ禍となってから3年間は、実施されていない。

 演目「神宮の舞」後の「天狗(てんぐ)の舞」では、同校5年の中地将斗君が天狗として参加。見事な舞を披露して場を盛り上げた。

 太田祭典部長は「今回の鑑賞会で獅子舞に興味を持っていただけたらありがたい。コロナ禍で皆さんと一緒に練習ができていない。僕らはこれからも獅子舞を続けていくので、参加が可能となったときはぜひ、祭りや獅子舞に参加してください」と呼びかけた。

 泉校長は「コロナで何年もお祭りができていない。子どもたちが参加して地域の伝統を受け継いでいってほしいと思います」と話した。

(2022年10月14日付紙面より)

天狗役の中地将斗君と下里祭典部による獅子舞が披露された=12日、那智勝浦町立下里小学校
鑑賞会終了後、記念撮影
太田進祭典部長
2022年10月14日
33 外国人、再来の兆し
 水際対策が大幅緩和  

 入国者数の上限が撤廃され、個人の外国人旅行客の入国も解禁されるなど、新型コロナウイルスの水際対策が11日より、大幅に緩和された。新宮市熊野川町の小口自然の家でも、外国人旅行客の宿泊予約が入り出すなど、明るい兆しが見え始めている。

 外国人観光客の受け入れはコロナ禍に伴って、6月に添乗員付きツアー客限定で上限を2万人、9月に添乗員を伴わないツアー客も認め上限を5万人とするなど、徐々に緩和していた。ただし個人の外国人旅行客は認められていなかったため、熊野古道を歩く目的の個人旅行客が多い本紙エリアでは、客足が戻るところまでは至っていなかった。

 小口自然の家で総務を担当する竹本慎介さん(53)によると、今回の規制緩和に伴い、個人の外国人旅行客の予約が増え始めたという。いずれも古道歩きが目的で、1泊を予定。国籍はオーストラリアが多いと話す。11日現在の予約数は昨年、おととしと比べ、3割から4割増しとのこと。「これで少しでも活気が戻れば」と期待を寄せる。

 感染拡大中は宿泊客に、ソーシャルディスタンスの確保、アルコールによる手指消毒などを呼びかけてきた。「今後もこれらを継続し、感染予防に努めながら受け入れをしていきたい」と述べた。

(2022年10月14日付紙面より)

外国人観光客の再来を待ち望む=12日、新宮市熊野川町の小口自然の家
2022年10月14日
34 効果的な情報発信教わる
 「宇宙ウイーク」始まる  (串本町 )

 串本町と那智勝浦町の合同企画「宇宙ウイーク2022」が12日から始まった。この日は串本町文化センターでワークショップがあり、事前に申し込んだ一般14人と同町のロケット推進事業関係者がロケット「カイロス」打ち上げの情報発信を効果的にする視点を教わるなどした。

 両町は「カイロス」の射場「スペースポート紀伊」の立地となっている自治体。その縁で連携し目前に迫る打ち上げに向けた機運醸成を図るために計画したのが、展示やワークショップなど複数のイベントから成るこの合同企画で、この日から16日(日)までの5日間にわたり両町それぞれに会場を設けて順次イベントを実施する。

 その先陣を切る形となった初日のワークショップは①講演「映えるロケット写真とライブ動画配信のコツ」(講師はアソビシステム株式会社チーフプロデューサーの畔柳涼吏さん)②講演とグループワーク「外国人の目から見た串本・那智勝浦の魅力」(講師は株式会社しいたけクリエイティブ取締役の本郷アリーさん)―の2本立てで、日中午後と夜の2回実施。畔柳さんは交流サイト(SNS)による情報発信で「いいね」やフォローを得るために意識したい視点、本郷さんはジャパントラベルアワード選考委員長として制度推進する「感動地」を世界に伝える上で押さえたい視点に軸足を置いて持論を託すなどして、今後の打ち上げを地域資源とした振興の取り組みを後押しした。

 13日以降のイベント概要は両町で9月下旬に回覧配布され主要観光拠点でも入手できる告知リーフレット、または両町公式ホームページ上の告知を参照。ワークショップは会場がある自治体窓口への事前申込者対象だが、14日(金)から16日(日)まで実施する展示(串本町文化センターで「宇宙アートギャラリー展」、那智勝浦町体育文化会館で「宇宙と星とロケット展」)は午前9時~午後6時〈最終日は午後5時まで〉に随時無料で観賞できる形となっている。

(2022年10月14日付紙面より)

初日のワークショップの様子(上は①の講演、下は②の講演とグループワーク)=12日、串本町文化センター
2022年10月14日
35 両地域の絆確かめ合う
 姉妹都市ブルームと交流  (太地中学校 )

 太地町立太地中学校(山田貴也校長)で12日、姉妹都市のオーストラリア・ブルームにあるセント・メアリーズ・カレッジとのオンライン交流が開かれた。太地中からは3年生15人が参加し、日本語と英語を交えて互いの地域の絆を確かめ合った。

