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2021年09月30日
1 郵便ポストの防災情報更新
 年内に市内全域へ  (新宮市 )

 新宮市と新宮郵便局は現在、QRコードおよび海抜表示付き郵便ポストの更新作業を実施している。28日には同市伊佐田町の新宮郵便局前ポストで竹田和之・防災対策課長と間嶋義則・新宮郵便局長がQRコードシートを貼り替えた。年内をめどに市内99カ所の全ポストへの更新作業を行っていく。

 郵便ポストへのQRコード貼付は、昨年3月から共同実施している「災害・観光・郵便局のPR」を兼ねた取り組み。

 このたびの貼り替えは防災情報を最新版である「Web(ウェブ)版新宮市ハザードマップ」にリンクするためのQRコード更新に伴うもの。更新前は市内避難所・避難場所の一覧表示だったが、貼り替え後は位置情報を利用し、現在地の危険性を瞬時に確認することができる。

 郵便ポストにQRコードと海抜情報を貼付することで市民はもちろん、土地に不慣れな観光客もいざというときはスマートフォンなどでQRコードを読み込むことによってハザードマップに接続が可能。ポストの位置から現在地の津波の浸水深、最寄りの避難場所などを確認することができる(位置情報を取得するためにはブラウザの位置情報をオンにしておく必要がある)。

 間嶋新宮郵便局長は「新型コロナウイルスが終息したら多くの観光客が新宮市を訪れると思う。歩いて観光する人も多く、その際は防災・観光情報などの取得に活用いただければ」と話している。

  □     □

■Web版新宮市ハザードマップ

 新宮市では、昨年5月から「Web版新宮市ハザードマップ」のサービスを開始している。洪水浸水想定区域や浸水被害実績、津波浸水想定区域、土砂災害警戒区域、避難所の位置などを選択して確認できるほか、洪水時や津波時の「逃げどき判定」ができる機能も備えられている。

 多言語(日本語、英語、中国語、韓国語)にも対応。パソコンやスマートフォン、タブレット端末で閲覧ができる。市では「Web版新宮市ハザードマップを事前にお使いいただき、避難の際に役立てて」と活用を呼び掛けている。

(2021年9月30日付紙面より)

竹田和之・防災対策課長(左)と間嶋義則・新宮郵便局長がQRコードシートを貼り替え=28日、新宮市伊佐田町
QRコードを読み取り避難場所などを確認
2021年09月30日
2 讃寿会が草刈り作業
 「社会奉仕の日」に合わせて  (紀宝町 )

 全国老人クラブ連合会が定めた全国一斉「社会奉仕の日」の取り組みとして、紀宝町鵜殿の老人クラブ「讃寿会(さんじゅかい)」(牧戸光彦会長)は28日、同地区の中曽公園で清掃活動を実施した。

 社会奉仕の日(9月20日)は、地域社会に対する感謝と地域の担い手としての活力を示すことが目的。「きれいな地球を子どもたちへ」をスローガンに、全国各地で「花のあるまち、ゴミのないまち」を目指した美化活動、環境活動が展開されている。

 同会では30年ほど前から「社会奉仕の日」と3月、7月の年3回、ボランティアで清掃に取り組んでいる。

 今回は約30人が参加し、午前7時から作業を進めた。草刈り機で公園内の雑草を刈り取り、雑草を集めてビニール袋に回収するなどして約2時間で清掃を終えた。

 牧戸会長は「前日から作業してくれた有志会員や参加してくれた会員のおかげでスムーズに作業を終えることができた」と話していた。

(2021年9月30日付紙面より)

草刈り作業に取り組む讃寿会の会員=28日、紀宝町鵜殿
2021年09月30日
3 身近な工事に関心持って 串本西中招き現場見学会 (木下建設)

 すさみ串本道路田並中ノ谷地区進入路工事を請け負う木下建設株式会社が27日、串本町立串本西中学校(平原良一校長、生徒29人)を招いて現場見学会を開いた。

 同社が住民に身近な工事を知ってほしいという思いで現場最寄りの同校に提案し、同校は校外の職場に触れキャリア教育を進める良い機会として招待を希望。双方、時節柄の新型コロナウイルス感染症対策を十分に講じた上で現場見学会実施へとこぎ着けた。

 先んじて25日に同町の12~15歳対象新型コロナワクチン集団接種〈2回目〉があった影響で参加できた生徒は18人。スクールバスで国道42号沿いの出入り口から作業用道路経由で同社田並中ノ谷作業所(得能晃所長)を訪ね、得能所長ら社員の歓迎を受けて現場見学会に臨んだ。

 得能所長による現場や見学の概要説明を経て、序盤は国土交通省紀南河川国道事務所の田中富博建設監督官がすさみ串本道路の概要を紹介。中盤は同社が準備した▽ICT建機操縦▽調査用ドローン操縦▽鉄筋組み―の各体験提供で、生徒は学年別に分かれローテーションして一通り挑戦した。終盤は工事中に心掛けていることややりがい、すさみ串本道路事業の全体像や予算規模など同校が事前に寄せた質問事項に答えて生徒の理解を後押しした。

 一連の体験を経て河田栞奈さん(3年)は「ドローンで遠くまで見渡せるのが楽しかった。来る途中でいろいろな現場を見てきたけれど、難しい作業も多そうで大変だろうなと感じた。そのような仕事に頑張ってくれている皆さんと接してとてもかっこいいと思った」と印象をコメント。得能所長は「まずは学校に身近な所でしている工事や働く人々に関心を持ってもらえれば」と生徒の今後を期待し、平原校長は「校内では伝えることしかできない校外の職場をじかに見させていただけたことは、生徒の将来に対する視野を広め目標にバリエーションをもたらす。生徒の目指す将来はそれぞれなので土木分野に就くかどうかは別として、頂いた経験は今後の進路選択の中で必ず生きてくると思う」と同社の招待に感謝しつつ生徒の体験を後押ししていた。

(2021年9月30日付紙面より)

田並川方向へ迫る工事現場を山側から眺める=27日、串本町田並
現場見学の概要を串本西中の生徒らに説明する得能晃所長
2021年09月30日
4 敷地の造成工事が終了
 新クリーンセンター建設地  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町二河に建設される新クリーンセンターの敷地造成工事がこのほど、終了した。当初は今年5月に終了予定だったが、資材調達などに時間を要したため約3カ月の延長となっていた。令和7年度の稼働開始に向け、一歩進んだ形となった。

 同町によると、工事では排水溝を設置し、谷を埋め立てて平地を造成。敷地面積は約8800平方㍍で、本年度中に工事業者の入札を実施するという。

 施設本体工事は業者選定後、来年12月ごろから開始する予定。6年度(7年3月)中に工事を終え、7年度の稼働を目指すとしている。

 担当職員は、新クリーンセンターは将来の人口減少やごみ量も予測して建設するとし、「1日当たりのごみ処理量は旧クリーンセンターが約50㌧だったが、新クリーンセンターは約23㌧の能力となる。人口に合わせて施設の規模も小さくなる」と話していた。

(2021年9月30日付紙面より)

敷地の造成工事が終了した新クリーンセンター建設地=28日、那智勝浦町二河
2021年09月30日
5 鏡を見ながらブラッシング  鵜殿保育所で歯磨き指導  (紀宝町 )
2021年09月30日
6 数量限定、プレミアム餌やりも  リニューアル記念キャンペーン  (ウミガメ公園 )
2021年09月30日
7 台風16号が北上中  高波警戒、強風にも注意  
2021年09月30日
8 功労たたえ県知事表彰 新宮・東牟婁管内で3人 (和歌山県)
2021年09月30日
9 快適な生活のために自動運転を  未来技術社会実装事業に選定  (太地町 )
2021年09月30日
10 シュウカイドウの花  那智の滝近くで咲く  
2021年09月30日
11 小椋佳さんが奉納コンサート  熊野速玉大社で乗船客限定  (クルーズ客船「にっぽん丸」 )
2021年09月30日
12 災害から身を守ろう  下里保で総合避難訓練  (那智勝浦町 )
2021年09月30日
13 笑顔でプレー楽しむ  千穂第一地区サロン「グラウンドゴルフ」  (新宮市 )
2021年09月30日
14 犬に触れ命の大切さ学ぶ  三輪崎小で「わうくらす」の授業  (新宮市 )
2021年09月30日
15 秋晴れの下、4校が挙行 秋の運動会シーズン中盤 (串本町や古座川町)
2021年09月30日
16 スーパーの仕事学ぶ  田原小3年生が社会見学  (串本町 )
2021年09月30日
17 第3回定例会一般質問④  串本町議会  
2021年09月30日
18 お悔やみ情報
  
2021年09月25日
19 雨上がりに「虹」を架けよう
 2年ぶりに近大新宮祭  (新宮市 )

 新宮市の近畿大学附属新宮高校・中学校(池上博基校長、生徒471人)で24、25の両日、2年ぶりの近大新宮祭(文化行事の部)が開催されている。今年のテーマは「Rainbow∞(レインボー・レインボー)」。生徒一人一人が無限の色で構成される「虹」の色になり、雨上がりの空に虹を架けようというメッセージを込めた。

 本年度は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため一般の参加はなく、生徒のみで開催。中学校生徒会(宇惠諒介会長)、高校生徒会(小屋敷卓真会長)、実行委員らが中心となり、マスク着用や体育館の換気などを徹底して実施にこぎ着けた。

 初日の24日には、2回に分けてオープニングセレモニーが開かれた。各クラスの準備風景を集めたメディア部の映像作品上映やダンスサークルのパフォーマンス、パンフレット表紙を手掛けた下地貴子さん(高2)の表彰に続き、宇惠会長が「規模を縮小しながらも、近大新宮祭を開催できることをうれしく思う」と述べ、開会を宣言。

 「コロナ禍でも前向きに」との思いを込めた吹奏楽部のパフォーマンスでは、参加生徒が色とりどりのサイリウムを振って会場を盛り上げた。

 池上校長は「心ときめく近大新宮祭がやってきました。全生徒一丸となって築き上げた近大新宮祭が、雨上がりの心を癒やすレインボーのように、素晴らしいものになることを心から願っている」とあいさつを寄せた。

 25日には、中学生の演劇発表や高校のクラス行事、文化部の展示などが行われる。

(2021年9月25日付紙面より)

吹奏楽部が「Sing,Sing,Sing」を演奏=24日、近畿大学附属新宮高校・中学校
ダンスサークルのパフォーマンス
2021年09月25日
20 5Gなど用い遠隔医療支援
 町立病院も協力し実証実験  (串本町 )

 くしもと町立病院(竹村司・病院事業管理者、阪本繁院長)で22日、第5世代移動通信システム(通称・5G)と4K映像伝送システム「LiveU」を用いた遠隔医療支援の実証実験があった。

 この実験は、学校法人近畿大学、串本町、株式会社NTTドコモの3者で実施。5Gで遠隔医療支援を実現する実証実験として同大学とドコモが同大学病院とつながりを持つ同町立病院に協力を求めて計画した。