 19世紀末ごろからシロチョウガイ採貝などのために太地からブルームへ渡った移民の歴史が基になり、1981年に姉妹都市提携が結ばれた。2008年から青少年教育交流事業が開始され、中高生が互いの地域を訪問してホームステイ。新型コロナウイルス感染拡大で行き来ができない中でも、セント・メアリーズ・カレッジからはオーストラリア国旗、太地中からは千羽鶴を送って交流を続けてきた。

 交流では、川端崇晴さん(3年)が「送っていただいた大きな国旗を教室に飾っている。手紙の『頑張って』という言葉に元気づけられた。ブルームとの良い関係性が永久に続くよう願っている」と英語であいさつした。

 町歴史資料室の学芸員・櫻井敬人さん、外国語指導助手のエリン・ケリーさんのサポートを受け、生徒たちの自己紹介からスタート。「好きな日本食は?」には「カツうどん」、「放課後はどんなふうに過ごすの?」には「犬とビーチに散歩に行く」「演劇クラブに行く」などの返答があった。太地中生徒によるオンラインホームステイでは、中学生の一日を英語で紹介。ブルームからは、現地の「真珠祭り」で生徒たちが平和を願って灯籠を流す様子を映した。

 宇佐川彰男教育長は「ブルームとの交流は、町の教育方針の三本柱である国際交流、地域学習、主権者教育の重要な一部。一度仕切り直しが必要だが、ぜひ訪問を再開させたい」と話していた。

(2022年10月14日付紙面より)

川端崇晴さんがあいさつ=12日、太地町立太地中学校
セント・メアリーズ・カレッジの生徒と交流
2022年10月14日
36 大矢・小林組が優勝
 新宮市民スポ祭ソフトテニス大会  
2022年10月14日
37 中平さん、雜賀さんが優勝
 スポーツ祭典グラウンドゴルフ大会  (新宮市 )
2022年10月14日
38 木の大切さを知る  林業学ぶ特別授業  (北山小学校 )
2022年10月14日
39 特選に垣本正道さん  写連紀南支部9月優秀作品  
2022年10月14日
40 販売の工夫など学ぶ  三輪崎小3年生が社会科授業  (新宮市 )
2022年10月14日
41 保護者や友達招いて定演  那智中学校吹奏楽部  
2022年10月14日
42 ブルームワークスが熱唱  防災福祉コンサート  (太地町 )
2022年10月14日
43 12年ぶりの花園目指す  15日の県大会1回戦に  (木本高校ラグビー部 )
2022年10月14日
44 にぎやかに運動会遊び  子育てサロン「ふれんZOO」  (紀宝町 )
2022年10月14日
45 来年2月に開催を予定  第14回社協つれもてまつり  (紀宝町 )
2022年10月14日
46 柿の生産など教わる  県出前授業で高池小6年  (古座川町 )
2022年10月14日
47 最先端の地震研究を紹介  センターで特別パネル展  (南紀熊野ジオパーク )
2022年10月14日
48 廃材を生かして風力発電  西向在住の畑上耕三さん  (串本町 )
2022年10月14日
49 踊りで活気あふれる  「お祭り新宮節」盛り上がる  (新宮秋まつり )
2022年10月14日
50 お悔やみ情報
  
2022年10月12日
51 多彩な踊りでまちに活気
 3年ぶり「新宮秋まつり」  (新宮市 )

 新宮市各所で10日、3年ぶりの「新宮秋まつり」が開かれた。荒天の影響で1日延期しての開催だったが、熊野地方各地から大勢の踊り子たちが参加し、フラダンスやよさこい、ヒップホップなど多彩な踊りでまちを活気づけた。

 市、新宮商工会議所、市観光協会で組織する新宮秋まつり開催運営委員会(実行委員長=関康之・新宮商工会議所会頭)が主催。熊野速玉大社例大祭を盛り上げる「商工祭」が前身となって始まった祭りで、コロナ禍を経て3年ぶりに再スタートを切った。

 昼の部では新宮駅前広場会場に各団体が出演し、道行く人々を楽しませた。夜の部の創作踊りは中央通りの3会場で行われ、沿道に多くの観客が集まった。ダンスコンテストでは、「Team雅龍」が3度目の最優秀賞、「F.S.P.A」が優秀賞、「AniAni Hula Studio」がフラダンスの部優秀賞に輝いた。Team雅龍の北道江利さんは「この3年間、新型コロナの影響で人数が減り、イベント出演がキャンセルになって涙を流したことも。楽しく笑顔いっぱいに踊ることができた」と喜びを語った。

 お祭り新宮節では、地元の15団体と飛び入り参加の人々が、熊野曼荼羅(まんだら)太鼓の祭り囃子(ばやし)に合わせ輪になって踊った。

 関実行委員長は「開始時点では沿道のお客さんが少なく、やはり新型コロナの影響があるのかと心配したが、夜の部では大勢の方に来ていただいた。年に1度の新宮秋まつり、また来年も開催したい」と話していた。

(2022年10月12日付紙面より)

最優秀賞に輝いた「Team雅龍」=10日、新宮市
お祭り新宮節の「飛び入り参加」
2022年10月12日
52 3年ぶりに獅子舞奉納も
 潮﨑本之宮神社で例大祭  (串本町 )

 串本町串本にある潮﨑本之宮神社が9日、例大祭の本祭日を迎えた。今年は南氏子会(松本誠会長)が発起して奉納を試行。例年には届かないが3年ぶりの獅子舞奉納が参列者や拝観者の見物を集めた。

 この神社は現在、大字串本と同サンゴ台が氏子区域となり、その代表者で総代会(吉村健三総代長)を結成して護持している。例大祭は10月第2日曜日を本祭日として執行していて、平年は東西南北の各氏子会がそれぞれに受け継ぐ獅子舞の道行きをして区域内に祭りの活気を添えるが、おととし以降は新型コロナウイルスの情勢により自粛が続いている。

 うち南氏子会は長引く自粛に伴う地域の祭り離れを懸念し、総代会に獅子舞奉納の試行を申し出。考えつく限りの感染予防策を講じて先月下旬から南青年会館を宿にして稽古を積み、奉納を目指してきた。

 当日午前10時に本殿大前の儀があり、吉村総代長ら総代会一同と田嶋勝正町長ら来賓が参列。山本貞夫宮司が神事を進め、祝詞の奏上を経て玉串と二礼二拍手一礼の所作をささげ祭神への信仰を注いだ。

 奏上を合図に境内鈴門前に座を得た南氏子会も奉納を始め、幣の舞、神宮舞、神明讃、扇の舞、剣の舞、乱獅子、花掛かり、寝獅子など受け継ぐ演目をできる限り舞わし、過去にてんぐ役を担った中井美結さん(15)も家族ぐるみで稽古を積んで協力。半ばから雨脚が強まる状況だったが、てんぐ舞まで納めきった。

 松本会長(39)は「天候が悪い中でも皆さんに集まっていただけたのがうれしく、やはりみんな祭りが好きなんだなと感じた。来年は4会集まって奉納できたらと思うし、自分らも精いっぱい頑張っていきたい」とコメント。吉村総代長は「コロナで多くが尻込みをする中、対策をして練習し奉納をしてくれた南氏子会には心から感謝している。稽古で太鼓や笛が響くのを聞いてビールを差し入れてくれた方もいて、やはり祭りはこうでなければと思った」と話し、新型コロナがインフルエンザのような状況になり来年こそいつも通りの祭りが再開できることを今後に期待した。

(2022年10月12日付紙面より)

幣の舞を奉納する南氏子会の会員=9日、串本町串本の潮﨑本之宮神社
てんぐと獅子の駆け引き
2022年10月12日
53 特選3作品が決定
 ふるさと自慢写真コンクール  (南紀くろしお商工会 )

 南紀くろしお商工会(森川起安会長)の商業振興部会(須川晴夫部会長)が那智勝浦町と太地町の小・中学生から募集していた「ふるさと自慢写真コンクール」の表彰式が8日、那智勝浦町のJR紀伊勝浦駅であった。

 コンクールは地域の子どもたちにふるさとの良さを写真によって再認識してもらおうと始まった。今年で18回目。76作品が集まった。特選には亀田清太郎君(勝浦小4)の「さぁ、学校だ!仕事もがんばれ!」、山田真央君(色川小5)の「仙人場への道程」、村井芹さん(市野々小5年)の「よいよいよいやっさ」が選ばれた。

 表彰式では、森川会長とJR新宮駅の大市貴明副駅長が、出席した3人に、賞状と記念品を手渡した。

 森川会長は保護者や場所の提供を受けているJR西日本に対し感謝を述べ、「知られていない普段目にしている場所でも新しい視点で撮影することで、その場所へ行きたくなる。そんな写真が多くあった。地域の人が地域の良いところを知ってくれることが地域の力にもつながる。ありがとうございました」。

 商業振興部会の須川部会長が「素晴らしいふるさと自慢を紹介いただいた。コンクールへの期待も高まっている。商工会としても、地域のある物探しのため、一生懸命努力いたします」など祝いの言葉を贈った。

 表彰式後、亀田君は「前にも賞を取ったけどうれしい。夕日が入るように撮影した。次も特選取れるように頑張ります」。

 山田君は「日が差しているところを入れたりして工夫した。特選が取れたのでとてもうれしかった。次も参加したい」。

 村井さんは「写真は好き。2回目の受賞だけどうれしい。お父さんのカメラを使った。勝浦八幡神社のお祭りの櫂伝馬(かいでんま)にお兄ちゃんが乗っていて、格好良かったので撮影しました」と語った。

 特選には賞状と記念品に加え、JR新宮駅、和歌山県漁連勝浦市場、一般社団法人那智勝浦観光機構(NACKT)、南紀勝浦温泉旅館組合、株式会社那智黒総本舗から副賞が贈られた。