 具体的には同病院産婦人科診察室における胎児心臓エコー映像とその診察の様子を両システムで約120㌔離れた同大学病院胎児心エコー検査室=大阪府大阪狭山市=へ伝送し、同検査室からすでに普及している第4世代移動通信システム(通称・4G)で遠隔医療支援を注ぐ内容。伝送は通信上の安定性を確保するため1秒前後の低遅延設定で行い、対面時とほぼ遜色がない高度医療提供を同診察室で形にした。

 同検査室側は医学部の稲村昇准教授、同診察室側は産婦人科の木村憲三医師と小児科の有馬智之医師が対応。患者3人の協力を得て3度繰り返し、検証を進めた。同町立病院では通信を利用し医師間で症例検討をする機会は取り入れているが、今回のように診察自体を通信でつなぐ試みは初の経験だという。

 田嶋勝正町長も同実験を部分的にモニター越しで視察し、「へき地故に高度医療が受けられない状況の中、5Gを使って遠隔で高度で適切な医療を受けられるのは画期的。(この手法は)これからの医療になると状況を見て確信した」とコメント。竹村管理者は「相手側が高度な技術を持っていれば専門的な画像診断ができるとともに専門医教育の場面にも使え、こういうことに慣れていくと都会へ専門医教育を受けずとも遠く離れた所からガイドをしてもらい熟練することにつながる。医療が豊富な都市部と過疎地の格差を埋めるこの方法の大きな展開を今後に期待する」と印象を語り、地方における医師確保の難しさを和らげる可能性も見据えつつ同実験を見守った。

 この実験は、同大学とドコモなど5者で昨年11月に締結した「5Gの推進、『スマートシティ・スマートキャンパス』創造に関する包括連携協定」に基づく取り組みの一環。同町はごく一部を除いてまだ5Gエリア外のため、ドコモが移動基地局車を持ち込み5Gの通信環境を確保した。

(2021年9月25日付紙面より)

5GやLiveUを用いた遠隔医療支援の実証実験の様子=22日、くしもと町立病院
実験をモニター越しで見守る田嶋勝正町長(左)や竹村司・病院事業管理者
2021年09月25日
21 紀宝町側の用地契約完了
 3年後の開通目指し工事進む  (新宮紀宝道路 )

 紀宝町神内から新宮市あけぼのに至る延長2・4㌔の自動車専用道路「一般国道42号新宮紀宝道路」。紀宝町側では8月に248筆全ての用地契約が完了した。

 国土交通省が平成2013年度に事業化し、18年度から町内で工事に着手。24年秋の開通を目指し、同道路の一部「熊野川河口大橋」などで工事が続いている。

 本年度の同道路予算は紀宝町域に45億5000万円、昨年度補正予算15億円、新宮市域では本年度23億円、昨年度補正予算15億円が配分された。

 熊野川河口大橋は延長821㍍。18年7月から工事が始まり、現在、橋脚6基の下部工事が完成し、上部工事を施工中だ。

 町では「今後も国、県をはじめ関係機関と連携を密にし、早期完成に向け努力する」とコメントしている。

 紀伊半島一周高速道路の実現に向けて、8月29日には、一般国道42号熊野尾鷲道路(Ⅱ期)尾鷲北インターチェンジ(IC)から尾鷲南ICを結ぶ5・4㌔がつながり、全線が開通した。

(2021年9月25日付紙面より)

工事が進む一般国道42号新宮紀宝道路の熊野川河口大橋
2021年09月25日
22 意識を高めきれいな町を
 老ク連180人が奉仕活動  (新宮市 )

 新宮市老人クラブ連合会(上廣正幸会長)は「老人の日・老人週間」の全国一斉奉仕活動に合わせて24日朝、浮島の森駐車場や鴻田公園、緑ヶ丘会館前など市内12カ所で清掃活動を実施し、同会に所属する約180人が参加した。

 清掃奉仕は「花のある町、ゴミのない町」をテーマに実施。美しい環境で公共施設を利用してもらおうと毎年、草引きやごみ拾いの活動に取り組んでいる。

 同市神倉の県立新宮高校旧校門前では、西道楽天会(河上政方会長)のメンバー約15人が手分けして周辺の草を引き、協力しながら紙くずや落ち葉、空き缶を拾うなどして汗を流した。

 河上会長は「天候にも恵まれ、無事に清掃を終えることができました。どうしても雑草などは多いが、昔に比べると年々、紙くずやたばこの吸い殻は格段に少なくなった。日頃から住民の皆さんの美化意識が高いのだと思っています。これからも、地域全体できれいな町を保っていければ」と話していた。

(2021年9月25日付紙面より)

新宮高校周辺で清掃に取り組む西道楽天会の皆さん=24日、新宮市神倉
2021年09月25日
23 坂野医院が優勝 第170回職場対抗ボウリング大会 
2021年09月25日
24 戸石康江さんが優勝飾る
 なちかつGGCクラブ大会  
2021年09月25日
25 JAみくまの旗が開幕
 学童軟式野球大会  
2021年09月25日
26 近大新宮、延長で敗れる
 秋季高校野球一次予選  
2021年09月25日
27 サービスがパワーアップ  ハローワーク  
2021年09月25日
28 利用者減少、10月から減便  コロナ影響、ダイヤ改正へ  (JR西日本 )
2021年09月25日
29 明るい表情で体をほぐす  各地区でサロン活動再開  (那智勝浦町 )
2021年09月25日
30 実験的に公衆ごみ箱設置  国道168号沿い3カ所に  (東牟婁振興局 )
2021年09月25日
31 公式アプリで優待サービス  道の駅たいじではクジラのヒゲ贈呈  (JAF和歌山支部 )
2021年09月25日
32 対策講じ「にっぽん丸」入港  歓送迎イベント、岸壁入場は中止  (新宮市 )
2021年09月25日
33 交通ルールを守ろう!  新翔生がマナーアップ啓発  (新宮市 )
2021年09月25日
34 礎となった家族をしのぶ  町内各地で戦没者慰霊祭  (串本町 )
2021年09月25日
35 葉の違いを観察  三尾川小でクマノザクラ学習  (古座川町 )
2021年09月25日
36 第3回定例会一般質問②  串本町議会  
2021年09月25日
37 墓前で静かに手を合わせ  彼岸の中日、墓地に家族連れ  
2021年09月25日
38 珍しい?ペラペラの木?  那智勝浦町  
2021年09月25日
39 お悔やみ情報
  
2021年09月19日
40 古式捕鯨のモリなど提供
 紀伊風土記の丘で特別展  (三輪崎小 )

 和歌山市の県立紀伊風土記の丘で開館50周年を記念した令和3年度秋期特別展「海に挑み、海をひらく―きのくに七千年の文化交流史―」が10月2日(土)から12月5日(日)まで開催される。新宮市立三輪崎小学校でこのほど、展示品として同校所蔵のモリを貸し出し提供すべく、梱包(こんぽう)作業が行われた。

 同展は紀伊半島の沿岸に暮らした先人たちや海の歴史を考古学と民俗学の観点から紹介することがテーマ。和歌山県発祥の漁業にもスポットを当て、改良を重ねた技術が全国各地に伝わったことや、新宮・東牟婁含む県内各地の漁具や資料などが展示される。

 同校のモリ2本は寄贈されたもので、捕鯨を行っていた三輪崎組の紋「三つの輪」が刻まれている。このモリに加え、クジラのひげや疑似餌などが貸し出しされる。

 三輪崎区や三輪崎郷土芸能保存会、三輪崎漁業協同組合も協力。「鯨踊りの衣装」や「捕鯨に関する写真」「一本釣りに使用した竹の釣り竿」なども展示されるという。

 紀伊風土記の丘の主査学芸員・蘇理(そり)剛志さんは「県内では江戸時代から明治半ばまで捕鯨をやってきたのが、太地や古座、三輪崎。紆余(うよ)曲折を経て、約300年にわたり、行ってきた文化が残っている。三輪崎の捕鯨はなくなったが、鯨踊りなど、さまざまな形で伝統が引き継がれ、地域の誇りになっている」。

 モリについては「古式捕鯨時代のもの。形も古く、数も残っていない。古くからある三輪崎鍛冶にもつながる。鉄を加工する技術あってこその捕鯨。このモリは重要なものだと思う」と話した。

 嶋田雅昭校長は「当校は三輪崎郷土芸能保存会の皆さまから鯨踊りや捕鯨について教えていただいているため、児童も三輪崎の捕鯨文化に触れることができている。価値のあるモリなどを多くの方々に見ていただけるのはうれしい」。

 児童に対しては「博物館に展示されるほどの貴重な物が学校にあるということを児童にも伝えたい。県内での修学旅行になるため、行き先の一つとして展示を見に行くことも検討している」と語った。

 なお、太地町の鯨舟の模型や鯨絵巻、串本町の河内祭の道具なども展示される予定。

(2021年9月19日付紙面より)

貸し出しのため、モリを梱包する=新宮市立三輪崎小学校
三輪崎小所蔵のモリを中央に配したポスター
2021年09月19日
41 コロナ禍の避難を考える
 相須地区でいきいきサロン  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町の相須集会所で16日、「ふれあいいきいきサロン」があった。地域住民5人が参加し、防災クイズを交えてコロナ禍の避難について考えた。

 サロンは地域のコミュニティーづくりや介護・寝たきり防止、1人暮らしの人への見守りなどを目的に、区と市社会福祉協議会が協力して開いている。新宮市の施設利用再開を受け、手指消毒や参加者全員の検温、マスク着用などの感染対策を取りながら実施した。

 この日は市社協熊野川ステーションの大江真季さんが、コロナ禍中に災害が発生して避難所生活を送ることになったときの備えについて講話。「災害時は危険な場所から避難するのが原則だが、食料や水に加えてマスク、アルコール消毒液、体温計などの感染対策用品を持ち出し袋へ入れておくことが大事。9月の防災月間に合わせて市内のスーパーマーケットに防災用品コーナーができているので、一度見に行ってみて」と呼び掛けた。

 「高齢の方や足の悪い人は警戒レベル3の『避難準備・高齢者等避難開始』のときにはもう避難しておいてほしい」と言い、改めて早期避難の重要性を伝えた。

 住民からは「紀伊半島大水害の時、なかなか救援物資が届かず難儀した」「自分の身は自分で守らなければ」との声があった。

(2021年9月19日付紙面より)

最新の非常食について解説=16日、新宮市熊野川町
2021年09月19日
42 来年への思い胸に式典斎行
 宇久井神社例大祭・宵宮祭  (那智勝浦町 )

 那智勝浦町の宇久井神社(男成洋三宮司)例大祭の宵宮祭が17日夜、本殿であった。例年多くの人でにぎわうが、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため宵宮と本宮の規模を縮小。神職や祭典役員、党家講など関係者ら約20人が参列して厳かに式典が斎行された。