 入賞作品17点はJR紀伊勝浦駅舎2階に展示中。那智勝浦ロータリークラブのカレンダーにも掲載される予定。

(2022年10月12日付紙面より)

ふるさと自慢写真コンクールの表彰式があった=8日、那智勝浦町のJR紀伊勝浦駅
特選を受賞した参加者に賞状や記念品が贈られた
2022年10月12日
54 本番控え早船蔵出し 新宮の速玉祭 

 新宮市の熊野速玉大社(上野顯宮司)で9日早朝、例大祭「新宮の速玉祭(はやたまさい)」早船競漕(きょうそう)で使用する早船9隻が、各地区のこぎ手や関係者らの手によって蔵から出された。

 例大祭は同大社の主神、熊野速玉大神(くまのはやたまのおおかみ)の御神霊が神馬(しんめ)で阿須賀神社へ渡御(とぎょ)し、熊野川河原の乙基(おとも)の御旅所(おたびしょ)へ渡る「神馬渡御式」と、熊野夫須美大神(くまのふすみのおおかみ)の御神霊が神輿(みこし)でまちを練り、神幸船(しんこうせん)で御船島を廻(まわ)る「神輿渡御式(御船祭)」からなる祭りで、2月の御燈祭(おとうまつ)りと合わせ、「新宮の速玉祭・御燈祭り」として2016年3月に国の重要無形民俗文化財(重文)に指定されている。

 新型コロナウイルス感染症の影響でおととし、昨年と2年連続で早船競漕は中止となっていたが、昨年11月からコロナ禍を利用して紀宝町にある船大工・谷上嘉一さんの工房で早船の修理を実施。主に櫂(かい)が当たる縁(へり)部分の修繕を行っていた。併せて早船倉庫扉部分の修理・修繕作業も実施され、15年前に舟と倉庫を一新して以来、大規模な修理・修繕は初となっていた。なお、修理・修繕に当たっては㈱R.LinkCorporationの椋野玲史・代表取締役会長が奉賛した。

 早船競漕は16日(日)の午後4時30分ごろ、熊野川河原で御神霊が神輿から神幸船に遷御された後、旧丹鶴小学校下の河原に設けられた下札場(しもふだば)からスタート。熊野川をさかのぼり約1・6㌔上流にある御船島を3周し、同市相筋河原の上札場(かみふだば)を目指す。

 11日午後7時からは、上野宮司や審判委員、阿須賀、王子、春日、神倉、丹鶴、千穂、堤防、相筋、明神の出船9地区のとも取りやこぎ手らが出席し、当日のスタート位置を決める旗番抽選会が実施される。

 19年の競漕では、上りは堤防区が優勝し、2位は王子区、3位に阿須賀区が入った。下りは、1位に王子区、2位は御幸区、3位は丹鶴区だった。

(2022年10月12日付紙面より)

各出船区のこぎ手や関係者らにより9隻の早船が蔵から出された=9日早朝、熊野速玉大社
2022年10月12日
55 縦割り3ブロックで競う  西向小秋季運動会挙行  (串本町 )
2022年10月12日
56 車いすの困難さを実感  熊野川中で福祉体験講座  (新宮市熊野川町 )
2022年10月12日
57 元気いっぱい笑顔いっぱい  丹鶴幼稚園で運動会  (新宮市 )
2022年10月12日
58 アカウミガメ311匹放流  王子ヶ浜で放流会  (紀伊半島の海亀を守る会 )
2022年10月12日
59 住民の声をまちづくりに  3期目の大畑覚町長が初登庁  (御浜町 )
2022年10月12日
60 3年ぶりに「暴れ神輿」  木本神社の例大祭  (熊野市 )
2022年10月12日
61 元気よく走って、踊って  鵜殿、飯盛両保育所が運動会  (紀宝町 )
2022年10月12日
62 お悔やみ情報
  
2022年10月05日
63 人力車で笑顔をつなぐ
 日本一周の福浪弘和さん、熊野へ  

 「人力車を通して笑顔をつなぎたい」―。兵庫県明石市の福浪弘和さんは、人力車を走らせて日本一周を目指している。3月13日に兵庫県を出発。大阪、京都、滋賀、奈良を巡り、7月20日に和歌山県に到着。9月下旬に熊野地方入りした福浪さんは10月2日、新宮市の熊野速玉大社境内にある新宮道場に立ち寄り、新宮剣友会(宮戸伸之会長)の剣士たちを人力車に乗せ、交流を図った。

 福浪さんと人力車との出会いは2019年。観光で訪れた東京は浅草で初めて人力車に乗り、その目線の高さや車夫との会話を楽しんだ経験から人力車に心を奪われた。

 「地元の人にも感動を味わってほしい」との思いから、地元に戻って約190万円で人力車を購入。明石市内で無料で引き始めたところ、全国から多くの人が人力車を経験しようと福浪さんの元を訪れた。

 多くの人との出会いから「人力車でつなぐ笑顔の輪」をテーマに旅を計画。元々、旅が好きだったことから当初は3年半ほどの予定で日本一周を企てた。

 行く先々で、出会った子どもたちを人力車に乗せ、地域の人たちとの交流を深める福浪さん。「予定では今頃、東北地方にいるはずなのですが」と笑顔を見せる。

 和歌山県入りしてからは、約1000人の人を人力車に乗せた。夏休み期間だったこともあり、1日に複数回、福浪さんを訪ねてくる子どももいた。「予定通りいかなくても、人との出会いが旅の醍醐味(だいごみ)。さっきも(川原家横丁の店舗の主人から)ミカン持ってけ、って。人の温かさを感じる。本当に楽しい」。

 ちなみに、げた履きのフルマラソンで3時間58分43秒のギネス記録も所持する福浪さん。新宮市で子どもたちと触れ合った後、数日後に人力車を引いて三重県入りする予定で「ワクワクする。毎日が修学旅行。人力車で笑顔になってほしい。姿を見かけたら声をかけて」と呼びかけている。

(2022年10月5日付紙面より)

新宮剣友会の剣士たちと交流=2日、新宮市
人力車通して笑顔をつなぐ福浪弘和さん
2022年10月05日
64 大人や子ども集える場に
 体育文化会館の休憩スペース  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町はこのほど、体育文化会館1階ロビーの「休憩スペース」に本棚を設置した。本棚には図書館の廃棄本が並べられており、休憩時などに読書が楽しめる配慮となった。

 今年3月末に内装改修を終えた同館。研修室を改修した「アクア」と「ウエーブ」の2室も完備。体を動かしたり、ストレッチマシンを使用するための部屋となった。

 「高齢者を中心とした町民健康増進事業」の一環であり、堀順一郎町長が掲げる同会館周辺の公園化構想も含め、さまざまな年齢層が集える場所を目指す第一歩として行われたという。

 休憩スペースは勉強や会話などを楽しむことができる憩いの場として整備。テーブルといすが設置され、誰もが利用できる。

 そのほか、同町出身でロサンゼルス、ベルリンの両オリンピックの棒高跳びで銀メダルを獲得した西田修平氏と同町出身で日本サッカーの開祖・中村覚之助氏らの功績をたたえる名誉町民ブースもある。さらには佐藤春夫の「秋刀魚の歌」や町歌が展示されている。

 同町教育委員会によると家族連れなどの幅広い利用も目指しているという。設置した本棚には今後、児童図書も並べて、和室の開放も予定しているという。

 担当者は「大人から子どもまで、さまざまな年齢層、家族連れ、多くの方々に広く利用していただけたら。今後は地域ふれあいネットワークの活動や、子どもの居場所づくりの場などにも使用できないかも検討しています」と話していた。

(2022年10月5日付紙面より)

誰もがくつろげる休憩スペース=那智勝浦町体育文化会館
家族連れの利用も考えて本棚が設置された
2022年10月05日
65 利用者の声に応え運行開始
 「特急くろしおサイクル」  (JRきのくに線 )

 JRきのくに線白浜―新宮間で1日、特急「くろしおサイクル」の運行が始まった。6号車をサイクリスト専用車両とする新たなサービスで、西日本旅客鉄道株式会社和歌山支社の松田彰久副支社長は「普通列車以上の快適性と利便性で利用を伸ばしていきたい」と意気込んでいる。

 「きのくに線サイクルトレイン」は昨年9月に御坊―新宮間で導入した、追加料金不要で普通列車に自転車をそのまま持ち込めるサービス。以来6000人を超える利用を集めるなど好評を得る一方で▽本数が少ない▽混んでいるときに気兼ねする―といった声もあり、検討した末に空いている資源を有効活用する意味も込め「特急くろしおサイクル」の運行を始めることにしたという。

 特急くろしおは京都・新大阪―白浜間の乗車率が高いため普通列車より区間が短くなるが、6号車をサイクリスト専用車両とすることで他の乗客への気兼ねの課題は解消。1人分の料金で横並び4席(伴い1車両の定員は15人となる)を使用でき、普通列車利用時にはない専用カバーを乗車駅改札で借りてつけ座席に立てかけて固定する手間が加わるが特急列車の持ち味である快速さや快適さで利便性は一段と向上している。

 同日の特急「くろしおサイクル1号」は7人が利用し、うち6人が串本駅で降車し改札へ専用カバーを返却してツーリングへと出発した。6人と同乗し駅舎外まで送り出した松田副支社長は「普段電車に乗らない方に乗っていただくのが大切だと思っています。例えば普通電車のサイクルトレインで40年ぶりに列車に乗ったというお声もあり、需要を掘り起こすことができたと私たちもうれしく思うところ。この特急も同じようにより多くの方に使っていただけるよう活性化できれば」と今後を見据えて語った。