 例年の宵宮では、式典後に宇久井青年会と秋葉会による神楽の奉納や宇久井婦人会による踊りが場を盛り上げ、盛大に餅まきが行われているが、昨年、今年は取りやめとなった。

 台風接近の影響で雨が降る中、式典が進められた。熊野那智大社から出仕した伊藤士騎禰宜が神事を執り行い、祝詞を奏上。出席者が玉串をささげた。

 式典後の神酒拝載では伊藤禰宜が「コロナが終息に向かいまして、活気あふれる宇久井のお祭りが復活することを心よりお祈りしております」と述べ、一同、手にした杯で乾杯した。

 祭典委員長の亀井二三男さんは「残念ながら省略した形での宵宮祭となった。昨年は当地域でのコロナの影響は少なかった。来年こそはと思っていたが、感染が広がり今年も縮小する形となった。2年はわれわれにとっては大きな年。祭典関係者の高齢化も進む中、2年間休んで来年は体力的に大丈夫だろうかとの懸念もある」。

 来年については「地域の祭りは氏子の方々にとって大切なもの、決断は心苦しかった。今回の祝詞にもコロナ終息の思いを込めていただいた。来年こそは皆さまの豊漁や健康を祈り、盛大にやっていきたい」と意気込みを語った。

(2021年9月19日付紙面より)

規模を縮小し宵宮祭が斎行された=17日、那智勝浦町の宇久井神社
コロナ終息と来年への思いを胸に乾杯した
2021年09月19日
43 地域の伝統踊り子どもたちに
 4年生が「鵜殿ばやし」を練習  (鵜殿小 )

 新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの祭り、イベントが規模縮小や中止を余儀なくされ、紀宝町鵜殿地区で毎年11月22、23日に開催される「うどのまつり」も2年連続の中止が決まった。

 秋を彩る「うどのまつり」は、鵜殿ばやしの手踊りが練り歩き、熊野水軍太鼓の演奏、諸手船(もろとぶね)をかたどったダンジリの上でハリハリ踊りを披露するなど、毎年、地区内が祭り一色に包まれる。

 鵜殿ばやしは1992年に誕生し、96年に保存会が発足。うどのまつりや紀宝みなとフェスティバルなどで披露し、町村合併以前の旧鵜殿村運動会でも住民総出で踊ったという。

 その地域の伝統踊りを子どもたちに継承してもらおうと、町立鵜殿小学校では毎年、運動会で4年生のプログラムに組み込んできた。

 昨年は新型コロナの影響もあって運動会で披露する機会がなかったが、今年は10月2日(土)の運動会で2年ぶりに復活する。

 本番に向け、4年生35人が保存会のメンバーに踊りを教わりながら練習に励んでいる。15日にはメンバー4人が訪れ、細かい動きを丁寧に指導した。

 「沖を眺める」「網をたぐり寄せる」など漁師のしぐさを盛り込んだ男踊り。手を上げる角度や指先の力の入れ方など、難しい動作も多く、児童たちはアドバイスを受けながら覚えていった。今後も本番まで練習を重ねるという。

 メンバーの松元美国さんは「現在の保存会メンバーは20人ほど。昨年から鵜殿ばやしを披露する場がなくなり、踊りを知っている子どもも少なくなってきた。鵜殿の伝統を引き継いでもらい、来年、祭りが開催されれば参加してもらいたい」と話していた。

 女子児童は「踊りは難しいけど、頑張って運動会までに覚えたい」と笑顔を見せていた。

(2021年9月19日付紙面より)

鵜殿ばやしの練習に励む4年生=15日、紀宝町立鵜殿小学校
2021年09月19日
44 21日から通常授業再開  和歌山県内の県立学校  
2021年09月19日
45 追加を含め全議案可決  9月定例会が閉会  (太地町議会 )
2021年09月19日
46 避難路整備や鯨類施設で議論  太地町議会一般質問(終)  
2021年09月19日
47 ツリガネニンジンの花  宇久井ビジターセンター  
2021年09月19日
48 対象者の約8割が予約済み  新型コロナワクチン接種  (紀宝町 )
2021年09月19日
49 早期発見、集団感染の防止に  「抗原定性検査キット」を配備  (紀宝町 )
2021年09月19日
50 公正な選挙確保のために  熊野、紀宝署に選挙違反取締本部  (熊野市長選 )
2021年09月19日
51 これが「私の新宮遺産」  新宮市観光フォトコンテスト入選作品紹介  (学生の部 )
2021年09月19日
52 お悔やみ情報
  
2021年09月18日
53 人と地域をビールでつなぐ
 「色川地ビールを育てる会」が会員募集  (那智勝浦町 )

 「最初は僕たちや皆さんで楽しむビール。将来的には色川の仕事の一つにつながるビールになれば」。そう話すのは那智勝浦町小阪区長の峯茂喜さん(66)と和歌山大学観光学部4年の藤本多敬(かずひろ)さん(22)だ。二人が共同代表を務める色川クラフトビールプロジェクトはこのほど、色川地域の茶を用いた地ビールを試作。今後のさらなる生産拡大や地域おこしのために「色川地ビールを育てる会」を組織した。峯さんが会長、藤本さんが副会長を務め、現在会員を募集している。なお、酒税法の関係から、販売は行ってない。

 藤本さんは3年前に和大の地域インターンシッププログラムで色川地域を訪れ、峯さんと出会った。同伴していた此松昌彦教授が高野山の地ビールづくりにも関わっており「色川でビールをつくれば良いものができるのでは」と提案した。

 二人は意見交換や会議を重ね、学生や町民も参加する中、今年4月からプロジェクトを開始。非営利の育てる会では経費を会員(割り勘仲間)自身が負担し、完成したビールを楽しむという。

 同地域の一部は世界遺産「那智の滝」の源流の水を使用している。今後、ビールの原料にはその水と同地域で収穫される茶やユズ、ブルーベリーなどを用いる予定。醸造は和歌山市の和歌山ブルワリーに委託する。峯さんによると、試作品は住民らに好評だったという。

 本格的な初回生産は12月で、同地域のほうじ茶を使用する。その後は3カ月ごとに用いる産品を変更する方針だ。1回の生産で完成する330㍉㍑の瓶ビール約380本を会員で分ける仕組み。今後はラベルにもこだわり、一目で色川を連想できるようなものを作るという。

 活動は1年間限定としており、「ビールづくりが色川の仕事になることが目標。全国には色川のファンも多い。地ビールを仲介し、人と色川をつなげる存在になってほしい」と二人。

 藤本さんは「将来的には色川に醸造場ができて、地ビールで地域おこしができれば。ジビエとのセットも魅力的だと思う。地域の中でお金が循環するようなきっかけづくりになれば」。

 峯さんは「農業をしたい移住者も多いが、収入面などの課題がある。それらの解決につながるのでは。『旅行者が地ビールを求めて旅をする』という言葉もある。多くの方々が地ビールを求めて色川を訪れてくれたらうれしい」とそれぞれ語った。

 会員になるには申し込みが必要で分担金は1口1500円。すでに他府県からの申し込みもあるという。会員同士のオンラインによる飲み会も検討しているとのこと。

 問い合わせは同プロジェクト(電話090・1893・6900)、メール(irokawa.craft.beer@gmail.com)まで。

(2021年9月18日付紙面より)

試作品を持ち「地ビールで地域おこしを」と語る峯茂喜さん(左)と藤本多敬さん=13日、那智勝浦町小阪
2021年09月18日
54 日本の伝統「詩舞」、華麗に
 哲泉流南紀清流支部が披露  (紀宝町 )

 哲泉流和歌山県支部連合南紀清流支部が15日、毎月恒例の集い「カフェいっぷく亭」に招かれ、紀宝町福祉センターで詩舞と江戸芸かっぽれを披露した。

 いっぷく亭は参加者同士やスタッフと日頃の思いを話し合い、交流を深める場。毎回、検温、手指消毒など感染症対策を講じ、手の平体操やさまざまなゲームを楽しんでいる。

 南紀清流支部には講師の荘司瀞扇さんをはじめ、6~86歳の12人が所属。今回は人数を限定し、5人が訪問した。

 詩舞は吟詠に合わせて扇を使って舞う日本の伝統芸能。「武田節」「東風吹かば」「川中島」「名槍日本号」「英霊南より還る」を華麗に舞い、扇で詩吟を表現した。

 かっぽれは、無形文化財の「住吉踊り」がルーツと伝わる大道芸、お座敷芸の一つ。「茄子と南瓜」「かっぽれ」の2演目を見せた。

 いっぷく亭の参加者らは静かに舞を見入り、大きな拍手を送った。最後はスタッフの橋本純子さんが「お上手で目の保養をさせていただき、ありがとうございました。これからも頑張ってください」と伝えた。

 荘司さんは「コロナ禍以前はたくさんのコンクールがあったが、今は全国的に中止になっている。お声掛けいただき、ありがたく思う。9カ月ぶりに披露の場だったので緊張したけど、楽しい場でした。また、皆さんに会える日を楽しみにしています」と話していた。

(2021年9月18日付紙面より)

詩舞と江戸芸かっぽれを披露する=15日、紀宝町福祉センター
伝統芸能に拍手を送る参加者
2021年09月18日
55 分散登校&オンライン授業
 新翔高校教職員の声を聞く  (新宮市 )

 各クラスの半分が登校し、残り半分がオンラインで自宅学習を行う形で授業を進めている和歌山県内の県立高校。前回の新宮高校に引き続き、新翔高校でも教職員の声を聞いた。

  □     □

■﨑山鈴菜教諭(社会科)

 現在担当している「現代社会」の授業では、黒板への板書とパワーポイントの両方を使っています。登校/自宅学習の生徒の差が出ないよう、2日連続で同じ内容を行うのですが、扱う事例を変え、少しずつ知識が深まるよう工夫しています。

 現代社会では「図書館では言語によって本棚を分けているが、それは差別か区別か?」といった問題を生徒自身に考えてもらう場面があります。教室の生徒には手元のフリップに、オンラインの生徒にはチャットに書き込んでもらうのですが、チャットの方が敷居が低いのか、普段発表しない子も意見を出してくれたりします。

 オンラインの生徒には、「フォームズ」というアンケート機能で授業の終わりに理解度チェックの小テストをします。記述式や選択式の設定ができ、正答率も把握できるので、プリントよりも扱うのは楽かもしれません。授業の感想では「新鮮で面白かった」という声もあり、オンラインの物珍しさもあって楽しんでくれているようです。

 パワーポイントを使う授業では、ノートを取るのがゆっくりな子もいるので、画面を切り替えるタイミングが難しいと感じます。介護実習の授業では教科書の音読やビデオ視聴を中心に板書をしない授業づくりに取り組んでいる先生や、画面共有での授業に挑戦している先生もいますね。

  □     □

■脇村綾乃教諭(英語)

 授業では板書とプリントを使っています。オンライン授業を開始した当初は、ウェブ上の会議室に入室できない、音が聞こえないなどのトラブルが続出で、今でも何回かに1回はその対応をしなければいけないときがあります。