 「特急くろしおサイクル」の利用可能駅は白浜駅、串本駅、紀伊勝浦駅、新宮駅の四つ。最繁忙期(正月やゴールデンウイーク)に運行しない日があり、まれに1号車へ変更する場合がある。詳細はきのくに線サイクルトレイン公式サイトで確認してほしいという。

(2022年10月5日付紙面より)

特急くろしおサイクルから愛用の自転車とともに降車する利用者=1日、JR串本駅
2022年10月05日
66 瀬田令二さんに感謝状
 企業版ふるさと納税で寄付  (那智勝浦町 )

 大阪市に本社を置く機械部品メーカーの株式会社サントウが、企業版ふるさと納税(地方創生応援税制)で那智勝浦町に500万円の寄付をした。同制度を利用した町への寄付は今回が初で、3日には那智勝浦町役場で同社代表取締役の瀬田令二さん(67)へ感謝状の贈呈式が開かれた。

 企業版ふるさと納税とは、国が認定した地方公共団体の地方創生プロジェクトに企業が寄付をした場合に、税制上の優遇措置を受けられる仕組み。

 瀬田さんは同町北浜出身で、県立新宮商業高校(現・新翔高校)を卒業後、第三銀行(現・三十三銀行)へ就職。勝浦支店、大阪支店で10年ほど勤めた後、鉄工所の経理職を経て、1988年に独立して歯車などを製造する有限会社三頭産業を創業した。

 新型コロナウイルス感染拡大によって全国的にマスク不足が深刻だった2020年5月には、町に不織布マスク1万枚を寄贈するなど、ふるさとへの貢献を行ってきた。

 瀬田さんは児童・生徒数の減少が進む町の現状を憂い「那智勝浦町まち・ひと・しごと創生推進計画」の「活気ある産業で雇用が生まれるまちづくり」に使途を指定して寄付。「これからも仕事を頑張り、また寄付や支援をさせていただきたい」と語った。

 堀順一郎町長は「大変ありがたい。町が元気になるよう大切に活用していく。会社設立から今まで、大変なご苦労をされてきたと伺い、私自身も励みになった」と感謝を述べた。

(2022年10月5日付紙面より)

株式会社サントウの瀬田令二・代表取締役(左)に感謝状=3日、那智勝浦町役場
2022年10月05日
67 文化遺産の京城跡を学ぶ  1年生が郷土の歴史を探る  (相野谷中 )
2022年10月05日
68 「全身全霊で発展に尽くす」  3選の大畑覚氏に当選証書  (御浜町 )
2022年10月05日
69 漁港の岸壁を補強  鉄くい打ち込み耐震化  (太地町 )
2022年10月05日
70 高田小・中、小規模特認校導入  11月に学校見学・説明会も  (新宮市 )
2022年10月05日
71 キウイそっくりのシマサルナシ  新宮市海岸部で実りの秋  
2022年10月05日
72 スノードームの工作教室  地域ふれあいネットワーク  (那智勝浦町 )
2022年10月05日
73 住みよいまちを目指そう  「赤い羽根」市内で協力呼びかけ  (新宮市 )
2022年10月05日
74 「没後30年中上健次」  16日まで、渋谷典子さん写真展  (新宮市「丹鶴ホール」 )
2022年10月05日
75 これは珍しいキノクニスズカケ  古座川町で咲く  
2022年10月05日
76 第3回定例会一般質問②  古座川町議会  
2022年10月05日
77 例大祭に向け連夜の稽古中  潮﨑本之宮神社の南氏子会  (串本町 )
2022年10月05日
78 3年ぶりの日舞の祭典にぎわう  「第13回町民舞踊祭」  (那智勝浦町 )
2022年10月04日
79 市民の利便性向上目指し
 常設エコ広場が開設  (新宮市 )

 新宮市役所第4駐車場(JR新宮駅側)内に常設エコ広場が開設した。開設日時は市役所開庁日(土・日・祝日と年末年始除く)の午前9時~午後4時。

 市内171カ所にある通常のエコ広場の時間帯(地区ごとに異なるが、基本的に午前7時~8時)に広場に行けない人や、クリーンセンターまで行く手段(車など)がない人のため、また、資源物収集量の増加による燃やせるごみの減量化と市民の利便性向上を図ることが目的。

 「エコ広場の常設」は田岡実千年市長が昨年の市長選の折に公約に掲げており、本年度当初予算において「常設エコ広場運営事業」として835万8000円が計上。可決を経てコンテナなどを収納するための倉庫を建設するなどして運営開始へつなげた。

 なお、常設エコ広場には開設時間中、市民生活課の職員1人が常駐。ごみの分別や捨て方などについて案内する。

 運用初日の3日、多くの市民が缶や瓶、新聞紙などを持ち込み、職員の案内を受けながら品目ごとにごみを捨てていた。

 カセット式ガスボンベなどを持ち込んだ同市野田在住の大竹文子さんは「今までクリーンセンターに持ち込みしていたけどとても便利になった。お友だちにも教えてあげたい」と笑顔。