 授業では生徒の音読する声を聞くため、オンライン学習の生徒にもカメラとマイクをオンにするよう呼び掛けているのですが、なかなか応じてくれない子もいるのが現状。

 また、タブレット型パソコン(PC)に内蔵のマイクを使って声を届けているので、授業中はPCの前から動けず、教室を巡回して生徒の発音や理解度の確認ができないのも難しいと感じているところです。

  □     □

 新翔高校教職員へのインタビューを通じ▽円滑に授業を進めるためにはマイクやスピーカーがあった方がいい▽スクリーンやプロジェクターなど扱う機材が増えると運搬や設置に時間がかかる▽画面共有などさまざまな機能を使いこなすには練習が必要―などの意見が見られた。生徒に授業が好評である一方、課題も多く、教育現場で試行錯誤が続いている現状が浮かび上がる。今後も動向を追っていく。

(2021年9月18日付紙面より)

現代社会の授業の様子=15日、新宮市の県立新翔高校
2021年09月18日
56 代表参列し殉難将士を追悼
 樫野の遭難慰霊碑前で式典  (串本町 )

 串本町樫野にあるトルコ軍艦遭難慰霊碑前で16日、同町主催による追悼式典があった。新型コロナウイルス感染症を考慮し、今年は田嶋勝正町長ら地元の代表者5人で両国の絆を深める決意をささげるなどして殉難将士を追悼した。

 この碑は1890年の同日に樫野沖であった同艦・エルトゥールル号遭難事件の殉難将士587人を弔う墓碑として翌年に建立され、後に昭和天皇もお立ち寄りになったことに感銘を受けたトルコ共和国の初代ムスタファ・ケマル・アタテュルク大統領が国費で霊廟(れいびょう)を備えた台座を建立。その塔部に墓碑をはめ込んだ状態で今日まで伝わっている。

 同町は長らく「月命日」として毎月16日、同碑に献花をしている。期日と重なる9月はその大祭として追悼式典を計画し、平年は招待参列や一般参列を迎え大勢で現地の使命を振り返り決意をともにする形で営んでいる。

 前年度は同感染症の拡大に伴い規模縮小。他方で、実施できずにいた日本トルコ友好130周年記念事業の追悼式典が上積みとなり、現地参列は地元のみだが三笠宮彬子(あきこ)さまや駐日トルコ共和国大使館の特命全権大使らがオンライン参列する形で営んだ。今年も規模縮小の判断をし、昨年のような上積みがないため田嶋町長、町議会の鈴木幸夫議長、樫野区の髙山カヤ子区長、大島区の稲田賢区長、須江区の福島三男区長の5人が代表参列して殉難将士を追悼することとした。

 参列はかなわなかったが同大使館の現任コルクット・ギュンゲン特命全権大使が同町へ献花の代理を依頼し、同町は式典に先んじて同碑前へ献上した。式典では黙とうを経て5人それぞれに献花をし、弔電披露を経て田嶋町長が殉難将士の境遇と当時の大島島民が示した献身に思いをはせつつ「助け合う心を語り継いで、かけがえのない絆を育んでいくことが現在に生きる我々の使命。先人の精神を継承し両国の友好の原点となった歴史を風化させないことが大切だと考える」と述べ、人を思いやる心で結ばれた両国の歴史と文化を学ぶ機会を次世代に託し両国の絆をより深めることへの尽力を誓って追悼した。

 現地の髙山区長(74)は「2年続けて規模縮小となったのは残念だったけれど、こうして追悼を続けることはきっと両国の絆につながると思う。コロナが落ち着き以前のように営める日が再び訪れることを今後に願いたい」と胸中を語った。

(2021年9月18日付紙面より)

殉難将士への献花に臨む田嶋勝正町長ら=16日、串本町樫野
2021年09月18日
57 運動会に向けてダンス練習  木陰でお弁当も楽しむ  (うどの幼 )
2021年09月18日
58 旬の味覚が市場へ  極早生温州「みえの一番星」の出荷始まる  (JA伊勢三重南紀 )
2021年09月18日
59 小学校移転やコロナ対策で議論  太地町議会一般質問①  
2021年09月18日
60 「おいしい秋ナス食べて」  勝浦小3年生が収穫体験  (那智勝浦町 )
2021年09月18日
61 犬との接し方を学ぼう  三輪崎小で「わうくらす」  (新宮市 )
2021年09月18日
62 ロケットや宇宙を学ぶ 串本西中でJAXA講演会 (串本町)
2021年09月18日
63 新たな友好の証を  海底熟成酒プロジェクト始まる  (串本町 )
2021年09月18日
64 台風14号、18日昼前に最接近か  大雨や強風に十分注意  
2021年09月18日
65 お悔やみ情報
  
2021年09月18日
66 ママも子どもも笑顔になる「疲れない食育」
 【第40回】コンポストで食育を!  

 皆さん、コンポストってご存知ですか? コンポストとは「生ごみを堆肥化させる」こと。簡単にいうと、土に生ごみを混ぜて、堆肥を作るということです。今家庭の生ごみを使って、簡単に堆肥を作る動きが、注目されています。

 私も、この夏からコンポストを始めました。おしゃれなコンポストキットがインターネットで販売されていると聞き、早速購入。フェルト生地のような素材でできた、おしゃれなバッグが届きました。別の袋に入っている土を、このバッグの中に移して、セットは完了。後は生ごみを入れていくだけです。普段の料理で出る生ごみを入れてざっくりとかき混ぜるだけ! 土が生ごみを処理してくれるというわけです。

 子どもの自由研究も兼ねて、一度入れたごみの経過を観察してみました。これがとっても面白いんです。中でどんどん発酵が進み、生ごみが時間をかけて小さくなっていきます。分解してくれるのは、微生物たち。途中、白カビが生えたり、湯気が上がったり、「あ~分解が進んでるな」と分かるのも楽しいところ。子どもも興味津々でした。

 ご飯や麺、肉、魚、野菜など大体の生ごみを入れることができます。魚の骨も、もちろんオッケー。ただ、タマネギの皮や、卵の殻は、分解に時間がかかってしまうそうです。

 コンポストを始めて、圧倒的にごみの量は減りました。食べ残したお料理もそのままコンポストに入れてしまいます。揚げ物や炭水化物は、分解を促進させてくれるそうですよ。最初は、「すごく臭いが出るんじゃないかな」と心配していましたが、土のおかげかそんなに臭うことはありません。むしろ、ごみの日まで生ごみを置いておくことがなくなったので、臭いの悩みから解放されました。1日300㌘の生ごみを毎日3週間ほど入れたら、立派な堆肥の完成です。私が買ったキットは、そのままプランターとして野菜を育てることもできるんです。

 日本の食品廃棄物は年間2500万㌧、そのうち本来食べられるのに捨てられる食品は600万㌧にも上るといわれています。これがいわゆるフードロスになるわけです。日本のフードロスの46%が家庭から出る生ごみです。

 そんな話をしながら、子どもと一緒に生ごみを土に還して堆肥にし、さらに野菜を育てられたら、最高の食育になりますよね。SDGsで、サスティナブルな社会が目標とされる今こそ、挑戦してほしい食育です。フードロスを削減するためにも、家庭からの生ごみを減らして、地球温暖化を抑制しましょう!

(2021年9月18日付紙面より)


2021年09月14日
67 本谷紗己さんが銀河乗客にPR
 紀の国わかやま文化祭  (新宮市 )

 10月30日(土)から和歌山県内全域で開催される「紀の国わかやま文化祭2021(第36回国民文化祭・わかやま2021、第21回全国障害者芸術・文化祭わかやま大会)」を広く周知しようと同文化祭和歌山県実行委員会は12日、新宮市のJR新宮駅で西日本旅客鉄道株式会社和歌山支社協力の下、長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」とタイアップしたおもてなし企画を実施した。同文化祭スペシャルインフルエンサーを務めるモデルの本谷紗己さんが一日車掌を務め、催しのPRなどを行った。

 この日は地元和歌山を拠点に活動する兄弟お笑いコンビ「すみたに」らキャラバン隊メンバーと、きいちゃんも現場に駆け付け、場を盛り上げた。

 本谷さんは駅構内において、乗客や駅利用者らを前に文化祭の詳細などをマイク放送し、記念撮影などにも応じた。乗車後は同駅からJR太地駅までの間、列車内で銀河限定のスタンプ押印や文化祭に関するパンフレットなどの配布にも取り組んだ。

 また、同じくスペシャルインフルエンサーで、声優の中島由貴さんが事前収録した声による車内放送も紀南、紀中、紀北の各エリアで流され文化祭をPRした。

 本谷さんは「銀河に乗って乗客の皆さまに文化祭をPRできることはめったにない貴重な経験。本当にうれしいです」。

 意気込みについては「スペシャルインフルエンサーとしてこの日、撮影した動画や写真はユーチューブ(動画投稿サイト)やインスタグラムを通して発信します。今日は多くの方々に和歌山の魅力と文化祭を知っていただきたいです」と笑顔で語った。

 駅構内で銀河や催しを撮影していた40代男性は「国民文化祭が来月、和歌山県で開催されることを初めて知った。知人にも教えてあげたい」と話していた。

(2021年9月14日付紙面より)

本谷紗己さんが紀の国わかやま文化祭2021をPRした=12日、新宮市のJR新宮駅
新宮駅職員も参加し記念撮影(一時的にマスクを外して撮影)
2021年09月14日
68 髙木亮英さんが青岸渡寺住職を拝命
 智英さんが補陀洛山寺住職に  (那智勝浦町 )

 「父と兄から、西国三十三所の一番寺と世界遺産の重みを引き継いで身の引き締まる思い」。那智山青岸渡寺の副住職として、兄で住職だった故・髙木亮享(りょうきょう)氏を支えてきた亮英(りょうえい)さん(71)は語る。8月5日に正式に同寺の住職を拝命した。また、同日に長男の智英(ちえい)さん(39)が補陀洛山寺の住職を拝命。親子二人三脚で歴史と文化が詰まった世界遺産の両寺を守っていく。

  □     □

■父と兄の重責を引き継ぐ



 那智山で生まれ、那智の滝を身近に感じながら成長した亮英さん。1965年に比叡山に入山し72年に龍谷大学を卒業した。

 那智勝浦町史の編さん委員も務め、74年に出家得度。同寺の住職だった父の故・亮孝氏と兄・亮享氏の背中を追い、今日に至る。

 諸国霊山100余カ所、中国、インド、韓国で仏教聖地巡礼し、スペイン巡礼も行う。84年に同寺の副住職を拝命。89年には熊野大峰奥駈修行を復活させた。

 その後は世界宗教サミットへの参加、那智四十八滝回峯復活、葛城二十八宿行も始めた。2017年には権大僧正に昇任している。

 「これまで寺を守ってきた父、その跡を継いだ兄。二人の存在のおかげで今がある。尊敬する兄という手本を失ったのは大きな痛手」と父と兄の死を振り返る。

 住職拝命について「父と兄の背中を参考にして、歴史や文化、重責を受け継ぎ、火災や災難を防ぎ寺を守っていく。その後は熊野修験も含め、心も信仰も次の世代に伝え引き継いでいきたい」と力を込めた。

 趣味は山歩き。座右の銘は、自分自身の置かれた場所で精いっぱい努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも代え難い貴い国の宝という意味の「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」だと話した。

  □     □

■父の背中を追い、支える



 智英さんは2000年に県立新宮高校卒業後、龍谷大学に進み04年に比叡山延暦寺にて得度受戒。亮英さんの弟子となった。

 05年に比叡山行院にて天台四度加行遂行。その後、叡山学院を経て神峰山寺(かぶさんじ)に入寺し修行。19年に那智山青岸渡寺に入寺した。

 大阪府の神峰山寺時代については「檀家(だんか)寺だったため、お通夜やお葬式のお勤めも多かった。いろいろな方々と接し、悩みに添えるようなこともあったため良い修行を積むことができました」と回顧する。

 補陀洛山寺の住職拝命を受けて、「天台宗補陀洛山寺の法灯を継承すべく、後世に歴史や信仰を伝えていきたい」と抱負を述べた。

 また、智英さんは総本山から辞令が下り次第、年内にも青岸渡寺の副住職を拝命する。寺院運営や熊野修験については「時代の流れに合わせて青岸渡寺、補陀洛山寺のホームページやSNS(会員制交流サイト)の整備などを行う。幅広い世代の方々に参詣していただけるような寺院運営に従事していきたい。また、復興した熊野修験を後世に残すため、祖父と父の意志を受け継いで継承していく」と固い意志を示した。

 父・亮英さんに対しては「父と同じようにはできない。父をサポートするとともに、これからも背中を追い続けていきたい。一生、修行です」。

 趣味は父と同じで山歩き。好きな言葉は「忘己利他(もうこりた)」。自分のことは後にして、人に喜んでもらえることを行うといった意味があるという。

(2021年9月14日付紙面より)

父・髙木亮英さん(右)と息子の智英さん
2021年09月14日
69 挑戦の結果を町長に報告
 潮岬中2年の久保凛さん  (串本町 )

 本州最南端から全国の頂へ―。全日本中学校陸上競技選手権大会共通女子800㍍に出場した串本町立潮岬中学校2年・久保凛さんが10日、田嶋勝正町長を表敬訪問し結果を報告するなどした。

 久保さんは7月にあった第67回全日本中学校通信陸上競技大会和歌山県大会共通女子800㍍で優勝。その予選で大会新となる2分14秒04を記録した。この大会は第48回全日本中学校陸上競技選手権大会標準記録突破大会を兼ねていて、標準記録(2分16秒50)を突破し同選手権大会同種目の出場権を獲得した。

 来る本番までの間には第70回近畿中学校総合体育大会があり、久保さんは地方、県、近畿の同種目で優勝。ベストタイムの更新はならずも力を増して先月18、19日実施の同選手権大会を迎えた。

 予選の記録は41人中9位。8位以上を対象とするA決勝には届かなかったが9~16位を対象とするB決勝に進出し3着となった。結果は総合11位だが、記録だけをみれば全国で7番目、2年生選手の中では全国首位の結果となった。

 以降、28日に紀三井寺公園陸上競技場であったU―16陸上競技大会選考会女子県代表選考種目1000㍍に挑戦し記録2分56秒22で優勝。来月22日(金)から24日(日)まで愛媛県総合運動公園陸上競技場で開かれるジュニアオリンピックカップ(JOC)第52回U―16陸上競技大会の同種目出場権を得た。

 これら一連の経過を教育課の鈴木一郎課長が本人同席の下で田嶋町長へ報告。同校も同選手権大会女子800㍍決勝の動画で久保さんの挑戦の様子を伝え、田嶋町長は県市町村対抗ジュニア駅伝競走大会でもコースレコードを重ねる活躍をしている久保さんのさらなる好成績を喜び「話を聞いて心強く、まだ伸びると感じた。まちもできる限りバックアップ態勢を取るので、次のU―16などいろいろな場面でいい成績を残してほしい」といっそうの活躍を今後に期待した。

 田嶋町長に将来の目標を尋ねられ、「オリンピックに出たい」と胸を張って答えた久保さん。「(同選手権大会の)結果には少し悔しいところもあるけれど、自分の全力で走れたし悔いはない。来年も出場して1位が取れるよう、これからも頑張ります」と意気込み、その目標を達成する自信も力強く示した。

(2021年9月14日付紙面より)

全日本中学校陸上競技選手権大会などの結果を報告する久保凛さん(中)=10日、串本町役場
2021年09月14日
70 早急に逃げて命守る
 高田小・中で土砂災害避難訓練  (新宮市 )

 新宮市立高田小学校・中学校(大家淳志校長、児童6人、生徒6人)で10日、土砂災害避難訓練があった。児童生徒たちは避難経路を確認するなど、災害への意識を深めた。

 訓練は2019年から実施し、今年で3年目。11年に発生した東日本大震災、紀伊半島大水害から10年が経過したことに伴い、子どもたちに山の多い同地域で起こる可能性がある土砂災害への意識を持ってもらおうと行われた。

 この日は同校横にある山が崩れ落ちたと想定。災害を知らせる校内放送が流れると、児童生徒は防災頭巾をかぶり、教職員の指示に従って駐車場へ一次避難した。駐車場に土砂が迫り、校門から逃げられないことも想定し、脚立を使ってフェンスを乗り越える二次避難訓練にも取り組んだ。

 避難を終えた子どもたちに同中学校の成見雅貴教頭が「土砂が押し寄せた場合には校門からは出られず、さらに避難しなければいけません。地形上、津波の心配は少ないかもしれないが、豪雨時には川の増水が考えられるので注意しましょう」と伝えた。

 大家校長は「災害発生時に先生たちが皆さんの近くにいるとは限らない。そんな状況でも早急に逃げられるように訓練を重ね、精度を上げるのが重要。自然災害はいつ、どこで起こるか分からない。『絶対に生きる、諦めない』という気持ちで、命を守ることを忘れないでください」と呼び掛けた。

 水口胡都(こと)さん(6年)は「最初に比べると訓練の大切さを知り、避難時の判断ができるようになりました。実際の災害は想像以上に恐ろしいと思うので、授業の中だけでなく普段から防災への意識を高めたい」と話していた。

(2021年9月14日付紙面より)

防災頭巾をかぶり訓練に取り組む児童たち=10日、新宮市立高田小学校・中学校
大家淳志校長(右)の話に耳を傾けた
2021年09月14日
71 近大新宮がベスト8進出
 秋季高校野球県一次予選  
2021年09月14日
72 町民有志が出馬を要請  4期目の現職・西田健町長に  (紀宝町 )
2021年09月14日
73 一見勝之さんが初当選  10年ぶり新人同士の争い制す  (三重県知事選 )
2021年09月14日
74 マスク着用困難者に「意思表示カード」  和歌山県  
2021年09月14日
75 「熊野」テーマの絵画審査 11月6、7日に丹鶴ホールで展示 (新宮市)
2021年09月14日
76 一般会計補正予算が可決  9月定例会で18議案を審議  (太地町議会 )
2021年09月14日
77 白いヒガンバナ  新宮市のタウンガーデン  
2021年09月14日
78 気軽に相談し虫歯予防  城南中1年生が歯磨き講座  (新宮市 )
2021年09月14日
79 楽しい夏の思い出に  丹鶴幼で「夏まつりごっこ」  (新宮市 )
2021年09月14日
80 ロケット描いたバス導入  大塔交通社の串本営業所  (串本町 )
2021年09月14日
81 経験者の話聞き理解深める  高池小4年生大水害教わる  (古座川町 )
2021年09月14日
82 お悔やみ情報
  
2021年09月12日
83 「私の新宮遺産」 各部門の最優秀賞決まる (新宮市観光フォトコン)

 新宮市観光フォトコンテストの表彰式が10日、市役所であり、最優秀賞を獲得した小阪享志さん(67)とフォスティロプロス ソフィア裕希さん(6)らに賞状と記念品が贈呈された。入選した作品35点は観光カレンダーやパンフレットなどとして活用する他、10月29日(金)まで、市役所1階ギャラリー横に展示される。

 市観光カレンダー製作実行委員会(山本大輔委員長)が主催で毎年開催しており今年で10回目。今回はテーマを「私の新宮遺産」として作品を募集。一般の部には66人から242作品が、学生の部には14人から22作品の応募があった。

 一般の部では昨年に引き続き小阪さんが再び最優秀賞に輝いた。作品名は「悠久の石畳」。緑色の鮮やかなこけが生えた高野坂の石畳を被写体とした。小阪さんは「(高野坂は)最近造られたものではなく、先人たちの苦労と思いが込められている。それを写真で伝えられたら」と「私の新宮遺産」に選んだ理由を語り「昨年、最優秀賞に選んでもらってビギナーズラックで終わらせないように頑張った。審査員の方々に感謝です」と笑顔。

 王子ヶ浜沿いを疾走する特急列車「パンダくろしお」を捉えたのは学生の部最優秀賞のフォスティロプロス ソフィア裕希さん。保育園の卒園旅行で南紀白浜アドベンチャーワールドに行く予定だったが新型コロナウイルスの影響で中止に。「パンダが好き。アドベンチャーワールドに行きたい」という思いを写真に写した。

 山本委員長は「新宮市の観光もコロナ禍で大きな影響を受けている。皆さんの作品が、新宮市の魅力発信と観光PRの一助となることを期待しています」。

 審査員を務めた田岡実千年市長は作品一点一点を講評し「過去最高の作品数となった。素晴らしい数々の作品が集まった。すてきな観光カレンダーができると確信しています」と話した。

(2021年9月12日付紙面より)

一般の部・最優秀賞「悠久の石畳」(小阪享志さん)
学生の部・最優秀賞「パンダ列車」(フォスティロプロス ソフィア裕希さん)
2021年09月12日
84 脳科学研究の世界に触れる
 南澤玄樹さんがオンライン講話  (新宮高校 )

 新宮市の県立新宮高校(東啓史校長)で10日、国立研究開発法人理化学研究所・脳神経科学研究センター研究員の南澤玄樹さん(薬学博士)がオンラインで講話した。理系選択の2年生21人が脳科学研究の世界に触れ、脳と「絆」の関係について学んだ。

 生徒の進路選択の一助とするとともに、最先端の研究や科学的思考に触れることで将来の研究者育成につなげることなどを目的に実施した。

 南澤さんは、心理学と脳科学の違いを「心や行動に、『脳』という体の一部がどのような機能を果たしているのかを研究するのが脳科学」と説明。「人間の脳は約1000億個の神経細胞(ニューロン)によって成り立ち、嗅覚野、聴覚野、体性感覚野など部位ごとに機能分化しているが、サルやネズミ、ハエなどの脳とも大まかな位置関係や機能の共通性を持っている」と言い、「さまざまな動物の脳を研究した結晶として人間の脳が解明されていく」と話した。