 田岡市長は「常設エコ広場開設に当たっては、多くの市民から要望があった。今日からスタートすることができ、大変うれしくありがたい。住みやすいまちづくりを目指して、今後も生活に密着した施策を行っていきたい」と述べ「三佐木・蜂伏地区にも必要だと感じている。まずは様子を見てから検討していきたい」と話していた。

 分別品目は通常のエコ広場と同様で、燃やせるごみを除く18品目。燃やせるごみと長辺30㌢以上の粗大ごみ(家電製品など)の持ち込みはできない。資源物は事前に分別・洗浄すること。開設時間外は資源物の持ち込みはできない。また、倉庫前は駐停車禁止。駐車スペースに車を止めてから利用を。

 分別について不明な点は、生活環境課(電話0735・23・3333、内線2001、2003)まで。

(2022年10月4日付紙面より)

運営を開始した常設エコ広場=3日、新宮市役所第4駐車場
市職員の案内を受けごみを捨てる市民
2022年10月04日
80 3年ぶりに艶やかな日舞
 「第13回町民舞踊祭」  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町民舞踊祭実行委員会(田中喜世実行委員長)と町文化協会(後誠介会長)は2日、同町の町体育文化会館で3年ぶりとなる「第13回町民舞踊祭」を開催した。おととし、昨年は新型コロナウイルスの影響から中止となった日本舞踊の祭典。今年は西川流友華会から始まり、若柳流若吉会まで7団体が舞台を彩った。なお、西川流友彩の会は都合により、欠演となった。

 同舞踊祭は日舞の魅力を広く伝え、日々の練習の成果を披露することが目的。

 文化協会の後会長は「大人の舞踊には、大人ならではの微妙な心情の深い味わいがあり、子どもの舞踊にはかわいらしさがある。あでやかな舞踊を楽しみながら、ぜいたくな秋のひとときをお過ごしください」とあいさつ。

 舞踊祭では子どもから大人までの出演者が次々に登場し、さまざまな人生模様などを表現した。多くの保護者や関係者が来場し、動画撮影する人や拍手で応援する姿が見られた。

 串本町から訪れた50代女性は「新聞で知った。出演者に知人はいないが、日舞に興味があったので来ました。皆さんの踊りが素晴らしかったです」と話していた。

 田中実行委員長は「300部のプログラムを用意していたが、全く足りないほど、多くの方が来場してくれた。無事、終えることができて良かった。来年はさらに勉強を重ねて、開催したい」と話していた。

  □     □

■津軽三味線の音色響く



 舞踊祭には毎年、各地からさまざまな団体が特別出演として参加し、会場を盛り上げている。

 今回は三重県鈴鹿市から、加藤訓峯(さとみね)会主率いる加藤流訓峯会のメンバー10人が出演した。

 津軽三味線の全国大会・団体部門において、優勝を果たしている訓峯会が「秋田甚句」「津軽タント節」などを披露。力強く、美しい音色を会場に響かせ、会場からは大きな拍手が送られた。

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 出演団体は次の通り。

【出演団体】

▽西川流友華会▽藤紀流藤紀和会▽坂東流勝浦柳蛙(りゅうあ)会▽宇久井千弘会▽哲泉流清流支部▽西川流友千恵会▽若柳流若吉会

【特別出演】

加藤流訓峯会

(2022年10月4日付紙面より)

トップバッターを務めた西川流友華会の演目=2日、那智勝浦町の体育文化会館
多くの来場者が日本舞踊を楽しんだ
後誠介会長
2022年10月04日
81 「お綱掛け神事」が復活
 秋晴れの下、2年半ぶり斎行  (花の窟神社 )

 熊野市有馬町の花の窟(いわや)神社(山川均宮司)で2日、秋季例大祭が斎行された。2年半ぶりに県無形民俗文化財の「お綱掛け神事」が復活。綱に触れると御利益があるとされ、秋晴れの下、県内外から多くの人が訪れた。

 同神社は高さ約45㍍の巨岩をご神体とし、毎年春と秋の2回、例大祭を実施。農作物の収穫に感謝し、五穀豊穣(ほうじょう)を祈願するお綱掛け神事は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年10月から中止が続いていた。今年は感染状況が落ち着いてきたため、人数制限をして開催した。

 午前10時の花火を合図に開始。白装束の氏子が、花や扇で飾った長さ約170㍍の大綱の片方を巨岩の一番上に結び付けた。参拝者らがもう片方を持ち、近くの国道42号を渡って七里御浜海岸まで引っ張った後、境内南隅の支柱に固定した。

 いずれも有馬小学校5年の光山智彩さんと前東子さんが浦安の舞、西美有さんと細川果純さんが豊栄の舞を奉納し、厳かな雰囲気に包まれた。

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■3年ぶりにお白洲引きも



 コロナ禍で、ここ2年は自粛していた「お白洲(しらす)引き行事」も有馬町で同日開催され、祭りムード一色となった。

 お白洲引き実行委員会(和田仁祭典委員長、西村茂之実行委員長)の主催で、七里御浜海岸の白石を花の窟神社に奉納する行事。感染拡大防止のため、規模を縮小した。

 法被姿などの参加者が威勢よく花車を引き、伊勢音頭や餅まきも盛り上がった。

 和田祭典委員長は「3年ぶりに行うことができた。好天にも恵まれ、本当にうれしい」と笑顔を見せていた。

(2022年10月4日付紙面より)

2年半ぶりに行われた「お綱掛け神事」=2日、熊野市有馬町
舞を奉納した地元の小学生
お白洲引き行事で祭りムード一色
2022年10月04日
82 口腔フレイル予防を学ぶ
 保健セの健康教室で40人  (串本町 )

 串本町保健センター主催の健康教室が9月29日に役場本庁舎であり、田嶋勝正町長と事前に申し込んだ40人が口腔(こうくう)フレイル予防をテーマにして学ぶ機会を得た。

 町民の健康増進を目的として毎年開いている同教室。今回は前述したテーマでくしもと町立病院公開講座を役場へ招致する内容を計画し、町民に受講を呼びかけた。

 当日は田嶋町長が65歳以上町民の要支援・要介護認定率が県平均より高い(前年度実績で全体の24・2%)一方で支援・介護の担い手不足が社会問題化している現状を伝え、「フレイルは早期に発見し適切な療法を行えば十分に改善していけるという。今日の受講でいろいろ勉強をしていただければ」と呼びかけて開会。

 同病院は「いつまでもお口から食べられるように~食べることに関わる専門職の視点~」と題したシンポジウムを準備し、リハビリテーション部の岸尾俊尚技師長〈理学療法士〉によるコーディネートで秋山裕由院長代理〈内科医〉、看護部の吉田裕子さん〈摂食・嚥下(えんげ)障害看護認定看護師〉、リハ部の江川泉さん〈言語聴覚士〉、栄養部の大屋舞依子さん〈管理栄養士〉がそれぞれの専門性を発揮して基調講演。口腔フレイルの概念やその状況からの悪化で懸念される誤嚥(ごえん)性肺炎などの生活支障、対局にある健康へ向かうためのトレーニングや日々の口腔衛生管理、元気の源である栄養をしっかり摂取するための食生活の工夫を一連の情報として紹介した。

 終盤では質疑応答の時間もあり▽加齢に伴う味覚低下への対処方法▽声の出しにくさやかすれは口腔フレイルの初期現象(呼吸が弱まっている)でこの段階から早めに受診や予防を目指すのが良いこと▽好みだが健康維持のため控えている高栄養食品は一口なら過剰摂取にならないので控えるよりむしろ食の楽しみとして食べた方が心身に良いこと▽むせたりたんが出た場合に何科を受診すればいいかが分かりにくい(大半は内科でその診断によりより適切な科が推奨される)―といったやりとりがなされた。

(2022年10月4日付紙面より)

くしもと町立病院公開講座を招致して開かれた健康教室=9月29日、串本町役場本庁舎
2022年10月04日
83 道路脇に青紫の花  ヤナギバルイラソウ  
2022年10月04日
84 転倒予防対策を解説  野田隣保館でミニ講座  (新宮市 )
2022年10月04日
85 𠮷良和子さんが優秀賞  自治医大スピーチコンテスト  (近大新宮 )
2022年10月04日
86 広島・森浦が10試合連続登板  セ・リーグ最多タイ記録  (新宮市出身 )
2022年10月04日
87 近大新宮が市和歌山を撃破  県二次予選、準決勝に進出  (秋季高校野球 )
2022年10月04日
88 防災訓練に向け話し合い  チームくまのがわ定例会  (新宮市熊野川町 )
2022年10月04日
89 新宮市でも接種開始  オミクロン株対応ワクチン  
2022年10月04日
90 「認知症」理解深める  介護福祉の映画上映会  (新宮市 )
2022年10月04日
91 プロの技や工夫を学ぶ クリーニングなどの出前授業 (那智勝浦町)
2022年10月04日
92 豊年太鼓を打ち鳴らす  太田地域の合同運動会  (那智勝浦町 )
2022年10月04日
93 木本、3位決定戦へ  秋季東海地区高等学校野球  (三重県大会 )
2022年10月04日
94 小芝さん、西さんが優勝  三和大会、1年ぶりに開催  (グラウンドゴルフ )
2022年10月04日
95 小西さん、鈴木さんに感謝状  水門等河川管理施設操作功労者  (紀宝町 )
2022年10月04日
96 町内約140店舗で利用可能  第2回お買物券発行始まる  (串本町商工会 )
2022年10月04日
97 無症状など条件に利用可  串本PCR検査場開設  (串本町 )
2022年10月04日
98 ハロウィーン飾り楽しんで  タウンガーデンで恒例の飾り付け  (新宮市 )
2022年10月04日
99 お悔やみ情報