 現在は、一緒に時間を過ごした仲間との絆(パートナー嗜好(しこう)性)を育む習性を持つハタネズミを用いた研究に取り組んでいることを紹介。「嗅周皮質と呼ばれる脳の一部の活動を抑制することで仲間と過ごす時間が有意に減ったことが確認でき、仲間との絆を育むために嗅周皮質が大きな役割を果たしていることが分かった」と述べた。

 「着想のもとになったのは、新型コロナ感染拡大後、ソーシャルディスタンスで人と人の距離が離れてしまったこと。今後さらに感染が広がってロックダウンのような状態になれば、人々の絆が失われてしまうかもしれない。研究所の仲間とオンラインで会話しているとき、それが絆の維持にどのような役割を果たしているのか、絆が失われないためには何が必要なのかと考えた」と語り、「研究を通じ、脳の損傷で人の顔が認識できなくなる『相貌失認』という症状についての認知が広がり、遠い未来に治療法開発につながる可能性もある」と話した。

 参加した生徒からは「難しいところもあったが、ハタネズミの研究の話が面白かった」「研究者の仕事に興味を持てた」との声があった。

(2021年9月12日付紙面より)

ネズミの脳について解説=10日、新宮市の県立新宮高校
講話に耳を傾ける生徒
2021年09月12日
85 コウノトリ3羽が飛来
 紀伊大島で注目浴びる  (串本町 )

 串本町大島で10日夕方、コウノトリが飛来し住民の注目を浴びるなど話題になった。

 コウノトリは体長1㍍を超える大型の渡り鳥で、羽を広げると2㍍前後に達する。羽はほぼ白いが翼の風切り羽などが対照的に黒く、その特徴と大きさで他の鳥類と一線を画する。

 世界的に絶滅危惧種となっていて、国内では1971年に野生のコウノトリが絶滅。後にロシアから贈られた個体を繁殖させ、その子孫を放って国内で繁殖する野生個体の復帰が図られている。

 目撃情報を頂き確かめたところ、3匹が県道樫野大島線から大島港へ降りる交差点一帯を断続的に飛び回り日没ごろに交差点そばの電柱に降り立って夜越しの準備を始めた。コウノトリは寝床を見つけると朝までその場にとどまり続けるそう。住民らの注目が他の注目を呼び、飛来中は入れ替わるようにその姿が見届けられていた。

 3匹とも放鳥のあかしである四つの足環がついていて、兵庫県立コウノトリの郷公園の公表資料によると3匹は今年5月6日に福井県小浜市の巣塔で野外繁殖により生まれた個体で、7月14日に巣立ったそう。いずれもオスで、2カ月弱で本州縦断飛行を成した状況となっている。

(2021年9月12日付紙面より)

県道樫野串本線沿いの電柱で休息するコウノトリ=10日、串本町大島
J0376(足環は青B、黒K、黒K、黄Y)
J0377(足環は青B、黒K、黒K、赤R)
J0375(足環は青B、黒K、黒K、黒K)
2021年09月12日
86 南紀ボーイズが準々決勝へ
 報知旗争奪関西さわやか大会  
2021年09月12日
87 人とまちの元気を応援  明治安田生命が寄付金贈呈  (新宮市 )
2021年09月12日
88 チャボホトトギスの花  かけぬけ道にひっそり  (那智勝浦町 )
2021年09月12日
89 健康観察オンラインでも  宇久井小学校でスタート  (那智勝浦町 )
2021年09月12日
90 「テロは起こさせない!」  官民一体で合同警戒活動  (JR新宮駅 )
2021年09月12日
91 新たに17の事業を展開  コロナ交付金を活用し  (古座川町 )
2021年09月12日
92 自動運転技術など学ぶ  出雲小でプログラミングの授業  (串本町 )
2021年09月12日
93 昔ながらの稲刈り体験  高池小5、6年生22人  (古座川町 )
2021年09月12日
94 丸山千枚田で収穫作業  「稲刈りの集い」は中止に  (熊野市 )
2021年09月12日
95 今年は214人が参加  サマースクールの実績  (紀宝町教委 )
2021年09月12日
96 知事選、12日に投開票  新人3人が舌戦展開  (三重県 )
2021年09月12日
97 出馬意思の計6陣営出席  立候補予定者説明会  (新宮市長選・市議補選 )
2021年09月05日
98 祈り込めキャンドルともす
 那智谷大水害遺族会が追悼式  (紀伊半島大水害から10年 )

 当地方に甚大な被害をもたらした紀伊半島大水害(2011年)から10年。各地では、同水害の犠牲者を追悼するための慰霊祭や式典、復興催事などが営まれた。本紙エリアでも新型コロナ感染予防対策が講じられる中、遺族や関係者らが故人をしのび、防災への誓いを新たにした。

 4日未明、那智勝浦町井関の紀伊半島大水害記念公園で那智谷大水害遺族会(岩渕三千生(みちお)代表)による追悼式があった。犠牲者の遺族ら約60人が参列し、さまざまな思いを胸に死者・行方不明者数と同じ29個のLEDキャンドルに明かりをともした。

 昨年と同様に、新型コロナウイルスの感染拡大防止の観点から、追悼式で使用するキャンドルの製作は中止となり、火を使わないLEDライトをキャンドルに用いた。

 午前1時から始まった追悼式には、水害の犠牲となった中平景都君=当時(小2)=の同級生も駆け付けた。

 岩渕代表(60)があいさつし、参列者が黙とうをささげた。その後、静かにキャンドルに明かりがともされた。

 景都君の同級生で前日に18歳の誕生日を迎えた同町市野々在住の村田健士朗(けんじろう)君(新宮高校3年)は「高校卒業後は同級生が集まる機会がなくなってしまうので今回、集まれて良かった。帰り道も同じだった景都君を思い出しながら、感謝を伝えた。今後もまた来たい」。

 水害で妻と娘を失った寺本眞一さん(68)は「家内と娘には『こんなことあったよ、初孫できたよ』と話し掛けた。各地で災害が起きると10年前を思い出して気がめいる。孫には事故や災害に遭わず、人生を全うしてほしいと思う。また、犠牲者のために多くの方が供養に来てくれるのはありがたい」と話した。

 岩渕代表は「10年、20年たとうが気持ちは同じ。遺族にはそれぞれの思いがある。那智谷の復興や災害が起きないように見守っていてほしいと伝えた。今日は景都君の友人がたくさん来てくれてありがたい」。

 追悼式や今後については「二度と那智谷で同じような災害を起こしてはならない。この水害を教訓にして、『早めの避難』を心掛けてほしい。大水害を忘れないためにも行事は後世に伝えていかなくてはならない。遺族会がなくなってもうちの家族だけでも式はやっていきたい」と話していた。

(2021年9月5日付紙面より)

祈りを込める中平景都君の同級生ら=4日未明、那智勝浦町の紀伊半島大水害記念公園
慰霊碑と向き合う岩渕三千生代表(右端)
2021年09月05日
99 「熊野川は元気です!」
 黄色いハンカチに感謝込め  (新宮市熊野川町 )

 新宮市熊野川町の新宮市さつき公園(紀伊半島大水害復興祈念公園)に3日、2011年の紀伊半島大水害後に町の復興に携わった全ての人々へ感謝を込め「熊野川は元気です!」のメッセージを発信する黄色いハンカチが掲げられた。期間限定で1週間ほど設置する。

 町内約600世帯と学校、福祉施設などにハンカチを配布して世話になった災害復興ボランティアや親戚、友人らへメッセージを書いてもらい、公園に掲げる取り組み。今年5月に地域住民組織「チームくまのがわ」の会合で発案され、実行委員8人を中心に大勢の町民が作業を分担した。

 3日の設置作業には雨の中、実行委員8人や熊野川中学校の全校生徒22人、関係機関職員らが駆け付けて協力した。

 参加した中前なごみさん(中3)は「ボランティアの方々へ感謝を伝える機会を持ててうれしい。当時は4歳だったが、泥かきをしてくれた人たちのことは記憶に残っている。これからも災害は起こるだろうが、今度は自分たちが助ける側に回りたい」。

 取り組み発案者の1人で実行委員長を務めた下阪殖保さんは「SNSやメディアを通じて、『ありがとう、熊野川は元気やで』という思いが伝われば。こんなメッセージが出せるくらい、町のみんなが前向きに復興に向けて頑張ってこられたこの10年は、いいこともたくさんあったと思う」と語った。

 さつき公園には翌4日にバルーンも設置され、青空の下に黄色いハンカチがたなびいていた。

(2021年9月5日付紙面より)

青空に黄色いハンカチがたなびく=4日、新宮市熊野川町
雨の中設置作業を行う生徒たち=3日、同所
2021年09月05日
100 心構えと行政支援で「抑える」
 仲本耕士副町長に聞く  (古座川町 )

 古座川町では土石流こそなかったが、家屋の床上浸水585戸をはじめとし道路、堤体、公共施設など多岐の被害があり、3人が災害関連で一度は取り留めた命を失った。紀伊半島大水害時、町住民福祉課長として対応した仲本耕士副町長は「(七川ダムの)ただし書き放流は自身の経験ではこの1回だけ」と自然の脅威を振り返る。

 洪水調節をする七川ダムの放流量は最大毎秒320㌧。ただし書き放流は流入量をそのまま流出させて最悪の状況(設計満水位状態からの決壊)を避ける特例操作で、当時は毎秒約1000㌧以上が流出していたという。その先にあるのが前述した被害。当時はそれほどの影響を与える雨水が古座川へ流れ込んでいた。

 そのような脅威の経験を受け、同ダムは全国に先駆けて事前放流に関する協定を電力会社と結び、洪水調節の幅を広げた。同町は災害復旧に3年余りを要し、その終盤で洪水時最高水位標柱を町内各所に設置し経験の風化抑止も図った。さらにハード面で車両や農機を守る高台を6カ所造成し、ソフト面では同大水害記録誌や洪水ハザードマップの全戸配布による水防災意識の喚起や自主防災組織の結成推進による備蓄増強などの対策を積み上げている。

 20年度から古座川下流域で河川整備計画に基づく河道掘削が始まり、今年8月末には古座川流域治水プロジェクトも策定された。いずれも同大水害に次ぐ被害をもたらした2001年水害(同町では家屋70戸が床上浸水)を前提。気付くべきは既往最大水位となっている同大水害規模の防災は困難で、今はこの状況に対する備えが不可避という現実だ。

 「古座川は昔からつかるところ。だから逃げる場所をつくる」。ふと祖母の言葉を思い出して語った仲本副町長。同大水害から10年を迎えるに当たり「古座川町は町民1人1人の心構えと行政のサポート、その集大成で被害を『抑える』。水害の経験を風化させず、各職場、各家庭で意識を持ってほしい。そのようにして古座川とつきあっていく」と思うところを掲げ、実動の源となる減災意識を皆が持ち続けることを期した。

(2021年9月5日付紙面より)

10年を振り返り思いを掲げる仲本耕士副町長(左)=2日、古座川町役場
後につくられた避難高台(写真左)や最高水位標柱。水防災意識を保つ象徴になっている
2021年09月05日
101 災害に強いまちづくりを
 大水害献花式で誓い新た  (新宮市 )

 新宮市は4日、同市熊野川町田長の道の駅「瀞峡街道 熊野川」の紀伊半島大水害慰霊碑前で犠牲者追悼献花式を営んだ。遺族や田岡実千年市長、向井雅男副市長、速水盛康教育長、大西強市議会議長ら関係者約30人が参列。犠牲者の冥福を祈るとともに、災害に強いまちづくりを誓った。

 参列者たちは、同市で犠牲になった14人の名前が刻まれた慰霊碑の前で黙とうをささげ、白い菊を献花。故人をしのび、静かに手を合わせた。

 田岡市長は「災害でお亡くなりになられた方々の無念の思いと、ご遺族の皆さまの深い悲しみを思うと今も哀惜の念に堪えない」と追悼。

 市では災害後、国、県、市民からの多大な支援と励ましを得て復旧・復興を進めるとともに、防災対策を見直し災害に強いまちづくりに努めてきたと述べ「これからも紀伊半島大水害を片時も忘れることなく、市民の皆さまが安心・安全に暮らすことができるまちを築いていく」と決意を新たにした。

(2021年9月5日付紙面より)

田岡実千年市長が追悼の言葉をささげた=4日、熊野川町田長の紀伊半島大水害慰霊碑
参列者らが慰霊碑に献花した
2021年09月05日
102 「子どもの犠牲なくしたい」  遺族が弟家族の遺品探す  (那智勝浦町 )
2021年09月05日
103 犠牲者の鎮魂など祈願  熊野速玉大社で慰霊祭  (新宮市 )
2021年09月05日
104 心一つに防災力向上を 大斎原で大水害慰霊祭 (田辺市本宮町)
2021年09月05日
105 消防体制の強化目指す  消防安全の日の誓い  (新宮市 )
2021年09月05日
106 大水害を忘れないために  9月4日「町民防災の日」  (紀宝町 )
2021年09月05日
107 タイムライン防災、町の文化に  西田健町長が思い語る  (紀宝町 )
2021年09月05日
108 経験伝え、意識向上図る  社会福祉法人高瀬会の思い  (古座川町 )
2021年09月05日
109 お悔やみ情報
  
2021年09月03日
110 今年ふ化した稚ガメ公開
 アオウミガメも同時開始  (串本海中公園 )

 串本町有田にある串本海中公園センター水族館(森美枝館長)が1日、今年ふ化したウミガメ類の展示飼育を始めた。今年は4年ぶりにアオウミガメもふ化。毎年ふ化するアカウミガメとともに生まれてまもない姿を観察できる貴重な機会となっている。

 館内ウミガメプールで展示飼育しているウミガメ類が産んだ卵からふ化した個体。今年は全体で17回の産卵があり、8月下旬からふ化が活発化し始めている。うちアオウミガメは1頭が3回産卵していて、8月27日に2017年以来となる砂の中からの初脱出を確認。1回目の6月14日確認分から12匹がふ化し、飼育担当の吉田徹副館長は「産卵の時期がふ化率の低いシーズン序盤だが無事脱出をしてくれた。残る2回分は数十匹規模で脱出すると思う」と期待を強めている。

 回数で言うと脱出まで育つのは全体の3分の2程度、というのが同館の人工ふ化場における傾向だそう。今月1日までにアカウミガメは3回分、アオウミガメは1回分の脱出を確認していて、予想より脱出が遅れ気味だがアカウミガメの脱出が40匹規模に達している状況もあり、今後9月いっぱいが最盛期になると展望を見据えている。

 脱出したウミガメ類はまずバックヤードで状態観察をし、餌(=オキアミ)を食べ出す段階に達したら屋内水槽で展示飼育をするのが同館の稚ガメ公開の流れ。アカウミガメの初ふ化から推して今年は8月末ごろを目標にして開始を目指してきたが、アオウミガメもタイミング良く初脱出したことでアカウミガメと同時で展示飼育を始める形となった。

 専用の屋内水槽は現在補修中で、当面は仮水槽で展示飼育し数日内に補修を完了し屋内水槽へ移すという。どちらの稚ガメも同じ水槽で飼育しているが、アオウミガメは一回り大きく目の周りや体の下部に白みを帯びる点でアカウミガメと区別できる。

 展示場所は館内となっているため、観察には入館料が必要。同館の営業時間は午前9時~午後4時30分(チケット販売は午後4時まで)。問い合わせは同センター(電話0735・62・1122)まで。

(2021年9月3日付紙面より)

展示飼育中の今年ふ化したアカウミガメやアオウミガメ=1日、串本海中公園センター水族館
2021年09月03日
111 津波など想定し避難
 くじらの博物館で防災訓練  (太地町 )

 太地町立くじらの博物館(林克紀館長)で1日、防災訓練があった。林館長はじめ職員ら35人が参加。津波を想定した避難や避難誘導、火災を想定した防火訓練などに取り組み、防災意識の向上を図った。

 「防災の日」(9月1日)に関連した取り組みで、地震や津波、火災などの災害に対する防災意識を高め、しかるべきときに取る行動の統一と情報の共有を図ることを目的として開催。避難器具の点検などは定期的に実施しているが、大規模な防災訓練は初めてという。

 林館長は集合した職員らを前に「この訓練を機に防災意識を高め、有事の際に一つでも二つでも役に立つように真剣に取り組んでほしい」と訓示。東海・東南海・南海地震の3連動地震による津波の発生を想定し、避難、および避難誘導訓練が行われた。

 職員らは来館者役と避難誘導役に分かれ、同施設裏手にある浅間山(せんげんやま、標高約37㍍)へ。津波到達時間内の避難を最終目標に定めつつ、避難行動に取り組んだ。3連動地震による同町の想定は津波到達時間7分、最大津波高6㍍、平均浸水2・3㍍となっている。

 同町役場総務課の山下真一企画員は「来館者の誘導に加えて、職員自らの命を守り避難する『人命最優先』を念頭に訓練いただいた。来館者の安全を図りながら、スタッフとして落ち着いて避難誘導などを行えていたと思う」と講評。

 訓練を重ね、さらに避難にかかる時間の短縮に期待を込め「訓練通りの対応が難しい場合もあると思う。日頃から防災意識を心掛けながら、来館者と自身の安全を考えて日々の業務にあたっていただければ」と伝えた。

 火災を想定した訓練では、新宮防災(同市三輪崎)の職員らが、屋上救助袋の開け方や消火器の使い方、防火シャッターの取り扱いなどについて講義。参加者らは真剣な表情で説明を聞き、避難・消火器具についての知識を得る機会とした。

 林館長は「訓練は継続していくことに意味がある。今後、年に1度でも実施していくことができれば」と話していた。

(2021年9月3日付紙面より)

津波を想定して浅間山に避難=1日、太地町
救助袋や消火器の取り扱い方法も学んだ
2021年09月03日
112 自分で考えて行動を
 防災の日に避難訓練  (相野谷中 )

 「防災の日」の1日、紀宝町立相野谷中学校(佐藤光一校長、生徒25人)で地震を想定した避難訓練があり、全校生徒が校内で身を守る行動を確認した。

 訓練を通して生徒自身が災害時に的確な判断をし、自らの安全を確保するための行動を取ることが狙い。同校では年に3回、地震や津波などを想定した避難訓練に取り組んでいる。

 この日は、終業のチャイムが鳴った後、緊急地震速報を知らせる放送が流れ、生徒は一斉に自分の机の下に潜り込み、低い姿勢で身を守った。

 揺れが収まった後、自転車で通学する生徒はヘルメットをかぶり、徒歩やバスで通う生徒は教科書などで頭を守り、運動場に避難した。

 前回より2秒早い1分15秒で全生徒の避難が完了し、佐藤校長は「今回はスムーズに避難できたが、揺れている間は机をしっかり抑えてほしい。地震はいつ起こるか分からない。しっかり備えをしよう。自分の命を自分で守るために、考え、判断し、決断して行動することを心掛けてください」と話した。

(2021年9月3日付紙面より)

揺れが収まるまで机の下で身を守る=1日、紀宝町立相野谷中学校
頭を守りながら運動場に避難する生徒たち
2021年09月03日
113 ワクチン接種など呼び掛け
 中井院長がメッセージ  (新宮市立医療センター )

 新宮市立医療センターの中井三量院長は1日、昨今の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、市民への周知のためにメッセージを発表した。

 中井院長のメッセージは次の通り。

  □     □

■新宮市民の皆さまへのご報告とお願い



 新型コロナ感染症は和歌山県下では2021年に入り、よくコントロールされ、収束方向へ向かっているようでありましたが、2021年7月下旬から、新たな感染者が増加し、新宮保健所管内でも患者が発生しております。多くが他圏域由来の患者から濃厚接触者として発症し、その周囲に小規模のクラスター、あるいは家族内感染しております。

 新宮市立医療センターはPCR検査、簡易PCR検査機器を設置し、有症状・無症状の濃厚接触者および緊急入院を要する発熱患者に対し、感染者を判定できる体制がとれています。

 なお、当院の感染者収容病床は20床から現在32床まで増床し、新宮保健所管内で発生した患者は有症状・無症状にかかわらず、当院での入院対応となります。

 患者が重症化するかどうかの判断は、毎日の病状観察、酸素飽和度、胸部CT検査、血液検査などで行われ、コロナ感染病床では医師・専従の看護師が診療に当たっています。新宮市立医療センターでは、重症に陥る前に、レムデシビル(ベクルリー)、デキサメタゾン、バリシチニブ(オルミエント)、抗体カクテル(ロナプリーブ)を早期に使用する方針です(かっこ内は製品名)。重症者には、ECMO、呼吸器装着治療する準備はありますが、マンパワーに限りがあり、田辺市、和歌山市の専門病院へ転送する状況であります。幸い、患者さんの症状は軽症、無症状が多く、重症になられた方はおりません。病状が安定し、PCR検査陰性化、入院7日を目安として、退院できています。

 新宮市立医療センターではコロナ感染患者だけでなく、通常の傷病患者かつ救急患者に対する診療を続けなければなりません。日々の感染者が軽症で6人程度までであれば、新宮市立医療センターの検査体制、入院体制で持ちこたえられると考えます。これが毎日10人以上、重症者、あるいは認知症、透析、脳血管障害後遺症などを合併する患者となるとたちまち、入院体制の維持が困難となります。そうなる前に、①皆さまには、新型コロナワクチン接種を可能な限り多数の方に受けていただきたいと考えます。ワクチン接種で重症に陥ることはごくまれであり、死亡者はほぼなくすことができると報告があります。しかしワクチン接種の後も新型コロナ感染は起こり、無症状~軽症で感染したことが分かりにくくなります。そこで皆さまには②ワクチン接種後も可能な限り他圏域への移動を自粛し、3密になる状況を避けること、多人数での会食、飲酒を控え、自宅での静かな食事、マスク着用、手洗い励行を続けていただきたいと考えます。

 ワクチン接種が人口全体の7~8割に達すると、集団免疫が働き、まん延状態は落ち着くといわれ、その後は通常の季節性インフルエンザと同様な定期的ワクチン接種で感染コントロールはできるといわれています。新宮地域でのワクチン接種は新宮市当局、新宮市医師会、新宮市立医療センターの協働作業で10月中旬をめどに完了する見込みであり、引き続き3部門協働でこの難局を乗り越えたいと考えておりますので、今しばらく皆さまの自粛をお願いいたします。

(2021年9月3日付紙面より)

中井三量院長がメッセージを発表=1日、新宮市立医療センター
2021年09月03日
114 助成対象者を抽選  国民健康保険・後期高齢者医療保険脳ドック受検費用助成事業  (新宮市 )
2021年09月03日
115 串本、初戦突破ならず  学童軟式野球(B級)和歌山県大会  
2021年09月03日
116 未来へと紡ぐ、伝統と誇り  「県誕生150年」巡回パネル展開催中  (和歌山県 )
2021年09月03日
117 おじいちゃん、おばあちゃんへ  下里保でプレゼント作り  (那智勝浦町 )
2021年09月03日
118 全市民に1万5000円  レインボー商品券配布などコロナ対策3事業  (熊野市 )
2021年09月03日
119 高齢化に伴い、給付費も増加  介護保険制度開始から22年目  
2021年09月03日
120 橋杭、田原の遊泳期間終了  両海水浴場の資材を撤収  (串本町 )
2021年09月03日
121 水災害対策など定める  古座川流域治水プロジェクト  
2021年09月03日
122 稲刈り作業に汗流す  太田地域で収穫進む  (那智勝浦町 )
2021年09月03日
123 お悔やみ情報
  
2021年09月02日
124 初日から幸先良いスタート
 鯨類追い込み漁が解禁  (太地町 )

 太地町で1日、イルカや小型クジラの追い込み漁が解禁され、太地いさな組合(田中清仁組合長、21人)の漁船12隻が午前5時ごろに太地漁港を出発した。初日から、バンドウイルカ約10頭を捕獲し、幸先良い漁のスタートを切った。

  □     □

■出港時の様子は



 国際捕鯨委員会(IWC)脱退や商業捕鯨の再開が注目されていることから、同町では反捕鯨活動家による抗議や違法行為などに対し例年、和歌山県警と海上保安庁が連携し、厳重な警備態勢を敷いている。

 和歌山県警によると、現在は新型コロナウイルス感染症の影響で外国人活動家が入国できないが、国内の活動家が会員制交流サイト(SNS)などを通じて活発化しているという。

 この日、県警職員らが待機する東の浜駐車場では、目立った混乱はなかった。近畿、関東、中部地方から集まった動物愛護の活動家ら数人は「イルカたちが恐ろしい目に遭うことは胸が痛む。食肉は伝統文化だと思うが、生体の販売は伝統文化ではないはず」と訴えていた。

  □     □

■追い込み漁では



 晴天に恵まれた初日、船団は4㍄(約7㌔)ほど沖へ向かった。出港から約1時間後の午前6時20分ごろ、バンドウイルカの群れを発見。海保のボートが警戒を行う同町の畠尻湾に約10頭を追い込んだ。いずれも体長は約2・7㍍ほど。

 同漁協によると、捕獲されたイルカは水族館などに販売される予定で、それ以外の個体は海に逃がすという。

 太地漁業協同組合の貝良文専務理事は「出初めで追い込めたので一安心。コロナ禍で鯨類の価格下落や海外輸出は苦戦しているが、今季も安全に大漁で終えられることを願っている」。

 初日の操業を終えた田中組合長は「数は少ないが出初めで捕獲でき、うれしく思っている。鯨類の流通が早く元に戻ってほしい。幸先が良かったので今年も良い漁ができることを祈っています」と語った。

 なお、漁期はゴンドウクジラ類が来年4月30日、イルカ類が来年2月末までとなっている。

(2021年9月2日付紙面より)

海上保安庁が待機する中、追い込み漁を行う太地いさな組合=1日、太地町の畠尻湾
早朝に出港する船団
2021年09月02日
125 勇気と感動をありがとう
 智弁和歌山・宮坂主将を表彰  (太地町 )

 「第103回全国高校野球選手権大会」で主将としてチームをけん引し、智弁和歌山を優勝に導いた太地町出身の宮坂厚希君(3年)が8月31日、凱旋(がいせん)を果たし、同町役場を訪問。三軒一高町長から表彰状を受け取った。

 宮坂君は保育園児から野球を始め、地元の少年野球チームの太地シータス、同町を拠点に活動する中学生硬式野球チーム・和歌山南紀ボーイズ(漁野尚登代表)で仲間とともに練習に励んだ。

 昨年秋からは智弁和歌山の主将としてチームをまとめ、今大会では準決勝で5打数4安打、決勝で2安打1打点と活躍し、チームの勝利に貢献した。

 役場玄関前では、町職員らの拍手で迎えられた。宇佐川彰男教育長が「コロナ禍において人々の気持ちが閉塞する中、このたびの活躍は社会と町民に勇気と感動を与えてくれた」と功績をたたえた。

 三軒町長は「野球だけではなく礼節も素晴らしかった。町の誇り。体に気を付けて頑張ってほしい」。

 宮坂君の祖父で、昨年に病のためにこの世を去った元同町議会議員の山下雅久さんの生前を振り返り「孫に対する思いが人一倍強かった。こんなにうれしいことはない。雅久さんに見せてあげたかったと、多くの人が涙したと思う」と話した。

 幼い頃から宮坂君の野球人生を見守り続けてきた父・雅也さん、母・陽美さんも同席。雅也さんは「試合が終わった後、夢をかなえてくれてありがとう、と伝えた。正直、『とんでもないことをやってくれた』という思い。息子を誇らしく思う」。陽美さんは「よく頑張ってくれた。親孝行の息子です」と活躍をねぎらった。

 宮坂君は「いろいろな方々に支えてもらったおかげで優勝できた。応援や温かい声に対し最高の形で応えることができた。本当にうれしい気持ちでいっぱいです」と笑顔。

 祖父・雅久さんに対しては「天国から見てくれていたと思う。力も貸してくれた。『やったよ。ありがとう』と伝えたいです」。

 今後は大学進学を視野に入れ「野球を続けて小さい頃からの夢だったプロの舞台で活躍できる選手になれたら。これから野球を始める子どもたちが目指したい選手になれるように頑張りたい」と展望を語った。

(2021年9月2日付紙面より)

表彰を受けた宮坂厚希君(中央)と山下雅久さんの遺影を手に三軒一高町長(左)、宇佐川彰男教育長=8月31日、太地町役場(一時的にマスクを外して撮影)
宮坂君を囲んで記念撮影(同)
2021年09月02日
126 町内店舗で取り扱い開始
 町独自ロゴのポロシャツ  (串本町 )

 串本町串本にあるスポーツ用品店「K SPORTS」(猪村一樹代表)がこのほど、同町の独自ロゴ「スペースタウン串本ロゴ」を取り入れたポロシャツの取り扱いを始めた。町職員有志も購入し、機運醸成のため先月下旬から徐々に業務内で着用中。先んじてサンプル品を着てアピールをしてきた田嶋勝正町長は「町民の皆さまにも着ていただき、ロケットの打ち上げを一緒に盛り上げていただければ」とコメントを発表している。

 このロゴは2月実施のイベント「宇宙ウイーク」で同町が発表し、町内などへ今後の活用を呼び掛けた独自ツール。旧古座分庁舎内にある役場企画課ロケット推進室で7月から条件付きで使用許諾申請の受け付けを始め、現在ロゴやデザイン、CG画像や衛星画像の計8種類が許諾により活用できる状況となっている。

 同店は同発表後、過去に日本トルコ友好周年記念事業や紀の国わかやま国体、ねんりんピック紀の国わかやまの機運醸成を目的とした製品を受注したノウハウを生かし、田嶋町長に独自ロゴのポロシャツ製作を相談。同申請を経て同ロゴ〈カラー〉を胸元にあしらうデザインで製作を進めた。

 仕上げた製品(税込み価格)は①ポロシャツ(3200円)②ボタンダウンポロシャツ(3900円)―の2系統。いずれもミズノ株式会社の製品にロゴを追加した、①は17色、②は白、黒、紺の3色といったカラーバリエーションが選べる。同店によると8月31日現在で受注対応のみだが、今後は町職員143人分などの注文から売れ筋の色をリサーチし基本のサイズ(L、M、S)を少量だが店頭に製品を並べるという。

 猪村代表は「町長に話をしたところ、それなら町職員でそろえようかということになり製作が進んだ。取り扱いは8月中旬から始めているが、今は受注生産で2週間ほどお時間を頂く形になる」と話し、今後の店頭販売実現も含め田嶋町長がコメントで呼び掛けた一般の需要に応えたいとしている。

 同店は日曜を除く午前9時30分~午後8時に営業。問い合わせは同店(電話0735・62・7705)まで。

(2021年9月2日付紙面より)

機運醸成のため町職員が着用している町独自ロゴのポロシャツ=8月31日、串本町役場
2021年09月02日
127 校舎に元気な声響く
 新宮・東牟婁の小中学校で始業式  

 新宮・東牟婁地方の小中学校で1日、始業式が行われた。児童生徒たちは夏休みを終えて登校し、校舎に元気なあいさつが響いた。

 新宮市立三輪崎小学校(嶋田雅昭校長、児童381人)では新型コロナウイルス感染症防止対策のため、校内放送で式を実施。嶋田校長は「放送のため皆さんの顔を見ることはできませんが、日焼けした元気な顔がそろっていることでしょう。『少ししんどいな』という人も学校のリズムで生活できるよう、今日から体と心の調子を整えてください」と話した。

 児童会代表の丸山千尋君(6年)は「コロナの影響でどこにも行けませんでしたが、お父さんやお母さんがトランプやいろんなことをしてくれ、楽しめました」と夏休みの思い出を紹介。▽体も心も元気でいられるように心掛ける▽健康的な生活を意識する▽1学期にできなかったことに挑戦する―を挙げ、2学期で頑張ってほしいことを呼び掛けていた。

 この日、市内では17カ所で「さわやか朝の声かけ運動」もあり、教職員や市教育委員会、地域住民などが通学路に立ち、登校中の児童生徒に「新学期、頑張ってね」「車に気を付けて」と笑顔であいさつしていた。

(2021年9月2日付紙面より)

市内では朝の声かけ運動が行われた=1日、新宮市佐野
校内放送であいさつする児童会代表の丸山千尋君=同日、新宮市立三輪崎小学校
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